条件表の設定例   (拡張8)No. 67... ボトム日の75日線カイリ

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(09.3.23)
2009年3月17日に、
  1. 当日の25日線は75日線の下位にあって、
  2. 直前の小波動のボトムの株価(安値)は25日線よりも下にある。
  3. 直前の小波動のボトムの株価(安値)は75日線から-20%以上カイリしている。
  4. そういう状況の中で、株価(高値)が75日線(近く)まで戻ったときは「戻り売り」をする。
といったことを述べたところ、これを条件表に設定するのはどうすればよいのかの質問がきました。実はこれを設定することは容易ではありません。自分で考えて条件表を設定することを2〜3年は続けたユーザーでないと難しい。難しいが手本があれば設定できるし、設定したことはほかの条件表でも使うことができます。今日はこれを設定していく過程を述べます。

まずどういう事象を設定しなければならないかです。
  1. が売りマークを出す当日です。

    当日の75日線と25日線の位置関係を調べる(例えば25日線と75日線のカイリ率がマイナス値なら25日線が下位にある)ことが1番目の条件です。

    次に、この日のザラバ高値が75日線にタッチしているか、接近しているこが4番目の条件です。これは株価高値と75日線のカイリ率を設定すれば知ることができます。

  2. は、直前の小波動のボトムの日です。2番目と3番目の条件は、(a)の当日の安値・25日線の数値・75日線の数値を調べても意味がありません。(a)よりも何日か前にあるボトム(b)の日の安値・25日線の数値・75日線の数値を調べねばなりません。(a)より何日前に(b)があるのかを条件表で判断させるところに難しさがあります。

  3. は(b)と同じ日の25日線です。この日のザラバ安値は25日線よりも下位になければならない(例えば株価安値と25日線のカイリ率がマイナス値であれば、安値が25日線より下位にある)ことが2番目の条件です。

  4. は(b)と同じ日の75日線です。この日のザラバ安値と75日線のカイリ率が%以上であれば、3番目の条件を満足します。

@当日の事象の設定

(a)の当日についての条件を設定しましょう。次のようになります。


  1. 行目は、陰陽足を描画する。
  2. 行目は、「主な株価」を描画する。
  3. 行目は、25日平均線を計算し、紺色で描画する。
  4. 行目は、75日平均線を計算し、深緑色で描画する。
  5. 行目は、200日平均線を計算し、黄色で描画する。
  6. 行目は、ザラバ高値だけを取り出す。
  7. 行目は、ザラバ安値だけを取り出す。
  8. 行目は、No.3線(25日線)とNo.4線(75日線)のカイリ率を計算し、カイリ率が-0.1%以下なら(25日線が75日線より下位にあるので)、「売り」の条件をつける。

  9. 行目は、No.6線(ザラバ高値)とNo.4線(75日線)のカイリ率を計算し、カイリ率が「-2%以上・+3%以下」なら(ザラバ高値が75日線に接触あるいは接近していると判断して)「売り」の条件をつける。

上記の条件表で7267「ホンダ」のグラフを描くと右のようになります。

売りマークは(a)で出したいのに、(イ)(ロ)でもでています。当日だけの条件は、
  1. (a)(イ)(ロ)の日の25日線は75日線より下位にあるので合格。

  2. ザラバ高値と75日線とのカイリ率は、(a)が-1.1%、(イ)が-1.3%、(ロ)が+1.9% なのでいずれも合格
この条件表に、直前の小波動のボトムの日の条件
  1. ザラバ安値が(c)の25日線より下位にあること。
  2. ザラバ安値と(d)の75日線とのカイリ率が-20%以下であること。
を追加しなければなりません。 上の条件表で、25日線や75日線を計算していますが、この平均線の数値は、すべてのデータ(標準だと500日)について計算されています。データ最新日を1日目として、過去に向かって2日目→3日目→4日目・・・→500日という順番に記憶されています。

だから(b)の日が、最新日から(例えば)57日目であることがわかれば、@57日目のザラバ安値、A57日目の25日線の数値、B57日目の75日線の数値、さらにはC57日目のザラバ安値と25日線とのカイリ率、D57日目のザラバ安値と75日線とのカイリ率、など条件表で計算しているすべての数値を取り出すことができるのです。

A直前のボトムの日の当日の事象の設定

問題はどのようにして、条件表で(b)の日が「データの最新日から何日前なのか」をわからせるのか?です。ここが最も苦心するところです。次図のようにNo.10行〜15行を追加しました。

  1. 行目は、No.7線(株価安値)とNo.3線(25日線)のカイリ率を計算します。(b)の日のザラバ安値は25日線より下位にあることが必要な条件なので、計算しています(まだ(b)の日が決まっていないので「以上・以下」の設定はできない)。

  2. 行目は、No.7線(株価安値)とNo.4線(75日線)のカイリ率を計算します。(b)の日のカイリ率が-20.0%以下であることが必要な条件なので、計算しています(まだ(b)の日が決まっていないので「以上・以下」の設定はできない)。

  3. 行目は、(1本前)の「主な安日」を計算します。(1本前)とは、当日(a)の直前にある「(ボトムの)主な株価」です。グラフでは(b)が(1本前)のボトム、(2本前)のボトムは(b)よりもう1つ前のボトム(A)1643円 を意味します。

    「主な安日」とは、当日(a)を規準にして、「何日前にボトムがあるか」を計算します。(b)のボトムは(a)を含めて8日前にあるので、(a)の日の「主な安日」は「8」という数値を記憶しています。 当日が(イ)の日であるときは(イ)の直前のボトム(ハ)1860円 は(イ)を含めて4日前にあるので、(イ)の日の「主な安日」は「4」という数値を記憶しています。

  4. 行目は、データNo.を「日付取出」で取り出します。(「日付取出」の加工は、《カナル24》Ver.2に追加されたものです。Ver.1にはありませんから、この条件表は設定できません)

    「日付取出」は、ある条件をつけて、その条件に合致した日のデータNo.(最新日が1で、過去に向かって2→3→4→...500となる)を取り出します。13行目は、No.1線(数値は終値を記憶している)の値が「1以上・999999以下」ならば、その日付を取り出す。という設定です。株価は最低でも1円以上の値がついているので、この条件で「日付取出」をすると、過去に向かって1,2,3,4,5,6、・・・499,500というデータNo.の数字が取り出されます。絶対的なデータの順番です。

  5. 行目は、No.12線(主な安日)とNo.13線(データNo.)を「a+b」で加えています。これは(主な安日)が当日より何日前にあるかという相対的な順番を記憶しているので、これを絶対的な順番(データNo.)にするためです。

    例えば(a)の日は最新日から50日目にあるので、No.13線は「50」というデータNo.を記憶しています。またNo.12線は(主な安日)は(a)の8日前にあるので「8」という順番を記憶しています。これを加えると、58(=50+8)という絶対的なデータNo.になります。

  6. 行目は、No.14線で計算したデータNo.から「1」を引いています。これは(a)の日は50日前→(a)の日を含めて8日前が(b)の日なので(50+8)-1=57 としないと(a)の日が二重にカウントされてしまうからです。

    これによって、(a)の日の1つ前のボトムは、データNo.が57の日であることが決まります。(イ)の日には、No.12線(主な安日)は4、No.13線(データNo.)は42 なので、(イ)の直前にあるボトム(ハ)1860円の日はデータNo.が45の日であるということを記憶しています。

  7. 行目は、No.10線(株価安値と25日線とのカイリ率)のうち、No.15線(直前のボトムの日のデータNo.)が記憶している日の数値を「日付数値」によって取り出しています。(a)の日には、No.15線は「57」を記憶しているので、No.10線(株価安値と25日線とのカイリ率)の「最新日から57日前の」カイリ率の数値が取り出せます。
    安値が25日線より下位にあるときはカイリ率はマイナスなので、この数値に「-0.1以下ならば売り」という条件をつけています。

  8. 行目は、No.10線(株価安値と75日線とのカイリ率)のうち、No.14線(直前のボトムの日のデータNo.)が記憶している日の数値を「日付数値」によって取り出しています。(a)には、No.14線は「57」を記憶しているので、No.10線(株価安値と75日線とのカイリ率)の「最新日から57日前の」カイリ率の数値が取り出せます。
    このデータNo.57のカイリ率が「-20以下」であれば「売り」の条件をつけています。
これによって、条件行No.1〜No.9行で(当日)にあるべき事象の条件が設定され、No.10〜No.17行で、(直前のボトムの日)にあるべき事象の条件が設定されました。

上記の条件表を使ってグラフを描くと、(a)だけで売りマークがでています。

(a)の直前のボトムである(b)の日の@25日カイリ率は-7.8%で合格、A75日カイリは-28.1%で合格です。

(イ)と(ロ)の直前のボトムである(ハ)の日の@25日カイリ率は-3.8%で合格ですが、A75日カイリは-16.7%なので不合格になっています。

7267「ホンダ」では思い通りの売りマークが出ていますが、多くの銘柄についてグラフを見ていくと、意図していない位置に売りマークが出ている銘柄があることがわかります。

Bピーク→ボトムの順になっていることの設定


5401「新日鉄」は(a)(イ)(ロ)の3か所で売りマークが出ています。(a)の直前のボトムの(b)の日の75日カイリ率は-30.8%なので、(a)の売りマークは正解です。しかし(イ)(ロ)は意図したものではありません。

(イ)(ロ)の直前の小波動のボトムは(ハ)です。(ハ)の日の株価安値と75日線とのカイリ率は-13.8%です。-20%以上にカイリしていないのだから、売りマークは出てはなりません。

なぜこういうことが起きたのかといえば、(イ)(ロ)の時点ではまだ(ハ)は小波動のボトムであると確定しておらず、直前のボトムは(b)であると判断していたからです。

「主な株価」は真のピーク・ボトムから3〜4日遅れて確定します(株価の変化がないときは7〜9日遅れることもある)。 (イ)(ロ)の日に(ハ)のボトムが表示されていなくても、グラフを見れば(ハ)を出発点にして株価が反発して75日線に接近したことがわかります。(ハ)からの上昇幅は小さいので、その後の下落は大きいとは限りません。(イ)(ロ)で売りマークはでないほうがよいのです。どうすればこれを防ぐことができるでしょうか?

小波動のピークとボトムの順番に目をつけます。(a)の日に確定している「主な株価」は(y)のピーク→(b)のボトムの順です。一方(イ)(ロ)の日にはまだ(ハは確定していないので、(b)のボトム→(a)のピークの順です。つまり(a)のピークのほうが新しいのです。

上図の「ホンダ」の(a)の日に確定していた「主な株価」は(y)のピーク→(b)のボトムの順です。(a)の時点では(b)のボトムのほうが新しいのです。ここから、当日から(1つ前のボトム)は(1つ前のピーク)よりも新しいときだけ売りマークを出せばよく、(1つ前のピーク)が(1つ前のボトム)よりも新しいときは売りマークは出さないようにすればよいのです。

  1. 行目は、(1本前)の「主な高日」を計算します。(1本前)とは、当日(a)の直前にある「(ピークの)主な株価」です。5401「新日鉄」のグラフでは(y)が(1本前)のピークです。

    「主な高日」とは、当日(a)を規準にして、「何日前にピークがあるか」を計算します。(y)のピークは(a)を含めて25日前にあるので、(a)の日の「主な高日」は「25」という数値を記憶しています。 当日が(イ)の日であるときは(イ)の直前のピーク(a)328円 は(イ)を含めて16日前にあるので、(イ)の日の「主な高日」は「16」という数値を記憶しています。

    No.12行で「主な安日」を計算しています。(a)の日の「主な安日」は(b)で「22日前」です。(a)の日の「主な高日」は「25日前」であるので、「主な高日(25日前)」のほうが「主な安日(22日前)」よりも古い。つまりピーク・ボトムの順は、ピーク(y)→ボトム(b)の順であることがわかります。

  2. 行目は、No.18線(主な高日)からNo.12線(主な安日)を引いています。もし「主な高日」がより古いなら、この行の計算値はプラス値になります。そこで「1以上 999999以下」なら「売り」という条件をつけています。

    (a)の時点で主な高日は25日前、主な安日は22日前なので、(主な高日−主な安日)の計算値は、25-22=3 となって「売り」は合格です。一方(イ)の時点での主な高日は16日前、主な安日は37日前なので、16-37=-21 となって「売り」は不合格になります。

C戻り高値であることの設定


直前の「主な株価」がピーク→ボトムの順になっていることの条件を追加すると、5401「新日鉄」は(a)で売りマークを出すが、(イ)(ロ)では売りマークを出さなくなりました。

もうひとつ意図していない売りマークが出ています。それは(a)の翌日と翌々日に出ている売りマークです。(a)よりも安い株価水準での売りマークは意味がありません。

これを防ぐには、売りマークを出す日は「それ以前の13日間で新高値をとっていること」という制約を加えればよいでしょう。

売りマークが出た日はそのあたりで最も高い日なので、上昇してくる株価に「向かって」売ることになります。(a)の翌日と翌々日は株価が下げている日です。このような日に売るのは「追っかけ」です。追いかけて売っていては大きな利幅は望めません。

  1. 行目は、No.6線(株価高値)の過去13日間の「最大日数」を計算します。「最大日数」は13日間のうちで最大値(この場合は最も高いザラバ高値)を取っている日が3日前であるのなら「3」を記憶します。10日前に最大値があれば「10」を記憶します。当日が最も高いときは「0」を記憶します。

    13日間で当日が最も高いザラバ高値を出していることの条件は、「0以上、0以下 なら売り」です。1日前ではいけません。

上記の条件表で、5401「新日鉄」のグラフを描かせると、(a)だけで売りマークを出しています。(a)の翌日・翌々日は(a)のザラバ高値よりも安いので、売りマークは出ません。

D機械的に出た売買マークを盲信してはならない


だいたい以上の条件表の設定によって、「戻り売り」の成功確率は高くなったと思いますが、個別銘柄の動きは一様ではありません。

その銘柄についての因縁のある建て玉(過去の売買の失敗)もあれば、その企業業績についての強弱感もあり、信用取引による需給バランスがあり、あるいはM&Aによる株式の買い集めの動きもあるでしょう。

とくにM&Aがあれば株価はチャート破りの異常な動きをします。グラフだけですべてが解決できると思ってはなりません。

3110「日東紡」は、75日線(a)での売りマークを出しましたが、ここでは反落せずに200日線の(D)まで急騰しました。

それでも株価が200日線より下にあって、25日線が75日線より下位にあるときは、上昇しても200日線までであるという原則は破れていません。

ただ75日線で売りがでたら「戻り売りだ」と単純に考えて資金の全額を「戻り売り」に使ってしまうと、(a)の終値163円から(D)の高値198円まで約20%のマイナスになる評価損をかかえ、心配しなくてはなりません。もともと3110「日東紡」は資本金が小さいし、企業や時価総額が小さい企業なので、小数の有力な投資家の思惑で株価が上下します。よって「戻り売り」の対象にしないほうがよいのです。

大型株についても、グラフの売りマークが全部あたることは決してありません。条件表で設定していることは、株価データだけを元にした判断です。200日線までの上昇があることを思って、@75日線で1/3、A200日線で1/3、B残り1/3は予備、といった建て玉のしかたを考えて下さい。


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