条件表の設定例   (拡張8)No. 57... 逆張りの買い(QE)

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                 ●(拡張8)条件表は《カナル24》の「アップデート」からダウンロードできます。


(05.7.6) TOPIX 1186P(+4) 日経平均 11651円(+21) 12.6億株 (9249億円)

《Qエンジン24》のヘルプマニュアルを書き上げました。 今回は条件表の「成績の評価」をメインテーマとしました。@「売買成績」の「プロフィット・ファクター」、A「損益経過」のドローダウン、B「売買時期」の月別売買マーク、C「月別売買リスト」の「月あたり成績」などが評価基準として新しく加わりました。

さらには「連結データ」で最長3000日分のデータが扱えるようにしたので、「操作事典」と「オートマ事典」は全部書き換えました。オートマ事典では約80本の条件表を生成しましたが、ちょっとよい条件表ができたので紹介し、成績の評価のしかたについて、2〜3日で述べます。


@条件表の売買成績を検討する

まずはその条件表から。次のものです。これは述べた後で、(QE拡張8)条件ファイルのNo.57に「HP 逆張りの買い(QE)」として掲げますから、梱包ファイルをダウンロードして「移入」して下さい。)



オートマ事典では、
  1. 日経225銘柄について、
  2. 2005年3月31日までの1500日間を対象にして、
  3. オートマに条件表を生成させました。

「売買検証」は同じ225銘柄について、同じ時期(1500日間)の成績を調べました。

そのときの売買ルールは図のようなものです。要するに@時間切れは30日、A+15%で利食い、B-15%で損切り、というのがメインです。


成績は次のようになりました。
  1. トレード数は289件。(目安としては、1銘柄につき1年間で0.1件の買いマークがでればよいとすると、225銘柄×0.1件×6年間=135件の計算から135件のトレード数があればよい。)
  2. 利益率は 6.36%。(一般銘柄だと、5%あれば合格としています。)

  3. トレードの平均日数は8.2日。(これは評価の対象ではないが、時間切れを30日としていても、平均して8.2日で決着がつくのはよい)
  4. 勝率は 79.9%。(70%あれば合格。トレード数が多ければ65%くらいでもよい)
  5. プロフィット・ファクターは 3.38倍。(2.0倍で合格。2.5以上あればさらによい)

  6. 利食いAができたのは全トレードのうちの44.6%(構成率)。(40%以上あれば合格)
    利食い(A+B+C)できたのは全トレードのうちの77.9%(構成率)。(50%以上あれば合格)
    損切りしたのは全トレードのうちの15.6%(構成率)。(利食いAの半分以下であればよい。この例では利食いAは44.6%であるので半分以下の損切りだから合格)
だいたい以上のような評価をすればよいと思います。この条件表はどの評価基準も全部満足しています。





A売買マークが出た時期を検討する

昨日掲げた条件表No.57「HP 逆張りの買い(QE)」の売買成績は、@トレード数が289件、A利益率は6.36%、B勝率は79.9%、Cプロフィット・ファクターは 3.38倍 と数字だけを見ればじつによい成績でした。しかしこれでこの条件が使えると判断してはなりません。

買いマークが出た時期を調べてみる必要があります。もし289件のトレードのうち、ある日に200銘柄が買いマークを出していた。しかもその200銘柄はほとんが利食いできていたとしたらどうでしょう。通常1日に200銘柄を買うことができる投資家はいません。せいぜい数銘柄までです。3銘柄買ったとすれば、残りの197銘柄の買いマークは無縁のものです。



どういう時期に売買マークを出したかは、「新規検証」の「売買時期グラフ」を見ればわかります。図は条件表No.57が買いマークを出した件数のグラフです。

1か月に何件の買いマークがでたかを棒グラフと折れ線グラフで表しています。
  1. ピンク色の棒グラフは、買いマークがでて勝ちトレードになった件数

  2. 赤色の折れ線グラフは、買いマークがでて負けトレードになった件数
です。図を見ると、a,b,c,dで20件〜30件の買いマークが出ています。だいたい1年に1回は多発する月があります。しかしこれは買いマークが集中しているとはいえません。


例えば右図は別の条件表が出した買いマークですが、a,bの2時期にマークは集中しています。この条件表のトレード数は141件でしたが、aで32件(22.7%)、bで15件(10.6%)の買いマークが出ており、この2つの時期で全体の1/3の買いマークがでています。

この条件表の成績の数字は@トレード数141件、A利益率5.95%、勝率75.9%、Cプロフィット・ファクタ2.88倍と立派なものですが、このように売買マークが集中するものは、常日頃使える条件表ではありません。


売買マークが集中しているかどうかを数字でつかむには、「売買時期グラフ」のメニューの「月別時期リスト」をクリックします。

X年X月に何件の買いマークが出たというリストの最後に図のような統計数値がまとめられています。


図のAは「売買マークの集中度」を知るための数値です。上から順に説明すると、
  1. 62か月間が対象になった
  2. このうち44か月に買いマークがでた(仕掛け率は71.0%)である。
  3. 1か月に最多の買いマークがでたのは30件で、これは全トレード数の(10.4%)に当たる。(最大仕掛け率と呼ぶ)
  4. 平均して1か月に6.6件の買いマークが出た勘定であるが、
  5. 1か月に6.6件以上の買いマークがでた月は12月あった。これは全期間の(19.4%)にあたる。(これを集中仕掛け率と呼ぶ)
売買マークが集中しているかどうかの目安は次のように思っています。
  1. 仕掛け率は50%以上あること。(まんべんなく出ている)
  2. 最大仕掛け率は20%以下であること。(20%以上だとその月が突出している)
  3. 集中仕掛け率は15%以上であること。(15%以下だと集中している)
例にしている条件表No.57は3つの数字のどれもが「集中していない」ことを表しています。

ちなみに集中している例として「売買時期グラフ」で取り上げた条件表の集中度を表す数字は
  1. 仕掛け率は50%なので、ギリギリ集中していない。
  2. 最大仕掛け率は22.7%なので、集中している。
  3. 集中仕掛け率は12.5%なので、集中している。
となっていました。



図のBとCAは「成績の集中度」を知るための数値です。BとCを比較することで判断します。

Bは「売買成績」にあるトレードごとの成績の合計です。Cは「1と月に30件の買いマークがでたとしても1件しか買わない」という「月あたりの成績」です。マークが30件出た月は、30件の平均値をその月の成績にしています。Cについて上から順に説明すると、
  1. 全部で44か月に買いマークが出た(44回トレードすることになる)
  2. そのうち勝ったのは35月
  3. 負けたのは9月
  4. 勝率は79.55%である(35÷44)。
  5. 利益率は5.78%であった。
  6. プロフィット・ファクターは 5.63倍
となります。もし一時期に買いマークが出て、ここで集中して勝っていれば、「月あたり成績」は「売買成績」に比べて悪くなるはずです。(月に30件の買いマークがでても1件としか評価しないから)

そこでBの数値とCの数値を比較すると、@勝率は79.93%→79.55%と変わらず、A利益率は6.36%→5.78%とやや低下したが、Bプロフィット・ファクターは3.38倍→5.63倍へアップしています。

これによって、この条件表はまんべんなく買いマークが出ているし、成績も一時的に好成績をだしたのではない。ということがわかります。


B別の銘柄でも同じような成績を出すかを検討する

ここまでの検討で、条件表No.57は、@売買成績は優れている、A買いマークはまんべんなく出ている(集中していない)、ということが確認できました。次は、この条件表は225銘柄を対象にして生成したものですが、225銘柄に特有の動き(があるとすれば)に依存していないか、を検討をしておかなければなりません。225銘柄以外の銘柄にこの条件表を使ってもよいのでしょうか? そこで
  1. 東証1部の全銘柄(1649銘柄)について、
  2. 2005年3月31日までの1500日間を対象にして、
  3. 「新規検証」をしてみました。


( )内は225銘柄を対象としたときの成績。
  1. トレード数は 2525件 (289件)
  2. 利益率は 5.28% (6.36%)
  3. トレードの平均日数は8.4日 (8.2日)
  4. 勝率は 76.1% (79.9%)
  5. プロフィット・ファクターは 2.62% (3.38倍)
  6. 利食いAができたのは全トレードのうちの43.6% (44.6%)(構成率)
    利食い(A+B+C)できたのは全トレードのうちの74.9% (77.9%)(構成率)
    損切りしたのは全トレードのうちの19.2% (15.6%)
全体的に成績は低下しましたが、どれも合格基準を満たしています。


「売買時期グラフ」で買いマークの分布を見ると、ややdで多いかと思われますが、これは2004年5月のことで、308件の買いマークがでています。しかし全体の2525件のうちの8.96%であり、集中しているとはいえません。


「月別時期リスト」をみると、
  1. 仕掛け率は93.2%と高い。(ほぼ毎月買いマークがでている)
  2. 最大仕掛け率は12.2%で、20%以下である。
  3. 集中仕掛け率は20.5%で、15%以上である。
    売買マークは集中していません。
    「月あたり成績」を見ると。
  4. 勝率は76.12%→70.59%へダウンするも合格基準をクリアしています。
  5. 利益率は 5.28%→3.95%となったので、だいたい4%くらいが現実の利益率と思ってよい。
  6. プロフィット・ファクターは2.62%→5.41%へアップ
買いマークは偏って出てはいません。これによって東証1部の銘柄に、条件表No.57を適用してもよいことがわかりました。



C別の時期でも同じような成績を出すかを検討する

オートマは、@対象とした銘柄(225銘柄)、A対象とした時期(2005年3月31日までの1500日間) で最もぴったりした条件表を生成しています。つまりは条件表が生成された条件(銘柄と時期)が変化すれば、当然に「ぴったり」は薄れてきて成績は低下します。

問題は低下の具合です。よい条件表は成績があるていど低下したら、それ以上には低下せず、その後は時期や銘柄に応じて、成績が上下します。普遍性がある条件表です。

普遍性がある条件表を作るためには、
  1. トレード数をある程度確保すること。トレード数が20件や30件ではいけない。
  2. 売買マークが集中して出ていないことを確かめること。
  3. 違った銘柄でも売買マークが出るかを確かめること。
  4. 違った時期でも極端に成績が落ちないかを確かめること。
です。ここまでは1.〜3.について検討しました。今日は4.について検討します。

条件表No.57は、「2005年3月31日までの1500日間」をターゲットにして生成しました。今日は7月8日です。3月31日から3か月が経過していますが、この3か月の成績はどうだったのでしょうか。そこで
  1. 東証1部の全銘柄(1649銘柄)について、
  2. 2005年4月1日から6月30日までの61日間を対象にして、
  3. 「新規検証」をしてみました。



( )内は東証1部1649銘柄の2005年3月31日までの1500日間を対象としたときの成績。
  1. トレード数は 16件 (2525件)
  2. 利益率は 5.14% (5.28%)
  3. トレードの平均日数は12.1日 (8.4日)
  4. 勝率は 75.0% (76.1%)
  5. プロフィット・ファクターは 3.05倍 (2.62%)
  6. 利食いAができたのは全トレードのうちの31.3% (43.6%)
    利食い(A+B+C)できたのは全トレードのうちの75.0% (74.9%)
    損切りしたのは全トレードのうちの12.5% (19.2%)
わずかに3か月間の成績なのでアテにはできませんが、だいたい同じような成績の数値になっています。

2005年3月31から1年ほどたって再度「新規検証」をしてみて、数字に大きな変化がなければ、条件表No.57は今後も同じ成績をだす「普遍的な」条件表として残ることができます。



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