1165 チャート事典

  [1165] イールド・レシオ


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意味

図は市場データです。市場データは個別銘柄の株価データとは別にあります。(市場データの仕様を参照。)

これら市場データに関係する加工を条件表に設定するには、市場データが整備されていなければなりません。(市場データはマスターネットは送信していないので、弊社HPからダウンロードするか、手入力をして下さい。)

使用市場データを利用する加工は以下のものがあります。
  1. 値上銘柄数
  2. 値下銘柄数
  3. 騰落レシオ
  4. 値付き率
  5. イールド・スプレッド
  6. イールド・レシオ
  7. 日経PER
  8. 短期金利
  9. 長期金利
  10. 日経利益
本章は「イールド・レシオ」の設定のしかたを説明します。前章のイールド・スプレッドで、@株式投資の予想収益率と、A長期金利は同じ水準に落ち着くこと、B長期金利−株式益回りはイールド・スプレッドと呼ばれ、これは潜在成長率を表していること、C長期金利と株式益回りを比較することで、株式が割安か割高かがわかること、などを述べました。

潜在成長率というものはそうめまぐるしく変化するものではありませんから、イールドスプレッドは短期的には一定です。つまり長期金利と株式益回りは連動します。このことは
  1. 長期金利-株式益回り=一定
    としてもよいし、
  2. 株式益回り÷長期金利=一定
    と考えてもよいのです。
1.は「イールド・スプレッド」であり、2.は「イールド・レシオ」です。

1989年のバブル以前の潜在成長率は、だいたい3.5%程度であるとされました。この時期の長期金利が5.0%、株式益回りが1.5%であれば、確かに5.0%-1.5%=3.5%で長期金利と株式益回りの関係は正常です。
イールド・レシオは株式益回りの長期金利に対する割合です。当時の「イールド・レシオ」の目安は以下のようでした。
  1. 25%以下 =即刻売り
  2. 25〜30% =割高
  3. 30〜35% =中立
  4. 35〜40% =割安
  5. 40%以上 =即刻買い
長期金利が5.0%のときは、1.(25%)のときの株式益回りは1.25%で、2.(30%)の株式益回りは1.5%、3.(35%)では1.75%に当たります。

金利が6.0%に上昇したときは、1.(25%)の株式益回りは1.5%、2.(30%)では1.8%、3.(35%)では2.1%です。このように長期金利と株式益回りの割合を決めておけば、金利の変動につれて株式益回りはどのようになるのか、割安になったのか割高になったのか、がわかりやすくなります。

しかしこれは長期金利が株式益回りより高い時代で通用する話です。今のように名目GDPの伸び率がマイナスになっている時期は、長期金利のほうが株式益回りより小さくなります。現在の長期金利は1.5%程度に対して株式益回りは2.5%あります。イールド・レシオを計算すれば、2.5÷1.5X100=167%というとほうもない数値になります。 こういう時代にはイールド・レシオは役に立ちません。




規則 (イールド・レシオ)

元データ市場データ
副データなし
加 工イールド・レシオを計算する。(イールド・レシオ=株式益回り÷長期金利X100)
パラメータなし
単 位%(0〜999)
使用例・イールド・レシオ



計算方法

イールド・レシオ=株式益回り÷長期金利X100で−です。長期金利は市場データの「長期債」であり、株式益回りは市場データの「PER」の逆数です。
  1. No.15の日の市場データの長期金利(A)は145となっていますが、正しくは2桁落とした1.45%です。また市場データのPER(B)は3567となっていますが、正しくは2桁落とした35.67倍です。株式益回りはPERの逆数なので、1÷35.67X100=2.80になります。ここからイールドレシオ=2.80÷1.45X100=193.34と計算されます。

  2. No.14の日の長期金利(A)は1.44%です。PERは37.23倍です。株式益回りはPERの逆数なので、1÷37.23X100=2.69になります。ここからイールドレシオ=2.69÷1.44X100=186.53と計算されます。


設定例@ イールド・レシオの設定



設定のポイント
No.3線 市場(データ)のイールド・レシオを計算し、紫色で描画する。



グラフ@

図は日経平均の陰陽足とイールド・レシオ(紫色)です。 株価とイールド・レシオには確かに逆の相関があります。
  1. 株価が上昇しているときはイールド・レシオ(紫色)は低下し、
  2. 株価が下落しているときはイールド・レシオ(紫色)は上昇しています。
しかしこれは株式益回りが、株価の変動にともなって変動しているためで、イールド・レシオが株価の変動を生じているのではありません。

イールド・レシオの有用性は、レシオの水準から株式が割安か割高かを判定できるところにありますが、現在ではまったく無力な存在になってしまっています。



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