1094 チャート事典

  [1094] 偏差帯


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意味

グラフは5393 ニチアスの「偏差帯」です。図の@紺色の線は25日平均線で、A上下の薄紫色の線は、25日平均線を中心にして標準偏差の1.96倍を加えた線(上限線)と25日平均線から標準偏差の1.96倍を引いた線(下限線)です。Aは、上下2つの線を合わせて「偏差帯」といいます。

このように2つの線がセットになっているチャートには、 抵抗帯ピボット定数帯%巾帯偏差帯ハイ&ロー帯があります。

「定数帯」は平均線に一定の値巾を加減し、「%巾帯」は平均線に一定の比率を加減したものでしたが、この章の「偏差帯」は平均線に、標準偏差を何倍かしたものを加減します。それでは標準偏差とは一体どういうものでしょうか。

例えば3日間の株価の平均値が同じ500円であったとしても、Aは501円・500円・499円であり、Bは510円・500円・490円であり、Cは550円・500円・450円であることもあるでしょう。Aの3日間の平均値からのブレは±1円で、Bは±10円で、Cは±50円です。Aはほとんど変動はなく、Cは1日につき10%の変動があります。同じ平均値であってもその変動は異なります。この変動の大きさを表すものが標準偏差です。

標準偏差は
  1. (株価-平均値)の2乗を合計し、
  2. データ数(この場合は3日)で割り、
  3. これの平方根を計算する
で求められます。 いまABCの標準偏差(σシグマと読む)を計算すれば、Aは0.82、Bは8.17、Cは40.82となります。標準偏差が大きいものほど、平均値からの変動(バラツキ)が大きいのです。

標準偏差σには面白い性格があって、そのデータ(この場合は株価)の ということが理論上いえます。(データが正規分布をしていると仮定したとき)

図の偏差帯は平均値±1.96σの偏差帯ですが、平均値±1.96σの間に、95%のデータが含まれます。(切りがよいので統計では±1.96σはよく使われる。)

図は25日平均とその標準偏差から計算した「偏差帯」ですから、この帯の中に過去25日間の株価の95%は含まれる。帯より上に出るのは2.5%、下に出るのは2.5%であるわけです。図を見ればなるほど株価が帯の上下にでることはめったにありません。







規則 (偏差帯)

元データ株価
出来高
信用買残・売残
共通銘柄終値
No.1〜No.150線
副データなし
加 工あるチャートの上下に標準偏差の何倍かの値を加減して帯を描く(上下2つの線の値を計算する)
パラメータ×%
単 位元データと同じ単位
使用例・25日平均線の偏差帯
・25日平均線の1σ(シグマ)の偏差帯
・25日平均線の2σ・3σの偏差帯





計算方法

偏差帯は「帯」ですから、上下2本の線があります。2本の線を上限線・下限線とすると
基準の値は、株価でも、25日平均線でも、50日コスト線でもよいのです。

要するに何かの値に、その標準偏差の何倍かを加えたものを上限線、標準偏差の何倍かを減じたものを下限線とします。


図は、10日の偏差帯を計算したときの例題です。
  1. No.6の日の平均値は180.2円、SD(標準偏差)は2.3となっているので、この日の上限線は180.2+2.3×1.96=184.7円になり、この日の下限線は180.2-2.3×1.96=175.7円になります。

  2. No.1 の日の平均値は183.7円、SD(標準偏差)は4.1となっているので、この日の上限線は183.7+4.1×1.96=191.7円になり、この日の下限線は183.7-4.1×1.96=175.7円になります。








設定例@ 25日平均線の偏差帯の設定



設定のポイント
No.3線 株価の25日平均を計算し、紺色で描画する。
No.4線 株価の25日偏差帯を計算し、薄紫色で描画する。上限線の値を「印字」する。
パラメータ欄が25のように3桁までの数字のときは、1.96σの偏差帯となる。
No.5線 偏差帯は上下2本の線から成り立っていますが、「印字」を「する」と設定したときは、上にある線の値を表示します。もし下限線の数値を見たいときは、No.5行のように、「帯下値」を使います。



グラフ@ 25日平均線の偏差帯

5393 ニチアスの偏差帯です。上の条件表のNo.4行で、25日偏差帯を描く設定をしていますが、単に25日偏差帯と設定したときは、平均値±1.96σの値が上限線・下限線になります。

1.96σの偏差帯であるので、95%の株価はこの帯の間におさまっているはずです。図は147日分の株価を表示していますが、終値が偏差帯の上である日が5日、下である日が3日ありました。147日中の8日なので、この割合は5.4%となって、だいたい理論どおりの結果になっています。

a,c,d,fでは、株価が上限線より上にでた翌日または翌々日には株価は下落しています。またe,gは、株価が下限線より下になって、翌日からは上昇していますから、偏差帯を逆張りのチャートとして使えることがわかります。すなわち、
  1. 株価が上限線の水準にきたら売り
  2. 株価が下限線の水準にきたら買い
です。ただしbは下限線の下になった後の反発はわずかで、その後は大下げになっていますから、いつもいつも逆張りが効くわけではありません。むしろ帯を突破したときは、上げ始め・下げ始めではないかと判断せねばならないこともあります。







設定例A 25日平均線のボリンジャーバンドの設定



設定のポイント
No.3線 株価の75日平均を計算し、紺色で描画する。
No.4線 株価の25日偏差帯を計算し、薄紫色で描画する。上限線の値を「印字」する。
パラメータ欄が1025のように4桁の数字のときは、先頭の1がσの倍率を表す。この例では、平均値±1σの偏差帯となる。
No.5線 偏差帯は上下2本の線から成り立っていますが、「印字」を「する」と設定したときは、上にある線の値を表示します。もし下限線の数値を見たいときは、No.5行のように、「帯下値」を使います。
No.6線 株価の25日偏差帯を計算し、深緑色で描画する。上限線の値を「印字」する。
パラメータ欄が2025と4桁の数字なので、先頭の2がσの倍率となる。この例では、平均値±2σの偏差帯。
No.8線 株価の25日偏差帯を計算し、紫色で描画する。上限線の値を「印字」する。
パラメータ欄が3025と4桁の数字なので、先頭の3がσの倍率となる。この例では、平均値±3σの偏差帯。



グラフA ボリンジャーバンド

1σ、2σ、3σの偏差帯を同時に描いたものは、ボリンジャーバンドと呼ばれています。冒頭で掲げたように、±3σの帯の中には、99.7%が含まれますから、ここから株価がはみ出る確率は1000日のうち3日ほどです。こういう事態が起きたときは、よほど異常な現象が起きたわけです。

図でも、帯を超えたのは147日中でAの1か所だけですが、注意しなければならないのは、@異常な事態がおきたのだから、すぐに正常な状態にもどる、という場合と、A異常な事態がおきたのは、それまでの相場つきが変化した、という場合がある、ということです。

長いあいだ下げてきて、下値での値動きが小さくなって(標準偏差が小さくなって)、急に上昇することがあります。こういうときは軽々と3σの帯を上抜いてしまいますが、このとき3σを超えたから売りだと判断するよりも、相場が反転したと判断したほうがよいことが多くあります。






設定例B 13日相対力の偏差帯による買い・売りの設定



設定のポイント
No.3線 株価の13日相対力を計算し、紫色で描画する。
No.4線 No.3線(株価の13日相対力)の20日偏差帯を計算する。
パラメータ欄が20のように3桁までの数字のときは、1.96σの偏差帯となる。
No.5線 偏差帯は上下2本の線から成り立っていますが、記憶している計算値は上にある線(上限線)の値です。。もし下限線の数値を使いたいときは、No.5行のように、「帯下値」を使います。
No.6線 No.4線(20日偏差帯の上限線)を1日先行する。
No.7線 No.5線(20日偏差帯の下限線)を1日先行する。
No.8線 No.3線(株価の13日相対力)がNpNo.6線(20日偏差帯の上限線を1日先行したもの)を上回った日(クロス日数が1以上 1以下)に買い。
No.9線 No.3線(株価の13日相対力)がNpNo.7線(20日偏差帯の下限線を1日先行したもの)を下回った日(クロス日数が-1以上 -1以下)に売り。

ある日の株価(この例では13日相対力)が大きく変化したとき、偏差帯はそれにつれて大きく変化します。上図のボリンジャーのグラフでAの日に株価が急上昇していますが、これに応じてボリンジャーバンドも上下に大きく広がっています。

大きな変化があれば偏差帯も大きく変化するので、なかなか偏差帯を突破することは難しいのです。そこでこの設定例では、当日の13日相対力と前日の偏差帯(上限線と下限線)との関係(上抜くか・下抜くか)を注目させました。

当日の13日相対力と前日の偏差帯(上限線と下限線)を比べるには、偏差帯(上限線と下限線)を1日先行させればよいのです。そればNo.6行・No.7行の設定です。

グラフB 

紫色の13日相対力は、偏差帯の上限線(赤色)と偏差帯の下限線(青色)にはさまれて動いています。(偏差帯は1日先行している)

aの日のように、たまに上限線を突破する日があります。ここで買いマークが出ます。

bの日のように、たまに下限線を突破する日があります。ここで売りマークが出ます。



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