1084 チャート事典

  [1084] ゼロバランス


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意味

図は5713「住友鉱」のグラフです。青色の折れ線が「ゼロ・バランス」と呼ばれる線です。

この線は均整のとれた株価の波動はどうあるべきかを表現しています。例えば(a)のピークの高値は1509円でしたが、ゼロバランスは1587円が均整のとれた水準であるとしていました。

(b)のボトムの安値は1352円でしたが、ゼロバランスは1316円が均整のとれた水準であるとしていました。

ゼロバランスの水準はあらかじめわかっています。(a)のピークが確定したとき、(a1)のゼロバランスの水準が決まります。(b)のボトムが確定したとき、(b1)のゼロバランスの水準が決まります。

(a1)のピークが確定したとき、(a2)のゼロバランスの水準が決まります。(b1)のボトムが確定したとき、(b2)のゼロバランスの水準が決まります。

つまり株価のピークが確定したときは、次のピークのゼロバランスの水準が決まり、株価のボトムが確定したときは、次のボトムのゼロバランスの水準が決まるわけです。上図の右端に(b2)1167円と(a3)1297円が表示されていますが、まだ株価が生まれていないのに、次のピーク(a3)と次のボトム(b2)のゼロバランスの水準がわかっているわけです。

グラフを見るとき、現在の株価とゼロバランスの水準を比較します。だいたいは株価と平均線との関係の判断と同じです。(ラリー・ウィリアムズの著作「相場で儲ける法」日経新聞社 3600円 を参考にして下さい)
  1. @株価がゼロバランスの水準より高いときは強気である。
    A長期間にわたって株価がゼロバランスの水準の上にあるときは上昇が終わる。
    B株価が大きくカイリしているときは株価のピークになる。
    Cゼロバランスの水準が3回連続して上昇しているときは、株価がピークを出しやすい。

  2. @株価がゼロバランスの水準より安いときは弱気である。
    A長期間にわたって株価がゼロバランスの水準の下にあるときは下降が終わる。
    B株価が大きくマイナスにカイリしているときは株価のボトムになる。
    Cゼロバランスの水準が3回連続して下降しているときは、株価がボトムを出しやすい。

ゼロバランスを決めるには、株価の波動が決定できている必要があります。 株価の波動(ピーク・ボトム)を決定することができる「加工」は次の2つです。
1070 主な株価・・・株価のザラバ高値・安値を含めた波動を決定する。
1074 IR高安 ・・・株価のザラバ高値・安値を含めた波動を決定する。
以上のどちらかによって波動が決定されていれば、ゼロバランスのグラフを描かせたり、ゼロバランスの水準を取り出す(1075 主な高値1076 主な安値を使う)ことができます。

規則 (ゼロバランス)

元データ@「主な株価」を設定している行No.
A「IR高安」を設定している行No.
副データ 
加 工ゼロバランスをグラフに表示する。
株価のピーク・ボトムの日にゼロバランスの水準(あるべき株価)を記憶する。それ以外の日は「0」。
パラメータなし
単 位
使用例「1070 主な株価」による波動を使って「ゼロバランス」を表示する
「1074 IR高安」による波動を使って「ゼロバランス」を表示する
1075 主な高値1076 主な安値と併用して、1本前とか0本前のゼロバランスの水準を取り出し、株価と比較して売買マークを出す。


計算方法

ゼロバランスは以下のルールによって決定されます。
  1. 元データに「主な株価」を設定している行No.を設定しているときは、「主な株価」が波動のピーク・ボトムを決める

  2. 元データに「IR高安」を設定している行No.を設定しているときは、「IR高安」が波動のピーク・ボトムを決める

  3. 決定した波動からゼロバランスの水準を決める。
    @波動のピークが確定したとき、次の波動のピークのゼロバランス水準が決まる。
    A波動のボトムが確定したとき、次の波動のボトムのゼロバランス水準が決まる。

ゼロバランスの次のピークは
  1. 株価のピーク(H2)が確定したとき、
  2. ピーク(H2)の株価に直前のボトム(L2)の株価を加え、
  3. そのもうひとつ前のボトム(L1)の株価を引く(マイナスする)。これが次のゼロバランスの水準になる。
右図では(H2)1490円、(L2)1352円、(L1)1372円なので、次のピーク(H3)のゼロバランスの水準は、H3=1490+1352-1372=1470円になります。(H3)の位置に青色で1470と表示されています。

ゼロバランスの次のボトムは
  1. 株価のボトム(L3)が確定したとき、
  2. ボトム(L3)の株価に直前のピーク(H2)の株価を加え、
  3. そのもうひとつ前のピーク(H1)の株価を引く(マイナスする)。これが次のゼロバランスの水準になる。
右図では(L3)=1186円、(H2)1490円、(H1)1509円なので、次のボトム(L4)のゼロバランスの水準は、L4=1186+1490-1509=1167円になります。(L4)の位置に青色で1167と表示されています。

ややこしそうに見えますが、ゼロバランスの水準を決めるルールは簡単です。

次のゼロバランスのピークの水準は、(H1+L1-L2)で計算できますが、これはH1に(L1-L2)を加えたものです。(L1-L2)は右図で、H1より前にある2つの株価のボトムの差です。

L2→L1へとボトムが切り上がっているときは、次のゼロバランスのピーク水準は、H1よりも(L2→L1)へ切り上がった分だけ高くなります。(ピーク@の図)

逆にL2→L1へとボトムが切り下がっているときは、次のゼロバランスのピーク水準は、H1よりも(L2→L1)へ切り下がった分だけ低くなります。(ピークAの図)

つまりゼロバランスの次のピークの水準は、現在の株価のピークに直前の株価のボトム2つの差を加減したものです。

次のゼロバランスのボトムの水準は、(L1+H1-H2)で計算できますが、これはL1に(H1-H2)を加えたものです。(H1-H2)は右図で、L1より前にある2つの株価のピークの差です。

H2→H1へとピークが切り上がっているときは、次のゼロバランスのボトム水準は、L1よりも(H2→H1)へ切り上がった分だけ高くなります。(ボトム@の図)

逆にH2→H1へとピークが切り下がっているときは、次のゼロバランスのボトム水準は、L1よりも(H2→H1)へ切り下がった分だけ低くなります。(ボトムAの図)

つまりゼロバランスの次のボトムの水準は、現在の株価のボトムに直前の株価のピーク2つの差を加減したものです。

「ゼロバランス」が記憶している数字は、
  1. 株価のピーク・ボトムの日に、
  2. ゼロバランスの水準(均整のとれた波動の株価)を記憶し、
  3. 株価がピーク・ボトムでない日は「0」を記憶しています。
ゼロバランスの水準を取り出せば、いろいろな条件を設定することができます。例えば
  1. 1つ前のゼロバランスのボトム値と、2つ前のボトム値を比較して、ゼロバランスのボトムが切り上がっているのか切り下がっているのかを知る。

  2. 株価波動が上昇中に、次のゼロバランスのピーク値を上抜いたら売り(買い)。

  3. 株価波動が下降中に、次のゼロバランスのボトム値を割り込んだら買い(売り)。

  4. ゼロバランスの連続する(ピーク→ボトム→ピーク→ボトム)が切り下がっていたら買い(ラリーWの「3手連続ルール)」)。

  5. ゼロバランスの連続する(ボトム→ピーク→ボトム→ピーク)が切り上がっていたら売り(ラリーWの「3手連続ルール)」)。
などです。(ゼロバランスの水準を取り出すには、1075 主な高値1076 主な安値を使います。)



設定例@ 次の波動のゼロバランスの水準を上回ったら買い、下回ったら売りを出す設定

先にグラフを掲げます。株価のピーク(a)が確定したのは(a')の日です。この日に次のゼロバランスのピークの値(1064円)が決まります。その後株価は(b)1037円までしか上昇しませんでした。

(b')の日に(b)がピークであったことが確定します。この日にゼロバランスのピークの値(1058円)が決まります。

(b')の後、ピンク色○の日に株価(終値)が次のゼロバランスのピークの値(51058円)を上抜きました。株価がゼロバランスの水準よりも上になったのは強気になったということです。ここで買いマークを出したい。

逆に株価が次のゼロバランスのボトム水準を下回ったときは、弱気になったのだから、そこで売りマークを出したいということになります。

株価のボトム(g)が確定したのは(g')の日です。この日に次のゼロバランスのボトム水準(1330円)が決まります。その後株価は上昇し1626円をつけてから下落。青○の日にゼロバランスのボトム水準(1330円)を下回りました。ここで売りマークを出しています。

この条件表は次のような設定をしています。


設定のポイント
No.2線 7日「IR高安」で株価の波動を決定する。
元データを「株価」としているので波動の折れ線は描画されない。
(元データを「4本値」としたときは波動の折れ線を描画する)
No.3線 「ゼロバランス」を計算し、株価のピーク・ボトムの日にセロバランスの水準を記憶する。
同時に青色線で描画する。
「ゼロバランス」の元データは「主な株価」または「IR高安」を設定している行No.に限られる。(ここではNo.2線がIR高安を設定している行)
No.4線 「0本前の主な高値」(次のゼロバランスのピークの水準)を取り出す。
No.5線 「0本前の主な安値」(次のゼロバランスのボトムの水準)を取り出す。
No.6線 IR高安(No.2線)による波動が上昇中のとき買い(1以上、1以下で買い)。
(IR高安の行は、波動が上昇中のときは+1、下降中のときは-1という値を持っている)
No.7線 株価がNo.4線(次のゼロバランスのピークの水準)とGクロスしたら買い(クロス日数が、1以上・1以下のとき買い)。
No.8線 株価がNo.5線(次のゼロバランスのボトムの水準)とDクロスしたら売り(クロス日数が、-1以上・-1以下のとき売り)。
No.9線 IR高安(No.2線)による波動が下降中のとき売り(-1以上、-1以下で売り)。
(IR高安の行は、波動が上昇中のときは+1、下降中のときは-1という値を持っている)


設定例A ゼロバランスが3手連続上昇のとき売りの設定

右図の青色折れ線はゼロバランスです。 ゼロバランスが「3手連続で上昇」というのは、図の(X→A→B→C)のところです。ゼロバランスの水準は順に高くなっています。(X)をスタート点にして、A(1手)→B(2手)→C(3手)というわけです。

(A)が決まったのは株価の(a)のピークが確定したとき、(B)が決まったのは株価の(b)のボトムが確定したとき、(C)が決まったのは株価の(c)のピークが確定したときです。

株価のボトム(d)が確定したのは(d')の日ですが、このときゼロバランスの(A,B,C)はすでに決まっていて、「3手連続で上昇」していることがわかっています。

(d')から波動は上昇波動に変わりました。この上昇波動中(図の赤色水平線の期間)に売りマークを出したい。 そのためには、
  1. ゼロバランスの(X,A,B,C)の4つの水準を取り出し
  2. X<A, A<B, B<C の関係にあることを明らかにし、
  3. (d')以降の適当に株価が高いところで売りマークを出す。
という設定をすればよいのです。(d')から次の株価のピーク(e)が確定した(e')の間の(X,A,B,C)は次のように指定して取り出せます。
    (C)は「0本前の(ゼロバランスの)主な高値」
    (B)は「1本前の(ゼロバランスの)主な安値」
    (A)は「1本前の(ゼロバランスの)主な高値」
    (X)は「2本前の(ゼロバランスの)主な安値」
次に条件表を掲げます。


設定のポイント
No.2線 7日「IR高安」で株価の波動を決定する。
元データを「株価」としているので波動の折れ線は描画されない。
(元データを「4本値」としたときは波動の折れ線を描画する)
No.3線 「ゼロバランス」を計算し、株価のピーク・ボトムの日にセロバランスの水準を記憶する。
同時に青色線で描画する。
「ゼロバランス」の元データは「主な株価」または「IR高安」を設定している行No.に限られる。(ここではNo.2線がIR高安を設定している行)
No.4線 「0本前の主な高値」(次のゼロバランスのピークの水準)を取り出す。(グラフの(C))
No.5線 「1本前の主な安値」(1本前のゼロバランスのボトムの水準)を取り出す。(グラフの(B))
No.6線 「1本前の主な高値」(1本前のゼロバランスのピークの水準)を取り出す。(グラフの(A))
No.7線 「2本前の主な安値」(2本前のゼロバランスのボトムの水準)を取り出す。(グラフの(X))
No.8線 IR高安(No.2線)による波動が上昇中のとき売り(1以上、1以下で売り)。
(IR高安の行は、波動が上昇中のときは+1、下降中のときは-1という値を持っている)
No.9線 No.4線−No.5線を計算し、1以上なら売り(0本前のゼロバランスのピークと1本前のゼロバランスのボトムを比較する)。
No.10線 No.5線−No.6線を計算し、1以上なら売り(1本前のゼロバランスのボトムと1本前のゼロバランスのピークを比較する)。
No.11線 No.6線−No.7線を計算し、1以上なら売り(1本前のゼロバランスのピークと2本前のゼロバランスのボトムを比較する)。
No.12線 13日K相対力を計算し、深緑色で描画する。
(0日前〜0日前)に80以上なら売り。
No.13線 13日K相対力(No.12線)の「80」の水準にピンク色の水平線を描画する。(K相対が80以上になっているかどうかを明示するため)


設定例B ゼロバランスが3手連続下降のとき買いの設定


ゼロバランスは(X→A→B→C)で「3手連続で下降」しています。(C)が決まったのは株価の(c)のボトムが確定したときです。この時点で「3手連続下降」がわかっています。

株価のピーク(d)が確定したのは(d')の日です。(d')から波動は下降波動に変わりました。

この下降波動中(図の赤色水平線の期間)に買いマークを出すには、@ゼロバランスの(X,A,B,C)の4つの水準を取り出し、AX→A→B→Cが順次下がっていることを条件表に設定する必要があります。

(d'-e')の間では、(X,A,B,C)は次のように指定して取り出せます。
  1. (C)は「0本前の(ゼロバランスの)主な安値」
  2. (B)は「1本前の(ゼロバランスの)主な高値」
  3. (A)は「1本前の(ゼロバランスの)主な安値」
  4. (X)は「2本前の(ゼロバランスの)主な高値」
次に条件表を掲げます。


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