1056 チャート事典
  [1056] ADオシレータ

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意味

1812「鹿島」のグラフです。画面下部に青色線で描かれているのは「A/Dオシレータ」です。

A/Dオシレータはラリー・ウィリアムズが開発したチャートす。(著者は「究極のオシレータ」といっているが、通常のオシレータと紛らわしいので「A/Dオシレータ」と名づけた)。

「A/Dオシレータ」は、1日の変動幅に占める買い圧力の値幅の割合を計算します。0〜100の数値になります。(オシレータやストキャスティクスに似ている)。

著者が注目するのは、株価とA/Dオシレータの逆行現象(ダイバージェンシー)です。(ラリー・ウィリアムズの著作「相場で儲ける法」日経新聞社 3600円 を参考にして下さい)

図のA/Dオシレータのピーク・ボトムに(a〜r)の符号を振っています。これは陰陽足に表示されている「主な株価」の日に一致させています。

株価とA/Dオシレータを見比べると、株価がピークのときA/Dレオシレータもその前後でピークをつけており、株価がボトムのときはA/Dオシレータもその前後でボトムとなっています。また株価のピークやボトムが切り上がったときはA/Dオシレータのピークやボトムも切り上がり、株価が切り下がったときはA/Dオシレータも切り下がるのが普通です。 著者が指摘しているのは、
  1. 株価のピークが切り上がっているのに、A/Dオシレータのピークが切り下がっているときは、株価は下落する。(図のj→iのところ)
  2. 株価のボトムが切り下がっているのに、A/Dオシレータのボトムが切り上がっているときは、株価は上昇する。(図のm→oのところ)
この2つです。この考えは株価よりもA/Dオシレータの動きのほうが正しいという認識によるものでしょう。

規則 (A/Dオシレータ)

元データ株価
副データ 
加 工A/Dオシレータを計算する
パラメータ-99〜+99。
@プラス値のとき(例えば7のときは、7日A/Dオシレータを計算する。

A「0」のときは、7日、14日、28日のA/D/オシレータを計算し、(7日×4+14日×2+28日)÷3 がA/Dオシレータになる。(ラリーWが勧めるオシレータの日数)

Bマイナス値のとき(例えば-5のときは、5日、10日、20日のA/D/オシレータを計算し、(5日×4+10日×2+20日)÷3 がA/Dオシレータになる。(オシレータの期間は1:2:4の比率になる)
単 位
使用例・A/Dレシオを描画する
・株価とA/Dレシオの逆行があれば売買マークを出す。


計算方法

A/Dオシレータを計算するには、まず当日の「買い圧力幅」と「1日の変動幅」を求めておきます。7日のA/Dオシレータを計算する例とします。
  1. 買い圧力幅は、(終値−真の安値)で計算できます。真の安値とは、当日の安値と前日の終値を比べて安いほうの値段です。プラス値(あるいは0)になります。

  2. 1日の変動幅は、(真の高値−真の安値)で計算できます。真の高値とは、当日の高値と前日の終値を比べて高いほうの値段であり、真の安値とは、当日の安値と前日の終値を比べて安いほうの値段です。プラス値(あるいは0)になります。

  3. 7日間の買い圧力幅を合計し、7日間の変動幅を合計する。

  4. (7日間の買い圧力幅の合計)÷(7日間の変動幅の合計)×100 が当日のA/Dオシレータの値。

上表を例にしてA/Dオシレータを計算すると、次のようになります。
  1. の日の終値は211円、前日の終値は212。当日の高値212円は前日の終値212円と同じなので、真の高値は212円。当日の安値209円は前日の終値212円よりも安いので、真の安値は209円。

    (a)の日の買い圧力は、終値211円−真の安値209円=2円。
    (a)の日の変動幅は、真の高値212円−真の安値209円=3円。

  2. の日の終値は206円、前日の終値は209。当日の高値208円より前日の終値209円のほうが高いので、真の高値は209円。当日の安値202円は前日の終値209円よりも安いので、真の安値は202円。

    (b)の日の買い圧力は、終値206円−真の安値202円=4円。
    (b)の日の変動幅は、真の高値209円−真の安値202円=7円。

  3. (a)〜(b)まで7日間の買い圧力幅と変動幅が計算できたので、(a)〜(b)の7日間を合計すると、買い圧力は20円、変動幅は34円となる。
    (買い圧力幅合計20円)÷(変動幅合計34円)×100=58.8%。これがA/Dオシレータ。

  4. 同様にして(b)以降のA/Dオシレータを計算する。

ラリー・ウィリアムズ流A/Dオシレータの合成方法

ラリーWは単純なA/Dオシレータを使うのではなく、期間の異なる3つのオシレータを合成しています。

オシレータ系のチャート(相対力指数・順位相関・ストキャスティクス・A/Dオシレータなど)は、
  1. 株価波動のピークで、そのあたりで最も高い水準になり、株価は買われすぎであることを表現する。

  2. 株価波動のボトムで、そのあたりで最も低い水準になり、株価は売られすぎであることを表現する。
この要求に応えられるチャートが有用なものです。だがオシレータ系のチャートは期間を区切って、その期間内で強いのか弱いのかを表現するものがほとんどです。よって採用している期間(日数)と株価波動の日数が近かったときは力を発揮しますが、採用している期間を大きく超えるような株価波動が出現したときは無力です。どころか間違った判断材料を提供します。

@7日のA/Dオシレータ、A14日のA/Dオシレータ、B28日のA/Dオシレータ、を計算し、(@×4+A×2+B)÷7 を合成したA/Dオシレータとします。次図のグラフ(紫色線)がそれです。

右に7日(青色)、14日(緑色)、28日(赤色)で単独のA/Dオシレータを描かせています。
  1. (a,a',a'')と振ってあるのはaが7日、a'が14日、a''が28日のピークの日です。このときの株価の上昇波動は28日間でした。7日A/Dオシレータは上昇初期にピークとなり、14日A/Dオシレータは上昇半ばでピークとなっています。ピークと一致したのは28日A/Dオシレータでした。

  2. A,A',A''のボトムでは、株価は24日間下落しました。株価のボトムに近かったのはA'の14日A/Dオシレータでした。

  3. b,b',b''の時期は14日上昇、13日上昇です。よって7日A/Dレシオが株価のピークと一致しています。また14日+押し目5日+13日の上昇でもあるので、28日A/Dレシオも株価のピークとほぼ一致しています。
7日がよいときもあれば、14日がよいときもあり、28日がよいときもあります。なら3つを併用すればよいかとなると、今度はどのオシレータが正しい答えを出しているのかを迷うことになります。

右はラリーWが提唱する合成したオシレータです。先にいいましたが、合成オシレータは(@×4+A×2+B)÷7 で計算されます。

そのウェイトは7日が4倍、14日が2倍、28日が1倍ですから、7日A/Dオシレータの影響が最も強いのです。

右の紫色のピークとボトムを、上図と比べてみると、全部が7日A/Dオシレータと同じ位置です。

合成してもピーク・ボトムの日は変わっていません。ただ14日と28日が取り込まれているので、合成したオシレータの形は7日オシレータとは少し違ってきます。

そこでラリーWは、(冒頭にかかげた)株価とA/Dオシレータの「逆行」に注目するのがよいと、いっています。

設定例@ 株価とA/Dオシレータが逆行したときに買いの設定

陰陽足には、「主な株価」によって決定された波動が折れ線で描画されています。画面下部の青色線はA/Dオシレータです。
  1. (x)の日に買いマークが出ています。これはラリーウィリアムズのいう「株価のボトムが切り下がっているのに、A/Dオシレータのボトムが切り上がっている」という逆行現象です。

    株価のボトムは(a)237円→(b)233円へと切り下がっています。(a)の日のA/Dオシレータは50.4ですが、その4日前の赤○がA/Dオシレータのボトム(34.4)です。(b)の日のA/Dオシレータは37.8ですが、その翌日がボトム(35.8)です。目で確認したときは、A/Dオシレータは(34.4→35.8)へと切り上がっていることがわかります。(ただし条件表でこの判断をすることは難しい)

    (x)ではこの2つのことを判断して買いマークを出しているわけです。

  2. (y)の日に売りマークが出ています。「株価のピークが切り上がっているのに、A/Dオシレータのピークが切り下がっている」という逆行現象です。

    株価のピークは(c)364円→(d)373円へと切り上がっています。(c)の日のA/Dオシレータは67.7で、オシレータはピークになっています。(d)の日のA/Dオシレータは55.8ですが、その2日後がピーク(56.3)です。目が確認したときは、A/Dオシレータは(67.7→56.3)へと切り下がっていることがわかります。(ただし条件表でこの判断をすることは難しい)

    (y)ではこの2つのことを判断して買いマークを出しているわけです。
株価のピーク・ボトムの日にA/Dオシレータはピーク・ボトムをつけていので、単純に株価のピーク・ボトムの日のA/Dオシレータを取り出すと間違います。どうすればよいのか?

図の(a)はオシレータのボトムではなく、その5日前の(a')にもっと低いオシレータがありました。また(e)のピークの前日(e')にもっと高いオシレータがありました。株価のボトムより前にA/Dオシレータがあるときは条件表で対応できます。

例えば「A/Dオシレータの5日最小値」を計算させておくと、(a)の日には(a')の低い数字を記憶しているので、株価のボトムの日(a)に(a')のA/Dオシレータを取り出すことができます。「A/Dオシレータの5日最大値」を計算させておくと、(e)の日には(e')の低い数字を記憶しているので、株価のピークの日(e)に(e')のA/Dオシレータを取り出すことができます。

問題になるのは株価のピーク・ボトムの後にA/Dオシレータのピーク・ボトムがでているときです。(b)の日に「A/Dオシレータの5日最小値」を取り出しても、その後にさらに低いA/Dオシレータ(b')があります。(d)の日に「A/Dオシレータの5日最大値」を取り出しても、その後にさらに高いA/Dオシレータ(d')があります。 株価のピーク・ボトムの日に取り出すと早すぎるわけです。

そこでボトムの日の2日後の「A/Dオシレータの5日最小値」を取り出すならば、(b)の1日後の(b')の数値が最小であることがわかっているので、A/Dオシレータのボトム(b')の数値を取り出せます。またピークの日の2日後の「A/Dオシレータの5日最大値」を取り出すならば、(d)の2日後の(d')の数値が最大であることがわかっているので、A/Dオシレータのピーク(d')の数値を取り出すことができます。



設定のポイント

上図は買いと売りの条件を設定していますが、No.1行〜No.17行の買いについて説明します。

No.3線 A/Dオシレータを計算し、青色で描画する。
No.4線 A/Dオシレータ(No.3線)の7日最大値を計算する。(7日前により大きいA/Dオシレータがあればこれを取り込むため)
No.5線 A/Dオシレータ(No.3線)の7日最小値を計算する。(7日前により小さいA/Dオシレータがあればこれを取り込むため)
No.6線 主な株価(No.2線)が計算している上昇波動(+1)か下降波動(-1)かをチェックする。
当日(注目日0〜0)の主な株価が+1(上昇波動)なら買い。
No.7線 主な株価(No.2線)を利用して、前日(注目日1〜1)の主な株価が-1(下降波動)なら買い。
No.6線とNo.7線で、前日は下降波動だったが当日は上昇波動になったので「買い」となる。
No.8線 株価の1本前の1076 主な安値を取り出す。
No.9線 株価の2本前の「主な安値」を取り出す。
No.10線 1本前の主な安値(No.8線)と2本前の主な安値(No.9線)とを比較して、1本前のほうが安かったら買い(ボトムの切り下がり)。
No.11線 株価の1本前の1159 ボトム日付を取り出す。
(ボトム日付は、最新費から何日前にX本前のボトムがあるかを取り出す。)
No.12線 1本前ボトム日付(No.11線)から2を引く。(ボトムの日の2日後のA/Dオシレータを取り出すため)
No.13線 株価の2本前の「ボトム日付」を取り出す。
No.14線 2本前ボトム日付(No.13線)から2を引く。(ボトムの日の2日後のA/Dオシレータを取り出すため)
No.15線 No.12線が指定する(1本前のボトムの2日後)のA/Dオシレータの最小値(No.5線)を取り出す。
No.16線 No.14線が指定する(2本前のボトムの2日後)のA/Dオシレータの最小値(No.5線)を取り出す。
No.17線 1本前の株価のボトムの日のA/Dオシレータの値(No.15線)と2本前の株価のボトムの日のA/Dオシレータの値(No.16線)とを比較して、1本前のほうが高かったら(切り上がり)買い。



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