1055 チャート事典
  [1055] A/Dレシオ

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意味

1812「鹿島」のグラフです。画面下部に青色線で描かれているのは「A/Dレシオ」です。

A/Dレシオはラリー・ウィリアムズが開発したチャートで、現在が強気相場(アキュミュレーション)なのか弱気相場(ディストリビューション)なのかを判断するためのものです。

著者が注目するのは、株価とA/Dレシオの逆行現象(ダイバージェンシー)です。(ラリー・ウィリアムズの著作「相場で儲ける法」日経新聞社 3600円 を参考にして下さい)

図のA/Dレシオのピーク・ボトムに(a〜r)の符号を振っています。これは陰陽足に表示されている「主な株価」の日に一致させています。

株価とA/Dレシオを見比べると、株価がピークのときはA/Dレシオもピークをつけており、株価がボトムのときはA/Dレシオもボトムとなっています。また株価のピークやボトムが切りあがったときはA/Dレシオのピークやボトムも切り上がり、株価が切り下がったときはA/Dレシオも切り下がるのが普通です。 著者が指摘しているのは、
  1. 株価のピークが切り上がっているのに、A/Dレシオのピークが切り下がっているときは、株価は下落する。(図のj→iのところ)
  2. 株価のボトムが切り下がっているのに、A/Dレシオのボトムが切り上がっているときは、株価は上昇する。(図のm→oのところ)
この2つです。この考えは株価よりもA/Dレシオの動きのほうが正しいという認識によるものでしょう。

株価とA/Dレシオの「逆行」をいうなら
  1. 株価のピークが切り下がっているのに、A/Dレシオのピークが切り上がっている。
  2. 株価のボトムが切り上がっているのに、のボトムが切り下がっている。
のも「逆行」です。Bの例は右図の(a→c)にあります。(c)の後で株価は大きく下落しています。

Cの例は上図の(c→e)と(g→i)の2か所にあり、eの後、iの後には株価は上昇しています。

この「逆行」はA/Dレシオよりも株価のほうが正しかったわけです。「逆行現象」はBCのことも考えたほうがよいでしょう。


規則 (A/Dレシオ)

元データ株価
副データ 
加 工A/Dレシオを計算する
パラメータなし
単 位
使用例・A/Dレシオを描画する
・株価とA/Dレシオの逆行があれば売買マークを出す。


計算方法

A/Dレシオを計算するには、まず当日の「買い圧力幅」と「売り圧力幅」を求めておきます。
  1. 買い圧力幅は、(終値−真の安値)で計算できます。真の安値とは、当日の安値と前日の終値を比べて安いほうの値段です。プラス値(あるいは0)になります。

  2. 売り圧力幅は、(終値−真の高値)で計算できます。真の高値とは、当日の高値と前日の終値を比べて高いほうの値段です。マイナス値(あるいは0)になります。

  3. スタート時のA/Dレシオの値を「0」として、

  4. 当日の終値が前日の終値よりも高かったときは、A/Dレシオに買い圧力幅を加えます。(買い圧力幅はプラスの値なのでA/Dレシオの数字は大きくなる)

  5. 当日の終値が前日の終値よりも安かったときは、A/Dレシオに売り圧力幅を加えます。(売り圧力幅はマイナスの値なのでA/Dレシオの数字は小さくなる)

上表を例にしてA/Dレシオを計算すると、次のようになります。
  1. の日の終値は293円、前日の終値は301でした。前日比-8円安なので、売り圧力幅をA/Dレシオに加算します。
    この日の売り圧力幅は(終値293円−真の高値303円)=-10円なので、A/Dレシオ0円に-10円を加算してA/Dレシオは-10円になります。

  2. の日の終値は291円、前日の終値は293でした。前日比-2円安なので、売り圧力幅をA/Dレシオに加算します。
    この日の売り圧力幅は(終値291円−真の高値294円)=-3円なので、A/Dレシオに-3円を加算してA/Dレシオは-13円になります。

  3. の日の終値は292円、前日の終値は291でした。前日比+1円高なので、買い圧力幅をA/Dレシオに加算します。
    この日の買い圧力幅は(終値292円−真の安291円)=+1円なので、A/Dレシオに+1円を加算してA/Dレシオは-12円になります。

  4. の日の終値は297円、前日の終値は292でした。前日比+5円高なので、買い圧力幅をA/Dレシオに加算します。
    この日の買い圧力幅は(終値297円−真の安292円)=+5円なので、A/Dレシオに+5円を加算してA/Dレシオは-7円になります。(当日の安値295円より前日の終値292円のほうが安かったので、真の安値は292円とする)


設定例@ A/Dレシオの切り上がり・切り下がりによる売買マークを設定

画面下部の青色線はA/Dレシオです。ここに緑色の折れ線が重ねて描かれています。これはA/Dレシオの波動です(20円以上の変化があったとき1つの波動と認める)。

A/Dレシオの波動のピーク・ボトムに(a〜j)の符号を振っています。(a→c)はボトムが切り上がっています。(c)がボトムであることが確定した(c')の日に買いマークがでています。

(e→g)もボトムの切り上がりです。(g)のボトムが確定した(h)の日に買いマークが出ています。

逆に(d→f)はピークが切り下がっています。(f)がピークであることが確定した(g)の日に売りマークがでています。

次のような条件表を設定しました。



設定のポイント

No.3線 A/Dレシオを計算し、青色で描画する。
No.4線 A/Dレシオ(No.3線)の「20円高値波動」を調べる。20円波動は深緑色の折れ線で描画する。
1106 高値波動は、ピークが連続していくつ切り上がっているか、切り下がっているかを計算している。連続して切り上がっていれば+1,+2,+3(回)のプラスの数字を記憶し、連続して切り下がっていれば-1,-2,-3(回)のマイナスの数字を記憶している)
当日(注目日0〜0)の高値波動が-1なら売り。
No.5線 No.4線で計算している高値波動を利用する。前日(注目日1〜1)の高値波動が+1以上なら売り。
No.4線とNo.5線で、ピークが前日は切り上がっていたが、当日は切り下がったら「売り」となる。
No.6線 A/Dレシオ(No.3線)の「20円安値波動」を調べる。
1107 安値波動は、ボトムが連続していくつ切り上がっているか、切り下がっているかを計算している。連続して切り上がっていれば+1,+2,+3(回)のプラスの数字を記憶し、連続して切り下がっていれば-1,-2,-3(回)のマイナスの数字を記憶している)
当日(注目日0〜0)の安値波動が+1なら買い。
No.7線 No.6線で計算している安値波動を利用する。前日(注目日1〜1)の安値波動が-1以下なら買い。
No.6線とNo.7線で、ボトムが前日は切り下がっていたが、当日は切り上がったら「買い」となる。
No.8線 75日平均線を緑色で描画する(株価の位置を明らかにするために設定した)


設定例A 株価とA/Dレシオが逆行したときに買いの設定

陰陽足には、「主な株価」によって決定された波動が折れ線で描画されています。画面下部の青色線はA/Dレシオです。

(x)の日に買いマークが出ています。これはラリーウィリアムズのいう「株価のボトムが切り下がっているのに、A/Dレシオのボトムが切り上がっている」という逆行現象です。

株価のボトムは(c)816円→(b)806円へと切り下がっています。(b)の日のA/Dレシオは(B)-172円、(c)の日のA/Dレシオは(C)-189です。(C)-189円→(B)-172円へと切り上がっています。

(x)ではこの2つのことを判断して買いマークを出しているわけです。

(d→c)と(D→C)はともに切り下がっているので逆行ではありません。(b→a)(B→A)も同じく逆行ではありません。(c→b)(C→B)だけが逆行です。

なお次の条件表では、株価のボトム(b)の日のA/Dレシオを(B)のボトムとしていますが、ボトム(a)に対するA/Dレシオ(A)はその近辺のボトムではありません。(A')のほうが(A)よりも低いので正しいボトムです。

もし次の条件表を使って検索したならば、A/Dレシオは正しいボトムをつかんでいたのかどうかをグラフを見てチェックしてください。



設定のポイント

上図は買いと売りの条件を設定していますが、No.1行〜No.13行の買いについて説明します。

No.3線 A/Dレシオを計算し、青色で描画する。
No.4線 主な株価(No.2線)が計算している上昇波動(+1)か下降波動(-1)かをチェックする。
当日(注目日0〜0)の主な株価が+1(上昇波動)なら買い。
No.5線 主な株価(No.2線)を利用して、前日(注目日1〜1)の主な株価が-1(下降波動)なら買い。
No.4線とNo.5線で、前日は下降波動だったが当日は上昇波動になったので「買い」となる。
No.6線 株価の1本前の1076 主な安値を取り出す。
No.7線 株価の2本前の「主な安値」を取り出す。
No.8線 1本前の主な安値(No.6線)と2本前の主な安値(No.7線)とを比較して、1本前のほうが安かったら買い。
No.9線 株価の1本前の1159 ボトム日付を取り出す。
(ボトム日付は、株価や指数の波動のボトムの日付(最新データから何本目か)を取り出す加工)
No.10線 株価の2本前の「ボトム日付」を取り出す。
(1158 ピーク日付は、株価や指数の波動のピークの日付(最新データから何本目か)を取り出す加工)
No.11線 1本前の株価のボトムと同じ日(No.9線)のA/Dレシオの値を取り出す。(例えば156日前のA/Dレシオの値を取り出す)
No.12線 2本前の株価のボトムと同じ日(No.10線)のA/Dレシオの値を取り出す。(例えば85日前のA/Dレシオの値を取り出す)
No.13線 1本前の株価のボトムの日のA/Dレシオの値(No.11線)と2本前の株価のボトムの日のA/Dレシオの値(No.12線)とを比較して、1本前のほうが高かったら(切り上がり)買い。



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