1038 チャート事典

  [1038] パラボリック


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意味

株式投資において最も重要なことは、@株価は上昇トレンドにあるか、下降トレンドにあるかの判断と、A将来どの程度の上昇・下落(時間と値巾)があると予想するか、の2つにつきます。

トレンドの転換を端的に知るための加工には、以下のものがあります。
  1. 株価平均線の向きまたはクロス
  2. コスト平均線の向きまたはクロス
  3. 平滑平均の向きまたはクロス
  4. 回帰曲線の向きまたはクロス
  5. コポック平均線の向きまたはクロス
  6. 仲値の向きまたはクロス
  7. 新値本数
  8. 新値日数
  9. カギ足
  10. カギ肩抜
  11. P&F
  12. HL転換
  13. パラボリック
  14. パラボリックC
  15. Vボラストップ
  16. アルーン・オシレータ
  17. アルーン・インジケータ
これらは、一定のルールで転換を決定していますが、パラボリック(シスステム)は、
  1. 下降トレンドにあるときは、株価の少し上位にトレンド線(ここでは上限線と勝手に呼ぶが)を引いておいて(図のa・c・eの線)、
  2. 株価のザラバ高値が、この上限線を超えたとき(図のAとC)に上昇トレンド入りと決定します。
  3. 上昇トレンドにあるときは、株価の少し下位にトレンド線(ここでは下限線と勝手に呼ぶが)を引いておいて(図のb・dの線)、
  4. 株価のザラバ安値が、この下限線を超えたとき(図のBとD)に下降トレンド入りと決定します。
abcdeの曲線は放物線に似ているので「パラボリック」と呼ばれています。


規則 (パラボリック)

元データ株価
副データ 
加 工パラボリックの上限線・下限線を計算し、株価がこれを突破してからの日数を計算する。
上昇トレンドに入った日が+1,翌日から+2,+3,+4,+5・・・
下降トレンドに入った日が-1,翌日から-2,-3,-4,-5・・・
パラメータSSKK(SSは初期値2桁(SS/100)。KKは加速係数の増加分2桁(KK/100)
通常のパラメータは、初期値が0.02なのでSSは02、加速係数も0.02なのでKKは02。よってパラメータのSSKKは 0202 となる。
(入力できるパラメータは、0101〜2020まで)
単 位円 (株価と同じ)
使用例・上昇トレンド入りした日に買い・下降トレンド入りした日に売り

計算方法

パラボリックのトレンド線(SARとする。Stop And Reversの略)は、以下の算式によって計算されます。

SAR(当日)=SAR(前日)+(EP-SAR(前日))×AF

SAR:トレンド線の値
    (この説明では、上昇トレンドにあるときは下限線、下降トレンドにあるときは上限線と呼ぶこともある)

  1. 上昇トレンドになったときの初期値は、前回の下降トレンドにあるときの株価の最安値。
  2. その後、1日経過するごとに上記の算式によって、数値が変化していく。

  3. 下降トレンドになったときの初期値は、前回の上昇トレンドにあるときの株価の最高値。
  4. その後、1日経過するごとに上記の算式によって、数値が変化していく。
EP:極大値
  1. 上昇トレンドのとき、初期値は初めて上限線を突破した日のザラバ高値。
  2. その後ザラバで新高値を更新すれば、新高値がEPになる。

  3. 下降トレンドのとき、初期値は初めて下限線を突破した日のザラバ安値。
  4. その後ザラバで新安値を更新すれば、新安値がEPになる。
AF:加速係数(加速因数)
  1. 上昇トレンドや下降トレンドに転換したとき、AFは初期値に戻る。
    (初期値は、通常0.02 であるが、ユーザーは(0.01〜0.2の間の数字に設定できる)
  2. 上昇トレンドにあるとき、株価が新高値を更新したら、AFは0.02ずつ増加する。
  3. 下降トレンドにあるとき、株価が新安値を更新したら、AFは0.02ずつ増加する。
    (通常の増加分は0.02であるが、ユーザーが0.01〜0.2の間の数字に設定できる)
  4. 新値を更新するごとにAFは増加していくが、最大0.2以上にはならない。(0.2で打ち止め)




計算例

一番上の1601 帝石 のグラフのA〜Cのあたりのパラボリックの計算例を掲げます。(なお、パラボリックの計算方法は一様ではなく、少しずつアレンジされているようですが、ここで掲げる計算方法は、私が最も理論にかなっていると思っている方法です。)




  1. の日にザラバ高値(397円)が上限線(この日のSARは395.02。表にはない)を突破して、上昇トレンド入りしました。

    aの日のSARは前のザラバ最安値xの368円。(上記計算方法の1.の例)(他の方法もある)

    aの日のEPは、aのザラバ高値の397円。(上記計算方法の5.の例)(他の方法もある)

    aの日のAFは初期値の0.02になる。(上記計算方法の9.の例)

    ここで翌日bの日のSARを計算してみると、
    SAR(b)=SAR(a)+(EP-SAR(a))×AF なので、
    SAR(b)=368+(397-368)×0.02=368+0.58=368.58
    となります。これは何を意味しているのか。

    まず上昇トレンド入りしたaの日に考えることは、先の安値368円を下回れば上昇トレンドは崩れ、下降トレンド入りする。ということです。したがってトレンド線であるSARは368円というのが妥当です。

    この日は高値397円を出していますが、SARの368円から29円分だけ上位にあります(EP-SAR=397-368=29)。翌日bのトレンド線SARは368円に29円の0.02倍した値の0.58円を嵩上げします。

    つまり上昇トレンドにあるときは、1日経過すると、トレンド線SARは少しずつ嵩上げされるというのがパラボリックのミソです。

  2. の日のSARは368.58へと嵩上げされました。この日のザラバ高値は403円で、aの日の高値397円を更新しています。
    そこでEPの値は403円に換わります。(上記計算方法の6.の例) 同時に、AFは0.02が加算されて、0.02から0.04へ変わります。(上記計算方法の10.の例)

    ここで翌日cの日のSARを計算してみると、
    SAR(c)=SAR(b)+(EP-SAR(b))×AF なので、
    SAR(c)=368.58+(403-368.58)×0.04=368.58+1.38=369.96
    となります。1.38円分の嵩上げとなりました。(AFが0.04になっているので嵩上げが大きくなった)

  3. のSARは369.96円。この日のザラバ高値は417円で、bの日の高値403円を更新しています。
    そこでEPの値は417円に換わります。(上記計算方法の6.の例) 同時に、AFは0.02が加算されて、0.04から0.06へ変わります。(上記計算方法の10.の例)

    ここで翌日dの日のSARを計算してみると、
    SAR(d)=SAR(c)+(EP-SAR(c))×AF なので、
    SAR(d)=369.96+(417-369.96)×0.06=369.96+2.82=372.78
    となります。2.82円分の嵩上げとなりました。(AFが0.06になっているので嵩上げが大きくなった)

  4. は新高値を更新していないので、EPとAFの値は変わりません。

  5. で高値更新。EPは424円。AFは0.08へ。
  6. で高値更新。EPは425円。AFは0.10へ。
  7. で高値更新。EPは436円。AFは0.12へ。

    y.の日に翌日hの日のSARを計算してみると、
    SAR(h)=SAR(y)+(EP-SAR(y))×AF なので、
    SAR(h)=404.09+(436-404.09)×0.12=404.09+3.83=407.92
    となります。これがhの日のトレンド線(下限線)です。これを下回る株価になれば上昇トレンドは終わり、下降トレンド入りとなります。

  8. のザラバ安値401円はSARの407.92を下回りました。この日から下降トレンドが始まります。

    hの日のSARは前のザラバ高値gの436円。(上記計算方法の3.の例)
    hの日のEPは、hのザラバ安値の401円。(上記計算方法の5.の例)
    hの日のAFは初期値の0.02になる。(上記計算方法の9.の例)

    ここで翌日iの日のSARを計算してみると、
    SAR(i)=SAR(h)+(EP-SAR(h))×AF なので、
    SAR(i)=436+(401-436)×0.02=436-0.70=435.30
    となります。これは何を意味しているのか。

    まず下降トレンド入りしたhの日に考えることは、先の高値436円を上回れば下降トレンドは崩れ、上昇トレンド入りする。ということです。したがってトレンド線であるSARは436円というのが妥当です。

    この日は安値401円を出していますが、SARの436円から35円分だけ下位にあります(EP-SAR=401-436=-35)。翌日iのトレンド線SARは436円に-35円の0.02倍した値の-0.58円分だけ引き下げます。

    つまり下降トレンドにあるときは、1日経過すると、トレンド線SARは少しずつ引き下げられるというのがパラボリックのミソです。

  9. は新安値を更新していないので、EPとAFの値は変わりません。

    ここで翌日のSARを計算してみると、
    SAR=SAR(i)+(EP-SAR(i))×AF なので、
    SAR=435.30+(401-435.30)×0.02 =435.30-0.69=434.61
    となります。-0.69円分の引き下げとなりました。





設定例@ パラボリックによる売り・買いの設定



設定のポイント
No.3線 パラメータ 202 でパラボリックを計算し、上昇トレンドに転換した日に買い。
No.4線 No.3線(パラボリック)が下降トレンドに転換した日に売り。
No.5線 No.3線(パラボリック)の「帯下値」を取り出す。(パラボリックの場合の帯下値は、上限線・下限線とまとめて取り出す。)

加工の「パラボリック」が計算するのは、トレンドが転換してからの日数(上昇転換したときは、+1,+2,+3,+4,+5・・・。下降転換したときは、-1,-2,-3,-4,-5・・・)です。

パラボリック(トレンド線)の数値を知りたいときは、No.5行のように「帯下値」の設定をして下さい。




グラフ@

設定例@「パラボリックの設定」のグラフは図のようになります。

@パラボリックの色は「薄紫色」に設定していますが、これは上限線の色です。(下限線の色は青色で固定されている)

Aパラボリックのパラメータを 202 (0202である)としているので、初期値は0.02、加速係数の増加分は0.02 となっています。


設定例A パラボリックの設定(初期値と増加分を変える)


設定のポイント
No.3線 パラメータ 1005 でパラボリックを計算し、上昇トレンドに転換した日に買い。
No.4線 No.3線(パラボリック)が下降トレンドに転換した日に売り。

パラボリックのパラメータを 1005 に変更しました。 初期値は0.10、加速係数の増加分は 0.05です。

グラフA

設定例A AF(加速係数)の初期値と増加分を変更しました。設定例@からは、
    初期値を、0.02→0.10 へ大きくし
    増加分を、0.02→0.05 へ大きくしました。
初期値・増加分は、上昇トレンドにあるときのトレンド線を引き上げる量であり、下降トレンドにあるときのトレンド線を引き下げる量です。

これが大きくなると、1日ごとにトレンド線の引き上げ・引き下げの幅が大きくなり、トレンド線は早く株価に近づいていきます。 その結果トレンド線を突破しやすくなり、トレンドの転換が早まります。

同じ1518 三井松島のパラボリックですが、加速係数を大きくした右図のほうは何度もトレンドの転換を繰り返しています。転換が早いということはダマシも多いということです。


パラボリックの数値表示

加工の「パラボリック」は(転換後の日数)を計算します。パラボリックの上限線・下限線の数値を知りたいなら、上の設定例@や設定例A のNo.5行のように、「パラボリックの帯下値を印字する」という設定をしておいてください。

図のa,b,cではどのような数値を表示しているのかを掲げます。


  1. の日は、下限線を突破して下降転換した日です。この日の数値は下限線の195.5円となっています。

  2. の日は、下降転換した翌日です。この日の数値は上限線の215.5円となっています。

  3. の日は、まだ陰陽足はありませんが、トレンド線の数値はわかっています。この日の数値は上限線の214.4円となっています。

    明日株価の高値が214.4円以上になれば上昇トレンドに転換します。明日の数値も知ることができる。ということを覚えておいて下さい。



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