1002 チャート事典

  [1002] コスト線


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意味


グラフは1333 マルハの75日平均線と75日コスト線を描画したものです。

前章の平均で述べたように、75日平均線は75日間の平均単価(平均コスト)の意味があります。しかしこのコストは、個々人にはあてはまっても、市場全体にはあてはまりません。例えば、ある人が75日間毎日1000株ずつ、終値でマルハ株を購入したとき、この人にとっては75日平均線は平均コストに等しくなりますが、マルハ株を75日間売買した人全体のコストはそうではありません。

図で1月に193円の高値を出していますが、この日の出来高は616万株で、翌日(167円)の出来高は1734万株です。それ以前の例えば108円の安値をつけた日の出来高は29万株ですから、この両日に買った人は安値で買った人より圧倒的に多いわけです。当然この両日に買った人は193円とか167円とかの高いコストになっているわけです。

真のコストは、売買代金÷出来高で計算されますが、高値193円をつけた日には、143円から193円までの値段がついていますから、143円でXX株・144円でXX株・145円でXX株・・・の売買があったことがわからねば本当の売買代金は計算できません。そこでそれに近いものとして、売買代金=終値×その日の出来高とみなし、ここからだいたいのコストを計算したものを「コスト線」といいます。

図に見るように、出来高が激しく増減したときには、単純な平均線とコスト線には大きな違いがでてきます。もし図のAで、株価が75日平均線を超えたから株価は上昇すると信じるなら、これは大きな間違いです。Aのコスト線ははるかに上位にあり、ここまで株価が戻れば売って損失を食い止めようとする投資家が多く控えています。同じように、Bではちょうど75日コスト線で株価の上昇は止まってしまいましたが、この水準はそれ以前の75日間に買った投資家の買いコストであったので、売り物に押されて、それ以上の上昇はできなかったわけです。

コスト線は株価コストを表しますから、使い方は
  1. コスト線自体の水準を見る。

    図で株価の戻りの限界がはっきりと示されています。

  2. ついでコスト線と株価平均線の差異。

    出来高があまりできていないときは、コスト線と株価平均線はほとんど同じ動きをしていますが、出来高を伴って株価が上昇すると、コスト線は急に上昇角度を変え、株価平均線とのカイリが大きくなります。

    その後カイリは縮まらず、例えば75日コスト線であれば、最大出来高ができてから75日が経過した日から急激に下降し始めて、株価平均線に近づいていきます。

    逆に株価が出来高を伴って下落したときは、コスト線は株価平均線より下方に位置し、投げ物がでていること、したがって株価の底値圏に入っていることがわかります。






規則 (コスト線)

元データ株価
副データ 
加 工コスト平均(出来高加重株価平均)
パラメータ×日のコスト平均
単 位(株価と同じ)円
使用例・株価の75日コスト平均=75日間の(終値×出来高)の合計÷75日間の出来高の合計



計算方法

「5日コスト線」を計算してみましょう。図のように10日間の株価(終値)があります。前欄の10.〜1.の数字は現在を1.として、10.日前の株価と出来高であることを意味します。
  1. 終値×出来高の計算によって、その日の売買代金を計算します。No.10は122円×550(千)株=67100で、No.9は122円×327(千)株=39894になります。
  2. No.10〜No.6までの売買代金の合計を計算します。No.6の日の5日間の売買代金の合計は、267623です。
  3. No.10〜No.6までの出来高の合計を計算します。550(No.10)+327(No.9)+305(No.8)+596(No.7)+421(No.6)=2199(千)株です。
  4. No.6の日のコスト線は、267623÷2199=121.7円となります。
  5. No.5の日のコスト線は、
    • 売買代金合計は、267623-67100+24644=225167
    • 出来高合計は、2199-550+202=1851
    • コストは、225167÷1851=121.6となります。


設定例@ 株価の75日平均線と75日コスト線を描画する設定



設定のポイント
No.3線 株価の75日平均を描画する。
No.4線 75日コスト線を描画する。(「コスト線」は元データは「株価」だけしか指定できない。)



グラフ@

設定例@「株価の75日平均線と75日コスト線を描画する設定」のグラフは図のようになります。

一番上のグラフの続きが描画されていますが、
  1. Aで75日コスト線まで戻って頭打ち、(上のグラフの最後のところ)
  2. Bで同じように75日コスト線まで戻って頭打ち、
  3. Cで高値(出来高が最大)の日から75日が経過して、コスト線は急速に下落して、75日株価平均線に接近したところで、株価は再上昇に入る。
  4. Dで高値170円から75日が経過して、再び75株価平均線に接近。反発の機会を待っているところ。










設定例A コスト線と株価平均線の逆転を見る設定



設定のポイント
No.3線株価の75日平均を描画する
No.4線株価の75日コスト線を描画する
No.5線コスト線(No.4線)と平均線(No.3)のカイリ率を計算し、カイリ率が-5%以下のとき買い。
No.6線株価と75コスト線のカイリ率を計算し、カイリ率が-5%以下のとき買い。
No.7線9日順位相関を計算し、赤色で描画し、-80以下のとき買い。






グラフA

「コスト線と株価平均線の逆転を見る設定」のグラフです。

コスト線は出来高の加重平均ですから、出来高を伴って株価が上昇したときは、コスト線は株価平均線よりも上位に出て、急速に上昇します。逆に出来高を伴って株価が下落したときは、コスト線は株価平均線よりも下位に出て、急速に下落します。

図のようにコスト線が株価平均に比べて、どんどん下方に離れていくときは、下げれば下げるほど出来高が増加しているということです。株価上昇を見込んで買った投資家が、意に反して株価が下がるために次々に投げ出しているのですから、下げ止まりは近いと考えてよいでしょう。

75日平均線よりも75日コスト線が-5%下方にある(カイリ率が-5%以下)のときは、上記の現象です。そこで応用の設定例では、
  1. 75コスト線が75日平均線より-5%下にあって、
  2. 株価がコスト線よりさらに-5%下にあって、
  3. 9日順位相関が-80以下のときに買い
という条件をつけています。



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