1388《カナル24》操作事典
 [1388] 売買ルールの設定例B 短期投資(10日)

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売買ルールの設定の例として次の5例を掲げておきます。いずれも条件表No.13を使っての検証をしています。
  1. 1386 @寄引売買(1日)  デイトレ。始値で仕掛け、当日の終値で決済する
  2. 1387 A目先投資(5日)  5日後に決済する。利食い・損切りはしない。
  3. 1388 B短期投資(10日)  10日後に決済する。利食いA・損切りZをする)
  4. 1389 C中期投資(30日)  30日後に決済する。利食いA・損切りZをする
  5. 1390 D長期投資(60日)  時間切れなし。利食いA・損切りZ・損切りXをする

短期投資(時間切れ10日間)

短期投資とは、仕掛けて10日以内に手仕舞いする投資のことを言います。 前章の1387 売買ルールの設定例A目先投資(5日)で使った条件表No.13「75日線売買@(20日以上)」で短期投資をしたときにはどのような成績になるのかを調べます。
1812「鹿島建」は
  1. の日に買いマークを出しています。(a)の翌日の始値で買い仕掛けをすると、300円です。

  2. の日は仕掛けて5日目です。この日の終値は306円なので+6円の評価益が出ています。

  3. の日は仕掛けて10 日目です。(短期投資という)この日の終値は309円なので+9円の評価益が出ています。

  4. の日は仕掛けて30 日目です。この日の終値は388円なので+83円の評価益が出ています。

建て玉期間(時間切れ期間)が短いと利益額(リターン)は小さいが、損失(リスク)も小さくなります。建て玉期間を長くするほどリターンは大きくなり、リスクも大きくなります。

リスクが大きくなる可能性があれば、リスクを限定させるために「損切り」をすることを考えねばなりません。ただ小幅な損切りをすると勝率はかなり低下します。

「利食い」をすれば、トレードが完結するので、その後に発生するかもしれないリスクから逃れることができます。いわゆる「利益確定」です。利食いをすれば勝率は必ず向上しますが、利食いをしなければもっと大きな利益がでる可能性を摘み取るということです。

短期投資の場合、
  1. 利食いも損切りもしない
  2. 利食いはするが、損切りはしない(または損切り%を大きくする)
  3. 利食いはしない(または利食い%を大きくする)が、損切りはする
  4. 適当な利食い%で利食いをし、適当な損切り%で損切りをする
の4通りが考えられます。本章ではこの4通りの売買ルールに従って検証をします。

@短期投資の売買ルール(1)利食い・損切りなし

成績の80%は、仕掛けのタイミングで決まるといってよいでしょう。仕掛けのタイミングは条件表が決定するので、短期投資(10日間)の検証をして成績が思わしくないときは、その条件表の売買条件が短期投資に向いていないのだから、その設定を変更しなければなりません。

まずは、仕掛けて10日目に利益がでているのか、損失がでているのかを調べることが大事です。利食いや損切りをすると、仕掛けのタイミングがよかったのか悪かったのかの判断ができません。

売買ルールを次のように設定してください。
  1. 「翌日の始値」で仕掛ける

  2. (10日)が経過したら「翌日の始値」で手仕舞う

  3. 利食いAはしない(チェック欄は空白)

  4. 損切りZはしない(チェック欄は空白)

2001年1月〜2013年12月の13年間の検証をすると、次のような成績になりました。( )内は目先投資の数字

1)売買成績

  1. トレード数は、317件(323件)

  2. 累計利益%は、825%(781%)

  3. 平均利益%は、2.60%(2.42%)

  4. 勝率は、56.2%(61.9%)

  5. PFは、1.88倍(2.13倍)
建て玉期間が長くなったので、累計利益%と平均利益%の数字は大きくなります。勝率が56.2%へ低下し、PF(プロフィットファクター)が1.88倍へ低下したのは、条件表No13は短期投資よりも目先投資のほうが向いているといえます。

2)損益経過

「損益経過の指示」では、@理論金額(千M)で仕掛ける、A片道手数料は1株当たり0.050%(往復0.1%)、B同一日に複数の銘柄に売買マークがでたときは、株価の最も高い1銘柄を仕掛ける。としています。

売買成績では売買マークを出したとき、すべての銘柄を仕掛けるとしていますが、損益経過では同じ日の仕掛けは1銘柄に限るとしています。( )内は目先投資の数字。

  1. トレード数は、197件 (201件)
  2. 累計利益%は、4548.7M(=454%) (3701.8M(=370%))
  3. 平均利益%は、23.1M(=2.31%)  (18.4M(=1.84%))
  4. 勝率は、55.3% (60.7%)
  5. PFは、1.80倍 (1.89倍)
  6. 6連敗 (5連敗)
  7. ドローダウンは、-581.1M(-443.9M)
  8. PD倍率は、7.83倍 (8.34倍)
建て玉期間が長くなったために累計利益%と平均利益%は目先投資よりもよくなっています。勝率。PF・PD倍率は悪くなっています。ただし勝率55.3%は合格基準の55%を超えているし、PFの1.80倍も合格基準の1.50倍を超えています。条件表No.13を短期投資に使った場合の成績は合格です。

A短期投資の売買ルール(2)利食い15%・損切り-25%

上の「売買成績」の「利益率の分布」によると、建て玉期間の10日のうちで最高の利益率になったときの分布は、1)19%以上が約10%、2)15%以上が約20%、3)12%以上が約33%となっています。 利益率が+15%以上になったときに利食いすれば、トレードの1/5で利益が確定します。

また損失率の分布を見ると、1)-25%以下が2.2%、2)-20%以下が3.2%、3)-15% 以下が13.2%、4)-10%以下が25.6%となっています。例えば-10%で損切りをすると、トレードの1/4%は損失になります。ここでは極力損切りをしないように-25%以下で損切りするとします。(異常な損失率を排除するためです)

売買ルールを次のように設定してください。
  1. 「翌日の始値」で仕掛ける

  2. (10日)が経過したら「翌日の始値」で手仕舞う

  3. ザラバで(+15%)以上の利益がでたら利食いAをする

  4. ザラバで(-25%)以上の損失がでたら損切りZをする

次のような成績になりました。

1)売買成績

( )内は(利食い・損切りなし)の数字
  1. トレード数は、318件 (317件)

  2. 累計利益%は、774% (825%)

  3. 平均利益%は、2.43% (2.60%)

  4. 勝率は、56.3% (56.2%)

  5. PFは、1.78倍 (1.88倍)
+15%で利食いをしているので、+15%以上の利益はでなくなります。累計利益%と平均利益%の数字は小さくなっています。勝率は56.3%へわずかに向上するが、PFは低下しています。

2)損益経過

( )内は(利食い・損切りなし)の数字。
  1. トレード数は、198件(197件9
  2. 累計利益%は、4338.0M(=433%)  (4548.7M(=454%))
  3. 平均利益%は、21.9M(=2.19%)   (23.1M=2.31%))
  4. 勝率は、55.6%(55.3%)
  5. PFは、1.76倍(1.80倍)
  6. 6連敗 (6連敗)
  7. ドローダウンは、-551.2M(-581.1M)
  8. PD倍率は、7.87倍(7.83倍)
累計利益%と平均利益%が小さくなり、勝率が少しよくなり、PFが少し悪くなるのは「売買成績」と同じです。よいのはドローダウンが-581M→-551Mへ小さくなったことです。利食いをすることによってリスクを抑えていることがわかります。

勝率55.6%は合格基準の55%を超えているし、PFの1.76倍も合格基準の1.50倍を超えています。(利食い+15%・損切り-25%)の売買ルールによる成績は合格です。

B短期投資の売買ルール(3)利食いなし・損切り-25%

「売買成績」の「利益率の分布」によると、建て玉期間の10日のうちで最低の利益率(つまり損失率)になったときの分布は、1)-25%以下が2.2%、2)-20%以下が3.2%、3)-15%以下が13.2%、4)-10%以下が25.6%となっています。

損切りをしないほうが成績はよくなります。だがその損失に耐えることができない損失率があれば、損切りすることはやむを得ません。 -25%の損失に耐えられるなら-25%で損切りをすればよいし、-10%までしか耐えられないなら-10%で損切りするしかありません。だが-10%程度で損切りをすると、トレードの1/4%は確実に損失になります。小幅の損失を加えるとおそらく勝率は50%以下になるでしょう。ここでは-15%で損切りをするとします。

売買ルールを次のように設定してください。
  1. 「翌日の始値」で仕掛ける

  2. (10日)が経過したら「翌日の始値」で手仕舞う

  3. 利食いはしない

  4. ザラバで(-15%)以上の損失がでたら損切りZをする

次のような成績になりました。

1)売買成績

( )は(利食い・損切りなし)の数字
  1. トレード数は、317件(317件)

  2. 累計利益%は、697%(825%)

  3. 平均利益%は、2.20%(2.60%)

  4. 勝率は、55.5%(56.2%)

  5. PFは、1.66倍(1.88倍)
-15%で損切りをしているので、-15%以上の損失はでなくなります。しかし負けトレード数は141回(損切りなしのときは139回)と多くなり、累計利益%と平均利益%の数字は小さくなっています。勝率も55.5%へ低下し、PFも低下しています。

2)損益経過

( )内は(利食い・損切りなし)の数字。
  1. トレード数は、197件(197件)
  2. 累計利益%は、4055.1M(=405%)  (4548.7M(=454%))
  3. 平均利益%は、20.6M(=2.06%) (23.1M=2.31%))
  4. 勝率は、55.3%(55.3%)
  5. PFは、1.66倍(1.80倍)
  6. 6連敗 (6連敗)
  7. ドローダウンは、-703.3M (-581.1M)
  8. PD倍率は、5.77倍 (7.83倍)
累計利益%と平均利益%が小さくなり、勝率が少しよくなり、PFが少し悪くなるのは「売買成績」と同じです。いけないのはドローダウンが-581M→-703Mへ大きくなったことです。損切りをしたからといって、リスクが低減するわけではありません。

だが、勝率55.3%は合格基準の55%を超えているし、PFの1.66倍も合格基準の1.50倍を超えています。(利食いなし・損切り-15%)の売買ルールによる成績は合格です。

C短期投資の売買ルール(4)利食い+20%・損切り-20%

「売買成績」の「利益率の分布」によると、建て玉期間の10日のうちで+20%以上の利益率になるのはトレード数の8.8%です。また-20%以上の損失率になるのはトレード数の4.4%です。ここでは+20%の利益率で利食いをし、-20%で損切りをするとします。

売買ルールを次のように設定してください。
  1. 「翌日の始値」で仕掛ける

  2. (10日)が経過したら「翌日の始値」で手仕舞う

  3. ザラバで(+20%)以上の利益がでたら利食いAをする

  4. ザラバで(-20%)以上の損失がでたら損切りZをする

次のような成績になりました。

1) 売買成績

( )は(利食い・損切りなし)の数字
  1. トレード数は、318件(317件)

  2. 累計利益%は、777%(825%)

  3. 平均利益%は、2.44%(2.60%)

  4. 勝率は、56.0%(56.2%)

  5. PFは、1.78倍(1.88倍)
-20%以上の損失は出なくなり、+20%以上の利益も出なくなります。-20%以上の損失がでるのはトレードの4.4%で、+20%以上の利益がでるのはトレードの8.8%でした。つまり-20%の損失が防げるかわりに、その2倍のトレード数で本来なら得るべき利益を放棄しています。

2)損益経過

( )内は(利食い・損切りなし)の数字。
  1. トレード数は、198件(197件)
  2. 累計利益%は、4473.3M(=447%)  (4548.7M(=454%))
  3. 平均利益%は、22.6M(=2.26%) (23.1M(=2.31%))
  4. 勝率は、55.1% (55.3%)
  5. PFは、1.77倍 (1.80倍)
  6. 6連敗 (6連敗)
  7. ドローダウンは、-620.3M (-581.1M)
  8. PD倍率は、7.21倍 (7.83倍)
すべての成績項目の数字は悪化していますが、わずかです。条件表No.13で短期投資をするときには、-20%の損切りをすればよいことがわかります。+20%の利食いはしないほうがよいでしょう。

勝率55.1%は合格基準の55%を超えているし、PFの1.77倍も合格基準の1.50倍を超えています。(利食い+20%・損切り-20%)の売買ルールによる成績は合格です。

D短期投資の検証のまとめ

売買ルールの利食い・損切りのしかたによって、成績がどう変わったかを表にまとめました。成績は「損益経過」の数字で、同一日に複数の銘柄が売買マークを出しているときは1銘柄だけを仕掛けます。

(2001年〜2013年の13年間 単位(M)手数料は往復1M=0.1%)
No. ルール トレード数 累計損益 平均利益 ドローダウン 勝率 Pファクタ 連敗
A 利食い・損切りなし 197回 4548M 23.1 M -581M 55.3 % 1.80倍 6連敗
B 利食い+15%・損切り-25% 198回 4338M 21.9 M -551M 55.6 % 1.76倍 6連敗
C 利食いなし・損切り-15% 197回 4055M 20.6 M -703M 55.3 % 1.66倍 6連敗
D 利食い+20%・損切り-20% 198回 4473M 22.6 M -620M 55.1 % 1.77倍 6連敗
E 利食いなし・損切り-20% 197回 4474M 22.7 M -620M 55.3 % 1.78倍 6連敗

表の最後のE(利食いなし・損切り)は検証結果の数字だけを乗せました。最も実用的なのは、損失を-20%でカットしている(E)のルールです。すなわち(利食いはしない・-20%で損切り)とすることによって、@利益は限度いっぱいまで得ることができるし、A損失は-20%以上はでないので安心して建て玉できます。


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