1512《Qエンジン》操作事典
 [1512] オートマの重要でない指示 C最小注目数

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変更することが稀な指示 C最小注目数

「オートマ」で条件表を生成するときに、毎回指示を変更する必要がないのは、右図の青色枠の部分です。これらの指示項目はたいして重要ではありません。
  1. 描画期間
  2. 注目点の条件
  3. 生成ルール
  4. 最小注目数
  5. 雑音点の間引き
局面を絞っていくのは、最終的に成績のよい条件表を生成するためです。そして一定水準のχ2値が維持されるならば、局面を絞るほど成績はよくなります。 しかしあまり局面を絞りすぎてトレード数が少なくなると、成績の信頼性が薄れてきます。

成績項目のひとつに「勝率」があります。同じ勝率が70%であるといっても、トレード数によってその数字の重みは異なります。

例えば、@10回のトレードで7回勝った、A50回のトレードで35回勝った、B100回のトレードで700回勝った、C200回のトレードで140回勝ったという5つの例を比べてみます。

表面的にはすべて勝率が70%ですが、「70%」という信頼性が異なります。トレード数が少ない10回で7回勝った例はたまたま7回勝てたという偶然性が高く、200回のトレードで140回勝った場合は、偶然に勝てた事例は少ないと思われます。

統計学では「比の信頼限界」を数値で知るための計算式が確立されています。データ数が100個(ここの例ではトレード数が100回)以上のときは次図のような比較的簡単な計算式で、計算できますが、100個以下のときは「F値」のよって推定しなければならないので、少し厄介です。@10回のトレードで7回勝ったときと、A50回のトレードで35回勝ったときの勝率の信頼限界を計算してみると、次のようになりました。

@10回のトレードで7回勝ったときの、比の信頼限界を計算する(右図の計算式は使えない)と、上限は0.880(=88.0%)で、下限は0.297(=29.7%)になります。勝率は70%あると思っていても、最悪の場合の勝率は29.7%であるかも知れないし、最高の場合は88.0%であるかも知れないのです。10回程度のトレードではその勝率はほとんど当てになりません。

A50回のトレードで35回勝ったときの、比の信頼限界を計算する(右図の計算式は使えない)と、上限は0.801(=80.1%)で、下限は0.437(=43.7%)になります。悪の場合の勝率は43.7%であるかも知れないのです。70%の勝率があるのだから5分以上には勝てるだろうと思うのは間違いです。

データ数(ここではトレード数)が100個以上あるときは、右図の計算式で「比の信頼限界」を計算することができます。計算式の符号は次のものを意味しています。
  1. P・・・サンプルの勝った確率(70%なら0.7とする)
  2. Q・・・サンプルの負けた確率(1-0.7=0.3とする)
  3. z・・・5%水準のときは1.96、1%水準のときは2.58 
  4. n・・・サンプル数(トレード数)
B100回のトレードで70回勝ったときの、Pは0.7(=70%)で、Qは0.3(1-0.3)です。5%水準で推定するとするなら、P,Q,z,nを計算式に代入して、
  • Pu=0.7+1.96×√0.7×0.3÷100=0.7+0.090=0.79(=79 %)
  • Pl=0.7-1.96×√0.7×0.3÷100=0.7-0.090=0.61(=61%)
となります。Puは上限の値、Plは下限の値です。つまり100回のトレードで70回勝ったとき、その信頼できる区間は61%〜79%である(この推定が間違う確率は5%未満である)。といえます。

C200回のトレードで140回勝ったときの、Pは0.7(=70%)で、Qは0.3(1-0.3)です。5%水準で推定するとするなら、P,Q,z,nを計算式に代入して、
  • Pu=0.7+1.96×√0.7×0.3÷200=0.7+0.063=0.763(=76.3%)
  • Pl=0.7-1.96×√0.7×0.3÷200=0.7-0.063=0.63.7(=63.7%)
だいたい63.7%〜76.3%の勝率であるといえます。以上のようにデータ数(トレード数)によって、同じ70%の勝率であってもその信頼限界には大きな違いがあります。トレード数が100回を超えると、70%の勝率の信頼限界は61%〜79%であり、その上下幅は18%(=79-61)に狭まります。トレード数が200回になると、70%の勝率の信頼限界は63.7%〜76.3%になり、その上下幅は12.6%(=76.3-63.7)に狭まります。こうなると、勝率70%の信頼性は高く、だいたい70%の勝率であると思ってもよいでしょう。

「最小注目数」は注目点(成功例)の個数を制限するもので、直接に全体のトレード数を制限することはできませんが、「1日1銘柄」の制限をつけるとトレード数は減ります。だから少し大きな数字のを指示しておくほうがよいでしょう。

「最小注目数」を100または200と指示しておけば、その後は変更すべきものではありません。その意味で「重要でない指示」としていますが、その役割は大きいのです。

オートマの「最小注目数」を変更する

1530 ( 225) 買いの条件表を作る では右図のように指示をして、一般銘柄用の(拡張4)条件表No.47を生成しました。

このとき(h)の「最小注目数」は(100個)としていました。
「最小注目数」の個数が異なれば、生成される条件表も違ってきます。右図は条件表No.47を生成したときの「ログ」の内容です。最後の「注目数」に注目してください。
  1. は「最小注目数」を(100個)としたので、100個以内に収まるように、注目数が110個になったときに条件表の生成は打ち切られ、No.17行までの条件表を生成しました。

  2. は「最小注目数」を(150個)としたら、150個以内に収まるように、注目数が151個になったときに条件表の生成は打ち切られ、No.14行までの条件表が生成されます。

  3. は「最小注目数」を(50個)としたら、50個以内に収まるようにさらに要因分析が続けられ、注目数が50個になったときに条件表の生成は打ち切られて、No.XX行までの条件表が生成されます。

最小注目数の違いにとる成績の変化

最小注目数を、@(100個以上)、A(150個以上)、B(50個以上)にして条件表を生成し、検証をすると次のようになります。

(表1)No.47(最小注目数100個以上)の売買成績(手数料なし、1日に1銘柄の制限なし)


(表2)No.47(最小注目数150個以上)の売買成績(手数料なし、1日に1銘柄の制限なし)


(表3)No.47(最小注目数 50個以上)の売買成績(手数料なし、1日に1銘柄の制限なし)

上記(表1)〜(表3)の「勝ちトレード」の数字が「ログ」に表示されている注目数です。(表1)の100個以上のときの注目数はログでは110個となっていますが、(表1)の売買成績では109個になっています。これは損益0%のものが1件あったので負けトレードに属したためです。

同様に150個以上は「ログ」では151個でしたが、(表2)では160個になっているのは、注目点でないものがプラスの利益を出したのが9件あったからです。

(表1)〜(表3)を見ると次のような法則があります。
  1. 最小注目数を少なく指示すれば成績(@平均利益率、A勝率、BPF)はよくなる。
  2. 最小注目数多く指示すればトレード数が増え、累計損益%は大きくなる。
局面を絞れば絞るほど成績はよくなるが、トレード数が減って累計利益は小さくなるので、どちらもほどほどによい「100個以上」と指示するのがよいでしょう。

なお(表1)〜(表3)は同一日に複数の銘柄が売買マークをだしたときは、すべてをトレードするとしたときの成績です。「同一日には1銘柄しかトレードしない」としたときの生成は次の(表4)になります。トレード数はさらに減少しています。

(表4)No.47「一般銘柄(買い)」の成績 (手数料なし)・・・1日に1銘柄だけトレードするとき
No. タイトル (トリガー) トレード数 累計損益 平均利益 ドローダウン 勝率 Pファクタ 評価
a A9日クロス(100個) 79回 4545.1 % 5.75 % -26.6 % 75.9 % 5.60倍
b A9日クロス(100個) 130回 493.3 % 3.79 % -54.2 % 64.6 % 2.64倍 -
c A9日クロス(50個) 37回 362.9 % 9.81 % -2.69 % 91.9 % 65.82倍 -



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