No.9 検証なしでは売買ルールは決められない

2009年12月に執筆 ・・・・  講座目次へ.


@「日経平均用'96」について




条件表No.2「日経平均用'96」は、1995年に《Qエンジン》Ver.1を作った折に、日経平均の小波動のピーク・ボトムの付近に売買マークが出せないか?と「オートマ」を使って設定した条件表です。

理想は、すべての日経平均の小波動のピークで売りマークを出し、すべてのボトムで買いマークを出すことですが、小波動の姿は一様ではないので、そうはうまくいきません。

右図を見ると、ボトムは(a,b,c,d,e)の5つが確定していますが、ボトムの近辺で買いマークを出したのは (a,d,e)の3か所だけです。(b,c)では出なかったし、(e')ではボトムではない位置で買いマークを出しています。また(a')からの3日連続して出た買いマークはボトムよりも早めに出ています。

小波動のピークは(A,B,C,D)の4つが確定していますが、ピークの当日あるいはその前後の日に、売りマークがでたか所はひとつもありません。 このグラフからは、条件表No.2「日経平均用'96」の売買マークにしたがって日経先物の売買を繰り返したとき、満足できる結果がでるとは思えない方もあるでしょう。

私は1997年以来、HP「TOPIXは語る」の記事は、@条件表No.20「平均線と順位相関」とA条件表No.2「日経平均用'96」の2つを使って述べてきました。長く使ってきた条件表ですから、ユーザーにとっても条件表No.2は馴染みの深い条件表です。

メインのグラフはNo.20「平均線と順位相関」であり、条件表No.2「日経平均用'96」は小波動のピーク・ボトムらしさを判断するときの10ポイントのうちの1ポイントをカウントする役割でしかありませんが、売買マークを出したから1ポイントとカウントしているのは、No.2が出す売買マークにある程度の信頼を持っているからです。

例えば、条件表No.2「日経平均用'96」が出す売買マークだけにしたがって日経先物の売買をしたとき、トータルで利益が出ないようでは、1ポイントとしてカウントする価値はありません。どころか売買マークにしたがって売買したとき「大負けに負けた」というのでは、売買マークを1ポイントとしてカウントするのは大間違いであることになります。

はたして条件表No.2「日経平均用'96」が出す売買マークはアテになるのか?頼りになるのか?をまず明らかにしてみます。具体的には次の2点について調べます。
  1. 売買マークに従って日経先物を売買したとき、どのような成績になるのか?
  2. どのような売買ルール(建て玉する期間・利食い幅・損切り幅)にすれば成績がよいのか?
これらのことは《Qエンジン24》の「検証」機能を使えば、誰でも簡単に知ることができます。@は「検証」によって条件表No.2の能力を知ることであり、Aはどう使うとその能力が最大限に発揮できるかを工夫することです。この2つの作業をすることによって、条件表No.2の信頼性がはっきりとするでしょう。

次に、条件表No.2「日経平均用'96」が出す売買マークを、個別株に応用することができるのか?、そのためにはどのような工夫が必要なのか?についてアレコレ試してみようと思います。うまくいけば「個別株用'09」という条件表まで設定したいと思っていますが、どうなるか?


A「日経平均用'96」の検証のしかた




今日は2009年12月です。メニューの「ドライブ」に行き、図のように日足データの「連結」が設定できているかをチェックして下さい。

図のような設定ができていれば、1999年1月1日から2009年12月現在までの約11年間の期間についての検証ができます。

《Qエンジン24》Ver.2を起動し、図のことを指示します。
  1. 1009「日経先物」を選択し、「新規検証」に進む。

  2. 「検証のしかた」の画面で、条件表No.2「日経平均用'96」を指定する。

  3. 「連結」になっていることを確認し、

  4. 検証期間を 990101〜081231 とする。
    (1999年1月1日〜2008年12月31日までの10年間の検証をする)

  5. 売買ルールを決める。
その条件表の能力を測るときは、右のような簡単な売買@実行可能な売買ルールを使ってください。
  1. 売買マークがでたら、その翌日の始値で仕掛ける。
  2. 売買マークが出た翌日からX日が経過したら、X日目の終値で決済する。
  3. もし仕掛けた売買マークと逆の売買マークがでたときは翌日の始値で決済する。
  4. 利食いはしない。
  5. 損切りはしない。
上図の売買ルールは、@条件表No.2が売買マークを出したら→A翌日の始値で仕掛け→B当日(売買マークが出て1日目)の終値で決済する。となっています。

  1. の日に買いマークが出ました。@この翌日の始値(15790円)で買い仕掛けをし、Aその日の終値(15730円)で決済すると、B-60円の損失になります。

  2. の日にも買いマークが出ました。@この翌日の始値(15770円)で買い仕掛けをし、Aその日の終値(15870円)で決済すると、B+100円の利益になります。

  3. の日には売買マークが出ていないので、翌日の仕掛けはありません。
  1. の日に売りマークが出ました。@この翌日の始値(16980円)で売り仕掛けをし、Aその日の終値(16830円)で決済すると、B+160円の利益になります。

  2. の日にも売りマークが出ました。@この翌日の始値(16840円)で売り仕掛けをし、Aその日の終値(16850円)で決済すると、B-10円の損失になります。

  3. の日には売買マークが出ていないので、翌日の仕掛けはありません。


上図の売買ルールの(b)「時間切れ」の日数を(1日)から(2日)へと変更したときは、@条件表No.2が売買マークを出したら→A翌日の始値で仕掛け→B売買マークが出て2日目の終値で決済する。となります。

  1. の日に買いマークが出ました。@この翌日(b)の始値(15790円)で買い仕掛けをし、A(a)から2日目の(c)の日の終値(15870円)で決済すると、B+80円の利益になります。

  2. の日にも条件表No.2は買いマークを出しますが、すでに(a)の買いマークによって買い建てしているので、(b)の翌日の仕掛けはしません。
  1. の日に売りマークが出ました。@この翌日(B)の始値(16980円)で売り仕掛けをし、A(A)から2日目の(C)の終値(16850円)で決済すると、B+140円の利益になります。

  2. の日にも条件表No.2は売りマークを出しますが、すでに(A)の売りマークによって売り建てしているので、(B)の翌日の仕掛けはしません。


B「日経平均用'96」の成績を調べる




日経先物(1銘柄)の過去10年ほどの検証はあっという間に終わります(5〜10秒くらい)

「損益経過」では詳しい成績を知ることができます。

ここで使っている売買ルールは、@翌日の始値で仕掛けて、AX日後の終値で決済する。ので、@については寄り付き前に「成行」の注文を出しておけばよいし、Aについては「大引け」の「成行」注文を出しておけば、日足データと同じ値段で約定するはずです。

さらに実際の売買に近づけるために、次のような指示をします。
  1. 一定株数(1枚単位)で売買する。
  2. 手数料は「片道0.525円」。往復で1.05円(1050円)。

  3. 呼び値は10円キザミ(この場合1円キザミでも影響はでない)。


図のような「損益経過」がまとめられます。重要な項目は次のものです。
  1. トレード数
  2. 累計損益
  3. 平均利益
  4. 勝率
  5. PF(プロフィット・ファクター)
  6. 最大ドローダウン
  7. PD倍率
PFは(累計利益額÷累計損失額)から計算し、PDは(累計損益額÷最大ドローダウンのマイナス符号を取ったもの)で計算します。

最大ドローダウンの数字以外は、全部数字が大きいものほど成績は優れています。(最大ドローダウンの数字は小さいものが優れている)

図は、@条件表No.2が売買マークを出した翌日の始値で仕掛け、A売買マークがでた日の1日後の、B終値で決済する、としたときの成績ですが、Aのか所を2日後、3日後、4日後として「検証」をしてみましょう。売買マークは何日間くらい有効なのかがわかります。

(表1)
決済する日 トレード数 累計損益額 平均利益 勝率 Pファクタ PD倍率 最大ドローダウン
1日後 241回
B 137回
S 104回
* 4047円
B 1146円
* S 2900円
16.8円
B 8.4円
S 27.9円
52.3%
B 48.9%
S 56.7%
* 1.32倍
B 1.12倍
* S 1.90倍
* 3.32倍
B 0.92倍
S 4.98倍
-1217円
2日後 168回
B 91回
S 77回
2673円
B 494円
* S 2179円
15.9円
B 5.4円
* S 28.3円
53.0%
B 57.1%
S 48.1%
1.20倍
B 1.05倍
* S 1.58倍
0.82倍
B 0.15倍
S 3.07倍
-3246円
3日後 135回
B 75回
S 60回
328円
B -1138円
S 1467円
2.4円
B -15.2円
S 24.5円
50.4%
B 48.0%
S 53.3%
1.02倍
B 0.89倍
S 1.38倍
0.07倍
B -0.22倍
S 1.78倍
-5110円
4日後 123回
B 68回
S 55回
3700円
* B 2588円
S 1112円
30.1円
* B 38.1円
S 20.2円
53.7%
B 55.9%
S 50.9%
1.25倍
* B 1.27倍
S 1.21倍
1.44倍
B 1.17倍
S 1.43倍
-2563円
5日後 120回
B 68回
S 52回
* 4384円
* B 1898円
* S 2485円
* 36.5円
* B 27.9円
* S 47.8円
53.3%
B 55.9%
S 50.0%
* 1.26倍
* B 1.17倍
* S 1.45倍
* 1.67倍
B 0.77倍
S 2.23倍
-2629円
6日後 115回
B 65回
S 50回
2829円
B 1331円
S 1497円
24.6円
B 20.5円
* S 30.0円
53.0%
B 55.4%
S 50.0%
1.15倍
B 1.10倍
S 1.26倍
0.74倍
B 0.35倍
S 1.35倍
-3804円
7日後 109回
B 60回
S 49回
* 5485円
* B 4547円
S 938円
* 50.3円
* B 75.8円
S 19.2円
51.4%
B 55.0%
S 46.9%
* 1.31倍
* B 1.42倍
S 1.13倍
* 1.97倍
B 1.73倍
S 0.92倍
-2788円
8日後 109回
B 60回
S 49回
1995円
B 1187円
S 808円
18.3円
B 19.8円
S 16.5円
52.3%
B 56.7%
S 46.9%
1.08倍
B 1.07倍
S 1.11倍
0.38倍
B 0.28倍
S 0.60倍
-4248円
9日後 107回
B 58回
S 49回
-662円
B 69円
S -731円
-6.2円
B 1.2円
S -14.9円
46.7%
B 53.4%
S 38.8%
0.98倍
B 1.00倍
S 0.92倍
-0.08倍
B 0.01倍
S -0.30倍
-8255円
10日後 104回
B 55回
S 49回
1010円
B 1142円
S -131円
9.7円
B 20.8円
S -2.7円
47.1%
B 50.9%
S 42.9%
1.04倍
B 1.08倍
S 0.99倍
0.14倍
B 0.20倍
S -0.05倍
-7425円

次のことがわかります。
  1. 累計損益額は、「1日後」から「8日後」まではプラス(累計で利益がでている)である。
  2. 成績のよい上位3つの*印をつけているが、*印が多いのは「5日後」と「7日後」である。
  3. 「8日後」以降の累計損益額は減少しているので、条件表No.2が出す売買マークは5〜7日間くらい有効であるといえる。


C安定した条件表とは



前章で条件表No.2の売買マークにしたがって日経先物を売買したらどうなるかの成績を調べました。@累計損益額がプラスであったということは、この条件表の売買マークは間違っていないということです。またA売買マークにしたがって仕掛けたとき、いつ決済すればよいのかは、「累計損益額」が大きいものでわかります。累計損益額の大きさの順は、@「7日後決済」、A「5日後決済」、B「1日後決済」でした。

このことからただちに「7日後決済」の売買ルールがよいという結論を出すのは早すぎます。10年間で最も累計損益額が大きかったとしても、
  1. ある年に集中して利益を出していたり、ある年に大負けをしていたりしている。
  2. ある年にトレード回数が偏ったり、ある年は極端にトレード回数が少なかったりしている。
  3. 10年間で利益になった年が半数(50%)以下である。
といった不安定な成績になっている条件表は使えません。年ごとの成績を調べて、次のことをチェックする必要があります。
  1. 利益額が、ある1年に集中していないか?

    集中しているかどうかの目安は、最高の利益額を出した1年の利益額が、平均の利益額の5倍以上であったときは「利益が集中している」とします。
    例えば、@10年間の累計損益額が5000円なら→A1年の平均損益額は500円。→Bある年の損益額がこの5倍の2500円以上あったときは「集中している」とする。

  2. 極端に大きな損失を出した年がないか?

    極端に大きな損失かどうかの目安は、最大の損失を出した1年の損失額が、平均の利益額の5倍以上であったときは「極端に大きな損失」とします。
    例えば、@10年間の累計損益額が5000円なら→A1年の平均損益額は500円。→Bある年の損失額がこの5倍の-2500円以上あったときは「極端に大きな損失」とする。

  3. 1年ごとの勝率が67%以上か?

    1年の損益額がプラスのとき1勝、マイナスのとき1敗とするならば、売買した年数のうちの2/3は勝っていなければなりません。(10年では7勝3敗)

  4. 資金効率はよいか?

    日経先物を売買するときのリスクは「どこまで負けるか?」です。どれほどの資金を用意しておけねばならないかによって資金の効率が違ってきます。例えば10000円の資金を用意して5000円の利益がでたときの資金効率は0.5倍です。2000円の資金を用意して2000円の利益がでたときの資金効率は1.0倍です。利益額では5000円のほうが上ですが、資金効率は2000円の利益のほうが優れています。

    資金は過去の成績からは、最低でも「最大ドローダウン」と同じ金額を用意しておく必要があります(さらにいえば今後もっと大きなドローダウンが発生することを予定して、過去の最大ドローダウンの2倍の資金を用意しておく必要がある)。 資金効率の目安は「PD倍率」です。これは累計損益額÷最大ドローダウンで計算されています。リスク(最大ドローダウン)の何倍の利益を出したかがわかります。

以上のチェックをしてみましょう。 「1日後決済」、「5日後決済」、「7日後決済」について、1999年から2009年までの11年間の「年別成績」を次に掲げます。(2009年の成績は12月21日までのもの。「損益経過」→「年別成績」で次の数値がわかります)

(表2) 1日後決済の年別成績
トレード数 累計損益額 平均利益 勝率 Pファクタ
1999年 22回
336円 15.3円 50.0% 1.25倍
2000年 35回
733円 21.0円 57.1% 1.33倍
2001年 27回
1821円 67.5円 55.6% 2.43倍
2002年 27回
-298円 -11.0円 55.6% 0.70倍
2003年 22回
296円 13.5円 54.5% 1.38倍
2004年 19回
+0円 +0.0円 52.6% 1.00倍
2005年 19回
110円 5.8円 52.6% 1.17倍
2006年 18回
661円 36.7円 66.7% 1.90倍
2007年 29回
-410円 -14.2円 37.9% 0.76倍
2008年 23回
795円 34.6円 43.5% 1.39倍
2009年 30回
158円 5.3円 56.7% 1.14倍
合計 271回
4205円
平均 382円
15.5円 52.8% 1.31倍
  1. 利益の集中はない
    2001年の利益は平均利益の4.76倍

  2. 極端な損失はない
    2007年の損失は平均利益の1.07倍

  3. 9勝2敗(勝率81.8%)

  4. PD 3.45倍
    累計利益 4205円
    最大ドローダウン-1217円
以上、すべて合格。

(表3) 5日後決済の年別成績 
トレード数 累計損益額 平均利益 勝率 Pファクタ
1999年 11回
1998円 181.7円 63.6% 3.34倍
2000年 16回
803円 50.2円 56.3% 1.35倍
2001年 13回
386円 29.7円 46.2% 1.18倍
2002年 14回
565円 40.4円 57.1% 1.46倍
2003年 11回
858円 78.0円 63.6% 1.99倍
2004年 9回
-319円 -35.5円 55.6% 0.75倍
2005年 8回
-188円 -23.5円 25.0% 0.75倍
2006年 11回
168円 15.3円 45.5% 1.11倍
2007年 14回
1565円 111.8円 64.3% 2.51倍
2008年 13回
-1453円 -111.8円 46.2% 0.70倍
2009年 15回
1094円 73.0円 53.3% 1.77倍
合計 135回
5478円
平均 498円
40.6円 53.3% 1.30倍
  1. 利益の集中はない
    1999年の利益は平均利益の4.01倍

  2. 極端な損失はない
    2008年の損失は平均利益の2.91倍

  3. 8勝3敗(勝率72.7%)

  4. PD 2.08倍
    累計利益 5478円
    最大ドローダウン-2629円
以上、すべて合格。

(表4) 7日後決済の年別成績 
トレード数 累計損益額 平均利益 勝率 Pファクタ
1999年 11回
1418円 129.0円 63.6% 1.97倍
2000年 14回
-894円 -63.9円 35.7% 0.78倍
2001年 12回
1437円 119.8円 50.0% 1.89倍
2002年 13回
1136円 87.4円 69.2% 2.17倍
2003年 10回
2519円 252.0円 80.0% 6.70倍
2004年 8回
-568円 -71.0円 37.5% 0.64倍
2005年 8回
-638円 -79.8円 25.0% 0.47倍
2006年 10回
909円 91.0円 50.0% 1.58倍
2007年 14回
225円 16.1円 50.0% 1.17倍
2008年 9回
-59円 -6.6円 44.4% 0.98倍
2009年 15回
1454円 97.0円 66.7% 2.29倍
合計 124回
6939円
平均 630円
56.0円 53.2% 1.37倍
  1. 利益の集中はない
    2003年の利益は平均利益の4.00倍

  2. 極端な損失はない
    2005年の損失は平均利益の1.01倍

  3. 7勝4敗(勝率63.6%)

  4. PD 2.49倍
    累計利益 6939円
    最大ドローダウン-2788円
以上、勝率を除いて合格。

「7日後決済」の勝率が63.6%と、目安の勝率66.7%(2/3)に届いていませんが、2008年の累計損益額は-59円と極めて小さなマイナスであるので、トータルとしては合格としてよいでしょう。

以上の売買ルール(X日目の終値で決済)で売買するならば、この11年間のトータルでは利益を出すことができます。しかし致命的な欠点は「トレード数が少ないこと」です。最もトレード数が多い「1日決済」でも11年間で271回です。年に24回、月あたり2回の売買しかできません。トレード数が少ないと利益は積みあがりません。「1日決済」の累計損益額は4205円であるので、日経先物を1枚ずつ売買したときの利益額は420.5万円です。1年当たり38.1万円にしか過ぎません。

条件表No.2は小波動のピーク・ボトムで売買マークを出すことを狙った条件表であるので、そう毎日毎日売買マークが出ることはないからです。条件表No.2は、これだけを指針にして日経先物の売買をするには役不足ですが、悪い条件表ではありません。
  1. 売買マークはだいたい5〜7日先の株価(の方向)を捉えている。
  2. 売買マークは各年に万遍なく出ている。
  3. トレード数は少ないが、成績は安定している。
ことがわかりました。トレード数を増やすには、条件表No.2のような条件表をいくつか用意すれば解決します(2010年に日経先物売買のための条件表を掲げる予定です)。


D「日経平均用'96」は個別株に応用できないか?



前章までで、条件表No.2「日経平均用'96」が出す売買マークはだいたい正しいことが明らかになりました。だが売買マークがしょっちゅうでるわけではないので、日経先物の売買をするにはトレード数が足りません。


もし条件表No.2が個別株に応用できるならば、個別銘柄は東証1部で1600銘柄あります。日経225銘柄に絞っても、日経先物の何10倍・何100倍のトレードの機会があります。トレード数が不足することはありません。

右図は、条件表No.2を使って5401「新日鉄」のグラフを描いたものですが、時間をかければ、(a,c,e)の買いマークや(B)の売りマークでは利益がでそうです。

損失がでそうな(b,d)の買いマークや(A,C)の売りマークによる損失を相殺して、トータルで利益がでるかどうかですが、工夫しだいではトータルで利益を出すことは可能でしょう。

前章で、先物の売買には役不足である条件表No.2を使って、日経先物を「5日後決済」で売買すると、次の成績になっていました。
  1. 1回のトレードで平均36.5円(3.65万円)の利益がでる(手数料を差引いた利益額)。
  2. 11年間の最大ドローダウンは2629円(262.9万円)だった。
  3. 11年間で5478円(547.8万円)の利益がでた。
1トレードで36.5円の利益というのは、極めて小さい利益です。この11年間の日経平均を平均するとちょうど13000円くらいです。13000円の株式を売買して、1トレードにつき36.5円の利益です。0.28%(=36.5÷13000X100)の利益率でしかなのです。それでも11年間で547.8万円の利益がでています(平均だと1年につき49.8万円)。

実際のところ、いくらの資金が必要だったかというと、1枚あたりの証拠金を60万円とすると、最大ドローダウンの262.9万円を加えた322.9万円の資金を用意していないと、「5日後決済」の売買は頓挫しています。仮に350万円を用意していたとするならば、1年間の平均的な利益率は14.2%(=49.8÷350)です。

個別株を信用取引で売買するとしましょう。同じ350万円の資金を用意し、250万円を信用取引の証拠金とし3倍の750万円の投資をすることにします(残り100万円を損失を補填するために余裕資金とする)。 先の日経先物の「5日後決済」と同じ利益(1年に49.8万円)を出そうとすると、これは750万円の投下資金に対して6.64%(=49.8÷750×100)の累計利益率が必要であることになります。

1年に1回しか売買しないのであれば、毎年、1回のトレードで6.64%の利益がでるような売買マークをだす条件表でなければなりませんが、毎年10回の売買をするならば1回の利益率は0.664%ですみます。25回の売買をするならば1回の利益率は0.266%ですみます。先の「5日後決済」の1回の利益率は0.28%でしたから、条件表No.2が個別株においても日経先物と同じ利益率(0.28%)を出してくれれば、個別株の売買であっても日経先物の売買と同じ利益がでる勘定です。


E日経225銘柄の検証のしかた



個別株とはいいながら、検証の対象は「日経225銘柄」に絞ります。東証1部のなかには、@出来高が薄くてまともなグラフにならない銘柄がある、A株価が安くて(100円未満)前日比で30%高・-30%安になる銘柄がある、B検証は最大で32500トレードまでしかできない、といった理由からです。

次の手順によって、2009年12月現在の「日経225銘柄」の結果ファイルをダウンロードしてください。


  1. 《カナル24》のスタート画面の「アップデート」→
  2. 「条件表や銘柄マスターのダウンロード」から
  3. 「インストーラー」を起動し、
  4. 「条件表や銘柄マスターのダウンロード」をクリックすると
  5. 右の画面(HP)が出ます。
  6. 「日経225銘柄の結果ファイル」の右にある「ダウンロードする」ボタンをクリックすると、
  7. 保存するかどうか聞いてくるので「保存する」をクリック。
  8. 「保存先」を聞いてくるので、
    C:ドライブ→tokenフォルダ→DTKB50フォルダ を次々に指定して、
  9. 「保存する」をクリック。
  10. 結果ファイルNo.980に「日経225銘柄」が保存されます。


《Qエンジン24》Ver.2を起動し、図のことを指示します。
  1. 結果ファイルNo.980を使って「日経225銘柄」を選択し、「新規検証」に進む。

  2. 「検証のしかた」の画面で、条件表No.2「日経平均用'96」を指定する。

  3. 「連結」になっていることを確認し、

  4. 検証期間を 990101〜081231 とする。
    (1999年1月1日〜2008年12月31日までの10年間の検証をする)

  5. 売買ルールを決める。
売買ルールは日経先物の検証で使ったものと同じものです。(b)のX日後を、 5,7,9,12,15,20,30,40日後に変更して、それぞれの検証をします。
  1. 売買マークがでたら、その翌日の始値で仕掛ける。

  2. 売買マークが出た翌日からX日が経過したら、X日目の終値で決済する。

  3. もし仕掛けた売買マークと逆の売買マークがでたときは翌日の始値で決済する。

  4. 利食いはしない。
  5. 損切りはしない。


F条件表No.2を日経225銘柄に応用したときの成績を調べる




225銘柄の検証をするので、日経先物(1銘柄)の検証に比べて225倍の時間がかかります。(だいたい10〜15分くらい)

「損益経過」では詳しい成績を知ることができます。

個別株は、銘柄によって株価水準が異なります。1000円の株価のもので35円の利益をあげたのと400円の株価のもので35円の利益をあげたのを比較するとき、利益額35円を見て同じ価値とすることはできません。利益率を重視すべきです。1000円のものは3.5%の利益率であり400円のものは8.75%の利益率です。

個別株の検証では、
  1. 理論金額(千M)で売買する。
  2. 仕掛けを優先する。

  3. 手数料は「取引額の一定比率 0.1%」。往復で0.2%。

  4. 仕掛け日の制限はなし
  5. 仕掛ける銘柄数の制限はなし

  6. 呼び値は1円キザミ。
とします。理論金額とは、どの株も1000M(Mは単位)であるとして売買したときの成績です。ある銘柄を@400円で買って、A435円で決済して、B35円の利益がでた時は、@1000M(400円×2.5)で買い、A1087.5M(435円×2.5)で決済し、B87.5M(35円×2.5)の利益が出たと計算されます。


図のような「損益経過」がまとめられます。重要な項目は次のものです。
  1. トレード数
  2. 累計損益
  3. 平均利益
  4. 勝率
  5. PF(プロフィット・ファクター)
  6. 最大ドローダウン
  7. PD倍率
PFは(累計利益額÷累計損失額)から計算し、PDは(累計損益額÷最大ドローダウンのマイナス符号を取ったもの)で計算します。

最大ドローダウンの数字以外は、全部数字が大きいものほど成績は優れています。(最大ドローダウンの数字は小さいものが優れている)

ここでは「理論金額(M)で売買する」と指示しているので、(b)累計損益、(c)平均利益の単位は(M)です。どの銘柄の株価も1000円で仕掛けたものとしています。(b)累計損益が56124.6(M)とは、どの銘柄も1000円で仕掛けたものとするならば、累計で56124.6円の利益が出たと思ってください。また(d)平均利益が2.3(M)とは、どの銘柄も1000円で仕掛けたものとするならば、平均して2.3円の利益が出た(利益率は0.23%)であると思ってください。

図は、@条件表No.2が売買マークを出した翌日の始値で仕掛け、A売買マークがでた日の10日後の、B終値で決済する、としたときの成績ですが、Aを5日後、7日後、9日後、9日後、12日後、15日後、20日後、25日後、30日後、40日後として「検証」をしてみましょう。売買マークの有効期限がわかるはずです。

(表5)
決済する日 トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ PD倍率 最大ドローダウン
5日後 28450回
B 18382回
S 9068回
59701M
B 63580M
S-3879M
2.1M
B 3.3M
S-0.4M
50.5%
B 50.5%
S 50.3%
1.10倍
B 1.15倍
S 0.98倍
1.48倍
B 1.63倍
S-0.16倍
-40213M
7日後 26283回
B 17572回
S 8711回
63788M
B 71732M
S-7944M
2.4M
B 4.1M
S-0.9M
49.9%
B 50.0%
S 49.8%
1.10倍
B 1.16倍
S 0.96倍
1.40倍
B 1.48倍
S-0.24倍
-45697M
9日後 25020回
B 16319回
S 8701回
43569M
B 53768M
S-10199M
1.7M
B 3.3M
S-1.2M
50.2%
B 50.1%
S 50.2%
1.06倍
B 1.11倍
S 0.95倍
0.67倍
B 0.77倍
S-0.24倍
-64713M
12日後 23468回
B 14874回
S 8594回
64972M
B 86156M
S-21183M
2.8M
B 5.8M
S-2.5M
51.2%
B 51.1%
S 51.4%
1.09倍
B 1.18倍
S 0.92倍
1.18倍
B 1.32倍
S-0.41倍
-55150M
15日後 22023回
B 13698回
S 8325回
27084M
B 55044M
S-27959M
1.2M
B 4.0M
S-3.4M
51.7%
B 51.1%
S 52.8%
1.03倍
B 1.08倍
S 0.90倍
0.41倍
B 0.64
S-0.46倍
-66030M
20日後 19829回
B 11991回
S 7838回
15915M
B 54705M
S-38790M
0.8M
B 4.6M
S-4.9M
53.2%
B 52.3%
S 54.6%
1.02倍
B 1.11倍
S 0.87倍
0.22倍
B 0.69倍
S-0.50倍
-71698M
25日後 18396回
B 10944回
S 7452回
20684M
B 64501M
S-43817M
1.1M
B 5.9M
S-5.9M
54.8%
B 53.9%
S 56.1%
1.03倍
B 1.13倍
S 0.86倍
0.35倍
B 0.77倍
S-0.54倍
-59079M
30日後 17258回
B 10110回
S 7148回
15036M
B 58723M
S-43687M
0.9M
B 5.8M
S-6.1M
56.6%
B 55.4%
S 58.2%
1.02倍
B 1.13倍
S 0.86倍
0.22倍
B 0.61倍
S-0.52倍
-69593M
40日後 15753回
B 8991回
S 6762回
29724M
B 84220M
S-54496M
1.9M
B 9.4M
S-8.1M
58.8%
B 58.3%
S 59.5%
1.04倍
B 1.19倍
S 0.80倍
0.50倍
B 0.96倍
S-0.58倍
-59864M

225銘柄あると、10年間で出る売買マークの総数は膨大なものです。実際の売買では年に10〜100トレードをすればよいのですが、例えば「5日後決済」のトレード数をみると28450回もあります。このうちから10〜100のトレードを選択せねばならないわけです。日経先物とは違ってトレードの機会はあり余るほどあるので、成績の評価をする際に「トレード数」や「累計損益」はさほど気にすることはありません。重要な項目は「平均利益」や「Pファクター」です。
  1. 平均利益は、「12日後」が2.8Mで最高になっている。2.8Mとは1000円で仕掛けて2.8円の利益がでた(利益率0.28%)ということだから、日経先物の平均利益率0.28%とまったく同じです。

  2. 買い(B)の利益率は「12日後」の5.8Mでいったんピークとなるが、その後「25日後」で6.1M、「30日後」で5.8M、「40日後」で9.4Mとなって「12日後」よりもよい成績を出している。

  3. 売り(S)の利益率はすべてマイナスになっている。しかも「5日後」→「40日後」へ期間が延びるほどに平均利益のマイナス値が拡大している。「5日後」では-0.4Mであったものが「9日後」には-1.2Mになり、「40日後」には-8.1Mになっている。

売り(S)の利益率がすべてマイナスになっており、決済の期間が延びるに従って損失が拡大していることは重大なことです。どうしてこのような数字になったのでしょうか?

それは株価の下落期が終わり、上昇し始めた初期段階で、@大量の銘柄が売りマークを出したが、A株価は上昇し続けたために、B決済が遅れるほどに損失が拡大した、ということでしょう。

@の大量の銘柄がいっせいに売りマークを出したとき、その売りマークがでた銘柄を全部売り仕掛けをすると、このような結果になるわけです。しかし現実的には、同じ日に225銘柄のうち100銘柄が売りマークを出したとしても、100銘柄を売ることはできません。せいぜい数銘柄までです。

上の成績は実行不可能な売買のしかたの下での成績です。現実的には、ある日に100銘柄が売買マークを出したとき、そのうちから1銘柄を選んで仕掛けることになります。仕掛けた1銘柄の成績は重大ですが、残り99銘柄の成績は意味がありません。そこで、同じ日に複数の銘柄が売買マークを出したときは、何かの基準によって1銘柄を選び、その1銘柄を売買するときの成績はどうなるかを調べてみましょう。


G同じ日に売買マークがでたときは、1銘柄に絞って仕掛けた成績




「損益経過」をクリックすると、右図の「損益経過の指示」の画面が現れます。ここで「仕掛ける銘柄数の制限」の欄で次のような指示をします。
  1. (仕掛ける)銘柄数は、「1銘柄まで」とする。

  2. その1銘柄を選ぶ基準は、買いマークの場合は「株価が最も高い」銘柄とする。

  3. 売りマークの場合も「株価が最も高い」銘柄とする。
この銘柄選択の基準は、図のように
  1. 株価の高低
  2. 出来高の大小
  3. 前日比の高安(変化率)
  4. 「検証」する際に指定した条件表の特定行の数値
などを指定することができます。ここでは「株価が最も高いもの」を選択し、「検証」したのが次の成績です。

 (表6)
決済する日 トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ PD倍率 最大ドローダウン
5日後 3778回
B 1995回
S 1783回
3787M
B 5618M
S-1831M
1.0M
B 2.8M
S-1.0M
50.1%
B 49.9%
S 50.4%
1.05倍
B 1.14倍
S 0.95倍
1.17倍
B 2.24倍
S-0.28倍
-3245M
7日後 3713回
B 1958回
S 1755回
7004M
B 4843M
S 2160M
1.9M
B 2.5M
S 1.2M
50.2%
B 49.8%
S 50.6%
1.08倍
B 1.10倍
S 1.06倍
2.73倍
B 1.02倍
S 0.58倍
-2570M
9日後 3686回
B 1934回
S 1752回
11711M
B 7374M
S 4337M
3.2M
B 3.8M
S 2.5M
51.1%
B 50.9%
S 51.4%
1.13倍
B 1.14倍
S 1.10倍
4.61倍
B 1.46倍
S 0.97倍
-2538M
12日後 3640回
B 1897回
S 1743回
8296M
B 5512M
S 2783M
2.3M
B 2.9M
S 1.6M
51.7%
B 49.8%
S 53.9%
1.08倍
B 1.09倍
S 1.06倍
2.17倍
B 0.80倍
S 0.45倍
-3823M
15日後 3591回
B 1857回
S 1734回
9900M
B 7585M
S 2314M
2.8M
B 4.1M
S 1.3M
53.6%
B 51.9%
S 55.5%
1.09倍
B 1.12倍
S 1.04倍
2.12倍
B 1.06倍
S 0.97倍
-4679M
20日後 3506回
B 1807回
S 1699回
13667M
B 9532M
S 4135M
3.9M
B 5.3M
S 2.4M
55.2%
B 52.4%
S 58.2%
1.06倍
B 1.14倍
S 1.07倍
3.45倍
B 1.10倍
S 0.46倍
-3965M
25日後 3447回
B 1768回
S 1679回
7817M
B 3823M
S 3994M
2.3M
B 2.2M
S 2.4M
57.0%
B 54.3%
S 59.9%
1.06倍
B 1.05倍
S 1.07倍
1.36倍
B 0.31倍
S 0.47倍
-5764M
30日後 3406回
B 1751回
S 1655回
14678M
B 11570M
S 3107M
4.3M
B 6.6M
S 1.9M
59.2%
B 57.1%
S 61.5%
1.11倍
B 1.07倍
S 1.05倍
2.59倍
B 0.99倍
S 0.32倍
-5663M
40日後 3297回
B 1673回
S 1624回
12703M
B 12492M
S 211M
3.9M
B 7.5M
S 0.1M
60.4%
B 58.5%
S 62.4%
1.09倍
B 1.15倍
S 1.00倍
1.42倍
B 0.85倍
S 0.02倍
-8945M
  1. 平均利益は、短いところでは「9日後」が3.2M、長いところでは「20日後」が3.9Mと高い利益を出しています。(「30日後」「40日後」でもこれ以上の平均利益をだしていますが、多くは買い(B)の利益によるものなので無視する)

  2. 買い(B)の利益率は「9日後」の3.8Mでいったんピークとなるが、その後「20日後」で5.3M、「30日後」で6.6M、「40日後」で7.5Mとなって「9日後」よりもよい成績を出している。このことは過去10年間の小波動の上昇期間は@9日間と、A20日間以上の2通りの上昇スケールがあったと思われる。

  3. 売り(S)の利益率は「9日後」の2.5Mでいったんピークとなるが、その後「20日後」で2.4M、「25日後」で2.4Mとなって「9日後」と同じほどの成績を出している。このことから、下降小波動にも9日と20〜25日の2通りの下落期間があったと推測できる。


1999年1月4日〜2008年12月30日の10年間の立会い日数は2460日です。同じ日に複数の銘柄で買いマークがでたときは1銘柄に絞る。同じ日に複数の銘柄で売りマークがでたときは1銘柄に絞る。というルールですから、理屈的には2460回の買い仕掛けと2460回の売り仕掛けの合計4920回の仕掛けができます。上表の例えば「9日後決済」のトレード数は3686回であるので、仕掛けることが可能な4920回の75%(=3686÷4920×100)で売りか買いのマークがでていることになります。

この3686回仕掛けは、立会い日数の2460日より大きな数字です。つまり同じ日に売り建て玉と買い建て玉を維持しているわけです。上記の成績になるには、上記のすべての仕掛けをせねばなりません。例えば「9日後決済」の場合には、@9日後に決済をする(9日間建て玉を維持する)ので、A理屈上はある日に最大で9銘柄の買い建て玉があり、9銘柄の売り建て玉があることもある。Bすなわち18銘柄分の資金が最低必要になります。 「20日後決済」の場合には、40銘柄を仕掛けることができる資金が必要です。

1銘柄を仕掛ける単位を100万円とすると「9日後決済」の場合は1800万円、信用取引を利用しても600万円の資金が必要ですが、売買の仕掛ける単位を50万円とすれば半分の300万円です。最近は東証は50万円以下で売買できるように、高株価の銘柄は1単位の株数を10株とか100株にするように指導しています。1トレードで仕掛ける資金を50万円にしても、これを超えるものは日経平均採用225銘柄うちで10銘柄くらいでしょう。50万円の単位で売買しても上記の成績にほぼ近い成績になると思われます。

「9日後」の平均利益率は0.32%(3.2M)です。1回の投下資金を50万円とするよりも100万円のほうが理解しやすいので、1回のトレードで100万円の仕掛けをすることにすると、100万円から得る利益額は0.32万円(3200円)です。(この利益額は手数料(往復で0.2%、2000円)を差し引いた純利益)

「100万円を賭けてタッタの3200円の儲けか」と思わないでください。この統計(成績)を元にして、売買の工夫をすればよいのです。まだ「工夫」のひとつもしていない段階です。 ここまでのことで
  1. 条件表No.2の売買マークに従って仕掛ける。複数の銘柄が同じマークを出したときは、株価が最も高い銘柄を仕掛ける。
  2. 「9日後決済」をする(仕掛けて9日目の終値で決済)。
の方針でよいかと思いますが、毎年同じような成績が出るのか?成績が安定しているかの検討も必要です。「損益経過」にある「年別成績」の機能を使って調べてみましょう。

(表7) 9日後決済の年別成績
トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ
1999年 365回
854M 2.3M 54.0% 1.08倍
2000年 428回
5657M 13.2M 59.1% 1.46倍
2001年 395回
-9M -0.0M 49.4% 1.00倍
2002年 350回
600M 1.7M 48.6% 1.07倍
2003年 357回
2786M 7.8M 52.9% 1.37倍
2004年 350回
936M 2.7M 52.0% 1.14倍
2005年 363回
-1034M -2.9M 45.2% 0.85倍
2006年 357回
-441M -1.2M 46.8% 0.94倍
2007年 365回
533M 1.5M 49.3% 1.07倍
2008年 356回
1827M 5.1M 52.8% 1.17倍
合計 3686回
11711M
平均 1171.1M
3.2M 51.1% 1.13倍
  1. 利益の集中はない
    2000年の利益は平均利益の4.83倍

  2. 極端な損失はない
    2005年の損失は平均利益の0.88倍

  3. 7勝3敗(勝率 70.0%)

  4. PD 4.61倍
    累計利益 11711M
    最大ドローダウン-2538M
以上、すべて合格。

(表8) 20日後決済の年別成績(参考) 
トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ
1999年 341回
2169M 6.4M 57.8% 1.14倍
2000年 421回
5964M 14.2M 60.1% 1.36倍
2001年 378回
271M 0.7M 54.2% 1.02倍
2002年 334回
1211M 3.6M 55.1% 1.10倍
2003年 337回
3942M 11.7M 58.8% 1.37倍
2004年 323回
1583M 4.9M 56.0% 1.19倍
2005年 348回
-3002M -8.6M 47.4% 0.73倍
2006年 332回
1561M 4.7M 53.9% 1.17倍
2007年 352回
-818M -2.3M 50.0% 0.93倍
2008年 340回
785M 2.3M 57.9% 1.06倍
合計 3506回
13667M
平均 1366.7M
3.9M 55.2% 1.11倍
  1. 利益の集中はない
    2000年の利益は平均利益の4.36倍

  2. 極端な損失はない
    2005年の損失は平均利益の2.19倍

  3. 8勝2敗(勝率 80.0%)

  4. PD 3.45倍
    累計利益 13667M
    最大ドローダウン-3965M
以上、すべて合格。


Hトレンドによって売買マークの採否を決める



条件表No.2「日経平均用'96」をそのまま使って個別株の売買をすると、例えば「9日後決済」を例にとると次のようになっていました。
  1. (F章参照)@10年間に25020回のトレードをせねばならないがこれは多すぎる。
    A平均利益は1.7M(利益率0.17%)とわずかである。

  2. (G章参照)そこで同じ日に複数の銘柄が同じ売買マークを出したときは、そのうちの株価が最も高いもの1銘柄だけを仕掛けるとすると、
    @10年間で3686回のトレードをすることになる。これでも1年間に368銘柄と多いが、18銘柄分(9日決済×2)の資金があれば実行できる回数である。(5日決済をするならば10銘柄分の資金で よい)
    A平均利益は3.2M(利益率0.32%)とわずかである。
条件表No.2を使って日経先物を売買すると、@章〜C章でみたように、トレード数は少ないという欠陥はあるがその成績は悪くはありませんでした。日経先物はわずかの値幅でも利益がでるためです。

個別株の売買においては、小波動のピーク近辺でカラ売りしても期待するほどの利益がでないこともあるし、小波動のボトム近辺でカラ買いしても期待すべき利益を得られないことがあります。株式投資のレバレッジが低いからです。信用取引で目一杯の仕掛けをしても証拠金の3.3倍の投資しかできません。10%の利益をあげようとするならば、最低でも株価が3.3%動かねばなりません。3.3%の値幅をとろうとするなら、名人でもこの2倍の6.6%の値動きがいるでしょう。普通はこの3倍の9.9%の値動きがないと3.3%の利益を出すことはできません。最低でも株価が10%以上動くだろうときだけ仕掛けるべきです。条件表No.2が出す売買マークのとおりに売買すれば、利益が出ない株価の動きでも仕掛けるという無駄が生じます。


右図は、条件表No.2による3401「帝人」のグラフです。(A,B,C)がカラ売りすべきところで、(a,b,c)がカラ買いすべきところです。「相場の原則」による仕掛けをしてよいのは、次の4局面です。
  1. 上昇トレンドにあるときは「押し目買い」をする。
  2. 下降トレンドにあるときは「戻り売り」をする。

  3. 上昇トレンドにあるとき、異常な上昇をしたら「吹き値売り」をする。
  4. 下降トレンドにあるとき、異常な下落をしたら「突っ込み買い」をする。
@Aが本筋で、BCは補助の原則です。この4つの局面でしか仕掛けるときはないのです。図の○印の局面は、
    (A)は、戻り売り (株価が75日線より下にあるとき売りマークがでた)
    (a)は、突っ込み買い (株価が75日線より大きく下落しているときに買いマークがでた)
    (B)は、戻り売り (株価が75日線より下にあるとき売りマークがでた)
    (b)は、押し目買い (株価が75日線より上にあるとき買いマークがでた)
    (C)は、吹き値売り (株価が75日線より大きく上昇しているとき売りマークがでた)
    (c)は、押し目買い (株価が75日線より上にあるとき買いマークがでた)
です。(B)の「戻り売り」は結果的には間違っていますが、トレンドが転換(この場合は下降トレンドから上昇トレンドへ)するときは間違うのはしかたがありません。


右図は、条件表No.2が出す売買マークはそのままにして、
  1. 75日線より+4%高い水準(+4%カイリ)ピンク色線
  2. 75日線より-4%低い水準(-4%カイリ)空色線

  3. グラフ下部に9日順位相関(紫色)
  4. グラフ下部に25日順位相関(紺色)

  5. 順位相関が+80の水準に赤色水平線
  6. 順位相関が-80の水準に青色水平線
を描いたものです。
±4%の線を追加した理由は、株価と75日線の位置関係だけによって上昇トレンド・下降トレンドを判断することは難しいためです。例えば(c)の「押し目買い」です。株価が75日線よりも1円高い位置にあるときは「押し目買い」になり、株価が75日線よりも1円低い位置にあるときは押し目買いにはなりません。

同じく(A)の「戻り売り」は、株価が75日線よりも1円低い位置にあるときは「戻り売り」になり、株価が75日線よりも1円高い位置にあるときは戻り売りにはなりません。上昇トレンドとするか下降トレンドとするかは、実に±1円の違いで変わるわけです。 そこで「株価と75日線」の位置関係で判断せずに、@株価が75日線よりも+4%以上高い位置」にあるときは上昇トレンドにある、A株価が75日線よりも-4%以上安い位置」にあるときは下降トレンドにある、と判断することにしましょう。 つまり
  1. 株価が75日線より+4%以上高いとき(ピンク色線より上位にあるとき)に出た買いマークで「押し目買い」をするが、
  2. 株価が75日線より+4%以上高くないときに出た買いマークでは買わない。

  3. 株価が75日線より-4%以上低いとき(空色線より下位にあるとき)に出た売りマークで「戻り売り」をするが、
  4. 株価が75日線より-4%以上低くないときに出た売りマークでは売らない。
を「押し目買い」「戻り売り」の判断の基準にします。ついでにいっておくと、
  1. 株価が75日線より+4%以上高いとき(ピンク色線より上位にあるとき)で、異常な上昇をした(例えば9日順位相関と25日順位相関がともに+80以上になった)ときは「吹き値売り」をする。

  2. 株価が75日線より-4%以上低いとき(空色線より下位にあるとき)で、(例えば9日順位相関と25日順位相関がともに-80以下になった)ときは「突っ込み買い」をする。
(今回は「押し目買い」と「戻り売り」だけについて述べます)


I「個別株用(押し・戻り)」の条件表を設定する



前章では75日線からのカイリ率が±4%をもって上昇トレンド(+4%以上で出た買いマークで押し目買い)、下降トレンド(-4%以下で出た売りマークで戻り売り)の判断基準とすると簡単にいいましたが、「±4%」がよいのか「±6%」がよいのか「±10%」がよいのかはまだわかっていません。最もよい成績を出す「±X%」を見つけてみましょう。条件表No.2「日経平均用'96」を別の条件No.へ「複写」して、次の条件表を用意します。
  1. ここでは条件表No.168に複写し、タイトルを「個別株(押し戻り)±α%」としました。

  2. 行No.27とNo.28に図のような条件行を追加しました。
    No.27行は、株価が75日線より(a)+4%以上カイリしているとき「買い」
    No.28行は、株価が75日線より(b)-4%以下カイリしているとき「売り」

  3. 行No.29とNo.30は「75日線の値が1円以上」つまり75日平均が計算できていること、というチェックです。(古いデータの75日間は75日平均は計算できないので、この間に出る売買マークを無効にする設定です)


この2行を追加することで、条件表No.2の買いマークは75日線からのカイリ率が(a)+4%以上のときしかでなくなります。また売りマークは75日線からのカイリ率が(b)-4%以以下のときしか出なくなります。

前章の3401「帝人」を新しい条件表で描くと、右図の位置で売買マークがでます。カイリ率が(a)+4%以下のとき買いマークはでていないし、カイリ率が(b)-4%以上のとき売りマークはでていません。

準備した条件表No.168



条件表の(a)の+4%、(b)の-4% の数字を変えて検証していけば、もっともよいカイリ率が明らかになります。次のカイリ率について検証します。
カイリ率 @ A B C D E F G H I
(a)以上で買い -2%
+0% +2% +4% +6% +8% +10% +12% +15% +20%
(b)以下で売り +2%
-0% -2% -4% -6% -8% -10% -12% -15% -20%


  1. 結果ファイルNo.980を使って「日経225銘柄」を選択し、「新規検証」に進む。

  2. 「検証のしかた」の画面で、条件表No.168「個別株(押し戻り)±α%」を指定する。

    (このとき条件表の行No.27の(a)と行No.28の(b)のカイリ率の数字を変更しておくこと)

  3. 「連結」になっていることを確認し、

  4. 検証期間を 990101〜081231 とする。
    (1999年1月1日〜2008年12月31日までの10年間の検証をする)

  5. 売買ルールを決める。


  1. 売買マークがでたら、その翌日の始値で仕掛ける。

  2. 売買マークが出た翌日から9日が経過したら、9日目の終値で決済する。

  3. もし仕掛けた売買マークと逆の売買マークがでたときは翌日の始値で決済する。

  4. 利食いはしない。
  5. 損切りはしない。


J個別株の押し目買い・戻り売りの成績




だいたい10〜15分くらいで1つの検証が終わります。

「損益経過」によって詳しい成績を調べてみましょう。

個別株の検証では、
  1. 理論金額(千M)で売買する。
  2. 仕掛けを優先。
  3. 手数料は「取引額の一定比率 0.1%」。往復で0.2%。

  4. 仕掛け日の制限はなし
  5. 仕掛ける銘柄数の制限はなし
  6. 呼び値は1円キザミ。
とします。

(表9) カイリ率による成績の違い(+X%以上で買い、-X%以下で売り」(9日後決済) 

カイリ率 トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ PD倍率 ドローダウン
最大建て玉
資金効率
-2%以上買い
+2%以下売り
2264回
B 1323回
S 941回
11741M
B 6764M
S 4977M
5.2M
B 5.1M
S 5.3M
51.9%
B 51.4%
S 52.5%
1.22倍
B 1.21倍
S 1.24倍
6.06倍
B 2.42倍
S 1.44倍
-1937M
(18銘柄)
1.19倍
+0%以上買い
-0%以下売り
1916回
B 1181回
S 735回
11735M
B 7388M
S 4346M
6.1M
B 6.3M
S 5.9M
52.1%
B 51.7%
S 52.7%
1.25倍
B 1.26倍
S 1.24倍
6.27倍
B 3.29倍
S 1.13倍
-1871M
(17銘柄)
1.24倍
+2%以上買い
-2%以下売り
1593回
B 1044回
S 549回
10621M
B 7197M
S 3423M
6.7M
B 6.9M
S 6.2M
51.9%
B 51.4%
S 52.8%
1.26倍
B 1.27倍
S 1.23倍
5.12倍
B 3.20倍
S 1.22倍
-2073M
(15銘柄)
1.16倍
+4%以上買い
-4%以下売り
1246回
B 866回
S 380回
9502M
B 6260M
S 3242M
7.6M
B 7.2M
S 8.5M
53.5%
B 52.4%
S 56.1%
1.29倍
B 1.29倍
S 1.30倍
5.04倍
B 4.43倍
S 1.64倍
-1884M
(13銘柄)
1.17倍
+6%以上買い
-6%以下売り
989回
B 715回
S 274回
11978M
B 8484M
S 3493M
12.1M
B 11.9M
S 12.8M
55.7%
B 54.7%
S 58.4%
1.45倍
B 1.46倍
S 1.43倍
6.40倍
B 6.10倍
S 3.24倍
-1872M
(12銘柄)
1.54倍
+8%以上買い
-8%以下売り
773回
B 573回
S 200回
10173M
B 6762M
S 3410M
13.2M
B 11.8M
S 17.1M
55.8%
B 53.9%
S 61.0%
1.47倍
B 1.43倍
S 1.55倍
6.43倍
B 5.59倍
S 4.75倍
-1581M
(10銘柄)
1.56倍
+10%以上買い
-10%以下売り
598回
B 462回
S 136回
8557M
B 6214M
S 2342M
14.3M
B 13.5M
S 17.2M
55.7%
B 54.3%
S 60.3%
1.50倍
B 1.50倍
S 1.51倍
6.64倍
B 5.54倍
S 2.89倍
-1289M
(10銘柄)
1.44倍
+12%以上買い
-12%以下売り
458回
B 364回
S 94回
5720M
B 4119M
S 1600M
12.5M
B 11.3M
S 17.0M
54.1%
B 52.2%
S 61.7%
1.42倍
B 1.39倍
S 1.51倍
3.74倍
B 3.15倍
S 1.97倍
-1528M
(10銘柄)
0.89倍
+15%以上買い
-15%以下売り
313回
B 255回
S 58回
4253M
B 2925M
S 1327M
13.6M
B 11.5M
S 22.9M
57.2%
B 56.1%
S 62.1%
1.44倍
B 1.39倍
S 1.64倍
3.76倍
B 2.59倍
S 2.52倍
-1131M
(9銘柄)
0.80倍
+20%以上買い
-20%以下売り
175回
B 151回
S 24回
3983M
B 2622M
S 1360M
22.8M
B 17.4M
S 56.7M
60.6%
B 57.6%
S 79.2%
1.42倍
B 1.56倍
S 3.58倍
4.55倍
B 3.24倍
S 4.92倍
-875M
(8銘柄)
0.90倍

上表からどのカイリ率の条件をつければよいかを判断せねばなりませんが、目安としては
  1. 累計損益額が大きいものほどよい (@±6、A-2/+2、B±0、C±2、D±8 の順)
  2. 平均利益Mが大きいものほどよい (@±20、A±10、B±15、C±8、D±12 の順)
  3. 勝率が高いものほどよい     (@±20、A±15、B±8、C±6、D±10 の順)
  4. Pファクターが大きいものほどよい (@±10、A±8、B±15、C±12、D±20 の順)
  5. PD倍率が大きいものほどよい  (@±10、A±8、B±6、C±0、D-2/+2 の順)
  6. 最大ドローダウンの数字が小さいものほどよい (@±20、A±15、B±10、C±12、D±8 の順)
なので、どの目安にも顔を出している「±8%」の条件がよいようです。この検証は、銘柄によって株価の大きさが異なるので、売買するときは1000Mを単位としています。(M)は1000円と考えてください。1000Mとは100万円(=1000×1000円)です。利益が35Mとは3.5万円(=35×1000円)です。金額にすればわかりやすいので、「±8%」の成績を金額にしてみると、
  1. 10年間で773回のトレード(1年に77回)をして
  2. 累計で1017.3万円(=10173M)の利益を得た(1年に101.7万円の利益)
  3. 1トレードで得た平均利益は1.32万円(=13.2M)だった(利益率は1.32%)。
  4. この10年間で最も負け続けたときは、-158.1万円(=-1581M)だった。
この「カイリ率が±8%」と同じ売買をしようとするなら、理論上は次の資金が必要です。
  1. 18回分の仕掛けができるだけの証拠金。この例は「9日後決済」なので、仕掛けて9日間は建て玉を維持しています。仕掛けた翌日もその翌日もと、連続して同じ売買マークがでることがあるので買いで9回分、売りで9回分の資金がいるわけです。18回分の18000M(=1800万円)は証拠金を6000M(600万円)差し入れておけばよいので、現金600万円が必要。

    しかし実際には18銘柄(売り9銘柄・買い9銘柄)の建て玉をしていることはほとんどありません。上の(表9)の右端の欄に「最大建て玉」として、10年間で最大に建て玉していたときの銘柄数を( )内に表示しています。これを見るとカイリ率の制約がゆるい「-2%以上で買い・+2%以下で売り」は理屈どおりの18銘柄を同時に建て玉する日がありますが、カイリ率の制約がきつい「+8%以上で買い・-8%以下で売り」以降は最大でも10銘柄を同時に建て玉しているにすぎません。18銘柄分を仕掛けることができる資金は必ずしも必要ではないのです。「+8%以上で買い・-8%以下で売り」を採用するときは過去最も多かった建て玉10銘柄分の資金を用意しておけばよいでしょう。

  2. 次に、途中で最大に損失が積み上がったときは-158.1万円(最大ドローダウン)でしたから、証拠金不足に備えて(結果的に)約160万円の現金を別に準備しておく必要がありました。 だが最大ドローダウン(最大損失)は予測できません。この10年間では-158.1万円だったが、次の10年間ではこれよりも大きくなることもあるでしょう。そこで最大ドローダウンの2倍の現金を証拠金の充当金として準備しておくのが安全です。

  3. 以上のことから、「資金効率」は次の式で計算できます。

    資金効率=累計損益÷(建て玉する銘柄数分の必要証拠金+ドローダウン×2倍(予備資金))

    この計算式から、「カイリ率が±8%」の資金効率は、1.56倍(=10173M÷(10銘柄×1000M)÷3+1581M×2)) (=1017.3万円÷(1000万円÷3+158.1万円×2)です。資金効率が1.56倍ということは利益率が156%ということです。10年間で156%なので、1年では15.6%の利益率でした。
このようにして計算した資金効率は上表の「ドローダウン」欄の下の数字に表示してあります。資金効率が高いのは「カイリ率±8%」(1.56倍)と「カイリ率±6%」(1.54倍)です。


K個別株の押し目買い・戻り売りの方針は安定した成績を出すか?(9日後決済)



前章で、「75日線からのカイリ率が+6%(または+8%)以上のときだけ押し目買いをし、-6%(または-8%)以下のときだけ戻り売り」をする方針がよいことがわかりました。だがその成績は10年間で安定したものでないといけません。成績の安定性を調べるために「年別成績」にまとめると以下のようになっていました。「±6%」と「±8%」を掲げます。

(表10) 「±6%」の年別成績 (9日後決済)

トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ
1999年 95回
3560M 37.5M 62.1% 2.65倍
2000年 156回
1433M 9.2M 59.0% 1.25倍
2001年 109回
530M 4.9M 50.5% 1.19倍
2002年 108回
2404M 22.3M 63.9% 2.01倍
2003年 122回
2488M 20.4M 59.0% 1.92倍
2004年 70回
-415M -5.9M 47.1% 0.82倍
2005年 71回
963M 13.6M 60.6% 1.88倍
2006年 84回
86M 1.0M 50.0% 1.04倍
2007年 76回
-16M -0.2M 50.0% 0.99倍
2008年 98回
942M 9.6M 49.0% 1.27倍
合計 989回
11978M
平均 1197.8M
12.1M 55.7% 1.45倍
  1. 利益の集中はない
    1999年の利益は平均利益の2.97倍

  2. 極端な損失はない
    2004年の損失は平均利益の0.34倍

  3. 8勝2敗(勝率80.0%)

  4. PD 6.40倍
    累計利益 11978M
    最大ドローダウン-1872M
以上、すべて合格。

(表11) 「±8%」の年別成績 (9日後決済)

トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ
1999年 84回
3245M 38.6M 58.3% 2.51倍
2000年 122回
1485M 12.2M 59.0% 1.32倍
2001年 89回
-106M -1.2M 49.4% 0.96倍
2002年 90回
1819M 20.2M 63.3% 1.88倍
2003年 100回
2187M 21.9M 60.0% 2.01倍
2004年 43回
-506M -11.8M 44.2% 0.68倍
2005年 51回
375M 7.4M 56.9% 1.39倍
2006年 65回
435M 6.7M 52.3% 1.27倍
2007年 51回
633M 12.4M 54.9% 1.61倍
2008年 78回
604M 7.7M 50.0% 1.22倍
合計 773回
10173M
平均 1017.3M
13.2M 55.8% 1.47倍
  1. 利益の集中はない
    1999年の利益は平均利益の3.19倍

  2. 極端な損失はない
    2004年の損失は平均利益の0.49倍

  3. 8勝2敗(勝率80.0%)

  4. PD 6.43倍
    累計利益 10173M
    最大ドローダウン-1581M
以上、すべて合格。

ともに成績は安定しています。「±8%」も「±6%」ほぼ同じような成績ですが、@「±6%」の累計損益Mのほうが大きいこと、A2004年はともにマイナスになっているが「±6%」のほうがマイナスが小さい、ことから「±6%」のほうがよいのかなという気がします。


L個別株の押し目買い・戻り売り(20日後決済)の成績



JK章では「9日後決済」について調べました、G章「同じ日に売買マークが出たときは、1銘柄に絞って仕掛けた成績」の(表6)で、「20日後決済」は「9日後決済」に匹敵する成績となっていました。そこで「20日後決済」について成績を調べてみました。

(表12) カイリ率による成績の違い(+X%以上で買い、-X%以下で売り」 (20日後決済) 

カイリ率 トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ PD倍率 ドローダウン
最大建て玉
資金効率
-2%以上買い
+2%以下売り
1842回
B 1127回
S 715回
16892M
B 7755M
S 9136M
9.2M
B 6.9M
S 12.8M
50.8%
B 48.6%
S 54.3%
1.26倍
B 1.19倍
S 1.40倍
5.98倍
B 1.33倍
S 1.55倍
-2825M
(28銘柄)
1.12倍
+0%以上買い
-0%以下売り
1842回
B 1127回
S 715回
16892M
B 7755M
S 9136M
9.2M
B 6.9M
S 19.9M
50.8%
B 48.6%
S 54.3%
1.26倍
B 1.19倍
S 1.40倍
5.98倍
B 1.33倍
S 1.55倍
-2825M
(28銘柄)
1.12倍
+2%以上買い
-2%以下売り
1531回
B 993回
S 538回
17497M
B 8823M
S 8674M
11.4M
B 8.9M
S 16.1M
51.1%
B 48.8%
S 55.4%
1.31倍
B 1.23倍
S 1.48倍
6.28倍
B 1.63倍
S 2.92倍
-2787M
(25銘柄)
1.25倍
+4%以上買い
-4%以下売り
1204回
B 830回
S 374回
17061M
B 8517M
S 8544M
14.2M
B 10.3M
S 22.8M
52.9%
B 50.2%
S 58.8%
1.39倍
B 1.27倍
S 1.68倍
5.87倍
B 2.10倍
S 1.45倍
-2907M
(23銘柄)
1.26倍
+6%以上買い
-6%以下売り
949回
B 679回
S 270回
19267M
B 12104M
S 7163M
20.3M
B 17.8M
S 26.5M
54.8%
B 53.6%
S 57.8%
1.56倍
B 1.49倍
S 1.75倍
6.38倍
B 5.14倍
S 4.39倍
-3018M
(21銘柄)
1.47倍
+8%以上買い
-8%以下売り
739回
B 544回
S 195回
15720M
B 10267M
S 5453M
21.3M
B 18.9M
S 28.0M
54.1%
B 53.5%
S 55.9%
1.56倍
B 1.49倍
S 1.77倍
6.12倍
B 5.15倍
S 4.24倍
-2568M
(18銘柄)
1.41倍
+10%以上買い
-10%以下売り
575回
B 444回
S 131回
14483M
B 10826M
S 3656M
25.2M
B 24.4M
S 27.9M
54.6%
B 54.5%
S 55.0%
1.67倍
B 1.66倍
S 1.72倍
7.53倍
B 5.44倍
S 3.11倍
-1924M
(17銘柄)
1.52倍
+12%以上買い
-12%以下売り
435回
B 346回
S 89回
12953M
B 9791M
S 3161M
29.8M
B 28.3M
S 35.5M
56.1%
B 56.4%
S 55.1%
1.83倍
B 1.77倍
S 2.10倍
8.16倍
B 6.06倍
S 1.55倍
-1586M
(15銘柄)
1.58倍
+15%以上買い
-15%以下売り
293回
B 239回
S 54回
7425M
B 5050M
S 2374M
25.3M
B 21.1M
S 44.0M
55.6%
B 55.6%
S 55.6%
1.63倍
B 1.52倍
S 2.20倍
1.38倍
B 1.26倍
S 1.50倍
-1433M
(13銘柄)
1.03倍
+20%以上買い
-20%以下売り
165回
B 143回
S 22回
6590M
B 5162M
S 1427M
39.9M
B 36.1M
S 64.9M
57.6%
B 55.9%
S 68.2%
1.92倍
B 1.81倍
S 2.78倍
6.20倍
B 3.69倍
S 1.50倍
-1063M
(10銘柄)
1.20倍

「9日後決済」では資金効率は「カイリ率±6%」が1.54倍、「カイリ率±8%」が1.56倍で優れていましたが、「20日後決済」ではカイリ率±12%」が1.58倍、「カイリ率±10%」が1.52倍となっています。

「9日後決済」は小さい波動、「20日決済」はそれより大きな波動をとることを目的としていますから、「20日後決済」ではカイリ率の制約がよりキツいもののほうが成績がよいわけです。

「20後決済」の年別成績を見てみましょう。

(表13)「±12%」の年別成績 (20日後決済)

トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ
1999年 59回
4526M 76.7M 54.2% 3.61倍
2000年 76回
2530M 33.3M 57.9% 1.82倍
2001年 50回
-998M -20.0M 34.0% 0.63倍
2002年 45回
2359M 52.4M 68.9% 3.28倍
2003年 71回
1659M 23.4M 53.5% 1.64倍
2004年 22回
-312M -14.2M 50.0% 0.65倍
2005年 21回
1607M 76.5M 90.5% 11.66倍
2006年 29回
144M 5.0M 51.7% 1.14倍
2007年 20回
201M 10.1M 55.0% 1.31倍
2008年 42回
1237M 29.5M 61.9% 1.73倍
合計 435回
12953M
平均 1295.3M
29.8M 56.1% 1.83倍
  1. 利益の集中はない
    1999年の利益は平均利益の3.49倍

  2. 極端な損失はない
    2001年の損失は平均利益の0.77倍

  3. 8勝2敗(勝率80.0%)

  4. PD 8.16倍
    累計利益 12953M
    最大ドローダウン-1586M
以上、すべて合格。

(表14)「±10%」の年別成績 (20日後決済)

トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ
1999年 67回
4112M 61.4M 49.3% 3.08倍
2000年 97回
3670M 37.8M 60.8% 1.92倍
2001年 62回
-799M -12.9M 41.9% 0.73倍
2002年 69回
1905M 27.6M 56.5% 1.79倍
2003年 84回
2132M 25.4M 53.6% 1.73倍
2004年 35回
-45M -1.3M 51.4% 0.97倍
2005年 30回
1823M 60.8M 76.7% 4.83倍
2006年 44回
320M 7.3M 50.0% 1.19倍
2007年 27回
59M 2.2M 51.9% 1.06倍
2008年 60回
1304M 21.7M 58.3% 1.48倍
合計 575回
14483M
平均 1448.3M
25.2M 54.6% 1.67倍
  1. 利益の集中はない
    1999年の利益は平均利益の2.83倍

  2. 極端な損失はない
    2001年の損失は平均利益の0.55倍

  3. 8勝2敗(勝率80.0%)

  4. PD 7.53倍
    累計利益 14483M
    最大ドローダウン-1924M
以上、すべて合格。

(表15) 「±8%」の年別成績 (20日後決済)

トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ
1999年 73回
4498M 61.6M 50.7% 2.72倍
2000年 119回
2636M 22.2M 61.3% 1.47倍
2001年 85回
936M 11.0M 49.4% 1.28倍
2002年 85回
2278M 26.8M 57.6% 1.83倍
2003年 97回
1994M 20.6M 52.6% 1.59倍
2004年 48回
198M 4.1M 47.9% 1.10倍
2005年 45回
1518M 33.7M 60.0% 2.57倍
2006年 65回
334M 5.2M 52.3% 1.15倍
2007年 43回
304M 7.1M 46.5% 1.26倍
2008年 79回
1020M 12.9M 55.7% 1.27倍
合計 739回
15720M
平均 1572.0M
21.3M 54.1% 1.56倍
  1. 利益の集中はない
    1999年の利益は平均利益の2.86倍

  2. 極端な損失はない
    10年間でマイナスの年はない

  3. 10勝0敗(勝率100.0%)

  4. PD 6.12倍
    累計利益 15720M
    最大ドローダウン-2568M
以上、すべて合格。

(表16) 「±6%」の年別成績 (20日後決済)

トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ
1999年 84回
5669M 67.5M 54.8% 3.42倍
2000年 150回
3626M 24.2M 60.7% 1.55倍
2001年 108回
592M 5.5M 47.2% 1.13倍
2002年 104回
2999M 28.8M 60.6% 1.99倍
2003年 115回
2970M 25.8M 55.7% 1.81倍
2004年 73回
482M 6.6M 47.9% 1.20倍
2005年 67回
2086M 31.1M 61.2% 2.44倍
2006年 83回
204M 2.5M 54.2% 1.07倍
2007年 67回
-424M -6.3M 43.3% 0.82倍
2008年 98回
1059M 10.8M 56.1% 1.22倍
合計 949回
19267M
平均 1926.7M
20.3M 54.8% 1.56倍
  1. 利益の集中はない
    1999年の利益は平均利益の2.94倍

  2. 極端な損失はない
    2007年の損失は平均利益の0.22倍

  3. 9勝1敗(勝率90.0%)

  4. PD 6.38倍
    累計利益 19267M
    最大ドローダウン-3018M
以上、すべて合格。

「20日後決済」の年別成績では「カイリ率±8%」は10年間全部プラスになり、「カイリ率±6%」も勝率90%と安定していることがわかりました。

「9日後決済」で資金効率がよかったのは、 順に@±8%(1.56倍)、A±6%(1.54倍)、B±10%(1.44倍)、C±0%(1.24倍)でした。 「20日後決済」で資金効率がよかったのは、順に@±12%(1.58倍)、A±10%(1.52倍)、B±6%(1.47倍)、C±8%(1.41倍)でした。

「9日後決済」「20日後決済」のどちらにしても、±6%、±8%、±10%のどれかです。カイリ率が小さいほど売買マークは多くでるので、ここでは「押し目買い・戻り売りをするカイリ率は±6%」と決めます。


M条件表No.168「個別株用(押し・戻り)」の条件表が決まった



条件表No.168「個別株用(押し・戻り)」の条件表の内容は次のようになります。




H「トレンドによって売買マークの採否を決める」で、右図のグラフ(カイリ率±4%のもの)を掲げました。本章ではカイリ率を±6%と決定したので、
  1. 売買マークは条件表No.2「日経平均用'96」と同じものですが、

  2. 75日線(緑色線)より+6%以上高い位置(ピンク色線)で買いマークがでたときだけ「押し目買い」をする。

  3. 75日線(緑色線)より-6%以上低い位置(空色線)で売りマークがでたときだけ「戻り売り」をする。
と決めたので、図では(A)(B)が戻り売りのチャンスですが、(A)は75日線からのカイリ率が-6%ないので、(A)ででは売りマークは出ません。 また(b)(c)が押し目買いのチャンスですが、(c)は75日線からのカイリ率が+6%ないので、(c)では買いマークが出なくなります。


上の条件表の条件行No.27の(a)を+6%に、条件行No.28の(b)を-6%に変更したとき、条件表Mo.168は右図の位置で売買マークを出します。


N利食い水準と損切り水準の決めかた



前章まででようやく条件表No.168「個別株用(押し・戻り)」の内容が決まりました。ここまでの段階では、
  1. 条件表No.168が売買マークを出したら、翌日の始値で仕掛ける。
  2. 同じ日に複数の銘柄が同じ売買マークを出したときは、株価が最も高い銘柄を仕掛ける。
  3. 仕掛けて9日目(売買マークが出て9日後)の終値で決済する。
という売買方針しか定まっていません。連載中に読者は「なぜ、適当な利食い・損切りを売買ルールに指示しないのか?」と思われたかも知れません。「利食い・損切りのしかた」は「仕掛け」に比べるとはるかに難しいことです。ここで相場の上手下手が決まるといってよいくらいです。

手仕舞いするときの相場の原則は、@「利益はできるだけ伸ばす」ことであり、A「損失はできるだけ早く処置する」ことです。だがこの2つは互いに矛盾(対立)します。 利益を伸ばそうとすれば、途中で少々の損失がでているからといって損切りすると、利食いの芽を摘み取ることになります。反対にいつまでも損切りしないでいると、大きな損失につながることがあります。
  1. 正しい利食いは、「チャートがこうなったら利食いする」(例えば、買い玉があって、株価が9日平均線を下回ったら利食いするとか、新高値の大きな陰線がでたら利食いする)といったチャートを使っての利食いのタイミングを決めることです。

  2. 正しい損切りは、「チャートがこうなったら損切りする」(例えば、買い玉があって、株価が75日線を割り込んだら損切りするとか、先の小波動のボトムを下回ったら損切りする)といったチャートを使っての損切りのタイミングを決めることです。

  3. チャートで@利食い、A損切り のタイミングがつかめないときは、やむを得ず損益%で決めることになりますが、何%の利益がでたら利食いをし、何%の損失になったら損切りすればよいのかを決めることも実は難しい。小波動の大きさ(スケール)は時期によって異なります。ある時期には+30%以上の上昇をすることもあれば、+10%しか上昇しない時期もあります。「+10%で利食い」とすれば、せっかく+30%上昇しているのに、早く利食いしてしまって残りの+20%を取りそこねるし、「+30%で利食い」としていると、+10%しか上昇しないときは利食いができない。+10%上昇する場合と+30%上昇するのとでは、おそらく+30%の上昇をすることのほうが少ないでしょうから、多くの+10%の利益を取ることができません。
本章では、@Aについては検証せず、Bの「+X%で利食いし、-X%で損切りする」とよい成績になるのかを調べてみます。売買ルールは次図のようにします。


  1. 売買マークがでたら、
    その翌日の始値で仕掛ける。

  2. 売買マークが出た翌日からX日が経過したら
  3. X日目の終値で決済する。

  4. もし仕掛けた売買マークと逆の売買マークがでたときは翌日の始値で決済する。

  5. 建て玉中に「ザラバ」で「+X%以上の」利益がでたら、ザラバで利食いする。

  6. 建て玉中に「ザラバ」で「-X%以上の」損失がでたら、ザラバで損切りする。
図の(e)利食い%の数字と(f)損切り%の数字を変更して、そのときの成績を調べます。この「利食い」「損切り」の株価水準は、仕掛け値が決まれば、自動的に利食いする株価水準・損切りする株価水準が決まるので、仕掛けが約定した段階で「指値」で利食い・損切りの注文を出すことができます。現実的な売買のやりかたです。

皆さんならどのような利食い%・損切り%とされるでしょうか? 「利食い%・損切り%」には投資家の性格が現れます。利益を失いたくない人は早めの利食い(例えば+3%で利食い)をするし、損失を恐れる人は早めの損切り(例えば-5%で損切り)をしがちです。だがそれは気分による利食い・損切りです。正しい「利食い%・損切り%」は気分には関係なく決まります。次の(表17)(表18)はどのような利食い・損切りをすればよいのかを教えてくれます。

(表17)は、「利食いはしないで、損切りだけをする」ときの統計です。
  1. 利食いはせずに「9日後決済」をする。
  2. ただし建て玉している9日間のうちで、ザラバで-X%の損失ができたときは「損切り」する。

(表17)(利食いしない・損切り×%)「9日後決済」 のときの成績

利食% 損切% トレード数
(時間切)
(利食い)
(損切り)
累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ PD倍率 ドローダウン
最大建玉
資金効率
利なし 損-5% 1039回
55.8%
0%
44.2%
7120M 6.9M 45.0%
1.25倍 4.79倍 -1485M
12銘柄
1.02倍
利なし 損-10% 1001回
82.1%
0%
17.9%
10227M 8.4M 54.8%
1.36倍 6.64倍 -1540M
12銘柄
1.44倍
利なし 損-15% 993回
93.8%
0%
6.2%
11796M 11.9M 55.8%
1.44倍 7.00倍 -1685M
13銘柄
1.53倍
利なし 損-20% 993回
97.3%
0%
2.7%
11411M 11.5M 55.7%
1.42倍 5.68倍 -2009M
11銘柄
1.48倍
利なし 損-25% 989回
98.8%
0%
1.2%
11447M 11.6M 55.7%
1.42倍 5.23倍 -2190M
12銘柄
1.36倍
利なし 損-30% 989回
99.3%
0%
0.7%
11768M 11.9M 55.7%
1.44倍 6.44倍 -1826M
12銘柄
1.53倍
利なし 損なし 989回
100%
0%
0%
11978M 12.1M 55.7%
1.45倍 6.40倍 -1872M
12銘柄
1.54倍

上の表は実に有用なことを教えてくれます。手仕舞いするときの「相場の原則」は@「利益はできるだけ伸ばす」、A「損失は早めに出す」の2つです。利益を伸ばそうとするなら、わずかの損失が出たからといって「損切り」していては利益をだすかもしれない建て玉を処分してしまうことになります。少々の損失には耐えなければ利益を伸ばすことはできません。

表の「資金効率」欄を見ると、-5%や-10%の損失で損切りしていてはダメだ。せめて-15%の損失までは耐えるべきだということが明らかです。資金効率が最もよいのは「損切り」をしないで、ひたすら「9日後決済」をすることでした。

(表18)は、「損切りはせずに、利食いだけする」ときの統計です。
  1. 損切りはせずに「9日後決済」をする。
  2. ただし建て玉している9日間のうちで、ザラバで+X%の利益ができたときは「利食い」する。

(表18)(利食い×%・損切りしない)「9日後決済」 ときの成績

利食% 損切% トレード数
(時間切)
(利食い)
(損切り)
累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ PD倍率 ドローダウン
最大建玉
資金効率
利+5% 損なし 1009回
41.5%
58.5%
0%
8703M 8.6M 66.2%
1.40倍 6.83倍 -1273M
13銘柄
1.26倍
利+10% 損なし 991回
73.9%
26.1%
0%
9655M 9.7M 57.2%
1.37倍 7.26倍 -1330M
12銘柄
1.45倍
利+15% 損なし 989回
89.0%
11.0%
0%
10526M 10.6M 55.9%
1.40倍 5.62倍 -1872M
12銘柄
1.35倍
利+20% 損なし 989回
95.3%
4.7%
0%
10718M 10.8M 55.7%
1.41倍 5.62倍 -1872M
12銘柄
1.38倍
利+25% 損なし 989回
98.0%
2.0%
0%
11316M 11.4M 55.7%
1.43倍 6.04倍 -1872M
12銘柄
1.46倍
利+30% 損なし 989回
98.8%
1.2%
0%
11372M 11.5M 55.7%
1.43倍 6.07倍 -1872M
12銘柄
1.46倍
利なし 損なし 989回
100%
0%
0%
11978M 12.1M 55.7%
1.45倍 6.40倍 -1872M
12銘柄
1.54倍

上の表も有用なことを教えてくれます。「相場の原則」の@「利益はできるだけ伸ばす」に逆らって、早々と利益を確定すると、得べかりし利益を捨ててしまうことを示しています。

表の「資金効率」欄を見ると、「+10%で利食い」が一時的に1.45倍と高い数字になっていますが、基本は利食いを伸ばせば伸ばすほど資金効率はよくなっていき、ついには「利食いも損切りもしない」という究極の資金効率にたどりつくのです。 どうしても利食いたいならば、せめて+10%の利益がでるまでは利食いを我慢することです。+5%程度の利益で利食いしているようでは、自ら利益を得る機会を捨てていることになります。

(表19)は、「+×%で利食い〜-×%で損切り」の統計です。
  1. 基本は「9日後決済」をする。
  2. ただし建て玉している9日間のうちで、ザラバで+X%の利益ができたときは「利食い」する。
  3. ただし建て玉している9日間のうちで、ザラバで-X%の損失ができたときは「損切り」する。
だがすでに、(表17)から、損切りはしないほうがよいが、あえてするなら-15%で損切りするとよい。(表18)から、利食いはしないほうがよいが、あえてするなら+10%で利食いするとよい。という結論がでていますから、「+X%で利食い〜-X%で損切り」の成績は調べるまでもありませんが、実際の成績を見ないと納得できないかと思って、膨大な統計を取ってみました。

(表19)(利食い×%〜損切り×%)「9日後決済」 のときの成績

利食% 損切% トレード数
(時間切)
(利食い)
(損切り)
累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ PD倍率 ドローダウン
最大建玉
資金効率
利+5% 損-5% 1055回
11.6%
51.4%
36.9%
3457M 3.3M 55.4%
1.14倍 3.14倍 -1100M
9銘柄
0.66倍
利+5% 損-10% 1020回
27.0%
57.9%
15.1%
6525M 6.4M 65.0%
1.27倍 7.35倍 -887M
9銘柄
1.36倍
利+5% 損-15% 1013回
36.1%
58.5%
5.4%
8093M 8.0M 66.1%
1.36倍 7.77倍 -1042M
11銘柄
1.47倍
利+5% 損-20% 1013回
39.4%
58.6%
2.1%
8336M 8.2M 66.3%
1.37倍 7.20倍 -1157M
12銘柄
1.32倍
利+5% 損-25% 1009回
40.6%
58.5%
0.8%
8273M 8.2M 66.2%
1.37倍 6.19倍 -1336M
12銘柄
1.24倍
利+5% 損-30% 1009回
41.0%
58.5%
0.5%
8427M 8.4M 66.2%
1.38倍 6.86倍 -1228M
12銘柄
1.30倍
利+10% 損-5% 1039回
33.0%
23.7%
43.4%
5347M 5.1M 46.9%
1.20倍 3.84倍 -1393M
10銘柄
0.87倍
利+10% 損-10% 1002回
56.3%
26.3%
17.4%
8462M 8.4M 56.5%
1.31倍 6.22倍 -1361M
11銘柄
1.32倍
利+10% 損-15% 995回
67.8%
26.1%
6.0%
9501M 9.5M 57.3%
1.36倍 7.75倍 -1225M
11銘柄
1.55倍
利+10% 損-20% 995回
71.3%
26.1%
2.6%
8930M 9.0M 57.2%
1.34倍 6.10倍 -1464M
11銘柄
1.35倍
利+10% 損-25% 991回
72.8%
26.1%
1.1%
8967M 9.0M 57.1%
1.34倍 5.04倍 -1779M
12銘柄
1.18倍
利+10% 損-30% 991回
73.3%
26.1%
0.7%
9410M 9.5M 57.2%
1.36倍 7.33倍 -1284M
11銘柄
1.50倍
利+15% 損-10% 1001回
70.9%
11.2%
17.9%
9350M 9.3M 55.1%
1.33倍 6.20倍 -1508M
12銘柄
1.33倍
利+15% 損-15% 993回
82.7%
11.1%
6.2%
10635M 10.7M 56.1%
1.40倍 7.29倍 -1458M
13銘柄
1.46倍
利+15% 損-20% 993回
86.3%
11.0%
2.6%
10107M 10.2M 56.0%
1.37倍 5.54倍 -1824M
12銘柄
1.32倍
利+15% 損-25% 989回
87.9%
11.0%
1.2%
9995M 10.1M 55.9%
1.37倍 4.56倍 -2190M
12銘柄
1.19倍
利+15% 損-30% 989回
88.3%
11.0%
0.7%
10315M 10.4M 55.9%
1.39倍 5.65倍 -1826M
12銘柄
1.34倍
利+20% 損-10% 1001回
77.4%
4.7%
17.9%
9699M 9.7M 54.9%
1.34倍 6.20倍 -1565M
12銘柄
1.36倍
利+20% 損-15% 993回
89.0%
4.8%
6.2%
10893M 11.0M 55.9%
1.40倍 7.59倍 -1434M
13銘柄
1.51倍
利+20% 損-20% 993回
92.5%
4.8%
2.6%
10401M 10.5M 55.8%
1.38倍 5.86倍 -1774M
12銘柄
1.37倍
利+20% 損-25% 989回
94.1%
4.7%
1.2%
10187M 10.3M 55.7%
1.38倍 4.65倍 -2190M
12銘柄
1.21倍
利+20% 損-30% 989回
94.6%
4.7%
0.7%
10508M 10.6M 55.7%
1.39倍 5.75倍 -1826M
12銘柄
1.37倍
利+25% 損-10% 1001回
80.1%
2.0%
17.9%
9653M 9.6M 54.8%
1.34倍 6.23倍 -1548M
12銘柄
1.36倍
利+25% 損-15% 993回
91.8%
2.0%
6.2%
11259M 11.3M 55.8%
1.42倍 6.68倍 -1685M
13銘柄
1.46倍
利+25% 損-20% 993回
95.3%
2.0%
2.7%
10949M 11.0M 55.7%
1.40倍 5.45倍 -2009M
13銘柄
1.31倍
利+25% 損-25% 989回
96.8%
2.0%
1.2%
10785M 10.9M 55.7%
1.40倍 4.92倍 -2190M
12銘柄
1.28倍
利+25% 損-30% 989回
97.3%
2.0%
0.7%
11106M 11.2M 55.7%
1.42倍 6.08倍 -1826M
12銘柄
1.45倍
利+30% 損-10% 989回
81.0%
1.2%
17.9%
9949M 9.9M 54.8%
1.35倍 6.46倍 -1540M
12銘柄
1.40倍
利+30% 損-15% 993回
92.6%
1.2%
6.2%
11555M 11.6M 55.8%
1.43倍 6.86倍 -1685M
13銘柄
1.50倍
利+30% 損-20% 993回
96.2%
1.2%
2.7%
11170M 11.2M 55.7%
1.41倍 5.56倍 -2009M
13銘柄
1.33倍
利+30% 損-25% 989回
97.6%
1.2%
1.2%
10841M 11.0M 55.7%
1.40倍 4.95倍 -2190M
12銘柄
1.29倍
利+30% 損-30% 989回
98.1%
1.2%
0.7%
11162M 11.3M 55.7%
1.42倍 6.11倍 -1826M
12銘柄
1.45倍

(表17)から結論したのは「損切りはしないか、-15%の損切り」であり、(表18)から結論したのは「利食いはしないか、+10%の利食い」でした。

表の「資金効率」欄を見ると、「+10%で利食い〜-15%の損切り」が1.55倍と最高の数字になっています。「利食いも損切りもしない」の1.54倍を超えたのはこれだけです。 つまり「利食いしない〜損切り×%」と「利食い×%〜損切りしない」の2とおりの成績を調べて、適切な損切り%と適切な利食い%をさがし、それを(利食い+X%〜損切り-X%)と決めればよいのです。以上のことから(+10%の利食い〜-15%の損切り)あるいは(利食いしない〜損切りしない)というのがよい売買方針であるのです。

(誤解のないようにいっておきますが、「+10%で利食い〜-15%の損切り」は「9日後決済」だけにあてはまる%です。「5日後決済」などではあてはまりません)


O(+X%利食い〜-X%損切り)の成績は安定しているか。



前章では、条件表No.168「個別株用(押し・戻り)」の条件表は次の売買ルールで運用すればよいことがわかりました。
  1. 売買マークが出た翌日の始値で仕掛ける。
  2. 仕掛けて9日目の終値で決済する。
  3. 9日間の建て玉中に、ザラバで+10%の利益になれば利食いする。
  4. 9日間の建て玉中に、ザラバで-15%の損失になれば損切りする。
これは利食いが5%刻み、損切りも5%刻みで 調べた結論でしたが、もう少し刻みを小さくして、最終的にはどの±X%で利食いし、損切りすればよいのかを調べてみました。

(表20)(利食いしない〜損切り×%)「9日後決済」 のときの成績

利食% 損切% トレード数
(時間切)
(利食い)
(損切り)
累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ PD倍率 ドローダウン
最大建玉
資金効率
利なし 損-12% 998回
88.0%
0%
12.0%
12006M 12.0M 55.8%
1.44倍 7.99倍 -1502M
13銘柄
1.63倍
利なし 損-13% 995回
90.4%
0%
9.6%
11609M 11.7M 55.8%
1.42倍 7.45倍 -1558M
13銘柄
1.55倍
利なし 損-15% 993回
93.8%
0%
6.2%
11796M 11.9M 55.8%
1.44倍 7.00倍 -1685M
13銘柄
1.53倍
利なし 損-17% 994回
95.7%
0%
4.3%
11182M 11.3M 55.8%
1.41倍 5.80倍 -1928M
13銘柄
1.36倍
利なし 損-18% 993回
96.7%
0%
3.3%
11089M 11.2M 55.7%
1.40倍 5.60倍 -1982M
13銘柄
1.33倍

上表からは、「-15%で損切り」よりも「-12%で損切り」のほうがよいようです。

(表21)(利食い×%〜損切りしない)「9日後決済」 ときの成績

利食% 損切% トレード数
(時間切)
(利食い)
(損切り)
累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ PD倍率 ドローダウン
最大建玉
資金効率
利+7% 損なし 998回
56.6%
43.4%
0%
8895M 8.9M 60.7%
1.36倍 6.55倍 -1358M
13銘柄
1.26倍
利+8% 損なし 993回
63.8%
36.3%
0%
10150M 10.2M 59.5%
1.42倍 7.88倍 -1287M
12銘柄
1.54倍
利+10% 損なし 991回
73.9%
26.1%
0%
9655M 9.7M 57.2%
1.37倍 7.26倍 -1330M
12銘柄
1.45倍
利+12% 損なし 990回
80.9%
19.1%
0%
9980M 10.1M 56.5%
1.38倍 7.26倍 -1490M
12銘柄
1.43倍
利+13% 損なし 989回
84.8%
15.2%
0%
9401M 9.5M 56.0%
1.36倍 5.39倍 -1744M
12銘柄
1.25倍

上表からは、「+10%で利食い」よりも「+8%で利食い」のほうがよいようです。

(表22)(利食い+8%〜損切-12%) のときの成績

利食% 損切% トレード数
(時間切)
(利食い)
(損切り)
累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ PD倍率 ドローダウン
最大建玉
資金効率
利+10% 損-15% 995回
67.8%
26.1%
6.0%
9501M 9.5M 57.3%
1.36倍 7.75倍 -1225M
11銘柄
1.55倍
利+8% 損-12% 1000回
52.3%
36.4%
11.3%
9701M 9.7M 59.6%
1.39倍 7.45倍 -1301M
11銘柄
1.54倍

上表からは、「+10%で利食い〜-15%で損切り」と「+8%で利食い〜-12%で損切り」はほぼ同じ成績です。無理に判断すれば@「累計損益M」が大きく、A利食い割合が大きく、B勝率が高い ことから「+8%で利食い〜-12%で損切り」のほうが成績はよいといえます。ただその差はわずかなものなのです。

「+10%で利食い〜-15%で損切り」と「+8%で利食い〜-12%で損切り」の年次成績を掲げます。どちらも成績は安定しています。

(表23) 「+10で利食い〜-15%で損切り」の年別成績 (9日後決済)

トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ
1999年 97回
2183M 22.5M 63.9% 1.92倍
2000年 158回
1798M 11.4M 62.7% 1.36倍
2001年 108回
485M 4.5M 52.8% 1.15倍
2002年 108回
1853M 17.2M 63.9% 1.78倍
2003年 122回
2242M 18.4M 60.7% 1.86倍
2004年 72回
-489M -6.8M 47.2% 0.79倍
2005年 72回
972M 13.5M 61.1% 1.83倍
2006年 83回
-381M -4.6M 49.4% 0.82倍
2007年 77回
216M 2.8M 53.2% 1.11倍
2008年 98回
620M 6.3M 50.0% 1.20倍
合計 995回
9501M
平均 950.1M
9.5M 57.3% 1.36倍
  1. 利益の集中はない
    2003年の利益は平均利益の2.35倍

  2. 極端な損失はない
    2004年の損失は平均利益の0.51倍

  3. 8勝2敗(勝率80.0%)

  4. PD 7.75倍
    累計利益 9501M
    最大ドローダウン-1225M
以上、すべて合格。

(表24) 「+8で利食い〜-12%で損切り」の年別成績 (9日後決済)

トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ
1999年 99回
1914M 19.3M 65.7% 1.83倍
2000年 157回
2058M 13.1M 66.2% 1.47倍
2001年 110回
207M 1.9M 52.7% 1.06倍
2002年 108回
1747M 16.2M 64.8% 1.76倍
2003年 124回
2334M 18.8M 64.5% 1.85倍
2004年 72回
-428M -6.0M 48.6% 0.81倍
2005年 72回
1048M 14.6M 63.9% 1.95倍
2006年 83回
-420M -5.1M 50.6% 0.82倍
2007年 77回
337M 4.4M 54.5% 1.19倍
2008年 98回
900M 9.2M 55.1% 1.32倍
合計 1000回
9701M
平均 970.1M
9.7M 59.6% 1.39倍
  1. 利益の集中はない
    2003年の利益は平均利益の2.35倍

  2. 極端な損失はない
    2004年の損失は平均利益の0.51倍

  3. 8勝2敗(勝率80.0%)

  4. PD 7.75倍
    累計利益 9501M
    最大ドローダウン-1225M

以上、すべて合格。

ここでは「+10%で利食い、-15%で損切り」を採用します。

(「+8%(+10%)で利食い〜-12%(-15%)で損切りするのがよい」は「9日後決済」をするときのことです。「5日後決済」のように短い期間や「20日後決済」のように長い期間のときはあてはまりません。N章でやったように統計を取って、最適な利食い%・損切り%を調べてください。)


これによって条件表No.168を使う際の売買ルールが決定しました。右図のようになります。
  1. 売買マークがでたら、その翌日の始値で仕掛ける。

  2. 売買マークが出た翌日から9日が経過したら、
  3. 9日目の終値で決済する。

  4. もし仕掛けた売買マークと逆の売買マークがでたときは翌日の始値で決済する。

  5. 9日間のうちにザラバで+10%の利益が出たら利食いする。

  6. 9日間のうちにザラバで-15%の損失が出たら損切りする。


P資金の大きさによって売買ルールは変わる



NO章で、利食い・損切りの水準の決めかたについて述べました。「9日決済」のときは「+10%(+8%)で利食い〜-15%(-12%)で損切り」をすればよい。あるいは「利食いも損切りもしない」というのがよい売買ルールでした。

もし投資家が「9日決済」をするならば、条件表No.168とその売買ルールにしたがって売買すれば、(表23)のような成績が期待できます。ただし「9日後決済」をするときは、J章「個別株の押し目買い・戻り売りの成績」で述べたように、理屈上では同時期に最大で18銘柄の建て玉をしなければならない可能性があります(過去10年間では最大時は12銘柄を建て玉していた)。

18銘柄(少なくとも12銘柄)を仕掛けるだけの資金が必要です。1回の仕掛けを50万円とすれば、600万円(12銘柄分)が必要ですが、信用取引をするので200万円の証拠金でよい。ここへ損失がでたとき証拠金に充当するための予備資金を用意しておかねばなりません。(表23)では最大ドローダウンは-1225M(1回の仕掛けを100万円としたときは122.5万円)となっています。50万円の仕掛けなら半分の62万円の予備資金が必要です(ドローダウンの2倍の122万円を予備資金にしておくのがよい)。最低でも合計262万円を用意しないとトレードはできません。

それほどの資金がないという投資家のために、次のことを検討してみましょう。
  1. 「9日後決済」よりも短い期間の建て玉をする。例えば「5日後決済」をするなら、理屈上でも10銘柄分を仕掛けることができる証拠金があればよくなり、「3日後決済」をするなら6銘柄分の証拠金ですみます。

  2. 「最大ドローダウン」が小さい「×日後決済」をする。最大ドローダウンは、@トレード回数が多いほど大きくなりがち、A建て玉期間が長いほど大きくなりがち です。最大ドローダウンが小さければ損失に備えての予備資金が少なくてすみます。

  3. 「9日後決済」であっても建て玉するのは、例えば5銘柄までに制限する(それ以上は売買マークがでても仕掛けない)とどうなるかを調べる。平均利益がそう変わらないなら採用する。(累計利益はトレード数が減るので、当然に少なくなる)
本章では、@Aのことを検討するために、次の(表25)の統計をとりました。「1日後決済」〜「40日後決済」の成績をまとめたものです。(利食い・損切りはしない) に変更して、

(表25) 「±6%カイリ率」による「×日後決済」の成績
X日後決済 トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ PD倍率 ドローダウン
最大建て玉
資金効率
1日後 1267回
B 900回
S 367回
1812M
B 1637M
S 175M
1.4M
B 1.8M
S 0.5M
50.4%
B 49.9%
S 51.8%
1.16倍
B 1.20倍
S 1.06倍
2.45倍
B 3.13倍
S 0.37倍
-740M
(2銘柄)
0.84倍
2日後 1093回
B 788回
S 305回
4912M
B 4225M
S 686M
4.5M
B 5.4M
S 2.3M
53.6%
B 54.2%
S 52.18%
1.35倍
B 1.43倍
S 1.17倍
5.95倍
B 8.76倍
S 0.79倍
-825M
(4銘柄)
1.64倍
3日後 1048回
B 751回
S 297回
5640M
B 4567M
S 1072M
5.4M
B 6.1M
S 3.6M
54.3%
B 55.3%
S 51.9%
1.35倍
B 1.40倍
S 1.23倍
6.71倍
B 6.22倍
S 1.20倍
-840M
(6銘柄)
1.53倍
5日後 1012回
B 734回
S 278回
8107M
B 5721M
S 2386M
8.0M
B 7.8M
S 8.6M
56.6%
B 56.3%
S 57.6%
1.39倍
B 1.39倍
S 1.40倍
7.61倍
B 6.72倍
S 3.90倍
-1065M
(9銘柄)
1.58倍
7日後 1000回
B 724回
S 276回
8873M
B 6849M
S 2023M
8.9M
B 9.5M
S 7.3M
54.4%
B 54.3%
S 54.7%
1.37倍
B 1.41倍
S 1.26倍
5.73倍
B 6.28倍
S 2.70倍
-1548M
(10銘柄)
1.38倍
9日後 989回
B 715回
S 274回
11978M
B 8484M
S 3493M
12.1M
B 11.9M
S 12.8M
55.7%
B 54.7%
S 58.4%
1.45倍
B 1.46倍
S 1.43倍
6.40倍
B 6.10倍
S 3.24倍
-1872M
(12銘柄)
1.54倍
12日後 974回
B 703回
S 274回
15966M
B 11301M
S 4665M
16.4M
B 16.1M
S 17.2M
54.1%
B 52.6%
S 57.9%
1.54倍
B 1.54倍
S 1.54倍
10.46倍
B 7.65倍
S 3.93倍
-1525M
(15銘柄)
1.98倍
15日後 961回
B 691回
S 270回
21086M
B 14262M
S 6824M
21.9M
B 20.6M
S 25.3M
56.1%
B 53.7%
S 62.2%
1.70倍
B 1.67倍
S 1.77倍
12.42倍
B 7.35倍
S 5.41倍
-1698M
(17銘柄)
2.32倍
20日後 949回
B 679回
S 270回
19267M
B 12104M
S 7163M
20.3M
B 17.8M
S 26.5M
54.8%
B 53.6%
S 57.8%
1.56倍
B 1.49倍
S 1.75倍
6.38倍
B 5.14倍
S 4.39倍
-3018M
(21銘柄)
1.47倍
25日後 927回
B 661回
S 266回
20308M
B 13919M
S 6389M
21.9M
B 21.1M
S 24.0M
55.4%
B 54.6%
S 57.5%
1.55倍
B 1.55倍
S 1.55倍
6.72倍
B 5.37倍
S 2.68倍
-3022M
(25銘柄)
1.41倍
30日後 914回
B 650回
S 264回
25600M
B 18481M
S 7119M
28.0M
B 28.4M
S 27.0M
55.3%
B 54.3%
S 57.6%
1.66倍
B 1.71倍
S 1.56倍
8.90倍
B 7.92倍
S 2.80倍
-2875M
(28銘柄)
1.69倍
40日後 878回
B 625回
S 253回
30671M
B 24284M
S 6386M
34.9M
B 38.9M
S 25.2M
56.0%
B 56.6%
S 54.5%
1.69倍
B 1.80倍
S 1.46倍
11.7倍
B 6.59倍
S 2.23倍
-2622M
(35銘柄)
1.81倍

上表で見るのは「資金効率」です。この数値が高いものほど利益が出ます。最も大きいのは、(1)「15日後」2.32倍、ついで(2)「12日後」1.98倍、(3)「40日後」1.81倍、(4)「30日後」1.69倍で、長めの建て玉期間のほうが、累計利益も資金効率もよいことがわかります。

建て玉期間が長いと、@同時に建て玉する銘柄数が多くなる、A最大ドローダウンが大きくなる ので小額の資金ではこの売買はできません。

建て玉期間が短いものを見ると「2日後決済」の資金効率は1.64倍です。これは「9日後」よりもよい数字です。「2日後決済」をするときに必要な資金は、
  1. 仕掛けるための証拠金135万円(100万円×4銘柄分=400万円、この1/3の金額)
  2. 損失がでたとき証拠金に充当するための予備資金165万円(最大ドローダウンの82.5万円×2倍)
  3. 合計300万円
です。もし1回のトレードを100万円ではなく半分の50万円にすれば、資金はその半分の150万円でよいことになります。この資金を用意して売買したとすれば、だいたい表に近い成績になったはずです。10年間の累計損益Mは4912Mなので、491.2万円の利益があがったことでしょう。(50万円ずつ仕掛けたときは半分の245万円の利益)

「3日後決済」も最大ドローダウン840Mは「2日後」の825Mと違いがないので、必要な資金は「2日後」とそう変わりません。必要な資金は、
  1. 仕掛けるための証拠金200万円(100万円×6銘柄分=600万円、この1/3の金額)
  2. 損失がでたとき証拠金に充当するための予備資金168万円(最大ドローダウンの84.0万円×2倍)
  3. 合計370万円
です。これによって10年間で564万円の累計利益が出ています。(50万円ずつ仕掛けるときは、半分の資金で半分の利益額)

「2日後決済」か「3日後決済」の売買ルールにすれば、比較的少ない資金であっても、機械的な売買ができるわけです。だが成績が安定していないならその方針は取れません、「年別成績」を調べてみると次のようになりました。

(表26) 「2日後決済」の年別成績

トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ
1999年 107回
1591M 14.9M 57.9% 2.33倍
2000年 167回
724M 4.3M 56.3% 1.26倍
2001年 126回
548M 4.8M 56.3% 1.39倍
2002年 113回
538M 4.8M 53.1% 1.42倍
2003年 134回
919M 6.9M 56.0% 1.55倍
2004年 80回
-108M -1.4M 41.3% 0.90倍
2005年 77回
497M 6.5M 59.7% 1.75倍
2006年 92回
-411M -4.5M 45.7% 0.66倍
2007年 86回
-214M -2.5M 46.5% 0.82倍
2008年 111回
827M 7.5M 55.9% 1.59倍
合計 1093回
4912M
平均 491.2M
4.5M 53.6% 1.35倍
  1. 利益の集中はない
    1999年の利益は平均利益の3.24倍

  2. 極端な損失はない
    2006年の損失は平均利益の0.83倍

  3. 7勝3敗(勝率70.0%)

  4. PD 7.75倍
    累計利益 4912M
    最大ドローダウン-825M
以上、すべて合格。

(表27) 「3日後決済」の年別成績

トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ
1999年 103回
1739M 16.9M 55.3% 2.11倍
2000年 161回
982M 6.1M 59.0% 1.33倍
2001年 122回
-185M -1.5M 50.8% 0.92倍
2002年 108回
656M 6.1M 53.7% 1.42倍
2003年 127回
1131M 8.9M 60.6% 1.61倍
2004年 78回
-136M -1.7M 48.7% 0.89倍
2005年 73回
808M 11.1M 69.9% 2.36倍
2006年 90回
-441M -4.9M 43.3% 0.70倍
2007年 81回
-17M -0.2M 45.7% 0.99倍
2008年 105回
1101M 10.5M 52.4% 1.70倍
合計 1048回
5640M
平均 564.0M
5.4M 54.3% 1.35倍
  1. 利益の集中はない
    1999年の利益は平均利益の3.08倍

  2. 極端な損失はない
    2006年の損失は平均利益の0.78倍

  3. 6勝4敗(勝率60.0%)

  4. PD 6.71倍
    累計利益 5640M
    最大ドローダウン-840M
勝率を除いて合格。

掲げた成績は「利食いも損切り」もしないときのものです。「2日後決済」のときどのような「利食い%〜損切り%」が適当なのかを調べてみると、次のようになりました。(最大建て玉は4銘柄に固定)

(表28)利食いしない・損切り×%(2日後決済) のときの成績

利食% 損切% トレード数
(時間切)
(利食い)
(損切り)
累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ PD倍率 ドローダウン
最大建玉
資金効率
利なし 損-4% 1106回
77.4%
0%
22.6%
2755M 2.5M 50.9%
1.18倍 2.96倍 -931M 0.86倍
利なし 損-6% 1096回
89.6%
0%
10.4%
3171M 2.9M 52.5%
1.21倍 3.21倍 -986M 0.95倍
利なし 損-8% 1095回
95.3%
0%
4.7%
3951M 3.6M 53.2%
1.27倍 4.37倍 -905M 1.25倍
利なし 損-10% 1094回
97.8%
0%
2.2%
4429M 4.0M 53.5%
1.31倍 5.00倍 -885M 1.47倍
利なし 損-12% 1094回
99.0%
0%
1.0%
4711M 4.3M 53.6%
1.33倍 5.71倍 -825M 1.57倍
利なし 損なし 1093回
100%
0%
0%
4912M 4.5M 53.6%
1.35倍 5.95倍 -825M 1.64倍

(表29)利食い×%・損切りしない(2日後決済)ときの成績

利食% 損切% トレード数
(時間切)
(利食い)
(損切り)
累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ PD倍率 ドローダウン
最大建玉
資金効率
利+2% 損なし 1134回
40.4%
59.6%
0%
926M 0.8M 65.1%
1.08倍 1.02倍 -903M 0.29倍
利+4% 損なし 1103回
73.9%
26.1%
0%
4109M 3.7M 56.4%
1.30倍 7.39倍 -556M 1.68倍
利+5% 損なし 1100回
76.1%
23.9%
0%
4075M 3.7M 54.8%
1.29倍 6.86倍 -594M 1.61倍
利+6% 損なし 1096回
83.2%
16.8%
0%
3937M 3.6M 54.0%
1.28倍 5.17倍 -761M 1.37倍
利+8% 損なし 1094回
92.1%
7.9%
0%
4068M 3.7M 53.6%
1.29倍 5.09倍 -800M 1.38倍
利+10% 損なし 1093回
95.8%
4.2%
0%
4478M 4.1M 53.5%
1.32倍 5.59倍 -800M 1.52倍
利+12% 損なし 1093回
98.0%
2.0%
0%
4572M 4.2M 53.5%
1.33倍 5.54倍 -825M 1.53倍
利なし 損なし 1093回
100%
0%
0%
4912M 4.5M 53.6%
1.35倍 5.95倍 -825M 1.64倍

(表28)と(表29)から「2日後決済」をするときは、
  1. 利食いも損切りもしない。
    または
  2. +4%で利食いするが損切りはしない。
が最適な売買ルールであることがわかります。


Q建て玉する銘柄数を制限する



ここまでのことからは、「9日後決済」をするには、18銘柄を仕掛けるだけの資金が必要でした。だが本章では、「建て玉するのは例えば5銘柄までに制限する」(それ以上は売買マークがでても仕掛けない)とどうなるかを調べてみます。平均利益や資金効率がそう変わらないなら、これはスバラシイ。小額の資金でここまで述べたトレードができるからです。


「損益経過の指示」の画面で「資金固定」を指示することができます(2009年12月に機能を追加した)。

これはいつでも最大限×千Mまで(つまりは×銘柄まで)の仕掛けができるときの検証をするためのものです。

似たような機能に「初期資金」がありますが、これは最大限×千Mの限度が損益によって変化します。
  1. 例えば初期資金5000Mを用意してトレードしたとき、

  2. 損失が出て資金が4920Mになったら、4銘柄までしか仕掛けることはできない。

  3. 利益が積み重なって資金が7350Mになったら、7銘柄まで仕掛けることができる。
というトレードをするので、5銘柄に制限することはできません。 「いつも5銘柄までしか仕掛けない」という検証をするには「資金固定」を使って下さい。

(表30) 「±6%カイリ率」「9日決済」で最大建て玉を×銘柄に制限したときの成績

最大建て玉 トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ PD倍率 ドローダウン
最大建て玉
資金効率
制限なし
18銘柄
989回
B 715回
S 274回
11978M
B 8484M
S 3493M
12.1M
B 11.9M
S 12.8M
55.7%
B 54.7%
S 58.4%
1.45倍
B 1.46倍
S 1.43倍
6.40倍
B 6.10倍
S 3.24倍
-1872M
(12銘柄)
1.54倍
1銘柄 196回
B 161回
S 90回
2082M
B 2673M
S 1061M
10.6M
B 16.6M
S 11.8M
51.0%
B 54.0%
S 51.1%
1.39倍
B 1.69倍
S 1.39倍
3.70倍
B 8.57倍
S 1.54倍
-563M
(1銘柄)
1.42倍
2銘柄 370回
B 298回
S 150回
5019M
B 4789M
S 2259M
13.6M
B 16.1M
S 15.1M
54.3%
B 56.0%
S 56.7%
1.52倍
B 1.68倍
S 1.54倍
8.89倍
B 7.45倍
S 2.89倍
-564M
(2銘柄)
2.79倍
3銘柄 523回
B 417回
S 196回
7058M
B 6608M
S 2308M
13.5M
B 15.8M
S 11.8M
55.8%
B 56.1%
S 58.2%
1.51倍
B 1.68倍
S 1.39倍
10.55倍
B 9.33倍
S 2.61倍
-669M
(3銘柄)
3.01倍
5銘柄 766回
B 584回
S 246回
10071M
B 8726M
S 2513M
13.1M
B 14.9M
S 10.2M
55.9%
B 55.8%
S 56.5%
1.50倍
B 1.63倍
S 1.33倍
8.52倍
B 7.49倍
S 2.19倍
-1182M
(5銘柄)
2.49倍
9銘柄 970回
B 709回
S 273回
12175M
B 8530M
S 3573M
12.6M
B 12.0M
S 13.1M
56.1%
B 54.9%
S 58.6%
1.47倍
B 1.47倍
S 1.45倍
8.08倍
B 6.13倍
S 3.32倍
-1505M
(9銘柄)
2.02倍

上表の一番上の行は理屈上建て玉する可能性がある18銘柄まで建て玉できるとしたときの成績です。これが前章まで述べてきたトレードの基本です。2行目以下が建て玉する銘柄を制限したときの成績です。

「資金効率」欄を見ると「1銘柄」に制限したときは1.42倍とあり、「制限なし」の1.54倍より劣っていますが、「2銘柄」から「9銘柄」まで、すべて「制限なし」の資金効率を上回っています。これは朗報です。「9日後決済」をするとき理論上必要な18銘柄分の資金を必要とはしないのです。

@2銘柄分か3銘柄分を建て玉できるだけの証拠金を用意すればよいし、A建て玉数が少なくなれば最大ドローダウンも小さくなるので、損失に備える予備資金も少なくてすみます。よいことだらけです。例えば「建て玉を2銘柄までに制限」するときに必要な資金は、
  1. 2銘柄分の証拠金70万円 (=100万円×2銘柄÷3)
  2. 損失に充当するための予備資金113万円 (=56.4万円(ドローダウン)×2)
  3. 合計183万円(予備資金をドローダウン分としたときは127万円でよい)
です。 18銘柄分の資金を用意しなくても、それ以上の資金効率で利益を上げることができるわけです。

「累計損益M」の数字を見ると、「3銘柄に制限したときの累計損益は7058Mで、「制限なし」の11978Mの約60%の利益を出しています。「5銘柄」は10071Mで、「制限なし」の84%の利益です。「5銘柄」に制限しても「制限なし」とそう変わらない利益がでるわけです。問題は成績が安定しているかどうかです。最大で18銘柄まで仕掛ける可能性があるのに2銘柄しか仕掛けていないのです。その2銘柄がたまたま利益をだしたためによい成績になったのかも知れません。次に年別成績を掲げます。

(表31) 「2銘柄に制限」したとき(9日後決済)の年別成績

トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ
1999年 31回
1134M 36.6M 58.1% 2.41倍
2000年 45回
1102M 24.5M 68.9% 2.04倍
2001年 41回
538M 13.1M 51.2% 1.56倍
2002年 41回
1020M 24.9M 58.5% 1.96倍
2003年 40回
697M 17.4M 62.5% 1.54倍
2004年 35回
-147M -4.2M 42.9% 0.85倍
2005年 34回
473M 13.9M 58.8% 1.75倍
2006年 32回
-190M -6.0M 43.8% 0.77倍
2007年 34回
-85M -2.5M 47.1% 0.88倍
2008年 37回
476M 12.9M 45.9% 1.35倍
合計 370回
5019M
平均 501.9M
13.6M 54.3% 1.52倍
  1. 利益の集中はない
    1999年の利益は平均利益の2.26倍

  2. 極端な損失はない
    2006年の損失は平均利益の0.38倍

  3. 7勝3敗(勝率70.0%)

  4. PD 8.89倍
    累計利益 5019M
    最大ドローダウン-564M
すべて合格。ただし連敗がある。

(表32) 「3銘柄に制限」したとき(9日後決済)の年別成績

トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ
1999年 45回
1697M 37.7M 64.4% 2.74倍
2000年 66回
1159M 17.6M 62.1% 1.64倍
2001年 57回
520M 9.1M 50.9% 1.36倍
2002年 59回
1659M 28.1M 64.4% 2.27倍
2003年 57回
964M 16.9M 59.6% 1.53倍
2004年 48回
-61M -1.3M 45.8% 0.95倍
2005年 46回
610M 13.3M 60.9% 1.76倍
2006年 45回
-15M -0.3M 51.1% 0.99倍
2007年 48回
57M 1.2M 47.9% 1.05倍
2008年 52回
466M 9.0M 48.1% 1.22倍
合計 523回
7058M
平均 705.8M
13.5M 55.8% 1.51倍
  1. 利益の集中はない
    1999年の利益は平均利益の2.40倍

  2. 極端な損失はない
    2004年の損失は平均利益の0.08倍

  3. 8勝2敗(勝率80.0%)

  4. PD 10.55倍
    累計利益 7058M
    最大ドローダウン-669M
すべて合格。

(表33) 「5銘柄に制限」したとき(9日後決済)の年別成績

トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ
1999年 67回
2524M 37.7M 61.2% 2.57倍
2000年 107回
1764M 16.5M 60.7% 1.53倍
2001年 82回
382M 4.7M 48.8% 1.18倍
2002年 82回
2442M 29.8M 67.1% 2.49倍
2003年 89回
1703M 19.1M 58.4% 1.75倍
2004年 65回
-112M -1.7M 47.7% 0.94倍
2005年 63回
1016M 16.1M 61.9% 2.12倍
2006年 68回
-132M -1.19M 50.0% 0.93倍
2007年 66回
-421M -6.4M 47.0% 0.76倍
2008年 77回
904M 11.8M 51.9% 1.31倍
合計 766回
10071M
平均 1007.1M
13.1M 55.9% 1.50倍
  1. 利益の集中はない
    1999年の利益は平均利益の2.50倍

  2. 極端な損失はない
    2007年の損失は平均利益の0.41倍

  3. 7勝3敗(勝率70.0%)

  4. PD 8.52倍
    累計利益 10071M
    最大ドローダウン-1182M
すべて合格。

次に「制限なし」のときの「9日後決済」を掲げます。

(表10)「制限なし」のときの年別成績 (9日後決済)

トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ
1999年 95回
3560M 37.5M 62.1% 2.65倍
2000年 156回
1433M 9.2M 59.0% 1.25倍
2001年 109回
530M 4.9M 50.5% 1.19倍
2002年 108回
2404M 22.3M 63.9% 2.01倍
2003年 122回
2488M 20.4M 59.0% 1.92倍
2004年 70回
-415M -5.9M 47.1% 0.82倍
2005年 71回
963M 13.6M 60.6% 1.88倍
2006年 84回
86M 1.0M 50.0% 1.04倍
2007年 76回
-16M -0.2M 50.0% 0.99倍
2008年 98回
942M 9.6M 49.0% 1.27倍
合計 989回
11978M
平均 1197.8M
12.1M 55.7% 1.45倍
  1. 利益の集中はない
    1999年の利益は平均利益の2.97倍

  2. 極端な損失はない
    2004年の損失は平均利益の0.34倍

  3. 8勝2敗(勝率80.0%)

  4. PD 6.40倍
    累計利益 11978M
    最大ドローダウン-1872M
以上、すべて合格。

10年間のトレード数と各年のトレード数の割合、10年間の累計損益と各年の累計損益の割合を表にまとめると次のようになります。

(表34)各年のトレード数の割合(9日後決済)

制限なし 2銘柄M 3銘柄 5銘柄
1999年 95回 ( 9.6%) 31回 ( 8.4%) 45回 ( 8.6%) 67回 ( 8.7%)
2000年 156回 (15.8%) 45回 (12.2%) 66回 (12.6%) 107回 (14.0%)
2001年 109回 (11.0%) 41回 (11.1%) 57回 (10.9%) 82回 (10.7%)
2002年 108回 (10.9%) 41回 (11.1%) 59回 (11.3%) 82回 (10.7%)
2003年 122回 (12.3%) 40回 (10.8%) 57回 (10.9%) 89回 (11.6%)
2004年 70回 ( 7.1%) 35回 ( 9.5%) 48回 ( 9.2%) 65回 ( 8.5%)
2005年 71回 ( 7.2%) 34回 ( 9.2%) 46回 ( 8.8%) 63回 ( 8.2%)
2006年 84回 ( 8.5%) 32回 ( 8.7%) 45回 ( 8.6%) 68回 ( 8.9%)
2007年 76回 ( 7.7%) 34回 ( 9.2%) 48回 ( 9.2%) 66回 ( 8.6%)
2008年 98回 ( 9.9%) 37回 (10.0%) 52回 (10.0%) 77回 (10.1%)
合計 989回 (100%) 370回 (100%) 523回 (100%) 766回 (100%)
右表に見られるように、「制限なし」でトレード数が最も多い2000年には、どの銘柄制限も一番多くのトレードをしています。

トレード数が少ない2004年と2005年には、「5銘柄」は10年間でトレード数が少ない1・2番目の割合になっています。

「5銘柄」→「3銘柄」→「2銘柄」の順に「制限なし」のトレード割合に近づいており、制限する銘柄数が大きくなるほど「制限なし」の成績に近づいていくことを表していますが、「2銘柄」「3銘柄」であっても、相当に「制限なし」の成績に近似しています。 今後も、建て玉する銘柄数を「2銘柄」「3銘柄」に制限しても、「制限なし」の成績に似た成績になると思われます。

前P章でいったように、少ない資金でトレードするときの方法は、@「1日後決済」「2日後決済」のように短期のトレードをするか、本章のように、建て玉を「2銘柄」「3銘柄」に制限する、の2つがあります。@の短期トレードをすると、(表25)にあるように、累計損益は「1日後決済」のとき1812M、「2日後決済」のとき4912Mでしかありません。これに対してAの「2銘柄(9日後決済)」の累計損益は5019Mであり、「3銘柄(9日後決済)」は7058Mあります。

建て玉期間が長いほど大きな利益を上げられるのは当然のことなので、@よりもAのほうが有利です。また「9日後決済」をするならば、「1日後決済」や「2日後決済」ではできない「+10%で利食い〜-15%で損切り」の売買ルールも使えます。次に「利食い・損切り」をしたときの成績を掲げます。(利食い・損切りしないほうが成績はよかった)

(表35)(+10%で利食い〜-15%損切り)のときの成績
建て玉制限 トレード数
(時間切)
(利食い)
(損切り)
累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ PD倍率 ドローダウン
最大建玉
資金効率
制限なし 995回
67.8%
26.1%
6.0%
9501M 9.5M 57.3%
1.36倍 7.75倍 -1225M
11銘柄
1.55倍
2銘柄に制限 408回
67.8%
26.1%
6.0%
3807M 9.3M 54.9%
1.36倍 4.77倍 -797M
2銘柄
1.68倍
3銘柄に制限 569回
67.8%
26.1%
6.0%
5265M 9.3M 56.2%
1.36倍 5.93倍 -888M
3銘柄
1.89倍


R条件表No.168「個別株用(押し戻り)」のまとめ



講座を書き始めた発端は、日経平均の小波動のピーク・ボトムをとらえようとする条件表No.2「日経平均用'96」を個別株の売買の指針にされているユーザーが多くあると知ったからです。カンに頼って売買のタイミングを決めるよりもマシですが、日経平均と個別株とでは、@株価の変化幅が異なる(個別株のほうが大きい)、Aレバレッジが異なる(個別株はレバレッジが小さい)、ことからB日経先物の売買のタイミングと個別株の売買のタイミングは違ってきます。単純に条件表No.2を個別株の売買の指針にすることはできません。 そこで次のことを調べました。
  1. (@〜C章)条件表No.2の売買マークは頼りになるのかを確認するために、条件表No.2を使って日経先物をトレードしたときの成績を調べました。(1)売買マークは5日〜7日間くらい有効である。(2)「1日後決済」「5日後決済」では安定的な利益がでる。ことがわかりました。

  2. (D〜G章)条件表No.2をそのまま個別株に応用したときの成績を調べると、(1)トレード数が多くありすぎる。(2)その平均利益率はごくわずかである。(3)同じ日に複数の銘柄が同じ売買マークを出したときは1銘柄に絞るのがよい。(4)9日後または20日後に決済するのがよい。ことがわかりました。

  3. (H〜M章)条件表No.2が出すすべての売買マークを採用するのではなく、「押し目買い・戻り売り」に限定するのが「相場の原則」にかなっている。それではどういう局面で押し目界をし、戻り売りをしたらよいのかを調べると、(1)「9日後決済」のときは「カイリが±6%」または「カイリが±8%」がよい。(2)「20日後決済」のときは「カイリが±10%」または「カイリが±12%」がよい。(3)成績も安定している。ことがわかりました。そこで「9日後決済」にも「20日後決済」にもあてはまる「カイリが±6%」を採用して、条件表No.168「個別株用(押し戻り)」の条件表が決定しました。

  4. (N〜O章)条件表No.168を使って売買するとき、「9日後決済」のときは、何%の利益で利食いし、何%の損失で損切りすればよいかを調べると、(1)(+8%で利食い〜-12%で損切り)または(+10%で利食い〜-15%で損切り)とするのがよいことがわかりました。これによって条件表No.168を使う際の売買ルールが決定しました。

  5. (P章)「×日後決済(建て玉日数)」をするときは、理屈上は建て玉日数の2倍の銘柄を建て玉する可能性があります。「9日後決済」のときは18銘柄を建て玉できるだけの資金と損失補填のための予備資金が必要になります。これは結構大きな金額になります。建て玉する銘柄数を減らせばその分だけ資金は少なくてすむので、建て玉期間を短期にしたらどうなるかを調べました。「2日後決済」「3日後決済」でも「9日後決済」の成績(資金効率)と変わりませんでした。これでより少ない資金でも同じ売買ルールが使えることがわかりました。

  6. (Q章)「9日後決済」はそのままにして、建て玉するのは「3銘柄」とか「5銘柄」までと制限するなら、やはり資金は少なくてすみます。ではこのように建て玉銘柄数を制限したとき、18銘柄の成績に比べてどうなのかを調べました。「2銘柄に制限」「3銘柄に制限」でも、資金効率は「制限なし(18銘柄)」よりもよかった。これでより少ない資金ですむことがわかりました。
以上のことを検討した結果、(条件表No.2の売買マークを利用した)条件表No.168「個別株用(押し戻り)」は次の売買ルールで運用すればよいことになりました。
  1. トレードする銘柄は日経平均採用の225銘柄に限る。
  2. 最大に建て玉するのは3銘柄(2銘柄)とする。
  3. 条件表No.168が売買マークを出したら、(建て玉が制限に達していないなら)翌日の寄り付きで仕掛ける。
  4. 9日目の終値(近辺)で決済する。
  5. もし建て玉中に仕掛けと反対の売買マークがでたときは決済する。
  6. もし建て玉中に+10%(+8%)の利益が出たときは利食いする(利食いはしないでもよい)。
  7. もし建て玉中に-15 %(-12%)の損失が出たときは損切りする(損切りはしないでもよい)。
2009年のデータがそろったので、1999年〜2009年までの成績(@9日後決済、A建て玉数を3銘柄に制限)を掲げます。

(表35) 「+8で利食い〜-12%で損切り」の年別成績 (9日後決済、3銘柄)

トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ
1999年 58回
1191M 20.5M 67.2% 1.97倍
2000年 81回
1973M 24.4M 70.4% 2.10倍
2001年 68回
440M 6.5M 54.4% 1.22倍
2002年 66回
1335M 20.2M 66.7% 2.09倍
2003年 72回
880M 12.2M 63.9% 1.52倍
2004年 50回
-358M -7.2M 46.0% 0.75倍
2005年 51回
680M 13.3M 60.8% 1.81倍
2006年 48回
-258M -5.4M 50.0% 0.82倍
2007年 52回
419M 8.1M 55.8% 1.39倍
2008年 57回
470M 8.3M 57.9% 1.27倍
2009年 62回
225M 3.6M 56.5% 1.13倍
合計 665回
7000M 10.5M 59.8% 1.43倍
  1. 9勝2敗 (勝率 81.8%)

  2. 累計利益 23182M
  3. 累計損失 -16181M
  4. 累計損益  7000M

  5. 最大ドローダウン-849M
    (01年9月〜01年11月)

  6. 資金効率 2.59倍

(表36) 「+10で利食い〜-15%で損切り」の年別成績 (9日後決済、3銘柄)

トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ
1999年 51回
1039M 20.4M 62.7% 1.76倍
2000年 74回
982M 13.3M 58.1% 1.50倍
2001年 65回
871M 13.4M 53.8% 1.49倍
2002年 63回
1187M 18.9M 61.9% 1.87倍
2003年 66回
597M 9.1M 60.6% 1.32倍
2004年 49回
-261M -5.3M 44.9% 0.80倍
2005年 51回
785M 15.4M 60.8% 1.90倍
2006年 45回
-308M -6.9M 46.7% 0.73倍
2007年 52回
285M 5.5M 53.8% 1.24倍
2008年 53回
86M 1.6M 54.7% 1.05倍
2009年 60回
352M 5.9M 55.0% 1.22倍
合計 629回
5618M 8.9M 56.1% 1.35倍
  1. 9勝2敗 (勝率 81.8%)

  2. 累計利益 21859M
  3. 累計損失 -16241M
  4. 累計損益  5618M

  5. 最大ドローダウン-888M
    (03年10月〜04年11月)

  6. 資金効率 2.02倍

(表35)「+8で利食い〜-12%で損切り」の年別成績と日経平均の1999年〜2009年までの月足グラフを掲げます。

グラフ上部に平均利益(単位はM)を色をつけて表示しています。
  1. 赤色は+20.0M(2.0%)以上の年

  2. ピンク色は+10.0M(1.0%)以上の年

  3. 薄紫色は+0.0M(0.0%)以上の年

  4. 空色は-0.0M(0.0%)以下の年
成績がよかった赤色の年は、株価が一方的な動きをした年です。1999年はネットバブルで株価が上昇し、2000年はネットバブル崩壊の年、2002年は金融危機の年です。2003年は大勢上昇波動のスタートの年、2005年は外国人投資家が10兆円を超える買い越しをした年(1999年も9兆円の買い越し)です。このように株価が上か下に大きく動いた年はプラスの成績になっています。

11年間のうち2年はマイナスの成績ですが、2004年の株価は横ばいであり、2006年は波乱(上げて→下げて→上げる)の動きでした。こういうときは仕掛けるチャンスがあまりありません。トレード数は11年間で少ないほうから1番(2006年の48回)・2番(2004年の50回)です。


S−(1)正しい検証のしかた−−−新規検証をする



この講座では、条件表No.2「日経平均用'96」を個別株に応用するにはどのような工夫をせねばならないかについて述べました。結論は@条件表No.168「個別株用(押し戻し)」を設定したこと、A売買ルールを決めたこと の2つですが、その結論を提示することが本講座の目的ではありませんでした。役に立つ投資システム(条件表と売買ルール)を作るために、@どういう統計をとって(検証をして)、Aどう判断して、Bその結論を出したのかを提示することが、本講座の真の目的でした。

「検証」は《Qエンジン24》を使えば、誰にでも簡単にできます。だが手当たり次第に検証をしてみても正しい結論はでません。合理的な検証の手順を踏む必要があります。こういう手順で検証すればよいという手本を示したかった。 講座では過去10年間について検証したことを忘れないで下さい。これくらいの期間の検証をしないと、統計(検証)の結果に信頼が置けません。また検証した後、必ず「年別成績」の検証をしたことも忘れないで下さい。「年別成績」で、ある年に10年間の利益(損失)の半分を上げたといった偏ったものは信頼できません。

自分なりの「条件表」と「売買ルール」を決めるには「検証」の作業をすることが必須です。たかだか100銘柄について、2〜3年のアタリ・ハズレから結論(条件表と売買ルール)を導いたなら、それは次の2年か3年で大間違いを犯します。「条件表を設定する」ことはナカナカ難しいことです。しかしすでにある条件表を「検証」することは誰でもできます。《Qエンジン24》のユーザーは1996年〜2009年までのデータ(カナル24Ver.2セットアップCD-ROMに入っている)を使って、すぐにでも過去14年間の検証ができます。

ある条件表があったとき、@その条件表ははたして利益をもたらせるのか。Aどのような売買ルールにすれば最高の能力を発揮するのか。B自分のやりたいトレード(建て玉期間や用意すべき資金)にかなっているのか。こういうことがはっきりとわかるのは「検証」をする以外にはありません。

2008年2月から3月にかけて「株式講座...8 相場の原則を条件表に設定する」という講座を連載しました。ここで設定したのが(標準3)条件表No.13「75日線売買@(20日以上)」でした。条件表の日付は(080301)となっているので、2008年3月1日に設定したものでしょう。HPに掲載した当初は、この条件表を使ってトレードしてみようというユーザーもあったようですが、いつしか忘れ去られていったようです。

本当は役立つ条件表なのです。だが自身で「検証」をしていないために、ちょっと連敗すると簡単にこの条件表を捨ててしまうことになります。そこでこの条件表No.13「75日線売買@(20日以上)」を例題にして、「このような検証をすればよい」という一連の検証の手順を述べて、この講座を終わります。


  1. スタート画面の「結果ファイル」をクリックして、No.978「TOPIX500」を選びます。

    (はじめは「日経225」を指定していたのだが、トレード数が少ないので、500銘柄を使うことにしました)

    皆さんもまず「日経225銘柄」で検証してみて、トレード数が少ない(例えば1年間に20回未満のトレードしかできない)ようであれば、対象とする銘柄を増やしてください。

    ただし広げるのは東証1部銘柄までです。2部株や新興市場の株はまともなグラフにならないものが多くあります。これら銘柄をグラフで判断(検索)することはできません。


  2. 「TOPIX500」銘柄を指定したらメニューの「新規検証」をクリック。

    2009年12月当時の「TOPIX500」銘柄の結果ファイルは《カナル24》Ver.2のスタート画面のメニュー「アップデート」→「条件表や銘柄マスターをダウンロード」によって、結果ファイルNO.978にダウンロードすることができます。

  3. 条件表No.13「75日線売買@(20日以上)」を指定し、

  4. 検証する期間を、990101(1999年1月1日)〜091231(2009年12月31日)とします。

  5. 「売買共」を指定。

  6. 「売買ルール」ボタンをクリックして売買ルールを指定します。

売買ルールは次のように簡単なルールにします。
  1. 売買マークが出たら「翌日の始値」で仕掛ける

  2. 売買マークがでて(5日)が経過したら
  3. 「翌日の始値」で手仕舞う

    本講座では「5日目の終値」としましたが、これは日経先物のトレード(A章〜C章)に合わせたからです。株式市場での値付けは、「始値」は「セリ」によって値が決まるので株価にマギレはありません。しかし「終値」はセリによらず単なる最後についた株価であるので、必ずしもその株価で約定できるとは限りません。 15:00より少し前から決済の注文を出していても、約定するかどうかは不明であるので、仕掛け・決済ともに「始値」で売買したとするほうが正しいのです。

  4. 利食いはしない。
  5. 損切りはしない。
として検証します。(b)は「5日後決済としましたが、「3日後」「7日後」「9日後」「12日後」「15日後」「20日後」などに変更してどの「×日後決済」がよいのかを調べて下さい。
  1. 「記憶」ボタンをクリックして売買ルールを記憶させます。


  • 検証はすぐに終わります。(No.13の条件表だと3分くらい

    「損益経過」のボタンをクリックして、詳しい成績を調べます。


  • S−(2)正しい検証のしかた−−−損益経過で全体の成績を見る




    「損益経過の指示」の画面が現れるので次のような指示をします。
    1. 理論金額(千M)で売買する。

    2. 仕掛けを優先する。

    3. 手数料は「取引額の一定比率 0.1%」。往復で0.2%。

    4. 「資金固定」とし
    5. (3千M)とする。これは建て玉するのは「3銘柄に制限する」という意味です。自分が何銘柄まで建て玉できるかによって「2銘柄」「5銘柄」「10銘柄」などを指示して下さい。

    6. 仕掛け日の制限はなし
    7. 同じ日に複数の銘柄が同じ売買マークを出したときは(1銘柄)だけ仕掛ける。
    8. 1銘柄を選ぶ基準は、買いマークのときは「株価が最も高い銘柄」を選定し、
    9. 売りマークのときも「株価が最も高い銘柄」を選定する。
    10. 呼び値は1円キザミ。

    1. 「開始」ボタンをクリックすれば、上記の指示に従ってトレードしたときの成績が瞬時に表示されます(次図)。

    成績で重要な項目は次のものです。
    1. トレード数(336回)。11年間で336回なので1年当たり約30回のトレードをしています。もしトレード数が多いようなら、対象にする銘柄を「日経225」とか「TOPIX100」とかに絞り、トレード数が不足するようなら「TOPIX500」にすればよいでしょう。「東証2部」や「ジャスダック」「マザーズ」へと銘柄を広げると、出来高が薄い銘柄や低位株も対象になるので、勧められません。

    2. 累計利益(5894M)。大きいものほどよい。
    3. 平均利益(17.5M)。1000円の株価を仕掛けて、17.5円の利益が出ている。平均利益率は(1.75%)。
    4. 日数(5日)。これは「5日後決済」を指示しているので(5.0日)となる。
    5. 勝率(58.0%)。個別銘柄のときは少なくとも55%くらいはほしい。
    6. P(プロフィット)ファクター(1.74倍)。個別銘柄のときは少なくとも1.50倍はほしい。
    7. 最大ドローダウン(-1006.1M)。これは小さいほどよい。累計利益の1/4以下であるのがよい。
    以上の成績項目のすべては、合格です。

    1. 重要な成績項目はプリンターに印刷しておけば、ほかの「損益経過の指示」による成績と比較できます。

      図のように印刷したい行を選択して(行を紺色にして)

    2. メニューの「印刷」でプリントアウトしておきます。

    3. 「資金効率」を調べます。


    S-(3)正しい検証のしかた−−−資金効率を知る




    「資金効率」ボタンをクリックすると、右図の小画面が現れますが、すでに数字が入っています。
    1. 最大建て玉数(3銘柄)。この検証では「損益経過の指示」で「資金固定3銘柄まで」としたので、(3銘柄)が表示されています。

    2. 最大ドローダウンは(-1006.1M)であったので、マイナス符号を取った(1006.1)が表示されています。

    3. 累計損益は(5894.2M)と表示されています。以上3項目の数字は上図の成績の数字が表示されています。

    4. トレードをするために必要な証拠金は、丸代金の何分の1でよいかを設定します。通常は(÷3.0)と表示されていますが、信用取引の証拠金は丸代金の30%が普通であるので、(÷3.3)としてもかまいません。(取引する証券会社によって異なることもあるので、÷3.0で統一しておきます)

    5. 損失がでたときは証拠金が不足して3銘柄分の建て玉ができなくなります。すぐに証拠金を差し入れて、いつでも3銘柄分の建て玉ができるようにしておかなければなりません。過去11年間で最も負け続けたときは「最大ドローダウン」の1006Mの損失が出ています。今後発生する最大ドローダウンは1006Mの範囲内に収まるとはいえません。そこで過去11年間の「最大ドローダウン」の2.0倍の予備資金を用意しておくとします。(1年とか2年間の成績であれば、この間の「最大ドローダウン」の数字は当てにならないが、11年間の「最大ドローダウン」の数字はだいたい起こりうる限度に近い数字になっていると思われるので、11年間の「最大ドローダウン」の(×1.5倍)としてもよいでしょう。ここでは(×2.0倍)で統一しておきます。

    6. 上記の数字から、「5日後決済」で「建て玉は3銘柄まで制限」するときのトレードに必要な資金は(3012M)となります。

    7. 3012Mの資金を用意して(c)5894Mの利益を出したのだから、資金効率は(1.957倍)となります。11年間で用意した資金の1.95倍の利益が出たわけです。11年間の利益率は195%、年平均17.7%の利益率です。


    S-(4)正しい検証のしかた−−−年別成績を調べる




    全体としての成績は悪くありません。11年間コンスタントに年間17.7%の利益がでているならば、どの国内投資信託よりも成績はよいのです。何も考えずにトレードして11年間で資金の1.95倍の利益を上げ、資金は2.95倍(約3倍)に増えたのです。

    しかしこの成績がある特定の1年か2年で稼いだ利益であるならば、11年間のうちの9年とか10年は無駄なトレードをしていたことになります。

    「年別成績」をクリックして、成績が安定しているのかどうかをチェックしてみましょう。 1999年〜2009年の11年間の年別成績がすぐに表示されます。



    1. 2005年のトレードがたったの1回であったのは驚きです。条件表No.13「75日線売買@(20日以上)」は相場の原則によって、@株価が75日線より高いときは「押し目買い」、75日線より安いときは「戻り売り」を徹底させた条件表ですが、2005年には1回のトレードしかできていません。

    2. だが11年間で損失を出した年は2007年の1回だけです。10勝1敗、勝率は90.9%になります。まずこの条件表を使えば、ほとんどの年で利益が上がっているわけです。


    ついでにいっておきますが、2005年にトレードがほぼできなかったというのは、条件表No.13は実は「確固とした売買マークを出すポリシーがある」ということです。

    条件表No.13は、@上昇相場にあるときは、株価が75日線まで下げたところで「押し目買い」をする。A下降相場にあるときは、株価が75日線まで戻ったら「戻り売り」をする。というのが方針です。

    2005年は一方的な上昇相場でした。右図のように株価が75日線と絡んだのは(a,b,c)の3度だけであり、7月以降は75日線まで調整することがありませんでした。

    (d,e)では25日線まで、(e,f,g)では25日線までにすら下げないという一方的な相場だったのです。

    だからといって条件表No.13を緩めて2005年に売買マークをだそうとしたならば、2006年には大きなマイナスを出しているでしょう。2005年はこれ以外の条件表(講座で使ったNo.168は2005年にはそこそこの成績を出している)を使うべきで、条件表No.13の設定を崩してはなりません。


    S-(5)正しい検証のしかた−−−「損益経過の指示」をさまざまに変化させてみる



    ここまでの検証は「5日後決済」で「建て玉は3銘柄に制限」の成績でした。「建て玉は5銘柄に制限」に変更してみましょう。


    1. 「経過変更」ボタンをクリック。

    2. 「資金固定」を(5千M)に変更します。「建て玉は5銘柄に制限」です。



    1. トレード数(397回)と「3銘柄に制限」(336回)よりも増加しています。

    2. 累計利益(7372M)と「3銘柄に制限」(5894M)より増加。

    3. 平均利益(18.6M)と「3銘柄に制限」(17.5M)よりアップ。

    4. 勝率(59.7%)と「3銘柄に制限」(58.0%)よりアップ。

    5. Pファクター(1.79倍)と「3銘柄に制限」(1.74倍)よりアップ。

    6. 最大ドローダウン(-1019.7M)と「3銘柄に制限」(-1006.1M)よりすこし悪化。
    以上の成績項目のすべては合格です。なお資金効率は1.989倍で「3銘柄に制限」(1.957倍)よりややアップします。



    ついでのことなので、これまでは「同じ日に複数の銘柄が同じ売買マークをだしたときは、株価が最も高い銘柄を選ぶ」としてきましたが、「株価が最も安い銘柄」としたらどうなるかを検証してみましょう。

    やりかたは簡単です。図の「株価が安い」を指示して「開始」ボタンをクリックするだけです。瞬時に次の成績が表示されます。




    「株価が最も高い」ものと比べると次のようになります。
    1. トレード数(397回)→397回で同じ。
    2. 累計利益(7372M)→6459Mとダウン。
    3. 平均利益(18.6M)→16.3Mとダウン。
    4. 勝率(59.7%)→61.0%とアップ。
    5. Pファクター(1.79倍)→1.67倍とダウン。
    6. 最大ドローダウン(-1019.7M)→814.6Mとアップ。
    以上の成績項目の多くはダウンしています。資金効率も1.989倍→1.848倍とダウンしているので、「株価が安い銘柄」を選択するのではなく、「株価が高い銘柄」を選択するほうがよいことがわかります。

    以上の手順を踏むことによって、「5日後決済」で「3銘柄(5銘柄)に制限」の検証ができました。あとは手順の(6)「売買ルールを指定する」に戻って、「7日後決済」とか「9日後決済」の検証を繰り返すだけです。


    S-(6)正しい検証のしかた−−−売買ルールの「×日後決済」を決定する



    建て玉は3銘柄までと制限して、「×日後決済」について検証すると次の表を得ました。

    (表37) 条件表No.13「75日線売買@」の「×日後決済」の成績(建て玉は3銘柄に制限したとき)

    X日後決済 トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ PD倍率 ドローダウン 資金効率
    1日後 435回 2921M 6.7M 58.9% 1.40倍 6.13倍 -476M 1.49倍
    2日後 428回 3970M 9.3M 57.0% 1.53倍 8.23倍 -482M 2.02倍
    3日後 396回 5498M 13.9M 60.1% 1.70倍 10.79倍 -509M 2.72倍
    5日後 336回 5894M 17.5M 58.0% 1.74倍 5.86倍 -1006M 1.95倍
    7日後 305回 5722M 18.8M 58.4% 1.75倍 5.30倍 -1080M 1.81倍
    9日後 274回 6372M 23.3M 60.2% 1.80倍 5.67倍 -1124M 1.96倍
    12日後 240回 7625M 31.8M 64.2% 2.13倍 6.66倍 -1145M 2.31倍
    15日後 218回 5418M 24.9M 57.8% 1.71倍 4.46倍 -1213M 1.58倍
    20日後 187回 4183M 22.4M 58.8% 1.54倍 4.35倍 -962M 1.43倍
    25日後 165回 7515M 45.5M 61.2% 1.99倍 7.96倍 -944M 2.60倍
    30日後 150回 7414M 49.4M 61.3% 2.15倍 10.46倍 -709M 3.06倍
    40日後 121回 4334M 35.8M 60.3% 1.52倍 3.49倍 -1242M 1.24倍


    上の(表37)を見ると、
    1. 「15日後」以降のトレード数は1年間に20回ない(トレード数が少ない)。よって「15日後」の成績は無視する。
    2. 「12日後」の累計損益が最高(7625M)である。
    3. 「12日後」の平均利益が最高(31.8M)である。
    4. 「12日後」の勝率が最高(64.2%)である。
    5. 「12日後」のPファクタが最高(2.13倍)である。
    6. 「3日後」の資金効率が最高(2.72倍)である。
    以上のことから「3日後」〜「12日後」の決済をするのがよいことがわかります。ユーザーは自分の性分にあった「×日後決済」を決めてください。「3日〜12日」の間ならどれもよい成績です。(上表の数字から最もよいのは「12日後」であると思われる)。次に「年別成績」が安定しているかどうかをチェックしましょう。 「12日後決済」をしたときの年別成績は次のようになっていました。

    (表38) 条件表No.13の「12日後決済(利食い損切りなし)」(3銘柄)の年別成績

    トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ
    1999年 16回 1055M 66.0M 68.8% 12.32倍
    2000年 41回 559M 13.6M 65.9% 1.29倍
    2001年 34回 1000M 29.4M 67.6% 2.47倍
    2002年 23回 1428M 62.1M 78.3% 5.03倍
    2003年 18回 1354M 75.2M 66.7% 5.04倍
    2004年 13回 334M 25.8M 61.5% 2.46倍
    2005年 2回 1M 0.4M 50.0% 1.01倍
    2006年 10回 344M 34.5M 50.0% 1.88倍
    2007年 13回 382M 29.4M 69.2% 1.96倍
    2008年 37回
    735M 19.9M 64.9% 1.78倍
    2009年 33回
    429M 13.0M 48.5% 1.33倍
    合計 240回 7625M 31.8M 64.2% 2.13倍
    1. 利食い損切りなし

    2. 11勝0敗(勝率 100%)

    3. 累計利益 7625M

    4. 最大ドローダウン-1145M
      (2000年1月〜2000年4月)

    5. 資金効率 2.31倍

    1999年〜2009年の11年間でマイナスになった年はありません。ただ2005年はわずかに2回のトレードしかしておらず、この点は不満です。またこの条件表No.13は2007年12月末までのデータをターゲットにして最適化してあります。よって、1999年〜2007年の成績はそう悪いはずはないのです。問題は2008年以降の成績です。

    さいわい2008年には37回、2009年には33回のトレードをし、それぞれ累計損益は735M・429Mとプラスになっているので、今後も極端にマイナスになる年はないでしょう。


    S-(7)正しい検証のしかた−−−売買ルールの「+X%利食い・-X%損切り」を決定する



    「12日後決済」で「建て玉は3銘柄に制限」するとしたとき、最後に決めるのは「利食い%・損切り%」です。「3日後決済」「5日後決済」のように短期のトレードでは、株価がそれほど大きく変化しないので、「利食い・損切り」はしないで「3日後決済」をすると最もよい成績がでると思いますが、建て玉期間が長くなると、思わぬ損失になることがあります。ストップロス水準を用意しておくのがよいでしょう。

    何%の利益で利食いし、何%の損失で損切りするのかを決めるやりかたはN章「利食い水準と損切り水準」の決めかた」で述べました。
    1. 利食いしないで、損切り%を変化(-8%,-10%,-12%,-15%,-18%,-20%など)させて検証をし、最も成績がよい損切り%を見つける。
    2. 損切りしないで、利食い%を変化(+8%,+10%,+12%,+15%,+18%,+20%など)させて検証をし、最も成績がよい利食い%を見つける。
    3. これによって最適な利食い%と損切り%が決まる。
    条件表No.13は2007年12月までのデータをターゲットにして設定したものであるので、利食い%・損切り%を決定する際にも、1999円1月1日〜2007年12月31日までの9年間について調べると、次の表になりました。

    (表39)利食いしない・損切り×%(12日後決済・3銘柄に制限) のときの成績

    利食% 損切% トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ 最大ドローダウン 資金効率
    利なし 損-8% 197回 4466M 22.7M 55.3%
    1.68倍 -796M 1.72倍
    利なし 損-10% 193回 4156M 21.5M 58.5%
    1.63倍 -711M 1.71倍
    利なし 損-12% 187回 4532M 24.2M 61.0%
    1.70倍 -730M 1.84倍
    利なし 損-15% 179回 6107M 34.1M 64.8%
    2.14倍 -606M 2.76倍
    利なし 損-18% 175回 6166M 35.2M 66.3%
    2.17倍 -786M 2.39倍
    利なし 損-20% 172回 6313M 36.7M 67.4%
    2.31倍 -962M 2.15倍
    利なし 損-25% 172回 6595M 38.3M 67.4%
    2.46倍 -906M 2.34倍
    利なし 損なし 170回 6460M 38.0M 67.1%
    2.44倍 -1145M 1.96倍
    損切り%は-15%が適当であることがわかります。
    1. -15%のドローダウンが最も小さい。

    2. -15%の資金効率が2.76倍と最高である。

    3. その他の項目(累計損益や平均損益)が-18%以上のものの数字に匹敵している。

    (表40)利食い×%・損切りしない(12日後決済・3銘柄に制限) のときの成績

    利食% 損切% トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ 最大ドローダウン 資金効率
    利+8% 損なし 207回 5351M 25.9M 71.0%
    2.07倍 -495M 2.68倍
    利+10% 損なし 197回 6967M 35.3M 71.6%
    2.55倍 -504M 3.46倍
    利+12% 損なし 187回 6029M 32.2M 67.9%
    2.25倍 -882M 2.18倍
    利+15% 損なし 180回 6961M 38.7M 68.3%
    2.58倍 -872M 2.53倍
    利+18% 損なし 177回 6555M 37.0M 67.8%
    2.46倍 -854M 2.42倍
    利+20% 損なし 174回 6352M 36.5M 67.2%
    2.46倍 -1094M 1.99倍
    利+25% 損なし 171回 5746M 33.6M 66.1%
    2.19倍 -1536M 1.41倍
    利なし 損なし 170回 6460M 38.0M 67.1%
    2.44倍 -1145M 1.96倍
    利食い%は+10%または+15%が適当であることがわかります。
    1. +10%のドローダウン(-504M)は2番目に小さい。

    2. +10%の資金効率が3.46倍と最高である。

    3. +10%と+15%累計損益はほぼ同じである。

    4. +15%の平均利益は38.7Mと最高である。

    これによって「12日後決済」のときは「+10%(または+15%)で利食い・-15%で損切り」するのがよいことが決まりました。最後に「+10%で利食い・-15%で損切り」の年別成績をチェックしてすべてのことが決まります。年別成績は次のようになりました。

    (表41) 条件表No.13の「12日後決済(+10%利食い・-15%損切り)」(3銘柄)の年別成績

    トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ
    1999年 22回 1322M 60.1M 81.8% 6.42倍
    2000年 57回 990M 17.4M 70.2% 1.48倍
    2001年 38回 983M 25.9M 68.4% 2.07倍
    2002年 26回 1436M 55.2M 84.6% 4.55倍
    2003年 19回 901M 47.4M 68.4% 3.69倍
    2004年 15回 694M 46.3M 73.3% 4.46倍
    2005年 2回 16M 8.3M 50.0% 1.20倍
    2006年 11回 -58M -5.3M 54.5% 0.89倍
    2007年 15回 -156M -10.4M 53.3% 0.80倍
    2008年 41回
    1460M 35.6M 65.9% 2.70倍
    2009年 40回
    313M 7.8M 55.0% 1.17倍
    合計 286回 7905M 27.6M 67.8% 1.96倍
    1. +10%利食い・-15%損切り

    2. 9勝2敗(勝率 81.8%)

    3. 累計利益 7905M

    4. 最大ドローダウン-597M
      (2000年3月〜2000年4月)

    5. 資金効率 3.60倍

    「利食いなし損切りなし」の(表38)と比較すると、2006年と2007年の2年間でマイナスになっています。「利食いなし損切りなし」の11年間プラスに比べると、大きなマイナスポイントですが、全体の成績あるいは最近の成績は利食い・損切りをしたほうが勝っています。
    1. 11年間の累計利益は7905Mで、「利食いなし損切りなし」の7625Mより多い。
    2. 2008年と2009年の累計損益は1773M(=1460M+313M)で、「利食いなし損切りなし」の1164M(=735M+429M)よりも大きい。

    3. 最大ドローダウンは-597Mで、「利食いなし損切りなし」の-1145Mよりも小さい。
    4. 資金効率は3.60倍で、「利食いなし損切りなし」の2.31倍を大きく上回る。
    といった長所があります。

    「+15%利食い-15%損切り」で検証をしてみると、次のようになりました。

    (表42) 条件表No.13の「12日後決済(+15%利食い・-15%損切り)」(3銘柄)の年別成績

    トレード数 累計損益M 平均利益M 勝率 Pファクタ
    1999年 19回 1243M 65.4M 68.4% 5.55倍
    2000年 50回 1484M 29.7M 68.0% 1.89倍
    2001年 36回 1163M 32.3M 66.7% 2.37倍
    2002年 24回 1239M 51.6M 75.0% 3.57倍
    2003年 18回 1142M 63.5M 66.7% 4.40倍
    2004年 14回 571M 40.8M 64.3% 3.50倍
    2005年 2回 1M 0.4M 50.0% 1.01倍
    2006年 11回 128M 11.7M 54.5% 1.25倍
    2007年 15回 -114M -7.6M 53.3% 0.85倍
    2008年 37回
    1001M 27.1M 62.2% 2.22倍
    2009年 37回
    400M 10.8M 51.4% 1.25倍
    合計 263回 8262M 31.4M 63.5% 2.08倍
    1. +15%利食い・-15%損切り

    2. 10勝1敗(勝率 90.9%)

    3. 累計利益 8262M

    4. 最大ドローダウン-606M
      (1999年12月〜2000年1月)

    5. 資金効率 3.73倍

    「利食いなし損切りなし」の(表38)と比較すると、2007年にマイナスになっているが、全体の成績あるいは最近の成績は「+15%利食い・-15%損切り」をしたほうが勝っています。
    1. 11年間の累計利益は8262Mで、「利食いなし損切りなし」の7625Mより多い。「+10%利食い」の7905Mよりも多い。

    2. 2008年と2009年の累計損益は1401M(=1001M+400M)で、「利食いなし損切りなし」の1164Mよりも大きい。しかし「+10%利食い」の1773Mよりは小さい。

    3. 最大ドローダウンは-606Mで、「利食いなし損切りなし」の-1145Mよりも小さい。しかし「+10%利食い」の-597Mよりもやや大きい。
    4. 資金効率は3.73倍で、「利食いなし損切りなし」の2.31倍を大きく上回る。「+10%利食い」の3.60倍よりも大きい。
    といった長所があります。「+10%利食い」とするか「+15%利食い」とするかはやや迷うところですが、2009年までの資金効率や累計損益からは「+15%利食い」のほうが少し勝っています。

    これで「正しい検証の手順」の説明を終わります。「検証」は特に難しい作業ではありません。この作業をすることで、
    1. その条件表は、そもそも当たるのか?
    2. その条件表が出す売買マークは、何日間くらい有効なのか?(「×日後決済」)
    3. 何%の利益になれば利食い、何%の損失になれば損切りすればよいのか?
    4. なぜ成績にムラがあるのか?を考える手がかりになる
    5. 別の条件表を併用することで、毎年コンスタントにプラスの成績を維持できる
    といったことを知ることができます。例えば条件表No.13について、ここで結論を出すために、
    1. (表37)のために12回の検証をする
    2. (表38)のために1回の検証(年別成績を調べる)をする
    3. (表39)のために8回の検証(損切り%を調べる)をする
    4. (表40)のために7回の検証(利食い%を調べる)をする
    5. (表41)のために1回の検証(年別成績を調べる)をする
    6. (表42)のために1回の検証(年別成績を調べる)をする
    と30回の検証が必要でした。たぶん(No.13の条件表は簡単なものなので)1回の検証は5分で終わっています。30回の検証をしたところで2時間半しかかかりません。自身の売買ルールを確固たるものにするために、2時間半をかければよいのです。

    「検証」の重要性について長々と連載しましたが、これで終わります。この連載は株式講座No.9「検証なしでは売買ルールは決められない」としてまとめました。


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    株式会社 東研ソフト

    執筆:坂本 正治