No.4 小波動を使ったトレンドの判断のしかた

2004年3月に執筆 ・・・・  講座目次へ.

    @小波動のピーク・ボトムはどれもが等しく重要なわけではない
    A新安値をとった波動が重要
    B新高値をとった波動が重要
    C下降トレンド入りの確認
    D上昇トレンドにあるときの小波動の2段下げ
    E下降トレンドにあるときの小波動の2段下げ
    F上昇トレンド入りの確認
    G下降トレンド入りか?の早めの判断


@小波動のピーク・ボトムはどれもが等しく重要なわけではない



(04.3.10) TOPIX 1128P(-5) 日経 11433円(-98) 16.6億株 (1兆5326億円)

米国市場のNYダウとナスダックの両指標で、東京市場により影響力のあるのはナスダック指標ですが、なんと昨日の下げによって、ピーク(D)から3段下げに入りました。

これまで波動については「主な株価」のピーク・ボトムを使って説明してきましたが、これは原理とか原則というべきものだけです。実際の株価の動きは原理・原則から外れて動くことがしばしばあります。今日よりしばらくはより詳細な原理・原則を述べてみたい。

図はナスダックの「主な株価」です。株価が表示されている日が「小波動」のピーク・ボトムです。これまではピーク・ボトムの重要性は同じであるとして説明してきましたが、細かくいえばそうではありません。

例えば図のピークで重要なピークは、A→B→C→Dの4つであり、(e')(f')のピークはさほど重要ではありません。同じくボトムで重要なものは、a→b→c→dの4つであり、(e)(f)(g・進行中)はやはり重要ではありません。

A,B,C,Dは上昇相場で新高値をとったピークであり、a,b,c,dはその出発点であるので重要なのです。(e')は新高値ではないので、その出発点である(e)も重要ではありません。(f')も新高値ではないので、その出発点である(f)は重要ではありません。

D→(e')→(f')へと高値が切り下がリ、(e)→(f)→(g・進行中)へと安値が切り下がっているのを見て、下降トレンドに入ったと判断するのは早計です。最高値Dの出発点の(d)こそがトレンド判定の重要なボトムです。

現在のところ最後の上昇波動は(d)→Dへの上昇であり、その出発点の(d)を株価が下回らぬ限りは、下降トレンドには入っていないのです。D→e→e'→f→f'→gへの波動は、d→Dという大きな波動の中での動きでしかありません。(孫悟空が、空を飛び回っても、お釈迦様の手のひらの中での動きでしかなかったのと同じです)dを下回るまでは下降トレンドに入ったと判断することはできません。


A新安値をとった波動が重要



(04.3.11) TOPIX 1120P(-8) 日経 11297円(-136) 19.4億株 (1兆4677億円)

日経平均を例にすると、Xは当時の新高値で、aは当時の新安値です。ここからの新高値・新安値(ということは重要な小波動のピーク・ボトムである)を見ていきましょう。

  1. まずbでaを下回る新安値となったので、A'→bの下げ波動は重要な小波動です。 この後株価がA'を上回れば上昇トレンドに入ったと判断できます。

    図では、b→B'→c'→C'の小波動は、どれもbを下回ることも、A'を上回ることもできませんでした。つまりA'→bの小波動の値幅内の動きであったわけです。 このようなときに、安値b→c'が切り上がり、高値B'→Cが切り上がったからといって、ただちに上昇トレンドに入ったとは判断できません。

  2. dで新安値となったので、C'→dの下げ波動が重要になります。この後株価がC'を上回れば上昇トレンドに入ったと判断できます。

  3. しかしeで新安値となったので、D'→eの下げ波動が重要になります。この後株価がD'を上回れば上昇トレンドに入ったと判断できます。

  4. その後のe→E'→f'→F'→g'→G'→h'→H'→i'→I'の小波動は、全部D'→eの値幅内に含まれています。ピークD'とボトムeを上下の限界とする保合いに終始し、トレンドは発生していません。

  5. kで新安値になったので、J'→kの下げ波動が重要になります。この後株価がJ'を上回れば上昇トレンドに入ったと判断できます。

  6. しかしまたもやlで新安値に陥り、K'→lの下げ波動が重要になりました。この後株価がK'を上回れば上昇トレンドに入ったと判断できます。

  7. その後、l→L'→m'の小波動を重ねましたが、この小波動はK'とlの値幅内に含まれており、トレンドは発生していません。ところが、図の○で重要なピークのK'の水準を上回り、この日に上昇トレンドに入ったことが確認できます。以降は「小波動のボトムか」の判断ができれば「買い」となります。
まとめると、「新安値のボトムとその直前のピークが重要」であり、先走っていえば「新高値のピークとその直前のボトムが重要」であるということです。


B新高値をとった波動が重要



(04.3.12) TOPIX 1107P(-12) 日経 11162円(-134) 23.9億株 (2兆3088億円)


日経平均の最後の下げの小波動は、K'→l でした。新安値のlを出したスタートのK'は重要なピークです。

lから株価は上昇し、図のピンク○でK'の水準を上回りました。つまり、最悪の下げをしたK'→lを打ち消すことができたわけで、○からは上昇トレンドに入ったことが確認できます。○からは
  1. Mで、K'を上回る新高値となったので、m'→Mの上げ波動は重要な小波動になります。この後株価がm'を下上回れば、再びの下降トレンドに入ったと判断できるからです。

  2. Nで新安値となったので、n→Nの上げ波動が重要になります。この後株価がnを下上回れば、下降トレンドに入ったと判断できます。

  3. Nから小波動は反転し、N→o→O'→p'と小波動ができましたが、この動きはn→Nの上昇波動に含まれるものです。p'はnの水準より上位にあります。p'の時点では下降トレンドには入っていません。

  4. その後P'から上昇は重要なピークのNを上回ったので、p'→Pが重要な波動になります。


  5. Qで新高値になったので、q→Qの上げ波動が重要になります。この後株価がqを下回れば下降トレンドに入ったと判断できます。

  6. この後Q→r'→R'と小波動が連なりましたが、q→Qの小波動に含まれる動きでした。

  7. しかしR'→sへの下落で、qの重要なボトムを割り込み、ここで下降波動に転換したことが確認できます。昨日の図の(l)を最安値とする上昇トレンドは、ここでいったんは頓挫したわけです。(第1段の中勢上昇波動が終わった)

  8. 新安値をとったR'→sの波動は重要です。この後s→S'→t'と小波動がでましたが、R'のピークを超えることもsのボトムを超えることもありませんでした。R'→sの値幅に含まれていました。

  9. ピンク○の日にR'の水準を上抜き、上昇トレンド入りが確認でき、t'→Tが重要な小波動(上昇)となりました。

  10. T→uの下落はt'の水準より高く、u→Uへと新高値をとったので、uが重要なボトムとなり、現在にいたっています。
この中勢第2段の上昇相場が決定的に終わるのは、いまのところuの水準(10299円)を下回るときですから、今日の株価はこれよりまだ1000円も高い位置にあります。当分下降トレンド入りはありませんから、ここからはまだ買いのほうに分があります。小波動のピークを見つけるよりもボトムを見つけて買うほうがよい。


C下降トレンド入りの確認



(04.3.16) TOPIX 1120P(-3) 日経 11242円(-75) 16.6億株 (1兆3757億円)

小波動はいくつかが繋がってトレンドを持ちます。通常、下降トレンドとは「小波動のピークが切り下がり、小波動のボトムが切り下がっている状態」をいいますが、2つのことを念頭に考置いておくほうがよいでしょう。

@小波動のピークが切り下がり・ボトムが切り下ったなら、下降トレンドに入ったと判断してよいのかどうか。A小波動のピーク・ボトムがともに切り下がらない限り、下降トレンドに入ったと判断できないのかどうか、この2点です。次に(A)(B)(C)の3つの「小波動の下げかた」を掲げました。



図の赤線(a→A、b→B)は上昇トレンドにあるときの、重要な小波動です。(「重要な」とは、その小波動が新高値をとっているから。)

上昇トレンドにあるときは、買った全員が利食いできます。最も効率がよいのは、@ボトムaの近辺で買ってピークAの近辺で利食いする。ボトムbの近辺で買ってピークBの近辺で利食いする。ことですが、Aもし誤ってピークAの近辺で買ったとしても、ピークBの近辺で利食いできます。上昇トレンドにある限り、買いの利食いができないことはありません。逆にいえば、「買いの利食いができなくなったときが下降トレンドに転換したとき。」といってもよいでしょう。

上図の(A)はピークBからストンと先の重要な小波動のボトムbを割り込んでいます。こうなってはb→Bの小波動の間で買った全員が利食いできなくなります。

bを下回ったCで下降トレンドに入ったと判断することになります。(この場合はピークの切り下げを待つまでもなくトレンドの転換がわかる。)


グラフは02年5月の日経平均のピークのあたり。

b→Bへ新高値を取った後に急落して重要な小波動のボトムのbを下回った。そのcで下降トレンドへ転換したと判断できます。


上図の(B)はピークBから先の重要な小波動のボトムb近くまで下落したものの、これを下回らずにc→c'へ反発し、その後に重要な小波動のボトムbを割り込んだ形です。

Dとなってはb以降に買った全員が利食いをすることはできません。Dで下降トレンドに入ったと判断することになります。(この場合はピークがB→c'へ切り下がり、ボトムもc→Dへ切り下がっているので、わかりやすいトレンドの転換です。)

右のグラフではq→Qの重要な上昇波動の後に、Q→r'(qは下回らず)→R'→s(qを下回る)の下げをしています。q水準を下回った日に下降トレンドに転換したと判断できます。

上図の(C)はピークBからcへ下落したものの、cは先の重要な小波動のボトムbよりもかなり上方で止まっています。続いてc→c'へ反発し、c'→dへ下落しますが、dはまだ重要な小波動のボトムbを割り込んではいません。

b近辺で買ったものはなお利食いができます。ということは、dではまだ下降トレンドに入ったと判断できないことになります。(この場合はピークがB→c'へ切り下がり、ボトムもc→dへ切り下がっているが、トレンドの転換はしていない。)

右のグラフではn→Nの重要な上昇波動の後に、N→o(nよりかなり上位)→O'→p(nを下回らず)の下げをしています。重要な小波動のボトムnの水準を下回らなかったので、p→P→q→Qへと上昇トレンドを続けました。(小波動のピークの切り下がリ・ボトムの切り下がりだけで、下降トレンドと判断していては、pからの上昇に乗れない。)


D上昇トレンドにあるときの小波動の2段下げ



(04.3.18) TOPIX 1145P(+4) 日経 11484円(+47) 21.0億株 (1兆7109億円)

上昇トレンドにあるときは直前の上昇波動(小波動)におけるすべての買いは利益が出ており、下降トレンドになったときは直前の上昇波動(小波動)におけるすべての買いは損失が出ている。ということはよいでしょうか。

先日掲げた(A)(B)(C)の2つの小波動の下げ方のうち、(A)(B)は下降トレンドに転換しており、(C)はまだ下降トレンドに転換していません。つまり(C)は小波動のピーク・ボトムは切り下がってはいるけれど上昇トレンドにあり、それだから「押し目買い」のほうが有利です。(ここが今回最も言いたい点)


この例はいくらでもあります。3月16日に掲げた日経平均のグラフにもあります。

重要な(新高値をとった)n→Nの上昇波動に対して、N→o→O'→p'と2段下げをしましたが、2段目のボトムp'は重要な上昇波動のボトムのnを下回りませんでした。

p'の近辺で「小波動のピーク・ボトムが切り下がっているので買えない」と判断するのと、「小波動のピーク・ボトムが切り下がっているが、この場合は買える」と判断するのとでは、その結果が大いに違ってきます。(むろん「切り下げっているが買える」と判断するほうが正しい)



定点観測の8銘柄を例にすると、図は1812「鹿島建」ですが、重要な上昇波動はa→Aです。この後A→b→b'→cへとピーク・ボトムを切り下げて「2段下げ」の形になりましたが、cはaの水準を下回らず、cの時点では上昇トレンドは維持しています。したがってc近辺では「小波動のボトムらしい」判断をして買っていくのがよいのです。 

d→d'の上昇波動は、大きな目でみればa→Aの重要な上昇波動に含まれた動きですから、上昇トレンドにある動きです。したがってd'→e→e'→fの2段下げもaを下回らない限りは、f近辺で「小波動のボトムらしい」判断をして買っていくのがよいのです。 

(d→d'は大きな上昇波動であり、ここにd'→e→e'→fの2段下げが含まれているので、d→d'のボトムdを下回らない限り買ってよいという判断もできるが、ややこしくなるので説明しません)


図は5401「新日鉄」です。重要な上昇波動はa→Aです。この後A→b→b'→cへとピーク・ボトムを切り下げて「2段下げ」の形になりましたが、cは重要なボトムaの水準を下回りませんでした。cの時点では上昇トレンドは維持しています。したがってc近辺では「小波動のボトムらしい」判断をして買っていくのがよい。 

その後もうひとつ重要な上昇波動のc→Cが生まれました。ボトムcの水準を株価が下回らない限り上昇トレンドにあるのですから、d'→e→e'→fの2段下げもcを下回らない限りは、f近辺で「小波動のボトムらしい」判断ができれば買っていくのがよいのです。


E下降トレンドにあるときの小波動の2段下げ



(04.3.19) TOPIX 1138P(-7) 日経 11418円(-65) 13.7億株 (1兆2831億円)


下降トレンドにあるときの「2段下げ」は「買い」とはしないほうがよい例を掲げます。

図は5713「住友鉱」です。重要な上昇波動はa→Aです。この後A→b→b'→cへとピーク・ボトムを切り下げて「2段下げ」の形になりましたが、bへ下落するときに、重要なボトムaの水準を下回ってしまいました。

(A)(B)(C)の下げ方のうちの(A)の下げです。bでは下降トレンドに転換したと判断できます。

(なおa'を直前の上昇波動のボトムと考えることもできますが、a'の水準はcへの下落で下回っているので、どちらにしても「下降トレンドにある」と判断できます。)したがってcの近辺での買いはできません。

この段階では、b'→cが重要な下降波動になっていますが、しかしcのボトムの後、c→Cの反発によってC(725円)はb'(723円)を上回り、Cで上昇トレンド入りをしました。C以降の小波動のボトム近辺は買いが有利に変わっています。


図は8604「野村H」です。重要な上昇波動はa→Aです。この後A→b→b'→cへとピーク・ボトムを切り下げて「2段下げ」の形になりましたが、bへ下落するときに、重要なボトムaの水準を下回ってしまいました。

(A)(B)(C)の下げ方のうちの(A)の下げです。bでは下降トレンドに転換したと判断できます。

(なお「住友鉱」と同じく、a'を直前の上昇波動のボトムと考えることもできますが、a'の水準はcへの下落で下回っているので、どちらにしても「下降トレンドにある」と判断できます。)したがってcの近辺での買いはできません。(買ってもよいが、その後の上昇波動は大きくないと思っておかねばならない)

重要な下降波動の変化について見ると、A→bの下降波動でa水準を下回ったので、下降トレンドに転換しました。この時点ではA→bが重要な下降波動になります。つまり、この後Aの水準(2125円)を株価が上抜かない限り「上昇トレンド」に入ったと判断できません。

その後、b'→cへ2段下げをし、下降トレンドに転換してからの新安値をcで出したので、b'→cが重要な下降波動になります。この時点でb'の水準(1948円)を株価が上抜けば「上昇トレンド」に入ったと判断できるようになります。

重要な下降波動が(A→b)から(b'→c)に変わったことによって、上昇トレンドの転換が容易になったわけですが、c以降に出たいくつかの小波動のピークはb'水準を上回ることができていません。


F上昇トレンド入りの確認



(04.3.22) TOPIX 1131P(-6) 日経 11318円(-100) 13.1億株 (1兆1548億円)

小波動はいくつかが繋がってトレンドを持ちます。通常、上昇トレンドとは「小波動のピークが切り上がり、小波動のボトムが切り上がっている状態」をいいますが、
  1. 小波動のピークが切り上がり・ボトムが切り上ったなら、上昇トレンドに入ったと判断してよいのかどうか。
  2. 小波動のピーク・ボトムがともに切り上がらない限り、上昇トレンドに入ったと判断できないのかどうか。
を念頭においておくのがよいでしょう。 (A)(B)(C)の3つの「小波動の上げかた」を掲げます。




図の青線(a→A、b→B)は下降トレンドにあるときの重要な小波動です。(「重要な」とは、その小波動が新安値をとっているから)

下降トレンドにあるときは、カラ売りした全員が利食いできます。最も効率がよいのは、@ピークaの近辺で売ってボトムAの近辺で利食いする。ピークbの近辺で売ってボトムBの近辺で利食いする。ことですが、Aもし誤ってボトムAの近辺で売ったとしても、ボトムBの近辺で利食いできます。下降トレンドにある限り、カラ売りの利食いができないことはありません。逆にいえば、「カラ売りの利食いができなくなったときが上昇トレンドに転換したとき。」といってもよいでしょう。



上図の(A)はボトムBから急上昇して、先の重要な小波動のピークbを上回っています。こうなってはb→Bの小波動の間でカラ売りした全員が利食いできなくなります。

bを上回ったCで上昇トレンドに入ったと判断することになります。(この場合はボトムの切り上げを待つまでもなくトレンドの転換がわかる)

グラフは1999年6月の日経平均の中間のボトムのあたり。a→Aへ新安値を取った後に急上昇して重要な小波動のピークのaを上回った。ここで上昇トレンドへ転換したと判断できる。

(しかしbからB'へ下落し、ここまでは先のボトムのAを上回っていたが、B'→c→Cへ下落して再び下降トレンドに戻ってしまったが)


上図の(B)はボトムBから先の重要な小波動のピークb近くまで上昇したものの、これを上回らずにc→C'へ反落し、その後に重要な小波動のピークbを上回った形です。

Dとなってはb以降にカラ売りした全員が利食いをすることはできません。Dで上昇トレンドに入ったと判断することになります。(この場合はボトムがB→C'へ切り上がり、ピークもc→Dへ切り上がっているので、わかりやすいトレンドの転換です。)

右のグラフではb→Bの重要な下降波動の後に、B→c(bは上回らず)→c'→D(bを上回る)の上昇をしています。b水準を上回ったdの日に上昇レンドに転換したと判断できます。


上図の(C)はボトムBからcへ反発したものの、cは先の重要な小波動のピークbよりもかなり下方で止まっています。続いてc→C'へ反落し、C'→dへ上昇しますが、dはまだ重要な小波動のピークbを上回ってはいません。

b近辺でカラ売りしたものはなお利食いができます。ということは、dではまだ上昇トレンドに入ったと判断できないことになります。(この場合はボトムがB→C'へ切り上がり、ピークもc→dへ切り上がっているが、トレンドの転換はしていない。)

右のグラフではA→bで先の重要な上昇波動のボトムaを下回り、下降トレンドに入りました。その後B→cの新たな「重要な下降波動」が生まれています。

B→cの下落の後、c→c'へ反発しましたが、c'はピークBのはるか下方で止まり、c'→d→d'と2段の上昇をしてもBには届きませんでした。(c→c'→d→d'の、小波動のボトムの切り上がり・ピークの切り上がリだけで、上昇トレンドになったと判断するのは誤りであったわけです。)


G下降トレンド入りか?の早めの判断



(04.3.23) TOPIX 1132P(+1) 日経 11281円(-37) 14.8億株 (1兆3317億円)

「小波動のピーク・ボトムの判断」でいいましたが、「主な株価」がボトムである・ピークであることを表示して(つまりはピーク・ボトムが確定して)から売買していては、やや遅きに失します。

「ボトムらしい」「ピークらしい」ことが判断できたときに売買できれば有利です。そのためにはボトムらしい確率が6分程度になったときに見切って(リスクをとって)売買せねばなりません。

「トレンド」についても「下降トレンドに転換しそうか・そうでないか」「上昇トレンドに転換しそうか・そうでないか」をあらかじめ想定できていれば「上昇トレンドは転換しそうにないから押し目買いをしよう」とか「下降トレンドに転換しそうだから保有株を売っておこう」とかの決定が容易になります。

今日は見込みで「下降トレンド入りか?」を判断するやりかたを述べます。(常識的な話になりますが)


図は小波動の下げかたの(A)(B)(C)の3つの型です。最後の重要な上昇波動であるb→Bの上昇幅の半分の位置にピンク色の水平線が引いてあります。

b→Bへの上昇の半値押しの水準です。例えばボトムbが1000円、ピークBが1200円だとすれば、半値押しの水準は1100円です。((1000+1200)÷2=1100 で計算できる) 

(A)はピークBからの下落がピンクの半値水準を「かなり」下回ったxのところで「押しが深い」ことがわかり、bを下回って下降トレンドへ転換します。もし下降トレンドの転換を早めに想定するとすれば、半値水準を下回ったxの日です。

(B)は(A)と同じで、ピークBからの下落がピンクの半値水準を「かなり」下回ったxのところで「押しが深い」ことがわかります。@その後c→c'の反発はありますが、ピークBを上回ることは難しい。Ac'からの下落でbを下回り、下降トレンドへ転換するほうが多い。やはりBからの最初の下げが半値水準をかなり下回ったxの日に「トレンド転換か?」の確率は6分あると思ってよいのです。

(C)はBからの下げが半値水準より上位のcで止まりました。cの後のコースは、@cから上昇してBを上抜き、新たな重要な上昇波動を生む、Ac→c'→dと小波動を切り下げるが、dではボトムbを下回らない。Bc→c'→dと小波動を切り下げ、ボトムbを下回って下降トレンドに転換する。の3つが考えられますが、Bの可能性より@Aの可能性のほうが高い。cのボトムらしさが判断できたときに、上昇トレンドを維持する確率は6分あると思ってよい。

まとめると、トレンド転換の判断の初めの決め手は、「Bからの下げが半値水準をかなり下回るか、下回らずに小波動のボトムを出すか」です。(「かなり」というのはあいまいです。半値水準を1円でも下回ったらダメというのではない。1000円→1200円に上昇したときは、上げ幅の60%くらいの下げ幅120円は許容範囲である。つまり半値水準は1100円だが、1080円以下になれば「かなり」下回ったとしてよい。)


先日も例にした日経平均のグラフです。最後の重要な上昇波動はb→Bですが、ボトムbの安値は11250円、ピークBの高値は12081円なので、半値水準(ピンク線)は11665円(= (11250+12081)÷2)です。

○のあたりで半値水準を下回り、その後「小波動のボトムか?」の兆候を出すことなく10060円まで下落しました。

この場合は半値水準を下回ってから重要な小波動のボトムbを割り込むまでに、「小波動のボトムか?」の兆候はでませんでしたが、もしボトムの兆候が出たとしても、ピークBを上抜くような上昇波動になる可能性は大きくないと判断したほうがよいでしょう。


右図のq→Qは重要な上昇波動です。ピークQの高値は11238円、ボトムqの安値は10148円なので、半値水準(ピンク線)は10693円です。

Q→r'へ下落する過程で半値水準を下回り、r'の安値は10186 円となりました。重要なボトムqの10148円まであと38円のところです。q(10148円)→Q(11238円)の上昇幅は1090円ありましたが、Q(11238円)→r'(10186円)への下落幅は1052円あります。上昇幅の96.5%を下げてしまったわけで、q→Qの上昇波動で買ったほとんどは損失勘定になっています。

ほとんどが損失勘定になっていれば、r'からの反発では戻り売りが出るのは当然で、@r'からの反発でQを上抜く可能性は少ない。Ar'からの反発がQの近くまで戻らないと、再下落してbを下回って下降トレンド入りする可能性が大きくなる。ということが予想できます。

r'(10186円)→R'(10869円)の反発幅は683円でした。q(10148円)→Q(11238円)の上昇幅1090円の62.7%ほどを戻したことになりますが、この程度の戻りでは不足でした。)

図の重要な上昇波動n→Nでは、ピークNの高値は10070円、ボトムnの安値は8846円なので、上昇幅は1224円。半値水準(ピンク線)は9458円です。

N(10070円)→o(9406円)へ反落しました。半値水準9458円を52円ほど割り込んでしますが、「かなり」下回ったわけではありません。(下落幅は664円(10070-9458=664)で、上昇幅1224円に対して54.3%の下げなので、許容範囲です)

oの日にはまだ約半数が利食いできる状態です。この後の波動は@oからの反発でNを上抜いて新たな重要な上昇波動を生む可能性は高いし、Ao→O'へ反発する過程でoで損失になっていた買いが利食いできるので、o→O'→p'へ2段下げしたとしても損失がでているものは少なくなっている。したがってp'はボトムnより上位で止まる可能性が高い。ということが予想できます。


(04.3.24) TOPIX 1145P(+13) 日経 11364円(+83) 20.5億株 (1兆6270億円)

「小波動を使ったトレンド転換の判断」の連載は昨日で終わりました。これまで述べてきたことのまとめは
  1. 新高値・新安値を取った小波動が重要である。

  2. 新高値を取ったとき、直前の小波動のボトムの水準が下降トレンド転換の水準になる。

  3. 新安値を取ったとき、直前の小波動のピークの水準が上昇トレンド転換の水準になる。

  4. 上昇トレンドにある銘柄を買うべきで、下降トレンドにある銘柄を買ってもたいして報われない。
こういうことを念頭において、小波動のピーク・ボトムの判断をされるとよい、ということです。


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株式会社 東研ソフト

執筆:坂本 正治