日経平均をどう見たか・判断したか (2016年12月)

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(2016.12.1) TOPIX 1483P(+13)  日経平均 18513円(+204) 28.2億株 (3兆2911億円)


昨日の海外株は
1)中国上海  -1.00%
2)英FT100 +0.17%
3)独DAX +0.19%
(4)仏CAC +0.59%
(5)NYダウ +0.01%
(6)ナスダック    -1.05%

OPECは減産に 合意する。ADP 調べによる11月の 新規雇用者数は+21.6万人とよかった。米国長期金利は2.387%(+0.091)と上昇。一時 は2.41%まであった。 このため海外では114円台半ばまでの円安が進み、CMEの日経先物は18615円と高く引 ける。米国金利上昇だけの材料であれば1円程度の円安になったと思われますが、WTI 原油が4.21ドル高の49.44ドルへと上昇したため、円は一時2円ほどの円安になりました。 日経平均は+226円高で寄り付き、大幅な円安を材料としてザラバ高値18746円まで上昇し たが、一層の円安は進まなかったので伸び悩む。今日の日中の値幅は約270円と久々に大 きな動きをしました。

今日の上昇は意外 に大きかった。米 国はWTI高や経 済統計値がよかっ たにも関わらず上 昇しなかったの に、日経平均だけ が派手に上昇した のは違和感があり ました。

今日の小波動の ピークらしさは、 @新高値の、A陰 線、B25日順位相 関が+80以上、C逆 張りの条件 表No.1が売りマー クを出した、D25日騰落レシオが120以上、E《デンドラ24》の上から2番目の上値メ ド18526円に届いた、ということで6ポイントになりました。CとEは今日初めてポイン トになったものです。

これによってチャートからは、売りが有利となりました。米国はこのところトランプラ リーは収まっていますが、日本は、なんだかわからないが先高期待の楽観人気になって います。だがそろそろひと調整があってもよいころです。

■■ グラフを見て売買方針を切り替えることについてA ■■


昨日は2014年6月〜2015年9月のグラフを掲げましたが、今日は2015年8月〜2016年10月の グラフを見ていきます。 (C)で株価は4平均線の下に潜り込み下降トレンドになりました。下降トレンドにある 時期は、買いはほとんど考えません。主力は「戻り売り」です。図の(x)のあたりは株価 が安く思われても買わないほうがよいのです。 売買するタイミングは9日順位相関を使 うことにし、9日順位相関が+80以上から少し低下した日が売りのタイミングであるとし ます。(h)(i)は戻り売りをするところです。(h)の翌日は下げましたがすぐに反発しまし た。また(i)の4日目に株価はより安くなりましたが、これまたすぐに反発しています。(h) (i)の売りでは報われていません。このことは下降トレンドは終わりつつあるのではない かと思われますが、まあ杓子定規に決めていきます。

(D)で上昇トレンドになったと判断します。ここからは「押し目買い」になりま す。(q)で9日順位相関が-80以下に(なって順位相関が前日よりも高くなった)ので買う と翌日の始値は19364円です。その次の日のザラバ高値は19869円であったので瞬間的に は約500円ほど上昇しましたが、この日の終値は18986円になり、(q)の買い仕掛けは失敗に終わりました。

その後(E)で下降トレンドに転換します。(C)の下降トレンド中の戻り売りはおおむ ね失敗し、(D)の上昇トレンド中の押し目買いも失敗しています。その原因は(C) の下降トレンドと次の(D)の上昇トレンドの期間が短か過ぎたことにあります。 トレ ンドという以上は、せめて2〜3か月の間はトレンドの方向を持続してくれればよいのですが、(C)(D)のような短期間しか続かないトレンドが出ることは多くあります。

次に(E)で下降トレンドに転換しました。ここからは戻り売りです。買いは基本的に は考えません。買ってよいのは突っ込み買いだけです。突っ込み買いができるのは小波 動のボトムらしさが6ポイント以上になったときです。グラフでは(k,l,m,n,o,p)が戻り売り のタイミングです。おおむねこの戻り売りは成功しています。

(F)で上昇トレンドになりました。ここからは「押し目買い《の時期になります。9日 順位相関が+80以上になっても売ってはならない。図の(x)の-80以下になって(前日より も9日順位相関の数値が上昇していれば)いれば買う、という方針になります。


(2016.12.2) TOPIX 1477P(-5)  日経平均 18426円(-87) 28.3億株 (3兆 178億円)

昨日の海外株は
(1)中国上海 +0.72%
(2)英FT100 -0.45%
(3)独DAX -1.00%
(4)仏CAC -0.39%
(5)NYダウ +0.36%
(6)ナスダック -1.36%

11月のISM製造業指数は51.9→53.2へ上昇し、いよいよ12月のFRBの政策金利の引き上げは確実になりました。WTIは1.62ドル高の51.06ドルまで上昇し、米国長期金利は2.454%(+0.067)とさらに上昇する。

NYダウこそは金融株とエネルギ-関連株が上昇したため+68ドル高となりましたが、テクノロジー株や不動産株は金利高を嫌って下落しています。ナスダックは2日連続して-1%以上の下げをしています。米国においては金利高が市場全体を上昇させる時期は過ぎたようです。

米国の長期金利高にもかかわらず円安は進行しませんでした。よって日経平均は小安く始まり、日経平均の前引けは-0.47%安でした。したがって後場に日銀のETF買いが入り-87円安の18426円で終わりました。日経先物は18330円と現物よりも-100円余計に下げているので、ETF買いがなければ日経平均は18300円台まで下げたであろうと思います。

米国の金利上昇期待(円安のさらなる進行期待)と日銀のETF買いによって、株価は下がるはずはないというムードになっていますが、金利高や円安はプラス材料でもあるし、視点をずらすとマイナス材料にもなります。

すでに東証1部の連結PERは16.59倍まで買われています。私が思っていたのは15.0倍を中心にして16倍になると株価は割高、14倍になると割安ということでした。これは10月3日に書きました。当時の円レートは101円であったので、現在は約13%の円安になっています。輸出企業にとっては+10%以上の増益要因です。仮に全業種の利益がこの円安によって+5%の上方修正となるならば、現在のPER16.59倍は修正後の利益の15.7倍になります。この数字は割高の16倍に近い。PERからはそれほど大きな上昇は望めないと思います。

■■ グラフを見て売買方針を切り替えることについてB ■■

今の株価が上昇トレンドにあるのか下降トレンドにあるかの判断はその判断の基準を決めておけばスッキリとわかります。しかしチャートからの判断では「トレンドが変化するときは必ず判断の間違い」が出ます。もう一度2014年6月〜2016年10月のグラフを掲げます。


(B)から(C)の上昇トレンドでは、(B,c,d,e,f)の押し目買いは大成功です。しかし(g)での押し目買いは、(C)で下降トレンドに転換したために失敗します。(b)の9日順位相関が最も低かった翌日7月30日(9日順位相関が上昇した日)の株価は20522円でしたが、この株価水準を下回った8月12日(20303円)あるいはザラバ安値が最も安かった7月9日の19115円の前日の終値19737円を下回った8月21日の19434円を見て、上昇トレンドは終わったと判断せねばなりません。



(C)は下降トレンドになったと判断していますが、11月になって株価は4線を上回ってきました。上昇トレンドに転換したと判断します。株価が4平均線を上回ったのは11月6日(終値19265円)または5日連続して200日線を上回った11月12日(終値16597円)です。ここからは押し目買いになります。

9日順位相関が-80以下になって、翌日9日順位相関が上昇したのは12月16日(終値19049円)です。翌日のザラバ高値は19869円と+820円高がありましたが、それで株価上昇はおしまいとなり、2016年1月からは再び下降トレンドに転じました。

以上の経過を見ると、株価が4平均線を上回るか下回るかによって上昇トレンド・下降トレンドを判断したとき、トレンドが反転するときには必ず損失が出ます。(C)(D)(F)が1回は損失がでるときです。しかしグラフからトレンドの判断をすれば必ずトレンドの転換点で損失がでるのは当たり前です。これを恐れてはなりません。失敗をして方針を変更するのは正しいことです。意地になって方針を変更しないことは立ち直れないほどの大失敗につながります。トレンドが反転する最後の売買チャンスは保険のようなものです。トレンドが継続すれば利益がでるし、トレンドが転換すれば損失になります。誰も利益だけを享受することはできません。


(2016.12.5) TOPIX 1477P(-5)  日経平均 18274円(-151) 20.6億株 (2兆2939億円)

昨日の海外株は
(1)中国上海 -0.90%
(2)英FT100 -0.33%
(3)独DAX -0.20%
(4)仏CAC -0.70%
(5)NYダウ -0.11%
(6)ナスダック +0.09%

11月の米国雇用統計は+17.8万人増加。10月の統計は16.1→14.2万人に下方修正される。失業率は4.90%から一気に下がって4.60%となる。これはリーマンショック前の2007年8月以来9年ぶりのことだとか。

米国の雇用状況は逼迫してきましたが、時間給は-0.1%低下(予想は+0.2%増)となり、これは少しマイナス材料です。しかし米国の景況はよく、12月の政策金利引き上げは確実なものになった今は2017年に何度の利上げが何度あるのかが予想の中心になっています。

12月の利上げに加えて2017年に0.25%の利上げが3回あるとすれば、合計1.0%の金利上昇になります。昨日の長期金利は2.388%(-0.066)ですが、たぶんそのときは4%以上になると思われます。はたして4%〜5%の金利負担をして米国企業が投資をするものかどうか。考えてもこの1年は金利利上げ(それもわずか0.25%ほどでしかない)が予想されたときは株価は下げ、金利引き上げはないと予想したときは株価は上昇してきました。この因果がトランプ当選以来まったく断ち切られて、金利上昇大賛成となったのは不思議です。

だが日本にとっては、米国金利高は円安を引き起こし輸出企業の利益を嵩上げします。反対に原油を初めとする輸入物価は高くなり、物価は高めに進み消費は縮みます。日銀は物価高になるであろう今の状況に満足しているようですが、これは円安による表面的な物価高であり、経済が活発になった結果の物価高ではありません。輸出企業が利益し、輸入企業は輸入品の値上げをする。輸入品の多くは肉・チーズ・バター・衣料品といった生活必需品です。今の日本にとっては賃金を増やし、消費を増大させることが第一です。消費が増えれば、企業の設備投資は活発になるし、雇用も増えます。よい経済循環が発生します。こういうことを期待したい。一部の輸出企業だけが円安の恩恵を受けて、他の国内産業が上利になってはならない。

■■ グラフを見て売買方針を切り替える ■■ は明日から再開します。


(2016.12.6) TOPIX 1477P(+10)  日経平均 18360円(+85) 23.9億株 (2兆2939億円)


昨日の海外株は
(1)中国上海 -1.21%
(2)英FT100 +0.24%
(3)独DAX +1.63%
(4)仏CAC +1.00%
(5)NYダウ +0.24%
(6)ナスダック +1.01%




(2016.12.7) TOPIX 1490P(+13)  日経平均 18496円(+136) 24.0億株 (2兆2939億円)

昨日の海外株は
(1)中国上海 -0.06%
(2)英FT100 +0.49%
(3)独DAX +0.95%
(4)仏CAC +1.26%
(5)NYダウ +0.18%
(6)ナスダック +0.45%




(2016.12.8) TOPIX 1512P(+22)  日経平均 18765円(+268) 28.1億株 (2兆2939億円)

昨日の海外株は
(1)中国上海 +0.71%
(2)英FT100 +1.81%
(3)独DAX +1.96%
(4)仏CAC +1.36%
(5)NYダウ +1.55%
(6)ナスダック +1.14%




(2016.12.9) TOPIX 1525P(+13)  日経平均 18996円(+230) 31.3億株 (3兆9205億円)

昨日の海外株は
(1)中国上海 -0.21% (2)英FT100 +0.42%
(3)独DAX +1.75%
(4)仏CAC +0.87%
(5)NYダウ +0.33%
(6)ナスダック +0.44%




(2016.12.12) TOPIX 1532P(+6)  日経平均 19155円(+158) 29.5億株 (3兆3144億円)

昨日の海外株は
(1)中国上海 +0.52%
(2)英FT100 +0.33%
(3)独DAX +0.22%
(4)仏CAC +0.60%
(5)NYダウ +0.72%
(6)ナスダック  +0.50%

このたびのグラフは11月8日の大統領選挙前とトランプ勝利が決まったあとでは、天と地が引っくり返ったような逆転となりました。何がそうさせたのかというとトランプの政策に米国人はコロリと高評価を与えたからです。

トランプのアメリカ第一主義の経済政策(@TPP離脱・ANAFTAの見直し・B中国の管理された元安誘導の為替相場への非難)に加えてC日本や韓国の防衛費用負担の要求・D移民の制限 といった政治的に大問題になることを並列して公約に掲げ選挙選を戦いました。

このようなラジカルな公約を掲げているようでは米国民はトランプを大統領にはさせないだろうと思っていたところ当選してしまった。案外にトランプは米国の不満を強く打ち出しており、うまくやれば米国を再び豊かな国にすることができるのではないか。株式市場の投資家の一部の向きはそう思い、トランプに賭けてみた。

インフレになれば金利は上昇します。金利が上昇することは良い面もあるし悪い面もあります。だが市場は金利上昇はよいものと考え債券を売って(金利は上昇)、株式を買い始めた。今日の10年物国債金利は2.472%(-0.060)です。この高金利は世界の資産運用者に競って投資を促し、ドル高が加速しています。

結果米国金利高と円安によって現在では日本株が世界で一番の投資対象国になっています。例えばナスダックは選挙前日の株価は5145Pでした。昨日は5444Pなので+5.8&の上昇です。円相場は104.28円から今日の115.12円まで+10.4%の下落です。これに対応して日経平均は17171円から19155円まで+11.5%の上昇です。TOPIXは1363Pから1531Pへ+12.3%の上昇となりました。

円安が+10.4%、日経平均が+11.5%の上昇、TOPIXが+12.3%の上昇。明らかにドル高→円安→日経平均上昇→TOPIX上昇、とよい連鎖が続いていますが、基本は長期金利高→ドル高です。この動きは果たして正しいのか? 来年大統領に就任するトランプ政権が実際にはどのような現実的な政策を出すのかはわかりませんが、何を言い出すかわからないところに株式市場が期待するものがあるのであれば、株式市場の参加者は自らの意見をもたぬ付和雷同する者たちの集まりです。


今日現在の小波動のピークらしさは、@新高値の、A陰線、B25日順位相関が+80以上、C逆張りの条件表No.1が売りマークを出した、D25日騰落レシオが120以上 の5ポイントです。

12月1に6ポイントとなったので、ここからは調整をするのではないかと思っていましたが、その後日経平均は2日間しか下落しませんでした。下落幅は-250円ほどで調整とはいえないものでした。

今日は5ポイントでしかないのでピークをつけるかどうかはギリギリのところに来ていると思いますが、これは米国の金利と為替しだいです。明日、25日投資マインド指数 のポイントが加わり、明後日に9日順位相関が+80以上になれば6〜7ポイントになります。売りが優勢ということになりますが、どうなるか。



(2016.12.13) TOPIX 1540P(+8)  日経平均 19250円(+95) 23.1億株 (2兆8389億円)

昨日の海外株は
(1)中国上海 -2.47%
(2)英FT100 -0.92%
(3)独DAX -0.12%
(4)仏CAC -0.07%
(5)NYダウ +0.20%
(6)ナスダック  -0.59%

14日(日本時間は15日に判明)のFOMCの金利引き上げが実行されるかどうかと、来年の引き上げのピッチをFOMCはどのように判断しているかを確かめたいと、利益確定が先行して概ね安い。

米国の長期金利は一時2.5%台まで上昇したものの2.477%まで下げたが、それでも前日よりも少し高めだった。円安は進まず。

日本の長期金利は、7月8日に-0.285%に低下していたが、米国大統領選後の11月16日には+0.015%のプラス金利になり、今日は+0.080%です。最低の金利から0.365%も上昇しています。これは銀行や生保にとっては願ってもない干天の慈雨で、8306三菱UFJは11月8日の533円から一昨日の763円まで43.1%の株価上昇をさせ、8766東京海上は4051円から昨日の5381円まで32.8%の上昇です。

一方米国金利高がもたらせた円安によって7203トヨタは5831円→今日の7050円まで20.9%の上昇、7270富士重は3934円→昨日の4867円へ23.7%の上昇をしましたが、円安よりも金利高の方が株価を引き上げる力は強かった。日本の株高は金利上昇によるものですから、今後の金利の行方は最重要です。

今日「25日投資マインド指数」が85を超え、小波動のピークらしさは6ポイントになりました。

@新高値の、A陰線、B25日順位相関が+80以上、C逆張りの条件表No.1が売りマークを出した、D25日騰落レシオが120以上、E25日投資マインドが85以上 の6ポイントです。

さらに今日は78.3になっている9日順位相関は明日は確実に+80を超えます。もし明日ザラバで新高値を取るならば、A新高値の陰線は-1ポイント減になりますが9日順位相関の1ポイントが相殺するので、6ポイントのままです。明日新高値を取らなければ7ポイントです。いよいよ当面のピークが訪れるとしてよいでしょう。

25日投資マインド指数は私が考えたものですが、25日騰落レシオよりも市場の気分や心理をよりよく(格段に)表現します。投資マインド指数はこの25日間で25日線よりも上位になっている銘柄数の割合です。今日の投資マインド指数は91.9です。東証1部銘柄の91.9%の株価は25日平均線よりも上位にあります。

通常は値上がりが続く銘柄はそんなに多くありません。@その時代に適応している業種もあれば、衰退しつつある業種もある。A金融政策や政府の財政出動によって陽が当たり、陰る業種もある。B政府が目指す将来の日本産業のありかたによって、期待値が高まる業種も出てくる。C世界的な発明(インターネットやスマホ)によってその果実を収穫できる企業もあれば、これに取り残される企業もある。

普通に考えれば上場企業の90%以上の企業の業績が一斉に良くなるはずはありません。これは株価が上昇している銘柄との株価水準の比較によって割安だ割高だと判断する投資家が多いためです。実際のところ今日は国債の金利が0.080%へ上昇し、円レートも115.22円と円安になったのに、大して株価は上昇はしなかった。金融株が上昇しなかったためです。

外資系証券の朝の寄り付き注文はこの3日間は売り越しです。この傾向は12月5日から始まっています。おそらく外国証券はここからは大きく買い越すことはないでしょう。国内勢の日経平均の上昇(しかも押し目を作らない)を見て、遅ればせに買ってきた向きに利益確定の売りをぶつけているものと思います。到底ここからは買える状況にはないと思っています。


(2016.12.14) TOPIX 1538P(-1)  日経平均 19253円(+3) 20.4億株 (2兆5448億円)

昨日の海外株は
(1)中国上海 +0.07%
(2)英FT100 +1.13%
(3)独DAX +0.84%
(4)仏CAC +0.91%
(5)NYダウ +0.58%
(6)ナスダック +0.95%

FOMCの金利引き上げは織り込み済みですが、トランプ次期大統領の「アメリカ第一主義」による政治・経済政策への期待がなお続いています。 トランプが発した言動(@ロシアとの友好関係、A2つの中国発言、BTPP離脱)は、株式市場は歓迎していますが、これら3つは相手国があることだからナカナカ米国の思う通りにはいきません。

ましてやC巨額の財政支出をする、D大幅な減税をする、E意に沿わない国には報復的な高関税をかける、といった現実的な問題は、やすやすと議会の承認が得られるとも思われない。

この政策によって世界の経済が一転してよくなるとは、私には到底思われません。実体経済からかけ離れた金利とドル相場は企業にとってはマイナスです。だが市場はインフレを最も期待しています。米国の経済が伸びることよりも、インフレによって企業の収益が上がり株価も上がるだろうという期待です。

インフレ率が毎年+5.0%になれば、前年と同じ働きをした企業の収益は1年後には+5%ほど増加します。これを見て企業の利益がドンドン上がっている。経済は良くなっていると見るのは間違いです。だが、間違いではあるけれど株価は必然的に上昇します。5%のインフレになるならば最低でも5%ほど株価は上昇します。インフレの期待が高ければ株価は2年後3年後のインフレを思い1.05?×1.05?×1.05?の計算によってすぐに 15%くらいの株価上昇が期待できます。


米国のインフレ率が高くなりそうだと予想できたならば、このインフレ率以上の収益を上げねば投資運用者は失格です。インフレに強い株式を買っておく動きが出てくるのは当然です。 だが世界がそのようなインフレ状態になるとは到底思えません。

今の米国の株式市場は、この2〜3年間で起きる可能性は少ないインフレ期待(@金利上昇、Aドル高、B企業収益の底上げ)によって株価を押し上げていますが、これは幻想であったといずれ気がつくはずです。


今日現在の小波動のピークらしさは6.5 ポイントになりました。 @新高値の、A陰線( 陰線幅が17円と小さいので0.5ポイントを加算する)、B9日順位相関が+80以上、C25日順位相関が+80以上、D逆張りの条件表No.1が売りマークを出した、E25日騰落レシオが120以上、F25日投資投資マインドが85以上。通常なら7ポイントですが、今日の陰線の値幅は始値19270円・終値19253円とったの17円幅しかない。これをもって陰線とは認めることはできない。

25日投資マインド指数は2日連続して売りマークをだしています。 (e)へ至るまでには、(a)で上昇トレンドが確定し、(b)で下降トレンドに変わるかもと懸念しましたが、(c)で完全に4平均線を上回り、上昇トレンドが続いていることがわかりました。

その後(d)でトレンドの転換があるかと思われましたが、9日線を下抜いたのは2日間(株価終値は1日しかなかった)ということで、上昇も順張り相場を見せつけているわけです。

順張り相場から逆張り相場の転換の判断は難しい。まして下降の順張り相場を上昇の順張り相場になったことを紊得することは我々凡人にはできません。できないが、大きく負けて市場から退場せざるを得なくなった投資家はナカナカ方針を変えることができません。 まあここからは自分の信じるものは何なのか? という精神論に入るのでコメントはよします。


(2016.12.15) TOPIX 1542P(+4)  日経平均 19273円(+20) 23.2億株 (2兆8103億円)

昨日の海外株は
(1)中国上海 -0.46%
(2)英FT100 -0.28%
(3)独DAX -0.35%
(4)仏CAC -0.72%
(5)NYダウ -0.60%
(6)ナスダック  -0.50%

FOMCはFFレートを0.25%引上げて、上限を0.75%としました。この引き上げは株価に織り込まれていましたが、来年2017年は3回の金利引上げがFOMCメンバーの大多数の意見である というイエレン議長の発言に株式相場は驚いて米国株は下落する。

予定通りであれば、来年12月の政策金利は1.50%になるわけです。米国10年債金利は発表前の2.42%→2.576%へ上昇し、円レートは115.00円→117.00円へ大幅な円安に進みました。

米国のインフレ率はだいたい1.7%くらいです。長期金利は大統領選前は1.80%くらいでしたが、昨日は2.57%まで上昇しています。大統領選後の米国株価の上昇は金利高とドル高を容認して、インフレ(物価上昇率)の期待によって上昇した、と私は思っています。本来なら金利高は設備投資を抑え、ローン金利高によって住宅や自動車などの購入時にローンを組む消費者は消費を抑えます。まして原油価格が50ドルを超えた今はガソリン価格はだいぶと高くなっているはずです。消費者によってはプラスなことではありません。

消費支出は米国GDPの70%を占めます。米国経済が上昇するとは、消費支出が増えるのと同じことなのです。だが、 米国経済にとって、@金利高、Aドル高、B原油高 は消費を抑制するためのマイナス要因になります。(賃金が物価高以上に上昇すればその心配は消えるが) マイナス要因を無視して株価は上昇してきましたが、昨日は少し反省がでた感じです。


NYダウの小波動のピークらしさは、@新高値の、A陰線、B9日順位相関が+80以上、C25日順位相関が+80以上、D逆張りの条件表No.1が売りマークを出した、の5ポイントです。

海外の株価指数は8ポイントが満点なので、昨日は売りが有利になりました。昨日の陰線はそう大きなものではないので、まあ雨雲が出てきたかなというところです。

ナスダックのポイントは高くありません。@新高値(一昨日)、A9日順位相関が+80以上、B逆張りの条件表No.1が売りマークを出した(一昨日)、の3ポイントです。

NYダウに比べてナスダックの上昇は穏やかなものです。12月初めには中勢波動の基準である75日線までの押しを入れています。これは好もしい。だがNYダウは9日線すら割り込むことがありませんでした。いかに皆が強気に傾いたか、楽観したかを物語っています。これはNYダウの構成銘柄には金融株とエネルギー株が多いことが原因です。今回の上昇を先導したのはこの2つの業種でした。


日経平均は海外の2円以上の円安を見て高く寄り付きました。その後円レートは118円に達するかという勢いで117.85円までの円安になりましたが、3:30には117.60円と前日に比べて2.69円の大きな円安になりました。

これまでなら1円の円安は日経平均を200円〜250円上昇させています。だから今日は540円〜670円くらい日経平均が上昇してもおかしくはなかったけど、わずか+20円高で終わりました。現在の118円近くの円の水準は短期的には行き過ぎであると市場が警戒したためでしょう。

今日の小波動のピークらしさは6 ポイントになりました。 @新高値の、A陰線、B9日順位相関が+80以上、C25日順位相関が+80以上、D25日騰落レシオが120以上、E25日投資投資マインドが85以上 です。昨日より0.5ポイントほで減りましたが依然として売りが有利です。ただ米国株高を見てきた投資家で上昇相場に乗り遅れた向きは押し目があれば買いたいと思っているし、日銀はTOPIXが前引けでマイナスになれば機械的にETFを買います。現に13日と14日にはETFを買っていますが、この高値圏でなぜ株価を支える買いをいれたのか、サッパリわからない。このようにしばらくは株価が下げれば買う向きが多くでてきます。

だがこの日経平均の上昇を先導した海外勢はすでに日本株を買ってはいない感じです。年内は海外勢は新規買いはせず、利食い売りに傾くのではなかろうか。これに向かって買うのは日銀と乗り遅れ組だけです。海外投資家にとっては利益確定でできるありがたい絶好の投資相手です。


(2016.12.16) TOPIX 1550P(+7)  日経平均 19401円(+127) 23.1億株 (2兆9082億円)

昨日の海外株は
(1)中国上海 -0.73%
(2)英FT100 +0.72%
(3)独DAX +1.08%
(4)仏CAC +1.05%
(5)NYダウ +0.39%
(6)ナスダック +0.37%

米国の金利高は収まらず、米国高裁は2.601%(+0.025)へ上昇。ドル高が進み円レートは118円台に乗せる。とにかく世界中のマネーが高金利の米国債を買おうとしてドル需要が発生し、ドル高が進んでいます。

米国債がこれほど買われるなら、米国債価格は上昇し、金利は低下するはずですが金利は上がる一方です。たぶん米国勢だと思いますが、国債を売っている向きがものすごくあるということでしょう。米国の投資家が米国債を保有しているときは、ドル安ドル高には無関係です。米国債が下がる(金利は上昇する)ならば、米国債を保有していては損失が出ます。これを避けるには保有している米国債を売らざるを得ません。

米国以外の国債買いの勢力は米国国債を買ったとたんに国債価格が低下(金利は上昇)するので国債価格では評価損が発生しますが、ドルが上昇しているために為替の利益が生まれています。国債価格の低下のマイナスとドル高のプラスを相殺すればおそらくはトータルではプラスになっているのでしょう。かように米国債金利とドル相場の関係は難しい。

今日の日経新聞によれば、日本の銀行が持っている米国債では2兆4000億円ほどの評価損が発生しているとか。ただ米国債を保有していることはドル資産を保有していることにほかなりません。為替で換算すればトータルでは大きな利益がでているはずです。米国債の値下がりによる評価損は急速な円安による利益で十分に補うことができます。さらにこの円安によって米国債の利子は円が100円の時に比べれば(現在の円レートが118円なので)18%も高い利子を受け取ることができます。

普通なら、@米国経済が堅調である→Aいずれ金利は上昇するであろう→B同時に経済の強いドルは買われるだろう→Cしたがって今のうちにドル資産を持たねばならない、ということで米国債が買われ、ドル高になります。今回の判断の難しさは、@はまあまあ強くなりつつありますが驚くほどのインパクトはない。

しかしトランプという得体の知れない大統領が決まったことで、@は過度の期待が集中し、ABCのことが起きています。トランプはマスコミとの接触を避け、ツイッターで一方的に自分の思うことを発信しています。マスコミの取材であれば様々な疑問点や真意の確認が問われ ますがツイッターにはありません。思ったことを発信するだけです。

このツイッターの重大な欠陥が個人のレベルではイジメやプライバシーの暴露などの問題を引き起こし、被害者が多く発生しています。それほどまでに他人のプライバシーを侵食したいのか? またここの店がはうまいという情報があれば行列のできる店がいくつも出ます。人はそこへドッと集まります。そんなに誰かがいったことを真に受けてもよいのか?

知らなかったことを1つの情報として受け止めることはよいが、その結果の判断をンターネットやツイッター情報の結論にゆだねることはできません。皆が皆、ゴミみたいなツイッターやインターネットの情報によって自分の意見を作っている。結果大多数の意見は似たようなものになります。似たような考えが支配すれば、それは偏った方向に誘導します。

それはともかくとして、今年は株式投資にとって大変に難しい年でした。難しかったとは予想外のことが何度も発生したということです。右図に2008年〜2016年に発生した、「前日比で+5%以上あるいは-5%以上の株価変動《があった回数です。私は+5%以上を「暴騰」、-5%以上を「暴落」としていますが、暴騰・暴落が発生した年は利益を上げることは困難です。

2009年〜2016年の間で最も多かったのは今年2016年の6回です。ついで2013年の3回の下落です。2013年とはアベノミクスが出た年ですが、この年トバーナンキFRB議長が米国経済の立ち直りをみて金融緩和の縮小の可能性を言いました。まだ世界の経済は十分ではなかったので株価は大いに下げました。この後バーナンキは金融引き締めについては一切口にしませんでしたが、米国経済はまだまだ脆弱であったのです。

同じ3回の暴騰・暴落があったのは2011年ですが、これは東北大震災によるものです。 今年2016年の今までは+5%以上の上昇が3回、-5%以上の下落が3回あります。2009年以来異常な変化率がもっと多く出現した年です。これはまことに投資家を右往左往させました。おそらくトレンドを投資判断の基準にしている方は全員死にです。私もマイッタという年でした。


(2016.12.19) TOPIX 1549P(-1)  日経平均 19391円(-9) 17.3億株 (2兆1437億円)

昨日の海外株は
(1)中国上海 +0.17%
(2)英FT100 +0.18%
(3)独DAX +0.33%
(4)仏CAC +0.29%
(5)NYダウ -0.04%
(6)ナスダック  -0.36%

米国債は2.593%(-0.008)へわずかに下げる。16日に南シナ海で海洋調査をしていた米国の小型無人潜水艦を中国海軍が奪ったと報道され、海外では約1円の円高になる。

中国側は返却する意向らしいが、今日の円レートは117.22円と高止まりしており、これをきっかけにしてドル高が抑制される可能性があります。

日経平均は前場がマイナスであったので、日銀の742億円のETF買いが入り、一時は19300円近くに下落していたものが、-9円安と小幅安で収まる。 トランプの経済政策に異常なほどの期待が先行し、ドル高円安が進んでいる上、日銀が株価がわずかでも下げるとETFを買うという構図では、なかなか日経平均は下げません。

だがトランプマジックはいつまでも続くものではありません。必ずトランプへの過大な期待が反省されるようになります。そのときは、 @金利上昇とドル高が併存できるのか、A新興国の資本の流出は影響がないのか、B中東をどう取りまとめるのか、C中国との関係はどうするつもりなのか、DTPPやNAFTAはどうすのか、こういった問題が一気に噴き出してくるはずです。

どう考えても今の米国市場は異常であるし、日本市場も浮かれていると思っています。


(2016.12.20) TOPIX 1552P(+3)  日経平均 19494円(+102) 19.2億株 (2兆3888億円)

昨日の海外株は
(1)中国上海 -0.16%
(2)英FT100 +0.08%
(3)独DAX +0.20%
(4)仏CAC -0.29%
(5)NYダウ +0.204%
(6)ナスダック  +0.37%

米国債は2.543%(-0.050)へ下げる。FRBの金利引き上げの影響は終わったようです。この後はトランプの期待が続いて金利がなお上がり続け、ドル高になるのかを見なければなりませんが、感じではトランプラリーは終わったのではなかろうか。

円は117.90円と再び円安にもどったけれど、円安の恩恵を享受する輸出企業の株価はさえず、内需株の上昇がめだちました。循環物色とはいうけれど、現実には買う銘柄が乏しくなってきているのではないか。


(2016.12.21) TOPIX 1544P(-7)  日経平均 19444円(-50) 21.0億株 (2兆3888億円)

昨日の海外株は (1)中国上海 -0.49%
(2)英FT100 +0.38%
(3)独DAX +0.33%
(4)仏CAC +0.56%
(5)NYダウ +0.46%
(6)ナスダック +0.49%

米国債は2.560%(+0.017)と上昇したが、円は117.62円(-0.25円)と少し円高になる。 円安は118円が限界だと思う向きが多いのか、日経平均はドル高・円安に左右されなくなっています。

目下のところの小波動のピークらしさは、@新高値の、A陰線、B9日順位相関が+80以上、C25日順位相関が+80以上、D25日騰落レシオが120以上、E投資マインド指数が85以上(昨日) の6ポイントです。トランプ人気がなお続いているから、7ポイントになってほしいところです。


定点観測の9銘柄では、3銘柄が小波動のピークを表示しています。

1812「鹿島」、5713「住友鉱」、8604「野村」ですが、住友鉱と野村は新高値の陰線で、その陰線も比較的長い。 鹿島も新高値の陰線だが、上ヒゲの長い陰線で、下落を始めたというよりも高値水準で株価が止まったという感じです。

従ってその後の反落はゆっくり目であり、先の高値843円を上回るような上昇の可能性は十分にあります。

■■ お知らせ ■■

今日の「ユーザー情報」の通算No.は4999回になりました。明日は5000回目です。1997年からHPを書き始めてから約20年間書いてきたのですが、先日の風邪によって記事を1行も書けないという事態に陥りました。 記事を書くには、データを揃え、グラフにし、グラフから何かを感じる必要があります。ところがデータの採集も「次に何をすればよいのか?」と手順をしばらく考えなければ思い出せない。どのHPを見て必要なデータを揃えていたのかもわからなくなってしまい、データの空白が生まれました。これを後から補うために丸1日を費やしました。

20年間やってきたことだから、体は作業の手順を覚えていて機械的にデータを揃えることができるのかと思っていましたが、そうではなかった。ボケるとデータを集めることさえできなくなることがよくわかりました。幸い元気になったのでこうして記事を書いていますが、この先はデータの採集とか、長い記事を書くことは抑えていかねばならないでしょう。

ちょうど明日22日はHPの5000回の記録を更新できます。5000回の毎日の記事を蓄積し、公開しているところは皆無です。このHP継続のためにかなり無理してきましたが、どうやら限界に近づいてきました。来年からは少し仕事の量を減らして、6000回目の更新をするつもりです。

さて、ユーザーは新規購入あるいはバージョンアップしてから5年間はメンテナンス(@操作の質問、Aデータ関係の質問、B条件表にかかわる質問など、Cユーザー用のHPを見ることができる)を受けることができますが、2016年年末で、以下のソフトはメンテナンスから外れます。
  1. 《カナル24》Ver.4 (Ver.5だけがメンテナンスの対象になる)
  2. 《Qエンジン24》Ver.4 (Ver.5だけがメンテナンスの対象になる)
  3. 《デンドラ24》Ver.2 (Ver.5だけがメンテナンスの対象になる)
  4. 《リアル24》Ver.4 (Ver.6とVer.5がメンテナンスの対象になる)



(2016.12.22) TOPIX 1543P(-1)  日経平均 19427円(-16) 18.7億株 (2兆1590億円)

昨日の海外株は
(1)中国上海 +1.11%
(2)英FT100 -0.04%
(3)独DAX +0.03%
(4)仏CAC -0.33%
(5)NYダウ -0.16%
(6)ナスダック -0.23%

米国債は2.543%(-0.017)と昨日上昇した分だけ下落する。円は117.64円くらいで変化はなし。

東京市場は明日は祭日、海外もクリスマス休暇に入るので、売買は細く、今日の日経平均の値幅は100円と小さい。 前引けの日経平均は-0.16%安、TOPIXは-0.20%安であったので、日銀は律儀にも742億円のETFを買い入れる。このため一時は-116円安だった日経平均は-16円安で終わる。

日銀は現在ではETFを年間に6兆円買い入れると決めていますが、最近の株価の動きをみていると、だんだんその弊害が目につくようになりました。前場が安ければ市場はETF買いに期待して株価は下げなくなる。これは誰でもわかるので後場には買いが入ります。だが、ETF買いによって株価が下げないということは、日経平均は次第しだいに割高になっていっているということです。

今日の東証1部のPERは17.26倍ですが、これは円安によって全部の企業が+10%増益になるという予想の上限に近いPER水準です。今となっては日銀のETF買いは将来の株価下落の原因となりかねず、やや迷惑な政策です。


条件表No.33に「$建て日経平均」があります。海外、特にドルをもって日本株を売買するとき、実際にはドル換算でどれだけの利益がでているのかがわかります。
グラフは具体的には日経平均÷円レート×100で計算しています。例えば今日の日経平均が19427円で、円レートが117.72円であるならば、19427÷117.72×100の計算によって、日経平均は16502セント(165.02ドル)となります。

11月後半から12月にかけて海外勢は大幅に日経平均を買い越しましたが、これはドルを株式という円資産に交換したことにほかなりません。(e)の日の為替は113.62円で、日経平均は18274円です。日経平均を1単位買うならば、160.8ドル(16080セント)かかります。今日22日の為替は117.72円、日経平均は19427円です。日経平均をドル換算してみると16503セントです。

海外勢が(e)で買って今日の利益の評価をしたとき、ドル建ての日経平均は16080セン→16503セントと+2.6%ほど上昇しています。しかし国内の投資家は18274円→19427円の日経平均の値上がり益を享受しています。+6.3%の利益です。海外勢にとっては過度な円安は日本株への株式投資の利益を削ぎます。

円高が進行した(a)→(b)では、日経平均は15016円→16869円へ12.3%上昇しました。このときドル建て日経平均は15034セント→16681セントへ+10.9%上昇しています。ドルによる日経平均の買いは国内勢に比べて少し悪いけれど、日本株買いをした値打ちはありました。(a)→(b)という株価が200日線よりも下にある時期でも海外勢は大きな利益を得ています。

そこで現在のドル建て換算の日経平均に戻ると、(e)から今日までの国内勢は+6.39%の利益を出し、海外勢は+2.6%の利益でとどまっています。これは円安がひどく進んだためです。つまり円安進行によって日経平均が上昇しても、海外勢にとってはそう魅力的な状況にはないということです。今や円安をもって日経平均を上昇させる力は小さくなってしまったと思います。そろそろ円安を材料とした日経平均の上昇は終わるのではなかろうか。


(2016.12.26) TOPIX 1538P(-5)  日経平均 19396円(-31) 14.4億株 (1兆6302億円)

昨日の海外株は
(1)中国上海 -0.94%
(2)英FT100 +0.06%
(3)独DAX -0.05%
(4)仏CAC +0.10%
(5)NYダウ +0.07%
(6)ナスダック +0.28%

米国債は2.541%(-0.015)と下落する。円は117.09円くらいでやや円高に。 米国は26日はクリスマスの振り替え休日とあって、東京市場には海外勢の参加はなく、売買高は極めて低調。日中の値幅も45円幅と小さかった。

前引けは日経平均が-0.09%安、TOPIXが-0.29%安と小安かったので日銀はETFを買い入れる。今日の売買代金1兆6000億円の中で、742億円を買っているので、日経平均は-31円しか下落せず。

ETF買いがなければ、もう少し下落して押し目買いをしようとしている向きに買い場を与えることができたかと思いますが、ETF買いによって日経平均は大きく下げることはありません。したがって東証1部の連結PERは17.26倍と割高な水準を維持しています。

クリスマス休暇が明けて米国の相場でトランプラリーが再開するのかどうかは不明ですが、感じではトランプの経済政策への期待はすでに目いっぱいまで織り込まれたようです。米国の長期金利は上がらなくなったし、ドル高の勢いはなくなりました。これからは過ぎた期待が次第に小さくなっていくことになるのではなかろうか。

トランプは果たして米国民全体の生活水準を引き上げ、あるいは世界の秩序の維持に貢献できるのかどうか? どうも損得だけの政治を目指しているようで、政治家としての素養が乏しいのではないか、と私は初めから思っています。

しかし株式市場というのはドライ(冷酷)なもので、どこかの会社が儲かるならどっとその銘柄を買います。米国においては企業の利益を大きくしたものがエライのであって、その報酬も200億円とか300億円とか巨額です。だが日本では10億円を超える経営者はありません。企業の利益額よりも、社員の待遇、取引先の面倒、地元への還元といった企業そのもの以外に重視するものがあるからです。

日本でも第1次石油ショック時に企業は売り惜しみをしたし、商社は法外な価格の材木を売りました。これは各企業にとっては普通の経済現象ではあるけれど、このとき企業はバッシングされました。「人の弱みにつけこんで」ということです。1企業1業種が儲けても、日本全体が利益を得なければならない。日本ではそういう理性がなお残っていました。政治は企業のエゴを制し、国民全体のために修正すのが義務です。

しかしトランプは利益を上げることが第一であるようで、@中国に重い関税をかけようとし、A米軍の駐留費を負担させようとし、Bロシアと組んで石油価格を上げようとし、CTPPを廃棄しようとし、DNAFTAの見直しをしようとしています。冷静に考えれば、これまで米国が何年・何十年と やってきたことをちゃぶ台をひっくり返すがように変えようとしています。大統領になったら何十年の外交交渉をあっという間に消滅させる権限があるのか? そうではないでしょう。トランプはどうも信用できない。こういう気配がでてきたとき、米国の株式は暴落しかねない。当然に日本の株式も連れ安します。


(2016.12.27) TOPIX 153+P(-1)  日経平均 19403円(+6) 17.4億株 (1兆8354億円)

昨日の海外株は
(1)中国上海 +0.40%
(2)英FT100 -
(3)独DAX  -
(4)仏CAC  -
(5)NYダウ  -
(6)ナスダック  -

欧米は休場。円は117.28円くらい。 海外市場は休場ながら、日本では年内の受け渡し最終日とあって、案外に出来高はできました。しかし株価は動かず。


東芝が原子力関連で数千億円の減損失を出すとかで大幅安となる。

定点観測9銘柄のうち、先日は3銘柄が小波動のピークを表示していましたが、今日は4銘柄が増えて7銘柄になりました。

小波動は下降波動に転じているのだから、買い玉は手じまっておくのが正しい。今はまだ押し目買いをすべしの風潮がありますが、株価の先高期待は根拠があるとは思えません。

もし思っていたことに反して相場が切り返してきたならば、株価が先の小波動のピークを上回るか、9日線を上回ったときから買えばよいだけです。

7銘柄のうち1812鹿島、5713住友鉱、6758ソニー、8604野村 は9日順位相関が-80以下になっているので、小反発する可能性がありますが、かといって小波動のボトムが出るとは限りません。

大きな陰線を出している5401新日鉄、5713住友鉱、6758ソニー、8306三菱UFJ、8604野村 は小波動のボトムを出すのは少し先になると思います。

今夜の米国市場は見ものです。はたしてトランプラリーが再開するのかどうか? 私はトランプラリーの反省がそろそろ出てくるのではないかと思っていますが、米国市場はトランプの経済政策を期待して酔いしれているだけにラリーは終わったとはまだ言えません。


(2016.12.28) TOPIX 1536P(+0)  日経平均 19401円(-1) 13.1億株 (1兆5591億円)

昨日の海外株は
(1)中国上海 -0.25%
(2)英FT100 -
(3)独DAX +0.19%
(4)仏CAC +0.18%
(5)NYダウ +0.06%
(6)ナスダック +0.45%

休場明けの米国は小幅上昇。ただ経済統計値がよかった割には上昇が限られた。出来高も薄いのでまだ投資家は市場に戻っていないようです。

米国長期債利回りは2.563%と上昇し、円は117半ばへ少し円安になる。 東芝は-80円のストップ安比例配分で終わる。

日経平均は海外勢の参加がなく小動き。出来高・売買代金ともに極めて薄かった。

■■ グラフを見て売買方針を切り替えることについてC ■■

「売買方針を切り替える」とは、
  1. トレンドが上を向いたと判断したときは買い方針
  2. トレンドが下を向いたと判断したときは売り方針
  3. トレンドの判断ができないときは逆張り方針
をとるというだけのことです。その際に何を基準にしてトレンドを判断するのか? が問題になりますが、ここまでの連載では4本の平均線(9 日線・25日線・75日線・200日線)と株価の位置関係を見て、
  1. 株価が4本の線の最上位に出たときからは上昇トレンドにある。
  2. 株価が4本の線の最下位に出たときからは下降トレンドにある。
としてきました。上昇トレンドにあるときは買うのだけれど、いつ買うのかのタイミングはいくつも考えられます。最も簡単なのは、@株価が4本の平均線を上回ったら買うということですが、人によっては少し様子をみてA株価が安くなったら買う(例えば陰線が2本続いたら買う、順位相関が-50以下になったら買う)というタイミングを掴むことが考えられます。

@は順張りの買いで、Aは逆張りの買いです。順張りの買いは必ず買うことができますが、Aに比べるとどうしても高く買うことになります。だがAを狙っていてもそういう情況が現れなければ、買いのチャンスを逃します。どちらのタイミングで仕掛けるのかは投資家の性格によって違います。

だから誰にでも当てはまる説明をすることはできませんが、話を単純にするために、@の順張り(株価終値が4本の平均線のすべてを上回ったら翌日に買う。株価終値が4本の平均線のすべてを下回ったら翌日に売る。)で仕掛けるときの例を掲げます。次は今年2016年のグラフです。


上図の(a)(b)(c)(d)(e)で株価が4本の平均線を下回っています。単純には4本の平均線を上回る(下回る)その日に買い・売りを決定すればよいのですが、株価は結構フラフラと動きます。そこで本当に下回った(上回った)のかどうかを判定するために以下のチェックをしています。これはHPで何度も行ってきました。
  1. 9日線が最下位にあるときは2日連続して、株価が9日線を下回ったときに売りとする。
  2. 25日線が最下位にあるときは3日連続して、株価が25 日線を下回ったときに売りとする。
  3. 75日線が最下位にあるときは4日連続して、株価が75 日線を下回ったときに売りとする。
  4. 200日線が最下位にあるときは5日連続して、株価が200日線を下回ったときに売りとする。
といういつものルールを使っています。これによると
  1. は2016年1月5日、終値18374円で売り
  2. は2016年2月4日、終値17044円で売り
  3. は2016年4月4日、終値16029円で売り
  4. は2016年5月9日、終値16216円で売り
  5. は2016年6月13日、終値16019円で売り
  6. は2016年10月13日、終値16774円で買い
  7. は2016年11月11日、終値17374円で買い
となります。ザッと見ると、(c)(d)は負けているようです。間違った信号を出しています。

「仕掛け」は@順張りがよいのか A逆張りがよいのかは、検証をしてみなければ判断できません。同じく「決済」はどうすればよいのかも様々な検証をする必要があります。この検証に要する時間は1か月はかかるでしょう。まず今年中には絶対に検証はできないので、私がいま思っている1つの仮定で決済をしたとして説明します。(だから正式な結論ではありません)

売買のしかたは
  1. 株価が4本の平均線の最上位に出た日の翌日の始値で買う。
  2. このとき決済するタイミングは、毎日HPに掲げている「パラボリック」の売買マーク(売りマーク)によって翌日の始値で転売する。
  3. 株価が4本の平均線の最下位に出た日の翌日の始値で売る。
  4. このとき決済するタイミングは、毎日HPに掲げている「パラボリック」の売買マーク(買いマーク)によって翌日の始値で買い戻しする。
次図の青色文字(a,b,c,d,e,f,g)は株価と4本の平均線による仕掛けの日です。赤色の(A,B.C,D,E,F)はパラボリックによる決済の日です。2016年は以下のようになります(日経平均現物の翌日始値の値段)
  1. 18410円売り→16054円買い戻し(+2356円)
  2. 16790円売り→15851円買い戻し(+939円)
  3. 16044円売り→16629円買い戻し(-585円)
  4. 16307円売り→16830円買い戻し(-523円)
  5. 16001円売り→15153円買い戻し(+848円)
  6. 16751円買い→16964円転売(+213円)
  7. 17467円買い→19401円(現在値)(+1934円)
合計で+5182円の利益になります。決済のしかたはどうやればよいのかはともかくとして、トレンドに従えば大きな損失を出すことはないし、逆張りで決済するよりも大きな利益を出す可能性が大きいということがおわかりになるでしょう。



(2016.12.29) TOPIX 1518P(-18)  日経平均 19145円(-256) 22.4億株 (2兆 796億円)

昨日の海外株は
(1)中国上海 -0.40%
(2)英FT100 +0.54%
(3)独DAX +0.02%
(4)仏CAC -0.01%
(5)NYダウ -0.56%
(6)ナスダック -0.89%

米国は下落する。米国も年内の取引は29日・30日・31日の3日を残すばかりになりましたが、トランプラリーは沈静化した感じです。 米国長期債利回りは2.510%(-0.053)と低下し、円は116円台半ばへと円高になる。

東芝は258円(-52円)と大幅続落する。来年の株高を期待して押し目買いをしたいという向きが警戒感を抱き、市場は売り急ぎとなりました。 日経平均は-100円安で寄り付いたが、時間がたつにつれて次第安になり、一時は-309円安まで下げる。

ようやく日経平均は素直な動きになりました。小波動のピークらしさが6ポイント以上になったのは、図の(a)(b)(c)です。(b)は6.5ポイントあり、この上昇小波動では最高のポイントでしたが、ピークにはならなかった。

(c)は@新高値の、A陰線、B9日順位相関が+80以上、C25日順位相関が+80以上、D25日騰落レシオが120以上、にE前日の25日投資マインドが85以上、ということでピークらしさは6ポイントであるとHPに書きましたが、トランプラリーが続いていたので7ポイントになってくれれば、売りに自信が持てるのだが と思っていました。

7ポイントになるためには、F《デンドラ24》の最も高い上値メドの19826円にタッチするか、G(c)の翌日が「順下がりの陰線《になるか、の2つの可能性がありましたが、どちらも満足することができずに、(c)は6ポイントで終わりました。

まだ小波動のピークは表示されていませんが、今日の日経平均は(b)(c)の株価水準を下回っているので、(c)がピークであった可能性は非常に高いでしょう。

日銀は今日もETFを742億円買い入れ、無理やりに日経平均を買い支えていますが、本来であれば日経先物が-360円安であったように、-300円以上の下落となってもおかしくはありませんでした。日銀のETF買いは相場の柔軟性を取り払い、硬直させています。市場が将来を予想して売買するのではなく、日銀が買うか買わないかが売買の基準になっています。

日経新聞によるとEFTの70%は日銀が保有しているそうです。現在の状況は明らかに異常です。そもそも世界の中央銀行のうちで株式(ETFも同じ)というリスクが高い資産を購入しているのは日銀だけです。日銀は1万円札を印刷すればいくらでもETFを買う資金ができるので、好き放題にETF買いができます。しかし2008年のリーマンショックのようなことが 起きて日銀が大量の不良資産を抱えることになったときはどういうことが起きるのか? 円の信頼はほとんどなくなります。

今の日銀は「前引けがマイナスなら」ETFを買っていますが、将来、日銀にETFがあふれるほどたまったならば、「前引けがプラスならば」手持ちのETFを売るという時期がやって来ます。このときは日銀の売りによって日経平均はナカナカ上昇しないということになります。 日銀はETF買いをいつまでも続けてはいけない。「角をためて牛を殺す」(牛とは株式市場です)ことになりかねないと心配しています。


(2016.12.30) TOPIX 1518P(+0)  日経平均 19114円(-30) 16.6億株 (1兆71256億円)

昨日の海外株は
(1)中国上海 -0.20%
(2)英FT100 +0.20%
(3)独DAX -0.21%
(4)仏CAC -0.20%
(5)NYダウ -0.07%
(6)ナスダック  -0.12%

米国は下落する。 米国長期債利回りは2.481%(-0.029)と低下し、円は116円台半ばの円高が続く。

日経平均は小波動のピーク19592円を表示して、目下は下降相場にはいったことを表現しました。

今年の相場は実に難しかった。2015年12月1日に19797円だった日経平均は2016年2月12日には14952円までタッタの50日間で-24%下げました。だいたい逆張りをする投資家は日経平均が-10%下げれば買ってきますが、それよりさらに-14%も下げたので損切りをするほかはなかった。トレンドは下降であったので逆張りの買い勢力は全滅しました。

2月12日から10月12日に株価が4本の平均線を完全に上抜けるまで約70日間は保合いの相場となりましたが、11月10日にトランプが米国大統領に当選したことをきっかけにして今日上昇を開始し、打って変わってトレンドは上昇に変わり、大統領選の前日の終値17171円から12月20日の19494円まで+13%の上昇となりました。この上昇の勢いは強烈で、約30日間の上昇のうち9日線を下回った日は12月5日と6日の2日間だけでした。

私は12月1日からトランプラリーはもうじき終わるのではないかと思っていましたが、これは上昇の第一段目のピークでしかなく、12月21日のザラバ高値19592円までの上昇が続きました。

はたしてトランプが主張する米国の経済対策や減税、あるいは移民の制限によって米国経済がよくなるものなのか? 米国経済がよくなったとしても新興国の経済が失速するのではないか? の心配があったのでトランプ政策に対しては批判的でした。いつトランプの幻影が消えるのかを見届けるしかありませんでした。

今日のサンケイ新聞に阪大名誉教授の猪木武徳さんが「時代は文明から野蛮に戻るのか」という見出しでエッセーを書かれていました。要旨は『今年の情勢を振り返ると、これまでゆっくり進行してきた「統合と収斂(しゅうれん)」の動きが大きく後退し、「分離と発散」への傾向が顕著になったことに気づく。』 ということです。

(ここからは私の意見)その1つは6月末の英国のEU離脱であり、2つ目はアメリカファーストを強調するトランプの当選です。どちらもグローバイリズムを捨ててナショナリズムに傾きました。ナショナリズムとは自国の利益だけを考えて、他国の利益を奪い取るものです。利益が相反する相手のことは考えない。

猪木武徳さんが言われている「分離と発散」について私なりにいえば、平家と源氏の戦いは2者 の争いであり、豊臣と徳川の関ケ原の戦いも2者の争いです。明治維新も徳川と天皇を表に立てた薩長との2勢力の戦いです。国が分離・発散してバラバラになっていたわけではありません。バラバラになっていたのは戦国時代です。この時期は自国の存続や勢力拡大のためにさまざまな陰謀が図られました。自分一人の利益を求めることはまったく品性がいやしい。人を犠牲にして自己の満足をえる。そういう時代に今の国際情勢はなりはじめているのではないか。

今年ほど相場の行く末不透明で、チャートがあまり効かなかった年は珍しい。世界は新しい(しかし全世界的に眺めるとマイナスだと思う)時代に入ってきた感じがします。グローバリズムからナショナリズムへの転換が起きているのでしょう。弱肉強食の時代にはいるのであれば、それは恐ろしい。


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