![]() | 日経平均をどう見たか・判断したか (2016年 9月) |
目次へ.. 過去の判断.. 前月分へ.. 次月分へ.. (2016. 9. 1) TOPIX 1337P(+7) 日経平均 16926円(+39) 18.4億株 (1兆9541億円) ![]() 昨日の海外株は (1)中国上海 +0.35% (2)英FT100 -0.58% (3)独DAX -0.61% (4)仏CAC -0.41% (5)NYダウ -0.29% (6)ナスダック -0.19% と小安い。長期金利は1.583%(+0.012)と少し上昇し、少しドル高・円安になる。 ナスダックは8月中旬までジリジリと上昇していましたが、この後は上値支え(つかえ)になったようで、8月後半はわずかながら下落気味です。 明日は8月の雇用統計が発表されますが、昨日のADP調査による雇用者数は+17.7万人だったから、悪い数字は出てきそうにありません。 となると、金利の早期引き上げを予想する向きが増えて、株価を下落させかねない。 WTIは40ドル水準にある200日線が下値支持の水準です。グラフからは40ドルを下回るとは思われませんが、昨日は割りに大きな陰線を出して25日線まで下げました。これが200日線まで下落するスタートなのか、それとも25日線で止まって反発するのかを注視しなければなりません。 原油価格はNYダウやナスダックと連動します。日経平均は基本的にはナスダックに連動します。(ただ4月以降は為替の関係が強くなっているので、強い連動はしていない)。 原油安は日経平均を下げる働きがあります。 ![]() 今の日経平均を動かしているのは、円レートだけです。今のところ3円程度の円レートの変動を見て、日経平均が上がったり下がったりしています。 国内に固有の材料はないのかといっても、答えは「ない」です。グローバル化した経済下では、一国だけが有利な産業を持つことはできないし、他国の経済に大きな影響を受けます。 今は、@中国がリストラ・清算状態になり、A英国がEU離脱をしたことでポンド安になり、BEUも英国を欠けば経済規模が縮小する。C日本は日銀がこれ以上の金融政策はなかろうというくらいの超金融緩和をしましたが、その効果は2015年7月で終わりました。Dかろうじて米国だけが雇用を増やし、GDPも何とか1%成長を維持していますが、決して力強い経済状況ではありません。 2008年9月のリーマンショックのあとの2009年2月から、世界の株価は大きく上昇しました。2015年の5月には各国の株価がピークを出したと思われます。なんと6年以上の株価上昇となりました。通常実体経済を基本とした株価上昇は5年以上続くものではありません。経済がたいしてよくないのに、6年間も世界の株価は上昇したのです。 この原因は各国の中央銀行による、@超低金利(ゼロ→マイナス金利)とA異常な量のマネーの放出でした。一般市民には無関係なこの2つを使って、1)物価を高くする、2)株価を高くすることが狙いでしたが、少なくとも日本は1)2)ともに失敗に終わりそうです。 中央銀行の金融政策が最もよく効いた米国は、国民が若いというこです。人口も増えている。最も大胆な政策をとった日本はダメだった。国が老齢化し人口が減っているからです。グルーバル企業にとっては、特に日本に生産設備を建設して国内で生産をするメリットはありません(トヨタだけは頑張っているが)。 |
(2016. 9. 2) TOPIX 1340P(+3) 日経平均 16925円(-1) 16.4億株 (1兆8673億円) ![]() 昨日の海外株は (1)中国上海 -0.72% (2)英FT100 -0.52% (3)独DAX -0.55% (4)仏CAC +0.03% (5)NYダウ +0.10% (6)ナスダック +0.27% 米国8月のISM製造業指数は49.4%と50%を切る(予想は52.0%だった)。50%を切るようでは米国メーカーの景況がよいとはいえません。 このため早期の金利引き上げは遠のいたのかの思いが出て、長期金利は1.571%(-0.012)と昨日上昇した分だけ低下する。 FRBは@物価の安定とA雇用(賃金)の維持を目的にしています。@の物価上昇率は1%程度で、適当といわれる+2%までにはまだまだです。Aの雇用はどうかは今夜の雇用統計で明らかになりますが、6月の+29.2万人、7月の+25.5万人のようにビックリする数字がでるとは思われません。 もともと雇用統計の数字はブレが大きく、5月は (4月の)+14.4万人→+3.8万人へ10万人減りました。その後5月の+3.8万人は+1.1万人へ下方修正されました。6月は+1.1万人→28.7万人へ27万人が増加しました。雇用統計の数字のブレの大きさは激しすぎます(その後+29.2万人に上方修正されブレはより大きくなった)。7月は(6月の)+29.2万人→+25.5万人となっています。このように雇用者数の数字は激しく変化するので、単に8月の数字だけで、FRBが早期の利上げをするとは思われません。 ![]() 米国景気が好調であったのは2013年6月から2015年10月までの29か月間です。これはISM製造業指数が50%を超えて50%を下回るまでの期間です。この2年5か月は米国景気が強く回復した時期です ところが2015年11月から4か月にわたり指数は50%を下回りました。2016年3月になんとか50%を超えたものの8月は49.4%と再びの50%割れとなりました。50%を超えていたのは5か月間で終わりました。米国の景気は悪くはないが良くもないことがわかります。 物価や雇用の背景にあるのは、その国の経済状態です。いまはもう米国経済の伸びは止まりつつあります。この状況下で金利を引き上げることは拙速でしょう。それでも金利を引き上げるなら、@米国経済の伸びはほとんど失われ、A米国の金融緩和による融資を得ている新興国の資金繰りが難しくなり、Bドル高が米国経済を抑えつけます。 これを受けて円レートはしばらくは円安にブレて日経平均は上昇するでしょうが、世界経済全体としては金融緩和ではなく金融引き締めになります。従って経済成長は抑えられ、鈍化します。経済のグローバル化が進んだ今、米国内の物価とか雇用とかで米国の金融政策が簡単に決まる時代ではありません。イエレンFRB議長は早期の利上げをすることはない。今年12月も利上げはできないと思っています。 |
(2016. 9. 5) TOPIX 1343P(+3) 日経平均 17037円(+111) 17.5億株 (1兆7400億円) ![]() 昨日の海外株は (1)中国上海 +0.13% (2)英FT100 +2.20% (3)独DAX +1.42% (4)仏CAC +2.31% (5)NYダウ +0.39% (6)ナスダック +0.43% 米国8月の雇用統計は+15.1万人増(予想は+18.0万人)と思わしいものではなかったが、6月の27.1万人→7月の27.5万人→8月の15.1万人の3か月平均は+23.2万人となるので、米国では金利引き上げが後退するとは判断されなかった。国債利回りは1.605%(+0.034)と上昇し、円安・ドル高へ。 欧州では雇用統計の+15.1万人が小さいことを見て、米国金利の引き上げは先に延びたと判断し、英独仏市場は大幅高となる。欧州と米国の判断は分かれました。 円レートは104.17円になるなど円安が進んだため、日経平均は+205円高で寄り付いたが、それ以上の円安は進まず+111円高で終わる。今夜は米国市場が休場とあって、出来高・売買代金は増えず。先物の出来高だけが通常の2倍ほど出来ており、先物が主導した1日でした。 ![]() 日経平均・日経先物は新高値の陰線となり、今日で小波動のピークになった可能性があります。 定点観測9銘柄においても「新高値の陰線」となった銘柄がいくつかでています。 5401「新日鉄」は新高値の上ヒゲ陰線。9日と25日の順位相関は共に+80を超えているので、せっかく株価が200日線を上回ったものの、ここでひと調整をしそうです。 7203「トヨタ」も新高値の長い陰線で、200日線を4日連続して上回っているが、5日連続で200日線を維持できるかというところ。9日25日順位相関が+80以上であるのもピークらしい。 8306「三菱UFJ」は新高値の長い陰線で前日の小陰線を「包み下げ」る。右の3銘柄で最も足は悪い。200日線を超えることもできていません。 |
(2016. 9. 6) TOPIX 1352P(+8) 日経平均 17081円(+44) 15.4億株 (1兆6249億円) ![]() 昨日の海外株は (1)中国上海 +0.15% (2)英FT100 -0.22% (3)独DAX -0.11% (4)仏CAC -0.02% (5)NYダウ - (6)ナスダック - 米国は休場。手本がないため日経平均は動かず、日中の値幅は73円しかなかった。当然に出来高・売買代金とも薄く、日経平均の動きの方向性は定まらず。 今のところ日経平均は75日線を下限とし、200日線を上限とした動きであろうと思っているので、そろそろ下落する順番になりますが、最近の小波動の大きさは1000円ありません。 したがって短期(5〜10日)の投資をしても日経平均でいえば300円取れたら上々のできであり、デイトレをしようとしても1日の値幅が100円を超える日は少ないため、30円取れたら上々です。利食いも損切りもできるような値動きがないので、9月に入ってのデイトレの成績は次のようになり、わずかの利益しかでません。 9月21日のFOMC、同じ21日の日銀決定会合までこういう状況が続くのであれば、投資家にとって辛いことになります。 H2016年9月のトレードの成績 ・ 《リアル24》Ver.6日経ミニ、(拡張7)No.65「GP 新値突破」、(ギャップ調整)
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