日経平均をどう見たか・判断したか (2016年 3月)

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(2016. 3. 1) TOPIX 1300P(+2)  日経平均 16085円(+58) 22.2億株 (2兆1481億円)


先週末の海外株は
  1. 中国上海 -2.86%
  2. 英FT100 +0.01%
  3. 独DAX  -0.19%
  4. 仏CAC  +0.90%
  5. NYダウ  -0.74%
  6. ナスダック  -0.70%
中国は人民銀行が預金準備率を0.5%引き下げて17.0%にしましたが、中国市場は中央銀行の金融緩和では満足しませんでした。

先般上海で開催されたG20の共同声明は、1)金融政策、2)財政政策、3)構造改革 のすべてを使って世界経済の停滞を防ごうというものでしたが、3)構造改革は5年以上はかかりるので今すぐの株価上昇の材料にはなりません。

1)金融政策は日欧はマイナス金利まで踏み込み、もうあとは打つ手がないという状況です。残るは、2)財政政策ですが、GDPをアップさせるにはこれ以上のものはありません。政府が直接支出するのだから、よほど下手な使い方をしない限りGDPはアップします。(下手な使い方とは、子育て支援として家庭に援助金を支給するが、それは消費に回されずに家計の貯蓄に回される、というのが例です。支給したものは必ず消費に回らねば財政出動の意味がありません)

日本のGDPは約500兆円ですが、5兆円の政府支出をすればGDPは1%アップします。これほど確実にGDPをアップさせる方法はありません。誰かが支出すると、それがバカバカしい買い物であっても、金を受け取った業者は潤い、消費を拡大させます。バーナンキ前FRB議長が学者時代に、恐慌について研究し「ヘリコプターから現金をばら撒け」ば不況は脱出できるといと結論したという話を何かの本で読んだ覚えがあります。いまではバーナンキの「ヘリコプター理論」といわれているものです。

1)金融政策で金融を緩和しても、企業が将来利益が出そうだという判断をしなければ投資はしません。日銀が量的質的緩和に加えてマイナス金利に踏み込んでも、企業は設備投資をしないのは、売れる商品が見当たらないからです。企業は十分な内部留保をしています。金利が安いからといって、借金して投資するほどの対象がないというのが現実です。

米国はインターネットを生み出したことにより、グーグル・アマゾン・フェイスブックといった新しい企業を生み出し、アップルのアイホンによってアップルは世界一の企業になりました。残念ながら日本は製造業がメインでありインターネットの普及期に電設工事会社・中継設備の会社・プロバイダーなどが一時脚光をあびましたが、今はゲームソフトの企業とアイフォンに供給する部品メーカーだけが残っています。ただゲームソフトの会社は日本全体のGDPにおいては微々たる存在です。

やはり即効性のある政策は2)財政政策ですが、財政投資は税金あるいは赤字国債でまかなわれます。一部の者だけが恩恵を受けるとか、無駄投資をするとか、将来の人間に先送りするとかのマイナーなイメージがあって、政府も大規模な財政支出に踏み切れません。だがこのG20の共同声明は、日本に財政支出はしかたがあるまいのムードを作りました。しばらくは財政出動が材料になると思われます。



(2016. 3. 2) TOPIX 1349P(+48)  日経平均 16746円(+661) 24.8億株 (2兆5934億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 +1.68%
  2. 英FT100 +0.91%
  3. 独DAX  +2.34%
  4. 仏CAC  +1.22%
  5. NYダウ  +2.10%
  6. ナスダック  +2.88%
米国は2月のISM製造業指数が48.2→49.5へと予想(48.5)を上回る数字となり、米国景気の後退懸念が薄れました。そこへ原油が34.40ドルとしっかりだったため、米国は大きく上昇する。

NYダウは75線近くまで上昇し、ナスダックも75日線に戻そうかという勢いです。NYダウは(a')から3陽連を出していたし、25日線を連続3日上回るなどして、早くから75日への挑戦権を得ていました。ナスダックは(a)から窓あけの4陽連でNYダウよりも強い足で上昇をスタートさせていたものの25日線を上回ってからの上昇の勢いがなくなっていましたが、昨日はようやく目覚めて上昇する。


海外・日本を含め2月11日か12日が最近の安値です。波動が上昇波動になったと確認できるには、基本はボトムが切り上がり、ピークが切り上がることが必要です。

まだ最安値から上昇してきたばかりの段階であるので、ボトムの切り上がりが確認できるのは半月くらい後ですが、それに先んじてピークが切り上がっているものがあります。NYダウとFT100です。

とくにFT100は、(a)からの上昇スタートは4陽連(しかも陽線の幅が大きい)で始まり、75日線にぶつかって2日ほど反落したが、75日線を3日連続して上回っています。あと1日上回れば、75日線を完全に上抜いたといえます。

すると今後は景気循環の基準である200日線への挑戦ができることになります。目下のところFT100が世界の市場のなかで最も先行して上昇しています。FT100の今後の動向は先行指標として気にしておく必要があります。

WTI原油は先のピーク34.82ドルに迫っていますが、終値ベースでは昨日ピークの切り上がりを見せ、75日線に肉薄しています。FT100より遅れているが、NYダウといい勝負で75日線を上抜く可能性が高い。ただ原油価格はサウジ・ロシア・イランなどの供給側の政治的な動きに左右されるので、75日線を上回ったからといっても安心はできません。


米国のよい統計指標がでたことによって、米国国債利回りは1.828%へ上昇して為替は円安・ドル高となりました。

日本にとっては、@ナスダックが+2.88%の上昇をし、A円レートが1円以上の円安になったことから、日経平均は+305円高から始まる。

その後も、B政府の財政出動期待と、C11日間に亘る16200円を中心にした保合い中に売った向きの買戻しがでて、一時は16815円(+729)まで上昇したが、+661円高の16746円で終る。

日経平均の(a)からの上昇の1日目は+1069円高と非常に大きかったが翌日からは失速して、ナスダックやFT100のような力強い上昇を表現することはできませんでした。そのため11日間に亘って25日線を上抜くことができず、保合いに終始していました。

今日は@〜Cの原因によって75日線を上抜くことができましたが、あと3日間株価が75日線の上位に居続けることができるのかどうかを見ないことには、75日線を目指しての上昇に入ったのか否かの判断はできません。

ただ幸いなことに小波動のピークらしさのポイントはまだ1でしかなく、過熱感はまったくありません。米国株価の上昇が続くなら先のピーク17905円までの上昇の可能性がありますが、その前に《デンドラ24》の最も高い上値メドの16896円が控えているので、ことはそう簡単ではありません。



(2016. 3. 3) TOPIX 1369P(+19)  日経平均 16960円(+213) 27.4億株 (2兆5382億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 +4.26%
  2. 英FT100 -0.09%
  3. 独DAX  +0.61%
  4. 仏CAC  +0.41%
  5. NYダウ  +0.20%
  6. ナスダック  +0.29%
一昨日の米国株の上昇は影響力が大きかった。

昨年5月の株価のピークから、基調的には原油安で株価は下落傾向にありましたが、8月には中国経済の後退懸念から世界の株価は暴落し、今年1月からは原油が35ドルを割り込んだことからまた暴落。

そこへ原油安から欧州の銀行不安が発生し、米国経済の停滞懸念も出て2月も下げるという散々な目にあいましたが、欧州の銀行不安がまず消え、原油も35ドル近くまで戻り、米国経済は堅調であるの統計指標がでて、ひとつひとつ危惧したことが解消されつつあります。

だがそれは株価下落による恐怖心がもたらせた最悪の事態がなくなってきたということで、世界の経済が上向くわけではありません。中国は構造的に成長はできなくなってしまったし、原油市況も資源国の財政事情によっては再び下落する可能性も大いにあります。

日経平均は米国株価を手本として動きます。これは東京市場における海外勢の売買シェアが70%くらいあるので、海外勢の動向に振り回されてしまうからです。例えば米国株を買った海外勢は日本株も買うし、米国株を売った海外勢は日本株も売るためです。したがって日本の株価は米国に連動します。

ただ日本固有の材料があるために米国株と同じ率で上下しないだけです。固有の材料とは、@為替レート、A中央銀行の金利政策、B企業業績、の違いです。日本は今円高に振れているためにナスダックほど上昇できていませんが、方向は同じです。



(2016. 3. 4) TOPIX 1375P(+6)  日経平均 17014円(+54) 26.5億株 (2兆4902億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 +0.35%
  2. 英FT100 -0.27%
  3. 独DAX  -0.25%
  4. 仏CAC  -0.20%
  5. NYダウ  +0.26%
  6. ナスダック  +0.08%
各国とも2月11日〜12日の最安値から大きな反動高となりましたが、反動高の時間も14日〜15日が経過しました。

ナスダックは大陽線を出した後、2日続けて小陽線になり上値がやや重くなっています。2月のISM非製造業指数は53.4%で予想よりは少しよかったものの、かつては60に近い数字であったのに比べると、最近では最も低い数字です。

日経平均はナスダックと同じように次第に上昇がゆるやかになり、海外高か円安がなければ一層の上昇はつらくなった感じです。


大勢波動が上昇トレンドにあるときは、小波動の上昇期間は長く・下落期間は短いのが普通ですが、今は大勢波動が下降トレンドに入るか入らぬかの境にあります。

中勢波動は、小波動が3段下げをし、2段上げで構成されると思っていたほうがよいでしょう。

図の8月の高値(a)は4平均線が株価→9日→25日→75日→200日の順な関係にあり、株価は200日線よりはるかに上位にありました。大勢波動は上昇トレンドにありました。

しかし8月に中国ショックがあって小波動は@ABの3段下げとなり、株価は200日線を大きく下回りました。ここで中勢波動は下降波動に転換したと思われましたが、(b')を経て(b)まで上昇し一応株価は200日線を上回りました。(モデル波動では(b')でピークになるのが典型)

(b)からは再び小波動は@ABの3段下げをし、2月12日まで下げて今日(c)まで反発したという格好です。B→(c)までに小波動はピークを表示していないので、今のところは反動高の上昇1段目としか判断できませんが、B→(b)のように2か月近く上げても小波動が1段上げで終る例もあります。

もし今回の上昇が2段上げで終るならば、1段目のピークは近い。また2段目のピークは75日線までだと思っています。



(2016. 3. 7) TOPIX 1361P(-13)  日経平均 16911円(-103) 22.1億株 (2兆1722億円)


先週末の海外株は
  1. 中国上海 +0.50%
  2. 英FT100 +1.12%
  3. 独DAX  +0.74%
  4. 仏CAC  +0.92%
  5. NYダウ  +0.37%
  6. ナスダック  +0.20%
米国2月の雇用統計は+24.2万人増(予想19.0万人)とよかった。1月分は15.1万→17.2万人へ、12月分は26.2万人→27.1万人へとそれぞれ上方修正され、米国の雇用は強いことを示しました。

本来ならこれほど雇用の数字がよければ、この16日のFOMCで金利引き上げが決まるのではないかの懸念がでて株価は下落するところですが、市場はその懸念を抱かなかった。しかし株価は上昇もしなかったのは、米国株価は当面の高値圏に達しているということでしょう。

米国金利は1.880%(+0.041)へ上昇したが、ドルは幾分安く、したがってやや円高に振れる。日経平均は利食い売りに押されて少し下げるが、これで3日連続して株価が75日線を上回っているので、明日大幅安にならない限り、先の高値17905円への挑戦権を得そうです。

ただし17900円の奪回は相当に困難です。すでに東証1部の連結PERは15.64倍になっています。16倍を超えて17500円以上まで買われるには一層の米国株高にならねばなりませんが、どうも目先の米国株は戻り一杯の感じです。

日本固有の材料としては、@5兆円規模の補正予算(財政出動)があるのかどうか、A10%への消費税引き上げを延期するのかどうか、B日銀の追加金融緩和があるのかどうか、などがありますが、今のところ可能なのは@くらいのことでしょう。その場合でも@に補助金的なものが含まれれば、1兆円の補正予算を組んでもGDPを+1兆円伸ばすことには結びつかないので、純粋に政府が直接に使う額がどれだけになるのかが問われます。



(2016. 3. 8) TOPIX 1347P(-14)  日経平均 16783円(-128) 25.4億株 (2兆5754億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 +0.80%
  2. 英FT100 -0.27%
  3. 独DAX  -0.64%
  4. 仏CAC  -0.32%
  5. NYダウ  +0.39%
  6. ナスダック  -0.18%
雇用統計の発表がすんだ後の米国株価は小動きになりました。

金曜日に発表された投資主体別売買動向によると、12月・1月・2月に買ったのは国内法人(金融機関+事業法人+投信)が、+1.2兆、+0.9兆、+1.4兆円で計+3.5兆円の買い越し。売ったのは海外勢で、1月-1.0兆円、2月-2.0兆円で計-3兆円の売り越しでした。

法人部門の買い越しの多くはGPIFの買いだと思われますが、グラフを見ると日経平均は1月は19033円→16017円へ約3000円下げ、そこから2月初めの17865円まで約1800円戻す。下げ幅の約60%戻しをしました。1月の法人買いと海外売りはほぼ同数ですが、海外勢の売りの勢いが強く、株価は下げました。

2月は17865円→14952円へ約2900円下げ、そこから2月末の16026円まで約1100円戻す。下げ幅の約30%弱の戻りです。2月の国内法人の買いは+1.4兆円でした。海外の売りが-2.0兆円であったので、2月の下げは当然です。

国内法人が海外の売りと同じ金額の株式を買っても日経平均の下落は止まらないし、ましてや株価が上昇することはありません。同じ金額でも海外の売りの影響力が大きいのは、海外の投資の判断基準は「予想」によるものであるからでしょう。世界(景気・株価・債券)がどう動くかを予想して株式の保有率を変えていく。だから株式の保有率が決めたところまで低下するまでは売り続けます。

一方国内法人は、株式価値を重視します。(例えば株価価1年前に比べて安くなった、PERが低くなった、配当利回りが高くなった) 株式の相対的な価値が高くなったと思われるときに買い越します。したがって株価が上昇すれば買いはストップします。株価が上昇してもさらに買うということはありません。株式市場に対するインパクトは小さい。株価の底抜けを防ぐだけです。これは日銀のETF買いも同じで、日経平均の下落を下支えするだけです。GPIFが買ったから、日銀がETFを買ったから株価が上昇することはありませんが、行く過ぎた株価の下落はこれによって修正されます。だからパニック的な売り物が殺到し、サーキットブレーカーが発動するといったことは今後は少なくなるのでしょう。

ともかく東証はNY市場についで株式の売買がやりやすい市場です。残念なことは、その市場環境を充分に利用した海外勢が日本の株式を圧倒的なシェア(約70%)で売買しています。日経先物などは海外勢のやり放題になっています。今日16800円で終った大証の先物が、米国のCMEで17000円がつけば、翌日の日経平均は17000円近辺から始まります。すべてが米国の値段が基準になります。

日本人は自国の経済状況を知らないわけではありませんが、株価は海外でついた株価を基準としてしまう。海外勢より日本勢のほうが日本経済については詳しいはずです。しかし間違っていると思われる海外勢の売買には逆らえていません。海外勢に対抗できる国内の投資家はありません。野村も大和も身を縮込めたままです。海外勢に思うさまやられている東京市場はなさけない。



(2016. 3. 9) TOPIX 1332P(-15)  日経平均 16642円(-140) 22.4億株 (2兆2806億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 +0.14%
  2. 英FT100 -0.92%
  3. 独DAX  -0.88%
  4. 仏CAC  -0.86%
  5. NYダウ  -0.64%
  6. ナスダック  -1.26%
と下げる。中国の2月の貿易統計は、輸出が-25.4%、輸入が-13.8%と大幅な減少となりました。かつては世界の工場といわれた中国の輸出が大打撃を受けています。

今日の日経新聞によると、アジアの主要な上場会社の2015年度の決算は純利益が前年比-7%減る。中国は-9%減る。と報じました。特に巨大な国有企業の中国海洋石油、ペトロチャイナといったエネルギー資源会社は-60〜-70%の減益になる。IT大手のレノボは赤字に転落とか。

中国の輸出が急減しているのは、@世界の景気が悪くなっているので販売が増えない、A中国が輸出競争力を失っている。の2つの要因があるかと思いますが、Aは確実に悪化しています。中国が世界の工場といわれたのは、1)海外からの投資資金を使い、2)最新の生産設備を国内に稼動させ、3)海外の生産のノウハウを盗み、4)安い賃金で生産したからです。

それが今やうまく回らなくなった。日本が現在の中国のような経済環境にあった1964年の東京オリンピックのころから、米国との貿易摩擦が生じました。初めは繊維製品です。次は鉄鋼、自動車。とにかく安くてよいものを輸出するので、米国の繊維・鉄鋼・自動車産業は立ち行かなくなりました。次にテレビ・ビデオなどの家電が世界を席捲しました。この過程で日本は1億総中流といわれるほど日本人全体の所得が上がりましたが、今の中国は一部の特権階級を生んだだけのようです。

中国の貿易収支は今後は輸出はますます減り、輸入はさほど減らない。したがってこれまで外貨を蓄えてきた仕組みがドンドン無くなっていくのではないか? 輸出の減少は中国の競争力の低下がもたらせます。輸入がそう減らないのは国内の消費需要がよいものを求めるためです。中国は国内需要に応じられるように変わらねばならない。


まあ日本が中国の経済政策をどうのこうのといえる立場にはありません。 2012年12月にアベノミクスの3本の矢として、@大胆な金融政策、A財政出動、B構造改革 の3つがうたわれました。

だが、実際に行動を起こしたのは、@の日銀による異次元の金融政策だけでした。Aの財政出動も、子育てナントカとか、高齢者の福祉のナントカが多かった。こういう弱者救済の政策は通常の予算で扱うべきものです。

日本のデフレ脱却(GDPを引き上げ、物価をプラスにする)のためにはゼンゼン力不足です。BについてはTPPが目玉になりましたが、米国も日本もまだ批准できていない。構造改革は利害が衝突するので難しい。

私はアベノミクスに失望しかけています。いつになったら第3の矢が飛んでくるのか? 一体第3の矢を打つ那須与一のような実行者がいるのか。あれほど優れた経済ブレーンを抱えていても、第3の矢をどこに向かって打てばよいのかわからないのが現状でしょう。どうすれば経済がよくなるのか、どのような経済的な仕組みにすればよいのか、これに反対する既得権益者をどう扱うのか? 政治的な判断は難しいが、第3の矢によって開けるだろう将来の展望を提示できないなら 安倍体制の持続は心もとない。

日経平均は明日ザラバ高値が16830円以下であったなら、図の●の17042 円で小波動のピークを表示します。今夜の米国株価がよほど上昇しない限り、小波動はピークをうち、しばらくはモタモタすることになります。



(2016. 3.10) TOPIX 1352P(+19)  日経平均 16852円(+210) 19.8億株 (2兆 431億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 -1.33%
  2. 英FT100 +0.34%
  3. 独DAX  +0.31%
  4. 仏CAC  +0.49%
  5. NYダウ  +0.21%
  6. ナスダック  +0.49%
10日のECB会議、15日の日銀金融政策決定会合、16日の米国FOMCと金融政策の決定のスケジュールがメジロ押しです。

リーマンショック以来、各国は金融政策によって、@信用不安を払拭し、A低金利にして企業の資金繰りを助け、B量的緩和によって物価の低落を防ぎ、C同時に企業の設備投資を増加させ、D雇用を確保して賃金を上昇させて個人の所得を増やす ということを目標にしてきました。

@信用不安はなくなったし、A企業も助かった。ところがBの物価は上昇しないし、C設備投資も増えない。D雇用は米国や日本はすでに完全雇用であり、働きたい人間は皆、職につけている。だが賃金は上がらない。金融政策が有効であるのは@とAまででした。

Bの量的緩和からは、マネーをバラ撒けば、物価が上がりするだろう→したがって企業は物価が安いうちに設備投資をしておこう、あるいは2)早めに不動産を手当てしておこう、投資家にとっては3)早めに株式を買っておこう、という動きが出るはずでした。過剰なマネーはマネーの価値を下げます。だから実物資産(不動産・株式など)は上昇し、為替は円安になります。

だが過剰なマネーが市場に溢れ出したとき、確かに不動産と株式は値上がりしましたが、これは投機家が得た利益です。実体経済においては、B物価は上昇せず、C企業は設備投資をしない、D賃金も増えない、ということが明らかになってきました。現在の世界の経済は中央銀行の金融政策によってでは好転しません。なぜか? それは経済がグローバル化したためだろうと思います。一国の金融政策の効き目は小さくなっています。

日本がゼロ金利にし、大規模な量的緩和や資産買い入れをすることによって、円レートは80円割れから120円以上になりました。この過程で企業は法外な円安差益を得ました。特に企業努力をしていなくても輸出企業は為替が50%安くなったのだから、前期比で2倍3倍の利益が出て当然です。日本の利益は海外の不利益です。

日本の輸出企業の潤いを見て、各国は次々とユルユルの金融政策に踏み切りました。相対的に日本の円安による優位性は失せ、今や日銀がマイナス金利にしたにもかかわらず円高方向に進んでいます。日銀の金融緩和によって株式が上昇することは期待できません。今夜のECBで追加の金融緩和策がでても、株式市場にとっては大した影響がないのではなかろうか。金融政策の効果がマヒしてしまった今を打開するには、時代が変る以外にはありません。金融政策や財政投資に頼らずとも経済を拡大させるような新しいイノベーションが生まれることを願っています。



(2016. 3.11) TOPIX 1359P(+7)  日経平均 16938円(+86) 27.6億株 (3兆 883億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 -2.02%
  2. 英FT100 -1.78%
  3. 独DAX  -2.31%
  4. 仏CAC  -1.70%
  5. NYダウ -0.03%
  6. ナスダック  -0.26%
ECBは金融緩和を進めました。@市中銀行がECBに預ける金利は-03%から-0.4%にする。AECBの政策金利は0.05%から0%のゼロ金利にする。B月々の債券の買い入れ額は600億ユーロから800億ユーロに増やす、というものです。

昨年12月の日銀は@のマイナス金利を打ち出しただけでしたが、ECBは量的緩和も3割ほど拡大しました。800億ユーロとは、今日の為替相場では1ユーロ=126円くらいなので、1か月に約11兆円、年間130兆円の資産買い入れをするということです。

日銀の年間の買い入れ額が80兆円であるのと比べると、今回のECBは日銀を追い抜いた買い入れを決めたわけです。それほどユーロ圏の物価はデフレ状態に近いというECBの判断です。本来ならこれはユーロ安をもたらせ、輸出企業(特にドイツ)にとってはプラスになり、輸入価格が上がることによって物価が上がるというよい材料でした。 しかしECBドラギ議長は、今回は相当な決意を持って金融緩和を打ち出したようです。その後のコメントでは、さらなる金融緩和は想定していないと発言したことから、市場は金融政策による下支えはもうないのだと判断して、欧州市場は軒並み安となりました。

米国はなにしろGDPの70%は個人消費でもっている国です。米国の設備投資を加えると、ほぼ米国は輸出入に頼らなくても自国の経済の中で自給自足でできる唯一の国です。自立している国です。よって欧州市場は、ドラギ発言によって株価は大きく下げましたが、米国株は下げませんでした。 日本は米国とは違います。国内に限った経済の規模はそう大きくありません。GDPの60%が個人消費で、10%くらいが国内の設備投資です。自給自足とはいえません、したがって世界の経済の動向に日本経済は左右されます。

だが外需にたよらなくても経済は発展します。日本の経済がもっとも発展したのは室町時代から戦国期にかけてです。ここでは農業の生産性が飛躍的に向上しました。1人が働いて米を作れば、もう一人あるいは二人を養うことができた。さらに江戸期には元禄文化によって、日本経済は発展します。鎖国をしていても、1600年の関が原以来、日本経済は発展しつづけてきました。海外との交流はなくとも、経済は大いに拡大しました。これは日本人の発展志向(明日はもっとよい生活をしたい)があったあったからです。明治維新が成功したのもその精神が無くしては難しかったでしょう。

室町期・江戸期の経済発展の原動力は、働けば、工夫すれば、明日の生活はラクになる。という思いだったのではないか。アベノミクスの第3の矢がナカナカ出てこないのは、ビジョンがないからです。人は希望があれば動きます。年寄りであっても、こうしておけば孫のためになると思えば動きます。ところが政治は全部を金銭で解決しようとしている。金をばら撒けば不満が抑えられると思っている。無論、金で動くのは当たり前だけれども、金を重んじないで将来を考える人間は大勢います。必要なのは国民に希望を与えることです。



(2016. 3.14) TOPIX 1379P(+20)  日経平均 17233円(+294) 20.1億株 (2兆 620億円)


先週末の海外株は
  1. 中国上海 +0.19%
  2. 英FT100 +1.70%
  3. 独DAX  +3.51%
  4. 仏CAC  +3.27%
  5. NYダウ +1.28%
  6. ナスダック  +1.85%
ECBの金融緩和直後は、ドラギ総裁の今後の金利引き下げは考えていないという発言を重視して、株式市場は緩和があったのに下げるというチグハグな動きをしていましたが、昨日は一転して高評価に変り、欧州株は高騰する。

米国も欧州株高からFOMCを待たずして上昇する。欧州はデフレの危機にあります。日本がデフレに陥ってからの15年間、経済成長は止まりました。続いて欧州もデフレに陥るとなると、先進国が経済を先導することはできなくなります。そこへ中国の経済停滞です。中国はまだ強気の発言をしていますが、過剰設備・過剰生産は明らかです。今後1〜3年かけて需要に見合う供給態勢まで 絞る必要があります。当然に中国景気はよくなりません。

人が転んで骨折するのは一瞬のことですが、その回復には1〜2か月かかります。日本のデフレはいうまでもなく1998年のバブルピークから1991年の土地価格の暴落によって、まずは資産デフレが発生しました。その影響が実体経済に及んで、賃金の低下・物価の低下・円高をもたらせました。日本人の収入アップの望みは絶たれましたが、物価安や円高によって、国民経済はさほど苦痛なものにはなりませんでした。

困ったのは日本経済が着実に発展していくだろう→したがって私の収入も増えるであろう→だから今の収入よりも少し高い収入が得られるだろう、として家を買ったり消費をした 人たちです。ところが日本の経済はゴロリと変りました。だれも銀行から金を借りようとはしていません。唯一増えているのは住宅ローンです。ほとんど金利が0%に近い。金利なしでローンが組めるのは夢のようですが、そこまでしないと住宅を建てる意欲がわかない。

欧州の株高、特に銀行株が暴騰したのはECBが銀行に貸し出しをするときはマイナス金利である。といった報道がありました。金を借りた側が 金利を受け取るというのは異常です。不思議な国のアリスのアベコベの世界です。ECBはここまで踏み切るのは冒険ではなかろうか。同じく日銀のマイナス金利もおかしい。おかしいことが、おかしくないと思っている株式市場は狂っています。



(2016. 3.15) TOPIX 1372P(-7)  日経平均 17117円(-116) 20.9億株 (2兆1123億円)


先週末の海外株は
  1. 中国上海 +1.75%
  2. 英FT100 +0.56%
  3. 独DAX  +1.62%
  4. 仏CAC  +0.31%
  5. NYダウ +0.09%
  6. ナスダック  +0.03%
欧州市場はECBの金融緩和の余韻が残り高い。米国はFOMCが始まることから動けず。出来高もいつもより20%くらい少なかった。

日銀は政策決定会合で、金融政策を維持すると決定しました。金利の引き下げもなく、年間80兆円の資産買い入れ額の変更もありませんでした。決定会合のあと日経平均はジリジリと値を消しました。

日銀としては精一杯のことはしているのだけれど、実業界は動かない。金融政策で日本経済を引き上げようとするのはもはや難しい。市場は日銀の金融政策だけでは、もう日本経済はもたないことはよくわかっています。最早日銀の打つ手は金利の引き下げ(マイナス金利の拡大)しか残っていません。マイナス金利は過去の金融政策ではなかった政策です。どのような結果をもたらせるのかは誰も経験したことはありませんが、経済学の理論上はインフレ率を引き上げ、実体経済は投資を始めるという結論です。

だが、2014年の消費税8%の引き上げによって消費は減少しました。物が売れなくなった。さらに2015年からは世界経済が停滞ないし後退の兆しがでてきて、企業は設備投資をすることができなくなった。GDPとは国内総生産の数字ですが、@国内の消費が止まり、A国内の設備投資が増えない、B残るは政府支出しかありませんが、大型の財政出動はできない。3方がドン詰まりです。「たきだゆう」の描く漫画「寺島町奇譚」に出てくる「いきどまり。通り抜けできません」です。

今や我々は袋小路に来ています。袋小路を抜け出るには、1)引き返して新しい道を考える、2)袋小路の正面の家屋を壊して新たな道をつくり、袋小路が「十字路」になるようにする。の2つしかありません。今の日本経済は袋小路に行き当って、どうしたものかと考えている最中です。

@消費税の5%→8%への増税が日本のGDPを失速させたのであれば、2017年の消費税の10%は無理に決まっています。A国内の設備投資が増えないならば、設備投資をした企業に法人税の引き下げをすべきです。ほかの企業は法人税率を引き下げることはありません。また賃上げをした企業は、賃上げの総額によって法人税の優遇をすべきです。

ともかく日本経済が回復しないことには株価は上がりません。2013年〜2015年のアベノミクス相場は完全に終っています。今後は金融政策といった小手先のテクニカルな政策では株価は上昇しません。(株価が上昇しないということは、日本の未来がないことです)



(2016. 3.16) TOPIX 1360P(-11)  日経平均 16974円(-142) 18.6億株 (1兆9118億円)


先週末の海外株は
  1. 中国上海 +0.17%
  2. 英FT100 -0.56%
  3. 独DAX  -0.56%
  4. 仏CAC  -0.75%
  5. NYダウ +0.13%
  6. ナスダック  -0.45%
FOMCの決定まちで、海外は小動き。米国は出来高も薄かった。

東京市場もFOMCのイベントが通過しないことには動くに動けず、様子見となり出来高・売買代金は今年の最低で終る。

当然に日経平均は大きく動くことはなく、17000円を挟んで細かな動きに終始する。

アベノミクスを評価して2012年末から2013年に株価は大幅をしました。ところが2014年は5月にバーナンキショック(米国の金融緩和は終えるとの発言)で株価の上伸は一気に失われましたが、10月に日銀が「異次元の緩和」を発表してから2015年の前半は上昇の勢いを取り戻しました。

しかし2015年の8月に中国ショックで暴落し、2016年も年初から世界経済の先行きを悲観して暴落です。日経平均の大勢波動はまだ下降トレンドになったのかは確認はできていませんが、2012年11月〜2015年7月までの33か月間にわたる強い上昇波動は終わりました。この2年半で利益を出した投資家は、これからは株価はそこそこにしか上昇しないという考えに戻らないと利益を出すことは難しくなりました。

1〜2か月で20〜30%の利益が出ること自体が異常でした。どんなに相場上手なファンドでも、継続して年間20%の利益を出すことは不可能に近い。それがこの2年半はシロート投資家でも簡単に年間20%の利益を出すことができました。しかしそういうユーフォリア(酩酊状態)は終わりました。誰もが利益を出せる「買えば上がる」という時期は終りました。これからシロートは考えを変えない限りドンドン損失を重ねていきます。

この解決策(日々になにがしかの利益を出したいという要望)については明日書きます。



(2016. 3.17) TOPIX 1358P(-1)  日経平均 16936円(-38) 22.0億株 (2兆2618億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 +0.21%
  2. 英FT100 +0.57%
  3. 独DAX  +0.50%
  4. 仏CAC  -0.21%
  5. NYダウ +0.43%
  6. ナスダック  +0.74%
FOMCは金融政策は現状維持と決定。これは大方の予想どおりでしたが、年内の利上げは従来の4回から2回に減らすというニュアンスでした。FOMCの今後の方針がだいたい決まったので、金利政策による相場の変動リスクは小さくなったとして米国株価は上昇。

日経平均も米国株高に追随して高く寄り付き、300円近い上昇をしていましたが、米国の金利が上がらないということは、日米の金利差が開かないということで、急速にドル安・円高が進行し、円は111円台まで上昇。ために日経平均は一転して下落歩調となり、-38円安で終わりました。

ナスダックの直近の高値は12月2日の5176Pで、安値は今年2月11日の4208Pです。2か月と10日で約1000Pの下落をし、現在は安値から500Pの上昇をして、半値戻しをしたところです。株価も中勢波動に基準の75日線を上回りましたが、まだ高値から500P下(約-10%下)の位置にあります。これではとうてい米国株価が反転し、上昇を始めたしているとはいえません。

日経平均は昨年12月1日の20012円を高値とし、今年2月12日に14865円まで暴落しました。約5000円(-25%)の下げです。そこから反発して一昨日は17233円まで反発しましたが2400円の反発で、ナスダックと同じくほぼ半値戻しをしていますが、下げた分の半分を取り返したにすぎません。ナスダックも日経平均も先の12月の高値を取りにいくような元気はありません。いまのところ1上げたら2下げる(1歩進んで2歩下がる)という状況から抜け出していません。

2013年から2015年7月までは、株式を買っていれば利益がでました。少々高いところで買って失敗したかなと思っていても時間が経てば利益がでました。投資家の判断の失敗は時間が解決してくれました。息子の失敗を親が助けてくれたようなものです。だが助けてくれる親はもういない。判断の失敗は損失に直結します。失敗を失敗だと認めないと損失はどんどん広がり、最後には総投げという悲惨な結末になります。


右図は@9日ボラティリテイ(青色線)、A1日の値幅(ザラバ高値とザラバ安値の差)の9日平均線、B1日の実体幅(始値ろ終値の差の絶対値)の9日平均のグラフです。

ボラティリテイは年率に換算してどのくらい株価が変動しているのかを表します。通常は株価が1年間に50%も上昇したり下落することはありません。±20%というのがよいところでしょう。

だが2月12日あたりのボラティリテイは58.6%になっていました。これは下げがそれほどダイナミックであったということです。株式を保有している者は肝を冷やしました。現在は14.6%まで低下して株価変動は小さくなっています。その結果は買っても・売っても儲からないという状況です。 ボラテイリテイは大きすぎると怖いし、小さすぎると投資の伊チャンスがありません。20%程度の変動があるときが株式投資はしやすいのです。

ところでボラテイリテイの計算式は、前日の株価は前日の株価終値と当日の株価終値の上昇率・下落率を基本にしています。前日と当日の株価の変動を問題にしています。長期で株式を投資している人にとってはボラテイリテイはハラハラドキドキの原因になりますが、1日で売買を決着する人にとってはボラテイリテイは何の意味も持ちません。

1日で売買を閉じるというのがボラティリテイの変化から逃れる方法です。これまで東研ソフトは以下のような1日の売買をするソフトないし条件表を発売してきました。
  1. 《リアル24》―−−−日経先物のデイトレをする
  2. 《アラーム24》−−−日足ベースで売買マークがついた銘柄を分足を使って仕掛けのチャンスを決める
  3. 日経平均の寄り引け売買の条件表−−−−日経平均あるいは1570「日経レバ」を寄り付きで仕掛け、大引けで決済する条件表
  4. Core30の寄り引け売買の条件表−−−−CORE 30銘柄を対象にして、寄り付きで仕掛け、大引けで決済する条件表
1日で決着するので昨日までの株価の流れは考えることはありません。過去の確率によって、今日はどうすればよいのかだけを示すものです。



(2016. 3.18) TOPIX 1345P(-13)  日経平均 16724円(-211) 22.9億株 (2兆4504億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 +1.19%
  2. 英FT100 +0.41%
  3. 独DAX  -0.91%
  4. 仏CAC  -0.45%
  5. NYダウ +0.89%
  6. ナスダック  +0.23%
米国は金利引き上げのスピードが減速したことから上昇する。ドルも安くなり、円高に振れる。

3月第2週は海外勢が1.2兆円の大幅売り越しであったと発表されました。1か月に1兆円の売り越しであっても相場にはマイナスですが、たったの1週間で1.2兆円の売り越しです。

海外勢が一斉に日本株を手放していることがアリアリとわかり市場にはショックでした。そこへ一時110円台になった円高です。株価は上げようがなく続落する。

しばらくは「デイトレ」ないしは「寄り引け売買」について述べたいと思います。昨日かかげた次の順に説明します。
  1. 《リアル24》―−−−日経先物のデイトレをする
  2. 《アラーム24》−−−日足ベースで売買マークがついた銘柄を分足を使って仕掛けのチャンスを決める
  3. 日経平均の寄り引け売買の条件表−−−−日経平均あるいは1570「日経レバ」を寄り付きで仕掛け、大引けで決済する条件表
  4. Core30の寄り引け売買の条件表−−−−CORE 30銘柄を対象にして、寄り付きで仕掛け、大引けで決済する条件表

@《リアル24》を使ったデイトレのしかた


《リアル24》は先物のトレードのためのソフトです。

デイトレとはその日の株価の値幅の中で最大限に利益を出そうというものですが、そのやり方は2つあります。

1つは例えば5分足データを使って、日足と同じようにチャートを見ながら仕掛け・決済をするデイトレです。

もうひとつは前日までの日足グラフを見ていて、寄り付き(始値)で仕掛け・大引け(終値)で決済する「寄り引け売買」です。

どちらも1日が終ったときは決済をしているので、リスクの大きさは1日の値幅が限度です。(まあ無定見にバタバタとトレードをすれば、これ以上の損失がでることもあるが)。思うに、立会い中に買いか売りかの判断を迫られるデイトレよりも、前日に方針を決めている「寄り引け売買」のほうがやりやすいでしょう。

で、1日の値幅が大きければ大きな利益を得ることもありますが、逆にいったときは大きな損失がでます。2006年から2015年の最近の10年間について、日経先物の1日の値幅はどれほどなのかの統計をとると、次のようになります。



この10年間 1日値幅(ザラバ高値とザラバ安値の差)の平均は183円。最大値は1480円、最小値は30円。中央値は150円です。案外に値幅は小さい。ザラバ高値・安値で仕掛け・決済しても150円くらいとれるのが精一杯です。

株価の中央値が13360円なので150円幅とは株価の1.12%に当たります。したがって多く(半数)は株価の1.1%の利益があったら利食いするのが正しい。

《リアル24》Ver.6の発売について

昨年9月から着手していた《リアル24》Ver.6がほぼ完成しました。おそらく《リアル24》のバージョンアップはこれが最後になると思われるので、今回は異例の時間をかけました。詳しい内容は来週に紹介する予定です。

条件表もまったく新しいものに変えました(このため時間がかかった)。次のような条件表が収められています。
  1. 15本のトリガー条件表(パラメータは売買とも同じ数字)

  2. 15本の売買別にパラメータを変えた15本のトリガー条件表

  3. @のトリガーについて「オートマ」で局面を絞った16本の条件表

  4. ギャップを調整したときの「オートマ」で局面を絞った17本の条件表

  5. 寄り引け売買のための17本の条件表
合計80本の条件表を設定しました。これ以外にもサヤとりのための条件表も入れてありますが、これは役に立ちません。

図のNo.21〜No.35の条件表はトリガー条件表なのでまだ素材にしか過ぎませんが、結構役立ちます。例えばNo.28「DMIゾーン」で昨日の日経先物を見ると、次のような売買マークが出ています。

売買ルールは、@0.8%で利食い、A-0.6%で損切り の2つです。
  1. 17080円で買い→Aの17970円で損切り(-110円)

  2. 16870円で売り→Bの16730円で利食い(+140円)

  3. 16820円で売り→Cの16680円で利食い(+140円)




  4. 16590円で売り→Dの16450円で利食い(+140円)

  5. 16520円で買い→未決済(眠くなったのでここで寝た)

    3:00の引けは16730円だったので+140円の利食いができているはずです。


なおNo.28のトリガー条件表の内容は次のように簡単なものです。データは5分足を使っているので、《アラーム24》のユーザーがこれを打ち込めば、日経先物のトレードに使うことができます。



なおNo.28「DMIゾーン」は特に優れている条件表ではありません。@2009年〜2015年の7年間で、A「日経ミニ」について、B日中(9:00〜3:00)の検証をすると次のようになります。




(2016. 3.22) TOPIX 1369(+24)  日経平均 17048円(+323) 20.1億株 (2兆1784億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 +2.15%
  2. 英FT100 -0.08%
  3. 独DAX  -0.02%
  4. 仏CAC  -0.78%
  5. NYダウ +0.12%
  6. ナスダック  +0.27%
FOMCの委員が4月か6月に金利が上がることもあると発言しましたが、相場には響かず。しかし米国債利回りは1.921%(+0.042%)と上昇し、ややドル高(円安)に振れる。

とはいっても円レートは111円台後半〜112円台半ばであり、2015年8月の125円や12月の123円に比べると約10%以上の円高です。1円の円安は日経平均を250円〜300円上昇させる影響力を持つというのが2012年11月のアベノミクス以来の統計です。2015年8月の円安のピークから11円〜13円も円高になっている現在は、2015年8月の20860円から2750円安い180100円〜16960円のゾーンにあって当然です。

現状の円レートでは、日経平均は17000円〜18000円の1000円幅のゾーンで動くしかない。

A《アラーム24》によるザラバ仕掛け

日足ベースで売買マークがついた銘柄を分足を使って仕掛けのチャンスを決める。というのが《アラーム24》の狙いです。《アラーム24》では例えば255銘柄までの5分足データを楽天証券から受信して、5分足のグラフを描き、売買マークを出すことができます。しかし日足データを使って5〜10日のトレードをするのと、5分足を使ってデイトレをするのとでは、格段に5分足のデイトレのほうが難しい。

その原因は短期になればなるほど、トレンドが発生したという兆候が見えないからです。浜辺にいって波が打ち寄せ、そして引いて行くのをみると、細かいながらも波が寄せてくる時期と引いていく時期がわかります。投資はこれに逆らっては成功しません。この波のサイクルは株価においては日足ベースの「小波動」でわかることです。5分足ではわかりません。細かな株価の動きでトレンドを計ることは不可能です。

だが《アラーム24》を購入された方は、個別銘柄のX分足のデイトレをしたいと思っている方もあります。結論を先にいえば、個別銘柄のデイトレは非常に難しい。《アラーム24》では例えば5分足で個別銘柄のデイトレをすることはできません。《アラーム24》を作ったのは、日足ベースで買いとなった銘柄が翌日も上昇するのかを翌日の分足で確認したいというのが主な目的です。

次図は2016年3月18日に、日経225銘柄について、(標準3)No.2「一般銘柄用(2013)」で売買マークが出ている銘柄を検索したものです。




日足ベースでは7銘柄に買いマークがでています。 《アラーム24》のユーザーは翌日の値動きを予想して、今日買うかどうかを決めることができます。それには5分足で、短期的にトレンドが発生したらしい、あるいはトレンドが変りつつある、ことを表現する(標準27)No.27「RSI順張り」を使います




4272「日化薬」は(a)で買いマークを出しました。次の始値}(a)で買うと1108円です。

今日の終値は1111円なので、3円だけ安く買えていますが、実際には明日の始値が問題です。今日、先走って買った方がよかったのか、明日の始値で買った方がよかったのか。

それはわかりませんが、今日の日化薬の動きからすると、今日仕掛けたほうが安く買えると踏んでいます。

8630「MKSJ」は日足では買いとなっているのに、5分足では買いは出ず、逆に売りマークが出ています。 まだ反転上昇をするには早すぎます。


8729 「ソニーF」は日足では買いとなっているのに、5分足では買いは出ず、逆に売りマークが出ています。したがって日足ベースでもまだ上昇に移ったとは考えられず、買いは見送りです。

9501「東電」は5分足で買いマークを出しています。(d)の次の足の始値で買うならば581円です。

今日の終値は584円なので3円ほど安く買えたことになりますが、明日の寄付きがどうなるのか。

《アラーム24》の真価が問われるところです。



(2016. 3.23) TOPIX 1364(-5)  日経平均 17000円(-47) 16.0億株 (1兆7399億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 +2.15%
  2. 英FT100 -0.64%
  3. 独DAX  +0.41%
  4. 仏CAC  +0.09%
  5. NYダウ -0.23%
  6. ナスダック  +0.26%
米国は小幅な動き。国債利回りが1.946%(-0.025)へ上昇したため、少し円安になる。

日経平均は昨日は配当取りの買い物が入って大幅に上昇しましたが、今日は入らず。閑散の相場。出来高や売買代金は今年の最低となる。

Bツールキット《日経先物寄引売買(2011)》によるデイトレ

デイトレというと、1日に何回もトレードをして小幅な利益を稼いでいくというイメージがありますが、仕掛けてその日のうちに決済して完結する「寄引売買」も立派なデイトレです。

私が知る限りでは、1日に5〜10回の小幅すくいをしている投資家で毎年勝ち続けている人を知りません。10円20円を抜くことは簡単そうに思えるし、実際にそのチャンスも多いのだけれど、10円の利益を5回出していても、1回の-50円の損切りで利益はなくなります。6勝1敗でトントンです。いかに勝率がよかろうと利益はでないのです。

+50円で利食いし、-50円で損切りするという売買ルールを使うなら、勝率は50%以上でなければなりませんが、利食いと損切りの幅を同じにして、勝率50%のシステムを設定することは、たやすいことではありません。

グラフで買いマークが出たら、翌日の寄り付きで買い、その日の大引けで決済する。売りマークが出たら翌日の寄り付きで売り、大引けで決済する。これを「寄引売買」といいます。利食いも損切りもしません。だから明日の損益額がどうなるのかはわかりませんが、@平均利益額が平均損失額より大きい、A勝率が50%以上、の条件表を作り、Bその条件表が出す売買マークに従って、翌日仕掛け→決済すれば、年間を通じて利益がでるはずです。


右図は2013年初めに出したツールキット《先物寄引売買(2011)》が出している売買マークです。

No.40「利益最大」は今年に入って13回売買マークを出しています。これにしたがって翌日に寄引売買をすると、9勝4敗で平均利益額は35.2円、累計で457千円(ミニは457百円)の利益になっています。(手数料は往復1000円、ミニは100円とした)

悪くありません。今年に入って売買をした投資家は少ないだろうし、利益をだした投資家はもっと少ないでしょう。だが適切な条件表を基本にした寄引売買では利益が出ています。


この条件表は 1998年1月〜2011年12月までの14年間のデータを使って49本のトリガー条件表を最適化し、その中から利益が最大になるようなトリガー条件表を1本の条件表にまとめたものです。

2011年まではよい成績になって当然ですが、問題はいつまでこの条件表の効力が続くのか?です。

累計利益がプラスであった年は赤色○、マイナスだった年は青色●をつけています。2012年→2013年は○、しかし2014年は●でマイナスになりました。

だが2015年は○、2016年も今のところは○です。ここからすると2011年までのデータによって最適化した条件表はその後5年くらいは効力が持続するようです(賞味期限は5年か?)。


2010年にツールキット《先物寄引売買(2008)》を発売しました。2008年までのデータで約50本の条件表を最適化したものです。

No.2「利益最大」のその後の成績は、2009年は○→2010年も○でしたが、2011年は●→2012年は大幅なマイナスで●となりました。

だが2013年には大幅なプラスで○となり、効力が復活したかに見えましたが→2014年は●→2015年は○だがわずかな利益→2016年は今のところ●です。

やはり使ったデータ2008年から6年目からは、この条件表は賞味期限切れとなったようです。


2010年初めにツールキット《先物寄引売買(2008)》を発売(18,000円)したとき、これを購入したユーザーは130人ほどでした。日経先物の売買益は申告分離とはいえ、先物売買による利益が30万円を超えると申告せねばなりません。これが面倒くさい。

この面倒を逃れるには、ETFの1570「日経レバ」を売買すればよいことがのちにわかりましたが、日経先物は証拠金の15倍から20倍の建て玉ができます。ETFでは信用取引で証拠金の3倍の建て玉をし、日経平均の2倍の変動があるので、レバレッジは6倍です。先物のレバレッジの15〜20倍の30〜40%のレバレッジしかありません。

それでも2010年に発売した年の累計利益は+1768円でした。証拠金600(千円)の約3倍の利益がでました。「寄引売買は最高」のメールも貰いました。ところが2011年はわずかにマイナスになり、2012年は-1112円の大きな累積損失がでました。ユーザーは困惑し、いくつかの相談のメールが来ました。

私の考えでは、心理的にトレードできなくなったら、トレードを休むべきだと思っていましたが、休んでいるうちに当たりだしたら嫌だ、トレードを続けるべきなのか、止めるべきなのか、「どうすればよいのか」 のメールが2〜3通ありました。だが私が相場を作っているわけではありません。条件表がその相場に合うか合わないかの話です。

基本的には
  1. 手本としたデータから最適化した条件表は5年くらいで賞味期限を迎える。

  2. だから3年に一度は「最適化」をしてリニューアルをすべきである。

  3. 毎年1回最適化ができれば、よほど変ったこと(リーマンショック・東日本大震災など)が起きないかぎり、毎年利益をだすことができるのではないか。
そのように考えています。寄引売買の売買方針は、統計によって決まるので、最適化さえこまめにすればそう負けることはなく、利益を出し続けることができるシステムができると思っています。しかしそのためには最適化の作業が必要ですが、今のところ最適化ができるのは《Qエンジン24》のユーザーに限られます。そこで《カナル24》ノユ^ザーも、@トリガー条件表の最適化を自動的にし、Aよいものをまとめて1本の条件表を生成する、ということができるプログラムを考えています。



(2016. 3.24) TOPIX 1354(-9)  日経平均 16892円(-108) 20.0億株 (2兆1002億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 +0.35%
  2. 英FT100 +0.10%
  3. 独DAX  +0.33%
  4. 仏CAC  -0.18%
  5. NYダウ -0.45%
  6. ナスダック  -1.09%
米国は4月の金利引き上げもあるとして下落する。ただ国債利回りは1.883%(-0.063)へ低下しており、債券市場は金利引き上げはないと見ています。

日経平均は今日も閑散。期末を控えて機関投資家は動けず、個人の配当取りの買い物はあったようですが、配当利回りを考えると株価を買い上げることもできない。

Cツールキット《TOPIXコア30のための寄引売買(2011)》によるデイトレ


ツールキット《日経先物寄引売買(2011)》は2013年初めに出しましたが、一般銘柄でも寄引売買ができないかという相談のメールが、3〜4件入りました。条件表を設定する方針は、日経先物用のツールキットと同じことです。すなわち
  1. 約50本のトリガー条件表を用意しておき

  2. パラメータや「以上以下」の数字を最適化する。

  3. 検証をして明日が陽線・陰線になる判別率が高いツール条件表を1本の条件表にまとめる。
だが日経先物は1銘柄です。日経225銘柄を対象にしたときは、日経先物のツールキットを作る時間の225倍の時間がかかります。講座No.13「ツールキット(2011)を使ってあたらしい統合条件表を作る」の最後に述べましたが、ツールキット(2011)はパソコン2台を使って、だいたい5日間でできます。しかしその225倍の時間がかかれば約3年後にしか条件表はできません。

そこで@TOPIXのコア30の銘柄に絞って、A対象期間を2001年〜2011年まで11年間にして、Bコア30銘柄のための寄引売買のツールキットを、2014年初めに出しました。その条件表が右のNo.195〜199の条件表です。

ユーザーは毎日、
  1. 《カナル24》を使って、コア30について、No.195〜199の条件表が売買マークを出していないかを検索し、
  2. 検索された銘柄があればグラフを見て、翌日の仕掛けをするかどうかを考える。
  3. あるいは2つ以上の銘柄が同じ売買マークを出していたならば、どの銘柄を仕掛けるかを考える。
ということになります。


今年になって、No.195「利益最大」が2回以上の売買マークを出した銘柄を見てみましょう。

3382「セブンアイ」は(a)で買いマークを出しましたが、翌日の始値は4845円、終値は5000円です。+155円の利益。

(b)でも買いマークを出しましたが、翌日の始値は4430 円、終値4464円です。+36円の利益。

5401「新日鉄」は(c)で買いマークを出しましたが、翌日の始値は2054円、終値は1988円だったので-66円の損失。

(d)では売りマークを出しましたが、翌日の始値は2274円、終値は2240円。+34円の利益。


6501「日立」は(e)で買いマークを出しましたが、翌日の始値は459円、終値は466円です。+7円( 100株単位に換算すれば+70円)の利益。

(f)では売りマークを出しましたが、翌日の始値は539 円、終値は530です。+9円(100株単位に換算すると+90円)の利益。

6758「ソニー」は(g)で売りマークを出しましたが、翌日の始値は2688円、終値は2752円だったので-64円の損失。

(h)でも売りマークを出しましたが、翌日の始値は2940円、終値は2936円です。わずかながら+4円の利益。


7201「日産」は(i)で買いマークを出しましたが、翌日の始値は988円、終値は990円です。わずかに+2円の利益。

(j)では売りマークを出しましたが、翌日の始値は1108円、終値1094円です。+14円の利益。

8306「三菱UFJ」は(k)で買いマークを出しましたが、翌日の始値は625円、終値は625円です。+9円の利益。

(l)でも買いマークを出しましたが、翌日の始値は579円、終値は578円です。わずかながら-1円の損失。

(m)でも買いマークを出しましたが、翌日の始値は475円、終値は485円です。+10円の利益。

(n)では売りマークを出しましたが、翌日の始値は572円、終値570です。+2円の利益。


8316「三井住友」は(o)で買いマークを出しました。翌日の始値は3920円、終値は3960円。+40円の利益。

(p)でも買いマークを出しました。翌日の始値は3630円、終値は3653円。+23円の利益。

(q)でも買いマークを出しました。翌日の始値は3050円、終値は3156円。+106円の利益。

(R)では売りマークを出しましたが、翌日の始値は3730円、終値3720円でした。なんとか+10円の利益。

8411「みずほ」は低位株なのでデイトレでは利幅が小さすぎます。デイトレの対象にはなりませんが、売買マークに従ってトレードしたとき、(r)は206円買い→208円決済で+2円の利益。(s)は193円買い→194円決済で+1円の利益。(t)は149円買い→155円決済で+6円の利益。(u)は165円買い→168円決済で+3円の利益です。4回のトレードは全部で利益がでています。


8604「野村」は(v)で買いマークを出しました。翌日の始値は504円、終値は492円。-12円の損失。

(w)で買いマークを出しました。翌日の始値は471円、終値は495円。+24円の利益。

8766「東京海上」は(x)で買いマークを出しましたが、翌日の始値は3980円、終値は4057円です。+77円の利益。

(y)でも買いマークを出しましたが、翌日の始値は4017円、終値は4057円です。+40円利益。

対象銘柄が多いと、売買マークがでた銘柄をグラフでチェックする時間がかかります。以上の銘柄で売買マークがでたのは、延べ26回。そのうちで(c)(g)(l)(v)の4回で損失を出していますが、22勝4敗(84.6%)というのは驚くべき勝率です。

ただし異なる銘柄が同じ日に同じ売買マークを出すことが多くあります。全部の銘柄を仕掛ければ80%以上の勝率になりますが、1日に1銘柄と絞ったときの勝率は60%くらいに低下します。これについては明日最後にシメとして書きそえます。



(2016. 3.25) TOPIX 1366P(+119)  日経平均 17002円(+110) 18.1億株 (1兆7746億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 -1.62%
  2. 英FT100 -1.49%
  3. 独DAX  -1.71%
  4. 仏CAC  -2.13%
  5. NYダウ  +0.07%
  6. ナスダック  +0.09%
日経平均は28日が配当権利付きの最終売買日です。今日は先に配当取りをしておこうということだったのか、トヨタなど大型株が買われ高く引ける。

ただし外国勢は今夜は本国が休場になるとかで、参加していないようでした。出来高・売買代金とも盛り上がらず。

3月第3週の投資部門別売買動向は、海外勢は4600億円の売り越しでした。第2週は1週間で1兆2000億円売り越すという未曾有の売り越し額でしたが、約1/4の売り越しに減りました。しかしそれでも1か月に換算すれば1.8兆円に近い売り越し額なので、株価が上昇するわけはありません。

ただ海外勢の今年にはいってからの売りは終盤に来た感じです。海外勢は買わないが、売り崩すこともしない。あとは@政府の財政出動がいつになるのか、その規模はどのくらいになるのか、A消費税引き上げを延期するという発表がいつされるのか、が国内では最大の材料です。

Dツールキット《TOPIXコア30のための寄引売買(2011)》によるデイトレのまとめ


《TOPIXコア30のための寄引売買》には昨日かかげたように 、No195〜No.199の5本の条件表があります。

基本的には、ユーザーがこのうちからその時期に当たっている条件表を選んで、それを使うように。外れだしたら別の条件表に変えるように。という思いで5本の条件表を用意したのですが、実際には数多くのトレードをしたい方が多いので、5本の条件表のどれかが売買マークを出したら仕掛けているようです。

投資資金が潤沢にあるのであれば、これは可能です。@5本の条件表のどれかが売買マークを出し、A同じ日に10銘柄の仕掛けをしなければならないとき、すべての銘柄を仕掛けた場合の成績は次の(表1)のようになります。

5本の条件表は2011年12月までのデータを手本にして設定したものですが、2012年から今年2016年までマイナスになった年はありません。1回仕掛けると平均して5〜6M(0.5%〜0.6%)の利益が出ています。2016年はまだ3か月しか経過していませんが、今年になっての累計の利益率は1721.5M (=172.15%)です。今年に入ってこんな利益を出すシステムはありません。

(表1)売買マークが出た銘柄を全部仕掛けたときの成績



しかし普通は投資家の資金は限られています。5銘柄が同じ日に売買マークを出したときは、1銘柄か2銘柄に絞る必要があります。これまでの検証で、株価が最も高い銘柄を仕掛けるのがよいということがわかっています。

コア30銘柄とはいいながら、株価は大きく違います。多くは100株取引ですが、日立・三井不動・三菱地所は1000株単位です。日立株は514円と新日鉄の2152円より安く見えますが、もし日立が100株取引に移行すると、株価は5140円になります。NTTの5019円よりも高くなります。

三井不動は100株単位なら27440円でファナックの17225円を上回ります。三菱地所も21330円なので 株価が高い・安いの判断は、全部の銘柄が100株取引であるということにして、1000株取引の銘柄の株価は10倍して比較するのが正しい。

次の(表2)は単純に株価の比較をして高いものを1銘柄に絞ってトレードしたときの成績です。2014年・2015年と累計利益は減り、2016年は今のところ-9.39%の損失になっています。3か月で-9.39%の損失を出すのは困ります。

(表2)単純に株価が高いものを仕掛けたときの成績



上の(表2)の成績は、株価単位を考えていません。先にいったように三井不動の株価2744円は100株単位ならば27440円になり、ファナックの17225円よりも高いのです。そこで売買単位による株価の調整をして、100株単位で株価が10000円以下のものに限る。その範囲で株価が高いものを仕掛ける。ということにすると、次の(表3)になります。

2015年で-35.4円(100株なので-3.54円)のマイナス。2016年は70.6円(100株なので-7.06円)のマイナスになっていますトレードした銘柄が100株単位であれば、2016年は7060円の損失が発生しています。

(表3)100株単位の株価に換算して、株価が10000円以下の最も高いものを仕掛けたときの成績


100株単位に換算して株価が4000円以下のものに限る。その範囲で株価が高いものを仕掛ける。ということにすると、次の(表4)になります。 まだ2015年の成績は-3.2円(100株取引なら-0.32円の小幅な損失です)とマイナスになっています。2016年は22.0円のプラスです。 (2

(表4)100株単位の株価に換算して、株価が4000円以下の最も高いものを仕掛けたときの成績


5銘柄から1銘柄を決めるときにはどうしても、運・不運の要素が入ってきます。運・不運を排除するには、売買マーク出た銘柄を全部仕掛けるしかありませんが、1銘柄に絞るのではなく2銘柄に絞ったときの成績は次の(表5)のようになります。

(表5)100株単位の株価に換算して、株価が4000円以下の最も高い2銘柄を仕掛けたときの成績


今のところ、同じ日に2銘柄以上が売買マークを出したときは、@株価を100株単位の株価に調整して、Aその中で最も株価が高い株価の2銘柄を選んで仕掛ける。というのがよいようです。 2015年・2016年ともプラスの利益になっています。



(2016. 3.28) TOPIX 1381P(+15)  日経平均 17134円(+131) 18.4億株 (1兆9283億円)


昨日の海外はキリスト教の祝日であったのでほとんどが休場。
  1. 中国上海 +0.62%
今日28日は配当権利付きの最終売買日でした。3か月以降に支払われる配当金や株主優待券を貰いたい向き(多くは個人投資家)の買いが入ったし、やや円安が進んだので、今日の日経平均は高く終る。

だが出来高は18.4億株、売買代金は1.9兆円と少なかった。おそらく明日は-140円〜-150円の配当落ちがあると思われ、明日日経平均は17000円くらいの水準になろうかと思います。今日の日経先物は16970円で終っているので、明日の日経平均の基準は16970円です。

毎日、新聞を読んでいるとはいいながら、通常は日曜・月曜の新聞は株式にとってネタを提供する記事はありません。ところが、日曜日の日経新聞は5月の(伊勢志摩)サミット前に経済対策を打ち、来年4月の消費税10%の延期もも視野にいれていると報道する。

サンケイ新聞は今日28日に「消費税再延期・5月正式発表」という見出しで報じていたので、2017年の消費税8→10%無くなったようです。もとは旧民主党の野田首相が財務省の洗脳によって財政規律を重視して、2013年4月に5→8%の増税すると打ち上げました。そして自民党がこ れを飲むなら衆院を解散してもよい、との取引をしました。安倍さんはこの提案を飲み、総選挙をして自民圧勝となって政権を奪取しました。

安部内閣がいち早く動いたのは日銀の人事です。リフレ派の黒田さんを日銀総裁に、同じリフレ派の経済学者の岩田さんを副総裁にしました。リフレ派というのは経済学者が使うが、要するに日銀が1万円札を印刷して市中に出せば、カネの価値は下がる、したがって物価は上昇する。というものです。

1998年ころから2012年までの15年間は物価が下がり続けました。物価が下がるということは、もっている資産は現金にして銀行に預けていたほうが有利です。したがって預金を取り崩しておくのがよい。設備投資してはならない、個人に欲しいものがあっても来年はもっと安くなるという期待を生み、消費が伸びない。その結果が日本経済の大停滞です。他国のGDPは2倍以上になったのに日本は停滞したままだから、中国にDGP第2位の座を奪われました。

アベノミクスも効果がでなくなっています。ここで財政出動をし、消費税引き上げを延期するのはごく当然のことです。



(2016. 3.29) TOPIX 1377P(-4)  日経平均 17103円(-30) 17.5億株 (1兆8382億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 -0.73%
  2. 英FT100 -
  3. 独DAX  -
  4. 仏CAC  -
  5. NYダウ  +0.11%
  6. ナスダック  -0.14%
米国はイエレンFRB議長の講演や週末の雇用統計を前にして小動き。

日経平均の配当落ちは127円だそうで、-30円安は実質的には+97円高。案外に値もちがよい。この3週間は保合い相場になって動きが小さくなっていますが、いずれは上か下に方向が決まります。

安部首相は、今日の記者会見で2017年4月の消費税10%への引き上げは予定どおり引き上げる、と発言していますが、内心は引き上げたくないと思っているはずです。首相の経済ブレーンも消費税は上げたくない、日銀も上げてもらいたくない。だのにこの発言が出たのは7月の参院選までは消費税率10%の延期を表明しないが、参院選が終れば明確にするのではないかと私は思っています。

今日は2016年度の予算が成立しました。この予算は期の前半に前倒しで実施するとか。予算を早く使って政府支出によって経済の停滞ないし後退を止めたい。次に期の後半に政府支出が半減してはならないので、補正予算を組んで一層の政府支出(財政出動)をしなければならない。当然に国会は補正予算の審議に入るでしょう。

株式市場の材料としては、@補正予算による財政出動でGDPを上げ、Aついで消費税先送りの表明となるのではないか。そうなら今後国内の材料はプラスのものが2つ加わることになります。すでにそれを少しずつ織り込んでいるために日経平均の値もちがよいのではないかと思っています



(2016. 3.30) TOPIX 1356P(-21)  日経平均 16878円(-224) 19.1億株 (2兆 4億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 -1.28%
  2. 英FT100 -0.01
  3. 独DAX  +0.57
  4. 仏CAC  +0.85
  5. NYダウ  +0.56%
  6. ナスダック  +1.67%
イエレンFRB議長は世界景気悪化のリスクがあることから利上げは急がないと発言。これで少なくとも4月利上げはなくなったとして株価は上昇。国債利回りは1.810%( -0.080)に低下してドル安になる。

円レートは1円以上の円高になったので、日経平均は下げる。日経平均は下降している75日線と上昇している25日線の間にあって、まさしく三角保合いです

。来週早々に株価が75日線を上回るのか、それとも25日線を下抜くのかが明らかになると思いますが、上抜いた・下抜いたとしても大きな動きにはならないようです。

@来年の消費税率引き上げは延期するとか、A10兆円規模の補正予算を組むとか、B日銀がETFの買い入れ額を年6兆円にするとか、といった大材料が出ればともかく、75日線を上抜いても18000円まで上がるかどうか。

逆に25日線を下抜いても、@年金資金が買うだろうし、A逆張りの個人も買うでしょう。B海外は当面売るべき株は売ったようなので、そこから売り仕掛けをするとも思えない。むろん突発的なマイナス材料が発生して105円まで円高が進む可能性も少しはありますが、小さな確率を気にしてもしかたがありません。


■■ 日経先物のデイトレ用の《リアル24》は3月31日にバージョンアップします

今日、「インストールの手引き」(26頁)を作ったので、明日より発送できることになりました。バージョンアップできるのは、《リアル24》Ver.5とVer.4、Ver.3のユーザーです。詳しくは、 《リアル24》Ver.6のお知らせをご覧下さい。Ver.5からは大変身しました。 《リアル24》は今回のVer.6で最後のバージョンにするつもりです。小さな変更や追加はその後もしていきますが、《リアル24》Ver.6が私が行き着いた最終の形です。

《リアル24》Ver.6に着手したのは、2015年9月です。当初は12月に発売する予定でしたが、3か月以上も長引いてしまいました。半年もかけてバージョンアップしたのは初めてのことです。(通常は長くても3か月でバージョンアップをしています)。時間がかかったのは
  1. すでに《カナル24》《Qエンジン24》は私の能力ではこれ以上のものはできないという最終の形になっていますが、《リアル24》も最終の形までもって行きたかったこと。

  2. トレードの期間は長いほど易しく、短期になればなるほど難しくなります。短期間の最たるものはデイトレです。1日のうちに何回もトレードして小幅な利益を積み上げたい。そういう要求がありますが、まずこれは不可能です。

    それを承知の上で、いろいろと検証をしてみると、@毎日トレードしていたら結局はマイナスになる。Aチャンスを絞って、1日に1〜3回のトレードをすればトータルではプラスになる。B仕掛けや決済の注文を成り行き注文で出していたら、絶対にマイナスになる。従って指値で仕掛け、指値であるいは大引けで決済するしかない。

  3. この方針でトレードするにはどのような条件表を設定すればよいのか? 結局は90本あまりのサンプル条件表を設定することになりましたが、この条件表は現時点では利益がでる条件表です。

  4. 現在もっとも優れている条件表は何かといわれれば、2015年12月末までのデータで最適化あるいはオートマで作った条件表です。この条件表は2016年や2017年までは効力を発揮しますが、3年目の2018年頃から次第に凡庸な条件表になり、4年目くらいからは役に立たなくなります。条件表には寿命があります。いつまでも通用する条件表はありません。

  5. そのためにユーザーが簡単に、現在に当てはまる条件表を作る仕組みを用意したかった。それがVer.6で追加した「オートマ」です。《Qエンジン24》にもオートマはありますが、「X分足」は利用できません。「X分足」で使えて、売買ルールでは時刻の制限をつけるなど、Qエンジン24とは違うプログラムを作る必要がありました。これに時間がかかった。
以上のようなことをクリアしようとして、どんどん時間ばかりが経ち、完成には半年を要したわけです。今回のバージョンアップはあまりにも辛かった。体力的にも、能力的にも私の限界に近づいているのでしょう。そしてこれほど時間をかけた《リアル24》であっても、今の時期にはさほど売れないでしょう。しかしデイトレはこうしなければならないという考えは入れ込んだシステムになったと思います。



(2016. 3.31) TOPIX 1347P(-9)  日経平均 16758円(-120) 22.2億株 (2兆3073億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 +2.77%
  2. 英FT100 +1.59%
  3. 独DAX  +1.60%
  4. 仏CAC  +1.78%
  5. NYダウ  +0.47%
  6. ナスダック  +0.47%
欧州は高く、米国は小高く終る。米国はドル安、原油高、長期金利の低下によって株式には追い風(たいした風力ではないが)となっています。

米国の好材料は実体経済が伸びているということではなく、金融上のものですから、これは日本にとっては円高・原油高の逆風(これもたした風圧ではないが)です。

日経平均は海外株高から高く寄ったものの、日本独自の材料がなく、明日の日銀短観と米国雇用統計を控えていては、動けず。大引け直前に期末の持ち高調整のための売りがでたことで急速に値を崩す。


■■ 《リアル24》Ver.6 の発送をはじめました

明日には届くと思いますが、今度の《リアル24》は、@条件表がガラリと一新したこと、A誰でも簡単に条件表が作れるようにオートマ機能を取り入れたこと、が最も力を入れた点です。ソフトを改良したり、機能を追加したりした箇所は多くありますがそれは枝葉末節なことです。究極は、@利益があがる条件表を今提供する、A今後はユーザーが条件表の見直しをして、誰でも容易に条件表の変更ができるようになる、ことが目的です。

今回のバージョン(事実上は最終バージョンになります)は、条件表の設定のしかたについて最も力を入れました。 @については94本の条件表を設定しています。これは2009年1月〜2014年12月の6年間を手本として最高の成績になる条件表を設定したものです。 この条件表の中には、現状で実によい働きをするものがあります。これについては明日述べます。





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