日経平均をどう見たか・判断したか (2016年 2月)

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(2016. 2. 1) TOPIX 1462P(+30)  日経平均 17865円(+346) 35.0億株 (3兆8519億円)


先週末の海外株は
  1. 中国上海+3.08%
  2. 英FT100 +2.56%
  3. 独DAX +1.64%
  4. 仏CAC +2.19%
  5. NYダウ +2.46%
  6. ナスダック +2.38%
29日に日銀がマイナス金利政策を決めたことで、日本の金利は一気に低下し、金融緩和を進めることを世界にアピールしました。長期国債の利回りは0.225%から0.095%まで低下しました。世界史上初めての金利水準です。

今日はさらに低下して、0.070%です。この国債を100万円購入しても、年に700円の利子しかつかない。これほど金利が低下すれば、より高いリターンを求めて円は海外に投資されるのではないかの期待があって海外の株式が上昇したのでしょう。

だが市場へ参加している者にとっては、どうも世界経済の先行きはよくない、ということが見えてしまって います。では各国政府や中央銀行はどうやって景気のテコ入れをするのか? の方策が見えてこないので、世界経済はどうやっても大きく拡大することはできないだろう 、という自信喪失に陥っていたように思います。

1月22日にECBのドラギ総裁が3月には追加の緩和策を考えるとの発言をして、世界の株価は大きく反発しました。まだ「考える」という程度の発言で株価が上昇したのは、まだ打つ手があると市場が安心したからでしょう。今回の黒田日銀は、3月に結論を先延ばしをしたCBとは違って即日実行です。ECBドラギ発言よりも、日銀黒田発言のほうがインパクトがあって当然です。

ただし「マイナス金利」という言葉は日本の市場にショックを与えました。初めて経験するマイナス金利であったからです。だが、私はさほどショックを受けることにはならないであろうと思っています。マイナス金利は民間銀行と日銀の当座預金の金利についてのことです。市中金利はマイナス金利にはなりません。

マイナス金利になって銀行株はドンドン下落しています、三菱UFJの株価は1月28日(決定会合前)は627円でしたが、29日(決定会合後)は609円に下げ、今日2月1日は576円です。マイナス金利の言葉のイメージが強烈なだけに、三菱UFJは下げ続けていますが、実際のところは売られすぎているように思います。

三菱UFJ株が下げる」理由は、@マイナス金利になり、貸付の利子が低下して利幅が小さくなる。A日銀の当座預金に預けていれば0.1%の金利がもらえたが、今後は逆に金利を払うことになる。ということです。このままでは確かに銀行は不利な状態に追い込まれます。しかし日銀の金融政策が効果を発揮できるのは民間銀行があればこそのことです。

日銀は決して銀行(特にメガバンク)を追い詰めようとしてはいません。メガバンクの1社でも経営不振になれば日本の金融システムは崩壊します。だから、今のメガバンク(三菱UFJ、三井住友、みずほ)の株価は売られすぎていると思います。



(2016. 2. 2) TOPIX 1452P(-10)  日経平均 17750円(-114) 35.0億株 (2兆9464億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海-1.78%
  2. 英FT100 -0.38%
  3. 独DAX -0.41%
  4. 仏CAC -0.56%
  5. NYダウ -0.10%
  6. ナスダック +0.13%
と小幅安。先週まつの日銀のマイナス金利政策で世界の株価が上昇しましたが、昨日ははしゃぎすぎたと反省。

米国は1月のISM製造業指数が48.2%と12月の48.0%をより少しだけアップしましたが、50%を4か月連続で下回っています。製造業の景況はよくありません。

よってナスダックもナカナカ25日線まで戻ることができない。そこへ底値を出したと思っているWTI原油が-2.00ドル安となったことから米国株は反発力がない。


日経平均は、マイナス金利はどういう効果があるのかが掴め切れないことから今日は小反落する。実際のところ日銀はマイナスの利回りであっても国債の買い入れをするのだから、市中の金利が低下することは確かです。

金利があるかないかの水準になっても、企業は巨大な内部留保があるので銀行から借り入れて設備投資をすることはない。そもそも設備投資ができる環境ではないと企業が判断しているから内部留保が膨れているわけです。

消費者はどうか。いくら金利が安くても賃金の伸びがないから、積極的に住宅ローンや自動車ローンを組む元気がでない。さらに来年には消費税が10%になります。個人消費は金利が低下してもなかなか増えない。

マイナス金利になれば円は必ず安くなります。そして円安になれば日経平均は上昇します。マイナス金利政策が決まったとき、円レートは前日の118.75円から120.66円まで2円ほど安くなりました。ついで翌日の円レートは121.14円まであったので円レートは2日間で2.40の円安となりました。

これまでの例だと1円の円安は日経平均を250円〜350円引き上げていました。2.4円の円安は600円〜840円ほど日経平均を上げるはずです。マイナス金利決定前の日経平均は17041円で昨日の日経平均は17865円ですから、円安によって820円ほど日経平均は押し上げられ、これは過去の動きと同じです。

ところで25日間の円レートの動きから日経平均の妥当価格を計算すると、右図の青色折れ線になります。昨日の妥当日経平均は18874円でした。昨日の日経平均は17865円なので、1000円ほど日経平均は安い。

日経平均は円レートだけによって動いているわけではありません。今だと原油価格がどうなるか、米国の景気が停滞するのではないか、中国経済はどこまで落ちるのか、などが日経平均を引き下げています。また図の価格帯別出来高分布をみるとAの18000円〜18500円のゾーンは最大の出来高が累積しており、この戻り売りを吸収して日経平均が上昇することは容易ではないと市場は見ています。

■■■ お知らせ ■■■

先日ユーザーから、時間があるときは、スマートフォン(スマホ)やi Pad で東研ソフトのHPに接続して、株式講座を読んでいるが、最近HPが文字化けして見る事ができなくなった。という連絡がありました。

私はスマホを持っていないので電車に乗るときは文庫本を読みますが、乗客の半分はスマホをじっと見ています。どうせ、刹那的な会話かゲームをしているのだろうと思ってバカにしていました。だが、このユーザーは東研ソフトのHPの株式講座をよんでいるといいます。

「そうか。そういう読者があるのか。」早速文字化けを防ぐ処置をして、推定で500本のHTML文章をアップしなおしました。今はiPhonでも文字化けしていないHPを見ることができます。ふーむ、仕事が一段落したり、休憩時間中や電車で移動中に、スマホで株式講座を読んでいる人がいるのだ。そうであれば株式講座をさらに充実する必要があるな、と思いました。

今の投資家はネット証券の口車に乗って短期売買しかできない人が多くなっています。上がりだした銘柄をいち早く見つけて、それを買い、適当なところで利食いする。というスタイルです。だが短期売買では大きな利益はでません。株式の売買はチョコマカ売買を繰り返すよりも、例えば10日に一度仕掛けて10日間のうちに決済するほうが、チョコマカ売買の5〜10倍の利益がでます。株価が2倍・3倍になったというのは1年〜3年間の長期の投資をしたからです。リターンは投資の期間に比例します。長期投資ほどリターンは大きく、目先の売買(デイトレがその最たるもの)は労多くして益なし。時間つぶしにパチンコを打っているようなものだと思います。

なぜ人はチョコマカした売買をするのか? それは今後の株価がどうなるのかがわからないからです。わからないから株価が上昇した銘柄に集まり、誰かがババ(トランプのジョーカー)を引き当ててしまい、時間がくれば終わりとなります。そこは相場の理屈を理解せずに、早いものが勝つという鉄火場(賭博場)です。バクチ場なのだから勝ったり負けたりする人がでるのは当然です。自分だけは勝てると思うのは大間違いです。

4日間をかけて、株式講座No.22《デンドラ24》による波動の見方」を執筆したのでご覧下さい。



(2016. 2. 3) TOPIX 1406P(-45)  日経平均 17191円(-559) 31.0億株 (3兆1396億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 +2.25%
  2. 英FT100 -2.27%
  3. 独DAX -1.81%
  4. 仏CAC -2.47%
  5. NYダウ -1.79%
  6. ナスダック  -2.23%
と大幅安。原油が再び30ドル割れとなって、漂えるマネーは リスクオフに傾く。

米国はISM製造業指数が表現するように、景気は足踏みの状況になっています。10-12月期の企業業績はマイナス(-4.5%減)になるという予想だし、2016年の前半はマイナスから抜け出せないという予想です。

S&P500の銘柄は、ひところ(2015年5月)は17.4倍まで買われていましたが、今は14.9倍だそうです。世界経済が落ち込んでいく中で、米国はこれを食い止めるアンカーの役割が期待されていましたが、今年前半まではその役目は果たせそうにありません。

世界経済の低下を食い止める国はなくなりました。米国の長期金利は1.847%まで低下しました。リスクのある株式やコモディテイよりも、安全確実な国債だという考えからでしょう。12月のFRBが政策金利を引き上げたときの長期金利は2.300%でしたが。実勢の金利は上がるどころか下がっています。FRBの金利引き上げは今のところ何の意味もありませんでした。

米国株安・原油安・金利安から、日経平均は-253円安で寄り付き、一時は-670円安となって-559円の大幅安で終る。これによって日銀のマイナス金利政策のショックによって上昇した分はほぼ剥げ落ちました。日本の金利安は本来であれば円安 になり、日経平均を上昇させる力がありますが、今は世界の通貨が安くなているので日本の円レートが長期的に円安になるように誘導することはできませんでした。

日銀の金融政策が行き詰っていることは、昨年末にはわかっていたことです。2014年10月末に黒田バズーカといわれた突然の追加金融緩和によって、日経平均は2015年6月には20952円まで上昇しましたが、この後はこの高値を越えることが出来ずに2015年の年末となりました。2015年12月 1日の小波動のピークは20012円で、6月の20952円を更新することはできなかった。

その原因は、@中国経済の行き詰まり、Aこれによる原材料や資源相場の急落、B原油の底が知れぬ暴落、C原油に投資していたファンドの危機、DFRBの金利引き上げによって新興国へ投下されていた資本が回収される。といったことが陸続とあらわになって、株式にとってはマイナス材料のオンパレードです。この状況では株価が上昇する理由はありません。

日本の国債金利は0.2%ほどであったのに、世界の株価が下落するたびに、資金の回避先として円が買われ、超低金利にもかかわらず円高に戻っていく。2014年の日銀の追加金融緩和によって円安にするというもくろみは崩れていました。そこで2016年1月29日に出した日銀の政策が「マイナス金利」です。長期国債の0.2%よりももっと低い金利に誘導しよう、究極的には金利がつくような国債とか銀行預金といった安全資産への投資はできないようにする。企業や個人は資産を現金で持つしかないという状況を作り出して、現金を別の資産(例えば株式や不動産の実物)に変換させよう、という狙いでしょう。

そのもくろみは株式市場においては3日間は効き目がありましたが、4日目の今日は黒田バズーカの神通力は消えてしまいました。世界経済の怒涛の洪水の中で日銀が投げた救命ボートでは、流れの大きさが強すぎて救助できなかった。


どうやら2012年11月から始まったアベノミクスによる株価上昇は終ったようです。

大勢波動は下降波動なのか上昇波動なのかを、判断するには、月足の株価が3本の平均線(@18月線、A36月線、B48月線) を上抜いたら上昇波動、株価が3本の平均線を下抜いたら下降波動とすれば、間単に判断できます。

右図で、日経平均は、下げ気味の傾向ながら、まだ大勢下降波動に転換したとはいえません。

5401「新日鉄」は、2015年8月に大勢下降波動になったと見られるので、150円の株価が350円になったというような ダイナミックな上昇は当分(2年以上)はありません。 株価が突っ込んだら買って、戻ると利食いするという投資方針しかありません。


5713「住友鉱」は2016年1月に3本の平均線を下抜きました。今後は上がれば追随して買うという順張りの買いはできず、上がれば売り・大きく下がれば買うという逆張りをしなければならない銘柄になりました。

8306「三菱UFJ」の相場も逆張りの時代になるかどうかの境にあります。

2012年12月から始まった上昇のスタートは350円どころからでしたが、937円の高値を出して上昇波動は終り、またいつかくる400円割れの方向に向かって下げているようです。


8604「野村H」の相場も逆張りの時代になるかどうかの境にあります。

まだ野村の株価がダメだとはいえませんが、先のボトムの609円を下回れば、当分野村を買っても上昇は期待できる銘柄ではなくなります。

9984「ソフトバンク」は2015年8月に3本の平均線を一度下回りましたが、そこから反発しました。だが2016年1月に再び3本の平均線を下抜きました。ソフトバンクの上昇波動は終ったとしてよいでしょう。

今後はよほどの急落をしない限り、買うことはできません。



(2016. 2. 4) TOPIX 1388P(-17)  日経平均 17044円(-146) 31.2億株 (2兆8587億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 -0.37%
  2. 英FT100 -1.43%
  3. 独DAX  -1.53%
  4. 仏CAC  -1.33%
  5. NYダウ  +1.13%
  6. ナスダック  -0.28%
ロシアとOPECが減産の会合を持つとかの観測から32ドル台まで反発したため、NYダウは反発したが、ナスダックは小幅マイナス。

ISM非製造業指数は予想の+55.1%より悪い+53.5%と悪化する。ADPの雇用統計は12月は+25.7万人の増加だったが、1月は+20.5万人と雇用者数は減少する。

景況感は製造業は50%割れ→非製造業も悪化→雇用者数も伸びない。と米国景気に停滞感がでてきているので、米国株はなかなか75日線まで戻ることができません。


ロンドンのFT100は25日線を一度は超えたのだけれど、私は(株価が25日線を3日連続して上回ったならば、25日線をクリアしたとする)としていますが、FT100は連続2日しか上回ることができませんでした。

WTI原油も25日線に乗って、次の75日線を目指してほしいかったのだが、やはり3日連続して25日線を上回ることはできませんでした。

25日線は毎日下落しているのだから、25日線を上抜いた1日目と同じ株価水準をあと2日間維持すれば自然に3日連続して25日線を上回ることができるのですが、それができない。なぜか?それは戻り売りの勢力が強すぎるからです。


25日線を上回れない限り、中勢波動の基準である75日線まで上昇することはできません。

日経平均も世界の株価と同じで、25日線を上回ることに窮々としています。(B)では連続して2日しか上回ることはできませんでした。

図の(A)では株価が3日連続して25日線を上回りました。そのため25日線の急角度の下落は止まり、横ばいに近い状態にになりました。そこから株価は75日線に向かって上昇していったのです。

日経平均が上昇するためには、当面は25日平均線を3日連続して上回るのかどうかを見ていてください。



(2016. 2. 5) TOPIX 1368P(-19)  日経平均 16819円(-225) 33.8億株 (2兆8946億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 +1.56%
  2. 英FT100 +1.05%
  3. 独DAX  -0.44%
  4. 仏CAC  +0.04%
  5. NYダウ  +0.48%
  6. ナスダック  +0.11%
と概ね小幅高。しかし米国で発表された経済統計の数値は思わしくなく株価が上昇する元気はなかった。

今夜は1月の雇用統計が発表されますが、雇用統計は遅行指数です。現在の米国経済は停滞に突入しようとしています。よしんば雇用統計の数字がよかったとしても、それは2〜3か月前の経済状態を遅れて表現しているに過ぎません。

たぶん1月の雇用統計の発表によって株価が上がるとすれば、雇用統計が悪化し、FRBの金利引き上げは困難になったと市場が判断したときでしょう。雇用統計の数字がよかったときでも、今後の米国経済がよくなっているとは誰も思いません。プラスの材料にはならないでしょう。


2008年10月にリーマンショックが発生し、100年に一度の信用不安であるといわれました。

米国FRBは2008年11月にQE1を出動し1.7兆ドルの量的緩和をしましたが、これは当面の不動産担保のMBS証券を買い支えるためのものでした。

ついで2010年10月にQE2を発動しましたが、これは国債の買い入れ額が6000億ドルと少なめだったので、株高という点ではあまり効果がありませんでした。

そこで2012年9月にQE3が実施されたのですが、毎月FRBは、国債を450ドル、MBSを400ドル買い入れるというもので、マネーをジャブジャブ放出したのはQE3からです。

NYダウはQE3の開始から2年間にわたり上昇し続けました。だがQE3は2014年10月に終了しました。株式相場は惰性で2015年5月までは上昇を続けましたが、大量のマネーの供給はストップしています。ようやくにして、株価を上昇させるエネルギーが無くなったと気づきました。今後は過剰マネーによる米国の株価上昇はありません。上昇するのは企業利益が伸びるときだけです。


日本はどうだったのか。2008年のリーマンショックは10月でしたが、株価は2008年1月に(月足の3本の平均線を下回って)すでに大勢波動は下落に転じています。

リーマン以後の4年間は株式市場において悪夢のような時期でした。需要は蒸発して無くなり、超円高になる。そこへ米国のQE3が始まり、ついで民主党から自民党への政権交代があって、アベノミクスによって株式は大幅上昇。日米の株価は上昇しました。

QE3が終り米国株価は頭打ちとなりましたが、日銀の追加緩和がでて、日本の株式はさらに上昇しました。ここへ来て株価が下落しているのは、金融政策では株価を押し上げる力がなくなったというのが原因の1つでしょう。


リーマンショックによって世界経済は急激にマイナス成長となりました。各国は金融政策と財政出動になってこれに対応しようとしました。

そ のとき中国は当時の為替レートで約50兆円の財政出動をしました。50兆円とはすごい金額です。 だが中国政府の大規模な投資は今となっては大失敗でした。過剰な設備投資に金が回りました。株式も回復しなかった。

中国は2012年の米国のQE3には乗ることはできず、逆にQE3が終ったところから株価を上げようとしましたが、これはいたずらに投資家の大損を招いただけでした。



(2016. 2. 8) TOPIX 1380P(+11)  日経平均 17004円(+184) 27.3億株 (2兆5991億円)


先週末の海外株は
  1. 中国上海 -0.63%
  2. 英FT100 -0.86%
  3. 独DAX  -1.14%
  4. 仏CAC  -0.66%
  5. NYダウ  -1.28%
  6. ナスダック  -3.24%
と安い。米国の1月の雇用統計は、26.2万人→15.1万人へと低下する。失業率は4.9%とリーマンショック以前の、ほぼ完全雇用状態になったので、今後はそんなに雇用者数は増えないという。

FRBの目的とするものは、@適正なインフレ率(物価上昇が年率2%程度)と、A雇用の確保(失業率が5%程度)です。Aの雇用は十分にFRBの思っている範疇に入りました。この点ではFRBが政策金利を昨年12月に上げたことは根拠があります。

しかし@の物価上昇率は+2%に到底及ばない。それは米国の経済の伸びの足取りが思わしくないからです。米国の10-12月GDPの伸びは+0.9%へ減速しました。2016年も通年で+ 2%のGDPの上の伸びは難しい。米国以外のEU圏、日本、アジアのGDPはましてや伸びていません。

米国は国内に巨大な消費市場をかかえているので、国内消費が伸びれば米国のGDPも伸びます。国内消費が伸びるためには、基本は賃金がアップすることです。テクニカル的にはローン金利を低くするという手もあります。完全雇用状態になった現在では賃金は上昇しやすくなっているので個人消費は増えるはずです。一方FRBが金利を引き上げたためローン金利が上がり、ローンを使っての消費は減ります。高額商品の販売は苦しくなります。この綱引きで、米国GDPの大方は決まります。

だが、米国の貿易収支は次第に悪化しています。@ドル高であること、A現在は世界的な経済の沈滞期に入っていること、が原因です。米国にとって輸出の拡大はつらくなりつつあります。世界を席捲したアップルのiPhoneは生産制限に入りました。米国の輸出は赤信号が点滅しています。

グラフを見るとナスダックの大勢上昇波動(2〜5年くらい)はなお上昇波動にありますが、上昇波動が崩れるのは、株価が@18月線を下回る→A36月線を下回る→B48月線を下回る、の順です。ナスダックの月足の48月線は4343Pの位置にあるので、すぐに大勢波動が下降波動に転換するとは思いませんが、すでにAの(36月線を下回る)まで下落していることは脅威です。

日経平均はナスダックに連動するので、(a)でナスダックが月足のザラバで36月線を下回ったときには、日経平均も同じく36月線を下回まわりました。昨日(b)のナスダックは再び36月線を下回り次の48月線まで下落するのかどうかが重要なポイントになっています。日経平均は今日のザラバ安値でも36月線を下回っていないので、目下のところは日経平均はナスダックよりも強いといえますが、最終的には日経平均はナスダックと同じ方向に動きます。ナスダックがどう動くのかを注目しておかねばなりません。


■■ お知らせ ■■

今日より《デンドラ24》Ver.5のバージョンアップをし、今日から新バージョンの発送をしています。

前の《デンドラ24》Ver.2は2010年2月にリリースしたものです。ああ・・・月日の流れは早いもので6年が経過しました。2005年のVer.1からは11年経過しています。年を取るのは早い。だがパソコンの進化の速度はもっと早い。モタモタしていると、昨日まで動いていたソフトが、今日から急に動かなくなってしまいます。

《デンドラ24》Ver.2を出した当時は、日本のWindowsは悪名高いVista が最新でした。その後マイクロソフトは、このVistaへの大非難を受けて、WindowsXP の路線を引き継ぐWindows7に変更しました。これはよかったのですが、何をトチ狂ったのか次にi Padに対抗しようとして、Windows8を出しました。だがこれまた大変なブーイングを受けて、Windows10を出し、 WindowsXP→Windows7→Windows10 というトラディショナル(伝統的)な路線に戻りました。

そういう環境下では積極的にバージョンアップは出来ません。《デンドラ》Ver.2の2010年から、《カナル24》はVer.3、Ver.4、Ver.5とバージョンは3つも変りました。よって最近は余りにも古くなった《デンドラ24》Ver.2を推奨することはありませんでした。 しかしWindows10は当分は有力なWindowsになるようなので、 ようやく《デンドラ24》Ver.5を発売する気になり、ソフトの古さからおきるトラブルをほとんど解消しました。

これに先立って、 《デンドラ24》による波動の見方を執筆しました。この講座は《デンドラ24》がどういう役目えを果たすのか。それゆえにどうして必要なのかを述べています。われながらよくまとめたと思う講座です。一読される価値があると思います。



(2016. 2. 9) TOPIX 1304P(-76)  日経平均 16085円(-918) 31.7億株 (3兆 556億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 ----
  2. 英FT100 -2.71%
  3. 独DAX  -3.30%
  4. 仏CAC  -3.20%
  5. NYダウ  -1.09%
  6. ナスダック  -1.82%
と安い。発端は欧州の大手銀行の信用リスクの懸念がでて、ドイツ銀やパリバなどの一流の銀行株が大幅に下落。ドイツ銀なぞは-9.5%の下落です。

これが米国に引き継がれてシティ、バンカメ、ゴールドマンSは-5%の下落をして、NYダウは-400ドル安まで突っ込む。しかしアップルやアルファベット(グーグル)やエクソン・シェブロンのメジャー産油株が戻して欧州の半分くらの下げで終る。

ひところは中国の爆買いによって、原油・非鉄・レアメタルの価格は高騰しましたが、これを見て積極的に資源関連会社に貸し付けたり、社債を買ったりした銀行・投資会社の信用が問われているわけです。今から思えば 資源バブルでした。バブルに乗った金融機関はつらい時期です。

ギリシャは-8%の暴落となったようですが、欧州市場はだいたい-3%の下落、米国は-1.5%の下落でした。リスクオフの動きが強まったために円が買われて円高になり、CMEの日経先物は16460円(-540)で終っていました。今日の日経平均は16666円(-337円)で寄り付き、円高が進行するにつれてドンドン下げる。一時は-978円安まであったが16025円と16000円を割り込まなかったので少し戻して-918円安で終る。もう「ビックリポン」です。

日経平均は-5.4%の下げとなりました。暴落です。米国が-1.5%、欧州が-3%の下げであったのに、何ゆえ日本は-5.4%も下げなければならないのか? それは昨日に比べて2円の円高が原因です。2円の円高は日経平均を500〜600円引き下げます。円高がなければ今日の日経平均は-2%安の16400円くらいで止まったと考えられますが、円とドルはリスク回避の逃避先になっています。そしてドルと円を比較すると米国長期金利は1.753%に対して日本の10年物の国債利回りは、今日は-0.035%とついにマイナス金利に突入しました。円高を食い止めようとすればマイナス金利にならざるをえません。米国金利はゆるやかに下がっていますが、日本の金利はマイナス金利という歯止めがなくかっているので、米国にくらべて金利の変動が大きくなりました。したがって円高が目に見えて進行します。

円高によって輸出株が売られ、マイナス金利によって金融株(銀行・保険・証券)が全滅しました。よいところはありません。日経平均が日米欧の中で最も大きく下げた理由です。

日経平均は1月21日のザラバ安値(終値も同じ)16017円に急接近してきました。先日執筆した 株式講座No.22 《デンドラ24》による波動の見方の最後の章で、《デンドラ24》による上値メド・下値メドを加えた「最近に日経平均のピーク・ボトムの判断について」について述べましたがそれは1月末までのものでした。今日は2月に入ってからの《デンドラ24》の上値メド・下値メドについて説明しておきます。

次図の(p)(q)(r)(s)(t)で株価のメドを知っておくべきです。



(p)の日のパタン情報
  1. 今は下降中である(下降パタンNo.はB262)
  2. 今の波動による下値メドは(a)17418円、(b)16644円である。
  3. 前の波動による下値メドは(c)17805円、(d)17031円である。
  4. もし今日の終値が4%波動のボトムになったときは、次の上昇波動の上値メドは、(e)17298円〜(f)18259円が見込める。
現実には(p)のボトムは16017円となって、最も安い下値メドの(b)16644円よりも約400円も低いところまで下落しました。(b)16644円は過去の波動の75%はここまでしか下げないというメドですが、ややキツめの下げになりました。株価の妥当な水準を考えずに、気分で売買されるとこうなります。

(q)の日のパタン情報
(q)は4%波動が上昇波動に転換した日です。この日のパタン情報は、
  1. 今は上昇中である(上昇パタンNo.はS743)
  2. 今の波動による上値メドは(a)17138円、(b)17619円である。
  3. 前の波動による上値メドは(c)17298円、(d)18259円である。
  4. もし今日の終値が4%波動のピークになったときは、次の下降波動の下値メドは、(e)17418円〜(f)16644円が見込める。
現実には(a)17138円、(c)17298円、(b)17619円、(d)18259円の(b)(d)の中間の17905円でピークとなりました。


(r)の日のパタン情報
(r)は4%波動が上昇波動にあるときの株価が高い日です。この日のパタン情報は、
  1. 今は上昇中である(上昇パタンNo.はS743)
  2. 今の波動による上値メドは(a)17138円、(b)17619円である。
  3. 前の波動による上値メドは(c)17298円、(d)18259円である。
  4. もし今日の終値が4%波動のピークになったときは、次の下降波動の下値メドは、(e)17418円〜(f)16644円が見込める。
現実には(a)17138円、(c)17298円、(b)17619円、(d)18259円の(b)(d)の中間の17905円でピークとなりました。



(s)の日のパタン情報
(s)は4%波動が下降波動に転換した日のパタン情報です。
  1. 今は下降中である(下降パタンNo.はB426)
  2. 今の波動による下値メドは(a)16972円、(b)16614円である。
  3. 前の波動による下値メドは(c)16436円、(d)15543円である。
  4. もし今日の終値が4%波動のボトムになったときは、次の上昇波動の上値メドは、(e)18408円〜(f)194307円が見込める。
現実には今日の2月9日には、(a)16972円、(b)16614円、(c)16436円、(d)15543円の(c)(d)の中間の16025円のザラバ安値まで下落しています。



(t)の今日のパタン情報
(t)は2016年2月9日の4%波動のパタン情報です。
  1. 今は下降中である(下降パタンNo.はB426)
  2. 今の波動による下値メドは(a)16972円、(b)16614円である。
  3. 前の波動による下値メドは(c)16436円、(d)15543円である。

    ここまでは(s)の日の情報と違う点はありません。

  4. もし今日の終値が4%波動のボトムになったときは、次の上昇波動の上値メドは、(e)17372円〜(f)18337円が見込める。
(s)の日の次の上昇波動のメドの(e)18408円〜(f)194307円から約1000円ほど上値メドが低くなっています。



《デンドラ24》は上値・下値メドが表示されるため、ついそのメドを「目標値」としがちですが、それは間違いです。例えば株価が下げているとき他のチャートからどうも買いらしいと思ったときに、@もっと下げる可能性があるのか、Aもし下げ止まるなら次の上昇はどこまで上昇する可能性があるのか、の情報を提供してくれるだけです。

例えば今日の日経平均は条件表No.1が買いマークを出しています。小波動のボトムらしさは、@新安値、ANo.1 が買いマークの2ポイントでしかないので買うことはできませんが、ユーザーが独自に信頼している条件表が買いマークを出していたなら、買うべきか・買わないのがよいのかを迷います。

そのとき、今日の波動パタン情報の下値メド(c)16436円はすでに到達しているので、もし下げても(d)15543 円で下げ止る可能性は75%あります。今日の終値16085円から約540円の下落する確率25%あるが、それでもよいと判断すれば買えばよいのです。もし今日の終値16085円がボトムになるなら、次の上値は(e)17372円〜(f)18337円が見込めるので、17372円には約1300円上昇する可能性があります。

しかし現実的な対応は、@まだ小波動のボトムらしさのポイントは2ポイントでしかない。Aデンドラの最も低い下値メドの15543円までは下げていない。B今は世界中が疑心暗鬼になって適切な株価水準を計ることができていない。ということを考えると、買える局面ではありません(一度は反発する現象が出ないと・・・)。



(2016. 2.10) TOPIX 1264P(-39)  日経平均 15713円(-372) 38.4億株 (3兆5368億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 ----
  2. 英FT100 -1.00%
  3. 独DAX  -1.11%
  4. 仏CAC  -1.69%
  5. NYダウ  -0.07%
  6. ナスダック  -0.35%
と安いが、ドイツ銀は数十億ユーロ規模の社債の買戻しをすると報じられたとかで、金融不安の懸念は後退する。米国は前日比ほぼ変らずの水準まで戻す。

日経平均は小幅高の16127円で寄り付いたが、すぐに売られて一時は-655円安の15429円まで突っ込む。今日の下げによって、ボトムらしさのポイントが次々に出てきました。

@新安値、A9日順位相関が-80以下で、まず2ポイント。

B条件表No.1が買いマーク、C25日騰落レシオが買いマークで、4ポイント。

(次図)D25日投資マインド指数が買いマークで、5ポイントです。

さらには、Eデンドラの下値メドの15543円(昨日までは最も低い下値メドだった)までザラバで下げたので、6ポイントです。

こういう極端なリスクオフの時期だし、4平均線は上から順に200日線→75日線→25日線→9日線と「順調に下げている」という局面なので最低7ポイントは欲しいところですが、次第に買いが有利になってきています。

東証1部の連結PERは昨日は14.92倍と15倍を下回ってきましたが、今日の下げによって14.5〜14.6倍になったと思われます。だいたい14.5倍くらいでボトムとなる例が多い。

1月21日の先のボトム(16017円)のときは14.24倍でした。昨年9月29のボトム(16901円)のときは14.44倍です。PERからもボトム圏に入ったといえます。

さらにいうと今日の出来高38.4億株と売買代金3.5兆円は、かなりの程度投げたこと表しています。株価が下落した日の38.4億株は、8月25日の窓空け陰線でボトムになったときの47.4億株に次ぐものです。今日の38.4億株は47.4億株には及ばないので「今日で投げ切った」とはいえませんが、それに近い。

(次図)《デンドラ24》Ver.5で日経平均の下値メドを見ると、今日の下げで「下降波動のパタンNo.」が変化したので、高いほうから掲げると、@16436円→A15900円→B15543円→C15007円です。下から2番目の下値メドに到達したので1ポイント加点のことはすでにいいました。

今日の終値(15713円)がボトムであるとするならば、4%波動は16342円にならないと上昇波動になったとはいえませんが、次の上昇波動は(e)16970円と(f)17756円が上値メドです。16970円くらいまでは戻ってもおかしくありません。





(2016. 2.12) TOPIX 1196P(-68)  日経平均 14985円(-760) 47.0億株 (4兆1833億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 ----
  2. 英FT100 -2.38%
  3. 独DAX  -2.93%
  4. 仏CAC  -4.05%
  5. NYダウ  -1.60%
  6. ナスダック  -0.39%
欧州は昨日は仏国の銀行が売られ、欧州株は大幅安となる。欧州の銀行はCoCo債という一種の転換社債を発行していて、これでBSIが要求する自己資本比率を維持していたようです。

CoCo債は通常なら金利が支払われるが、金利の支払いができなくなると、その銀行の株式に転換されるというものだそうです。

「CoCo一番」のカレー屋は知っていますが、CoCo債は知りませんでした。通常の転換社債(CB)であれば、購入時に転換価格が現在の株価より少し高めに設定されています。株価が転換価格を大きく上回ったときには、転換社債を株式に転換する投資家がでてきます。この場合は転換社債を発行した企業は転換社債の償還をする必要がなくなるし、転換社債を買った投資家は、株価が値上がりしているので株式に転換して株式を売れば、転換社債の償還の金額よりもはるかに多くの資金の回収ができます。CBの発行企業にとっても、これを購入した投資家にとっても双方プラスです。

ところがCoCo債はそうではないようです。発行企業が利払いができなくなったときに、債券を株式に転換するらしい。社債の利払いに窮するような企業の株価は当然に安くなっていますから、CoCo債を買った投資家が、その企業の株式に転換されても少しもありがたくない。株価が相当上がらねば投下した資金の回収ができません。

これが欧州の銀行株が連日で下落している原因だとすれば納得できます。欧州の銀行は陰ではかなりヤンチャなことをしていたようです。まあ取引であるから、自己に有利なことだけをいい、不利なことは口を閉じるのが常ですが、これは説明責任を負っていない。欧州の銀行は多くの訴訟を抱えているらしい。銀行はシェークスピアの「ベニスの商人」のころと体質はかわらないのか?

2008年、サブプライムローンを多く抱えていた金融機関は全滅しました。CoCo債というのはややインチキくさい債券ですが、誰もリスクに気がつかなかった。今回はそれに気がついたとき、世界の株式は暴落しています。金融不安は2008年の再現になる可能性が少しあります。


大勢波動が上昇中か下降中かを判断するとき、株価が月足の3本の平均線(18月・36月・48月)のすべてを上回ったら上昇中、すべてを下回ったら下降中とすればよいと思っています。

NYダウは今日現在の月足(途中足)では3線を下回り、下降波動入りの可能性が高くなりました。ナスダックはもう少し余裕があります。

ロンドンのFT100は、(b)2014年10月に一時3平均線を下回り、下降波動入りかと思わせましたが、(c)まで上昇して(a)の高値を上回ったので、これは杞憂に終りました。

しかし(d)で3平均線をした抜き、(e)まで戻したものの(f)で再び3平均線を下抜き現在に至っています。英国株は大勢波動は下降中です。


日経平均は今日の下落によって、3本の平均線を下抜くかどうかのギリギリのところにきています。

前回下降波動に転じた2007年〜2008年の株価の動きを見ると、
  1. で18300円のピークをつけ、

  2. の前に株価は最も高い平均線を下抜いたものの、再び3平均線の最上位にでました。

  3. しかし(a)の高値を奪回することはできず、

  4. ついに3平均線のすべてを下抜きました。最下位の48月平均線は14300円でした。2008年1月のことです。ここから日経平均の大勢波動は下降に転じたことが明らかになりました。

  5. リーマンショックはそれより8か月後のことで、株価は7000円割れまで下落しました。(d)の大勢波動が下降波動に転換したときの株価14300円からさらに7000円ほど下落しました。

  6. 2012年12月にアベノミクスを評価して、日経平均は3平均線を全部上回り、大勢波動が上昇に転換しました。最上位の36月平均線が9500円のときです。

  7. 以来2年半、株価は上昇し続け、2015年6月に20952円となりました。

  8. 2015 年9月に中国株式の暴落によって、株価は最上位の18月線を下回り、順調な上昇は一時途切れましたが、次の月に再び3平均線の最上位に抜け出ました。(h)は2007年の(b)に相当します。

  9. しかし高値は20012円までで終りました。(g)の高値を上回ることはできず、再び18月線を下回り、2016年1月には36月線も下回りました。

  10. 現在は3本目の48月線(だいたい14700円)を下抜くかどうかの瀬戸際の位置にあります。2008年1月の(d)ようになるかどうかです。
大勢波動は景気循環に一致します。(ここでいう景気循環とは3〜5年を1サイクルとするキチンサイクルのことです)。株価上昇の期間からも、GDPの伸びからも経済の拡張期は終りつつあります。よって(g)の高値20952 を奪回することは極めて難しいと思われます。


すでに「株価が上昇したから明日はもっと高くなるだろうと思って買う」順張り相場は完全に終っています。今は逆に「株価が下落したから明日はもっと安くなるだろうと思って売る」順張り相場になっていますが、順張り相場はそう長くはありません。

株価の動きはそう単純なものではありません。どこまでも一直線に下げるものではない。どこかで反発し、市場はそのときの情勢を見て次は上がるか下がるかを見極めます。

日経平均のこの3日間の大下げは、感情的な気分によるものです。株価が下がるから売る→売るから下がる、という下降のスパイラルはいつまでも続くものではありません。

例えば昨年8月のチャイナショックによる(a)への下げは5日間続きましたが、この下げ方と今日(b)までの下げ方のいかに似ていることか。そして(a)で皆が総弱気になってぶん投げたときの出来高は47.4億株でした。今日の(b)の出来高は47.0億株で、(a)の出来高に匹敵しています。

(a)では大底とならなかったのは激震が治まり余震がないかと確認する時間が必要だったからです。激震が治まったらしいとなれば株価は反発します(ただし前の高値を更新することはむずかしい)。今の(b)の状況は(a)とその後の1か月半を手本としておけばよいと思っています。



(2016. 2.15) TOPIX 1292P(+95)  日経平均 16022円(+1069) 32.8億株 (3兆1536億円)


先週末の海外株は
  1. 中国上海 ----
  2. 英FT100 +3.08%
  3. 独DAX  +2.45%
  4. 仏CAC  +2.52%
  5. NYダウ  +2.00%
  6. ナスダック  +1.65%
と上昇。ドイツ銀は6000億円規模の発行済みの債券を買い入れると発表したことから、金融不安が後退し銀行株を中心にして反発する。

米国も銀行株が上昇。さらに原油が+3.23ドルと大幅に反発したし、1月の小売売り上げ高が+0.2%の伸びであったことから、市場は少し強気になる。長期金利は+17.55(-0.098)と上昇し、円安に振れる。

日経平均は週末までの3日間で-918円安→-372円安→-760円安と投げ売りが続き、たったの3日間で約-2000円の暴落をしましたが、金曜日の出来高は47.0億株となってセリングクライマックス状態にありました。 そこへ、@欧州の金融不安が後退、A米国の消費は堅調である、B原油が大きく反発した、Cしたがって円安に振れた、という4つの材料から高く始まる。少し下げた10:00頃から「ドンドンよく鳴る法華の太鼓」のごとく、時間が経つにつれて株価は上昇をしてなんと+1069円高。一時は1202円高までありました。無論買ったのは、この3日間調子にって売った売り方の買戻しです。

昨日の出来高47.0億株はGPIFなどの長期投資家が、@PERが13倍台になった、APBRが1倍になった、B株価の大幅下落によって、資産全体に占める株式の保有割合が小さくなったので、株式を買増しして保有割合を戻した、という理由による現物株の投資がメインであったかと思います。こういうバリュー投資は、割安になったという理由での買いなので、株価の上値を追って買うことはないので株価は上がりませんが、株価の下落を下支えする力はあります。

今日の出来高は32.8億株と少なく、売買代金も金曜日の4.1兆円から今日は3.1兆円に減少しています。ほとんどが買い戻しによるものと思われます。買い戻しだから指値で買い戻そうという悠長なことはできません。いかに早く買い戻して、売りによる利益を確定出せるかがすべてです。モタモタしていると、この3日間に売った向きの評価益は約+2000円ありましたが、これだけ日経平均が反発すれば利益はほとんど消えるかもしれない。

売り方が久々にプレッシャーを抱き、焦って買い戻した1日でした。ただいつもいうように買戻しの限界は、当面は9日線、ついで25日線です。25日線を連続3日間上抜いてから、株価がようやく上昇波動に転換するのかの期待が出てきます。現在のところ9日線は16500円の位置にあります。9日線はだいたい1日に200円〜250円ほど下降しているので、日がたてばたつほど戻りは低くなります。明日の9日線は16300円、明後日は16000円、その次は15800円が当面の戻りのメドです。

今バージョンアップをしている《デンドラ24》Ver.5で戻りのメドを見ると、次図のようになります。《デンドラ24》のユーザーがデンドラの波動情報をどう利用すればよいのかを、事例によって解説しておきます。



今日現在でわかることを箇条書きにします。

まず、今日(2月15日)に4%波動は陽転した。今は上昇波動にある。現在の波動パタンは(S674)である。また前の波動パタンは(B226)である。
  1. 前波動からのこれからの株価の上値メド(中位)は16148円。しかしこれは今日の高値16155円で上回っている。
  2. 前波動(B226)からのこれからの株価の上値メド(1/4位)は16896円である。
    75%の確率で、株価は16896円を上回ることはできない。50%の確率で16148円まで戻ると推定できる。

  3. 今波動(S674)からのこれからの株価の上値メド(中位)は15999円。
  4. 前波動からのこれからの株価の上値メド(1/4位)は16447円である。
    75%の確率で、株価は16447円を上回ることはできない。ただ(中位)の上値メド15999円はすでに今日は上回っている。
以上のことから、今後の上値メドは(b)の16896 円か(d)の16447円ですが、まずは上から2番目の上値メド(d)の16447円(約16500円)を戻りの限界としたい。この水準を一気に上回れば(b)の16896円(約17000円)もあるが 、17000円の奪回はかなり難しい。

次にこの戻りが終って株価が反落するならば、の予告が(e)と(f)にあります。( e)は現在の上昇波動が今日の終値(16022円)で終るならば次の下落は14740円まで下落する確率が50%ある。また(f)は次の下落は1377 9円まで下落する確率が25%ある。としています。株価が今日の終値16022円より高くなれば、(e)(f)の次の下降波動の下値メドは高くなります。(e)は今日の終値16022円が戻りの限界としたときの、次の下値メドです。図の(e)(f)の左側に(M8%)と(L14%)が表示されていますが、これは次の下降波動は「戻り高値」から-8%(50%確率) または-14%下落(25%確率)することを表しています。

もし株価が17000円まで戻ったならば、-8%の下落は15640円です。-14%の下落は14620円です。次の下降波動の下値メドはこの上昇波動がどこまで上昇するかにかかっています。まだ下降波動になっていない現在では、今日の(e)(f)の次の下値メドを見て過度に心配することはありません。



(2016. 2.16) TOPIX 1297P(+4)  日経平均 16054円(+31) 31.5億株 (2兆8848億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 -0.62%
  2. 英FT100 +2.04%
  3. 独DAX  +2.67%
  4. 仏CAC  +3.01%
  5. NYダウ  ----
  6. ナスダック  ----
と金融不安が後退した欧州株は上昇。中国は2月6日から春節のため休場していましたが15日から取引が始まる。

春節の今日実の間、経平均は2月8日の17004円から2月12日の14952円まで3日間で2000円下げるという経験をしました。

これは欧州も似たようなもので、ロンドンのFT100も2月4日の5898Pから2月11日の5536Pまで約360Pの下げでした。

上海総合は春節明けにどれほど下げるのか、中国株がまたまた世界の株価を引きずり下ろすのではないか、と一部では心配されていましたが、昨日は小幅安で終り、何事も起きませんでした。中国市場がローカル市場でしかないことがよくわかります。

日経平均は米国株(特にナスダック)に連動していますが、また欧州株とも連動しています。グラフは英国のFT100と日経平均の株価の動きですが、銘柄を隠せばどちらが日経平均で、どちらがFT100であるのかの区別がつきがたい。

日経平均は15日、16日と2日連続高して、買戻しのメドである9日線にザラバ高値がタッチしましたが、これはFT100の12日と15日の連続陽線を見たためです。日経平均は欧米の動きを手本にして、1日遅れで動いています。

日米欧の株価を見ないと日経平均の動きを推測することはできません。私が毎日、国内株(日経先物・TOPIX先物など)と海外株(NYダウ・ナスダック・FT100・上海総合・WTI)のデータを手打ちして、HPにアップしているのはそのためです。 最近ある経済の学術誌に、《カナル24》を使った上海総合とWTIの月足グラフを付けて、中国経済についての論文が載っていましたが、世界がどうなっているのかを日々知っておくことは重要です。



(2016. 2.17) TOPIX 1282P(-14)  日経平均 15836円(-218) 28.4億株 (3兆1136億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 +3.29%
  2. 英FT100 +0.65%
  3. 独DAX  -0.78%
  4. 仏CAC  -0.11%
  5. NYダウ  +1.39%
  6. ナスダック  +2.27%
米国は15日の月曜日が休場だったので、欧州発の金融不安後退を欧州より1日遅れて織り込むことになたので、上昇する。織り込み済みとなった欧州は小反落となる。

ナスダックは窓を空けての3陽連となったので、この上昇では25日線を上回ることが期待できますが、その上にある75日線には到底戻ることはできない。

米国企業の10-12月の業績は-3〜-4%程度の減益になったらしいので、株価の2大要因の@金融政策(金利)、A業績 の2つとも思わしくない現状では、精一杯戻ったとしても4600〜4700Pくらいまででしょう。

原油は大陽線が結構出ていますが、続けて上昇して25日線を上抜くことができません。昨日もザラバでは25日線を上回ったのに、売り物に押されて上ヒゲの長い「トウバ足」になりました。売り圧力は強い、強すぎる。


図は日経平均の週足です。3本の平均線は、@39週線(紺色)、A78週線(緑色)、B104週線(黄色)です。

@39週線は日足の200日線に当たります。日足株価が200日線を大きく、あるいは長く、割り込んだときは、だいたい1つの中勢上昇波動が終ったと思ってよいところです。

ただそれは中勢上昇波動が一区切りついたということであった、その後株価が下降トレンドになるということではありません。その後1〜2か月を経て、株価が200日線を上回り、再び中勢上昇波動が始まることは多い。

グラフで39週線を下回ったのは(c)(d)(f)ですが、(d)は直ぐに39週線を上回っているので、(c)と(f)で中勢上昇波動が一区切りつけた。そのボトムだとしてよいでしょう。

グラフには(a)〜(f)のボトムが表示されていますが、(a)〜(f)までは前のボトムを下回る下げはありませんでした。ボトムは一貫して切り上がっていました。ところが(f)で39週線を大きく下回り、2016年に入ってから株価はボトム(f)を下回りました。ボトムが初めて切り下がったわけです。

Aの78週線は1年半の平均線で、Bの104週線は2年の平均線です。景気循環において景気後退期は短くても1年半くらい、長ければ2年半くらいかかります。そのBC線を現状では下回っているのだから、株価がよく戻ってもBCが限界です。 Bの水準は18300円、Cの水準は17500円くらいです。何か突発的に意表をつくような好材料がでたとしても(まず突発的な悪材料はいくらでも出るが、好材料はめったに出ない)、@の39週線の19000円です。それ以上の戻り高値はこの3か月間程度では望めません。



(2016. 2.18) TOPIX 1311P(+28)  日経平均 16196円(+360) 26.2億株 (2兆7012億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 +1.08%
  2. 英FT100 +2.86%
  3. 独DAX  +2.65%
  4. 仏CAC  +2.99%
  5. NYダウ  +1.58%
  6. ナスダック  +2.21%
欧州は銀行株が上昇し、資源株が上昇。そこへイランがサウジとロシアの原油産出量の凍結合意を支持するとかの報道があり、原油価格は底打ちか?の期待がでてきて大きく上昇する。

米国も欧州株高やWTI原油高から上昇。国債利回りも1.825%(+0.049)と上昇し、少し円安になる。

ナスダックは窓空けの4陽連となりました。今日は初めて株価が25日線を上回りましたが、25日線を上回ったと判断するのは「3日連続して株価が25日を上回っている」状態になったときだと、私は決めています。

ボトムから窓空けの3陽連・4陽連という強い足が出ているので、3日連続して25日線を上回る可能性は高いと思いますが、それには原油が35ドルくらいまで戻らねばむずかしいのではないか。

そのWTI原油は下げ止まりとなるのか、さらに下落するのかの分岐点にあります。グラフでは重要な場面にきています。図(右側)の(a)は26.19ドルで、リーマンショック直後の安値32.40ドルを下抜いたので、原油価格の底割れが意識されたときの値段です。不安一杯の心理状態がつけた値段です。一部では20ドル割れを予想する向きもありました。暗中模索での価格です。

どこまで下がるのかは売り方にも買い方にもわからない。行動がとれるのは利が乗っている売り方だけです (買い方は防戦一方で積極的な反転攻勢はできにくい)。売り方の一部が利益確定のために買い戻し(ショートカバー)をすると、当然に価格は上昇します。これを見て他の売り方も買い戻しをし始めるとさらに価格は上昇します。最後に窮地に追い込まれていた買い方の一部が買い増しをして、もう少し価格が上昇します。これが図の(b)の25日線までの戻りです。

だが売り方の利食いが終り、買い方も強気になれないと価格は再び下落します。それが(c)です。ところで今回注目しているのは、(c)の終値26.21ドルは(a)の終値26.19ドルとほぼ同じ水準で止まったということです。これまでは新安値になれば、そこからさらに価格が下落して新安値を更新してきましたが、(c)では違った。市場は(a)の値段は最安値であったのではないか。それ以上の下落の可能性は小さくなったのではないか、の判断がされつつあります。

もし(b)の高値34.82ドルを上抜けば、グラフでいう「W底」の完成です。ここから原油価格は底を打って上昇波動に転じることになります。目下の上値メドは75日線の36.44ドル(75日線は下落し続けているのでだいたい35ドルくらい)には戻るでしょう。(b)の34.82ドルを上抜けば世界の株価は、中勢波動の基準である75日線まで戻る可能性が出てきます。目下はWTI原油価格の帰趨が最大の焦点です。


図は日経平均(左側)とTOPIX(右側)のグラフです。両指数ともようやく9日線を上回りました。明日も9日線の上位にあって、9日線を上回ったというメッセージをだすのかどうか。

9日線を2日続けて株価が上位にあれば、一応は次の25日線へ挑戦するものと思いますが、今の状況では株価が25日線まで戻っても、先の小波動の高値17905円を上回ることは難しい。

ましてや75日線の18340円まで上昇することは、WTI原油価格が35ドルになるとか、イエレンFRB議長が政策金利を引き下げるといった発言がでないと無理でしょう。



(2016. 2.19) TOPIX 1291P(-190)  日経平均 15967円(-229) 22.9億株 (2兆2775億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 -0.15%
  2. 英FT100 -0.96%
  3. 独DAX  +0.92%
  4. 仏CAC  +0.15%
  5. NYダウ  -0.24%
  6. ナスダック  -1.02%
と小安い。欧州の銀行不安がほぼ無くなったので、あとは@中国を筆頭した世界経済の停滞リスク、A原油の下落リスク、が株式市場の大きな要因になっています。

@の世界経済の停滞は、IMFが2016年度と2017年度のGDP予想を出すたびに下降修正しているのは世界経済は着々と後退しているということでしょう。

短期の投資家は、株価の値上がり(売りは値下がり)の値幅を期待して投資します。値幅があれば、株価が上げようと下げようとどちらでもよいのです。 長期の投資家は、5年後あるいは10年後の企業の業績がどれほど伸びるのかを考えて投資します。したがって買いがメインです。売買によって値幅を取って利益を出すことは考えてなく、株式をもつことによって配当金による収益をあげることを目的にしています。だから売ることは考えていません。

年金基金や保険会社、小さなところではある目的をもつ財団などは、 長期的に利益をだして資産を維持していくことが第一です。したがってその投資方針は、基本的に正しいのです。利益が伸びると思われる企業の株価が割安になったときに買う。そのために保有している株式のなかで株価が高くなって割安でなくなっている銘柄を売る。まあ株式投資の王道です。


だが割安になったと思われる時期が長期間続き、株価はどんどん下落するという時期もあります。

今日のトヨタ株は約6000円ですが、PERは8倍までしか買われていません。どこからみても割安です。それにもかかわらず株価は200日線を下回り、リバウンドすべき9日線にも達していません。

なぜ企業利益が高いトヨタ株が下落しているのかいうと、
  1. トヨタは優良株としてほとんどの投資家は保有済みであった。

  2. よって株式資産の割合を低めるときには、利が乗っているトヨタ株を売りやすかった。
です。その結果、トヨタは割安な6000円前後の株価水準にあります。もっともトヨタの業績が現在の水準をいつまでも維持できるとは限りません。米国の3大自動車メーカーのうち、トップだったGMは一度は破綻したし、3位のクライスラーは吸収されました。世界に先駆けて液晶を普及させたシャープもいまや会社を売却する段階にあります。

企業が存続していくことはなかなか難しい。投資家も企業の評価をすることは難しい。



(2016. 2.22) TOPIX 1300P(+8)  日経平均 16111円(+143) 20.3億株 (2兆 581億円)


先週末の海外株は
  1. 中国上海 -0.10%
  2. 英FT100 -0.36%
  3. 独DAX  -0.80%
  4. 仏CAC  -0.39%
  5. NYダウ  -0.13%
  6. ナスダック  +0.37%
と小安い。世界の株式市場は生気を失っています。企業業績はあまりよくない。よいといわれていた日本も2015年度(2016年3月期)の増益率は+3%くらいだといいいます。世界経済が停滞しているのに日本企業だけが利益を出すことは出来ません。

世界経済が停滞期にあることから、原油を初めとする資源価格は大きく下げ、中国の爆買い時に資源採掘に投資した商社を初めとする企業や投資ファンドは大きな損失をだしています。シェールオイル掘削への投資についても商社は減損処理をせざるを得なかった。


みんな資源の需給の予測を間違いました。右図はWTI原油(陰陽足)と上海総合(黒色線)を同時に描いたものです。

  1. 中国株価は2007年10月がピークでした。仮需によって6000ポイントまで買われた上海総合は、世界に先駆けて暴落を始めました。

  2. WTI原油が暴落するのは2008年7月からです。10月はリーマンショックで収拾がつかない暴落をし、それまでの高値146.65ドルから32.40ドルまで約1/5の価格になりました。商品市況の下げは株式のような配当金がないので、下げるときは歯止めが利きません。

  3. 中国はリーマンショックに立ち向かうべく、当時の為替レートで約50兆円という途方も無い政府支出(財政出動をしました。

  4. そのため中国株は50%ほど上昇しましたが、政府支出が減るにつれて株価は下落し、(f)までの4年間下げ続けます。

  5. WTI原油価格は、中国の爆買いがとっくに沈静化しているのに(e)〜(g)の間の3年間は100ドル前後で推移しました。中国の爆買いによってWTI価格が上昇したのではないと思います。

  6. だがすでに爆買いをすることができない中国株価は2000Pを下回っています。誰がWTI原油を100ドルで買おうというのか?

  7. 中国経済は2011年ころから失速しています。それでもWTI原油が高い水準で維持できていたのは、米国のQE3によって過剰なマネーが供給されていたからでしょう。ただみたいな0.1%の金利で資金が調達できる。世間には1%や2%の変動をする市場はいくらでもある。WTI原油先物市場にQE3による過剰資金が投入されました。

    だからWTI原油価格は100ドルという水準を維持できていましたが、2014年10月にFRBはQE3を終了しました。今後は過剰マネーがWTI市場には入ってこないことが明らかになりました。

    (g)からのWTI価格の暴落は、本来は2009年時点で30ドル〜50ドルに治まるべきWTI価格が100ドルという異常な価格を実勢価格にもどす過程です。

  8. 中国株は、常識を超えています。なぜ(h)で株価を上昇させたのか、それは政府の株高政策によるものです。実態のない中国企業の株価を政策(株式取引のルール変更)によって無理やり上昇させたのが(h)の高値です。こういう無理押しによる(h)の高値4611Pは将来3年間は戻ることはできないでしょう。
世界経済を中国がリードしていたのは2007年までです。その後の株式は、2014年までは米国のQE3によって上昇しました。ここへ来ての株価の乱高下はQE3が終り、政策金利が上昇して、株式市場や商品市場にマネーが回らなくなったのが原因だろうと思っています。



(2016. 2.23) TOPIX 1291P(-8)  日経平均 16052円(-59) 23.2億株 (2兆2925億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 +2.34%
  2. 英FT100 +1.47%
  3. 独DAX  +1.98%
  4. 仏CAC  +1.79%
  5. NYダウ  +1.39%
  6. ナスダック  +1.46%
と高い。産油国は原油の産出の調整をして価格の維持をを計らねばならないのに、それぞれの国の事情でなかなか増産の凍結に至りませんでしたが、ようやくその気運が出てきました。

WTI原油が一時は32ドル台まで戻り、株価は反発しました。原油価格が安いのは、@緩和マネーによって原油価格がバブリーに高められていたが、A米国の金利引き上げによってバブル的な価格が剥げ落ち、B世界経済の停滞によって需要が減ってさらに価格が下落した。ということです。

2014年からの下げはAによる下げであり、2015年はBを原因とするものです。したがって産油国が一斉に減産に踏み切ればともかく、「増産を凍結する」というだけでは原油価格はたいして上昇しないでしょう。目先の株価変動の細かな材料でしかありません。

ナスダックは安値4209Pから4陽連という強い足を出したので4700Pくらいまでは上昇してもおかしくない。FTは先の小波動のピーク6115Pをワンチャンスで上抜くことができる水準まで戻ってきました。これを上抜けば、5499Pが今回の中勢下降波動のボトムになったとしてよいでしょう。


日経平均は(c)の小波動のボトムはまだ確定していませんが、明日にはボトム14865円が表示されます。

昨年12月1日の戻り高値20012円から(a)→(b)→(c)と小波動は3段下げをしたので、(c)の14865円は相当に堅い底値であると思います。(c)の出来高・売買代金も異常に大きかった。大底らしい根拠のひとつです。

ところが目下のところは株価は25日線を超えて定着することができません。定着しないことには75日線までの戻りを考えることはできません。

もっとも25日超えが定着したとしても75日線の18200円は現在では望むべくもない。よいところ16500円、あっと驚く上昇があっても16900円までだろうと思っています。(これは《デンドラ24》の上値メドです)

日経平均は今のところ17000円を超えることは難しい。したがって先の小波動のピークの17905円まで戻ることができることは難しい。17905円を上回らない限り、日経平均は上昇トレンドに転換できないのだから、まだしばらくは日経平均の大きな上昇は期待できません。



(2016. 2.24) TOPIX 1284P(-6)  日経平均 15915円(-136) 22.0億株 (2兆2323億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 -0.81%
  2. 英FT100 -1.24%
  3. 独DAX  -1.64%
  4. 仏CAC  -1.40%
  5. NYダウ  -1.13%
  6. ナスダック  -1.46%
イランがサウジ・ロシアの増産凍結に反対したとかで原油は下落する。米国は原油の下げによるメジャー石油の下落に加えて、シェールオイル掘削企業に投資している銀行が引当金を積み増さねばならかくなったと心配して銀行株ともどもにもに下落する。長期金利も1.726%(-0.031)と下落し、円高が進む。

ロンドンのFTは75日線まで戻って、先の高値6115Pはワンチャンスで上回るところまで戻っていたのに、さすがは75日線というか、ちゃんと上値の抵抗線の役目をはたしたため、株価はこれを上回れず。(c)(d)(e)の戻りは75日線が限界でした。

株価が75日線よりも高い位置にあるときは、75日線は株価下落の支持線の役目をします。ナスダックの(a)(b)がそれです。しかし株価が75日線を大きく下回ったり、4日連続して下回ったなら、そこからは75日線は上値を抑える抵抗線に変ります。

条件表No.28「外国証券オーダー倍率」のグラフを描くと次図のようになります。
オーダー倍率の計算の元になるデータは、日々の外国証券の成行き売りの株数と買いの株数です。データゲットは送信してこないので、私が毎日1001「日経平均」の信用残のところにデータを入力し、「国内株」として夕方6:00ころにアップしています。

《カナル24》で「HPからダウンロード」→「国内株をダウンロード」したユーザーは、1001「日経平均」のグラフを描かしたときだけ、No.28「外国証券オーダー倍率」のグラフを見ることができます。


「外国証券オーダー倍率」の計算式は(9日間の成行き買い株数)÷(成行き売り株数)×100 です。計算値の範囲は0〜999です。

外国証券が総強気になって買っているのは130以上、外国証券が総弱気になって売っているのは75としています。当然売り買いが均衡しているのは100の水準です。

9日間の買い/売りの倍率なので、「オーダー倍率」は株価のピーク・ボトムよりも少し遅れます。

図でオーダー倍率が(a)で130を超えたとき、株価は(A)の辺りにありました。(a)の総強気になったときは、株価は25日線を3日・4日上回っているときです。株価が25日線を上回るには外国人の買いが必要だったのです。

次に(b)で2度目の総強気になりました。これは(B)の辺りで、陽線が8本連続するという珍しい時期です。この現象については「過去の記事」の2015年11月の記事を参照してください。 結局、株価は12月1日の20012円まで上昇しましたが、それより4日ほど早くオーダー倍率は100を下回りました。外国人の買い意欲がミルミルうちに減衰しました。

だが年末のNISAの実需買いを期待したり、年初から海外投資家は日本株を買ってくるという、国内投資家の株価の先高期待が強く、(C)まで上昇しました。ところが(c)以降、オーダー倍率が100のニュートラルを超えることはありませんでした。外国人は(c)のときから日本株を売り続けていたわけです。(d)で外国人は総弱気になりさらに日本株を売った結果、(D)の16017円の小波動のボトムとなりました。株価は17905円まで反発しましたが、オーダー倍率は100に達していません。17095円の当時外国人の新規の買い・売りはほとんどなかったのでしょう。買戻しという需給関係で上昇したものでした。

(e)でオーダー倍率は60まで低下します。外国人は誰も新規に買っていない。買ったのは買い戻しです。そして現在にいたっていますが、オーダー倍率はいまだに100以下です。外国証券の売りは(e)で最低になったけれど、その後も買っていません。東京市場は『そして誰もいなくなった』。(という絵本があって、私がまだ若い頃、幼い子供らを寝付かせるために幾度か読んで聞かせたものです。家内が買った100冊くらいの絵本があった)



(2016. 2.25) TOPIX 1307P(+23)  日経平均 16140円(+224) 23.8億株 (2兆3885億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 +0.88%
  2. 英FT100 -1.59%
  3. 独DAX  -2.64%
  4. 仏CAC  -1.96%
  5. NYダウ  +0.32%
  6. ナスダック  +0.86%
ナスダックは株価が25日線の上に位置すること昨日で6日連続です。25日線も上向いてきたし、75日線へ向かって上昇を始めてもよいのですがナカナカ4600Pまで上昇できません。

日経平均の動きはナスダックに比べるとよくありません。いまだに25日線を上回ることができず、9日線あたりでモタモタしているので、2月12日のザラバ安値14865円は小波動のボトムであるはずなのに、それさえもまだグラフに表示できないでいます。

ただ明日のザラバ安値が16050円以上であれば明日ボトムの表示ができます。明日の株価が何円になればボトムあるいはピークの表示が出るのかの説明は過去何度かHPでいいましたが、■ 条件表の設定例とその市場環境 ■ のNo.6「3日H&L転換」に当時の記事を保存しているので、参照してください。(今見たら、10年前の2006年4月12日に書いている。画面を見るとWindows XPの時代。一昔前のことです。)



(2016. 2.26) TOPIX 1311P(+3)  日経平均 16188円(+48) 21.6億株 (2兆1117億円)


昨日の海外株は
  1. 中国上海 -6.40%
  2. 英FT100 +2.48%
  3. 独DAX  +2.24%
  4. 仏CAC  +1.79%
  5. NYダウ  +1.28%
  6. ナスダック  +0.87%
原油が33ドル台に戻り、米国の耐久財(コア)受注が+3.9%(予想は+1.0%)とよかったことから株価は上昇する。耐久財(コア)は軍需と値段の張る航空機を除いたもので、設備投資の先行指標です。米国は設備投資が拡大するようで、ドルが買われる。

一方ではシェールオイル産出の大手7社の10-12月期は4兆円の赤字と報じられていましたが、四半期ごとに4兆円の赤字とはとんでもない数字です。米国景気はよいのか悪いのか判断がつきかねます。

日経平均は米国株高と円安から高く寄り付き、ザラバで16472円(+332)まで上昇しました。《デンドラ24》の上から2番目の上値メド16447円にタッチしたので、6割方は戻りの目標値を達成しました。あと残る上値メドは16896円、約16900円ですが、これを超える確率は25%です。ほぼ無理だといってよい。

その後株価は値を消していき結局+48円高で終りました。売買代金は2.1兆円と低調だった。週末であることと今日から始まるG20を気にしたようですが、要するにリスクを取りたくない。建て玉は手仕舞っておこうという後場の動きでした。

2月第2週と第3週の投資部門別売買動向は、信託銀行が400億円→5000億円の買い越し。海外勢は-5700億円→-4000億円の売り越し。個人の現金部門は2200億円→400億円の買い越しでした。2月第2週は日経平均が14865円まで下げた週です。第2週は海外の売りに個人が買い向かいましたが株価は週末に15000円を割りこみ個人の買いは少し早すぎました。

第3週は15000円割れの次の大陽線から始まりました。ここで信託銀行が買ったわけです。1週間で5000億円の売り越しまたは買い越しは市場に大きなインパクトを与えます。2月2週の海外の-5700円の売り越しによって15000円割れとなり、2月3週の信託銀行の買い(年金の買い)によって16000円を回復したように日経平均を1000円動かす力があります。

で今週の2月第4週はどうなったかですが、今週は株価はほとんど動いていないので、おそらくは信託銀行の買いは半減し、海外の売りも半減していると思われます。全員が様子見です。

大勢波動は、2〜5年の期間の波動です。これは景気循環に対応する動きです。

大勢波動が上昇トレンドにあるときは、景気の拡大期(の予想)にあるときです。下降トレンドになったときは景気の後退期ないしは停滞期(の予想)の時期です。 大勢波動が下降トレンドになると、2年〜5年間は株価は新高値をとることはありません。そして先の株価のピークから少なくとも1年半は新安値を探ります。現在のところ日経平均のピークは2015年6月なので、もし日経平均の大勢波動が下降トレンドになると2016年12月まで下げる可能性が高い。

今のところ日経平均は大勢波動が下降トレンドになってはいませんが、個別銘柄では下降トレンドに転換したらしいものが多く出ています。 大勢波動が下降トレンドになったらしいと簡単にわかるのは、株価が月足の3本の平均線を下抜いたたときです。3本の平均線とは、@18月線、A36月線、B48月線です。


5401「新日鉄」は月足で下降トレンドになり、日足でも2014年10月の安値240円を下回ったので大勢下降トレンドになっています。

5713「住友鉱」も月足で下降トレンドになり、日足でも2014年10月の安値1362円を下回ったので大勢下降トレンドになっています。

7203「トヨタ」は月足で下降トレンドになるかどうかの瀬戸際、日足でも最後の中勢波動のボトム(2014年10月)5710円と同じ水準まで下落しているので、大勢下降トレンドに転換する可能性が高い。


8306「三菱UFJ」は月足で下降トレンドになり、日足でも2014年10月の安値546円を下回ったので大勢下降トレンドになっています。

8604「野村」も月足で下降トレンドになり、日足でも2015年11月の安値609円を下回ったので大勢下降トレンドになっています。

9984「ソフトバンク」も月足で下降トレンドになり、日足でも2014年2月の安値6655円を下回った2015年9月4日から大勢下降トレンドになったと思います。

定点観測の9銘柄のうち6銘柄が大勢波動が下降転換していると判断せざるを得ません。この上昇相場における各銘柄の高値(ピーク)は今年中に上回ることはないでしょう。日経平均も20952円を上回ることはないと思います。



(2016. 2.29) TOPIX 1297P(-13)  日経平均 16026円(-161) 24.9億株 (2兆5944億円)


先週末の海外株は
  1. 中国上海 +0.94%
  2. 英FT100 +1.38%
  3. 独DAX  +1.95%
  4. 仏CAC  +1.56%
  5. NYダウ  -0.34%
  6. ナスダック  +0.18%
米国の10-12月GDPの改定値が+1.0%の伸びへ上方修正され、1月の個人消費は+0.5%の伸び(予想は+0.3%)と発表。マクロの米国経済の経済材指標はまだまだ衰えていませんが、今後もそうなるかと考えるのが株式市場です。

FRBイエレン議長は過去の経済統計を見て、将来の経済状況を推測するという態度ですが、これでは適切な金融政策は打てません。もう少し予想を入れないと、打ち出す金融政策は、後手後手にまわります。

株式投資の真髄は「予想」です。予想ができる人間が勝ちます。個別企業の業績予想は多くはその企業が予想したものです。この数字を見てその企業の株式を買ったり売ったりしていては利益は出ません。皆と同じ行動をとっていれば利益がでるはずはありません。

将来のことは誰も「こうなる」と断言することはできませんが、70%の確率で「こうなるだろう」とわかったときに投資すれば、70%の確率で利益を得ることができるし30%の損失になる可能性があります。ここで重要なことは、@「こうなるだろう」という確率が測れるのか?という点と、Aもし確率が測定可能なものとして30%は損失を出すリスクがあるのだから、私は30%の損失のリスクを背負いきれるのかどうか? という2点です。

70%の確率で将来30%の利益を得ることができるが、30%の確率で将来-20%の損失がでる可能性があるとき、
  1. 利益がでる期待値は、0.7×0.3=0.21 によって、その株式に投資すれば21%の利益を期待します。
  2. 一方損失がでる期待値は、0.3×-0.2=-0.06によっその株式に投資すれば-6%の損失です。
  3. 利益は+21%、損失は-6なので、その株式に投資するのが当然です。
基本的には投資家は意識するしないにかかわらず、漠然とではあるが期待値を計算し、期待値が大きいほうに賭けているわけです。(リスクとリターンを両天秤にかけて投資している) リターンだけを考えて投資するのがシロート(初心者)です。利益のことしか思っていない。株式投資を続けるうちに手痛い失敗をして、リスクについて考えるようになります。よって投資は初心者時代とは違って慎重になります。

だがいくら慎重になっても、勝つときの期待値は計算できません。期待値とは確率×損益率です。確率と利益率がわからなければ、期待値は計算できません。株式投資の成功確率(失敗確率)と利益率(損失)の数値は誰もはっきりとは掴むことはできません。人によって仕掛けのタイミングが違うし、何をもって成功したのかの評価も違います。

欲深い人は、@仕掛けて10日後に、A利益が20% でたというのを成功とするかも知れませんが、これは99%現れない現象です。あるいは@仕掛けて1年後に、A利益が5%になれば成功とする人もあるでしょう。この場合は相当な期待確率(利益)がでると思われます。 こうなったら買う(売る)という判断が正しいのかどうかは、利益(リターン)の期待値と損失(リスク)の期待値を知らなければわかりません。利益の期待値が損失の期待値を上回らない限り投資をすべきではありません。

期待値といった小理屈をいわなくても、ある事象がおきたときどのような利益がでたのかくらいのことは知っておくべきです。ところが、今ある株式を買ってN日後に手仕舞いしたらどういうことになるのかは、ほとんどの投資家は把握していません。どれほどの確率で株価が上昇し、どれほどの利益を出したのか、という過去のデータを投資家のほとんどが持たずに「カン」で投資しています。これはまともな投資とはいえません。

《Qエンジン24》で過去の検証をすればこんなことは直ぐにわかります。グラフが買いマークをだしているとき、《Qエンジン24》の検証して、投資したほうが期待値が高いのかどうかを知るだけでも、投資の成績は格段に向上すると思います。



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