日経平均をどう見たか・判断したか (2014年 10 月)

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(2014.10. 1) TOPIX 1318P(-8)  日経平均 16082円(-91) 22.0億株 (2兆1418億円)

米国は雇用統計などのイベントを控えてやや安い。 NYダウは17042ドル(-28)、スダックは4493P(-12)。金利は2.493%(+0.011)と2.5%を割り込む。

この金利の低下(債権価格の上昇)は、今のところ最もリスクが低いドル資産が買われている、ドル資産のうち株よりも債券を選好していることの表れです。

日本にとっては、米国の長期債の買いはドル高(円安)につながりますが、金利の低下は、円安の進行が進まないことにつながります。

今日の円レートはついに110円台に乗せ、輸出関連株が買われたものの、レートが109円台に戻ると日経平均は軟調になり、-91円安で終わりました。

日経平均は3日連続の陰線となりましたが、下げ幅はたいしたことはありません。9月25日の終値16374円から、今日の16082円まで300円ほど下げただけです。グラフに見るように、目下は高値圏での保合いになっています。昨日のザラバ安値16053円を終値で下回るならば、下放れたと判断してよいでしょうが、その場合でも円高が進まない限り大きな下げにはつながりません。

明日日経平均のザラバ高値が16174円以下だと、小波動のピークが表示されますが、順張り方針を変えるのは昨日のザラバ安値16053円を更新してからでよいと思っています。

ただし定点観測9銘柄のうちで、買ってもよい銘柄は限られています。 株価が4線(9日線・25日線・75日線・200日線)の何本下にあるのかを簡単にABCDで表すと、以下のようになります。


1812「鹿島」は1本下のBの位置にあります。株価が25日線を上回れば、先の高値555円を上回る可能性があります。

5401「新日鉄」の株価はすべての4線より下位にあり、目下は快調に下落を続けています。こういう局面ではよほど安くならないと買えません。

例えば9日順位相関と25日順位相関がともに-80以下になったときに、買い場が近いのではないかと判断できる程度です。

5713「住友鉱」は9日線・25日線・75日線を割り込んだCの位置にあります。しかも小波動のボトムが切り下がっているので、当分は買うことはできません。


6758「ソニー」はBの位置にあるので、25日線を上回るならば買ってもよいのですが、先の高値2173円から大窓を開けて急落しています。

2173円近辺で買った向きの戻り売りは大きいので2100円まで戻れるかどうかというところです。

7203「トヨタ」は9月2日の4線を上抜き、Aの位置になりました。以来Aを持続していますが、ここまで上昇しているとここで飛び乗るわけにはいきません。BないしCになった後に再びAになったときが買い場です。

8306「三菱UFJ」はBの位置にあるので、Aになれば買いです。


8604「野村」はDです。買い目はありません。

9432「NTT」はCの位置にありますが、4月2日から半年間に亘って上昇してきたので、これ以上の上伸力はさほど残っていないと思います。しかし4線を上抜きAになれば小幅な上昇はあります。

9984「ソフトバンク」はCの位置にあり、高値8760円から急落しています。現状では戻り売りが強いはずなので買うことはできません。

定点観測の9銘柄について、現状はどういう局面にあるのかを簡単に述べましたが、いますぐに買うべき銘柄はありません。

したがって、ここはしばらくは日柄調整が続き、どこかでBないしCの局面にあった銘柄がAになったときに買うということになると思います。


(2014.10. 2) TOPIX 1280P(-38)  日経平均 15661円(-420) 26.6億株 (2兆5939億円)

米国は9月25日に続いて、再び急落となる。 NYダウは16804ドル(-238。-1.39%)、スダックは4422 P(-71 。-1.58%)。金利は2.391%(-0.102)と2.5%を割り込む。

9月のISM製造業指数は59.0→56.6(予想は58.5)と案外大きな低下をするものの、ADPの9月の雇用者数は21.3万人(予想は20.5万人)とまあ堅調な数字でした。

悪い経済統計値がでたわけではないのに、大幅下げとなったのは、米国でエボラ出血熱の感染者がでたというニュースに驚いたからといわれています。

エボラ熱感染が米国の経済を引き下げることはあるはずはありませんが、株式を大幅下落させたのは、米国は株を腹一杯に近いほど買っているので、やや食傷気味である。(それでもうまそうなスイーツが出てくれば「別腹」と称して買ってくるのだが) 従ってわずかなマイナス材料に過敏になっていますが、エボラが株式のトレンドを決定するほどのマイナス材料であるとは思えません。

米国株価は75日線までの調整ですむだろうと思っていましたが、昨日の過剰反応によって75日線を割り込みました。ただ私は、株価が75日線を割り込んだと判断するときは、「終値が4日連続して75日線の下にある」という基準に従っています。今夜から3日以内に株価が75日線を上回れば、中勢波動は下降トレンドになったとはいえません。


米国が、鼻に異物が(エボラ)入ったのでクシャミをしたところ、日本は「大変だ。今日にも高熱が出るのではないか」と思い、さらにそれを増長させるような短期筋の先物売りが出たために、日経平均は大幅下げとなりました。

この2か月近くの日経平均の上昇は円安がもたらせたものでした。(A)の日の円レートは101.67円、(B)の日は109.75円です、+7.53円の円安です。これが日経平均をどれほど上昇させたかを見ると、(A)は14778円、(B)は16374円で、+1596円の上昇です。1円の円安は日経平均を212円上昇させた勘定です。

かつては1円の円安は250円〜300円ほど日経平均を上昇させたのに比べると、最近の日経平均に対する円安効果はやや小さくなっています。とはいえ、だいたい円レートの1円の変化が日経平均に200円影響しています。

そうであるなら、今日の円レートの安値は108.52円なので、昨日の大引け近くの円レート109.75円からは1.23円の円安です。1円が日経を200円動かすとしても、今日の下げは-250円ほどの下げでよかったのです。 -420安となったのは-170円分だけ過剰反応をしたと思います。

今日の25日順位相関は+80を割り込みましたが、昨日まで16日間という長い間+80以上にありました。そこは誰でも儲かる夢の順張り相場でした。こういう相場は年内に、少なくとももう1度はあると思っています。25日順位相関が+80以下になったとき、図の(a)(b)のように弱い相場がやってきますが、そのとき、次の順張り相場を予想して買うのが最も効果的な買いになるだろうといっておきます。



(2014.10. 3) TOPIX 1282P(+2)  日経平均 15708円(+46) 21.6億株 (2兆16029億円)

米国は下値探りが終わったようで、前日と同じ株価水準で終わる。 NYダウは16801ドル(-3)、スダックは4430P(+8)。金利は2.431%(+0.040)と反発する。

なぜ米国株が前日に大幅な下落をしたのかは、誰もはきっりとした理由を挙げることはできていません。

いえることは、リーマンショック以来の米国の大金融緩和によって、株式を買い、債券を買いと投資家は買った資産の値上がり益を享受してきました。

これが米国の消費が縮小することを防ぎ、米国は日本と違ってデフレに陥ることを免れました。しかし投資家としては、買いに買った今では満腹状態になっているのでしょう。

古代ローマ人は贅沢な晩餐をした後、さらによりうまい食事を摂るために食べたものを一度吐き出して、新たな食事をしたといわれています。前日の大幅安もこれに似て、腹に溜まっているものを吐き出したと考えるほかに理由は思い当たりません。まあ一種の「ガス抜き」でだったのでしょう。 昨日の足は、NYダウが下ヒゲの長い十字足に近い足で、ナスダックも下ヒゲの長い小陽線になりました。昨日の安値で当面の安値は出たものと思います。


前日はナスダックの下げ率が-1.39%であったのに対して、日経平均は-2.61%、TOPIXは-2.89%の下落しました。日本株は米国株の2倍の下落をしたのですが、これはどういうことなのか?

1つには円高です。昨日の円レートは108.77円でした(15:30ころの値段)。これは前日の109.75円より1円の円高です。1円の円高は日経平均を200円程度下げるだけです。円高の要因は日経平均が-420円も下がったうちの半分しか説明ができません。

では2番目の下げの要因はなんであったのか? おそらくは米国株価に連動する外国人投資家の売りが出たものと思われます。今日発表された「月間の投資部門ベル売買代金差額」によると、9月の売買動向は、@外国人(海外投資家)だけが約6000億円の買い越しでした。他の投資主体は全部売り越しです。A個人は7300億円の売り越し、B金融機関はわずかながら300億円の売り越し、C投信は3000億円の売り越しです。国内勢は全部売り越しでした。

9月の日経平均を見ると、8月末の15356円→9月末の16374円まで1000円の上昇をしています。9月の株価上昇は外国人投資家が買ったことに尽きます。この外国人の買いがなくなれば、当然のことながら日経平均は高い水準を維持することはできません。昨日は外国人が買ってきた株式を一斉に処分したというのではなく、@(わけのわからない)米国株安→A米国株に連動する外国人の処分売り→B評価益が減ってきるための個人の(やむにやまれぬ)利食い売り、が重なったために、ABが下げ幅を拡大したものと思います。

このやむにやまれぬ株式売りの状況はグラフに現れます。今日は日経平均とTOPIXについて逆張りの条件表No.1「日経平均用(2012)」は買いマークを出しています。買いマークが出たということは、現在の株価が悲観人気に覆われているということです。悲観人気になれば必ず株価が反発するというものではありませんが、多くの場合は買いマークを起点にして株価は反発しています。

昨日の大幅下げによって25日順位相関は+80を割り込みましたが、それまで16日間は+80以上でへばりついていました。この時期は順調な「順張り相場」でした。これほど長く25日順位相関が+80以上で持続した場合は、この後1段、2段の新高値を取ることが多いのが過去の例です。注目している銘柄があるのであれば、今が買い場だろうと思います 。


(2014.10. 6) TOPIX 1296P(+13)  日経平均 15890円(+182) 20.0億株 (1兆9845億円)

米国は9月の雇用統計は予想外によく、株価は続伸する。 NYダウは17009ドル(+208)、スダックは4475P(+45)。金利は2.439%(+0.008)と小幅上昇。

9月の雇用の増加は+24.8万人(予想は+21.5万人)。8月の+14.2万人は+18.0万人へ修正され、米国景気は順調に伸びているこが明らかになりました。

ナスダックは75日線を回復し、中勢波動(期間は2か月〜1年間)は上昇波動を保っていることが明らかになり、とりあえずは買い戻しのメドである9日線まで戻りました。ただ上に控える25日線は下降しているので、これが上値の抵抗水準になりそうです。当面は9月25日の大陰線の高値4546Pが戻りのメドです。

日経平均は米国株高と円安から+170円ほど高く寄り、15970円まで値を伸ばしたが16000円は回復できず。ちょうど25日線で止まって引けましたが、昨日のザラバ安値15559円は小波動のボトムとなったようです。日経平均が、25日線の15900円と15559円の間にあるうちは買いに分があると思います。

注目すべきは7-9月の経済動向ですが、今のところ消費税アップの影響は大きく、よい数字は出そうにありません。円レートも110円を超えるようだと日本経済にはマイナスだの声も大きくなっています。 円安は確かに輸入物価を上げます。輸入物価の上昇はじわじわと一般物価を引き上げていくのでしょう。

所得が上がらないのに物価が上がれば、消費者は財布の紐を引き締めるので、消費は縮小します。この点を野党や一部の財界人は突いてきています。ではアベノミクスを止めて円安をストップさせるのが正しいのか? 円安をストップさせて日本の経済を復活することができるのか? 円安の反対者は誰もその回答はできないし、その代替案を持っていません。

いえることは、所得は経済の遅行指数だということです。経済が伸びないのに所得だけが上がることはありません。企業が赤字なのに人件費が上がることはありません。まず日本経済を立て直すことが重要です。企業が利益を上げることができるようになることが重要です。所得は経済が復活した後にしかアップしません。今は円安によって日本経済を復活させ→所得をアップさせる道しか残ってないのです。


(2014.10. 7) TOPIX 1290P(-5)  日経平均 15783円(-107) 21.1億株 (2兆 130億円)

米国は前日の上昇の反動安で小安い。 NYダウは16991ドル(-17)、スダックは4454P(-20)。金利は2.425%(-0.014)と小幅に低下。

日経平均は、海外安とやや円高の振れたことから安く始まるが、日銀総裁の円安は日本経済にプラスの影響を与えるの発言で、円レートは109.20円になるにつれて上昇する。

しかしその後の安部首相の円安はマイナスの影響もあるの発言で、円高に振れるとともに、株価は失速する。円レートしか材料がないので、目先の円の動きに振り回された一日でした。

円安はある分野にとってはプラスになるし、ある分野にとってはマイナスになります。大きな目で見れば、プラスとマイナスを相殺して、日本経済全体でプラスになればよいのです。しかし円安でマイナスをこうむる人は円安に反対するし、プラスの恩恵を受ける人は歓迎する。

円安に反対する人は、2012年までの円高によって、日本の経済がすっかり疲弊してしまったことを思い出して欲しい。円高であったから輸入物価は低く、生活を質素(シマツする)にすれば生活できたが、シマツをすればするほど所得は減り続けました。年々所得が減る経済環境下では消費の拡大はないし、経済の発展もありません。経済が発展しないということは、現状の生活水準が維持できずにジリ貧になるということです。


アベノミクスはこれをひっくり返そうと決断したものです。円安で輸入物価は高くなるが、@輸出企業は稼げる、A海外からの利子や配当が円ベースでは伸びる、B海外からの観光客が増えるというメリットもあります。

これらのプラスによって円安のマイナスをカバーし、日本経済が復活する道筋を見つけるまでの時間を稼ごうということでしょう。

右図は2007年ころの日経平均と円レートのグラフです。

1989年に日経平均は38910円の高値をつけましたが、その後はとめどなく下落し、2003年には7600円の値段をつけました。株価は1/5になったわけです。株式や土地を保有している銀行・生保・企業・個人の資産は1/5になりました。大損です。資産が1/5になれば、資産を購入するために借りた負債がそのまま残ります。自己資金で資産を購入していても、自分の財産は1/5になったのですから、当然に日本中は資産デフレに陥りました。

ところがその4年後に、世界は好景気を満喫します。新興国の台頭があったからです。世界的な株高によって日経平均は18300円まで上昇します。2003年の安値から2.5倍の上昇です。このときの円レートは123.3円です。2005年6月から2007年9月までの2年3か月は円は110円以上であったのです。第一次の安部内閣が発足したのは2007年8月でした。8月末の円レートは116円あたりであったので、まだ日本経済はよかったのだが、2008年1月の円レートは106円まで上昇します。円高の始まりです。

日経平均は下げ続け、9月にはリーマンショックによってトドメを刺されます。このときの円レートは97円〜89円です。これほど急速に円が上昇すると、企業は迅速には対応できません。たまったものではありません。しかし政府と日銀は円レートを問題にしなかった。 時の政府は麻生内閣であり、日銀総裁は白川さんでした。当時はまだ経常収支は世界一の黒字であり、したがって最も富める国であったはずの日本経済の崩壊がここから始まります。(だから今の麻生財務大臣が適任かどうかは「?」であると思っています。それ以上にペケ(XXX)なのは、2009年から2012年の民主党です。経済政策はゼ何も打ち出せず、日本の凋落を援護しただけでした。悪夢だった。)

そういうことを理解している 安部内閣にとっては、円安に導くことが内閣の存続を許される最大のキーであるはずです。雑音を聞いて、これ以上の日本経済の停滞(後退)を許してはならない。今日は、安部首相は円安のデメリットを発言したようですが、これは当たり前の話です。安部さんやその経済ブレーンが思っていることは更なる円安でしょう。2007年の円レートは120円以上だったのだから、120円の円安を目指すべきです。


(2014.10. 8) TOPIX 1274P(-16)  日経平均 15595円(-187) 22.9億株 (2兆1732億円)

IMFが世界経済の見通しを下方修正したことを気にして、米国は大幅下落する。NYダウは16719ドル(-272.-1.60%)、スダックは4385P(-69.-1.56%)。金利は2.342%(+0.083)と再び2.4%を割り込む。

日経平均は、海外株安と円高へ振れたことから、200円ほど下寄りする。一時は円レートが107.74円まで上昇したことから、15520円まで下げて、10月3日のザラバ安値15559円を下回る。

その後、円は108円台半ばまで下げたことから押し目買いが入り、小陽線で終わりました。10月3日のザラバ安値と終値のどちらも下回ってしまったので、今日からの下値探りを確認しかければならない状況に戻りました。10月3日で安値は出たと思っていたので、IMFに過敏に反応した海外安は意外なことでした。

IMFの世界経済の伸び率は、2014年が前回7月の3.4%→3.3%へ0.1$%の低下、2015年は4.0%→3.8%へ0.2%の低下という見通しです。ただ米国は2014年が1.7%→2.2%へ+0.5%の引き上げ、2015年は3.1%→3.1%と変わらずです。米国経済は問題ないと見ています。

10月1日に、定点観測の9銘柄のうちどの銘柄が4線(9日線・25日線・75日線・200日線)の上に出る可能性があるのかをABCDEの符号で表したグラフを掲げました。


Aは株価がすべての4線の上に位置するものです。株価が4線を上抜いた日が買いのタイミングです。

Bは4線のうちの1線を株価が下回っているもので、あと少し株価が上昇すれば買いになる銘柄です。

Cは4線のうちの2線を株価が下回っているもので、よほど株価が大幅上昇をするか、時間をかけて下降してくる平均線を上回るまで買いにはなりません。

Dは今は買う銘柄ではありません。

Eは最悪の局面になっているので、突っ込み買いの対象になる銘柄です。

10月1日の時点では、Aが@7203「トヨタ」、BがA1812「鹿島」、B6758「ソニー」、C8306「三菱UFJ」と4銘柄が買いのタイミングに近い位置にありました。

その後、1812「鹿島」は4線を上回ることができず、今日はCの位置まで後退しました。

6758「ソニー」も4線を上回ることができず、今日はCの位置まで後退しています。

8306「三菱UFJ」も4線を上回ることができず、今日はDの位置まで後退したので、しばらくは上昇のキッカケがなさそうです。

本命の7203「トヨタ」は10月1日にAの位置にあって、翌日からBの位置に降りてきたので、再び4線を上回れば買いのタイミングになるところでしたが、結局4線を上回ることができず。今日はCの位置まで後退しています。

以上のように10月1日時点では期待できる銘柄が4つありましたが、結局は1銘柄も買いとはなりませんでした。よって10月1日以来、定点観測9銘柄で買うべき銘柄はありませんでした。(これは順張りの方針での買いのタイミングの話です。)

快調に株価が下落しているEの位置にある銘柄は、今日現在で3銘柄があります。@5401「新日鉄」、A8604「野村」、B9984「ソフトバンク」です。

最も悪いのは、A8604「野村」で、4線の位置関係は高いほうから200日→75日→25日→9日と真逆の関係にあります。今どきここまで快調に下落していることを表現する銘柄も珍しい。大逆張りができる局面にあります。

今日の大陽線は幾分かは反発することを表現していますが、当面の戻りは9日線または25日線まででしょう。今日の株価は622円ですが、9日線まで戻れば640円(+18円)。 25日線まで戻れば670円(+48円)への上昇となります。たいした上げ幅ではありません。

5401「新日鉄」の4線の位置関係は、75日→200日→25日→9日です。75日線はまもなく200日線の下に降りるでしょう。ここから新日鉄は大逆張りができるか? という局面になります。よほど9日線から突っ込めば買いに分が出てきます。

99984「ソフトバンク」の4線の位置関係は、25日→200日→9日→75日と混乱しています。一番上位にある25日線が200日線の下になる頃に、ひと反発があるかも知れませんが、いかんせん7800円から8700円への上昇過程では出来高が盛り上がりすぎました。今は9月の上昇過程で買いついた買いの失敗を癒しているところです。当面大きな上昇は期待できません。


(2014.10. 9) TOPIX 1260P(-14)  日経平均 15478円(-117) 22.7億株 (2兆1112億円)

米国は大反発。NYダウは16994ドル(+274.+1.64%)、スダックは4468P(+83.+1.90%)。金利は2.325%(+0.017)。

FOMCの議事要旨が公開されました。そこには、@世界景気の減速、Aドル高 の2つが米国経済に悪影響を与えるの意見が多くあったそうで、これをみて金利の引き上げは当分ないと市場は判断しました。

昨日の上昇は、前日のIMFの世界経済見通しに引き下げによる下げよりも大きかった。米国市場の材料は一にも二にも金利の引き上げであることを改めて表現しました。

ただ、金利引き上げが先に伸びたというのは予想していたマイナス材料が小さくなっただけのことなので、今後も米国経済の堅調さと金利引き上げとの綱引きは続きます。


日経平均にとってベストな環境は、@米国株高、A円安(ドル高) ですが、最近は@の米国株高が揺らいでおり、A円安は110円をピークにして上がり気味です。今日の日経平均は米国株の大幅高にもかかわらず、15680円で寄り付きました。

米国が大幅安をする前の日の日経平均は15783円であったので、本来なら15780円くらいで寄ってもおかしくはなかったが、それより100円安く寄ったのは、15783円の日から0.5円ほど円高になっていたためです。

今日も円レートは一時108円を割れたため、日経平均は続落となりました。図の(a)の日の終値は16374円、この日の円レートは109.23円です。 きょうの日経平均は15478円、円は107.90円です。1.43円の円高が894円も日経平均を下げたのだから、円レート1円が600円くらい日経平均を下落させた勘定です。過剰な反応です。

グラフの(b)15356円は(a)の新高値をとった上昇小波動のスタート点です。もしこれを割り込むようだと5月22日のボトムから始まった中勢上昇波動は9月22日のピークでもって終了した可能性がでてきます。(c)の14753円を割り込めば下降波動入りは決定的です。さらにいえば4月14日の13885円を下回れば、大勢波動が下降転換する可能性が強くなります。黒田日銀の量的質的緩和策に赤信号がともります。

先のことをいたずらに心配することはありませんが、(b)15356円を下回るようなら、日銀は追加緩和策を出すべきだし、政府は暫定予算を組んで景気後退をくい止めなければなりません。あるいは2015年の消費税10%への税率アップを断念するかです。2014年の実質GDP予想が+2.2%の米国でさえ、景気の停滞を懸念しています。2014年の成長が+0.8%と予想されている日本は一層の知恵を絞るべきです。


(2014.10.10) TOPIX 1243P(-17)  日経平均 15300円(-178) 28.5億株 (2兆6877億円)

米国は急降下。NYダウは16659ドル(-334.-1.97%)、スダックは4378P(-90。-2.02%)。金利は2.316%(-0.009)。

NYダウはここ5日間で、+208ドル→-17ドル→-272ドル→+274ドル→-334ドル、と大波乱。

ジェットコースター相場といわれるが、ジェットコースターはちゃんとレールに沿って走ります。迷走するハリケーンといったところです。

これだけ日替わりで急騰・急落を繰り返すのは、市場の見通しがたたず、今後のリスクの大きさを測りかねている、ためでしょう。しかし、ただ単に予想がつかないなら、出来高は薄くなり、株価の動きは小さくなるはずです。日ごとに乱調の具合が拡大しているのは、やはり米国市場は腹一杯まで株式を買ってしまっているからでしょう。

資金を全部株式に替えてしまったら、転落の始まりです。株式が順調なときはつぎ込んだだけ利益が拡大しますが、逆に下げだすと、つぎ込んだ分だけマイナスを拡大させます。わずかの株式の下落で全てを失うということになりかねません。今の米国はそういう状況に陥っているのかな、という気がします。

日本は米国ほど株式を抱え込んではいません。ゼロ金利でありながらGDPは先進国で一番伸びている米国に比べると、不安のタネが多くあるので、強気になりきれていない。

@4月の消費税率8%アップ以降の景気は思わしくないのではないか、A思わしくないまま2015年の消費税率10%アップが決定されるのではないか、Bアベノミクスの第3の矢は結局なかったに等しいのではないか、Cそれを受けて東証の売買シェアの60%を占める外国人投資家は日本株を見限ったのではないか、という不安があるので株式を目一杯に買う投資家はいません。

@〜Cの不安を和らげたのはD急速な円安でした。8月8日を起点にして円レートは8.2円ほど円安になり、日経平均は約1600円の上昇をしましたが、ここへきて米国FOMCはドル高を嫌っているということが明らかになり、円高への転換が日経平均を下落させています。

今日の日経平均はマサカの米国株の大幅急落によって、昨日言った中勢波動中の「最後の上昇小波動」のスタート点15356円を下回りました。円安による日経平均のかさ上げはこれで終わったということです。このまま政府・日銀が何もしなかったり、消費税の10%へのアップをすれば、重要なポイントの14753円を割り込むことがあるかもしれません。そうなると株価は200日線を下回るので、中勢波動(2月〜12か月)は下降波動に入ります。中勢波動が下降波動になるということは、少なくとも今後2か月間は新高値に出ることはないということです。

今日の15356円を割り込んだ時点で、新高値の16374円をすぐに取り返すことは難しくなりました。8月19日に株価は4線(9日・25日・75日・200日線)の上に出たので、順張り相場になったと判断してきましたが、10月2日に25日線を下回り、10月9日の昨日から75日線を下回り、同時に9日線が25日線を下回ってきました。すでに順張り相場は終わったと判断せざるを得ません。


(上げの)順張り相場は終わりましたが、まだ(下げの)順張り相場にはなっていません。

@株価は200日線の上位にあります。A25日線は75日線よりも上位にあります。したがって株価は快調に下落しているとはいえません。

現在は逆張り相場に戻ったところです。逆張り相場では、株価が安くなれば買い、高くなれば売りが基本です。

現状の日経平均の小波動のボトムらしさは、@新安値の、A陽線(ただし小陽線なので0.5ポイントとする)、B9日順位相関が-80以下、C投資マインド指数が15以下、の4(3.5)ポイントです。

さらにいえばTOPIXは条件表No.1「日経平均用(2012)」が買いマークを出しているので、小波動のボトムらしさは、5ポイントないし4.5ポイントになっています。目先のボトムは、すでに出たか、次の日(来週火曜日)にでるか、というところまで日経平均は下げていると思います。


(2014.10.14) TOPIX 1214P(-28)  日経平均 14936円(-364) 27.5億株 (2兆6864億円)

米国は続落。日本が連休中のNYダウは16544ドル(-115)→16321ドル(-223)、スダックは4276P(-102)→4213P(-62)。金利は2.284%。

ナスダックは先週末にこの中勢波動の最後の上昇小波動のスタート点の4321Pを下回り、同時に200日線を下抜いて、中勢波動の下降転換の可能性が高くなりました。昨日も続落して2日連続の200日線割れです。

もし4月の3946Pを下回るようだと大勢波動も下降転換することになりかねません。それにしても、これほど下げるとは驚きです。いわれているのは、@世界経済の停滞と、Aエボラ熱の感染ですが、どちらもこれほど大きく下げるような材料ではないと思います。

昨日の下げによって、条件表No.1「日経平均用(2012)」はナスダックに買いマークを出しました。今夜は突っ込みの反動高があってよいところです。

円が106円台に上昇し、米国株価が乱調とあっては日経平均は下げるしかありませんが、その下げ方は急激に過ぎます。

1)75日線を少しも意識することなく下抜き、2) 翌日は大窓を明けて下げて最後の上昇波動のスタート点の15356円を下抜き、3)同時に大勢波動の基準である200日を下回り、4)今日は2日連続で200日線を下回って重要なポイントである14753円に迫りました。

明らかにこの下げはスピード違反です。ただ下げの期間が少し短い。ピークの16374円の翌日からまだ10日目です。下げ期間が短いので、小波動のボトムらしさのポイントは大きくありません。

図では、@新安値、A9日順位相関が-80以下、B条件表No.1「日経平均用(2012)」が買いマークを出した、の3ポイントです。25日順位相関が-80以下になるにはまだ時間がかかります。

25日騰落レシオは75.5なので明日は75以下になって1ポイントを加点するとおもいますが、そのほかのポイントはC25日投資マインド指数が、8.1であることだけです。合計してもまだ4ポイント。

ピークらしさのポイントは今日現在では4ポイントにしか過ぎませんが、明日25日騰落レシオがDポイント目を出し、E新安値陽線になれば買いに分がでてきます。

なお《デンドラ24》の下から3番目の下値メドは15064円であり、今日はこれをクリアしました。下から2番目の下値メドはこれまでは14900円でした(今日は14737円に変わったが)。だいたい《デンドラ24》の下値メドに達したと思われます。

そうであれば明日の小波動のボトムらしさのポイントは5〜7ポイントになるので、当面の安値が出たか、明日出るかというところです。


(2014.10.15) TOPIX 1223P(+9)  日経平均 15073円( 137) 22.9億株 (2兆1030億円)

米国はよい企業決算がでたことから一時は反発するも、弱気に押し戻され上ヒゲの長い足で終わる。NYダウは16315ドル(-5)、スダックは4227P(+13)。金利は2.201%(-0.083)。

ナスダックは長い陰線が3日連続し、昨日は長い陰線に短陰線がはらむ「陰の陰はらみ」となりました。ボトムによく出る足型です。

さらにいえば、9日順位相関と25日順位相関がともに-80以下になり、1〜2か月の期間でのボトムではないかと思いますが、それを証明できるのは株価が200日線を上回ったときです。

日経平均は、@米国株が新安値を更新しなかったこと。A円高が進まなかったこと、B東証1部の連結PERが15.17倍とやや割安の水準まで売られたことから反発する。ザラバ安値は14916円と昨日の安値14919円を瞬間下回りましたが、買戻しや突っ込み買いが入ったようで下ヒゲの陽線で終わりました。 弱気筋の売り叩きに屈しなかったのは、この水準ではそう大きな下げはないということでしょう。

NYSE(ニューヨーク証券取引所)の出来高は10月に入ってから40億株以上に急増しています。

通常は30億株を中心にして、少ないときは20億株まで減り、多いときは40億株のレベルになりますが、昨日はなんと47.9億株です。日ごろの5割増しです。

基本はQE3の影響がどの程度出るのかを計りかねている点にあります。WTIは6月の高値107.03ドルであったものが昨日は81.84ドルまで下落しています。

その下落率たるやなんと-23.8%です。ダウよりもナスダックよりも日経平均よりも大きな下落です。

これはQE3によってついたバブリーな値段が元に戻る過程です。元のWTIの値段はリーマンショック直後は32.40ドルでした。これは今ではありえないパニック的な値段なので無視すると、この5年間の安値は75.0から77.0ドルです。高値は11.00ドルから114.00ドルです。だいたいWTIの値段は75ドル〜110ドルです。 昨日の81.84ドルは、QE3によるバブリーな価格を、ほぼ消滅しかけています。

WTIのグラフを見ると、(a)(b)(c)(d)の4か所で9日と25日の順位相関がともに-80以下になっていますが、(a)では最も高い位置にある25日まで反発しました。しかし(b)(c)では25日線まで戻るのが精一杯でした。今回の(d)は25日線を上抜くことができるのかも、見所のひとつです。


(2014.10.16) TOPIX 1195P(-23)  日経平均 14738円(-335) 30.3億株 (2兆7647億円)

米国は9月の小売売り上げ高が前月比-0.3%(予想は-0.1%)だったとかで、下落する。といっても大きく下げたのはNYダウで、ナスダックはさほど下げなかった。

NYダウは16141ドル(-173)、スダックは4215P(-11)。金利は2.138%(-0.063)。

NYダウは一時460ドル安というHPの記事を見たときは、とんでもないことだと思いましたが、データを入力してグラフにしてみると、NYダウは(a)下ヒゲが異常に長い足となっていました。

それでNYダウは15900ドル割れで下値探りが終わったのではないかと、ひとまずは安心する。 ナスダックも(b)新安値の大陽線になって、4100P以下では割安であるという向きが多いことがわかりました。

NYSEの出来高はなんと60.7億株です。日ごろの2倍以上の出来高ができたのは、相当な数の投げ物がでたようです。損を承知でブン投げれば底値はでます。昨日の米国市場はそれに近かったのではないか。 ただNYダウもナスダックも中勢波動はすでに下降波動に転換しているので、今後は200日線まで戻り、75日線まで戻り、そこが戻り一杯になるものと思います。

NYダウが強烈な下ヒゲ足になっていたので、その点に注意が払われれば、日経平均はそうは下げるはずはないと思っていましたが、いかんせん円レートが105円台をつけたので米国を上回る下げとなりました。

今日の下げによって前回75日線を下回った日の(B)14753円を少し下回ったので、中勢波動は下降波動に転換したことが確定しました。

大勢波動が下降波動に転換するのは(A)13964円の少し前の4月14日の1313885円を下回ったときです。これを下回れば「確定」ですが、そこまで待って判断していては遅きに失するので、記事では一段階ずつ先走って判断しています。
  1. は大勢波動が下降波動に転換したことが確定する水準ですが、(B)の14753円を割れれば大勢波動の転換を思う。

  2. は中勢波動が下降波動に転換したことが確定する水準ですが、(C)の15356円を割れれば中勢波動の転換を思う。

  3. は小波動が下降波動に転換したことが確定する水準ですが、(D)で株価終値が2日連続して9日線を下回るか、(D')3日連続して25日線をした回れば小波動の転換を思う。
といった具合です。早めに起きるかもしれないことを想定して、もしそうなればどうするかを考えておくことです。


(2014.10.17) TOPIX 1177P(-18)  日経平均 14532円(-205) 27.5億株 (2兆5132億円)

米国は下落の勢いは落ち着いたものの反発とはならず。 NYダウは16117ドル(-24)、スダックは4217P(+2)。金利は2.158%(+0.020)。

ナスダックのグラフは(A)が大勢波動の下降波動への分かれ道ですが、まだ余裕があります。

(B)は中勢波動が下降波動に転じる分岐水準でしたが、5日前にこれを割り込んだので、中勢波動は下降波動に転換してしまいました。中勢下降波動はピークからボトムまで最短でも1か月はかかるので、先の高値4610Pを回復するには最低でも2か月はかかると思われます。

(C)は小波動が下降に転じたか?と思うところです。株価終値が2日連続して9日線を下回ったところです。ここでは順張りであれ逆張りであれ、いったんは買い玉は手仕舞っておくところです。

株価は200日線を5日連続して下回っているので、大勢波動が下降波動に転換する可能性がでてきましたが、2日連続して大陽線が並んでいるので、短期に200日線を回復する可能性はまだあります。


米国株が下げ渋りの様相を見せたことから、日経平均は小高く寄り付く。ただ買い上がる材料がない。

逆に黒田日銀総裁が消費税の引き上げを延期するなら、円の信認がゆらぐといった発言をしたので、さらなる金融の緩和策は出てこないと市場はガッカリし、-200円安で終わる。

私は、米国の下げ渋りの足を見て、今日の日経平均は反発するに違いないと思っていましたが、カラ振りに終わりました。

しかも安値引けです。下げっぱなしで終わったわけです。日経平均は米国のように底値らしい足がまだでていません。

ただ株価はどこまでもいつまでも下がることはありません。株価が下げれば下げるほど、どんどんボトムに近づいていきます。今日の東証1部の連結PERは14.85倍程度まで低下したと推測できますが、一応GDPが伸びている時代にPERが15倍を割り込むのは割安です。それを思って買い向かう動きが出ています。昨日の出来高は30.3億株、今日は27.5億株の出来高ができています。

たぶんこの買いの多くは信託銀行の買いでしょう。10月の投資主体別の売買では、公的資金が買い越しになると思います。現実にGPIFが買っていれば、これはアッパレです。特に相場観を持たなくともGPIFは日経平均が10%〜15%下落したときに買えばよいのです。(あるいは債券高と株安によって資産のシェアが変化するので資産シェアを修正すればよいだけです)。こういう理にかなった投資をしていると2〜5年後の成果は大きなものになります。(目先の株価を上げたいからと、GPIFに株価を買い上がらせるような指示を政府はすべきではありません。)

今日の 小波動のボトムらしさのポイントを勘定すると、@新安値、A9日順位相関が-80以下,B条件表No.1「日経平均用(2012)が買いマークを出している。

C25日騰落レシオが-75以下、D25日投資マインド指数が買いマーク、と5ポイントになりました。

現状ではボトムになる確率は5分5分ですが、月曜日にE新安値の陽線になるか、月曜・火曜月と下げればE25日順位相関が-80以下になります。

来週はボトムらしさのポイントは6ポイントになり、ボトムになる確率が高くなりますが、そのためには米国株価の下落が止まったらしいことがはっきりすること、WTI原油価格が反発すること、が必要です。


(2014.10.20) TOPIX 1224P(+47)  日経平均 15111円(+578) 23.7億株 (2兆3186億円)

ECBは数日中に資産買い入れを始めると発表。米国はよい経済統計がでたこともあって反発する。 NYダウは16380ドル(+263)、スダックは4258P(+41)。金利は2.198%(+0.040)。

ナスダックはグーグルの決算が思わしくなかったことからグーグル安に足を引っ張られて200日線を回復とはならなかったが、ザラバ高値は9日線・200日線まで戻る。

先週、ナスダックは2日続けての大陽線を出していたので、週末の日経平均は反発こそすれ、逆に-205円安となったのは不思議でたまりませんでしたが、米国が現に上昇したのを見て、今日は急騰する。

+578円高は今年最大の上昇幅ですが、これは売り方の買戻しによる上昇でしょう。買戻しの限界である9日線の水準は15172円、一目均衡表の転換線の水準は15221円なので、15200円が買い戻しによって上昇する限界です。

今日の強烈な上昇を見て新規の買いが入るとしても、すでに中勢波動は下降波動に転換しているので、75日線(15500円くらい)まで戻れば上々です。ともかくも昨日の安値14529円が小波動のボトムになったことは確かです。


(2014.10.21) TOPIX 1205P(-18)  日経平均 14804円(-306) 22.5億株 (2兆 412億円)

アップルは好決算を発表。一方IBMは減収減益で、 NYダウは16399ドル(+19)小幅高だったが、スダックは4316P(+57)と高い。金利は2.194%(-0.004)。

米国株高から日経平均は小高く寄り付くが、円安が進まなかったことから下落する。前場は15000円台を維持していたものの、昼休み中に日経先物が売られ、先物主導でズルズルと下げて-300円安で終わる。

昨日の上げ幅の半分を失うことになりましたが、25日順位相関がようやく-80以下に降りてきたので、安い局面にあることは確かです。一昨日の安値14529円で当面の安値は出ていると思われるので、ここは値固めをすることになるのかと思います。


(2014.10.22) TOPIX 1236P(+31)  日経平均 15195円(+391) 21.3億株 (2兆 805億円)

ECBは社債の買い入れを検討しているとの報道があって欧米株価は上昇する。 NYダウは16614ドル(+215)だったが、スダックは4419P(+103)と大幅高。金利は2.226%(+0.032)。

ナスダックは大窓を空けて長い陽線となり、25日線まで戻る。ただ75日線の4456Pあたりは戻りの限界で、さらに上昇をするには、いったんは反落して戻り売りはそうないことを証明しなければなりません。

日経平均はこの4日間は-205円安、+578円高、-306円安、+391円高と激しく動揺しましたが、200日線を上抜いたので、先のザラバ安値14529円がボトムになったことは堅いと思います。

明日反落したとしてもザラバ安値が14960円以上であれば、14529円は小波動のボトムの表示がでます。まずは問題なく明日ボトムを出したことが確認できそうです。

今後のことですが、@7-9月決算はどうであったのか? 消費税アップの影響は抜け出せたのか?。ついでA安部内閣は2015年10月の消費税アップに踏み切ることができるのか?、B女性2閣僚が同時に辞任したが安部政権の支持率のダウンはどの程度なのか? です。

黒田日銀総裁は消費税アップは必要であると強調しているけれども私は現状の経済状態ではアップは無理だと思っています。さいわいにして原油などの輸入品は現在下落しています。

たとえばWTI原油に注目すると、2012年10月は86.28ドル(円は80.00円)、円換算原油は69.02円です。1年後の2013年10月には97.85ドル(円は97.09円、)、円換算原油は97.09円です。前年比で+40.7%の原油高となりました。これはびっくりするほどの原油高です。

当然にガソリン価格は上昇し、電気料金は上がり、冬場の暖房のための灯油価格は値上がりしました。だが2年後の2014年10月には原油価格は82.81ドル(円は106.86)へ下落しました。円換算原油は88.49円です。前年比で-8.9%の原油安になっています。このように原油に関しては輸入物価を押し上げていません。むしろ輸入物価を下げる方向にあります。

輸入物価の円安による上昇の程度は1年前に比べて、それほど上昇してはいません。黒田日銀はさらなる円安を目差すのが正しいのではないか。日銀が円安誘導をする前に消費税をアップするのはマズイのではないかと思います。


(2014.10.23) TOPIX 1232P(-4)  日経平均 15138円(-56) 20.1億株 (1兆7730億円)

米国は反落。 NYダウは16461ドル(-153)、スダックは4382P(-36)。金利は2.221%(-0.005)。

ナスダックは25日線を抜くことができずに一服。やはり伸びても75日線が戻りの限界になるのではなかろうか。

日経平均は小波動のボトム14529円を表示して、小波動は上昇波動になっていることが確定しました。上昇を開始してから今日で4日目なので、少なくともあと4〜5日の上昇はあってよいところです。

そこで75日線の(15511円)になれば、この上昇小波動は終わり、一度下げて下値を固めて、そこから再び上昇を開始して75日線を上抜くのかどうか。ここが見所です。

ただし中勢波動はすでに下降波動になってしまったので、先の高値16374円まで戻ることはできず、よく上がっても《デンドラ24》の下から1番目の(15549円)か2番目の(15695円)が限界でしょう。


(2014.10.24) TOPIX 1242P(+9)  日経平均 15291円(+152) 19.2億株 (1兆8760億円)

キャタピラーの決算がよかったことや、ユーロ圏の10月のPMIが50.3→50.7へ伸びたことから米国は反発する。

NYダウは16677ドル(+216)、スダックは4452P(+69)。金利は2.277%(+0.056)。

ナスダックは75日線まで戻るが、9日順位相関は+80を超えているので、一度は押し目を作るところ。

WTI原油相場が9日線を上回ることなく下落し、世界経済の停滞を表しているのではないかと懸念されていますが、9日と25日順位相関がともに-80以下になったので、反発があってよいところです。 原油が反発すれば、株価にもよい影響を与えます。

米国株高と円安によって日経平均は上昇する。ただ10月に入ってからの先物を使っての目先筋の無茶ぶりは、市場に参加している一般投資家に不安感・警戒感を与えました。

まともな株式投資ではなく、明日のことがわからない投機の場にしてしまったので、出来高や売買代金はしだいに低調なものとなっています。

10月の日経平均の大幅な下落は、もちろん米国株価の下落が原因です。しかしNYダウは17279ドル→16117ドルへ-6.7%の下落、ナスダックは4593P→4215Pへ-8.2%の下落に対し、日経平均は16374円→14539円へ-11.2%の下落です。

だいたい米国の5割増しの変動をしています。これはメインの米国株の周辺にある日本株はその変化が増幅されることを表していますが、せめて米国と同じ程度の株価変動に収まらないものか。 GPIFに期待するものは、株式シェアを高めて日本株の株高を演出するのではなく、株価が下げれば買う、上がると売るということによって、日本株の変動の増幅を小さくすることです。株価の乱高下がなくなれば、まともな投資家は戻ってきます。


(2014.10.27) TOPIX 1254P(+11)  日経平均 15388円(+97) 18.2億株 (1兆6628億円)

米国はよい決算を出しす企業がでたことから続伸する。 NYダウは16805ドル(+127)、スダックは4483P(+30)。金利は2.272%(-0.005)。

ナスダックは75日線を少し超えましたが、75日線の水準は9月25日から11日間に亘って揉みあったところなので、これを一気に 上回ることは難しい。4500P〜4550Pのゾーンで頭打ちになるのではなかろうか。

WTI原油相場は9日線すら上回ることができません。原油が上昇するのは、@原油産出に支障が出たとき、A投機マネーが入ってきたとき、B世界経済が活発になったとき です。

@はイラン・イラクの問題があるのでいつかこれが原因となって上昇する可能性があります。Aは米国のQE3が終焉しようというときなので、価格の低下はしかたがない。Bは世界の景気に警戒感があるのでこれも価格を下げる原因です。

話は私の身近なことに変わりますが、うちの暖房は石油ファンヒーターです。家は辺鄙なところにあるので毎年11月〜4月の半年は、毎週石油販売店がタンクローリーに灯油を積んで売りにきます。昨日の日曜日は今年初めて販売に来ましたが、「18Lで1890円です」とスピーカーで言っている。「何だ、この値段は今年5月の値段と同じではないか。」

WTIの原油のグラフを見ると、2014年4月末は99.74ドルです。ところがその半年後の2014年10月24日の価格は、81.01ドルです。-18%も下がっているのに値段は同じです。円安のせいであろうかと円のグラフを見ると、2014年4月末の円レートは102.34円です。4月末当時の原油はドル建てで10207円/バーレル。昨日の原油は81.01×107.96円=8745円/バーレルです。円安を考慮しても16.7%も高くなっています。消費税が3%アップしたのを引いても13.7%高い。

この13.7%の値上げは石油元売会社がふところに入れたわけではないでしょう。原油を運ぶ海上運賃、精油所を稼動する費用、ガソリンスタンドに陸送する運賃、ガソリンスタンドで売る価格。すべてに消費税が折り重なっています。流通が段階を踏むたびに物価は上がります。消費税が5%から8%になったのだから、物価は3%上がるというのは間違いでしょう。しかし現実は消費税の3%以上に輸入価格は上がっている。


今日の日経新聞に安部内閣の評価アンケートが載っていましたが、消費税を10%にするのは時期尚早であるというのが70%の意見でした。これは私も同調しています。

日本の高度成長期を体験してきた年寄り(今の閣僚)の多くは、日本の潜在的な成長力を過信して10%の消費税でも日本は耐えられるという気分があります。

しかし、今は高度経済成長期ではありません。日本経済は熟成する時期になっています。

GDPが10%の成長したのは彼ら(私も含む)が中学1年〜高校1年の間です。成長はいつまでも続きません。成長が続かないのに消費税をアップして消費意欲を失わせるのは間違いです。


(2014.10.28) TOPIX 1252P(-2)  日経平均 15329円(-58) 18.7億株 (1兆6956億円)

米国は29日のFOMCを前に小動きとなる。 NYダウは16817ドル(+12)、スダックは4485P(+2)。

米国は概ねよい決算数字がでているようですが、29日のFOMCではQE3の終了と、今後のゼロ金利の解消が話し合われるはずです。

株式市場は米国経済の強さと金融緩和を秤にかけていますが、目下のところは、米国経済の強さのウェートを重く見ています。

しかし世界経済が停滞すればWTI原油価格が新安値を切ったように、米国経済にマイナスの影響が出てきます。

逆にそうなればFOMCはゼロ金利の解消を先にずらすだろうという見方もでて、これは株価にとってはプラス要因です。ひとつの経済事象を市場はプラス要因と見たりマイナス要因としたりします。その一定のキマリはありません。

プラスと見たりマイナスと見たりするのは、米国の株式市場の需給(ふところ勘定)の状況によります。

NYダウは(a)2009年3月を底にして、上昇を開始し、(b)(c)で株価が18月線を下回れば、FOMCは金融緩和策を打ち出して、株価上昇の援護をしました。

最後のQE3は(d)です。(d)の後は米国経済に不安がなくなったことからほぼ一本調子で株価は上昇し、NYダウは史上最高値をつけました。

FOMCのゼロ金利と量的緩和の恩恵を受けて、米国の投資家は株式を買い、それがことごとく利益になりました。またゼロ金利によって住宅ローンや自動車ローンが組みやすくなり、米国GDPの70%を占める消費支出が上昇しました。

だが、株式投資家はすでに株式を腹一杯に買っており、ゲップがでる状態にあると思われます。また米国の自動車の目下の売れ行きは好調ですが金利がアップするとそうは行きません。そろそろ米国のバブリーな株式投資の時代は終わり、堅実な債券投資に比重を移していくのではないか。そういう気がします。

日経平均は75日線を目前に控え、3日連続の陰線となって上昇力が失われていることを表現しました。

日経平均の月足(これは大勢波動を見るためのものです)で、手本としているのは、直近の大勢上昇相場である2005 年〜2007年の約2年半ですが、いつこの大勢波動が終ったのかといえば、(e)の18月線を割り込んだときです。

株価が18月線を割り込みそうになったのは(b)(d)ですが、何とか月末(月足の終値)には戻して、(b)(d)では大勢波動は崩れることはありませんでした。

思っていることは、株価が18月線を下回ると大勢波動が終ったのではないかということです。(d)では下回ることはなかったけれど、(e)の2007年8月のザラバ安値と終値は18月線を下回り、そこから2009年3月まで20月間の暴落をしました。

今月に入っての株価下落によって10月のザラバ安値は14529円になりました。これは月足の終値ベースにより18月平均線の14804円を300円近く下回っています。おそらく10月が終った時点ではザラバ安値が18月線を下回ることは確実です。ただし10月の終値が14804円以上で収まれば、なお日経平均の大勢波動は上昇中であると判断できます。

そうではあるが、ザラバ安値が18月線を下回ったのは(b)(d)ではなかったことなので、警戒をせねばなりません。米国株式の行方を併せて考えるならば、安部政権が消費税アップを断念し、驚くような成長戦略を出さない限り、日経平均が(c')の高値16374円を上回ることは難しい。アベノミクスは終わりつつあるのではないか、ということです。


(2014.10.29) TOPIX 1270P(+18)  日経平均 15553円(+224) 21.8億株 (2兆1006億円)

米国は世界景気の減速懸念が後退したとして上昇。 NYダウは17005ドル(+187)、スダックは4564P(+78)。

景気減速懸念が後退したとはいっても、同日に発表された米国の9月の耐久財受注は-1.3%(予想は+0.5%)とへこんでおり、設備投資の先行指標である資本財受注も-1.7%(予想は-0.7%)と予想外に悪かったので、とても懸念払拭とはいきません。

FOMCで金利引き上げは当分できないという期待の裏返しでしょう。 WTI原油価格は安いままでしたが、エネルギー株は軒並み上昇しました。ショートカバーによるものと思いますが、これが世界景気の底打ちを期待させ、株価上昇となったのでしょう。


日本は9月の鉱工業生産指数が+2.7%とよい数字であったことから、米国株高、若干の円安と併せて、久しぶりに日中の立会いで日経平均は上昇する。

この戻りはナスダック、日経平均とも75日線が限界であるとしてきました。ナスダックは4500P〜4550Pの水準にシコリがあるし、日経平均は15500〜16000円の水準にシコリがあります。

一目均衡表でいえば、シコリとは先行帯(雲)のゾーンです。これを一気に突き抜けけるにはよほど目新しいよい材料がでてこないと無理です。

ナスダックが昨日抵抗帯を上抜いたのは意外ですが、抵抗帯の幅がそう広くなかったので上抜けたともいえます。一方、 日経平均の抵抗帯は約400円幅あるので、今すぐこれを上抜くことは難しい。


(2014.10.30) TOPIX 1278P(+8)  日経平均 15658円(+104) 27.9億株 (2兆7740億円)

FOMCは予定通り10月末でQE3を終了し、ゼロ金利は当分の間つづけると表明。@雇用は力強くなっている、Aインフレ率の低下にはこだわらない、というのがその判断の背景で、今後は米国景気のアップと金利上昇が、米国株価を左右します。

NYダウは16974ドル(-31)、スダックは4549P(-15)。長期金利は2.321%(+0.022)と少し上昇。

日経平均は、米国金利が上昇→ドル高(円安)となったことから小高く寄り付く。円レートは前日に比べ約1円安くなっていたので、日経平均は200円くらいの上昇をしてもよいところでしたが、前日に見切り発車してすでに+220円上昇していたので、さほどの上昇はせず+104円高で終わりました。

驚いたのが今日の出来高(27.9億株)と売買代金(2兆7700億円)です。ヘッジファンドの決算は10月が多いので、ヘッジファンドなりのドレッシングをしているようです。これは明日31日までは続くが、11月に入ってもこの買い意欲が持続できるのか?疑問です。

HPでは毎日、日経平均と注目9銘柄のグラフを掲載しています。そこでは条件表No.16「◎天底/押目戻り/突破200」という全天候形の条件表が売買マークを出しますが、ここしばらくは売買マークが出ることはマレでした。相場が悲観人気や楽観人気に傾かなかったためです。

条件表No.16はTOPIX500を手本にして作った条件表なので、TOPIX500についてはまずまず合うものと思いますが、まず10月に入っては、悲観人気となって買いマークが出て、最近は楽観人気となって売りマークが出ています。10月に入ってからは延べ132銘柄が買いマークを出し、10月29日ころから31銘柄が売りマークを出しています。

条件表No.16は2011年9月18日に設定したものですから、もう3年間が経過しました。条件表は基本的には過去の事象を手本にして設定するので、今後のことは未知数です。したがって条件表を設定したならば3年とか5年間の追跡調査が必要です。この追跡調査ではそう悪い結果にはなっていません。多くは利益がでています。

条件表No.16を使って、誰でもわかる具体的な仕掛けと決済の仕方は、@新安値の陽線が出たら買う、A新高値の陰線が出たら売る。という簡単なことです。もちろん@Aでは売買マークが出ていなければなりません。


7278「エクセデ」は(a)10月17日に買いマークを出し、この日は新安値の陽線であったので買い。翌日始値は2549円と高寄りしたけれど、(b)10月30日(終値2777円)に売りマークを出しています。

(b)の翌日はどうなるかはわかりませんが、30日の足はほぼ高値引けなので、なお上昇力は残っていると思われます。もし新高値の陰線になれば利食いです。

8905「イオンモール」は(a)10月10日に買いマークを出し、この日は新安値の陽線であったので買い。翌日始値は1889円だったが、その日の終値は(1868円)で、買値を下回ったので、翌日の始値(1874円)で手仕舞いする。-15円の損失となります。

9101「郵船」は(a)が新安値の陽線であったので、翌日の始値(259 円)で買い、その後(b)で売りマークが出ているが、新高値の陰線にはなっていないので、買いは持続。現在は280円。


(2014.10.31) TOPIX 1339P(+54)  日経平均 16413円(+755) 40.1億株 (4兆1982億円)

米国の7-9月GDPは+3.5%(予想は+3.0%)とよい数字が出ました。ただ米国GDPの70%を占める個人消費は4-6月の伸びよりもダウンしていたので、この点は市場は不満を持ったようです。

NYダウは17195ドル(+221)と上昇したものの、スダックは4566P(+16)と前日の下げを埋めた程度の上昇に終わりました。長期金利も2.310%(-0.011)と少し低下。

朝方総務省の9月の家計調査が発表されましたが、消費支出は前年比-5.6%の縮小でした。これで4月の消費税アップ以来6か月連続して家計の消費支出は少なくなっています。

5%から8%への税率アップでさえ日本経済には重い荷になっています。これでは10%への再引き上げはどう見ても難しい。無理にアップすれば、「角をためて牛を殺す」「金の卵を産む鶏を、目先の金が欲しいために殺してしまう」ということになりかねない、と今朝も気が重かったのですが、後場の相場は大変身、ドテンの場面切り替わりとなる。

日銀は政策決定会合を終えて、@今後国債の買い入れは80兆円とする、A国債の残存期間は7〜10年のものを買い入れる、BETFを毎年3兆円買い入れる、と発表。13:44分ころのことです。 ここから、111円への円安になるわ、株価は暴騰して+755円高になるわ、売買代金は4.2兆円になるわで、年に1度あるかなしかの日本発のショックを市場にもたらせました。


黒田日銀総裁になることが予定されていた(a)2013年3月初めに、大胆な金融緩和を行うと国会で答えたのは、日経平均が11700円くらいのときです。

4月(a)に黒田体制が発足し、初の決定会合で決めたことが、@マネタリーベースを当時の2倍にする、Aそのためには2013年に60兆円、2014年に70兆円程度のマネーを供給する、Aリスク資産であるETFを1年に1兆円規模で買い入れる。ということでした。

2013年の4月初めの日経平均は12300円でした。この黒田日銀の方針が明らかになるにつれて、株価は暴騰し、2014年5月の15600円まで日経平均は上昇しました。3月からは約4900円、4月からは約3300円の日経平均の上昇をもたらせたのです。この1年間は誰でも株を買っていさえすれば儲かるというバラ色の順張り相場の時期でした。

しかし誰でも儲かる順張り相場は10年のうちの2年間、5年のうちの1年間でしかありません。たいていの好材料は1年以内に相場に織り込まれてしまいます。1年以上の順張り相場が続くのは、以前にもまして好材料がでたときです。 日銀の「量的質的金融緩和」も株式市場では1年が限界でした。以来1年半は日銀は新しい金融政策は何も打ち出せませんでした。株式市場は日銀の方針を織り込んでしまうと膠着状態に陥りました。 2014年の株価の低迷(まあ保合いだが)は、日銀の政策の手詰まり感があって、日銀が何もできないと判断した目先筋に日経先物をいいようにおもちゃにされてしまったという感じでした。

ところが、今日の決定は、この1年間の日銀の政策指針をあらためて表現することになりました。日銀は結局、マネーを放出することで円安にせざるを得ないことを認めました。ついでETFやREITというリスク資産をこれまでの3倍も買い入れると決め、日銀は日経平均(あるいはTOPIX)の下落は望んでしない、日経平均を買い支えるというメッセージを市場に送りました。

眠っているのか死にかけているのかと思われた日銀の逆襲です。国が「こうしたい」と明らかにすれば、株式市場はこれに靡きます。靡かないのは国の方針が曖昧なときです。日銀は今後、@円安を推進し、A株価を上昇させる、またBETFのようなリスク資産を買うことによって国民のインフレマインドを醸成させる、Cその結果、買い惜しみといったデフレ心理を摘み取り一般物価を早く2%以上にする、 ということを明らかにしました。これだけはっきりと日銀の姿勢を示されては、株式市場はこれに反対する力はありません。今日の決定会合は2013年4月以来1年半ぶりの日銀の顔が見えた日となりました。


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