日経平均をどう見たか・判断したか (2014年 6 月)

目次へ.. 過去の判断.. 前月分へ.. 次月分へ..



(2014.6. 2) TOPIX 1220P(+19)  日経平均 14935円(+303) 20.3億株 (1兆8801億円)

米国は発表された経済統計がまちまちであったので、小動きに終わる。ただMSCIの銘柄入れ替えがあったため、出来高はいつもより多かった。

NYダウは16717ドル(+18)、ナスダックは4242P(-5)。長期債利回りは2.482%。

長期債の利回りは簡単にいえば、予想経済成長率+予想インフレ率の合計です。現在の2.5%の水準は、経済成長率が+1.5%で、インフレ率が+1.0%、あるいは経済成長率が+2.0%で、インフレ率が+0.5%のような内訳になります。

米国の債券市場がどのような経済成長率とインフレ率を予想しているのかはわかりませんが、2015年の米国GDPのOECDの予想では+2.6%成長になるらしい。となると債券市場は-0.1%のインフレ率を予想していることになります。しかし米国のインフレ率が+1.0%を下回ることはありえません。

成長率が+2.5%、インフレ率が+1.0%と予想するならば、米国長期金利は3.0%〜+3.5%になってもよいのに2.5%で止まっているのは、1つにはFRBが量的緩和を縮小しているとはいえ、まだ毎月450億ドルの資産を購入して金利が上がりにくいことがあります。次に株と債券の価格の関係は、普通なら株が上がれば金利も上がる(債券価格は下がる)、株価が下がれば金利も下げる(債券価格は上がる)という逆の動きをします。株価も上がるし債券も上がる(金利は下がる)ということはそう起きることではありません。選択できるのは株か債権かです。株も債券もというのはありえません。

株か債券かの選択は、株を買うのと債券を買うのとどちらが「有利」なのかという判断だけではありません。どちらが「安全」なのかの判断基準もあります。現在の米国金利の水準は「有利」さよりも「安全」さを求めているように思います。NYダウやS&P500が新高値を更新している一方で、国債利回りが低下している(債券が買われている)というのは、そろそろ株高は終わるのではないかと思う向きが、米国では増えてきているのではないかと思わせます。


日経平均は急騰する。この4日間はオプションの行使価格の14750円を超えようとして、攻防が行われたらしく、先週末の時点では結局、14750円を上回ることはできませんでした。

しかし今日はやや円安になったことから、CME日経平均の14710円を上回る14777円で寄り付き、14750円の壁を越えました。ザラバでは+331円高の14963円まであって、引けは14935円。節目であると思っていた14750円を簡単に上回って終わりました。

円安になったとはいえ、0.30円ほどであり、日経平均は100円上昇すれば十分なほどの円安でしたが。昨日いったように最近1か月の円レートの変化は、日経平均の変化の25%しか影響を与えていません。

ところが今日は日経平均は一時+331円の上昇をしました。円安による上昇は30%、そのほかの要因による上昇が70%です。日経平均を大きく上昇させた70%の要因は何であったのでしょうか。

今日の出来高は日経平均が2.07%上昇した割には少なく、20.3億株、売買代金は1兆8800億円でした。新規の参加者はほとんど増えていません。いつもの参加者メンバーでの思惑のぶつかり合いだったのでしょう。こういう限られた参加者による売買がなされるならば、日経平均は新しい局面には移れません。つまり、いまのところは順張りは効かず逆張りが有効であるといえます。

今日時点の小波動のピークらしさは、@新高値、A9日順位相関が+80以上の2ポイントでしかないので、ここでカラ売りをすることはできませんが、そのうち条件表No.1が売りマークを出したり、25日順位相関が+80以上になったり、投資マインド指数が85以上になったりの現象が現れてくると思います。そのときは売りですが、今のところは《デンドラ24》の上値メドが15023円と15162円なので、いまから買ってもたいした利益はでません。買いはできません。売りはもう少し先です。


(2014.6. 3) TOPIX 1228P(+8)  日経平均 15034円(+98) 22.2億株 (2兆 30億円)

5月のISM製造業指数は54.9→55.4へアップ。ところが2度にわたる数値の修正があって市場は混迷したとか。55.4%というのは立派な数字ですが、2度の修正があったためか相場には響かず。

NYダウは16743ドル(+26)、ナスダックは4237P(-5)。

私は米国の経済状態をよく反映しているのはナスダックだと思っています。ナスダックが3月初めから新高値を更新できなくなっているので米国市場についてはあまり強気ではありません。

しかし最近の国内市場はNYダウが新高値になったことをはやして株高の理由としています。NYダウが新高値とはいっても先の高値を5ドルとか20ドル上回ったという程度で、どんどん高値を更新していく力強さは見えません。

為替相場(右側図)もなかなか納得できる動きではありません。過去円高であったのは、第一に日本がデフレであったからです。国債利回りがわずか1.0%であっても、インフレ率が-1.0%あれば実質2.0%の利回りです。1%の金利でも買い手は多くありました。海外の債券を持つよりも日本国債を持つほうが有利であり、したがって円高になりました。

今はインフレ率が1.5%程度まで上がってきて、長年期待していたデフレ脱却ができそうな(あるいはすでに脱却している)状況になっていますから、円は高くなるはずはありません。

第二には、日本の経常収支(貿易収支+資本収支)が黒字であったからです。日本に入ってくる資金が出て行く資金よりも多いとき、円高になります。ところが最近は原発が稼動しなくなった結果、火力発電が90%以上の発電を担うことになり、天然ガスなどの輸入量が急増し、月別の経常収支が赤字になることがまれではありません。経常収支の赤字は円安に向かいます。

おおかたの状況は円安になってもよいのですが、第三に円の値打ちは、円の信頼性にあります。例えば国債金利の支払いができない、あるいは償還ができない国の国債は信用がありません。いわゆるデフォルトです。日本国債は明治以来デフォルトをしたことがない優良な投資対象です。いざ国際紛争が起これば、米国ドルや日本円は買われます。利息を生み出さない金もが買われます。 円がなかなか安くならない理由は第三の理由と、第二がやや収束しているからだと思われます。

日経平均は75日線を上回ること7日目となりました。7日連続して75日線を上回ったのだから、株価は75日線の上位に出たとしてよいでしょう。

中勢モデル波動は(H→K→L→M(a)→b→c→D )となったようです。今の株価は75日線を上抜いて6日間が経過しています。株価は75日線を完全に越えたとしてよいでしょう。

今後のコースは(D)まで上昇して、75日線または25日線まで下落するということになるのではなかろうか。

(D)がどれくらいの水準であるのかが問題ですが、昨日言った《デンドラ24》の15000円〜15200円であろうと思っています。


(2014.6. 4) TOPIX 1233P(+5)  日経平均 15067円(+33) 20.9億株 (1兆9365億円)

米国は特段の材料がなく小安い。 NYダウは16722ドル(-21)、ナスダックは4234P(-3)。

米国長期債利回りは+0.071%アップして2.604%まで上昇したため、円レートは102円台後半まで円安が進む。ただこれくらいの円安では、株価を大きく上昇させる力はありません。

2012年11月に衆院解散を発表したときの円レートは79.27円でした。その後日銀の量的質的緩和によって、2013年5月には102.65円まで円安が進みましたが、この間に円レートは23.38円ほど円安になりました。日経平均は8661円→15627円へ6966円上昇しました。1円の円安が297.9円(約300円)の株高をもたらせたわけです。

2013年中の円レートは2013年6月の93.97が最高値で、12月には105.35円まで11.38円ほど円安が進行。このときの日経平均は 12455円→16291円へ3836円の上昇です。1円の円安が337.0円(約330円)の株高をもたらせたわけです。

今年2014年の円レートの最高値は2月の100.87円です。このときの日経平均は14008円。今日の円レートは102.72円なので1.85円の円安になったに過ぎません。1円が300円の株高をもたらせるとすれば、555円上昇した14563円が円レートからの妥当な株価です。今日の日経平均は15037円ですから、円レートからの妥当値より474円高い水準にあります。日経平均は14008円→15037円へ1029円上昇していますが、これは3.43円の円高を織り込んだものです。2月の100.87円+3.43円=104.30円より円安が進行しないと円安が日経平均を大きく上昇させることはないと思います。


これくらいの円安では、円レートが日経平均を上昇させる力は持ちません。条件表No.42「円レートから日経予想(順)」のグラフを見ると今日の円レートと日経平均の相関係数は60.0(0.60)です。円レートが日経平均に影響を与えているのは、全体の36%(0.6×0.6×100)ほどです。

残りの64%は円レート以外のものが日経平均に影響を与えています。ではそれは何なのか?

いつもいうことですが、株価を決定する要因は、@業績、A金利、B需給、C投資マインド の4つです。

@業績を見ると、2014年3月期の業績は円安に助けられて、申し分なかったけれど、2014年4月からの消費税の影響がどうでるのかは不明でした。このため2014年3月期の業績を2015年3月期に延長することはできず、2014年3月期の好業績(およびROEの著しい改善)は無視されていましたが、ここへきて日本企業の好業績を素直に評価しようという見方が増えています。 ただし2014年10月にはさらに2%の消費税が上乗せされるので、来年2015年の企業業績がよくなるとは思えません。

A金利は、日銀の新次元の緩和策によって、国債利回りは0.60%を中心にした動きです。基本的にはあまり変化がありませんが、米国金利の変動が日本国債の利回りを変化させ、その結果円レートが変化しています。金利は円レートに変換されて市場に影響をあたえますが、先にいったようにこれくらいの円レートの動きでは相場に大きなインパクトは与えません。

B需給は、今のところ3つの要因があります。1つは2013年12月の高値で買い付いた向きの投げですが、だいたい5月までに終わったようです。次に外国人投資家が買ってきているのかどうかですが、少しずつは買っているらしい。少なくとも売ってはいません。

3つ目はGPIF(年金運用)が株式への配分を増やすという話があります。年金運用額129兆円のうち、日本株に投資している資金は17.2%ですが、これを20%とか30%まで引き上げるつもりであるらしい。もし20%に引き上げると129兆円のうちの約3%が株式市場で株を買うことになります。金額は約3.87兆円。30%まで引き上げなら、12.8%分の16.5兆円が株式市場に入ってきます。2014年の日経平均の暴騰は約15兆円の外国人の投資があったためですが、今後はGPIFが昨年の外国人買いの役目を果たすかもしれない。

しかし年金の運用というものは、50年100年単位での運用をしなければなりません。株式の保有率が高まると年金資金の年ごとの資産は大きく変化します。銀行が保有株式をどんどん無くしていったのは年毎の株式評価の乱高下に耐えられなくなったからです。GPIFが一気に日本株の保有を20%とか極端に30%にするとは思われませんが、このこの要因が現在の株高の最大の原因ではないかろうか。

C投資マインドは、投資家が利益を得た、あるいは評価益がでていることで高まります。人は儲かればもっと儲けたと思い株を買います。逆に損をしたときは当分は株を買うことはしません。投資マインドを計るには条件表No.46「投資マインド指数」のグラフを見てください。現在は83.4%になっています。この25日間に株式を買った人の83.4%は利益が出ている勘定です。ほぼ全員が利益を出しています。

利益がでると、さあ次はどの銘柄を狙うかと、投資マインドは盛り上がりますが、考えてみてください。例えば1000円の株価の銘柄を安いと思って買ったら1200円になった。そこで決済して約20%の利益を出した。ここまでは正解です。ところが利益を確定したら、さらに株価は上昇していった。そこで1250円で同じ銘柄を買った。ここが転落の始まりです。 株価はいつまでも上がり続けるわけはありません。株式で利益を出すと、鷹揚な判断によってまた株式を買ってしまう。これは控えめにしなければなりません。

以上株価の4要因について述べましたが、今回の日経平均の上昇は、B需給の要因が最も大きいと感じます。


(2014.6. 5) TOPIX 1232P(-1)  日経平均 15079円(+11) 20.2億株 (1兆8664億円)

米国は、ADPの5月の雇用者数は予想の+21.0万人より低い+17.9万人。一方5月のISM非製造業指数は予想の55.5%を上回る56.3%。

よい材料と少し悪い材料がでましたが、米国株式が強気なときはよい材料を評価して株価が上昇するものですが、昨日は小幅高でおわる。

NYダウは16737ドル(+15)、ナスダックは4251P(+17)。

昨日のCME日経先物は15165円(大証比+125)と高く。これにサヤ寄せして、今日も高く寄り付いたものの上値は追えず、陰線で終わる。

日経先物の足が顕著ですが、この3日間は高寄りするが、戻り売りに押されて陰線で終わる。しかし先高予想が強く15000円近辺では押し目買いが入り大崩れはしない。結局高値圏での保合いなのだが、終値では前日比でわずかに上昇している、という状況です。

いったい相場は強いのか弱いのか? 小波動のピークらしさは、@新高値の、A陰線、B9日順位相関が+80以上、C25日騰落レシオが120以上、の4ポイントです。

近々ポイントが追加されるとすれば、D明日日経平均のザラバ高値が15142円以上になれば、条件表No.1「日経平均用(2012)」が売りマークを出す。E2〜3日のうちに25日順位相関が+80以上になる可能性がある(今日は67.9)、Fまた25日投資マインド指数が85以上(今日は83.5)になる可能性があります。

ピークらしさが5ポイントになれば、売りは5分5分。6ポイントになれば売りが有利です。だんだんと売り有利に近づいています。

5月21日に東証PERが14.19倍まで下落したいたので、日本株は割安であると書きましたが、最もPERが低かったのは5月20日の14.14倍でした(PERの数値は1日遅れなので実際は5月19日が最低PERの日)。 図の(d)のあたりが日本株が割安であったところです。

私の基準では、今期(10月以降は来期)の増益率が0近辺のときのPERは15倍、増益率が10%のときは16.5倍、増益率が+20%のときは18倍まで買われてもよいと思っています。

今期の増益率は今のところ0か、わずかな伸びのようなので15倍〜15.5倍が妥当なPERだと思っています。昨日のPERは15.23倍なので妥当なPER水準のゾーンに入っています。

PERからは日経平均はだいたい妥当な水準に戻ったといえます。もしPERが15.5倍まで買われる(つまりあと株価が1.8高をして1%350円になる)ならば逆に日本株は割高であるといえますが、15350円になるには先の小波動のピークの15164円や15312円を上抜かねばならず、これはしんどい。当面はPERが15.5倍になることは考えられません。


(2014.6. 6) TOPIX 1234P(+1)  日経平均 15077円(-2) 21.0億株 (1兆8976億円)

ECBは追加の金融緩和策を発表。政策金利は1.5%、中央銀行の金利は-0.1%とか。これで銀行は無駄に口座に預金を積み上げ(ブタ積み)ることでできなくなり、貸付先や投資先を探さねばなりません。

これは日銀の量的緩和にもかわらず、銀行はなにがしかの金利を求めて日銀の当座勘定に積み上げてしまい、市中にマネーが出てこなかったという経験から学んだものでしょう。

今回のユーロ圏の金融緩和のインパクトは強いと思われます。日本への影響は、@ユーロ安→円高で一部不利、Aもしかしたら日本株を買う動きがでるなら一部有利。ただユーロ圏の金融緩和なので、資金が株式に向かうとすれば当然にユーロ圏の株式が変われます。大きな日本株買いは期待できません。

米国は、ECBの金融緩和を歓迎して上昇。NYダウは16836ドル(+98)、ナスダックは4296P(+44)。

ここ数日の日経平均は、高寄りしては少し下げて終わり、陰線にはなるのだが前日比ではわずかに高いという、強いのだか弱いのだかの判断に苦しむ動きです。

ただ今日は加熱状態を表現するチャートが多くでました。小波動のピークらしさのポイントを掲げると、@新高値の、A陰線、B9日順位相関が+80以上。

次に、C条件表No.1「日経平均用(2012)」が売りマークを出し(右図左側)、

D25日騰落レシオが120以上になりました((右図右側)。

騰落レシオが売りマークを出したとき、そこがピークになることもあれば、大きな相場では4日くらい後にピークとなることもあります。

長くても8日目くらいには当面のピークとなっているので、向こう8日間は25日騰落レシオの動向に注意を払ったほうがよい。

さらに今日は、E25日投資マインド指数が売りマークを出したので、これで6ポイントです(右図左側)。

まだポイントとして勘定することは決めていませんが、外国証券オーダー倍率も過熱圏である130を超えています。

F《デンドラ24》の日経平均の上から2番目の上値メドは、15162円ですが、もし来週にこの値段がつくようなら7ポイントになります。 チャートでは売りが有利になりました。ここからは買うおとはできません。

ただ悩ましいのは、今回の株価上昇は、昔いわれたPKO(株価維持操作)、今はPLO(株価上昇操作)によるものではないかといわれていることです。

かんぽ生命は株式の資産配分を拡大したし、GPIFは国内株式を17%から20%に拡大する用意があるというし、安部総理は9〜10月にGPIFのポートフォリオの見直しを命じたということです。国を上げて株高を演出しようとしています。

もし129兆円の資金を持つGPIFが日本株の比率を17%→20%へ引き上げるならば、約4兆円の株式買いの資金が現れることになります。昨年は15兆円の外国人買いによって、日経平均は約6000円上昇しました。今度4兆円の日本株買いの資金が入れば、日経平均を1500円から2000円上昇させる力を持っています。

この話が投資家のマインドを高めていますが、すでに株価は1000円上昇しているので、もし上昇しても500円〜1000円の上昇しか残っていないだろうと思われます。ただ投資家はなおGPIFやかんぽ生命の買いに期待をしています。そうであれば日経平均が下落したとしても-500円程度、75日線までの下落で終わるのではないかと思われます。

チャート以外の要因が今は大手を振っているので、先行きの判断はなかなか難しいのですが、チャートからは現在は過熱しており、日柄整理をするなり、値幅整理をするなりの調整が必要であると思います。


(2014.6. 9) TOPIX 1234P(+0)  日経平均 15124円(+46) 17.2億株 (1兆5672億円)

米国の5月の雇用統計は+21.7万人増と予想通り(4月は28.8万人→28.2万人へ下方修正される)の数字でした。

雇用は順調に回復していることが確認できて、米国株は上昇。NYダウは16924ル(+88)、ナスダックは4321P(+44)。

条件表No.1「日経平均用(2012)」は連日で売りマークを出しています。小波動のピークらしさのポイントは、@新高値、A9日順位相関が+80以上、B条件表No.1が売りマーク、の3ポイントです。

2〜3日中にはC25日順位相関が+80以上になるはずだし、そこでD新高値の陰線がでるならば、NYダウ・ナスダックは売りが有利になります。

日経平均の小波動のピークらしさのポイントは、@新高値の、A陰線、B9日順位相関が+80以上、C条件表No が売りマーク、D25日騰落レシオが120以上、E25日投資マインド指数が売りマーク、の6ポイントになったので売りが有利といいました。

今日は、F25日順位相関が+80以上になり、G《デンドラ24》の上から2番目の上値メドの15162円を上回りました。今日時点ではなんと8ポイントになります。チャートからは80%以上の確率で今日のザラバ高値が当面のピークであるといえます。

通常であれば、日経平均あるいは日経225銘柄 はカラ売りしてもよいところ です。

しかし昨日もいったように、政府は株価を上げるために需給面に手を突っ込んできています。アベノミクスの第3段目が不発に終わりそうなので、年金運用のGPIFやかんぽ生命に株式を買わせようとしている。誰かが買えば株価は上がります。相場の見通しによらずして株式を買わせるというゴリ押しです。

アベノミクスの第3段は、もはやだれも期待していません。株価は今年に入って下がる一方でした。これは外国人投資家が日本株を売ったからです。アベノミクスの第3段目は外国人投資家に評価されなかったわけです。では誰が日本株を買ってくれるのか? 政府が目をつけたのは、政府がコントロールできる年金資金と「かんぽ生命」の運用です。

政府は今年の10月時点で消費税を10%に上げることを決定したい。そのためには株価が下がっていてはいけない。よって株価を上げようとする小手先のアイデアが役人から上がってきて、とにかく昔のPKOのように国ぐるみで株価を上げようとしているのではないかという危惧をもっています。

PKOについては、1997.10.3、1998.3.6、1998.4.16、1998.5.13に書いています。当時は日経平均が17000円台で買い始めたが、その後株価は半減して大きな評価損を出し、年金基金を減らしました。GPIFは政府の意向によって株式を買ったり売ったりすべきではありません。


(2014.6.10) TOPIX 1228P(-6)  日経平均 14994円(-129) 19.8億株 (1兆7289億円)

米国は続伸したが昨日の動きは、上昇して下落する「往って来い」になって、小幅高に終わる。NYダウは16943ル(+18)、ナスダックは4336P(+14)。

ナスダックは25日順位相関が+80以上になったので、ピークらしさは5分5分の4ポイントとなりました。これで「新高値の陰線」が出れば、売りが有利になります。

昨日の日経平均の小波動らしさは8ポイントになっていましたが、今日はさすがに下げました。

昨日まで5日間高値圏で陰線を重ねていましたが、この間のザラバ安値は(a)の14985円です。今日の終値は14994円なので、5日間の揉み合いを下放れたとはいえませんが、下放れたならば200日線(14701円)または75日線(14585円)くらいまで調整しそうです。

今週の金曜日はメジャーSQです。オプションの行使価格の15500円・15250円・15000円・14750円・14500円のどのあたりが攻防の水準になるのかはわかりませんが、今日のところは15000円が攻防水準でした。明日と明後日はSQがらみで乱高下すると思います。


日経平均の小波動のピークらしさのポイントを掲げておきます。右は「ピークらしさのチェック表」です。このチェック表は2008年に完成しました。

10項目があるので、一応10点満点です。

昨日は、@ADEFGHIの8項目が該当していたので8ポイントになりました。

右は「ボトムらしさのチェック表」です。

10点満点であるので5ポイントになれば5分5分、6ポイントになれば(買いまたは売りが)有利、と判断します。

これまではピークにせよボトムにせよ9ポイントになったことはありませんでした。(2010年5月27日にPERが割安なので9ポイントとしたことはあった)

だいたい8ポイントが限度です。

8ポイントになればピークあるいはボトムと判断して、10中8は当たると思います。

日経平均の小波動の上昇期間の平均は12日ですが、この2倍の24日間以上上昇するのは10%です。

また小波動の下落期間の平均は11日ですが、この2倍の22日間以上下落するのは7%です。

この合計の17%は、小波動のピークらしさ(ボトムらしさ)を判断したとき間違うわけわけです。

外れるのは、壮大な順張り相場になったときです。図の左側は2012年11月から始まったアベノミクス相場の初期ですが、(a)(b)(c)でピークらしさは8ポイントになっています。

8ポイントになったからといって、いつも株価がピークを打つものではありません。(a)の翌日には新高値を更新しています。この時点で8ポイントの判断は間違いであったとしてください。 (b)の2日後には新高値になっています。やはりこの時点で8ポイントの判断は間違ったとせねばなりません。(c)も3日後に新高値になったので、この時点で間違ったとして損切りすべきです。

図の右側は2013年7月19日です。ピークらしさは8ポイントになり、この後は75日線を大きく割り込むまで下落しています。こういう状況がだいたい80%の確率で現れます。


(2014.6.11) TOPIX 1239P(+10)  日経平均 15069円(+74) 17.8億株 (1兆6308億円)

米国は小幅高。NYダウは1694ドル(+2)、ナスダックは4338P(+1)。ナスダックは高値圏にあることは確かです。

日経平均は昨日の下げに対して押し目買いが入ったようで、陽線となる。昨日、終値が14985円を下回るようなら200日線か75日線まで調整しそうといいましたが、14985円を下抜けず。またSQ前の波乱もなし。

出来高や売買代金を見れば、新規の買いは入っておらず、外国証券の買いオーダーは4日連続して1000万株に届いていないので、外国人も買ってはいません。

一部の目先筋だけが市場に参加しているので、一部の思惑によって日経平均は振り回されそうです。


(2014.6.12) TOPIX 1237P(-1)  日経平均 14973円(-95) 21.0億株 (1兆8596億円)

世界銀行は、2014年の世界経済の成長の見通しを+3.2%→+2.8%へ下方修正。米国経済も+2.8%→+2.1%へ大幅な下方修正でした。

NYダウは16843ドル(-102)、ナスダックは4331P(-6)と下げる。

米国株安を受けてCME日経先物は14945円で終っていたので、今日の日経平均は14942円と安寄りする。その後も下げ基調で、この分では14750円の攻防になるかと思いましたが、14865円を安値にして戻し、-95円安で終わる。

日経先物の大引け値は15000円ちょうどで、15000円の攻防では売り方と買い方は痛みわけでした。

明日はSQが通過し、SQがらみの不安定な動きはなくなるでしょう。では株価は上に行くのか下に行くのか?

グラフを重視する私としては、小波動のピークらしさが8ポイントとなった以上は続落するものと思っていますが、例の政府がらみのPLO(プライス・リフティング・オペレーション)も気になります。

GPIFが長期的な年金を運用する上で、もし株式を買い増しするのであれば、時価総額の大きいもので、その業界のトップ企業を買うはずです。

例えば、「トヨタ」は時価総額はトップだし、業界(というより世界No.1)です。この銘柄ははずせません。 自動車株を買うとき、 年金資金は間違っても「マツダ」や「富士重工」をメインにして買うわけはないのです。同じことは銀行株においてもいえます。買うのは「三菱UFJ」です、「みずほ」は決してメインにはなりません。

6月に入ってから、トヨタ株は75日線を上抜き、200日線に手が届きそうな位置まで上昇しています。三菱UFJは6月初旬には75日線より上位に出ていましたが、そこから上昇が加速し、最後の上値抵抗線であった200日線を上抜きました。 ここに注目すると、年金基金(GPIF)が買っているのかな、という思いがしないではありません。トヨタは円相場によって株価の上下が生まれますが、三菱UFJは円相場は関係ないので、トヨタよりも三菱UFJのほうがGPIFとしても買いやすい。この違いがトヨタと三菱UFJの株価の動きの差になっているのではないか?

トヨタの25日順位相関は78.7まで上昇しているので、あと2〜3日で高値圏に入るでしょう。三菱UFJも25日順位相関は77.7になっているので、いったんは調整が入ると思いますが、GPIFが腕力で買い続けるならば、当面の株価は大きな下げはないと思います。

基本は75日線または200日線まで下げたなら買ってみようという態度でよいと思います。目先は株価が上昇しているので買うとか、カラ売りするとかの態度を決めることはありません。ここは受身(自分なりの見通しが現実になったとき)で売買態度を決定したい。


(2014.6.13) TOPIX 1243P(+6)  日経平均 15097円(+124) 27.1億株 (2兆6373億円)

米国の5月小売売り上げ高は0.5%→+0.3%(予想は+0.6%)へ伸びが鈍化。イラクやウクライナ情勢が懸念されたこともあって、株価は下げる。

NYダウは16734ドル(-109)、ナスダックは4297P(-34)。

米国株安を受けて日経平均は14830円で寄り付き、もたもたした動きでしたが、後場に入って急騰する。

今日のザラバ高値が15100円程度であれば、小波動のピークが表示されるはずでしたが、ザラバ高値が15121円まであったので、ピークの表示は出ず。

それにしても後場は一本調子で290円ほど上げたのには驚きました。法人税率の引き下げの方針を今日発表するとかで、これを材料にして先物を買い上がった向きがあったようです。SQがらみの出来高を抜けば、出来高は大して増加していないようなので、まあ腕力で上げたといえます。

今日の急騰によって今日の足型は「高値圏での包み上げ」になりました。安値圏での包み上げは、株価上昇を暗示させるものですが、高値圏での包み上げは「バケ線(ダマシ)」になることが往々にしてあります。

《カナル24》Ver.5では「検証」の機能がせっかく追加されたので、次のような条件表を設定して、2001年1月〜2013年12月までの13年間について検証をしてみましょう。



No.13行は、当日の陽線の幅(終値-始値)が株価の1.5%以上あることという条件です。(そこそこ実体が大きい陽線に限っています)

No.19行は、当日の終値が25日平均線より1%ほど高いという条件です(高値圏であることに限定しています)

売りマークが出た翌日の始値で仕掛け、6日目の始値で決済するという売買ルールで売買したときの13年間の成績は、次のようになります。


  1. 19回あって、14勝5敗
  2. 累計利益は38%
  3. 平均利益率は1.99%
  4. 勝率は 73.7%
  5. プロフィット・ファクターは 6.86倍
です。「高値圏の包み上げ」がバケ線になる確率は70%を超えていることがわかります。

最近足型が出たグラフを掲げると、右のものです。

(a)は2013年9月26日に出たもので、その後株価は急落しています。

(b)はアベノミクス相場が開始した2013年1月9日に出たものです。足型が出て10日ほどは乱高下したものの、大いなる順張り相場であったので株価の急落はありませんでした。

(c)は2012年10月22日に出ました。10日ほどは乱高下した後、株価は下落しています。


(2014.6.16) TOPIX 1234P(-9)  日経平均 14933円(-164) 18.2億株 (1兆6370億円)

米国は小反発。 NYダウは16775ドル(+41)、ナスダックは4310P(+13)。

反発したとはいえ、前日の下落幅の3〜40%ほどの戻りでしかなく、ナスダックは(a)4日連続してザラバ高値が切り下がるなど上伸力は乏しい。

日経平均は先週末のSQの日に大陽線となり、高値圏での包み上げの足になっていましたが、これは化け線となる確率が高いということを「検証」の結果からいいました。果たして今日は安寄りして陰線で終わる。

ザラバ高値が切り下がったので、小波動のピーク(b)15206円が表示され、小波動は下降転換したことが確認されました。

日経平均は一応小波動のピークを出したけれど、TOPIXはなお高値保合い中であり、金曜日のSQの日にザラバ高値を取ったばかりです。ピークを出したとはいえません。

TOPIXが崩れない背景には、やはり公的資金の買いが入っているか、それを先回りした買いが入っているかと見ざるをえません。

GPIFの資金を運用する法人はTOPIXをベンチマークとすると定められています。 つまり運用の成績はTOPIXに比べてよかったか悪かったかで評価されます。そこで運用者はまずはTOPIXと連動するような銘柄を組み込んでおいて、ここへ味付けをする銘柄を組み入れるということになります。

TOPIXを変動させるのは時価総額が高い銘柄です。上位10社を挙げると、@トヨタ、Aソフトバンク、B三菱UFJ、Cドコモ 、DJT、ENTT、Fホンダ、G三井住友F、HKDDI、Iみずほ、です。

日経平均を変動させるのは、株価が高い銘柄です。(これにはみなし額面という過去の経緯があってややこしいので、)単純に株価が高い上位10社を挙げると、@ファストリ、Aファナック、BJR東海、CJR東日本、Dソフトバンク、E東エレク、F明治H、Gダイキン、HNTT、Iセコム、です。

TOPIXと日経平均では影響力のある銘柄はかなり違います。TOPIXで影響力のあるトヨタや三菱UFJは、日経平均については特に強い影響力を持っていません。

今日のトヨタと三菱UFJの値もちのよさを見ると、なおTOPIXをベンチマークとする運用資金(ないしはそれを先回りして買っている勢力)が買っていることが見てとれます。ターゲット(ベンチマーク)は日経平均ではなくTOPIXに移っています。しばらくは日経平均よりもTOPIXを重視せねばなりません。


(2014.6.17) TOPIX 1238P(+3)  日経平均 14975円(+42) 16.7億株 (1兆7575億円)

IMFは2014年の米国経済の伸びを+2.8%→+2.0%へ下方修正。先の世界銀行が+2.1%へ引き下げたことを思い合わせると、米国経済は思ったほどよくはないらしい。

だがそれにもかかわらず米国は小幅上昇。 NYダウは16781ドル(+4)、ナスダックは4321P(+10)。

日経平均は出来高が薄く、日中の値幅は80円に満たぬ無気力状態。14800円〜15200円の400円幅での保合いが続いています。

このゾーンを上・下どちらに放れるかといえば、最近のイラクやウクライナ情勢から、下に放れる可能性が高いと思いますが、今回の上昇は終値ベースでは1100円上げたに過ぎません。たいして上昇していないのだから、大きく下げるはずはなく、下げたとしても75日線くらいであろうと思っています。


(2014.6.18) TOPIX 1249P(+10)  日経平均 15115円(+139) 18.7億株 (1兆7971億円)

米国5月のコアCPI(食品・エネンルギー除く消費者物価指数)は前月比+0.3%とアップ。これに対応して10年国債利回りは2.655%へ上昇。

NYダウは16808ドル(+27)、ナスダックは4337P(+16)と上昇。

米国金利高は円安をもたらせます。米国株高と円安が重なって、日経平均は寄り付きからジリジリ上昇し、陽線で引ける。

日経平均は6月9日のザラバ高値15206円をまだ上回れていないが、TOPIXは2月以来の新高値を更新し1250Pのザラバ高値をつけました。

残る目標値は今年1月16日につけた高値1308Pだけですが、昨年12月26日〜今年1月24日まで 1260P〜1300Pのゾーンで17日間の揉み合いをしています。

この揉み合いのときの出来高は、平均して28億株、売買代金は2.4兆円です。 今日の出来高18.7億株、売買代金1.8兆円では、このゾーンを突き抜けることは難しい。

WTI原油が高騰していることも気になります。原油高が持続すれば米国の消費は確実にダウンします。

まして日本の消費者は、@円安、A原油高、B消費税アップによって、米国よりもはるかに高い価格でガソリンを購入せねばなりません。その分ほかの消費が抑制されます。

消費税増税の影響は想定の範囲であると呑気な意見がありますが、原油高が続けばGDPの60%を占める消費支出は減らざるを得ないでしょう。



(2014.6.19) TOPIX 1269P(+19)  日経平均 15361円(+245) 27.7億株 (2兆4853億円)


FOMCは予定どおり資産買い入れ額を100億ドル減らして、1か月の債券買い入れ額は350億ドルと決定する。これは誰もが予想していたことで、焦点はいつごろ政策金利を引き上げるのかでした。

FOMCは米の2014年のGDPの伸び率の見通しを、3月の2.8〜3.0%→2.1〜2.3%へ下方修正しました。米国景気はそれほど力強いものではないということです。

次にイエレン議長はインフレ率が2.0%を超えない見通しとなったときは、相当期間、現在の金利水準を維持すると表明しました。

GDP予想の下げは、株価にはマイナス材料で、低金利の持続はプラス材料です。そのときの相場のムードによってプラス材料を重視したりマイナスを重んじたりするものですが、米国株価はここもとジリジリとではあるが上昇しているので、プラス材料として評価され、株価は0.6%上昇する。 NYダウは16906ドル(+98)、ナスダックは4362P(+25)、10年国債の金利は2.590%(-0.065)と下落(債券価格は上昇)。

東京市場は、米国株高はプラス材料、米国債券高は円高要因なのでマイナス材料の両面がありましたが、CME日経先物が15155円で終わっていたので15140円と前日よりわずかに高く寄り付く。

右図は日経先物の30分足です。立会い開始後は寄り付き値近辺でうろうろしていましたが、9:25くらいから上昇を始める。3日前の高値(a)15140円を上抜くと、売り方の買戻しがどっと出て(b)15220円を上抜くまで株価は上昇。

15220円を上抜いたとたんに、売り玉の反対売買が加速したようで、(e)の15390円まで上昇。そこから利食い売りが出て15340円で終わりました。

結局今日の上昇は9:30〜11:00までの1時間半の株価上昇であったわけですが、日経平均の上昇率は前日比1.62%です。これはNYダウの0.58%より1.0%も大きい。日本株だけが突出して上昇しました。

昨日までの出来高や売買代金の少なさから、私は14800円〜15200円の400円幅の保合ゾーンを突破するとしたら、14800円以下になる確率のほうが高いと判断していましたが、これは完全に間違いでした。すでに先のピーク15206円を上回った以上、今の小波動は上昇転換し、図の(a)が小波動のボトムになることが決まりました。

日本株が上がりやすい背景には、GPIFの日本株買いへの期待があります。これをバックにして短期筋が先物を買い上げれば、今日のような株価上昇につながります。 上図の(a)は「化け線」であろうと判断した日です。その後3日間は化け線の高値を上抜くことはありませんでしたが、今日は完全に上抜きました。買い方の完全勝利です。

ではこの先、順張り相場になるのかというと、それは疑問です。高値圏の保合いゾーンを上抜いたばかりなので、2〜3日はなお余熱があると思いますが、現在の小波動のピークらしさのポイントは、@新高値、A25日順位相関が+80以上、B25日騰落レシオは143.9まで振りあがっている、C25日投資マインド指数は+85以上の4ポイントです。

ここで新高値の陰線がでれば、ピークらしさは5ポイントになります。また今日の時点で25日平均線のカイリ率がすでに4.05%と危険ラインに達しています。さらにいえば、《デンドラ24》の上値メドは15857円です。あと500円ほど上昇する可能性はありますが、16000円までの上昇があるとは思えません。


(2014.6.20) TOPIX 1268P(-0)  日経平均 15349円(-11) 29.5億株 (2兆5968億円)

米国は小動き。 NYダウは16921ドル(+14)、ナスダックは4359P(-35)、10年国債の金利は2.624%(+0.034)と上昇(債券価格は下落)。

日経平均は前日の急上昇を見て、順張りが効く相場になったと判断した投資家が増えたようです。前日比変わらずで寄り付き 、15400円台に乗せたが、その後は利食い売りに押されて「往って来い」となる。

出来高は前日より増加して29.5億株、売買代金は2.59兆円と2日連続で2兆円を上回る。

主体別の売買動向は、公的資金を管理している信託銀行が7週連続で買い越し、5月に入って以来の買いの主体は年金であろうと大方が推測しています。

9月か10月にGPIFは資金配分を見直し、株式の割合を増やすことは規定の事実となった感じです。 今日の出来高増加は、GPIFが買いそうな銘柄(TOPIXコア30が代表例)を先回りして買おうとしたものでしょう。

現在のGPIFの総資金に占める国内株の資金割合(シェア)は17%、海外株の資金割合は15%のようですが、本来は国内株の割合は12%、海外株の割合は10%が基準であったはずです。現在は17%になっていますが、これは含み益が出ているからです。リーマンショックの後も、コツコツ派と安い国内株を買ってきたので、12%のシェアが17%まで膨らんだわけです。

通常であれば12%のシェアを超えた分は利食いして、シェアが低下した債券を買うべきですが、ここへきて資金割合を20%とかに変更しようとしています。これだとあと3%分の株式の需要が生まれます。総資金129兆円の3%は約4兆円になります。

だが4兆円を全部今年中に買うわけではありません。国内株式へ配分しているのが129兆円の17%だとすると、現在は22兆円分の国内株式を保有していることになります。株がGPIFの買い期待で5%上昇したならば、22兆円の5%の1.1兆円が含み益になります。そうなれば、今後GPIFが国内株を買う額は2.9兆円でよいことになります。

株価が上げれば上がるほどGPIFが実際に買う株式は少なくなります。そして、株式のシェアが12%から17%になったのは、株式を買い上がって株式を増やしたためではなく、株価の安いときに買ったのが含み益がでた最大の原因であることはGPIFも知っているはずです。安くなれば買えばよいだけです。

株価が上がれば国内株シェアは自動的にアップします。年金資金の運用はエンドレスです。短期的に一気に国内株のシェアを高めようとはするはずがありません。長期株価が下がったときに買うのは長期投資の基本です。そう考えると、今回のGPIFの国内株シェアを高めることを囃して株価が上昇しているのは、なんだかウサン臭いと思っています。


(2014.6.23) TOPIX 1267P(-1)  日経平均 15367円(+19) 19.6億株 (1兆8216億円)

米国はSQが通過した後も小幅に上げる。 NYダウは16947ドル(+25)、ナスダックは4368P(+8)、10年国債の金利は2.611%(-0.013)。

2014年の米国経済の成長は相次いで下方修正されているし、インフレ率も2%には届かないので、今のように楽観して株価が上昇するのはおかしい。

だが、米国市場は、2014年は大寒波の影響があったから2%程度の成長だが、2015年の成長率は3%以上になると予想しているらしい。(来年も寒波がくるかも知れないのに)

早くも来年のことを今の株価に織り込んでいるわけです。先取りしてよい材料を囃すのは、楽観人気になっている証拠です。


日経平均は、特に材料はないけれど、GPIFが買うぞというので先高期待が強く、市場は随所に現れている過熱の信号を無視している状況です。

小波動のピークらしさのポイントを上げると、

上図(右側)から、@新高値の、A陰線(ただし陰線の実体幅が50円と小さいので0.5ポイントとする)、B25日順位相関が+80以上。

明日は9日順位相関が+80以上になりそうなので、さらにポイントが加算されます。

右図(左側)はC条件表No.1が売りマークを出した。(右側)はD条件表No.23「25日騰落レシオ」が120以上。

右図(左側)はE条件表No.46「投資マインド指数」が売りマーク。

(右側)は条件表No.41「円レートから日経予想(逆)」のグラフですが、ひさびさに売りマークが出ています。これは円レートを元に日経平均の妥当値を計算すると、今日は14847円が妥当であり、日経平均は高すぎることを示しています。

今は円相場の日経平均に対する影響力は小さくなっていますが、日経平均は円レートに比べて「極端」に高いことは確かです。

以上のとおり、今日のところのピークらしさは5.5ポイントで、売りがやや有利。明日9日順位相関が1ポイントを加えると、2/3くらいの確率で売りが有利かと思います。


(2014.6.24) TOPIX 1268P(+1)  日経平均 15376円(+6) 20.1億株 (1兆8650億円)

米国は材料なく、小動き。 NYダウは16937ドル(-9)、ナスダックは4368P(+0)、10年国債の金利は2.630%(+0.019)。

日経平均は小安く寄り付いて-117円安まであったが、先高期待が大きく、すぐに押し目買いが入って、結局は+6円高で終わる。

先週の6月19日と20日には2.5兆円の売買代金となったので、順張り相場に発展する可能性がありましたが、昨日・今日は1.8兆円に戻りました。まだ順張り相場になったとは判断していません。

ここでいう順張り相場とは、押し目がない相場のことです。チャート上の現象でいうと、
  1. 9日あるいは25日順位相関が+80以上にへばりつく。
  2. 9日順位相関は-80まで下がることはない。
  3. 株価が9日線を3日間以上下回ることはない。
  4. 出来高は概ね20億株以上ができている。連続して5日間、20億株以下になることはない。
  5. 売買代金は概ね2兆円以上ができている。
といったところです。とにかく3日間下げれば上出来です。下げても3日目には上昇をするので、いわゆる押し目(順位相関が-80以下、25日線あるいは75日線までの調整)を待っていては買えない相場つきのことです。

投資において一番難しいことは、今は順張りをする相場なのか、逆張りをする相場なのかを、判断することです。順張り相場であるのに、押し目を待っていては買えません。逆に順張り相場なのに、株価が上昇すれば買うということを繰り返せば、ことごとくが高値つかみになります。

私は、逆張り相場が通常の「正」で、順張り相場は「異」であると思っていますが、常ならぬ「異」の順張り相場が現れるのは、予想外のことが起きたときです。 2012年11月からのアベノミクスは、日銀に圧力をかけ、日銀の金融政策を大転換させました。ここから買いの順張り相場が始まりました。反対に2008年のリーマンショックでは、米国はリーマンを切り捨てるという荒治療をしたため、売りが売りを呼ぶという売りの順張り相場になりました。

で、今回の上昇相場ですが、要するにGPIFが株を買うだろう。その規模は3〜5兆円だろうというもので、まあ小さな期待によるものでしかありません。株価は誰かが買えば上がるに決まっています。問題はどれほど買うのか、いつまで買うのかです。

2013年は外国人が15兆円ほど買い越して 2012年年末の10395円から2013年年末には16291円まで日経平均は上昇しました。15兆円の外国人の買いが約6000円ほど日経平均を上昇させました。1兆円の買い越しは400円ほど日経平均を上昇させました。すると、今年中にGPIFが3兆円を買い越した場合、日経平均は1200円ほど上昇してもよいことになりますが、上昇の基準点は5月28日の初めて200日線を上回った14670円の日でしょう。ここから今日の15376円まで、すでに700円の上昇をしています。あと 500円の上昇が残っているだけです。

《デンドラ24》の上値メドは15857円ですが、今日の日経平均15376円に、残っている500円を加えると15876円になります。だいたいこの辺りを、今回の上昇する日経平均の上限としてよいのではないかと思っています。GPIFが買ったくらいでは日経平均がびっくりするほど上昇するとは思いません。


(2014.6.25) TOPIX 1260P(-7)  日経平均 15266円(-109) 18.1億株 (1兆6325億円)

シリア空軍がイラク西部空爆したことから米国株は下落する。 NYダウは16818ドル(-119)、ナスダックは4350P(-18)、10年国債の金利は2.583%(-0.047)。

ナスダックは上ヒゲの長い陰線となりました。小波動のピークらしさは、@新高値の、A陰線(しかも上ヒゲ)、B9日順位相関が+80以上(昨日)、C25日順位相関が+80以上 の4ポイントです。ピークの可能性は5分5分。

明日も順下がりの陰線で、9日線を割り込むようであれば、5ポイントになって、4月15日のボトム3946Pから49日間上昇してきたこの小波動は一応終了し、調整に入ることになる確率が高くなります。

このHPでは毎日ナスダックと日経平均のグラフを対比しています。いつも思うことですが、日経平均とナスダックの動きはほとんど同じです。

図の右側の日経平均は(a→b)と(c→d)の上昇をしていますが、これは日本独自の材料によるものではありません。左側のナスダックも同じように(a→b)と(c→d)の上昇をしています。

日経平均の(c→d)への上昇ではGPIFによる株式買いが囃されて、ナスダックよりも上昇は急になりましたが、ナスダックが下落しているときに日経平均だけが上昇したわけではありません。

日経平均が上昇するには、ナスダック(米国株)が上昇していなければならないのです。そういうことから、毎日の記事はナスダックについてまず考え、ついで日経平均がどうなるか、どうなっているのかを書いています。

ここへきてナスダックが小波動のピークを出すことになれば、日経平均はやはりこれに連動して下がることになります。


■■ お知らせ ■■
  1. 10回連載してきた「統計」と「検証」の使い方で設定した条件表No.176とNo.177をアップしたので、ダウンロードしてください。

  2. 連載した記事は、 株式講座No.18  「統計」と「検証」を繰り返せば成績がよい条件表ができる にまとめたので、折があれば通読してください。最後の【10】章に、条件表No.176とNo.177 のダウンロードのしかたを説明しています。


(2014.6.26) TOPIX 1263P(+2)  日経平均 15308円(+41) 19.8億株 (1兆7340億円)

米国1-3月期のGDP確定値は-2.9%と予想の-1.8%を下回る。結構なマイナスの数字ですが、市場は大寒波によるものだとして、弱い材料とは受け止めず。

NYダウは16867ドル(+49)、ナスダックは4379P(+29)と上昇しかし10年国債の金利は2.566%(-0.017)と下げる。

米国は株高でありながら債券高となりました。どうも株式市場と債券市場では、経済の見通しの判断基準が違っているようです。

株式市場はリスクをある程度受容する市場であるので、イラク情勢をやや軽視して、米国の経済(今後のGDPの伸びや雇用の回復)を重視しています。

一方債券市場にとっては、0.1%の金利の変化はきわめて大きい。だいたいが臆病に保守的な資金を運用するので、リスクに対しては敏感です。この金利高はイラクのリスクを織り込んだものでしょう。

イラク情勢あるいはウクライナ情勢がどうなるのかはわかりませんが、さほど警戒していない株式市場は、事態の進行によっては大きく下げる可能性があります。

日経平均は、米国株高によって高く寄り付いたものの、やや円高となって動くに動けず。今日の値幅は70円に満たなかった。完全に膠着状態です。

日経平均のグラフは形の上では、何も悪いところはありません。@株価は4本の平均線(9日・25日・75日・200日)の上位にあります。そしてその位置関係は、9日→25日→200日→75日の順になって、概ね「順張り相場」に近づいているのですが、75日線が200日線の上位になることはしばらくは難しい。

出来高や売買代金も増えず、順張り相場になったとはいえない。判断をしがたい相場つきです。 一度200日線か75日線まで株価が下落してくれれば、わかりやすくなりますが、GPIF買いによる先高期待が大きいので、なかなかそこまでは下落しません。日経平均を動かすのは海外要因だと思います。


(2014.6.27) TOPIX 1253P(-10)  日経平均 15095円(-213) 25.1億株 (2兆 985億円)

米国は寄り付き直後、金融株を中心にして大きく下げたが戻す。 NYダウは16846ドル(-21)、ナスダックは4379P(-0)。10年国債の利回りは2.534%(-0.032)と下げる。

日経平均は、6月24日にピークらしさのポイントは6.5になり、売りが有利になっていましたが、GPIFの買いの期待があってなかなか下げませんでした。

しかし今日は、@米国株安、A米国の債券高から円高へ、B週末の手仕舞い、C騰落レシオによる過熱感、とマイナス材料があったところへ、D短期筋の先物売り、がでて最近には珍しい大きな下げになりました。

日経平均は9日線を割り込んだもののザラバ安値は25日線で止まっています。大方は25日線はよい押し目であるとして、買ったようです。今日の出来高が25.1億株、売買代金が2.0兆円というのがそれを表しています。

この上昇相場で最も長い陽線は6月19日のもの(実体幅は約180円)です。この日の大幅上昇は公的資金の買い期待によるもので、出来高は27.7億株、売買代金は2.4兆円です。さらに翌日20日には、29.5億株、2.6兆円近くができました。

その6月19日の安値を今日下回ったということは、19日と20日に勢い込んで買った向きは総じて損勘定になったということです。それでも来週もGPIF買いを期待するのか、あるいは買いは間違いだったとして売り払うのか。来週を見ないとわかりませんが、明日日経平均のザラバ高値が15253円以下なら、日経平均は小波動のピーク(15347円)を表示します。


条件表No.1「日経平均用(2012)」は逆張りの売買マークを出します。逆張りであるので小波動のピークで売りマークが出て、ボトムで買いマークが出るのが理想ですが、そうなることは半分くらいです。

売買マークが出た日または翌日にピークあるいはボトムにならなかった売買マークは(a)(d)の2つです。(b)(c)(e)はピークまたはボトムになっています。

明日は(f)もピークになるだろうから、だいたい売買マークの2/3はピーク・ボトムを捕らえています。

はずれている(a)と(b)は、買いマークですが、どちらも陰線のときにマークを出しています。陰線であるということはまだ「下げ渋った」という兆候はないということです。

(c)の買いマークは陽線の日に出ているので、下げ止まった可能性が高くなります。同じく(e)(f)では陰線の日に売りマークが出ているので、上げ止まりである可能性が高くなります。

(b)の翌日、ボトムとなった日も買いマークが出ていますが、この日は陰線ではあるけれど下ヒゲが非常に長い「タクリ足」です。下げ渋りの足です。

下げ止まり(陽線)・下げ渋り(タクリ足)の日に買いマークがついたときはボトムになる可能性が高く、上げげ止まり(陰線)・上げ渋り(トウバ足)の日に売りマークがついたときはピークになる可能性が高いと思われます。

もっともその「検証」はしていないので、いつか統計をとってみたいと思いますが、だいたいはそううことでしょう。(f)の売りマークは、なお持続するだろうと思っています(少なくとも15000円は下回る)。


(2014.6.30) TOPIX 1262P(+2)  日経平均 15162円(+67) 21.0億株 (1兆8212億円)

米国は小幅高。 NYダウは16851ドル(+5)、ナスダックは4397P(+18)。10年国債の利回りは2.540%(+0.006)。

日経平均は、昨日の下落を見て押し目買いが入り、また月末のドレッシングによる買いがあったようですが、その割には反発力が乏しかった。

「主な株価」は小波動のピーク15442円を表示しました。 昨日・今日と株価の安値は25日線で止まっていますが、だから下値が堅いとはまだいえません。

グラフからいえば、9日順位相関が-80以下まで下げて下ヒゲをだす。あるいは株価が9日線を上抜くまでは、小波動は下降局面にあると判断するのがよいのではないか。


条件表No.28「HP 外国証券オーダー」は、外国証券の寄り前の、成り行き買い注文(株数)と売り注文の倍率を計算しています。

具体的には、買い注文(株数)の9日間合計÷売り注文(株数)の9日間合計を計算し、これを100倍しています。

そのグラフは右図のようになります。だいたい140(買いが売りの1.4倍)になったときは、外国証券の買いが盛り上がっており、それから3〜5日後に日経平均はピークをつけることが往々にしてあります。 図の(a,b,c)はその例です。

もうひとつ判断基準にしていたのは、買い注文の株数です。買い注文が2000万株を超えたなら、外国証券(おおかたは外国人の買い)が本格的に買い始めたと判断してきました。

ところが今回のピーク(x)では、オーダー倍率が140になることもなかったし、買い注文は2000万株どころか1000万株を超えることがありませんでした。

もとより外国証券の注文状況の集計は、@寄り付きの成り行き注文だけで、日中の売買は含まれていないこと、A株数の集計であって、売買代金の集計ではないこと、B外国証券の注文だからといって外国人の注文であるとは限らないこと、の欠点がありましたが、おおよその動向(外国人買っているのか・売っているのか)はつかめました。


うかつなことに、今日初めて気づいたのですが、これまでは外国証券11社ないし12社の集計をしたものでしたが、現在は5社の集計になっています。

外国証券の注文は、右図のように、1001「日経平均」の信用売り残と買い残の欄に、私が毎日手入力をし、これをHPからダウンロードできるようにしていますが、ご覧のように6月9日以降は注文が1000万株を超えることが稀になっています。

集計する証券会社が半分以下になったのだから、買い注文数・売り注文数は半減するのが道理です。「買い注文が2000万株を超えたら・・・」という判断基準は無きがごとくになっていました。

いつごろから11社から5社へ減ったのか、注意していなかったのはうかつでした。6月に入った当初はまだ6社あったようですが、6月9日以来は5社になっています。これでは外国証券の一部の動向しか把握できません。

5社だけの集計で市場の判断の役に立つのかどうか、しばらくは様子を見てみたいと思います。


目次へ. 過去の判断.. 前月分へ.. 次月分へ..

株式会社 東研ソフト