日経平均をどう見たか・判断したか (2013年 2月)

目次へ.. 過去の判断.. 前月分へ.. 次月分へ..



(13. 2. 1) TOPIX 942P(+2)  日経平均 11191円(+52) 36.9億株 (2兆3224億円)

米国は新規失業保険申請数が36.8万人と予想の35.0万人を上回ったことや、雇用統計の発表前にポジション調整をしたとかで小安い。 NYダウは13860ドル(-49)、ナスダックは3142P(-0)。

円レートはついに92円に乗せました。今日の日中の終値は92.16円(前日比+1.31円)、高値は82.25円。1円の円安は240円の日経平均高をもたらすという関係式からは、今日は314円高となってもおかしくはなかたが、わずか+52円高で終わりました。

まあ今夜の雇用統計の数字がどうなるのかわからないので、積極的に買い上がることを慎んだという格好です。

最近の7日間の株価の前日比を見ると、6日上昇し、1日だけ下落しています。図の(d→e)の日経平均は705円上昇しましたが、円レートは3.97円下落しています。この7日間は1円の円安は177円の株価上昇をもたらせたわけです(705÷3.97=177)。

1円の円安で177円の株価上昇というのは小さすぎます。例えば2012年2月〜3月の上昇のときは、6.99円の円安が1745円の株高をもたらせました。1円の円安で株価を249円上昇させたわけです。

図の(a→b)は8.48円の円安で2027円の株高(1円の円安が株価を239円上昇させた)です。逆に(c→d)の株価下落を見ると、1.87円の円高が-427円の株価下落を引き起こしています(1円の円高が株価を228円下落させた)。大雑把にいえば、最近は1円の為替変動は日経平均を230円くらい動かしているのですが、この7日間は177円しか動かせていません。次第に円安の株価に対する影響力が落ちてきた感じです。この分では、今後は1円の円安は株価を180円上昇させるとしたほうがよいのかも知れません。

もし円レートが95円まで下落するなら、今日の日中の終値(92.16円)から2.84円の円安になるので、株価は511円(2.84×180=511)ほど上昇して、11700円くらいになることになります。この水準が株価上昇波動の1段目のピークとなるのではなかろうか。残りはあと500円ほど。


(13. 2. 4) TOPIX 955P(+13)  日経平均 11260円(+69) 44.5億株 (2兆3399億円)


先週末発表の米国の1月雇用統計は、+15.7万人増。予想の16.5万人よりも悪かったが、12月の数字が19.6万人へ、11月が24.7万人へと大きく上方修正される。

さらにISM製造業指数がひさしぶりに53.1%となり、米国景気は底堅く推移していることが判明。 NYダウは14009ドル(+149)、ナスダックは3179P(+36)と上昇。

米国経済に強気の見通しがでてくると、米国の長期金利が上昇します。先週末の10年物国債利回りは2.021%と2.00%を超えました。これによって日本金利が相対的に低くなるため円安が加速し、今日は92.90円まであって92.59円で日中取引は終わる。

日経平均はこの円安からはもう少し上昇してもよいとこでしたが、最近は円安による株価上昇はさほどハデではなくなってきて、企業の2013年3月期の決算がより重視されてきています。 そろそろ猫も杓子も上昇するという時期は終わり、業績の裏づけのある銘柄に物色対象が移りそうです。

2013年1月31日に、順張りの上昇相場のときは「株価(終値)が初めて9日線を上回ったら買い、初めて下回ったら利食い売りをする」ということについて述べました。これは予め20〜30銘柄を選んでおいて、条件表No.20のグラフを見て、株価が9日線を上まわったかどうかをチェックし、上回ったときに買う・下回ったときに手仕舞いするというやりかたです。このときには、多くの選ぶ銘柄を選んでおく必要はありません。例えば
  1. 円安メリットのある銘柄
  2. 業績が上方修正された銘柄
  3. 株高でメリットがでる銘柄
  4. 定点観測の9銘柄(鹿島・新日鉄・住友鉱・ソニー・トヨタ・三菱UFJ・野村・NTT・ソフトバンク)
  5. TOPIXコア30銘柄
などから銘柄を選別しておけばよいでしょう。ただもっと手を広げて「短期取引をしたい」というユーザーには、例えば東証1部から「検索」によって目先上昇しそうな銘柄をピックアップしたいという要望があるようです。その条件表は実に簡単に設定できます。ただし9日線という短期の平均線で買いだ・利食いだということを決めるのですから、「検索」をしたときに1日に50も100もの銘柄が検索されることもあるでしょう。そのときどういうやって買う銘柄を絞るのか?という問題が出てきます。(初めから20〜30銘柄に絞っているならば、検索しても30銘柄以上はピックアップしないので、銘柄を絞る問題はさほどありません。)

1月31日に述べたことを条件表に設定すると、次のようになります。


まずNo.4行〜No.7行で、9日線・25日線・75日線・200日線を計算しています。あとは、この4本の平均線の位置関係と、株価が9日線を上まわったか下回ったかの判断を設定するだけです。
  1. 行はNo.4線(9日線)がNo.5線(25日線)より上にあるときに買い。
  2. 行はNo.5線(25日線)がNo.7線(200日線)より上にあるときに買い。
  3. 行はNo.7線(200日線)がNo.6線(75日線)より上にあるときに買い。
  4. 行は株価(終値)がNo.4線(9日線)を上まわった日に買い。
  5. 行は、そのとき前日は4日以上続けて株価(終値)がNo.4線(9日線)を下回っていないなら買い。
「クロス日数」に使い方に馴れて下さい。このグループ(A)は、平均線が上から順に9日→25日→200日→75日となっているときの買いです。

No.14行〜No.18行のグループ(B)は、、平均線が上から順に9日→25日→75日→200日となっているときの買いです。つまり株価上昇が絶好調のときの買いです(逆にいえば、どこかでピークを打つことを覚悟しての買い場です)。

この条件表(標準3)No.65「HP 順張り上昇相場の買い」は、《カナル24》Ver.4の「アップデート」→「最新バージョンのダウンロード」→「条件表をダウンロード」によって、(サンプル0)または(標準3)の条件ファイルをダウンロードすることができます。(標準3)にユーザーが独自の条件表を設定しているときは(サンプル0)をダウンロードし、(サンプル0)のNo.65の条件表を、今使っている(標準3)の空きの条件表No.に「表複写」して下さい。(やりかたはダウンロードするHPで説明しています)

5401「新日鉄」は、1月24日に買い。このときは9日線→25日線→75日線→200日線の「絶好調」のときの買い(Bグループ)でした。

5713「住友鉱」は、12年10月18日、11月2日、11月7日に買い。このときは9日線→25日線→200日線→75日線の「これからよくなるか?」のときの買い(Aグループ)でした。

7203「トヨタ」は、12年12月6日に買い。このときは9日線→25日線→200日線→75日線の「これからよくなるか?」のときの買い(Aグループ)でした。

続いて、2013年1月17日、1月24日に買い。このときは9日線→25日線→75日線→200日線の「絶好調」のときの買い(Bグループ)でした。

8306「三菱UFJ」は、2013年1月18日、1月25日に買い。これは9日線→25日線→75日線→200日線の「絶好調」のときの買い(Bグループ)。

8604「野村」は、12年12月6日、12月12日に買い。このときは9日線→25日線→200日線→75日線の「これからよくなるか?」のときの買い(Aグループ)。

続いて、2013年1月18日、1月24日に買い。このときは9日線→25日線→75日線→200日線の「絶好調」のときの買い(Bグループ)。

9432「NTT」は、2012年10月16日に買いが出たが、すぐにピークとなった。

2013年1月30日の(b')は、初めて株価が9日線を上まわったが、それまでに6日連続して株価が9日線より下位にあったので、条件表のNo.18行の制約(株価が4日を超えて9日線の下位になかったこと)を満足していないので、買いマークは出ていません。


(13. 2. 5) TOPIX 939P(-16)  日経平均 11046円(-213) 48.0億株 (2兆5468億円)

欧米はスペイン・イタリアの政局不安から下げる。 NYダウは13880ドル(-129)、ナスダックは3131P(-47)。

ナスダックは雇用統計による上昇を1日で打ち消し、逆に9日線を割り込みました。NYダウも9日線を下回り、どうやらひと調整がある感じです。

調整入りするとなれば、まずは9日順位相関が-80以下になるまでは下がるだろうし、そのときはナスダックは25日線を下回り、NYダウは25日線で止まるかどうか、ということを考えておいたほうがよい。

南欧の政局不安がどれくらい拡大するのか、また単に利食い売りの材料とされたものなのかがよくわかりませんが、米国株が調整入りをするようであれば、日経平均も調整入りするだろうと思います。

図の左側は2012年2月〜3月にかけての順張りの上昇波動です。ここでは(a→b)で9日線を下回り、(c)まで上昇した後、9日線を下回り(d)まで下げ、そこから(e)へ上昇して、この上昇波動のピークとなりました。(f)で25日線を下回ったので、(e)がピークであったと確認できます。

右側は現在のグラフです。今は左側の(c)の位置にあると思われます。近々日経平均は9日線を割り込み(d)をつけるだろうと思っていますが、(d→e)の上昇があるのかないのか、あったときはどれくらいの上昇をするのかはわかりません。

左側のグラフと大きく異なるのは出来高の大きさです。今日は11月からの上昇開始から最大の48億株の出来高ができています。売り手に目をつければ、ピークが近いとして最大の利食い売りが出たことになるし、買い手に注目すれば、まだまだ株価は上昇するので絶好の押し目であると判断したのですが、はたしてどちらが正しかったのか? 

欧州問題が拡大するようであれば、これまでのような円安には進まないので売り手が正しかったことになります。逆に問題が拡大しなければ、ユーロ高・円安となって買い手が正しかったということになります。今夜の欧米市場によって、どちらが正しかったのかがおおよそわかります。

2013年1月15日にツールキットに「順張り」の条件表を追加し、ツールキット(2008)(2009)(2010)のユーザーで、これを備えておきたいという方に無料で配布をしました。約50人ほどの希望者がありました。

この「順張り」条件表は日頃は使いません。いつもは、自分が決めている「逆張り」の条件表を使いますが、2012年のツールキット(2008)(2009)のようにまったく当たらない時期がやってきたときに「順張り」条件表に切替えて下さい。

「まったく当たらない」の判断ですが、一応「4連敗したとき」と決めておきます。例えばツールキット(2008)のNo.8で4連敗をしたときは、@トレードを停止するか、A順張り条件表のNo.30「順(2010)利益最大」に切替えてトレードする、のどちらかを選択して下さい。

ツールキット(2008)は1998年〜2008年までの11年間のデータ、ツールキット(2009)は1998年〜2009年までまでの12年間のデータ、ツールキット(2010)は1998年〜2010年までの13年間のデータから最適な条件表を設定しています。ツールキットは(2008)→(2009)→(2010)の順に、過去のデータが増えているので、この順に賢くなっているのです。

例えば昨年2012年は、ツールキット(2008)(2009)のどの条件表もすべて損失になりましたが、(2010)は7本の条件表のうちの2本はプラスでした。5本のマイナスになった条件表もその損失額は軽微なものでした。(1998年〜2011年の14年間のデータから設定した次のツールキット(2011)の2012年の成績は、7本の条件表のうち6本がプラスで1本だけがわずかのマイナスになっています。データはあればあるほどよいのです。(ツールキット(2011)を発売するかどうかは迷っています)

さてツールキットのうちで(2010)が今のところ最もよい成績を出していますが、それでも7本の条件表のうち5本は小幅なマイナスになっています。ツールキット(2010)のユーザーは、7本の条件表のうちのどれか(例えばNo.29「(2010)M3 平均利益最大」を選び、トレードしたが4連敗となったときには、3つの手段があります。@トレードを停止する。A「順張り」条件表No.30「順(2010).利益最大」に切替えてトレードする。Bツールキット(2010)の7本の条件表のどれかが、同じ日に3個以上の売買マークを出したときだけトレードする。です。

同じ日に3個以上の売買マークがでたのは、右図の左側のNo.26「リスク最小」では24回(青色●の日)あり、その内訳は16勝8敗、利益は+1130円(手数料は考慮せず)です。右側のNo.29「平均利益」のトレードは9回あり、その内訳は5勝4敗・+340円の利益です。7本の条件表のうちどれかが3個以上の売買マークを出していたときにトレードすると、次のように2011年(大震災の年)は+523円(手数料は考慮せず)、2012年(順張り相場の年)は+600円、2013年の1月〜2月4日までは+790円、の利益が出ています。

今後ツールキット(2010)の(ユーザーが選択している)条件表がが4連敗をしたときは、「ツールキット(2010)の7本の条件表のうち、同じ日に3個以上の売買マークを出しているときだけトレードする」という方針に切り替えることができるわけです。そしてそれが最もよい方法だと思っています。



(13. 2. 6) TOPIX 968P(+29)  日経平均 11463円(+416) 46.1億株 (2兆8191億円)

欧州の政局不安による株価下落は拡大せず。南欧の国債利回りは低下したとかで、欧州は反発する。

米国は1月のISM非製造業指数が55.2%(予想は55.0%)とよかったので、米国も反発する。 NYダウは13979ドル(+99)、ナスダックは3171P(+40)。

ナスダックは、昨日9日線を下回ったものの、翌日には再び9日線を上抜いたので、当面の調整入りは先に延びました。

ただ昨日のような欧州の政局不安といった、さして大きな問題ではない材料で株価が下に振れたことは、上昇力に陰りがでてきているのではなかろうか。

米国株が続落するようなら、日経平均も調整入りする可能性が高いと思っていましたが、@欧米株は反発したのでこの懸念は無くなりました。

今日の大幅株価上昇をもたらせたのは、A昨夕、白川日銀総裁が4月8日の任期をまたずして、3月19日に辞任すると発表したからです。

これによって3月に総裁・副総裁2人が入れ替わることになりました。次の総裁・副総裁は、これまで長く(15年間)日銀と対峙してきたリフレ派の人物がなるに違いなく、一層の金融緩和(現在の日銀は2013年の追加緩和は何も決めていない)になるだろうと市場は先読みして、海外で円レートは93円台に乗せました。

円相場は、今日93.61円で始まり、一時は94.06円まであって93.88円で終わりました。前日比+1.61円の円安です。対ユーロも127.2円と+3.11円の円安。日経平均は+189円高で始まり、ザラバ高値は11498円まであって、11463円(+416円)で引けました。なんと400円高です。

日銀は昨年2012年中に14回の政策決定会合を開きましたが、日銀は株式市場を安堵させ、喜ばせる金融政策を取ってこなかった。ために図の(a)(b)(c)のように、会合が終わったとたんに株価が安くなるということが続きました。

唯一の例外は2012年2月14日に、インフレ率+1%をメドにすると決定した翌日から株価が急上昇したことです。いよいよ日銀はインフレ目標を設定したのかという期待がありました。しかしその後の3月13日、4月10日の会合で追加金融緩和策をなにも決めず、株式市場を失望させることになりました。

以来会合があるたびに株価は下落するということを繰り返してきましたが、(d)からは違ってきました。11月16日に衆議院の解散が決まり、当時の安部自民党総裁は日銀法の改正を考えていると、日銀に強烈な圧力をかけたからです。

(e)は衆院選で自民党が圧勝し、(f)ではインフレ率+2%を掲げざるを得なくなりました。日銀執行部の完敗です。そして(g)で日銀総裁の任期前に辞任するということとなって、今日の400円高となりました。(d)以来の株価上昇を見れば、いかに日銀が株式市場と対話してこなかったのかが明らかです。総裁が前倒しで辞任するといったら、日経平均が+400円上昇したというのは、日銀にとっては名誉なことではありません。

今日の株価上昇によって、リーマンショック後の高値11408円(2010年4月5日)を上回ったので、次の目標はリーマン前の高値14601円(2008年6月6日)です。昨年11月13日をボトムとする上昇波動は、すでに54日目となっているので、どこかで25日線を割り込む調整が入って上昇第一段が終ります。その後に第2段の上昇があり、25日線あるいは75日線を下回るような調整を経て、第3段・第4段の上昇があるだろうと思っています(2005年の上昇相場を手本としている)。その第3段または第4段目の上昇相場のときに14601円の目標に届くのかと思います。


(13. 2. 7) TOPIX 969P(+0)  日経平均 11357円(-106) 51.4億株 (2兆7716億円)

米国は別段の材料がなくマチマチの動き。 NYダウは13986ドル(+7)、ナスダックは3168P(-3)。

日経平均は昨日の驚異的な上昇の翌日でもあるし、やや円高に振れたことから小反落するも、TOPIXは前日比プラスで終わる。

驚いたのが東証1部の出来高です。なんと51.4億株。これは大震災の直後の2011年3月15日の57.7億株に続く史上第2位のも出来高です。

大震災のときは、福島原発事故があって、持ち株のある者はブン投げ、株を保有してない者がこれを買う(特に外国人投資家が買った)ことで、セリング・クライマックスとなって、株価は当面の安値をつけたのでした。

基本的に株価が下落しているときに出来高が増えることはそうありません。特に株価が上昇波動にあるときに、出来高を伴って株価が下落するときは、下げの始まりであることが多いのです。私は今日の出来高を伴っての下落が下げの始まりであるとは思っていませんが、@米国株が調整入りしたり、A円安がストップしたり、Bユーロ安になるなどのことがあれば、日経平均も幾分かの調整をしてもおかしくありません。

株価の上昇・下落と出来高を組み込んだチャートに「OBV線」があります。グランビルが30年か40年前に作ったチャート(オン・バランスオブ・ボリューム)です。このOBV線は、
  1. 株価(終値)が前日より上昇した日の出来高を加算する。
  2. 株価(終値)が前日より下落した日の出来高を減算する。
という単純なものです。

図は日経平均の陰陽足と下部に青色線でOBVを描いています。

株価が上昇した日はその日の出来高がプラスされ、下落した日はその日の出来高がマイナスされるので、ほぼ日経平均と同じ動きをします。すなわち株価が上昇した日はOBVも上昇し、株価が下落した日はOBVも下落します。

これまで、OBVの見方・使い方は漠然としていて、そう切れ味のよいチャートではないという印象を持っていましたが、今日ふと思いついたことがあったので、次のような条件表No.66「HP OBV波動 BS」を設定しました。

次のように条件表を設定すれば、OBVによるトレンドの判定ができるのではないかと思いついたのです。
  1. OBV線はギザギザの形態をとる。そこで、
  2. 「∩」の部分をOBVのピークとし、
  3. 「∪」の部分をOBVのボトムとする。
  4. OBVが直前のピークを上回ったときに「買い」とする。
  5. OBVが直前のボトムを下回ったときに「売り」とする
例えば(A)で売りマークが出ています。これは(A)の日の少し前の(a)の日にOBVのボトムがあって、(A)の日のOBVのボトムを下回った(つまりはOBVが切り下がった)ので、売りマークが出ているのです。(B)(C)で売りマークが出ているのは、いずれも直前のOBVのボトム(b)(c)を下回ったためです。

逆に(D)で買いマークがでていますが、(D)の少し前の(d)の日にOBVのピークがあり、(D)の日のOBVが(d)を上まわった(つまりはOBVが切り上がった)ので、買いマークが出ているのです。緑色の買いマークはOBVの切り上がりの日を表わしています。

今日(C)は過去2番目の多い出来高ができて、株価が下落したので、(c)のOBVのボトムを下回りました。一応は警戒すべきですが、これは出来高面から見た判断の一つです。株価からの判断は、@足型、A9日線を割り込む、などの判断基準があるので、単にOBV(出来高)からだけで、売りであると判断することはできません。



上の条件表の設定はチョット難しい。多くの方はこのような条件表を設定するには難儀されるでしょう。条件表の設定について意欲あるユーザーのために、一応条件表の解説をしておきます。
  1. No.3行〜No.7行がOBVを計算するための設定です。
  2. No.8行ではOBVが上向きになってからの日数・下向きになってからの日数を計算します。
  3. No.9行はOBVが初めて上向きになった日(向き日数が+1)の日付を取り出しています。
  4. OBVのボトムは、No.9線の日(初めて上向きになった日)の前日にあるので、No.10行で+1を加えて、OBVのボトムの日を決めています。
  5. No.10行の日(OBVがボトムの日)のOBVを数値を取り出し、
  6. No.12行は、当日のOBVが下向きになっている日に「売り」
  7. No.13行は、当日のOBVがNo.11行(直前のOBVのボトムの数字)よりも下回った日に「売り」
この条件表(標準3)No.66「HP OBV波動」は、《カナル24》Ver.4の「アップデート」→「最新バージョンのダウンロード」→「条件表をダウンロード」によって、(サンプル0)または(標準3)の条件ファイルをダウンロードすることができます。(標準3)にユーザーが独自の条件表を設定しているときは(サンプル0)をダウンロードし、(サンプル0)のNo.66の条件表を、今使っている(標準3)の空きの条件表No.に「表複写」して下さい。(やりかたはダウンロードするHPで説明しています)

一般銘柄においても「OBV波動」はそこそこの役割を果たします。

左側の1812「鹿島」は(P)の日に売りマーク(今は新規売りではなく、手仕舞い売りと解すべき)がでています。

(Q)の日に買いマークが出ています。OBVの直前のピークの(q)を上まわったからです。

5401「新日鉄」は(P)で売りマークが出ています。直前のOBVのボトム(p)を下回ったためです。

(Q)の買いマークは直前のOBVのピーク(q)を上まわったからです。

ただし、現在のOBVを見ると、直前のボトムを下回ろうかという位置にあるので、買いは控えたい。


(13. 2. 8) TOPIX 957P(-11)  日経平均 11153円(-203) 42.3億株 (2兆7027億円)

ドラギECB総裁がユーロ高はユーロ圏の景気回復を妨げていると発言したことから、ECBは利下げをする→ユーロ安となるの連想が働いて、米国株は小安い。 NYダウは13944ドル(-42)、ナスダックは3165P(-3)。

ナスダックはこの8日間は9日線をザラバ安値で下回ったり、ザラバ高値で上回ったりの、9日線を中心にした動きです。4本の平均線は上から順に、@9日線、A25日線、B75日線、C200日線と、完全に「順」な位置関係にあるので、順張りの上昇相場です。

こういうときは、9日線を基準にして、株価が9日線を上回れば買い、9日線を下回れば保有株を売却する(カラ売りはしない)というのが原則です。

日経平均は今日(b)で、9日線を下回りました。日経先物も9日線を下回ったので、ここでは日経先物の買いは決済すべきところです。この後、日経平均が続落するのか、あるいはナスダックの(a)のように翌日すぐに9日線を上回るのかはわかりません。 明日のことはわからないのだから、下手な予想はせずに、決めたとおりのこと(9日線を上抜いたら買い、9日を下回ったら手仕舞い)をすればよいだけです。

「逆張り」は常識的・経験的・統計的に、こういうときは買い場である、こうなれば売り場であるということを知っているからできる投資方針です。例えば9日順位相関が+80以上になったときに売るのは80%正しいし、-80以下になったときに買うのは80%正しいでしょう。だが残り20%では、常識的・経験的・統計的な判断は過ちを犯します。

図の(A)以降は、「逆張り」の基準で相場を判断してはいけません。「順張り」の判断に従うべきです。

では「順張り」の判断とは何か? 「逆張り」とは違って過去のデータを無視することです。過去の統計による確率は脇において、相場についていくことです。

相場についていくときの基準は何でもよいのですが、例えば@9日線を利用することをすでに述べました。要するに短期のトレンドを表明しているチャートに従うことです。

9日線を基準にするならば、株価が9日線を上回ったら買う。下回ったら売って決済する(カラ売りはしない)。株価は9日線より上にあるか下にあるかのどちらかですから、必ず反対売買ができます。

右図の左側は昨日述べた「OBV波動」です。このグラフも買いの後には必ず売りを表示します。図の(a)で買い玉を決済し、(A)で新規に買い、(b)で買い玉を決済すればよいのです。

右側は一目均衡表のグラフですが、転換線(9日仲値線)を下回った(a)で手仕舞い、上回った(A)で新規に買い、下回った(b)で手仕舞い、上回った(B)で新規に買う。 現在は株価(11153円)は転換線(11125円)の上位にありますが、明日11125円を下回ったら手仕舞いするだけのことです。

以上3つの順張りの手法を見てきましたが、どれが一番よいのかはわかりません。一言で「順張り上昇相場」といっても、どれほどのスケールの大きさ(つまり@どれほど上昇するのか、A何日くらい上昇するのか、B押し目はどの程度になるのか)は予測不可能であるからです。「順張り」の相場は、自分を殺して相場に追随するしかありません。

「順張り」の相場では、投資経験の長い人ほど利益が出ません。「逆張り」の考え方や経験が身に染み付いていて、もう充分の上昇したから売る。あるいはもっと下落しない限り買わないといった、過去の経験を持ち出すからです。過去10年間のうち8年間は正しかったことが、この2年間では大間違いとなる危険性があります。

私が思うに、少なくとも2013年は「順張り」の相場であろうと思っています。それは、@どうも日本の景気は2012年12月でボトムを出したようだ、A安倍政権が極めて強力な経済成長の意欲を見せている、B世界の経済は好転していること、が背景にあります。今日の日経平均は11153円ですが、年末には13000円となっている可能性が高い。


(13. 2.12) TOPIX 968P(+11)  日経平均 11369円(+215) 41.1億株 (2兆4234億円)

東京市場が休場中の間のNYダウは、13992ドル(+48)→13971ドル(-21)、ナスダックは3193P(+28)→6192P(-1)と小幅高。

この間に海外で、円が94.20円/ドルまで下落しました。今日の為替は94.30円から始まり、高値94.38円をつけ、93.93円で日中の取引が終わる。

これは米国財務次官が、安倍政権のデフレ脱却に 向けての金融・経済政策を支持するとコメントしたためのようです。日本の円安が米国に容認されたものとして、一気に円安に触れました。

日経平均は先週末より193円高く始まり、一時は307円高までありましたが、その後はジリジリと値を下げ、+215円高で終わりました。

安倍政権のデフレ脱却へ向けての政策は世界中が注目しています。本当ににデフレから抜け出せるのか? 物価を+2%上昇させるにはどれほどの金融緩和や財政出動が必要なのか? 

すでに日本は世界で初めてゼロ金利にし(1999年)、量的緩和に踏み切り(2001年)ましたが、デフレから抜け出すことはできませんでした。その原因は日銀の態度がふにゃふにゃで、市場にインフレ期待を醸しだすことができなかったからですが、今度の安倍政権は違います。リフレ派の強力なブレーンがいます。このブレーンがどのようなデフレ脱却の政策(金融政策と財政政策)を打ち出すのかを世界が注目しています。米国やユーロ圏の先進国においては、日本経済の停滞はよそ事ではないからです。明日はわが身です。

デフレ脱却の第一歩として、安倍政権は日銀にマネーの供給を要求しました。その結果79円だった円レートは94円台に下落しました。

ただここへきて日経平均は、次第に円安を要因とする株価上昇力を失いつつあります。

図は条件表No.41「HP 円レートから日経予想」のグラフです。最近25日間の円相場から妥当な日経平均を計算しています。

現在は円レートの変動がほど90%分日経平均に影響を与えています。図の@は当日の日経平均(11369円)、Aは当日の円レート(93.96円)、Bは円レート0.01円あたりの日経平均への影響力(1.308)です。 今日のところ、円レートが0.01円下落したら、日経平均は1.308円上昇します。100倍すると、円レートが1円下落すると、日経平均は130.8円上昇します。

この上昇相場で、ところどころの円と日経平均の関係を見ると、
  1. は1円の円安→日経平均を180円上昇させる
  2. は1円の円安→日経平均を260円上昇させる
  3. は1円の円安→日経平均を299円上昇させる
  4. は1円の円安→日経平均を237円上昇させる
  5. は1円の円安→日経平均を186円上昇させる
  6. は1円の円安→日経平均を160円上昇させる
  7. は1円の円安→日経平均を132円上昇させる
となっています。明らかに円安が日経平均を上昇させる力は減退しています。もし円レートが95円になったとしても、今日の93.96円から1.04円の円安になるだけなので、日経平均は1.04×130.8円=136円しか上昇しません。今日の終値11369円+136円=11505円です。今日円レートが94.38円となったのに、日経平均が3日前の11498円を上回れなかったのは、円相場の日経平均に対する影響力が低下しているためです。

円安による日経平均の上昇はだいたい限界にきていると思われます。まだ明らかになっていない、安倍政権がいう3本の矢の、@金融政策、A財政政策、B成長戦略、の3番目がどのようになるのかが、今後の日経平均を行く末を決定します。(円安誘導だけでは、当面の日経平均はいっぱいいっぱいになっていると思っています)


(13. 2.13) TOPIX 957P(-11)  日経平均 11251円(-117) 38.1億株 (2兆1522億円)

米国はまちまち。金融株が上昇したため、NYダウは14018ドル(+47)と上昇したが、アップルが下落したナスダックは3186P(-5)と小安い。

昨日は7の共同声明や米国高官の日本の経済金融政策を支持するの発言で、94.38円への円安となり、日経平均は反発しました。

今日は「市場はG7の共同を誤って解釈している」とのG7側からの発言があって、昨日より約1円ほど円高に振れ、したがって日経平均は下落する。

4日前に始めて94円台に入った2月6日の日経平均は11498円のザラバ高値をつけましたが、昨日はさらなる円安に進んだにもかかわらず、日経平均は新高値を更新できず、11460円止まりでした。円安による株価上昇の限界効用はしだいに小さくなっています。

株価の上昇力に陰りが見えてくると、一斉に利食い売りが始まる可能性が高まります。なにしろこの数年間は、株式を持てば持つほど損失が出たという経験が身にしみついています。滅多になかった株価の急上昇です。ここで過去の売買損を取り返したい。せめてトントンにしたい。多くの個人投資家はそう思っています。 そこで何かが起きるたびに利食いの売りが増加します。その先駆けは一昨日2月8日の下落です。ここで日経平均は9日線を割り込みましたが、翌日は94.38円の円安になったことから9日線を抜き返しました。だが新高値はとれなかった。

今日は下落したものの、まだ9日線を割り込んでいませんが、どうも少なくとも1週間程度の調整があるような感じです。個別の銘柄においては、9日線を割り込んだ銘柄は手仕舞いをしておくのがよいのではないか。


市場全般の指標に目を転じると、

@25日騰落レシオは、昨年12月13日〜13年2月8日まで、36日間連続して売りマークを出していましたが、この2日間は売りマークは出ていません。値上りする銘柄が減り、値下りする銘柄が増えたためです。

A投資マインド指数は、2月5日から連続6日間、売りマークを出していません。株価が25日線を下回る銘柄が増えたためです。

円レートがどうなるのかは不明ながら、ここまで利益を得ている投資家は、利食いをするかどうかを迷う局面に入っています。円相場が92円とかの水準へ落ちれば、日経平均は25日線(10922円)の水準まで下落してもおかしくはありません。


(13. 2.14) TOPIX 954P(-2)  日経平均 11307円(+55) 36.6億株 (2兆1344億円)

米国はまちまち。銀行株が下落したため、NYダウは13982ドル(-35)の小幅安。ナスダックは3196P(+10)と小高い。

日銀の決定会合は現状維持を決め、10-12月GDPは-0.1%減と3四半期連続でマイナスになったものの、相場にはまったく響かず。

今日は0.58円ほど円安になったので、日経平均は+55円高と 小反発する。ただ出来高・売買代金ともに少しずつ減ってきており、今週一杯は大きく動かない感じです。

日経平均は9日線より40円ほど高い位置にありますが、ワンチャンス(1日)で簡単に9日線を割り込みます。9日線を下回ったからといって、大きな下げがあるとも思われませんが、25日線(今日は10954円)までの下落はありえます。

定点観測9銘柄のうちの4銘柄が9日線を割り込んできました。

1812「鹿島」は(a)で陰線の重要ポイントを出して9日線を下回りましたが、(b)で陽線の重要ポイントを出しました。先のピーク299円を上回って新たな上昇をするのかと思わせましたが、その後はヘタる。

9日線どころか25日線も下回り、陽線の重要ポイントを下回ってきたのは、上昇力が無くなったと判断せねばなりません。

5401「新日鉄」は(a)で陽線の重要ポイントを出したものの、その後の株価は上昇せず。高値圏で5日間陰線を出して、昨日は9日線を下回りました。そして今日は陰線の重要ポイントを出して続落。

25日線で止まるのかどうかが注目点。

6758「ソニー」は200日線を上回るやいなや急上昇をし、陽線の重要ポイントを7度出しました。6度目の(a)の重要ポイントが新高値をとっているので、この日の安値1421円または前日の高値1383円が、手仕舞いするときの基準になります。

それはすぐにやってきました。(b)の日には、@(a)の重要ポイントを下回り、A同時に9日線を下回り、B陰線の重要ポイントを出しました。これで小波動のピークを打ったことがわかります。

8306「三菱UFJ」は、陽線の重要ポイントは出ていません。金融株の筆頭であればこそ、そう株価が飛んだり跳ねたりはしません。トヨタとともに日経平均がどうなるのかを判断する際に重要な手がかりを与えてくれる銘柄です。

その銘柄が、今日9日線を下回りました。明日以降9日線を上回る可能性は十分にありますが、今日のところは9日線水準で押し目買いをする勢力よりも、9日線を割り込んだから利食いしておくという勢力のほうが強かったわけです。よって現時点では、日経平均は調整入りする可能性が高い、と思います。


(13. 2.15) TOPIX 942P(-12)  日経平均 11173円(-133) 45.1億株 (2兆3156億円)

米国は小幅な動き。NYダウは13973ドル(-9)の小幅安。ナスダックは3198P(+1)。

G20では円安誘導が問題になるのではないかの思惑から、海外では円高に振れ、今日は92.84円から始まる。

これに連動して日経平均は-68円安の11239円で寄りつく。その後円レートが92.22円まで上昇したことから、先物に売りが出て、ザラバ安値11065円(-242円安)へ下落するも、押し目買いが入り、-133円安の11173円で終わる。

出来高は45.1億株と前日より9億株増えました。株価下落による見切り売りが多かったと見るのか、絶好の押し目買いであるとする買いが多かったと見るのか、によって受け取る意味合いが異なります。

無難(あいまい)に言えば、一方で手仕舞いの売りが大量に発生し、一方でこれに買い向かうという2つの勢力があったことは確かです。だがこれでは評論家のいう言です。投資家にとっては、今日の株価の動きは明日にどのような影響をもたらせるのかが、最大の関心事です。

基本的には、昨日いったように、これまで力強く上昇してきた株価は、@円安にあまり反応を示さなくなった、A株価(終値)が9日線を下回る銘柄が多数でてきた。というところから、まずは利食い売りをするという流れが本流でしょう。この流れに逆らって買い向かっているのはこれまで買い玉を持たなかった向きの「遅れてきた買いもの」だろうと思います。

売り方は「利食い売り」であり、買い方は「新規の買い」であれば、売り方のほうが余裕があります。売り方は思ったよりも株価が高ければ売ればよいだけのことです。もっと株価が上がると思えば買い玉を保持すればよいだけです。一方株式を保有していないものにとっては、必ずどこかで買わなければなりません。(今年の株式相場は年間を通じて上昇をするものと予想されます)。今日の下げで日経平均は下げ止まるのか、あるいは明日も続落するのか。買い方は毎日決断を迫られています。

だいたいにおいて、@切羽つまったときにした判断は間違います。A当初予定していた事を、その場で(市況を見ながら)変更して売買をすると間違います。今は売り方は心が穏やかに売りを決定できますが、買い方は「今日が安値ではないか」と毎日悩み、神経を尖らせて買い注文を入れています。

今は「快調に株価が上昇している」という局面です。この局面では順張り方針に撤して、@株価(終値)が9日線を上回ると買う。株価が9日線を下回ると売る。という方針が正しいのです。

上図の日経平均は(a)で9日線を下回りました。基本はここで買い玉は決済すべきです。

またNo.66「OBV波動」も2月7日(a)(11357円)と、今日の(b)11173円で売りマークを出しています。

右図はTOPIXのグラフですが、これもだいたい同じことで、@株価は9日線を下回った、A(p)で上昇小波動はピークを出した、B左側の図で、「OBV波動」は売りマークを出した。となっています。 今日は下ヒゲにある足になりましたが、25日線を下回るような調整があるのではないかと思っています。


(13. 2.18) TOPIX 962P(+20)  日経平均 11407円(+234) 31.2億株 (1兆8404億円)

米国は小幅な動き。NYダウは13981ドル(+8)の小幅高。ナスダックは3192P(-0)で変わらず。

G20では、特に日本が円安誘導をしているという非難は出なかった。よいほうに解釈すれば海外は円安を黙認している、悪いほうに解釈すれば95円の水準以上になれば非難が起きる、のどちらとも取れます。

今日は前日に92円台まで円高に振れていたので、よいほうに解釈して一時は94.21円まで下落。したがって日経平均は大幅高となる。

ただ出来高は31.2億株と昨日の下げた日の45.1億株よりもかなり少なかった。今夜の米国市場が休場というのが出来高が少なかった大きな理由ですが、それにしても株価が上昇したのに出来高が30%も減少したのは、今日の上昇では新規の買いは少なく、昨日に売った向きの買戻しが大半だったのではなかろうか。

日中取引で円レートが84円台になったのは、図のp,q,r の日です。(p)は94.06円でしたが、初の94円台ということで日経平均のザラバ高値は11498円となりました。今のところこの日が最高値です。

(q)は94.38円とこれまでの最高の円安でしたが、株価は11460円。(r)は94.21円で株価は11445円です。

しだいに円安の株価を引き上げる効果は小さくなってきています。

また(p,q)の円安の翌日は株価は下落しており、一方的に円安が進行することはなくなってきました。94円台の円水準では(p)を上抜いて11500円に突入することは難しい。

今日の円安は、安倍首相が「外債購入の手もある」と発言したのも一因です。外債の買い入れは現状では「禁じ手」でしょう。外債を購入するとは、円を売り、外国通貨を買い、債券を購入するわけだから、明らかな円安誘導です。中国がドル債や円債を買って元高を食い止めているのと同じだと、海外は受けとめかねません。外債購入の話は、円安を持続させるためのリップサービスでしょう。


(13. 2.19) TOPIX 963P(+0)  日経平均 11372円(-35) 26.8億株 (1兆6834億円)

米国は休場。

G20では、日本が円安誘導をしているという非難は出なかったため、昨日は94円台の円安に振れました。

しかし今日から、政府首脳には円レートの水準についてのコメントはしないようにのお触れがでたようで、麻生財務相は「外債購入は考えていない」、安倍首相は「為替についてはコメントしない」と国会で答弁する。

これは当たり前のことです。昨日のように首相自らが外債購入をいったり、甘利経済再生相が95円の円レートをいったり、岩田一政下日銀副総理が90円〜100円の円レートを述べたりするのは、やや勇み足であると思っていました。

目下のところはドンドン円安になるという状況ではなくなっています。これを感じて、首相・財務相・元日銀副総裁の円相場にについての発言が出てきたのかと思いますが、現状の金融政策では95円が一杯一杯の水準だろうと思います。

先日(2月15日)に武藤敏郎(元日銀副総裁)が次の日銀総裁になるのではないかの報道がありましたが、市場はエッと驚きました。2006年3月に日銀(福井総裁)は2001年3月から始めていた世界(史上)で初の量的緩和を解除しました。これは今から振り返ると日銀は大きな大きな金融政策の間違いを犯したのですが、このときの日銀副総裁が岩田一政さんと武藤敏郎さんです。2人は量的緩和の解除に賛成しました。

2006年の日銀の「量的緩和解除」に大反対であったのが、小泉内閣当時の安倍官房長官です。官邸はまだ経済が十分に回復できていないと判断していましたが、日銀は解除しても大丈夫だと間違った判断をしました。ちなみにその当時の日銀の企画局のトップは白川現日銀総裁でした。(企画局は日銀の金融政策を実質的に決めるところです)

今日の国会で、みんなの党幹事長の江田さんは、「2006年の量的緩和を解除に賛成した人物は今度の日銀総裁にはふさわしくない」といったようですが、まったく同感です。間違った政策を取った2人の副総裁(岩田・武藤)と現総裁(白川)は自分の経済の見通しの間違いを認めるのは当然だし、再登場できないことも当たり前です。安倍首相が武藤・岩田一政という人を日銀総裁にするわけはないのです。もしそうなれば、株式市場はガッカリして急落し、もとの黙阿弥になります。15年にわたるデフレ脱却は長く長くできません。

2006年の日銀の大失敗の量的緩和解除のいきさつについては、「日本銀行は信用できるか」(岩田規久男)講談社現代新書(720円)に詳しく書いてあるので、アマゾンから購入してぜひ読んで下さい。誰が正しいことを言い、だれ(日銀)がミスリードをして、日本経済を陥らせたのかがよくわかります。


円レートが93.5円〜94.5円のゾーンを上下どちらにも突破できないので、日経平均は大きく動きません。

日経平均の揉み合いゾーンは上図の(p)11498円〜(a)10952円だと思われます。この上限を突破すれば買い、下限を突破すれば売りという方針でよいでしょう。

気になるのは出来高の急速な減少です。この3日間の出来高は45.1億株→31.2億株→26.8億株と急減しています。(p)の日の出来高46.1億株に比べると今日の出来高は-42%の減少ですが、出来高がこうなれば、株価がこうなるという法則は、私はつかんでいません。

いえることは、
  1. 株価が上昇を始めたときは出来高が急増する。
  2. 株価が横ばいのときは出来高は減る。
  3. 株価が下落途中のときは出来高は減る
  4. 株価が売りに売られたセリングクライマックスでは出来高は増加する。
ということだけです。今は(2)の状況にあるので、出来高からこの後の相場を予想することはできません。



(13. 2.20) TOPIX 973P(+10)  日経平均 11468円(+95) 28.2億株 (1兆8543億円)

休場明けの米国は高い。NYダウは14035ドル(+53)、ナスダックは3213P(+21)

昨年のナスダックが快調に上昇したのは(A→a)が14週、(B→b)が16週です。(スタートの(A)や(B)は上昇開始直前に75週線をザラバ安値が下回っていた週としています。)

今の上昇のスタート(C)は2012年11月半ばで、今日で15週目の上昇をしています。昨年と同じようなサイクルを辿るのであれば、そろそろピークとなってもよい時期に来ています。

また年初の大陽線となった後は、小陽線の連続です。これは大きな材料が出ていないことを表わしています。米国市場は株価上昇のための材料不足です。このままでは大きな上昇は期待できません。


東京市場にとって最もよいシナリオは、為替についていえば、@米国経済が復調する→A米国金利が上昇する→B円安となることです。

そうなれば、特に政府が外債購入をいわなくても、米国債を投資家は買います。買えばより高い利子を受け取れるし、ドル高によって評価が出るからです。

さいわいにして米国債の金利は少しずつ上り気味で、昨日は2.034%です。ひと月前の1月24日には1.827%であったので約0.200%の上昇をしています。その分円安になることはあっても円高にはなりません。

実際のところ1月24日は89.25円/ドルでしたが、今日は93.30円/ドルです。この約4円の円安は、もちろん0.2%の金利差の拡大がもたらせたものではありません。アベノミクスへの期待(思惑)によるものが大半の原因ですが、基調としては日米の金利差が拡大すれば円安になることは間違いありません。

よって米国株が上昇すると→円安→日本株高の連想が働きます。ひところは日本株が突出して上昇したために、日米の株価の連動が薄れたといわれましたが、そんなことはありません。日米株価は連動します。

昨日は米国株価が上昇し、円レートも93円台半ばであったので、今日の日経平均は高く寄りつき、ザラバ高値11510円をつける。新高値を更新したが、追随する向きは多くなかった。逆にその後少し円高方向に振れたために小幅な陰線(十字足に近い)で終わりました。

これまでなら、新値を更新したとなると、そこから買い物が入って大きな陽線で終わっていましたが、今日は11500円の目標を達成したから、利食いをしようという向きが多かったようです。一応、日経平均はザラバで新値更新となりましたが、TOPIXはまだ更新しておらず、十字足で終わっています。十字足はまさに強弱が均衡していることを表現しています。

上昇・下落どちらの方向になるのかは予断を許しませんが、上に行ったとしても、当面は円安が加速するとは思えないので上値は大きくなさそうです。逆に下落の方向に進むにしても、例えばイタリアの選挙(2月25日)の結果がどうであれユーロ安の激震が起きるとも考えにくいので、大きな下落もないと思われます。 まあ一種の「凪(なぎ)」の状態にあります。大きな陽線あるいは連続陽線がでるまでは買いは控えたほうがよいのではなかろうか。


(13. 2.21) TOPIX 962P(-10)  日経平均 11309円(-159) 27.2億株 (1兆7834億円)

米国は、先月1月29〜30日に開かれたFOMCの議事録が公開され、そこでは量的緩和を縮小に向けての議論がなされたそうで、これを気にして株価は下げる。

NYダウは13927ドル(-108)、ナスダックは3164P(-49 )。材料がなくて伸び悩んでいたときなので、ちょっとした懸念が利食い急ぎになったようです。

昨年9月のFOMCで、バーナンキ議長は物価ばかりでなく雇用(失業率7.0%以下)をも目標にしました。

雇用が改善するまで、毎月400億ドルのMBS(住宅ローン担保証券)を買い入れる。その期限はつけない(未期限)、と決めたばかりです。 目下実行している金融緩和緩和を拡大することがあっても、これを縮小することはありません。もし縮小するならFRBは市場の信認を失います。

2006年3月に、日銀が量的緩和の解除をしましたが、その後日銀の見通しが甘かったことが明らかになるにつれ、日銀の信用はしだいに失墜していきました。日本を反面教師とするFRBがこれと同じことをするわけはありません。 よってナスダックが大崩れをするとは思いませんが、昨日いったようにサイクル的には調整があってもおかしくはない時期にあるので、年初の水準である3100Pへの下落はありえます。(たいした下げではありません)

米国株が下落したので日経平均は小安く始まる。一方円レートは、もしFRBが金融緩和を縮小するのであれば「米国金利が上昇する→日米の金利差が拡大する→円安になる」という連想のためか、少し円安(93.53円)で開始しました。

ところが、日本も目下のところ上げる材料がありません。上海市場が3%近くの下落をし、これに引きずられて日経平均は下げる。日経平均は9日線をわずかに割り込みました。

今日の下げは、買いの材料不足のところへ、米国・中国の株安という少しの悪材料が出て日経平均を押し下げたという格好です。

2月22日の日米の首脳会談、25日のイタリア選挙が控えて、積極的な売買はできない時期なので、どうせなら十分な調整をすればよいのです。調整には「値幅調整」と「日柄調整」の2つがあります。「値幅調整」は利食い売りが一気に出て株価は大きく下げますが、割安感が出たところから買いが入って反発する。「日柄調整」は利食い売りが五月雨的に出るので大きな下げにはならないが、その分利食い売りは長く続きます。利食い売りが出なくなったときから反発する、というものです。今回は「日柄調整」になるだろうと思います。

現在の日本経済は、円安によって息を吹き返しつつあります。この流れは最短でも2013年中は続くでしょう。今年は久々に買いで利益ができる年です。リーマンショック後に米国FRBがやった超金融緩和によって、NYダウは2009年3月の安値6469ドルから14058ドルまで2.2倍になりました。これを手本として、今度は日銀が大胆な金融政策を取ろうとしています。米国のような2.2倍は無理としても、2.0倍になっても不思議ではありません。2008 年10月の日経平均の安値は6994円です。2倍になれば14000円です。すでに3倍以上になった銘柄は別として、ほとんどの株式はどんなに高いところで買ったとしても、今後1年間のうちに利食ができるのではないか。株式投資のシロートでも愚直に儲かる時期が始まったのだろうと思っています。

逆にこの10数年の株式投資の経験がある人は、それこそ10 %の利益がでるとホイホイと利食いし、株価が思ったように動かないと1〜2日で手仕舞うという「目先張り」に馴染んでいます。ユーザーと時折電話で話しをしますが、まるでパチンコをしているかのように目まぐるしいトレードをされている。大きな株価上昇の時期がやってきています。このような時期に、この15年間で染み付いた「1カイ2ヤリ」(1円上がれば買い、2円上がれば売る)といった細かな売買はやめまて、ここは初心に戻って愚鈍な売買をされてはどうでしょうか。


(13. 2.22) TOPIX 963P(+0)  日経平均 11385円(+76) 33.0億株 (2兆 807億円)

米国は、マークイット社調査の2月のユーロ圏のPMIが48.6→47.3(予想は49.0)と悪く、欧州市場が下落したし、昨日わかった FRBの量的緩和の縮小懸念が残り、続落する。

NYダウは13880ドル(-46)、ナスダックは3131P(-32)。しかし下げ幅は小さくなり、ナスダックは年初の水準まであと少しのところまで下落して、下ヒゲ足を出しているので、だいたい下値のゾーンに入ってきたと思います。

円レートが一時92.88円の円高に振れたため、日経平均は-133円安まであったが、その後円安向かったので、急速な戻り足となって+76円高で終わる。 ただこの3日間は円レートと株価の相関はなく、先物の思惑によって日経平均が動いたという感じです。

大和證券マーケット情報に「テクニカル・トピックス」という コーナーがあって、「日経平均の月間パフォーマンス」という統計が掲載されていましたが、今年からこのコーナーは無くなったようで、見当たりません。 そこで印刷しておいた数字を右に掲げます。

この数字は1970年〜2011年の42年間の月別の騰落率の平均と、上昇確率です。左端の累計騰落率は私が計算したもので、各月の騰落率を積み上げたものです。

過去42年間の1月の株価騰落率の平均値は+1.4%です。そして上昇確率は65.9%です。1月は株を買ったまま保有しているのが確率的には正しい。

2月の騰落率は+0.7%です。パフォーマンスは1月の半分くらいになりますが、売るよりも買いのほうが過去は利益になることが多かった。

もっとも騰落率が大きいのは3月の+1.7%です。この後は4月は+1.1%、5月は+0.2%、6月は+0.4%とパフォーマンスは小さくなり、7月〜10月の4か月はマイナスになります。7月〜10月は株は買わずに、保有玉は手仕舞いしておくとよいというのが、過去の経験です。

月間パフォーマンスがプラスになるのは、11月の+0.6%、続いて12月の+1.6%です。つまり、株は11月に買って、12月→1月→2月→3月→4月の半年間保有して、5月には手持ち株をなくす。というのがよいのです。5月と6月のパフォーマンスは小さいが、一応はプラスなので、11月買い→6月売却としてもよいでしょう。

このことを踏まえて、11月に買って翌年6月の売却するとしたときの利益の積み上げが(累積騰落率)に掲げてあります。図では10月末に買って6月末に売却すると、年間で+7.7%の利益が出る。となっています。

ただし、騰落率の数字は過去42年間の平均値です。3月の騰落率は平均すれば最も高いパフォーマンスを出したというだけで、毎年3月のパフォーマンスが高いわけではありません。

またどういう時期のデータを採集するかによって、月別のパフォーマンスの数字は違ってきます。この例では1970年〜2011年のデータを採集していますが、大きくわければ1970年→1989年の20年間は日本経済がピークに向かった時期でした。

次の1990年→2011年の22年間はバブル崩壊からデフレ時代の時期です。データとしてはよい時期と悪い時期のバランスがとれています。(もし1970年〜1989年のデータだけ、あるいは1990年→2011年のデータだけを使った統計からは、偏った結論しか出てきません。 )

11月に買い(青色●の月)、6月に売る(赤色の●)のマークを振っています。数字は10月末の株価で買い→6月末の株価で売却したときの損益額と利益率は次のようになります。
  1. (a→A)は、10559円→11858円=+870円 (+8.2%)
  2. (b→B)は、10575円→11584円=+1009円 (+9.6%)
  3. (c→C)は、13606円→15505円=+1899円 (+14.0%)
  4. (d→D)は、16399円→18138円=+1739円 (+10.6%)
  5. (e→E)は、14669円→13481円=-1188円 ( -8.1%)
  6. (f→F)は、 8576円→ 9958円=+1382円 (+16.1%)
  7. (g→G)は、10034円→ 9382円= -652円 (-6.5%)
  8. (h→H)は、 9202円→ 9816円= +614円 (+6.7%)
  9. (i→I)は、 8988円→ 9006円= +18円 (+0.2%)
  10. (j→J)は、 8928円→(11385)円=+2456円 (+27.5%)
(j→J)はとりあえず今日の日経平均の終値(11385円)を使いましたが、最近の10年間で、11月に買い→翌年6月に売却するというやりかたをすると8勝2敗です。

ここから判るように、買うのは年末の11月・12月がよく、利食いするのは4月あるいは6月がよいのです。とすれば、現在株式を保有していない方は、4月ないし5月に向けて、どこかで買うことを思わねばなりません。そして6月に手仕舞いした後は、買い焦らないことです。

2〜3日前にユーザーからメールを頂戴しました。それによると、私が昨年10月11〜月18日に「郵船は三菱の発祥の企業であるから絶対につぶれない。同様に住友の住友鉱山、三井の三越もそうである。2〜3年持つ気になれば株価は2〜3倍になるのではないか」といったことを述べたので、これら銘柄をグラフでチェックして買った結果、今年になって利食いできたとありました。(《Qエンジン24》を購入された)

まことに嬉しい話です。そのタイミングが10月だったというのは、過去の月別パフォーマンスのとおりです。10月末〜11月にかけて買う。そして4月から6月に売るのがよいのです。7月から10月にかけて、何かよい銘柄はないかと物色するのはやや遅すぎます。買うのであれば6月までです。


(13. 2.25) TOPIX 980P(+17)  日経平均 11662円(+276) 33.6億株 (2兆 132億円)

米国は反発。 NYダウは14000ドル(+119)、ナスダックは3161P(+30)。

休日の間に2つの大きなニュースが出ました。1つは日米首脳会談後に「TPPに関しては、全ての関税撤廃を前提とはしない」という共同声明が出されたことです。これによって、日本のTPP交渉参加がほぼ確実になりました。

2つ目は、政府は黒田東彦・アジア開発銀総裁を日銀総裁候補とし、副総裁候補には岩田規久男・学習院大教授(もう一人の副総裁は日銀出身)と決めたことです。

これまで総裁候補にあがったメンバーの中ではベストな選択でしょう。二人ともこれまでの日銀の金融政策に大反対をしてきた人だから、2年後のデフレ脱却は実現性が高いだろうと思われます。

2つの材料から日経平均は200円近く寄り付き、11662円と2008年9月以来の高値を更新しました。今日の上げ幅+276円の内訳は、@TPP交渉参加の材料が+150円、新総裁候補が+126円といったところでしょうか。

総裁人事は、まだ国会で承認されたわけではありませんが、まずはこの人事は決まりでしょう。参院で勢力をもつ民主党は賛成せざるを得ません。なんとなれば、もし反対したとしても、民主党は推薦する人物のカードを持っていません。対案がない反対は「反対のための反対」でしかなく、そうなればせっかくデフレ脱却に向けて、機関車の大車輪が回り始めたものが、馬鹿な反対でストップしてしまいます。 この反対のツケは大きいでしょう。参院選でも民主党は完膚なきまでに叩き潰されるはずです。マトモな政党であれば、そのようなリスクを犯して反対するはずはありません。

今日の円レートは94.81円で、95円に乗せることはできませんでした。円レートからいえば、@3月に新総裁が決まり、A初めての金融政策決定会合がある4月4日にどういう大胆な金融政策が飛び出してくるのかが、次の大きな大きな材料です。新日銀総裁のデフレ脱却への意欲・意思の強さを表現する政策次第では円レートが100円になる可能性もあります。これは4月の「お楽しみ」です。「乞うご期待」です。

TPP参加は、日本の成長戦略には欠かせないものです。FTA(自由貿易協定)を締結した国の株価は必ず上昇します。逆に自国がFTAを結ばないときに他国が地域経済統合をしたときには、自国の株価は下落します。韓国は大規模なFTAで輸出を増やしましたが、日本はなにもしなかったために韓国に比べて輸出競争力が低下し、米国・欧州といった地域で日本は完敗しました。パナソニック・シャープ・ソニーがのそ代表例です。一方では東電原発事故によってエネルギーをはじめとする輸入が急増して、今や大きな貿易赤字に陥っています。

関税を撤廃すれば、よいことも悪いこともありますが、悪いことを掲げて関税撤廃に反対するのは日本の成長を削ぐものです。よいことを掲げて関税を撤廃すればよいのです。撤廃によって苦しむ業界があれば手を貸し、撤廃しても成り立っていくような方策を考えねばなりませんが、弱い分野があるからといって関税撤廃をあきらめるのは、「角をためて牛を殺す」ことです。その意味で、今度のTPP交渉への参加(の決定)は非常に重要なことです。


(13. 2.26) TOPIX 966P(-13)  日経平均 11398円(-263) 39.0億株 (2兆2120億円)

イタリア総選挙で、緊縮財政政策をとってきた中道左派陣営が苦戦と伝えられ米国株は下落する。 NYダウは13784ドル(-216)、ナスダックは3116P(-45)。

ただグラフに見るように年初からの安値(b)3076Pを下回ったわけではないので、ナスダックの上昇トレンドは崩れていません。日柄(15週上昇)から、下げてもよい時期にあったので、下げ幅が大きくなったという程度でしょう。

朝、海外株式のデータを入力するとき、米国株の下落を知りましたが、ついでに円レートを見ると90.85円まで上昇しています。前日に比べ、3.34円の円高です。CMEの日経先物を見ると、なんと11185円です。前日の大証終値より-465円も安い。

1円の円レートは日経平均を130円動かす、という関係からは-434円の株価下落があって当然となるので、CMEの日経先物が-465円安となってもおかしくはありません。だが、 90.85円/ドルは過剰反応であったらしく、東京市場では91.80円から始まりました。日経先物の始値は11350円で、CMEより+165円高く始まりました。約1円の円安となったので、この株価はだいたい妥当な水準でした。

その後、日経平均は押し目買いによって11520円まで上昇したものの、今日の欧州市場がどのような反応をするのかがわからず、結局は11398円(-263)で終わりました。グラフを見ると、今日の下げにもかかわらず一昨日の終値よりも高く、しかも9日線を割り込んではいません。

日経平均のトレンドが下降に入ったとするのは、(b)10432円を下回ったときです。拙速を承知で早めに判断したとしても(a)11065円を下回ったときでしょう。今日のところは、日経平均が上昇トレンドにあることは確かです。

今や、ユーロ危機→円高というかつての連想はそう効かなくなっているはずです。なんとなれば、円は円安のトレンドに完全に乗っています。ユーロを売って円を買うなら、いずれ円安になることによって円にシフトした資産は減価します。円が80円以下になったときと状況は違います。ユーロから逃避する資金はドルに向かうはずです。現に昨日の米国10物国債の利回りは1.867円へと低下しています。ドルが買われた証拠です。

安倍政権による金融緩和を通じての円安と、ユーロ問題からの円高と、どちらが継続的に続くのかというと、円安のほうでしょう。これから2年間のうちに円レートは100円を超えると思います。

CMEの日経先物が-465円というのには驚きましたが、個別の銘柄はさほどの下落をしていません。

7203「トヨタ」は9日線を割り込んだものの、直近のピーク5050円からの安値(a)4620円を下回ることはありませんでした。上昇トレンドは微動だにしていません。

8306「三菱UFJ」も9日線を割り込んだものの、(a)499円を下回っていません。

ユーロ問題が例え再発したとしても、円安になるという方向は決まっています。今日の状況(イタリア総選挙)を知らずにグラフを見るならば、株価の上昇トレンドには何も変化はないことがわかります。


(13. 2.27) TOPIX 953P(-13)  日経平均 11253円(-144) 31.1億株 (1兆8487億円)

イタリアの政局混乱から欧州市場は大きく下げる。特にイタリアは-5%近い下落率となる。

米国はバーナンキFRB議長が「量的緩和策の効果はリスクを上回る」と発言したことや住宅に関する経済統計値がよかったことから反発する。 NYダウは13900ドル(+115)、ナスダックは3129P(+13)。

米国の不動産は目に見えてに回復してきています。12月のケースシラー住宅価格指数は前年比+6.8%だったとか。これはすごい。また今年1月の新築1戸建住宅販売は予想の38.0万件に対して43.7万件でした。これもたいした勢いです。

日経平均は、イタリア政局不安から昨日は大幅な円高に振れ、株価は大きく下落しましたが、今日も少し円高方向に進んだため、先物の仕掛け的な動きもあって続落となる。ただしグラフでは日経平均の上昇トレンドは崩れていません。株価が上昇トレンドにあるときの方針は「順張り」です。つまり株価が上昇を始めたなら買い、下落をしだしたなら買い玉を決済する、のが正しい。(今は上昇トレンドにあるのでカラ売りはしない)

一番の問題は、何を基準にして株価が上昇し始めたと判断し、何を基準にして株価が下落し始めたと判断するのかです。

その基準は何でもよいのですが、今日は3つの例を掲げます。

まずは「@株価が9日線を上回ったら買い→9日線を下回ったら決済」 をしたときのグラフを掲げます。

昨年11月以来、株価が初めて9日線を上回った日は(a〜g)の7回あります。また初めて株価が9日線を下回った日は(A〜G)の7回あります。

(a〜g)の翌日の始値で買って、(A〜G)の翌日の始値で決済するならば、7回の取引ができます。その損益率はグラフにあるとおりです。7回仕掛けて2勝5敗(勝率28.5%)ですが、トータルでは+13.0%の利益が出ています。

一目均衡表の転換線は、9日平均線に近いチャートです。これを基準にして「A株価が転換線を上回ったら買い→転換線を下回ったら決済」 をしたときのグラフは右図のようになります。

(a〜f)の翌日の始値で買って、(A〜E)の翌日の始値で決済するならば、6回の取引ができます。その損益率はグラフに記入したように、6回仕掛けて3勝3敗(勝率50.0%)で、トータルでは+11.6%の利益が出ています。

@9日線の勝率(2勝5敗)に比べると、3勝3敗でよかったように見えますが、(b)の買いが@に比べて1日遅れているために、トータルの利益率は-11.6%と@よりも小さくなっています。

パラボリックも順張りのチャートです。株価が上限線にタッチしたら買い、下限線のタッチしたら売りとします。これを基準にして「B株価がパラボリックの上限を上回ったら買い→下限線を下回ったら決済」 をしたときのグラフは右図のようになります。

(b〜e)の翌日の始値で買って、(B〜E)の翌日の始値で決済するならば、4回の取引ができます。その損益率はグラフに記入したように、4回仕掛けて3勝1敗(勝率75.0%)で、トータルでは+20.7%の利益が出ています。

@ABの順張りのやり方を比較すると、勝率が高いのはBパラボリック、またトータルの利益率が高いのもBパラボリックになっていますが、これはたまたまの結果です。いつもパラボリックの成績がよいわけではありません。

肝心なことは「株価が上昇し始めたと判断したら買い玉を持ち、下落し始めたと判断したら買い玉を決済する」ことです。その判断の基準は、これが一番よいというものはありません。そのその時々の相場のスケール(値幅の大きさと時間の長さ)によって、あとから判明するものです。予め@9日線、A転換線、Bパラボリックのどれを基準にすればよいと決めることはできません。

株価が上昇トレンドにあるときの「順張り」とは、どの判断基準を採用するにしても、「株価が上昇しているときは買い玉を持ち、株価が下落しているときは買い玉は持たない」というのが鉄則です。 今日の日経平均は、@株価が9日線を下回った、A株価が転換線を下回った、ということから@Aを判断の基準にしている人は買い玉を処分しなければなりませんが、Bを判断の基準にしている人は 、なお買い玉を維持するということになります。

どちらが正しいのかは、今のところわかりませんが、おそらくはBの買い玉の維持が正しいのではないかと、このボンクラ頭は思っています。


(13. 2.28) TOPIX 975P(+21)  日経平均 11559円(+305) 32.9億株 (2兆1169億円)

イタリアの10年国債の入札が順調であり、かつ金利も低下したため、ユーロ懸念はひとまず後退する。

米国は中古住宅販売の数字がよく、バーナンキFRB議長が下院でも「量的緩和の効果はある」と繰り返したため上昇。 NYダウは14075ドル(+175)、ナスダックは3162P(+32)。

日経平均は急反発となる。海外要因によって、昨日・一昨日のように株価が下振れすることはあっても、今の政府はデフレ脱却という明確な目標を掲げ、強い意志をもって効果的な経済政策に取り組んでいます。

こういうときは黙って相場についていくだけです。目先少々の損失がでていても、いずれは利が乗るはずです。

2013年1月16日に、上図と次図の2つのグラフを掲げ、2005年8月からの上昇相場と今回の上昇相場はよく似ているといいました。

上と下のグラフを比較すると、
  1. で衆院解散が決まり、株価は急上昇する。

  2. で自民党が大勝し、さらに上昇が続く。

  3. で当面の小波動のピークを出す。(a)→(c)へは+16.7%の上昇でした。

  4. で25日線近辺まで反落したが、75日線までには至らず。

  5. で新高値をとり、第2段目の上昇波動に移り、

  6. へ至る。

    となります。(1月16日は上図の(c)のピークの翌日だった) 2005年の(f)の続きを見ると、

  7. まで上昇し、一応の小波動のピークを表示しましたが、

  8. への反落は9日線を下回っただけで、25日線まで下落せず。調整は軽微でした。

  9. が第2段目の上昇波動のピークです。(d)→(i)へは+23.9%の上昇率でした。

  10. で25日線を割り込む調整がありました。ザラバベースでは(j)は(i)を下回りましたが、終値ベースでは切り下げていません。

  11. で新高値をとりました。(a)→(k)の株価上昇率は+42.3%です。しかしその後、

  12. の75日線まで反落します。しだいに調整幅が深くなってきたことがわかります。 この後、2006年3月9日に福井日銀は量的緩和策を止めましたが、

  13. で新高値を更新する。しばらくは余熱で株価は上昇しましたが、量的緩和解除の日から1か月後の4月7日にピーク17563円を出して、第3段目の上昇が終わりました。 その後の株価は一気に反転。9日線を、25日線を、75日線を、200日線を次々に下回り、6月14日にはザラバ安値14045円までなんと3500円の急落となりました。
2005年8月8日(a)の前日の終値11766円から2006年4月7日の終値17563円まで、小波動は3段の上昇をし、その期間は8か月、その上昇率は+49.2%でした。政府が毅然と政策を打ち出したとき、市場がどれほどの影響を受けるのかのひとつの例です。

今回のアベノミクスが小泉郵政とまったく同じ影響を株式市場に与えるわけではありませんが、@8か月続いた、A株価上昇率は+49.2%だったという点は、ある程度の参考になります。(その後、世界全体が好況となった2007年7月26日には18215円(終値)を出しているので、2005年8月8日から始まった小泉政権は+54.8%の株価上昇をもたらせましたが、株価上昇のほとんどは2006年4月の(m)までの上昇(+49.2%)によるものです。

株式市場は先取りをします。今回のアベノミクスによる株価上昇は、現在のところ@時間で2か月半、A株価上昇率で+34.6%、となっています。2005年と同じ期間と仮定すれば、8か月後の次のピークは7月半ばです。同じ上昇率とすれば、あと+14.6%の上昇が残っています。まだまだ株価は上昇する余地があります。ナマクラな私がさらに思うに、アベノミクスは小泉郵政改革よりも株式市場に対する影響は大きい。従って@時間は2015年くらいまで続くのではないか、A株価上昇率は+100%近くになる(要するに全ての株価が2倍になる)のではないか、ということです。

10円利益が出たから利食いする。5円の損失が出たから損切りする...こういった細かなことは、向う2年くらいはしないほうがよいのではないか。初めて株式投資をしたときに、いつ買っていつ売ればよいのかの判断基準がなかったために、いつまでも買い玉を持っていたら大きな利益となった、という懐かしい体験と同じことを味わえるのではないかと思っています。今は「愚鈍が利益産む」という時期です(1990年から2003年までは「愚鈍は損失を産む」でしたが)。今は、あまりバタバタと売買をせずに買い玉を保持するのがよいのではないかと思っています。


目次へ.. 過去の判断.. 前月分へ.. 次月分へ..

株式会社 東研ソフト