日経平均をどう見たか・判断したか (2013年 1月)

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(13. 1. 4) TOPIX 888P(+28)  日経平均 10688円(+292) 34.0億株 (1兆9516億円)

日本が正月休みの間の米国市場は、12月31日に「財政の崖」が回避できそうということで大幅高。1月1日にはなんとか当面の「崖」の回避ができたので、1月2日はさらに大幅高。3日は反動で小幅安。

NYダウは13104ドル(+166)→13412ドル(+308)→13391ドル(-21)。ナスダックは3019P(+59)→3112P(+92)→3100P(-11)

ADPの12月の雇用者数は予想13.3万人を上回る+21.5万人。12月のISM製造業指数は49.5→50.7(予想50.1 )と50を超えるなど、米国経済はゆっくりとではあるが伸びています。

米国株が大幅高になったことで、円安が進行し、今日は87.83円までありました。年末の86.43円に比べて1.40円の円安です。株価が上らぬわけはなく、日経平均は大幅高で寄りつき一時は10734円まで上昇。

11月13日のザラバ安値8619円から今日のザラバ高値10734円まで24.5%の上昇となりました。しかもこの32日間の上昇期間中に終値で9日線を下回ることは1度もなかった。まさに「押し目待ちに押し目なし」です。

(a)で株価は4本の平均線(9日・25日・75日・200日)の最も高いところに位置しました。この後は少なくとも9日線を割り込む反落がどこかであるはずだと見ていましたが、(c)の翌日にザラバで瞬間に9日線を下回っただけで、その後は一度も9日線と絡むことはありませんでした。

2001年〜2012年の 過去11年間のうちに上昇小波動は133個ありますが、その上昇率に注目すると、@最も多いのは4〜5%の上昇、A133回の真ん中である67番目は7.4%の上昇、B133回のうち上昇率の高いほうから13番目は15.7%です。

現在は24.5%の上昇をしていますが、これはこの11年間で4番目の上昇です。2012年の2月から3月にかけての上昇も当時としては5番目に大きなものでしたが、21.8%の上昇でした。今回はこれを抜いて4番目の上昇率になっています。

過去11年間で上昇率が高かったのは、@2008年11月の36.1%、A2002年4月の27.7%、B2009年4月の26.0%です。今回はこの次に位置しています。2年〜3年に1度現れるかどうかの大相場です。こういうときは、なかなか押し目を作りません。上図のグラフに見るように9日線を下回ることすらありません。

ではどこで買いを仕掛けるのか? 基本は、@当日の終値が前日の終値より安く引ける(図のa,b,c,d,e,fの日)。Aだが翌日の終値は@の終値より高く引ける。Bそれを見て翌々日の寄りつきで買うしかありません。(a,b,c,d,e,fの2日後の始値で買うことになります)。断っておきますが、これは小波動のうちの10%くらいで通用するやりかたです。日頃(小波動の90%)は最低でも9日線を下回るのを見届けないと押し目買いはできません。


(13. 1. 7) TOPIX 881P(-7)  日経平均 10599円(-89) 35.3億株 (1兆8361億円)

米国の12月雇用統計は+15.5万人増(予想は15.2万人)と予想の範囲内。ISM非製造業指数は54.7→56.1(予想は54.0)と予想外のアップでした。

ただし「財政の崖」の回避をし、大幅上昇をした直後であるので、相場には響かず。 NYダウは13435ドル(+43)、ナスダックは3101P(+1)。

円が88円台に乗ったので、日経平均は高く寄りついたが、円が87円台に上昇したため、その後は下げる。始値10743円が今日の高値となりました。「寄り切り坊主」という足です。寄り付いてから1円も上昇できなかったのだから、基本的には弱い足です。

だがこの相場は円安が最大の材料であるので、円安から円高にぶれない限り、日経平均は大きな下落はしません。せめて9日線まで下落すれば買いやすいのにと思っていても、そこまで下げません。図の右側の(a)の日に日経平均は9日線を上回り、今日まで32日間も9日線を下回っていません。

日経平均が32日間も9日線を下回らなかったのは、2001年以来の新記録です。

右に過去12年間の上位5つを掲げました。第1位は次図の左側の図にあるように(a)で9日線を上回り、(b)で9日線を下回るまで31日間でした。これが昨年までの最長記録でした。

第2位は2005年12月の29日間、第3〜5位は23〜4日程度です。多く(90%)は13日間が限界なのです。過去を調べるとこういう数字が出てきます。この数字をもとにして、例えば@日経平均が13日間連続して9日線を上回っていたら「売り」とするのが「逆張り」です。これは確率的には正しい方針です。手本は過去にしかないという考えです。

だが現実は過去の繰り返しではありません。過去になかったことが起きます。東日本大震災は過去100年級の津波には耐えらるはずだったが、過去1000年級の津波には耐えられなかった。 過去のデータに依存した判断基準は吹っ飛びます。日経平均が9日線を上回って13日がたったときに(上図の(x))、日経平均を売ったとすると(x→b)の上昇を甘受できません。「なんと早く売ったものか」と嘆くことになります。

私は、過去の統計を元にして決めた投資方針によるのを「逆張り」、過去の統計は尊重するが過去にないような数字がでてきたときは、これに従うというのが「順張り」だと思っています。

今回の相場は過去になかったことが起きているので「逆張り」では利益はでません。「順張り」をするしかないのです。

ただ「逆張り」を得意とする人はなかなか「順張り」はできません。「逆張り」をすると勝率は高いはずですが、利益はそれほどではない。反対に「順張り」をすれば勝率は低いが、当たったときの利益は大きい。

私の考えは、まず@過去の統計を重んじてバクチはしない。当然にAそのデータを使って「逆張り」する。このため派手に利益を得ることはないが、着実に利益を得ていく。というスタイルです。


(13. 1. 8) TOPIX 871P(-9)  日経平均 10508円(-90) 35.1億株 (1兆8725億円)

米国は10-12月期決算の発表が始まることから積極的な売買はされず、小安い。 NYダウは13384ドル(-50)、ナスダックは3098P(-2)。

円が87円台前半へ振れたため、日経平均は昨日に続いて下落する。小波動のピークらしさは、@新高値の、A陰線、B順下がりの陰線、C9日順位相関が+80以上、D25日順位相関が+80以上、E騰落レシオが120以上、F投資マインド指数が85以上、G《デンドラ24》の最も高い上値メドの10307円をクリア、と8ポイントになっています。

通常ならば絶好の売りのタイミングであるはずですが、今回の相場は逆張りが効きません。図の(f)の日も8ポイントでしたが、その2日後の(f')の日には新高値をとり、(f)が小波動のピークではなかったことが明らかになりました。つまり逆張りが効かなかったわけです。

順張りの相場つきのときは、ピークらしいと判断していても、すぐに(9日以内に)新高値をとって、ピークではなかったことを証明します。つまり順張りの相場つきのときは次々に新高値を取っていくので、なかなかピークが出ず、小波動の上昇期間と上昇幅は大きくなります。

通常の小波動は、図の(A→a→B→b→C→c→D)のようなものです。上昇波動に限って説明すると、(a→B)は13日間の下落です。(a)の翌日から9日以内に(a)のザラバ高値を上回ることはありませんでした。(b)のピークも同じです。(b→C)は17日間の下落です。(b)の翌日から9日以内に(b)のザラバ高値を上回ることはありませんでした。

(c)のピークも同じで、(c)のザラバ高値を上回ったのは、(c)の翌日から16日目の(c')の日でした。(A→a→B→b→C→c→D→c')の波動までは、ありふれた小波動が繰り返されていたのです。ところが次第に、(D)からの小波動は通常の小波動ではなく、スケールの大きな(上昇期間が長い・上昇幅が大きい)小波動になるのではないかの兆候を次第に出していきました。

例えば(d)の新高値の陰線は、少し調整してもよいような感じでしたが4日後の(d')で新高値をとりました。(d)はピークではないことを明らかにしました。同じく(e)は(D)からの上昇が18日間、9日・25日順位相関が+80以上となって、ちょうど(a)のような局面にありました。だがここはピークとならず、2日後には(e')で新高値を取りました。

極めつけが(f)です。ピークらしさは8ポイントと珍しいほど高いポイントでしたが、2日後の(f')では新高値を更新し、(f)はピークではなかったことが明らかになりました。現在のピークらしい(g)も同じです。小波動のピークらしさは8ポイントです。(f)と同じポイントですが、(f)は上昇を開始してして27日目のことでしたが、(g)は33日目(今日は34日目)です。(f)からの上昇の様子を見ると、(f)の終値9940円から(g)の始値10743円まで、6日間で+800円(+8.1%)の上昇です。これは急すぎる上昇です。

私は日経平均が5%上昇したときは、個別銘柄は平均してその2倍の+10%の上昇をすると思っています。今回、日経平均は6日間で8%の上昇をしました。個別銘柄なら6日間で16%の上昇をしたわけです。年率に換算するなら、6日間→16%の上昇=250日間→666%の上昇に該当するのだから、利食い売りがでて当然です。 この利食い売りに、新規の買いが向かったのが昨日・今日の相場です。その結果、売買代金は衰えず、高値圏でゴロリと株式の保有者が変わった感じです。

右図に20112年1月〜5月のグラフを掲げました。2012年と同じく大きなスケールの小波動の例です。

安倍政権は、FRBを手本としているように思われます。リフレ政策によって、まず株式と土地を上げようとしています。

@株式が上ると個人の資産が増えて消費が高まる。また新たな投資に積極的になる。A同時に年金の運用成績が向上し、年金給付の心配が少しは低下する。

次にB結果的に円安誘導をすることによって、輸出企業の利益が増加する。C円安メリットを得た企業の税収が増加する。

ここまでの安倍政権の方針はまったく正しい。だが米国でQE3がたいした株高を引き起こさなかったように、金融政策はすぐにマンネリ化します。この日本で今後2年〜3年、FRB的な金融政策が持続できるとは思えません。おそらく安倍政権の猶予期間は2年。2014年末には、自民党の政策は整合性をとらねばならない。その代表が原発とTPPです。


(13. 1. 9) TOPIX 879P(+7)  日経平均 10578円(+70) 36.6億株 (1兆9394億円)

米国は小幅安。 NYダウは13328ドル(-55)、ナスダックは3091P(-7)。

引け後に発表されたアルコアの10-12月期業績はまずまずだったようです。(前年同期比で売上げ高は微減ながら、1株利益は増加)。2013年のアルミ需要は7%伸びると予想。アルコアは世界経済が持ち直すと見ています。

朝方は円レートが87円を割り込み86.80円がありました。このため日経平均は安く寄り付いたが、その後87.5あたりまで円安となったので、日経平均も急速の戻り歩調となる。

今日の足は「陽線つつみ上げ」になりました。高値圏にでる「陽線つつみあげ」はバケ線(だまし)になることが多いのですが、今は「押し目待ちに押し目なし」の状況なので、今日ののつつみ上げは、2日間にわたる下落が終わったと判断するほうが正しいでしょう。 また終値の前日比は昨日がマイナス・今日がプラスになったので、1月4日に言ったやりかたによる買い仕掛けのタイミングでもあります。

安倍政権になって、市場は日本の経済を、政府が立て直すのだという気迫をヒシヒシと感じとっています。@どのようにしてデフレを脱却するのか、Aどのようにして景気をよくするのか、Bどのような成長戦略をとるのか、C財政赤字をどうやって克服するのか。民主党政権時と違って、市場は政府がどういう政策を出すのかが一番の注目点としています。(民主党は一体なんだったのか?)

今後の政治日程は以下のとおりです。
  1. 1月8日  緊急経済対策を決定(10.3兆円となった)
  2. 1月下旬 2013年度税制大綱決定
  3. 1月22日 日銀の決定会合
  4. 1月28日 通常国会召集
  5. 1月末   13年度政府予算案を決定
  6. 2月下旬 補正予算成立
  7. 4月8日  日銀総裁の任期切れ(その前に新日銀総裁の決定)
  8. 5月上旬  13年度予算成立
  9. 7月21日  参院選
市場にとって重大なことは、上記に掲げた4つの注目点が具体的にどう政治に反映されるのかです。@の脱デフレ(リフレ)は日銀を屈服させることによって大成功を収めました。また目先のA景気回復は、国が金を支出すれば悪くなることはありません。だがその金は国債の増発という借金です。ますます財政バランスは悪化します。ずっと国がお金をバラまくくとはできません。うまくBの日本経済が自律的に回復し、成長するような国家戦略が必要です。

いまのところ安倍政権の成長戦略は明らかではありません。おそらく7月の参院選までには出そろうと思いますが、その内容が株式市場にとっては最も重大なものです。優秀なブレーンを抱える安倍内閣であるので、きちんとした成長戦略が出ると思いますが、できれば「日本再生5年計画」といったような、将来を見据えたプランを出してほしい。


(13. 1.10) TOPIX 889P(+9)  日経平均 10652円(+74) 41.7億株 (1兆9712億円)

米国は小幅高。 NYダウは13390ドル(+61)、ナスダックは3105P(+14)。

日経平均は円レートが再び88円台に乗せたことから上昇。昨年11月15日からの円の動きと日経平均の動きの関係は、「1円の円安で日経平均が240円上昇する」というものです。

昨日の円の高値は86.80円、日経平均の安値は10398円でした。今日の円の安値は88.21円で、昨日に比べて1.41円の円安となりました。(1円の円安=240円の日経平均の上昇)からすると、日経平均は10398円+240×1.41=10736円となってもおかしくはなかったが、計算値よりも50円低い10686円が今日のザラバ高値でした。

経済諮問会議が初会合をしました。初会合のゆえ、まだ何も決まらず、この6月に「骨太の政策」を決めるとか。 政府の機関としては、@経済諮問会議と、A経済再生本部の2つの組織があり、経済再生本部には、B産業競争力会議がぶらさがっています。この役割分担や上下関係がよくわからない。経済諮問会議の決定にもとづいて経済再生本部が産業競争力会議に諮問し、ものごとをきめるのか? あるいは経済再生本部は経済諮問会議とは別個にものごとを決めることができるのか? 

経済諮問会議や経済再生本部が動き出す前に、く自民党税調が動きました。自民党税調は、@住宅購入に現金を給付するとか、A孫のための教育資金を贈与しても税金がかからないとか、B雇用や給与を増やした企業の法人税から、増加した金額の10%を税額控除するとか、C逆に最高の所得税率を引き上げるとか、のアイデアを次々にリークしています。この考えはなかなかよい。

@は住宅取得の促進→経済拡大に繋がります。ABは個人や企業が溜め込んで死蔵しているマネーを市場に出すということです。Cは消費税増税のバランスをとるためのものです。現在企業が保有するキャッシュは200兆円といわれています。この金がまったく動かない。投資しない。配当を増額することもしない。給与を引き上げることもしない。結局200兆円は「死に金」になっているのです。

市場が、企業の評価をするときの基本は、@PER(1株当り純利益の何倍まで買われているか)と、APBR(1株当りの純資産の何倍まで買われているか)に加えて、BROE(その総資産を使ってどれほどの利益を出しているのか)の3つです。今のところ、@PERは17.69倍で割高、APBRは1.08倍で割安。BROEの数字はないけれど、欧米に比べて1/2以下であることは確かです。なぜか? それは「死に金」が大きすぎるのです。企業が使い切れないキャッシュをもっているならば、@従業員の給与を増やす。A株主に増配する。B設備投資をする。の3つしかありません。このいずれもができなかったのが、デフレ時代の特徴です。デフレの持続を予想するかぎり、企業は上記の@ABを改良できなかった。

個々の企業はデフレをどうのこうのする力はありません。デフレとかインフレといった経済現象は政府と日銀しか対応できないのです。

図は《デンドラ24》の円レートの上値メドです。昨年11月14日に野田前首相が衆院解散を口にした翌日(a)に円レートは80.83円になりました。このときの円レートの上値メドは84.43円(下から3番目)でした。

12月17日(b)の日に、自公が議席の2/3以上を取ったことに よって、円安がさらに進みました。それによって円レートの波動パタンが変化し、新たな上値メドがでました。下から2番目が87.53円、3番目が89.08円、最も高いものが92.95円です。

新しい上値メドがでたけれど、(A)のあたりでは、(a)の下から3番目の84.43円はまだクリアしていませんでしたが、12月25日についにこれを突破したので、新しい上値メドに切り替えることになりました。

新しい下から2番目の87.53円は新年早々(B)でクリアし、今のところは下から3番目の89.08円が上値メドになっています。


(13. 1.11) TOPIX 898P(+9)  日経平均 10801円(+148) 35.3億株 (2兆1137億円)

米国は中国の12月の貿易収支が改善したことから、NYダウは13471ドル(+80)、ナスダックは3121P(+15)と小高い。

円レートは88.78円から始まる。その後11月の経常収支が過去2番目に大きい-2224億円の赤字と発表されたため円安ドライブがかかり、一時89.34円となる。

昨日、当面の円レートの上値メドは89.08円であるといいましたが、たったの半日でこれをクリアしました。あとは92.95円(約93円)のメドが残るだけです。

円レートが前日より0.71円高くなったので、「1円の円安は日経平均を240円上昇させる」の最近の法則によって、今日の日経平均は170円(=240円×0.71)ほど高くなって当然でした。

今の円安は超円高の修正をしているところです。大震災で経済は大きなダメージを受け、原発事故で燃料の輸入が急増し貿易赤字になっていたにもかかわらず、75円台までの円高となったのは、経常収支が黒字であったからです。

経常収支は、@貿易収支、A所得収支、Bサービス収支、C経常移転収支からなりますが、メインは、輸出と輸入の差額の「貿易収支」と、海外から受け取る配当や利子と海外に支払うそれとの差額の「所得収支」が主なものです。

バブル期に日本は世界一の債権大国になり、海外に多くの資産を投資しました。それが今でも利子とか配当の形で日本に戻ってきています。だいたい年に5〜8兆円の受け取り利息(配当)があります。

それに加えて、これまでは輸出が輸入を上回るのが常態でした。貿易収支もマイナスになることはなかったので、経常収支は黒字が当然という状況でした。トータルとして日本は海外から収入を得ていたのです。ところが11月の経常収支は2200億円の赤字となりました。このテンポが続くと、年間に3兆円弱の経常収支となります。

経常収支の赤字が常態化するかどうかはまだわかりませんが、常態化するならば、円の安全性は大きく損なわれます。それこそ1ドル120円に戻る可能性もないとはいえません。

いつもいうことながら、私は為替はよくわかりません。円レートを動かす要因が多いこと、またその要因がある時期には円安となり、ある時期には円高になるといったふうに、「AならばBである」という法則がないのです。

ただ為替が一方的に傾いたときのグラフ上での特徴はあります。 それは、3日以内に新値を取るときは「無理やりこの動きについていかねばならない」ということです。

右図(の左側)で(A)は当面のザラバ高値を出しています。この翌日、(A)の日のザラバ安値を更新しました。(a)のザラバ安値はもっと安く、つまり(A)を基準にして、@翌日のザラバ安値で(A)のザラバ安値を更新(新安値1手目)、A(a)のザラバ安値でさらに安値を更新(新安値2手目)でした。

(B)は当面の新高値をつけた日です。(B)のザラバ安値は翌日の(b)のザラバ安値が更新しました(新安値1手目)。しかしその後は新安値を更新することはなく、新高値に進みました。

(C)も当面の新高値をつけた日です。(c)のザラバ安値は(C)から(新安値2手目)です。つまり(a,b,c)では新安値2手で円安への反動は終わっています。

円相場が一方的に傾いたときは株価以上に調整を入れません。上図で最も長い調整をしたのは(C→c)の2日間でした。

今回の上昇と似ている2012年の2月〜3月の日経平均と円レートのグラフを掲げます。

(a)は新安値2手、(b)は新安値1手、(c)は新安値2手 となっています。(d)は新安値4手で一旦反発しましたが、高値の84.17円を上回ることができず、そこから77.39円までの円高となりました。

為替相場というものは、いったんトレンドが生まれると、そこから付和雷同の勢力も引きつけて、3日間の停滞をすることがなくトレンドを追求するようです。こういうときは「逆張り」は厳禁です。皆が同じ方向に動いているのだから、これを食い止めることはできません。 ただこの動きは目先筋の一方的な円安(円高)期待によるものなので、(d)のように新安値4手となると、その勢いは無くなるようです。図の(d)の終値は82.62円ですが、半年後には77.39円までの円高になっています。

今回の急速な円安も、いつかは冷静になるときがきます。それは新安値4手となったときではないかと思います。(今日はまだ新安値0手目)


(13. 1.15) TOPIX 906P(+7)  日経平均 10879円(+77) 34.5億株 (1兆9501億円)

東京市場が休場の間の米国は小動き。NYダウは13488ドル(+17)→13507ドル(+18)と+35ドル高。ナスダックは3125P(+3)→3117P(-8)と-5P安。

円レートは89.468円から始まり、一時は89.63円まであったが、甘利再生相の「過度な円安は輸入物価を押し上げ、国民生活のマイナス」のコメントがあって、1円ほど円高へふれる。

日経平均は小幅な陰線となったものの、大震災直前のザラバ高値10891(2011年2月)をザラバベースで更新。出来高も34.5億株と買いエネルギーは衰えず。

安倍内閣のデフレ脱却の方針は、@日銀にじゃぶじゃぶのマネーを放出させる→A円は相対的に価値を失い円安になる→Bまたあふれるマネーが株式や土地価格を上昇させる→C円の価値が下がれば金利は上昇するところだが日銀が国債を買い入れて金利は低いままに維持する→DA(円安)とB(株高)からインフレ期待が高まる→E新規の投資が出てくる、というものでしょう。

最終的な目的は、Dのインフレ期待を芽生えさせるということです。いまのところ安倍政権のもくろみは大当たりです。円安になり株価はうなぎ登りの上昇です。単に「デフレ脱却」という言葉だけはこれまでに何度も繰り返されてきましたが、デフレを脱却することはできなかった。

今回の安倍政権は、意気込みが違うし、経済のブレーンも優秀です。何をどうすればよいのかはわかっています。市場はこういったことを日本買いの強い材料としています。今日の甘利再生相の円レートについての発言も、円安にならなければインフレ期待は起きないということを踏まえてのことで、その心は「急激な円安は困る」といったていどのことであったのでしょう。

政府は強い意思を持って、@円安、A株高、Bインフレ期待、C新規投資の活発化、を実現しようとしています。強い政府の方針にそった投資をすべきです。


■■ お知らせ ■■

《カナル24》では2年ごとに株価データを保存しています。データの長さは500日分であるので、1年間の立会い日数が245日とすると、約2年分の株価データが保存できます。

これまで西暦の遇数年には過去データとして新しいフォルダを作り、DTKB98,DTKB00,DTKB02,DTKB04,DTKB06,DTKB08,DTKB10 といったふうに過去データを蓄積してきました。例えば2002年2月ころのグラフを見たいなら、DTKB02を選んでグラフを描かせると、2001年1月〜2002年12月のグラフを見ることができます。

昨年は2012年で遇数年の年であったので、2012年12月31日までのデータをDTKB12として保存する必要があります。

2012年の年末に「DTKB12の過去データを保存しますか?」と《カナル24》は尋ねたはずですが、そこで過去データを保存されなかった方(でゼロから受信しているユーザーに限る)は、過去データ(日足・DTKB12)をダウンロードして下さい。

次に《カナル24》のスタート画面のメニューの「ドライブ」で、右図のように「連結」の設定を変更して下さい。

正しい連結は、@DTKB50→ADTKB12→BDTKB10→CDTKB08→DDTKB06→EDTKB04、です。
■■ お知らせA ■■

日経先物寄引売買のためのツールキットに、「順張り」の条件表を5本追加しました。この5本の条件表は、ツールキット(2008)(2009)(2010)のユーザーに無料で配布いたします。詳しくはNo.12 「日経先物寄引売買のツールキット(2010)の解説」をご覧下さい。ここに「順張りの条件表(2010)を設定する (2013年1月14日)として次の解説をしています。
  1. 順張りの条件表の成績
  2. 陰陽足の順張りの統合
  3. 前日比の順張りの統合
  4. 逆張りと順張りの条件表の併用はできないか?
  5. 逆張りと順張りの条件表の切り替えのしかた
  6. 順張りの条件表の配布について

例えばツールキット(2008)は、1998年〜2008年までの11年間の日経先物のデータから、「こうすれば勝てる」という条件を見つけ出し、No.1〜No.8の8本の条件表を設定しました。

この手本とした11年間では、「陰線なら買い・陽線なら売り」という「逆張り」が圧倒的に成績がよかったのです。設定した条件表は、手本としなかった1997年・2009年・2010年・2011年でも利益を出しました。

私は1997年〜20111年の15年間のすべてで利益を出しているのだから、今後も多少利益が減少したとしても、この15年間のデータは今後とも有効であると思っていました。

しかし2012年は違いました。ツールキット(2008)が当たらない。2月末に「おかしい」と思ったものの、そのうち、いつものような過去にあった現象がでてくるだろうという思いが強かった。しかし5月末には、2012年の相場は1997年〜2011年の15年間とは違ったことが起きている。過去にない順張りの相場になっている、と判断せざるを得なくなりました。

このときどうするか? 考えたのは、@逆張りのツールキット(2008)は、今年は無力であるとしてトレードをストップする。またはA勝つ確率が高いときだけトレードする(例えば同じ日に売買マークが3つ以上でたときだけトレードする)。の2つでした。

相談があったユーザーにはこのことを伝えましたが、多くのユーザーは自身でツールキット(2008)の「逆張り」の方針を停止されたようです。しかし私としては悔しかった。1997年〜2011年の15年間を手本とする限り「逆張り」の方針の条件表が最も有効であり、「順張り」の条件表は検討するに足らない方針であったのです。

だが2012年で「逆張り」は通用しない年があるということがわかりました。そこで2013年の正月から「順張り」の条件表を設定することに集中し、できたのが今回の「順張り」の条件表です。問題は常日頃は「逆張り」をするとして、どうなれば「順張り」に切り替えるのかでした。これは「4連敗」したら切り替えるのがよいのではないかという試案に達しています(詳しくは「ツールキット(2010)の解説」を参照)

例えば上図の左側は従来からある(2010)のNo.29「平均利益」のグラフです。「逆張り」の条件表であるので、昨年12月中旬からは連日で売りマークを出しています。図の売買マークによる成績は18回のトレードをして9勝9敗、+20円の利益です。 いまのところ4連敗をしていないので「逆張り」の方針(つまり図の左側の条件表に従う)でよいと思われます。

グラフの右側は今回設定した「順張り」の条件表です。ご覧のように株価が上昇したら買い・下落したら売りの売買マークを出しますが、順張りが効く相場はそう多くはありません。今年になって3回の売りマークを出しているだけです。

年初から「逆張り」(左側)の条件表に従うと、4勝3敗になっていますが、もし今日負けたら「4連敗」になるところでした。この場合は、翌日から右側の「順張り」の条件表の売買マークに従うことになるはずでした。(今日の結果はプラスであったので、「逆張り」の条件表に従って明日は売りとなる)

この「逆張り」と「順張り」の切り替えは、ツールキット(2008)(2009)でも有効であると思われるので、今回追加した「順張り」の条件表を備えて下さい。


(13. 1.16) TOPIX 888P(-18)  日経平均 10600円(-278) 36.4億株 (2兆 260億円)

米国は債務上限引き上げ問題で民主・共和党が激しく対立をしており、動けず。NYダウは13534ドル(+27)、ナスダックは3110P(-6)。

円レートが一時88円を割り込んだため、利食い急ぎとなって日経平均は急落する。ようやく9日線を下回りました。

初めて株価が9日線を上回ったのが、野田前首相が衆院解散を口にした翌日(この日に安倍さんは2%のインフレターゲットの講演をした)でしたが、それから昨日まで37日間9日線を下回ることはありませんでした。

これは1月7日にもいったように2001年以来の新記録です。 これほど一本調子で上昇したのは、投資家(特に海外投資家)が安倍政権のデフレ脱却策を完全に支持したからです。今日の日経新聞に、「日銀総裁人事案を来月15日をメド」に出すという見出しがあって、首相官邸に7人の民間専門家を召集し、その協議をした、とありました。

7人とは@浜田宏一・エール大教授、A本田悦郎・静岡大教授。この2名は内閣官房参与なので当然として、あと5人のメンバーがすごい。B伊藤元重・東大教授、C岩田規久男・学習院大教授、D高田創・みずほ総研チーフエコノミスト、E竹森俊平・慶応大教授、F中原伸之・元日銀審議委員、です(学者が5人、純民間が2人)。

(高田さんはよく知らないが)、全員がリフレ派です。浜田、岩田の両氏は日銀(ないし日銀を代弁する学者)と大論争を起しています。中原さんは1998年〜2002年の4年間日銀の審議を勤められたが、なにを隠そう、人類史上で初めて日本の政策金利をゼロ金利にし、さらに世界史上で初めて量的緩和策を提言されました。そして結局、日銀はこの金融政策を飲み込まざるを得なかったのです。(中原提言によって、日銀は1999年のゼロ金利、2001年に量的緩和に踏み切ったが、その後2006年に量的緩和の廃止という間違った政策をとった)

■■ 岩田規久男さんの著作については、2012年8月1日に紹介しました。
また中原伸之さんの著作「日銀は誰のものか」の読後感を2006年5月17日を述べています。HPメニューの「過去の判断」で該当の日の記事を参考にして下さい。

いいたかったのは、このメンバーは国際的な経済学者であるということです。現在の日本がリフレ政策をとるべきだということは、ノーベル賞学者のフリードマンやクルーグマンも認めている政策です。それを10何年かやってこなかった日銀はまるで「村の、お人よしの村長さん」のように、世界の経済理論からはずれた金融政策を取り続けたといえます。

日銀は、世界標準というべき金融政策(初めはゼロ金利、ついで量的緩和、ついでインフレターゲット)には及び腰でした。特に腰砕けになったのが2008年の白川総裁時代です。さらに不運だったのは同じ時期に、@経済政策を持たず、Aたいしたブレーンも持たず、B口先で甘言をいうだけの民主党が政権をとったものだから、日本経済は急速に転落の道をたどりました。 世界のどの国もデフレに陥っていないのに、日本だけがそうなっているのは、誰のせいでしょうか? 世界の学者は「金融政策が間違っていた」と誰もが同じことをいうでしょう。

しかし日銀に10数年間対決してきたリフレ派がようやく動き出しました。世界の金融政策と同じ歩調であるき始めようとしています。しかもそのメンバー(安倍政権の経済のご指南役)は強力です。

上図で安倍政権が何を・どう目差そうとしているかがわかった11月15日から、株価は暴騰しました。

この上昇の原因は外国人投資家の買いによるものですが、安倍内閣がやろうとしている道筋とその理論が外国人投資家にわかりやすかったからです。

右図は2005年の日経平均です。小泉内閣が郵政民営化を掲げ、「民間でできることは民間に。 」のキャッチフレーズのもとで、民間の活力を引き出そうとしていた時期です。

2005 年8月8日に、参院で郵政民営化法案は否決されましたが、小泉首相は衆議院を解散しました、その結果9月12日に自民党は大勝しました。株価は8月8日の終値11778円から翌年の2月6日の16747円まで+42.2%の上昇です。さらには2006年4月7日の17563円まで約50%の上昇となったのでした。

わかりやすい政策、そしてその理論的背景がある政策(民主党のように思いつきやその場で考えるといったものではない)を日本が発信したときには、海外投資家は日本株を買ってきます。今はその最中にあります。まだまだ日本株は上昇するはずです。もしも当面の金融政策(インフレマインドの喚起)が失敗することになれば、大変なことになります。@物価は上昇するが給与は増えない、A給与は増えないのに税金がふえる、B物価は上昇するのに年金は増えない。

実に難しいカジ取りをせねばなりませんが、先の「安倍政権の経済の7人のご指南役」がちゃんとしてくれると思います。このメンバーを見る限り、当面(2013年いっぱい)は押し目買いの方針が報われるだろうと思います。


(13. 1.17) TOPIX 890P(+2)  日経平均 10609円(+9) 39.3億株 (2兆2247億円)

米国は昨夜も小動き。NYダウは13511ドル(-25)、ナスダックは3117P(+6)。

円レートが88.80円から88.09円まで円高に振れたことから、日経平均は一時-167円安の10432円まで下落。しかし引け1時間前ころから円安方向に転換したため177円ほど上昇して、前日比+9円高で終わる。

この3日間の円レートの日中の値幅と日経平均の値幅は、3月15日が1.02円(101円)、16日が0.95円(215円)、17日が0.71円(262円)です。円レートの1円の動きは日経平均を240円動かすという最近の傾向からは、15日の動きは小さく、16日はだいたい妥当、17日は1円あたりに換算すると369円の動きなので、明らかにやり過ぎです。先物の思惑売りがあったのでしょう。

今日の0.71円の一時的な円高は170円の株安が妥当です。今日の安値は、高値10694円−170円=10524円でよかった。今日は下ヒゲの長い足になったので、だいたい当面の下値は見たようです。しかも出来高が39億株と多かったのは、「押し目待ちに押し目なし」を実感していた投資家がようやく買うことができたということです。また押し目を待っていた投資家がこれほどあったということです。

今日の下げで買えなくても、日経平均は9日線を2日連続して下回っています。明日・明後日のうちに日経平均が終値で9日線を上回ったら買いです。


(13. 1.18) TOPIX 911P(+20)  日経平均 10913円(+303) 38.6億株 (2兆2470億円)

米国は12月の住宅着工件数が前月比+12.1%増の95.4万件(予想89.0万件)とよっかったことから上昇する。長期金利も1.883%へ上昇。NYダウは13596 ドル(+84)、ナスダックは3136P(+18)。

米国株高と金利上昇から、海外で円は90円台に乗せてもどってくる。今日は89.84円から始まり一時は90.20円まであり、引けは90.06円。日中取引での前日比はなんと1.50円の大幅円安となりました。

これは安倍政権の経済指南番の浜田宏一内閣官房参与が、95円〜100円の円水準はなんら心配はない。110円を超えてきたら懸念しなければならない、と講演したためらしい。指南番は100円までの円安を視野にいれているようです。

これで先の石破幹事長のいった85〜90円が政府が望む水準ではなく、100円まで期待していることがわかりました。あとさらに10円の円安があるとなると、日経平均は2400円、うちわにみても2000円の上昇余地があります。円が100円になるのはいつのことかは不明ながら、そのときは日経平均は13000円まで上昇するはずです。

長いデフレによって、我々は「株は持てばもつほど損をする」と頭に刷り込まれてしまい、過去に大きな上昇相場があったことをすっかり忘れかけていますが、2005年はこの10年間で最も典型的な強い相場でした。

当時のグラフはどのような経過を辿ったのかを復習しておきます。
  1. 1段目の上昇は、(A→a)へ至る68日間の上昇をして、(B)で株価は25日線を割り込みました。これが第1ラウンド。

  2. 2段目の上昇は、(B→b)へ至る39 日間の上昇をして、(C)で株価は25日線を割り込みました。これが第2ラウンド。

  3. 3段目の上昇は、(C→c)へ至る54 日間の上昇をして、(D)で株価は25日線を割り込みました。これが第3ラウンド。

  4. 4段目の上昇は、(D→d)へ至る13 日間の上昇をして、(E)で株価は75日線を割り込みました。これまで75日線まで下落しなかったものが、初めて75日線まで下落したので注目点です。

  5. 5段目の上昇は、(E→e)へ至る33 日間の上昇をして、(F)で株価は25日線を割り込み、(G)で75日線を割り込んで、約1年間に亘る上昇相場が終わりました。
グラフに青色●をつけているのは、株価(終値)が9日線を割り込んだ日です。(A→a)の間に2度の●があります。(B→b)の間に1度●があります。(C→c)の間に2度の●があります。

@株価が25日線を上回ったときと、 Aこの●から株価が9日線を上回ったときが、順張りの買いのチャンスです。そしてAの1か月以内にそれぞれのラウンドのピークを出しています。

一番上のグラフは、今日までの日経平均ですが、@昨日9日線を下回り、今日は上回りました。このことは、今後株価が1段目のピークをつけにいく出発点であることを表現しています。昨年2月〜3月にかけての急騰場面では図の(a)で9日線を下回ったもののすぐに9日線を抜き返し、その後10日目にピークをつけています。

今日の9日線からの出直りはあと10日〜20日くらいあとに当面のピークがでるだろうことを示しています。

ただし、この当面のピークはまだ上昇第1段目のピークでしかありませ ん。次に第2段目・第3段目の上昇がひかえています。少なくとも参院線の7月までは、上昇相場が続くものとして、押し目買い(株価が9日線を上抜いたら買い・または25日線を上抜いたら買い)の方針がよいと思います。


(13. 1.21) TOPIX 905P(-6)  日経平均 10747円(-165) 33.0億株 (1兆7949億円)

米国は小動き。NYダウは13649ドル(+53)、ナスダックは3134P(-1)。

円は90.25円まであったが、その後円高方向に振れ89.65円で終わる。日経平均は、@先週末が+303円の大幅高となったこと、A今夜の米国市場が休場であること、B日銀の決定会合が開かれていることから、下落する。

日銀が明日どういう金融緩和策を出すのか? 政府はこれまでとは次元の違う政策を日銀に期待しているそうだから、明日を待つよりも今日のうちに利食いしておこうという向きが多かったようです。

ただ特に売られた業種はなく、個人投資家は低位株をさかんに物色しています。今日の出来高上位4傑には、マツダ(217円)、みずほ(170円)、ミヨシ(183円)、井筒屋(123円)が並びました。

条件表No.18「小波動切り上げP/Q(低位株)」を使って、東証1部銘柄について過去20日間の検索をすると、次のような銘柄が検索されてました。

.青色枠は買いマークが出た日の終値、赤色枠は今日の終値です。よく上った銘柄もあるし、たいして上っていないものもあります。

銘柄がピックアップされたときは、まず出来高が100以上のものを選ぶことです。この段階で2301「学情」と6210「洋機械」は消えます。

次にグラフを見て、次の点をチェックされるとよいと思います。
  1. 先の小波動のピークが75日線に届いていること。これは単なるリバウンドではなく、波動が上昇転換した可能性があることを表現しています。

  2. 先の小波動のピークをつけるまでに、「陽線の重要ポイント」が2個以上出ていること。これはこの銘柄を注目している向きがあることを表現しています。

  3. 先の小波動のピークから(c)まで大きな下落をしていないこと( -20%の下落は大きすぎる)。これは早め早めに押し目買いが入っているのではないかと推測できます。
上図の検索リストのうちで、上記の3点を満足しているものは、1919「エスバイ」、9119「飯野海」、9132「第一汽」の3銘柄でした。


(13. 1.22) TOPIX 901P(-4)  日経平均 10709円(-37) 39.1億株 (2兆1044億円)

米国は休場。今日の大イベントは日銀の金融政策決定会合でした。2%の物価上昇率を目標とすること、無期限で金融緩和をすることは、ほとんどが予想し、株価に織り込まれていましたが、今日はアッといわせるような金融緩和策がでるのかどうかが焦点でした。

会合後その決定内容が伝わると、円レートは90.13円まで下落するもその後は円高方向に振れて89.24円で終わりました。昨日より0.41円の円高です。

日経平均は、高値10859円〜安値10615円の約240円幅で目まぐるしく変化すると、だいたいは当面の材料は出尽くしということで、前日の-165円安に続いて-37円安で終わる。

これで当面の材料は、@企業の10-12月決算と2013年度の通期の見通しがどれほど嵩上げされるのか、A今月末までに決めるといっている日銀総裁が誰なのか、B米国の債務上限の引き上げは決まるのか、の3つに絞られたようです。

気に止めておかねばならないことは、景気は「気」ということです。気分で景気は変動します。今、安倍政権がやろうとしていることは、15年間にわたるデフレの気分を一掃する。インフレ期待を抱かせ、企業や年寄りが抱え込んでいる「死に金(自分にとっては必要かも知れないが、他人にとっては迷惑な金)」を使わせようとしている。そのための第一歩は「株価を持ち上げる」ということです。

株価は将来の期待で動きます。実態経済よりもだいたい半年は先走ります。(だから商売がうまくいき出したとか、給料が上ったからといって株式投資をすると半分以上はうまくいきません。すでに株価は先読みして上昇しているからです)。株価変動の半分は企業の努力(企業収益)に依存しますが、半分は国の経済政策(金融政策・財政政策・成長政策)に依存します。

今の株価は、安倍政権の経済政策を先取りしている状況ですが、先の浜田内閣官房参与の円レート100円説や昨日決定した2013年度の東日本大震災の復興予算を3兆円上積みして4.5兆円とする、といった財政政策は明らかに景気の「気」を変化させたいという政府の願望が見てとれます。

安倍政権は、ここでデフレを脱却できないと、もう日本は落ちぶれるばかりであるとの危機感を持っているようにうかがえます。私も最後のチャンスであろうと思います。家には親が残したある程度の資産はあるが、今、自分が営業している商売は不振である。このとき取るべき道は2つしかありません。@資産をチビチビ使っているうちに状況が変わるのを待つ、A今ある(親が残した)資産を使って新しいことにチャレンジし、収入を増やす。

日本は経常収支がずっとプラスであったので資産は増えてきましたが、どうも2012年からは資産が減り出すのではないか? そういう疑念が出てきたら、外国人は「円」を持ちません。ちょうどこういう最後の時期に安倍政権が誕生したのです。ここは安倍政権の経済政策に賭けないと、将来の日本(年金で暮らせるような時期はこない。消費税は20%以上になる。)はありません。

■■ 日経先物寄引売買のシリーズとして(21008)(2009)(2010)を過去に販売しましたが、ツールキットの(2008)と(2009)の成績は、2012年は非常に厳しい結果に終わりました。原因は手本とした1998年〜2008年(ないし2009・2010年)とはまったく違った相場環境とが出現したためです。ツールキット(2008)のNo.8「No.4+5+7」は1998年〜2008年の11年間のデータから売買マークを出す条件表を設定していましたが、これは2012年にはまったく無力でした。要するに過去15年間のデータでは不足であったのです。

そこで2012年7月に新しいタイプの条件表を設定し、ツールキット(2010)として発売しました。ツールキット(2010)は、それまでのように「陰線なら買い・陽線なら売り」という完全な逆張りは採用していません。大きく見ると逆張りなのですが、陰線で売りとなることもあるし、陽線で買いとなることもあります。 このツールキット(2010)の2013年になってからの成績は次のようになっています。




上図のNo.8は「(2008)No.4+5+7」の成績、No.20は「(2009)最終拾遺」の成績です。どれも累計利益はプラスになっていますが、たいしたことはありません。

No.23〜No.29はツールキット(2010)の成績です。No.24のように最高のものは+592円の利益を出しています。(2008)(2010)の違いはどこから出てきたかと考えると、(2008)の「陰線なら買い・陽線なら売り」という方針を打ち破ったからでしょう。実際のところ、(2008)No.8と(2010)の差は次のようになります。

  1. No.8(20008)の2013年の成績は2勝3敗、+194円の利益。勝率40.0%

  2. No29(2010年)の2013年の成績は8勝4敗、+557円の利益。勝率66.7%

    成績は「運・不運」が結構、左右しますが、2012年の成績はNo.8が-1077円と巨額であったのに対し、No.29は-21円と僅少でした(No.28は+277円の利益を出している)。ここに単純な逆張りとの違いが出ています。

  3. ツールキット(2010)は(2008)(2009)よりも安定した成績を出すものと思います。さらに、いざとなれば従来の逆張りの条件表から切り替えられる順張りの条件表ができたので、一層大きなマイナスは出にくくなったと思います。


(13. 1.23) TOPIX 887P(-13)  日経平均 10486円(-222) 33.7億株 (1兆7636億円)

米国はよい決算を出した銘柄が買われて小高い。NYダウは13712ドル(+62)、ナスダックは3143P(+8)。

昨日日銀は決定会合で、物価上昇率2%の共同声明を出すことと、新たな金融緩和策として2014年から無期限で資産買い入れ(一応毎月13兆円)をすると決定しましたが、市場は日銀が本気でデフレ脱却を望んでいるかを大いに疑問に思ったようです。

今日の円レートは88.19円。最も円安だった3日前の90.06円(日中の終値ベース)から1.87円の円高となりました。従って日経平均は下落し、90.13円まで下落する(日中の終値ベース)。

まったく白川日銀は何を考えているのか。2013年中は昨年12月に決めた101兆円の基金枠一杯までの買い入れをするだけです。つまりこの1年間はさらなる金融緩和はしないとしたのと同じです。さらに2014年からオープンエンドの買い入れを初めますが、長期国債の買い入れ額は月に2兆円です。このうち満期で償還される分を買い直す分があるので、2014年通年では10兆円くらいの純増しかならないらしい。

資産買い入れ基金を創設したのが2010年11月です。このときの基金は35兆円でした。2011年は3度の増額をして55兆円に増やしました。その増加率は42.8%です。2012年度は5度の増額をして、基金枠は101兆円になりました。増加率は83.6%ですが、この中には2013年に買い入れる分も含んでいるので、1年当りの増加率は41.8%です。

2014年は101兆円から111兆円に増加する予定ですが、その増加率はわずかに10%でしかありません。物価はマネーの増加率によります。マネーの額ではありません。つまり2014年のマネーの増加率では、デフレを脱却するどころか、逆に物価が下落する危険性を持っています。こういうことを市場は懸念し、円高に振れたものと思います。

上図のナスダックは、世界経済が絶好調であった2007年の高値(P)をとっくに上抜いています。リーマンショック直前の高値(R)なぞは2年前に上抜いています。

一方日経平均はリーマンショック直前の高値(R)14601円すら上抜けていません。この大きな原因は日銀の金融政策の失敗によるものです。

最後の最後まで白川日銀は市場の期待を裏切り、日本の国力を大いに低下させました。こうなると次の日銀総裁が、2013年中に追加金融緩和をし、2014年の長期債買い入れ額をもっと増やすことに期待するしかありません。

ただグラフを見ると、3本の平均線(@18月、A36月、B48月)のすべてを、日経平均は上回っています。これは2007年以降には一度もなかったことです。日経平均の長期の波動はようやく上昇に転じたようです。 ここから向う何年かは、押し目があれば買う方針が正しいのだろうと思います。ようやく株式は買う時代になったといえます。


(13. 1.24) TOPIX 897P(+9)  日経平均 10620円(+133) 32.7億株 (1兆8209億円)

米国はよい決算を出したIBMやグーグルなどが買われて小高い。NYダウは13779ドル(+67)、ナスダックは3153P(+10)。

日経平均は昨日、10500円を少し下回る水準になって値ごろ感が出ていたところに、1.06円の円安となったので反発する。

「主な株価」は10952円のピークを表示し、現在の小波動は下降中であることを明示しましたが、このピークから今日ですでに7日間の下げをしているので、だいたい今日が小波動のボトムになったのではないかと思います。

昨日も言いましたが、月足で3本の平均線をすべて上回ったのは、2007年7月以来のことです。なんと5年半に亘って「株は持てば持つほど損をする」という状況にありました。株式を保有すれば値下り損を出すのだから、@配当利回りが3%以上に回っていても買わない、A解散価値以下(PBRが1.0倍以下)になっても買わない、というマイナス思考に取りつかれた時代でした。 「デフレ期待があるときには、どんなに株価が割安に思えても株価はさらに下がる。インフレ期待が出てこない限り誰もリスクを取って株を買おうとはしない。」という現象が実に5年半も続いたので。多くの投資家が市場から去りました。

株価を構成する要因は、@業績(PER)、A金利(イールド・スプレッド)、B需給(外国人投資家の動向)、C投資マインド(株式投資による損益) の4つです。

@の業績については、企業の努力による利益もあるが、国の経済政策にも大きく依存します。例えば大震災の復興需要です。どれほどの復興のための予算を組むのか。またクリーンエネルギー、法人税の減税、研究開発費の税額控除など、政策が関与する部分は大きい。Aの金利については10物国債の利回りはわずかに0.725%です。額面100万円の国債を持っていても年に7250円の金利を受け取れるだけです。一方で100万円の株式を購入し保有するならば年に2〜3万円の配当を受け取ることができる銘柄は数多くあります。だがデフレ期待があって、株価が年に2〜3%の下落をすれば、受け取り配当と含み損を相殺して0%の利回りになります。デフレ下で株式を買う投資家が出ないのは当然です。

Bの需給の60〜70%は外国人投資家が決定します。外国人投資家にとっては、日本は米国についで投資がしやすい国であり、政治的リスクがない国です。資金の一定割合を日本株で運用しています。それだからこそ日本政府の経済政策がコロコロ変わったり、日銀がデフレ対策を何も打ち出さなければ外国人投資家が積極的に買うはずはありません。Cの投資マインドは心理的な要因です。例えば株価が上昇して100万円の投資で10万円の利益を上げたときは、次は200万円の投資をします。逆に100万円の投資で-10万円の損失を出したときは、次は50万円分の投資しかしません。損失を出すたびに株式市場はやせ細っていきます。

昨年11月14日までは、上記の4つの要因の全てが、株価下落の方向に向かっていましたが、今度は逆回転が起きています。@については、批判はあるが公共投資を積み上げた補正予算を組みました。次は本予算がどうなるのかが見ものですが、企業業績の足を引っ張るようなことはないと思われます。AとCについては、安倍政権が日銀と「2%の物価上昇を目差す」といっただけで、株式市場のムードはゴロリと変わりました。現にCの投資マインドは回復しています。日本は沈没しない、日本の株価は永遠に下げることはないという考えが出てきました。株価が上昇する可能性がでてくれば、配当利回りの高い銘柄の株価は上昇します。そして株価が上昇することによって、投資マインドが高まりいっそうの株価上昇に繋がるはずです。なにしろ現在のPBRは1.09倍です。通常なら2.0〜2.5倍はあって当然です。現在の株価水準はあるべき水準の半値に置かれているといえます。

日本企業がまともであれば、おそらく日経平均株価は現在の10620円から20000円くらいに上昇しても不思議ではありません。2〜3年後にはそうあってほしいと思っています。残ったBの需給ですが、外国人は文句なしに安倍政権の金融政策に対する思いに賛同しています。外国人が日本株を買いあさったお陰で、日経平均は2012年11月14日の終値から1月18日の終値10913円まで、+26%の上昇をしました。これは3年半にわたる民主党政権や5年近くになる白川日銀ができなかったことです。

なぜ民主党と日銀はそれができなかったのか? それは「フォワード・ルッキング」の心がなかったからです。経済理論があれば、ああなれば<こうなる。こうなればどうなる。の予測がつき、その予想に向かって金融対策を取ります。しかし両者は、過去のデータを集約して、過去のデータはこうだからこういう手当てをしよう。という後追いの政策しか出せなかったのです。(予想ができない人間はなかなか生き延びる ことはでいませんが、それが当たり前として通用していた。)

無能な集団に経済・金融政策を任せることはまことに危険です。政治の世界は選挙によってダメ出しをすることができますが、金融政策の担当者(日銀総裁)は誰もダメ出しはできない。その結果5年半(名目GDPは1997年をピークにして15年間下落し続けている)の株式市場の不振が続き、国民経済は15年間マイナスになったのです。

だが、2012年11月からの日本経済は、これまでのものとは違います。何よりも安倍政権には「7人の優秀な指南番」がいます。この15年間、日銀と対立してきた理論集団です。とうてい日銀はこの勢力に勝つことはできず、今回白旗を掲げたのですが、それでも未練たらしく2013年2014年の金融政策を(一応)決めました。こんな決定は次の日銀総裁がひっくり返せばよいのですから、新日銀総裁に期待しています。

日経平均は2012年12月から、これまでとは違った「順張り」の局面に入っていると思います。少々株価が下がったからといって売ってはならない。下げれば(25日線や75日線を目安にして)買っていく、という時代になったと思います。


(13. 1.25) TOPIX 917P(+19)  日経平均 10926円(+305) 33.3億株 (2兆 178億円)

米国はマチマチの動き。ナスダックはアップルの急減速が足をひっぱる。NYダウは13825ドル(+46)、ナスダックは3130P(-23)。

米国FRBの金融緩和の時期をQE1,QE2,QE3で示しましたが、QE1→QE3までの円/ドルは、明らかに円高・ドル安です。ここへきて自民党が政権を取り、円高が急速に修正されていますが、まだまだ円安が進んでもおかしくありません。

世界景気が絶頂期の(P)の円レートは123.31円でした。その後米国は大胆な金融緩和をし、(Q)では76.28円までの円高となりました(円レートは月末の数字)。金融緩和+ドル安による米国の貿易赤字が縮小し、図のように、NYダウは4年間騰がり続けています。

円高・ドル安は、日経平均をNYダウとは真逆の方向に導きます。日経平均はこの4年間は7000円〜11400円の「コンスタントに株価が安い」という状況に陥っていました。なかなか上昇のキッカケがつかめなかった。ところが、安倍政権はこの4〜5年の無為無策な日銀にするどい刃を突き付け、さらには財政収支の悪化をもたらすために禁断とされていた国債発行を増額し、大規模な補正予算を組み、経済財政諮問会議や経済阿再生委員会を発足させ、税制でも先に法人税を優遇する、といった政策を次々に打ち出しています。

これまでの日本経済のありかたを一変しようとしています。日本の株価はこの1〜2年で大きく上昇するはずです。例えば今日の日経平均の終値(10926円)で株を買ったとしても、その後何か月のあとには必ず利食いができるだろうと思います。バブル期で一番正しかった株式投資のやりかたは、株価が下がるまでは売らない。株を持ち続ける。というものでした。

今の投資家は長いデフレを経験したきているので、株価が少し上昇すればすぐに利食い(手仕舞い)するのが習慣化していますが、これは小さな逆張りです。大きく利益がでるのは順張りです。10年間のうち逆張りが有利なのは8年間、順張りが有利なのは2年間です。

過去、一方的に株価が上昇または下落した時期は、2000年・2005年・2011年です。2000年はネットバブルの崩壊、2005年は世界景気のピーク、2011年は大震災です。2011年の大震災は予測不可能なので、世界の経済循環からは2000年→2005年→2010年→2015年のサイクルがあるのだろうと思います。 今年2013年は2015年の経済のピークに向かってのスタートの年ではなかろうか。

昨年11月15日から株価の潮目が変わりました。それまでは政策ともいえない経済政策を掲げた民主党とやるきのない日銀のタッグが日本経済を導いていましたが、これは木っ端微塵に破られました。

民主党は誰のための政治をしてきたのか、日銀は誰のための金融政策を決めてきたのか。これらは安倍政権によって、完全否定されました。

完全否定した安倍政権が新しい経済政策・財政政策・金融政策を打ち出すのは当然です。それも「思いつき」のレベルではなく、ちゃんと論証された政策を取らねばなりません。これまでのところ、これら政策は90点をあげてもよいと思います(10点マイナスはTPP交渉が頓挫していること)。

日本を見直す流れは止まりません。日経平均はわずか3日間下落しただけで急上昇に転じました。円が89.25円から90.50円へ1.25円も円安になったためです。1円の円安は240円の日経平均の上昇をもたらす、という理屈に従えば、今日は300円高るはずですが、はたして日経平均は305円高となりました。

この急速な円安を見て、英国・独国・中国・韓国などは日本が円安政策を取っていると非難していますが、それは違っています。上図の(P)123.31円から(Q)の76.28円まで円は47.03円も円高になっていたのです。(P)からはなんと38.2%の円高になったのです。5年間でこれほど交易条件が違ってくれば、どんな企業であっても対応はできません。例えば、38%の経費が削減できるのか、38%の人件費を減らせるのか、38%も他国より高い値段で製品が売れるのか。どれも無理に決まっています。

さてグラフは、左側が現在の動き、右側が昨年2月から3月の上昇の動きです。右側を手本とすると、(a)で当面の高値をつけ、(b)で9日線を2日間ほど割り込んだが、すぐに抜き返し、(c)で小波動のピークをつけ、(d)で25日線を割り込んで、第1段の上昇波動が終わっています。その後はユーロ問題などがあって、株価が下降波動に入ってしまいましたが、本来なら第2段の上昇波動に伸びてもよかった。

現在の相場局面は(a→b)の小反落が終わって、9日線を抜き返したところです。ここから第1段の上昇波動のピークに向かってさらに上昇をしていく、ということが予想できます。


(13. 1.28) TOPIX 913P(-3)  日経平均 10824円(-102) 30.7億株 (1兆9300億円)

米国はマイクロソフト・G&P・スターバックスなどの決算を好感して上昇。NYダウは13895ドル(+70)、ナスダックは3149P(+19)。

政府は2013年度のGDPの実質成長率を+2.5%、名目を+2.7%と決定。この数字になるように今後の経済の舵取りが行なわれます。米国よりもEUよりも成長させようという意気込みです。

インフレ目標が決まり、補正予算に財政出動が決まり、本予算の枠組みが決まり、税制改革の内容が決まりと、安倍政権はスピード感ある経済対策を出してきましたが、一応政府としての打つべき手は出きったようです。

日経平均は寄り付きで11000円を回復し、円レートも91円台にあったものの、利食い売りに押されて反落する。当面の材料は出たとの市場の判断ですが、まだまだイベントは続きます。2月の日銀総裁の決定と新総裁のもとで日銀は物価+2%高に向けてどのような道筋を考えるのか? 新総裁の意気込みが一番の材料となるはずです。

ゼロのデータ配信が遅れているので、今日のグラフを見ることができません・そこでローカル(一部のユーザー向け)な記事を書きます。

「日経先物寄り引け売買」としてツールキット(2008)(2009)(2010)を3年連続で発売しましが、2012年は大敗しました。ツールキットは1998年〜2008(2009)年の過去データから、利益が出やすい局面を選別し、それを条件表に組み入れて、売買マークを出すようにしたものです。売りマークが出ていれば翌日の寄り付きで売り、その日の大引で決済する。買いマークが出ていれば翌日の寄り付きで買い、その日の大引で決済する。建て玉期間はたったの1日間。9:00〜15:15までの6時間15分です。

こういう超短期の売買は、場中に買いだ・売りだと適格に判断できるのもではありません。人のカンでは正しく決定することは難しい。たぶん「統計」に基づいた売買システムでしか利益は出ないだろうと考えました。実際のところ1998年〜2008年のデータを手本として設定した(2008)の条件表No.8は、手本としていなかった1997年・2009年・2010年・2011年でも利益を出しましたが、2012年は違いました。ボロボロと負けていきました。

原因は何だったのでしょうか? それは簡単なことです。要は1997年〜2011年の15年間のデータとは異質なデータが2012年に発生したのです。幼児が熱いストーブに触ってやけどするように、高いところから落ちて大泣きするように、痛い経験をしない限り知恵はできません。 親は幼児がいるならストーブを柵で囲うとか、高いところに登らないとうに躾けるとかをします。これは人が代々受け継いできた知恵です。

だがツールキットは与えられたデータの中で最良のシステムを構築してます。データにないことは対応ができません。悪いときのデータが与えれれていなければ、これに対応はできません。2008年までは悪いときのデータはなかったので、一応は、@そのシステムが過去の「連敗」記録更新したとき、Aまたは過去の最大ドローダウンを更新したときは、「システムは無効になる」としてきました。 その悪いデータが2012年に発生しました。過去15年間に無かったことが16年目に出てきたわけです。

2012年の半ばに、この苦境を打開すべくしたことは、@いつトレードを停止するかの基準を決めること、A順張りのシステムを作ること、B新しいデータを使ってもっと勝率のよい条件表を設定すること、の3つでした。

Bについては、ツールキット(2010)では、(2008)(2009)の「陰線なら買い・陽線なら売り」という原則に「前日比で下落なら買い・上昇なら売り」という原則を追加しました。

2012年7月25日にツールキット(2010)をリリースしましたが、その後2012年の成績は7本(No.23〜No.29)は3本が利益を出し、4本が損失を出していました。最もよかったのはNo.28の+299.5円、最も悪かったのはNo.23の-186円でした。これによってツールキット(2010)は(2008)(2009)よりもよほど優れた条件表であることが判明しました。

2013年に入ってからのツールキット(2010)の成績は、10勝5敗・利益+760円です。1か月に+760円の利益がでるのはできすぎですが、(2010)はこういう時期にも強いということがわかりました。 @のトレードの停止とAの順張りのシステムについてですが、@逆張りのツールキット(2008)(2009)(2010)が無効になったという判断は、「4連敗」をしたときにすればよいと思っています。A「4連敗」をしたならば、(2010)は今の相場に当てはまらない、として順張りの条件表「No.30〜No.34」に切替えることになりますが、2013年はまだ4連敗をしていないので、今のところはその必要はありません。

毎年の方針は、
  1. 自分が選んだ逆張りの条件表((2008)のNo.8 とか(2009)のNo.20とか (2010)のNo.29 とか)を使って、トレードを開始する。

  2. しかし「4連敗」したときは、順張りの条件表No.30に切り替えてトレードする。

  3. もし順張りの条件表で「4連敗」したならば、もとの逆張りの条件表に戻してトレードする。
ということです。あくまでもメインは「逆張り」であり、逆張りが効かなくなったときに、今回設定した「順張り条件表」を使います。最初から「順張り条件表」を使わないで下さい。「順張り条件表」を使う時期はそうありません。


(13. 1.29) TOPIX 920P(+6)  日経平均 10866円(+42) 34.7億株 (2兆 571億円)

米国米国は12月の中古住宅販売気件数が、前月比-4.3%(予想は0.0%)だったとかで、小安い。NYダウは13881ドル(-14)、ナスダックは3154P(+4)。

日本にとって当面の「円安」は実にありがたいことです。例えばソニーは12月に785円のザラバ安値を出しましたが、この日の円レートは82.26円です。今日の株価はザラバ高値1419円、円レートは90.80円です。ソニーが安値をつけた日から10.3%の円安となりましたが、株価は80%高とないました。

ソニーにおいては8.54円の円安が634円の株価上昇を引き起こしました。1円の円安が74円ほど株価を上昇させた勘定になります。 トヨタの最安値は昨年10月の2873円、この日の円レートは78.01円です。今日の株価は4325円、円レートは90.80円。円は16.3%下落し、株価は50.5%上昇しました。円が1%下落することによって株価は3.1%の上昇をしました。

ソニーのように赤字企業は1円の円安が株価を8%上昇させ、トヨタのように円高でも黒字であった会社は1円の円安が3%の株価上昇を引き起こしたのです。株価が上昇すると、@投資家の利益がでる、A企業の担保力が増える、B銀行や生保の含み益が増える、C年金の運用がプラスになる、D企業は守りの姿勢から攻めの姿勢に転じやすくなる、E株高によって税収が増える、Fまた株価上昇による利食いによって消費も増える、とよいことばかりです。

今は「円安」というたったひとつの経済要因が出ただけで、株価が上昇しています。円安は日本経済の全てをOKにさせます。いったい昨年11月までの円高がどれほど日本経済とその未来をボロボロにしたのか(言い出すと民主党と日銀を大いに非難することになるので、これ以上はいいません。)


日経平均について少し気になることがあります。それは、「円安→日経平均の上昇」の関係が少しずつ鈍くなっているのではないかということです。

図の(a)の日は、日経平均が10879円、円レートが88.87円でした。この日の日経平均をドル換算すると122.41ドルになります。ついで(b)の日は、日経平均が10486円、円レートが88.19円でした。この日の日経平均をドル換算すると118.89ドルになります。

今日の(c)は、日経平均が10866円、円レートが90.80円でした。この日の日経平均をドル換算すると119.67ドルになります。さて注目点は(b)(c)はドル換算の日経平均の25日線をすでに下回っていることです。ドルを元手にした投資家はすでにドル換算の日経平均の25日線を割り込んでいるわけです。

外国人投資家がドル換算の日経平均が25日線を割り込んだので、日本株をいったん手放すのか、それともこれは絶好の押し目買いであるとして買いを増やすのか。それは判りませんが、ドル換算の日経平均は上昇が一服していることは確かです。


(13. 1.30) TOPIX 934P(+13)  日経平均 11113円(+247) 31.2億株 (1兆9778億円)

米国米国は、1月の消費者信頼感指数が58.6(予想は64.0)と悪い経済統計が出たものの、10-12月期の決算がよかったものが買われ小高い。

NYダウは13969ドル(+72)、ナスダックは3153P(-0)。NYダウは2007年10月(p)につけたザラバ高値14198ドル、終値の最高値14034ドルにあとわずかに迫ってきました。株価はリーマンショックは完全に克服し、世界景気が絶頂であった2007年をも上回ろうとしています。

いつもいいますが、株価水準の要因は、@業績(景気)、A金利、B需給、C投資マインドです。米国株が史上最高値を更新しようとしているのは、@の要因によるのではなく、Aのゼロ金利およびBのFRBによる大規模な量的緩和からの株式選好、その結果C株価が上るから投資マインドが高まるという3点によります。バーナンキFRB議長の金融政策は大成功でした。

右図の3本の平均線は、@18月、A36月、B48月の平均線です。だいたい景気の循環は短いときで1年半(18か月)、長いときで3〜4年(36〜48月)なので、この3本の平均線を景気循環を代表するものとして描かせています。次に売買マークが出ている月があります。これは(1)株価が3本の平均線のうち最も高い線を上抜いたときに買いマークを、(2)株価が3本の平均線のうち最も安い線を下抜いたときに売りマークをだしています。

買いマークは2003年の(A)で出て、2005年の(a)でも出ています。買いマークが出た月(A)から米国景気はよくなっているということが確認できますが、本格的な株価上昇は(a)からです。(A)と(a)の違いは、(A)では48月線が最上位にあったのに(a)では下から2番目あるいは3番目にあったことです。(A)のように長期の48月平均線が最上位にあるときは、株価はこの線の水準で頭打ちになる可能性があります。(a)は48月平均線は18月あるいは36月平均線の下位にあったので、(a)からの本格的な上昇が始まったと思います。

(B)と(b)の買いマークも同じことです。2011年10月の(b)の月の終値は11955ドルでしたが、実にこの水準から株価の上昇は約束されたのでした。つまり米国株価は「順張り」の時代に入ったのです。「順張り」の時代には「逆張り」は通用しません。少し高くなったからといって利食いしていては、次に買うことができません。「利を伸ばす」ことが最も重要なことです。これについては、株式講座No.3  「利を伸ばすには」 をお読み下さい。この講座は10年前に書いたものですが、今でも正しいやりかたです。

日経平均もNYダウと同じことが言えます。つまり2004年に(A)で買いマークが出ているが、当時は48月線が最上位にあったために、すぐには株価が上昇しなかった。だが2005年に(a)で買いマークがでたときは48月線は18月線の下位に位置しており、ここから2006年3月までの株価奔騰が開始したのでした。

昨年の2012年3月に(B)で買いマークが出てましたが、48月線が最上位にあったので、その上昇は持続できませんでした。しかし2012年12月(b)に再び買いマークを出しました。このときは48月線は下から2番目の位置まで下落していました。結果、(b)から株価が奔騰することになったのです。

(a)からの上昇期間は約2年間(2005年5月→2007年6月)ありました。そのうちわけは(2005年5月→2006年4月)の11か月と(2006年7月→2007年6月)の11か月です。つまり2段の上昇をしています。今回が2段の上昇をするということはわかりませんが、少なくとも1段の上昇があってよいでしょう。

この上昇は2012年11月を起点にしているので、少なくとも第一段の上昇は2013年10月までは持つのではなかろうか。よって今年の10月までは「順張り」の態勢で相場に臨むほうがよいと思います。「逆張り」の方針をとると、@利食い売りは早く売り過ぎるし、A押し目買いはなかなか買うチャンスがない、ということになりかねません。

「10年のうちの8年は逆張りの相場、残り2年は順張りの相場」というのが私の持論ですが、今はこの10年間で2年しかない順張りの相場になっています。ここは素直に相場の方向(年内は上昇だと思う)についていくところです。


(13. 1.31) TOPIX 940P(+5)  日経平均 11138円(+24) 37.4億株 (2兆2788億円)

米国は、ADP調査の1月の雇用者数は+19.2万人(予想は+16.5万人)とよかったことやFOMCでこれまでどおりに400億ドルのMBS、450億ドルの財務省証券を買い入れることが決まったことの好材料がでた反面、10-12月のGDPが年率で-0.1%(予想は+1.1%)とマイナス成長であったという悪材料がありました。

米国市場はやや悪材料のほうを気にして小安い。 NYダウは13910ドル(-44)、ナスダックは3142P(-11)。

日経平均は米国株安と円安が進まなかったことから後場半ばまでは安く推移していたが、先物にまとまった買いが入り、連日の高値を更新。まだまだ外国人投資家は買い足りないと思っているようです。

今は順張りをすべき上昇相場の局面にあります。順張り上昇相場のときは、押し目を待っていてもナカナカ買うことはできない。また少し騰がったからといって利食いすると、その後の上昇の方が大きかったということが往々にしてあります。そこで、買い方や利食いのしかたは少し工夫せねばなりません。 誰でも明白にわかる買い場と利食い売りはのタイミングは、9日線を利用することです。つまり、「株価(終値)が初めて9日線を上回ったら買い、初めて下回ったら利食い売りをする」ことです。( 【注】利食いのしかたについては、株式講座No.3  「利を伸ばすには」で、「重要ポイント」を使った利食い水準を決めるやりかたもあります。)

問題はどういう局面が順張り上昇相場(つまりは上昇トレンド)と判断するのかです。順張り相場に転換したことを提示するチャートは数多くあります。例えば
  1. 2本の平均線がゴールデン・クロスをした。
  2. 平均線が上向いた。
  3. 一目均衡表の抵抗帯を株価が上回った。
  4. カギ足が陽転した。
  5. 新値足が陽転した。
  6. パラボリックが陽転した。
  7. 株価がツルーレンジを上抜いた(ケルトナーチャンネルやVボラストップ)。
などなどです。なにしろ相場の性格(相場つき)には「順張り相場」と「逆張り相場」しかないのだから、いつから順張り相場になったのか、いつから逆張り相場になったのかを的確に判断することが最も重要です。だが早めに判断すると、うまく当たれば利益が大きいが、ダマシに会う確率が高くなります。逆に慎重に判断すると、ダマシに会う確率は小さくなるが、利益が小さくなります。何を基準にして、順張り・逆張りを判断すればよいのかは永遠のテーマであり、永久に答えがでるものではありません。そこそこのところで満足するしかありません。

今日述べることは、順張りの上昇相場がいつ始まり、いつ終わったのかを判断する方法です。グラフを一見すれば、誰でも同じ判断ができます。簡単にいうと、いつも見ている条件表No.20「平均線と順位相関」のグラフを見て、
  1. 4本の平均線(9日・25日・75日・200日)のうち、最も高いところに9日線があり、その下に25日線があること。
  2. 200日線が上から3番目または4番目にあること。
この2つが条件です。平均線の位置関係でいうと、(a)型は9日→25日→200日→75日。(b)型は9日→25日→75日→200日 です。(a)は(b)よりも早く実現します。最後に(b)型になって「株価は絶好調」の時期をしばらく続け、この(b)のどこかで株価はピークを打ちます。

1812「鹿島」は(a)の日に4本の平均線が(a)型になりました。ここから「順張りの売買」が始まりますが、(a)以降、株価(終値)は一度も9日線を下回ることはありませんでした。

ついで(b)で4本の平均線は(b)型になりましたが、なお株価は9日線を下回らず、ザラバ高値299円まで上昇してしまい、その2日後にようやく9日線を下回りましたが、その後株価は9日線を上回ることはありませんでした。

そして(c)で9日線が25日線の下位になってしまったので、鹿島は当面「順張り」からは外れました。

5401「新日鉄」は(a)の日に(a)型となったので、株価が初めて9日線を上回る日を注目するところです。それは(a)の翌日(x)(終値188円)に早々と出ました。この翌日の始値(191円)で買いです。その後株価が9日線を下回ったのは(q)の前日です。翌日(q)の日の始値(219円)で利食いとなります。

ところが利食いをした(q)の翌日(y)で、再び株価は9日線を上抜き、買いが決定します。翌日の始値は233円でした。そして今日まで買い玉を保有しているわけです。(今日の終値は253円)

なお「重要ポイント」を利用したときの利食い水準は(p)の198円→(q)の215円→(r)の242円へと利食い目標はどんどん切り上っています。

7203「トヨタ」は(a)の日に(a)型となったので、株価が初めて9日線を上回る日を注目していると、(x)の日(終値3535円)に出ました。この翌日の始値(3525円)で買いです。その後株価が9日線を下回ったのは(y)の前日です。翌日(y)の日の始値(4200円)で利食いとなります。

ところが利食いをした(y)の日の終値は9日線を上抜き、再び買いが決定します。翌日の始値は4290円でした。そして今日まで買い玉を保有しているわけです。(今日の終値は4365円)

今後株価が9日線を下回ったら利食いしますが、「重要ポイント」を利用したときの利食い水準は(p)の4260円です。株価が4260円を完全に下回ると利食い売り(損切り)になります。

8306「三菱UFJ」は(a)の日に(a)型となり、ついで(b)で(b)型となりました。株価が初めて9日線を上回る日を注目していると、(x)の日(終値477円)に出ました。この翌日の始値(481円)で買いです。その後株価が9日線を下回ったのは(y)の2日前です。翌日(y)の日の始値(467円)で損切りとなります。-10円の損失が出ました。

ところが損切りをした2日後の(y)の日の終値は9日線を上抜き、買いが決定します。翌日の始値は482円でした。そして今日まで買い玉を保有しているわけです。(今日の終値は521円)

今後株価が9日線を下回ったら利食いしますが、「重要ポイント」を利用したときの利食い水準は(p)の425円、(q)の494円です。株価が494円を完全に下回ると利食い売り(損切り)になります。


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