日経平均をどう見たか・判断したか (2012年10月)

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(12.10.1) TOPIX 732P(-5)  日経平均 8796円(-73) 13.7億株 (8905億円)

米国は反落。NYダウは13437ドル(-48)、ナスダックは3116P(-20)。

9月13日にQE3が発表されましたが、ナスダックは13日の始値近辺まで下落しています。ここから、QE3は米国株価を上げる力がないかのように思われるかも知れません。

しかし、これは事前に量的緩和を期待して株価が上昇していたものが、その緩和策が現実のものとなって、過剰に期待していた部分が剥げたための短期的な調整です。今後、QE3による過剰マネーが株価を上昇させることは間違いありません。

QE2のときのナスダックのグラフを次図に掲げます。

(a)の日2010年11月3日にFRBはQE2を発表しました。その内容は2010年11月〜2011年6月までの8か月間で、米国債を6000億ドル(48兆円)買い入れるというものでした。

株価は当局の行動の先読みをします。(a)の日の終値は2540Pでしたが、その前の8月末の2114Pから20%の上昇をしていました。FRBの量的緩和を期待しての上昇でした。

QE2が現実のものになったとき、株価は(b)の2592円までわずかしか上昇せず、(c)の2459Pまで下落しました。この(b)でナスダックは25日線を割り込んでいます。しかし3日目には25日線を上抜き、(d)の2840Pまで上昇しました。

(d)は2011年2月18日です。QE2の実施期限3月末より1か月半早くピークとなったわけです。つまり株価はQE2の2か月前(2010年8月末)から上昇を始め→QE2実施→QE2終了の1.5か月前(2011年2月)に株価はピークとなる、というように米国においては株式市場は、この後起こりうることを先取りしているわけで、実に健全です。

冒頭のグラフにおける目下の株価下落は、右図の(a→b→c)の動きと同じものです。まもなく小波動は上昇に転じ、QE3が続く(と予想される)間は基本的には米国株価は上昇するはずです。

日銀の追加緩和策は9月19日に発表されましたが、日経平均はこの 日にピークをつけました。もともと市場は日銀の政策に期待をしていなかったので、右図の左側の(a)から(b)の前日までの上昇は、終値ベースで8679円→9123円へ5.1%上昇しただけでした。

日銀の金融政策の期待を数量化すると、日経平均で5.1%の上昇でしかなかったわけです。大して日銀には期待していなかった。

従って、日銀の緩和策が資産買い入れ枠を70兆円から80兆円にするという内容がわかった日にピーク9232円をつけましたが、その後最大に下落しても、もとの(a)の8679円まで下げるのが下落の限界であろうと判断していました。

私は、今回の下値のメドは8750円だとしていますが、今日のザラバ安値は8759円まであって、だいたいこの水準まで下落してきました。今日の日経平均は下ヒゲの短陰線、TOPIXは下ヒゲの同事足となったので、下げ渋りの兆候が出ていますが、今日がボトムであるとの判断はまだできません。


(12.10.2) TOPIX 731P(-1)  日経平均 8786円(-10) 13.5億株 (8832億円)

9月のISM製造業景況指数が51.5%と発表され、欧米市場は概ね高くなる。NYダウは13515ドル(+77)と反発するも、ナスダックはハイテク部門が下げたため、3113P(-2)と小安い。

ISM製造業指数は6月〜8月の3か月間は50%を割り込んでいて、米国景気の停滞懸念が出ていましたが、9月は50%を回復したことで、少し安堵したところです。

雇用指数も51.6%→54.7%と3.1ほど伸びており、今週末の雇用統計の持ち直しが期待できます。

グラフは、ナスダックもFTも25日線を挟んでの動きです。中勢上昇波動の基準は75日線です。株価が75日線より上位にあって、25日線に絡んでいるのは、順調に上昇しているといってよい。

日経平均は米国株高(特にNYダウ)から小高く始まったが、じり安となって終わる。

ナスダックはリーマンショック前のピーク(2007年10月)の2861Pをとっくに上回っているし、FTは2007年10月の高値6751Pの-12%ほど下まで戻しているのに、日経平均は2007年2月の高値18300円の半分以下(-52%)の株価水準にあります。

中国の上海総合が2007年10月の6124Pに比べて現在は2086Pと-66%の水準にあるよりもマシですが、欧米に比べて日経平均はまったくといってよいほど上昇できません。

この原因は、@デフレが続いている、Aその結果円高で輸出競争力が失われている、B欧米よりの中国経済に連動する仕組みになっている、といったことでしょう。

Bは企業が、中国から他のアジア諸国や南米などへ、その貿易ないし生産拠点を移せばよいことですが、@Aは企業が努力してできることではありません。税金を徴収しその使い道を決定できるのは政府だけです。通貨の発行ができるのは日銀だけです。ようするに、@Aは政府と日銀しか解決できる当事者はいません。これがこの20年間うまく機能していない。

グラフでは、日経平均の小波動のボトムは今週中に出るのかな、と思っています。もともと9月19日の9288円のピークは過熱してつけた株価ではありません。 ピークらしさのポイントは3ポイント(《デンドラ24》の下から2番目の上値メド9887円をクリアしたのを1ポイントとしても4ポイント)でした。したがって今回の下落はそう深くないはずであり、先のボトム8646円を下回ることはない。だいたい8750円くらいが下値ではなかろうかと勝手に思っていますが、昨日はザラバ安値8759円を出したので、だいたい下値は出たのではないかと 思います。あとはボトムらしい足型がほしいところですが、それはまだ出ていません。

日経平均と似たような株価位置にあるのが、8604「野村」です。今日の終値は275円。75日線を下回ること2日目ですが、これが3日以内に75日線を上回るのかどうか。日経平均と合わせて注目しています。


(12.10.3) TOPIX 727P(-3)  日経平均 8746円(-39) 13.9億株 (9222億円)

米国はまちまち。NYダウは13482ドル(-32)と小反落するも、ナスダックは3120P(+6)と小安い。

QE3が決まったのちは、@経済統計とA7-9月の業績、が最も大きな材料になります。

今夜は、9月のISM非製造業指数とADPによる9月の雇用統計が発表されます。 ナスダックはこの5日間は25日線に絡んだ小さな動きをしていますが、今夜の2つの統計数字によっては、上に行くまたは下に放れるの方向が決まる可能性があります。

今週末には大きな影響力をもつ雇用統計が発表されますが、それまでは強気・弱気の方針が立たず、市場は様子見とならざるをえません。

日経平均は円高一服となったことから、小高く始まったが、後場はジリ安となって小安く終わる。そろそろ小波動のボトムを出してもよいと思いますが、反発したとしてもそれは自律反発の域を超えず、米国株価が新高値を大きく更新しない限り、先のピーク9288円を上回ることは難しい感じです。

今日の日経新聞には、@トヨタは2014年にカローラの全量を現地生産する(現在のカローラの輸出は20万台)、Aホンダも国内生産を徐々に終了して現地生産に移行する(輸出25万台→15万台へ減らす)、という記事がありました。自動車産業は日本から出ていくらしい。 同じく今日の読売新聞では、三菱重工がインドの造船所を買収すると報じています。日本企業はこの円高水準では国内生産を続けることはできないことが明らかです。

円高が続くので→@企業は海外で生産するように舵を切る→A国内の雇用が減る→A消費が伸びない→B税収が減る→C政府支出の赤字が累積する→D政府は消費税を引き上げる→E当面は円高になる→F採算に合わないので企業は海外に出る→@へもどる。という悪循環の繰り返しです。

原因は円高にあります。その円高をもたらせたのはデフレです。このデフレをどうやって克服していけばよいのかをここ10年の間、政府は考えてこなかった(自民党が7年、民主党が3年です)。雇用問題(すなわち日本の企業が日本で生産するということ)は、日本の経済政策の第一の目標とせねばなりません。年金問題・健保問題・原発問題などより前に「雇用」をチャントするような政策が必要です。


(12.10.4) TOPIX 735P(+7)  日経平均 8824円(+77) 16.3億株 (1兆 80億円)

ADPの9月雇用統計は+16.2万人増(予想14万人)とよかった。ISM非製造業景況指数も55.1%と(予想53.4%)を上回る水準であったので、米国市場は小高い。

NYダウは13494ドル(+12)、ナスダックは3135P(+16)。先日のISM製造業指数が51.5%となって50%を超えたことを合わせると、昨夜の2つの統計は、米国経済の減速懸念を払拭させるものです。

NYダウで+100ドル高、ナスダックで+30P高してもおかしくなかったと思いますが、小幅高で終わったのはやはり金曜日の雇用統計を見たいということでしょう。

8月の雇用統計(非農業部門)は+9.6万人で市場をガッカリさせました(そのかわりFRBはQE3に踏み切ったのだが)。9月は+11.5万人の予想のようですが、もう少し上乗せできるのではないか。もし+15万人とでもなれば米国株価は新高値をとることになると思います。

日経平均は小高く寄り付いた後は売られ、一時は前日比マイナスになっていたものの、円相場が円安に振れたため上昇。後場寄り直後には+119円高まであったが、これはショートカバーによるもので、その後は少し値を下げて終わる。

今日の足は、上ヒゲ・実体・下ヒゲの長さがだいたい等しい陽線であり、方向性は表現していません。安値圏で気迷い、陽線となった分だけちょっと強いという程度です。だがこの小波動の下げ日数は昨日で10日となっていることや、9日順位相関が-80以下であることを思えば、昨日がボトムであった可能性が高いと思います。


(12.10.5) TOPIX 737P(+1)  日経平均 8863円(+38) 14.8億株 (9263億円)

米国は高い。NYダウは13575ドル(+80)、ナスダックは3149P(+14)。

最近発表された米国の経済統計は、力強い数字がでてはいませんが、景気減速を表現するような数字も出ていません。

FRBの金融政策によって、@不動産価格が下げ止まったこと、A不動産の含み損の拡大が止まりつつあること、B低金利によってローンが組みやすくなったこと、Cしたがって消費が維持できていること、Dドル安によって輸出企業による雇用の改善が期待できること。など米国経済は緩慢ではあるが景気は改善しつつあると思われます。

当面の米国経済の判断は今夜の雇用統計にかかっていますが、もしも雇用が思わしくない数字である場合には、FRBは更なる対策を打ち出すでしょう。従って株価はそうは下げない。逆に もし雇用の数字がよければ、株価は大きく上昇する。どちらになっても数日の間には株価は上昇するものと思っています。

日経平均はやはり一昨日がボトムとなったようで、今日は2陽連となる。ただ上値メドは低いと思われます。まずは200日線の9030円くらいが戻りの限界でしょう。


(標準3)の条件表No.18「小波動切り上げP/Q(低位株)」は最近、買い銘柄を検索しています。

ここ20日間で買いマークを出した銘柄は右図の13銘柄です。だがこの13銘柄の全部を買えばよいということではありません。取捨選択する必要があります。

条件表No.18 は基本的には中勢モデル波動の@(A→B→C→D)またはA(A→B→D→E)が決まりそうなときに出ます。従ってNo.18が買いマークを出したときには、その銘柄が@またはAの状況にあるのかどうかを見究める必要があります。その見究めの例を次に掲げます。

5707「東邦鉛」は、(A→B→C)と中勢モデル波動を形作りましたが、その後買いマークを表示しました。

ここは次の波動は(A→B→C→D)となることが予想できます。すなわち @(C)の295円を超える上昇をするだろう、A当面は200日線の306円あたりまでの戻りがあるだろう、ということです。

実際には買いマークが出た翌日の始値は268円であったので、(d)のザラバ高値300円までは10%ほどの上昇しかしませんでしたが、3日間で約12%の値幅を取る可能性性を表明しました。

8078「阪和興」は、(A→B→C)と中勢モデル波動を形作り、その後買いマークを表示しました。

(B)は75日線まで戻っているし、(C)は(A)より切り上がっているので、次の波動は(A→B→C→D)となることが予想できます。つまり@(C)の294円を超える上昇をするだろう、A当面は200日線の325円あたりませの戻りがあるだろう、ということです。

実際には買いマークが出た翌日の始値は273円であったので、(d)のザラバ高値297円までは8%ほどの上昇しかしませんでしたが、目先張りとしてはまあよかったのではないか。

モデル波動の(A→B→C)は、@(A)は最近の最安値、A(B)は75日線まで戻る、B(C)は75日線を下回っているが(A)の安値より上位にある。ということを示しています。

5202「板硝子」は、 @(A)で最安値を出していますが、A(b)では75日線まで戻っていません。この段階では(A→B→C)となる可能性はないのです。

よって買いマークが出ていても買うことはできません。 買いマークを出した銘柄が等しく、同じように上昇することはありません。買ってよいかどうかを、「モデル波動」に照らし合わせて吟味する必要があります。(無批判に買うことはできません)


(12.10.9) TOPIX 727P(-9)  日経平均 8767円(-93) 16.2億株 (1兆 456億円)

米国の9月雇用統計は+14.4万人とほぼ事前の予想(11.5万人)と同じでした。この数字では相場にインパクトを与えることはできません。

ただ8月の数字は+9.6万人→+14.2万人へ上方修正されたことと、失業率が7.8%へ低下したことで、特に大きな失望感は出ず、株価は小幅な動きで終わる。

NYダウは13610ドル(+34)→13583ドル(-26)。ナスダックは3136P(-13)→3112P(-23)。

ナスダックは図の(x)でボトムが出たと思われましたが、その後の経過はよくありません。上昇はモタついています。特に雇用統計が発表された日は、@高寄りして、Aそこそこ長い陰線になり、B昨日は順下がりの連続陰線、になりました。 ナスダックはしばらく、ボトムを表示することはありません。(x)を下抜いて、もういちど3050P〜3100Pのゾーンへ下げてからボトムとなる可能性があります。

上海総合は25日線を上回ったとたんに、国慶節で1週間の休場となり、せっかくの勢いがそがれてもったいないと思っていましたが、はたして連休明けに昨日は陰線となりました。しかし今日は大きく上伸。75日線近くまで上昇したので、モデル波動の(A→B)のコースとなったようです。この後は75日線まで上昇して、その後反落して(A→B→C)となれば、向う2か月くらいの上昇に転じるのではないかと思います。


日経平均は、図の(E')の日(ザラバ安値8729円)を安値として2陽連となったので、ボトムを出したような感じでしたが、米国の9月雇用統計がたいした数字でなかったことから、今日は反落する。

株価は75日線を6日連続で割り込みましたが、@(f)の翌日から今日で13日間下落しているし、A中国株も持ち直してきているし、Bここから大きく下げるような材料はありません。

ただ今週のオプションSQに絡んで先物が乱高下するようなら、(E')の8729円を下回ることがあるかも知れません。そのときでも、(E)の8646円は下回ることはないのではないかと思っています。


(12.10.10) TOPIX 716P(-10)  日経平均 8596円(-173) 15.9億株 (9915億円)

米国は7-9月期の決算発表が始まる。市場は決算の数字は思わしくないと予想しているようで、米国株は安い。インテルなどハイテク株の投資判断が引き下げられ、ナスダックは特に大きく下げる。

NYダウは13473ドル(-110)、ナスダックは3065P(-47)。

NYダウの小波動は、(f)13653ドル→(g)13367ドル→(h)13661 ドルです。形としては「M」型、つまりダブルトップですが、まだダブルトップが確定したわけではありません。今後、(g)の13367ドルを下回ったときに確定します。

ただ今回のM型の規模は小さく、値幅からいうと、(g→h)は13367ドル→13661ドルの約300ドルでしかありません。上昇率は2.2%です。このような小さい波動からは目先の波動の推測ができるだけです。もし13367ドルを下回ったなら、そこから300ドル下げた13000〜13100円の範囲だろうと思います。まあ75日線近辺まで下がるか?というところです。(これはダブルトップとなった場合の下値メド)

ナスダックはNYダウと違った形の小波動を形作っています。直前の小波動は、(g)3040P→(h)3196Pへ+5.1%の上昇をしました。まずまずの上昇率でした。(g)の日には、波動のボトムの株価は表示されていませんが、これは押しが浅すぎたためで、NYダウの(e)のボトムに匹敵します。

明日以降、株価がこの(g)を下回るようなら、ナスダックは中勢波動が下降波動に転じたとしてよいでしょう。そのときは株価は当然に75日線を割り込むはずです。NYダウが(g)13367ドルを下回わるのかどうか、ナスダックが(g)の3040Pを下回るのかどうかが、当面の焦点です。

昨日、日経平均は(E')の8729円を下回ることがあるかも知れないが、(E)の8646円を下回ることはないのではないか、といいました。ところが今日は8650円で寄り付き、あっさりと(E)を下回り、8578円まで下げる。

米国株安+オプションSQに絡む先物の動きが下落幅を拡大させた感じです。

ここまで日経平均の小波動は(A→B→C→D→E→F)と、ボトムを切上げ・ピークを切上げてはきましたが、それはトレンドと呼べるほどのものではありませんでした。

図の(B→D→F)のピークは、(B)9136円→(D)9222円→(F)9288円です。(B→D)の上昇率は0.9%、(D→F)の上昇率は+0.7%でしかありません。(B→F)の上昇率は+1.7%です。一応ピークは切り上がっていますが、2か月半で+1.7%しか上昇していないということは、大き目で見れば「ほとんど上昇していない。大きな往来相場(もち合い)であった」ということです。

(A→C)のボトムを結んで延長したピンク色線と、(B→D)のピークを結んで延長したピンク色線は、@その角度はゆるく上昇しており、A2つのピンク色線は平行しています。当面は上下2つのピンク色線の範囲内で株価が動いていくことが想定できます。 とすると、今後のボトムは、@8500円近辺の(a)あたりで出るのではないか、Aその後は反発して75日線まで戻り、Bそこからまた反落するだろうが、(a)を下回るかのか否か。が大問題になります。私は図のように(a→b)まではあるだろう、(b)からどこまで下落するのかが大問題であると思っています。


(12.10.11) TOPIX 713P(-2)  日経平均 8546円(-49) 17.1億株 (1兆 329億円)

米国は、決算発表で今後の業績見通しを下方修正する企業が多く、これを嫌気して下げる。 NYダウは13344ドル(-128)、ナスダックは3051P(-13)。

NYダウは先の小波動のボトム(g)を割り込んだので、しばらく(1か月くらい)は調整をするような感じです。下値メドは75日線を割り込み、13000〜13100ドルくらいの水準。

ナスダックは(g)を割り込むことは免れる。割り込んだとしても75日線はすぐの位置にあるので、75日線を割り込んだところから、いつボトムを出すのかを注目することになります。

日経平均は昨日先のボトムの8646円を下回ったので、ボトムが切下がりましたが、ピークはまだ切り上がっています。よってまだ中勢波動は下降トレンドに入ったとは判断できません。

昨日掲げたグラフでは、現在の株価はボトムの傾向線とピークの傾向線に挟まれるゾーンの中にあります。このゾーンの下限が、昨日いったように8500円ですが、細かくいうと今日の下限線は8463円です。今後1日経過するごとに2.5円上昇していきます。10日後にはゾーンの下限は今日より25円高い8488円になります。

この下限線を株価が下回るようだと今年の安値8238円まで下落することも考えねばなりませんが、当面は@下限線を割り込むことはなく、A今日か明日をボトムとして、B75日線までの反発があるのではないか、と思っています。

その理由は、@小波動は下げ初めて15日間が経過していること、A円が78円から77円になっても輸出企業にとってはたいしたことはないこと(すでに円高は織り込まれている)、Bもともと先のピークの9288円のときは過熱していなかったので、過熱による反対売買は少ないだろうこと、CPBRは0.89倍まで低下していること、などなどです。

日経平均と同じ動きをしているのが、7203「トヨタ」です。(m)でピーク→(n)で75日線を割り込み→(o)で75日線まで反発したが→先のボトムを下回る(p)まで下げる。という動きです。 今後の日経平均の動きを判断するとき、トヨタの動きは参考になります。今日トヨタは十字足に近い形になりました。しかも下ヒゲが長い陽線です。今日でトヨタは下値さぐりを終えたのではないかと思います。

日経平均とトヨタは連動していますが、ほかの銘柄は必ずしも連動していません。

8306「三菱UFJ」は(m→n→o→p)は日経平均と同じ動きですが、今日の株価(p)352円は、先のボトム349円をまだ下回っていません。日経平均よりも下値の抵抗力があります。

同じく8604「野村」は今日の安値は261円ですが、先のボトム253円より上位にあります。野村のボトムは6月4日に241円→7月25日に245円→8月31日に253円、とボトムを切上げています。

大きな目で見ると、野村は240円〜310円のボックス相場であるといえますが、今回先のボトムの253円を下回ることがなければ、先のピーク311円を上抜く可能性があります。

日本の金融株は、いまや世界で一番強い存在です。不良債権は抱えていないし、資金は豊富にあります。使い道がないので国債ばかりを買っています。だが10年物国債の利回りは0.75%です。このようなものに投資するというのは、資金の運用能力が0(ゼロ)であるということを自ら表明しています。

日本の銀行はこれまでは、国内を重視していたので貸し付ける先は乏しく、しかたなく国債ばかりを買っていました。ところが少しずつ変化が出ているようで、今年は積極的に海外へ融資するようになってきたらしい。

そういう先を読むべきは野村です(読めなければ野村の価値はない)。どういう国に、企業に、投資するのか。ここが分岐点です。今は世界の金融期間が萎縮しています。無傷なのは日本の金融機関だけです。三菱UFJも野村も有望な会社です。今の株価はあまりにも安い。

ついでにいえば、130円台の日本郵船を3年間持つならば、株価は2〜3倍の300円〜500円になるのではなかろうか。海運市況はアップ・ダウンの連続です。今はダウンだが、2〜3年先にはものすごいアップになることもありえます。


(12.10.12) TOPIX 718P(+4)  日経平均 8534円(-12) 17.3億株 (1兆2433億円)

米国は、新規失業保険申請件数が33.9万件(予想37万件)とよかったことから上昇するも、その後はダレて小幅安で終わる。世界経済の減速懸念が強いようです。NYダウは13326ドル(-18)、ナスダックは3049P(-2)。

日経平均はオプションSQがらみの買いが優勢であったようで、8607円(+60)で寄りついた(先物の寄り付きは8540円)が、ソフトバンクとファストリが大幅に下げたために-12円安で終わる。この2社で日経平均は-129円安の影響があったそうなので、本来なら+117円高でした。

今日は、オプションSQによる高寄りとこの2社の特殊要因による株価下落で陰線となりましたが、それでも昨日のザラバ安値を下回ることはなかった。値上がり銘柄数は839・値下がり銘柄数は650であったので、突っ込み買いをする投資家が出てきた感じです。

ソフトバンクが米国第3位の携帯電話会社のスプリント・ネクステル社を買収することが報道されました。日経新聞によると、米国の携帯の契約件数の1位はAT&T(モビリティ)で10500万件、2位がベライゾン(ワイヤレス)の9400万件(9900万件という記事もある)、3位のスプリントが5600万件であるらしい。

ソフトバンクの日本の契約件数は3000万件ほどなので、契約件数からは「小が大を飲む」というところです。(ただし売上げ高は、ソフトバンクは3.2兆円あり、スプリントの2.6兆円よりも大きい)。その買収にかかる費用は、3メガバンク(三菱・住友・みずほ)が1.8兆円の協調融資をするそうなので、このくらいの資金が必要なのでしょう。

仮に2兆円の借り入れをするならば、金利が3%として年間に600億円。これは年間4000億円〜6000億円のキャッシュフローがあるソフトバンクにとってはたいしたことではありません。現にボーダフォンを買収したときは有利子負債が2兆円になったけれど、5年間で約1.5兆円の返済をしています。1年で3000億円の返済をしたわけです。

朝刊を見たときは、悪い話ではないと思っていましたが、今日のソフトバンクは売りが殺到しストップ安(-500円)寸前の2395円(-486円)で終わりました。市場は過大な借り入れによるバランスシートの悪化を嫌い、今後数年間のソフトバンクの収益(借金の返済と利子の支払い)に疑問に抱いたわけです。

さらにいえば、スプリント・ネクステル社は5年連続の赤字であり、負債も多い。これをソフトバンクが引き受けなければならない。日本の携帯の加入者数は人口以上の1億3000万件にのぼっており、いまや契約件数の伸びは期待できず、一定のユーザーの切り取り競争にありますが、米国もそういう状況であるらしい。そういう状況でソフトバンクが米国で収益を上げることができるのか? の考えもあって今日の株価下落になったようです。

今日はファストリが-9.9%安、ソフトバンクが-16.8%安という異常な株価下落があって日経平均は小幅安に終わりましたが、8500円の水準では突っ込み買いが出るということがわかりました。だいたい8500円前後がボトムになるのではなかろうか。


(12.10.15) TOPIX 722P(+4)  日経平均 8577円(+43) 16.2億株 (1兆 494億円)

米国は、金融はよい決算を出したものの、ハイテクが見通しを下方修正し、全体としては動かず。NYダウは13328ドル(+2)、ナスダックは3044P(-5)。

ナスダックは6連続陰線となりましたが、なお75日線を割り込まず、下げ渋りの様相です。

日経平均は小安く始まったが、対ドル円が78円台後半になったことから、輸出株に買い戻しが入り小高く引ける。

先週末に発表された中国の9月の貿易統計は、輸出が前年同期比で+9.9%増、輸入が+2.4%増と増加したので、中国の輸出は回復しつつあるのではないかの安心感を与えました。(ただし中国は過剰な設備投資によって供給力が過大になっているので、ダンピングによって輸出が増加した可能性もあります。中国のことはよくわからない。)

日経平均の今日の上昇は、売られてきた中国関連株や景気敏感株の買い戻しによるものです。買戻しによる上昇の限界は9日線です。今日の9日線は8693円ですが、いまのところ1日に25円〜35円くらいのペースで9日線は下落しています。当面は下窓を空けた8660円〜8730円の水準が戻りの目安となるのではなかろうか。


(12.10.16) TOPIX 732P(+9)  日経平均 8701円(+123) 15.5億株 (1兆 465億円)

米国は、9月の小売売上げ高が前月比+1.1%(予想+0.8%)とよかったことから反発する。NYダウは13424ドル(+95)、ナスダックは3064P(+20)。

NYダウは図のピンク色の線(13478ドル)を終値で上回れば、小波動のボトムが出たと判断できる。ナスダックも2日前のザラバ高値(3078P)を終値で上回れば昨日がボトムであった確率が高いと思います。

ただボトムを出したとしても、順調に先のピークを上回って新高値に躍り出ることができるかとなると、やや難しい。世界景気は減速しつつあります。輸送のフェデックス、原材料のアルコア、半導体のインテルなどは今後の見通しを下方修正しています。米国の製造業や輸出株はやや厳しい。QE3によって内需はややよい。トータルすれば、しばらく(1〜2か月)は、大きな株価上昇はないのではないかと思っています。

日経平均は窓空け陽線となる。米国株価が+0.7%高に加え、円高修正(79円寸前)が進んだことで、買戻しが出ました。

ソフトバンクは約1.6兆円でスプリントを買収すると発表。これは米国市場でスプリント株を買い集めるようです。 つまり1.6兆円の円売り・ドル買いが発生することになるので、今日は対ドルで円安になったということらいしい。

米国株高+円安というのは日本にとってベストシナリオですが、先にいったように一本調子に米国株が高くなるとは思われません。今日の日経平均は9日線まで戻って、買い戻しがだいたい終わったという局面です。この後株価が75日線まで戻るには、株価終値が3日連続して9日線を上回る必要があります。

(A)のボトムから9日線を上回り、3日連続して9日線の上位にあったのは(a)の日でした。この間にザラバ安値が9日線を下回る日もありました。(B)のボトムから9日線を上回り、3日連続して9日線の上位にあったのは(b)の日でした。この2日後にはザラバ安値が9日線を下回っています。

今回は(K)からの反発となります。今日初めて9日線を突破しましたが、この後3〜5日の間には、ザラバで9日線を下回る日があると思います。それでも3日連続して終値が9日線を上回っているならば、初めて75日線までの戻りがありそうだと判断できます。

このようにこの反発が買い戻しによるものかのか、あるいは新規の買いが入っているのか、の判断をせねばなりません。

当面は戻りの強さを追っていく必要がありますが、日経平均はだいたいは10月10日に掲げたグラフ(右図)のような動き(@75日線まで戻り、Aその後反落する。Bどこまで反落するかは、そのときの市場環境による。)になると思います。


(12.10.17) TOPIX 739P(+7)  日経平均 8806円(+105) 18.2億株 (1兆1870億円)

米国はゴールドマンSなどの決算がよかったことから上昇する。NYダウは13551ドル(+127)、ナスダックは3101P(+36)。

両指数とも小波動のボトムを出したようです。ただ引け後発表されたインテルの7-9月期の売上げは142億ドル→135億ドルへ-5%ほどダウンしたそうで、ハイテク株の見通しは悪い。

WTI(右図)はQE3の実施以来下げ歩調です。世界経済の減速懸念があるので、投機マネーは原油には回ってきていません。

日経平均続伸して「3陽連」となり、小波動のボトム8488円を表示しました。図の(A)からの「3陽連」は8238円→9136円へ約900円の上昇をしましたが、今回はどうなるのか?

図のように今後とるコースは3つあります。
  1. は、75日線をスンナリと上抜き→200日線まで上昇する。(X)から900円の上昇をすれば、次の高値は9388円となりますが、日本経済はすでに減退しているようなので、そこまでの上昇は考えにくい。

  2. は、75日線まで戻って→反落するが→(X)の安値8488円は割り込まない。その後75日線を上回って上昇する。としても200日線が上値のメドになる。

  3. は、75日線まで戻って→反落し→(X)の8488円を下抜いてさらに下落する。これは(A)→(F)へ3段上げをしましたが、(F)から2段下げがあれば、当然に(X)を下回るというものです。
(b)のコースは60%くらいの確率、(a)と(c)のコースがともに20%の確率かと思います。

定点観測9銘柄のうち、75日線まで戻った銘柄は、それなりに強い足を出して上昇しています。5401「新日鉄」は「5陽連」を含む8連続陽線、6758「ソニー」は「3陽連」を含む4連続陽線、8604「野村」は「3陽連」を含む5連続陽線を出しています。

一方、私が日経平均の動きを考える際に参考にしている2銘柄(右図)の動きは、75日線を目前にしてブレーキがかかってきた感じです。

7203「トヨタ」は昨日まで「4陽連」という強い足でしたが、今日は「十字足」に近い陰線です。戻り売りが出てきました。

8306「三菱UFJ」は安値圏で3連続陽線を出してから上昇を開始したものの「陽連」は1つも出ず、昨日・今日は陰線で、しかもこの3日間は上ヒゲが長い。上昇力に欠けています。

こういうところから、日経平均は75日線で反落する確率が60%くらいあるのではないかと思っているわけです。


(12.10.18) TOPIX 752P(+12)  日経平均 8982円(+176) 20.8億株 (1兆2230億円)

米国は一昨日のハイテク部門の決算(IBM・インテル)が悪かったことがマイナス材料となる。

だが昨日発表の9月の住宅新規着工件数は87.2万件(予想は77.0万件)と大幅に予想を上回るよい数字でした。これが大きなプラス材料となり、相殺して小幅高で終わる。

Yダウは13557ドル(+5)、ナスダックは3104P(+2)。ナスダックは一応3陽連となりましたが、今ひとつ上昇力は強くありません。

WTI(右図)もあい変らず91ドル〜92ドルで保合っているし、こと製造業に関しては米国企業は減速しつつあるようです。(よいのは小売と住宅の内需。)

日経平均は75日線を上回って寄り付く。これは海外で円安方向に振れたのが大きな要因です。

75日線をクリアしたので、今日は上ヒゲ陰線で終わるのかと思っていたところ、意外にも株価は9000円寸前まで上伸しました。これによって足は「4陽連」となり、かつ3日連続で窓空け(三空)となりました。

「4陽連」とは、図の(P)のように単に陽線が4つ並んだということではありません。(P)は「4連続陽線」です。これが「4陽連」と呼べるには、ザラバ安値が順次切り上がり、かつザラバ高値が順次切り上がっている(Q)のような足にならねばなりません。

ボトムからの「3陽連」は強い足です。「4陽連」はもっと強い足です。ただ逆にいえば楽観人気が出ていることを意味します。

昨年来、日経平均の動きは一方に偏ることが多くなりました。通常は強気の勢力と弱気の勢力がせめぎ合うので、陽線と陰線はそうかたまって出ることはありません。

しかし強弱の勢力の厚みが薄い(市場参加者が少ない)と、短期的には一方の勢力に皆が靡き、6連続陰線となったり、6連続陽線となったりの現象が出ます。

例えば先日いった「郵船」ですが、郵船は三菱の発祥企業です。住友の「住友鉱」にあたります。三井の「三越」にあたります。倒産することはない。しかも景気にいち早く反応する業種である。2〜3年持てば、130円台の株価は2〜3倍になると思います。これは長期投資の視点からの判断です。

普通は、目先の株価動向で強弱を判断する勢力と、中長期的な観点から判断する勢力が向き合って株価が形成されるのですが、今は不透明な要因が多くて、中長期の投資家が減っています。そのためリスクを取らない目先筋の意向が相場に反映されることが多く、その結果短期的(10〜20日)には相場が一方に偏るという現象が出ています。右図にC連続陽線とかE連続陰線の数字を書き込みましたが、短期筋が活躍できる相場環境では、大きな波動は形成できません。適当に利食い、適当に買い・売りをひっくり返すことが必要です。今日は4陽連になりましたが、これはじきに逆転(下落)するだろうと思っています。


(12.10.19) TOPIX 754P(+2)  日経平均 9002円(+19) 17.5億株 (1兆 393億円)

米国は、新規失業保険申請者数が38.8万人(予想は36.5万人)と思いのほか多かったことや、グーグルの1株当り利益が9.03ドル(予想は10.65ドル)と悪かったことから小幅安となる。

Yダウは13548ドル(-8)、ナスダックは3072P(-31)。グーグルは一時-12%安。このためナスダックは、3陽連で上昇小波動のスタートを切ったかのようでしたが一転して下落。スタート直後で足の回転が狂った格好です。

ナスダックがつまずいたのに対し、日経平均は今日も続伸し5陽連となりました。当然に一服しなければなりませんが、目先筋はどうも200日線までは持ち上げたいようです。

この上昇の第一の要因は、円安方向に振れていることにあります。ユーロが落ち着いているので、ユーロが103.63円まで上昇したこと、米国経済を楽観して米国国債の利回りが1.837%まで上昇し、そのためドル高が進み、ドルは79.31円になったことが、日本の輸出企業にプラスの影響を与えるだろうの市場の予想です。

最近10年間の日経平均と円レートのグラフを掲げます。2003年は金融パニックが起こっていたので円と日経平均は連動していませんが、2004年からは完全に連動しています。

すなわち円高になれば日経平均は下落し、円安になれば日経平均は上昇するという連動です。

日経平均が2007年の高値(2007年6月末は18138円)をつけたときの円レートは123.3円でした。2012年9月末の日経平均は8870円・円レートは77.4円でした。日経平均は48.9%になり、円レートは62.7%になっています。

株価は半分以下になったが、円レートは37%ほどしか円高になっていないではないかと思うのは間違ってっています。例えばAという輸出企業があって、売上げが10000円で、原価が8000円のとき、この企業は+2000円の粗利益を得ています。ところが-10%の円高になって売上げが9000円になったときは、+1000円の粗利益しか出てきません。ましてや円レートが37%も高くなれば、売上げは6300円・原価8000円となり、-1700円の赤字になります。

一過性の要因で赤字になるのであれば、株価はそう下がりませんが、継続的に赤字要因が残っているときは株価はドンドン下落します。ソニー・パナソニック・シャープなどは企業努力ではどうしようもない円高圧力によって撃沈したといえます。この根本の責任は政府と日銀にあります。図の(S)が日銀の白川総裁になったときです。その後の円レートの動きはどんどん円高に向かいました。輸出企業はつぶれても構わないとしたわけです。日銀は、そうなることを予想していなかったかも知れない(それは無能の証明)が、日本が世界に誇る技術を持ちながら、経営的には破綻させる結果になりました。同時に日本企業を応援しようとしてこれら株式を買った投資家の資産を50%から90%減にしました。

シャープは技術で負けたのではありません。円高に負けたのです。その円高を阻止しようとしなかった日銀の無能の犠牲になったのです。それにしてもこれだけ長い期間(2008年3月から)自国通貨高をなにごともなく受け入れてきた国はありません。自国の経済の優位性を維持する努力をせず、「川の流れのように」となすがままに放置して、せっかくの先端技術を持つ企業を苦しめている。投資家は大きな損失を抱えている。年金運用者は運用成績が上らず、高齢者社会に対応できない。

当面の日経平均は200日線に向かって上昇していますが、基本は政府・日銀が円安に導くかどうかです。いままでのように無為無策であれば、白川総裁が誕生した2008年以降、一度も日経平均の高値は切り上がっていない。という 現実から、日経平均の切り上がり(10255円を上抜く)は期待できません。


(12.10.22) TOPIX 753P(-0)  日経平均 9010円(+8) 15.6億株 (9034億円)

先週末の米国市場は、悪い決算が相つぎ(マイクロソフト・GE・マクドナルドなど)、大幅安となる。1株当り利益もよくなかったが、もっといけないのは多くの企業が売上げが落ちるという見通しだったことです。増益は増収あってのものです。

NYダウは13343ドル(-205)、ナスダックは3005P(-67)。ナスダックは中勢波動の基準である75日線を大きく割り込みました。さらに米国企業が減益決算を発表するなら、200日線を割り込む可能性が出てきます。

さいわいQE3によって、金融株はよい決算を出し、住宅関連もよくなっているようなので、製造業(テクロンロジー・素材・資本財)が不調になっても、GDPがマイナスになることはなさそうですが、経済成長を支えるエンジンの1つがしばらくは推進力を失ったようです。

日経平均は、米国が大幅安となったために-128円安で寄り付く。しかし日銀の金融緩和に期待する向きが多く、円高修正が進む中、先物主導で上昇し、終わってみれば+8円高。ザラバ高値も9031円となって、この上昇小波動の新高値を更新しました。

ちょっと驚く上昇ぶりでした。今日の足は前日の陽線をつつみ上げました(昨日の安値よりも今日の安値のほうが安く、昨日の高値よりも今日の高値のほうが高い)。

折にふれて言っていますが、「陽線つつみ上げ」は底値圏で出たときは、上昇のスタートです。しかし高値圏で出た時はピークが近い。強い足に見えるが「化け線」(ダマシになりやすい)であると思ったほうがよい。

「陽線つつみ上げ」はそうしょっちゅう出るものではありませんが、ここ5か月の間に今日を含めて3回出ています。このように「陽線つつみ上げ」が多発することは珍しい。 (a)は大陽線で前日の小陽線をつつみ上げましたが、翌日は新高値の陰線で、次の日は陽線だったが高値は更新できず、3日目に新高値の陰線となってピークを出しました。

(b)はまだ小波動のボトムから4日目に出たものです。まだ高値圏であるとはいえませんが、それでも(b)のあと3日間は株価が下落しています。(その後9222円までの上昇に繋がりました。)今回の「陽線つつみ上げ」は、小波動のボトムから5日目のことなので、(b)の状況に近いのですが、(a)は75日線近くまで上昇してピークを打った、(b)の場合は75日線や200日線はまだ遠く、上値抵抗線までの余裕があったので引き続き上昇できた。という側面もあります。

今回は日柄からはまだピークとなりそうにはありませんが、200日線がすぐ上に控えています(だいたい9050円くらい)。この面からは(a)のように反落する可能性もあります。(a)のようになるのか(b)のようになるのかと問われれば、おそらく(a)に近いのではなかろうか。

その理由は、@日銀の金融緩和を相当に織り込んでしまったこと、A追加金融緩和が、例えばETFの買い入れを1年で1兆円増額するくらいでは却って失望するだろうこと、B世界経済の見通しはよくないこと、Cとりわけ中国経済には期待ができないこと、などです。


(12.10.23) TOPIX 749P(-4)  日経平均 9014円(+3) 15.7億株 (9270億円)

米国は小動き。キャタピラーは7-9月の1株利益は2.54ドルと予想の2.22ドルよりよかったが、2012年の通期の売上はマイナスになるとの見通しでした。

やはり製造業の業績はよくないとの思いから、前日の大幅安に対するリバウンドは起きず、小幅高に終わる。

NYダウは13345ドル(+2)、ナスダックは3016P(+11)。ナスダックは景気の良し悪しの基準である200日線までは下落しそうです。

日経平均は、昨日「高値圏での陽線つつみ上げ」の足になったので、「化け線」ではないかと思いましたが、はたして今日は新高値の陰線になりました。昨日のグラフの(a)と同じ(陽線つつみ上げの翌日に新高値の陰線になる)です。

今日の小波動のピークらしさは、@新高値の、A陰線、B9日順位相関が+80以上の3ポイントです。ポイントからはまだ売りが有利とはいえません(最低でも5ポイントが欲しい)。また直前のボトム8488円の翌日から今日まで、まだ6日目でしかありません。日経平均が小波動のピークとなったと判断することはまだできません。

ただ株価水準としては、先のピークの9288円を上回るような上昇があるとは考えにくい。その理由は、@日本の輸出関連株とは基本的には製造業である。ところがA米国をはじめとして世界の製造業の伸びはマイナスになりつつある。よってB少々の円安になったとしても、日本の製造業の業績はしばらくはマイナスになるだろう。と思うからです。

今日の200日線の水準の9040円くらいが妥当な株価水準でしょう。ここに、円安というプラス要因が加わるのか、米国株安・中国株安というマイナス要因が加わるのかによって、200日線を挟んで株価は上下にブレるものと思いますが、年内の株価の上限は9288円(9月19日のザラバ高値)で下限は8238円(6月4日のザラバ安値)ではなかろうか。要するに8240円〜9280円の約1000円幅の保合い相場が続くのではないかと思っています。となると9080円以上は売り、8440円以下は買いの逆張りの方針でよいのではないか。日経平均が9080円以上になったときは、売りが有利ではないかと思っています。


(12.10.24) TOPIX 743P(-6)  日経平均 8954円(-59) 17.8億株 (1兆 473億円)

米国は下落する。7-9月期業績を発表するとともに、2012年の通期見通しを下げる企業が続出しています。昨日は3Mとデュポンが下方修正する。

NYダウは13102ドル(-243)、ナスダックは2990P(-26)。ナスダックは、景気の良し悪しの基準である200日線を割り込むかも知れない。もしそうなると、図の青色線のゾーン(2839P〜2726P)まで下げる可能性があります。

今夜はFOMCですが、1か月前にQE3に踏み切ったばかりであるので、すぐに新たな金融政策が出されるとも思われません。FRBができることは、@金利を操作する、Aマネーの供給を操作する、の2つです。すでに@はゼロ金利にあってできないし、Aもジャブジャブ提供しています。それでも景気は減速しそうです。ちょっと打つ手がない。

日経平均は欧米株が大幅下落をしたので1.2%ほど安く寄り付いたものの、日銀の金融緩和策に大きな期待があるようで、すぐに上昇に転じる。ただ9000円を超えてくると戻り売りが出て、上ヒゲの陽線で終わる。

一昨日の動きといい、今日の動きといい、安寄りしても強引に買い上げる向きがあるようです。米国株を見るように世界は世界的な景気減速を予想しています。その中で、なぜこれほどまでに買う勢力があるのかが判りません。

ひょっとしたら日銀は来週の政策決定会合で驚くような緩和策を発表するのではないか? 今日の買い手はその兆候を掴んでいるのではないか? と思わず考えるほどです。

日銀が追い詰められたときは、とんでもない政策をとることは1990年のバブルの崩壊時に経験しています。土地価格が狂乱乱舞するのを拱手傍観していた日銀が金利を上げ始めたのは1989年5月からでした。その金利の上げっぷりがすごかった。日銀が銀行に貸し出すオーバーナイト金利は、1990年初には6%を超え、1991年年初には8%を超えました。こういう高金利では当然にマネーの需要は急減し、1990年まではマネーの増加率は10%あったものが、1991年には4%まで低下しました。デフレの始まりです。(これは日銀の金融政策失敗のとりつくろいです。)

当時の日銀総裁は、日銀出身の三重野総裁です。1989年末に総裁になり、1990年に高金利政策を加速させたときは「平成の鬼平」とマスコミにもてはやされました。だがこれはやりすぎでした。引き締め期間が長すぎまし。金融引き締めの期間を見誤っていました。後から見ると1991年7月になってようやく金融緩和の転じましたが、すでにマネーの供給は前年比+2%くらいまで低下していました。マネーの収縮は物価の下落をもたらせます。デフレが発生します。

1992年になってからは、バブルを潰した日銀は、今度は(バブルを潰しすぎて)逆にデフレを克服せねばならなくなったのですが、ここでも拱手傍観しました。マネーを供給せよ、供給すればデフレは終わる。そういう方針は日銀には選択しとしてなかったのです。(日銀の政策は後手後手です。Foward Looking 、先を読むという姿勢がまったくない)

日銀の金融政策の多くは平穏なときを想定した政策です。従って金融政策はさほどメリハリがない。しかし1989年の三重野総裁のときは大胆な行動を起こし、猪突猛進しました。ただその大胆な行動が無駄に長期に亘ったのでとんでもないデフレの原因になりました。

かつての三重野総裁(故人)がインフレ退治をしようと行動したように、今の白川総裁の日銀も、追い詰められて、デフレ退治をすべくアッと驚くような金融政策を出す可能性が10%くらいはありますが、なにしろ来年の4月に退任されます。驚くような金融政策はまず出てこないでしょう。せいぜいのところ、国債の買い入れ額を10兆円増額するとか、ETFの買い入れ枠を1兆円とするというのが、白川総裁の限界ではないかと思っています。 そうであれば、日経平均が9000円を超えて上昇していくことは、なかなか難しい。


(12.10.25) TOPIX 751P(+8)  日経平均 9055円(+100) 15.9億株 ( 9698億円)

米国は小幅続落。 NYダウは13077ドル(-25)、ナスダックは2981P(-8)。

日経平均は、円が80円台に乗せたことから上昇し、終値ベースで、この小波動の新高値となる。

日銀の緩和策は、国債の買い入れ枠を10兆円ほど積み上げることがメインのようです。これにリスク資産の買い入れ枠を上乗せするのかどうかで強弱が分かれているようです。

日銀のETFの買い入れ上限額は1.6兆円。この期限は2013年年末ですが、相場が下落するたびに買っているのであと1000億円余りの枠しか残っていません。まもなくETFの買い入れは停止せざるを得ません。

もしこの買い入れ枠をあと2兆プラスとし、その期限を2013年末と決定するなら、株式市場は大幅高になると思われます。(2000億円とか3000億円の追加では、ほとんど相場に影響は与えない。) さあ日銀が乾坤一擲、リスク資産の買い入れに傾くのかどうか。今日の日経平均は高くなったとはいえ、売買代金は9600億円でしかありません。一部の投資家が日経先物を買い上って、日経平均は200日線まで戻りましたが、これはETFの買い入れ枠の拡大に賭けたものと思われます。

はたして保守的な日銀が、ETFといったリスク資産の買い入れを拡大する度胸があるのかといわれれば、「ない」と答えざるを得ません。

ただし、2010年12月以来、日銀がETFを買い入れたタイミングは悪くありません。むしろ、こういう投資をすれば利益がでる、という手本となるものです。

日銀がETFを買い入れるタイミングは、(当然のことながら)明らかにしていませんが、市場が推測するところでは、「TOPIXの当日の前場終値が、前日比で-1%下落していたら、ETF(TOPIXに連動)を買う」という方針であるらしい。

右図に今年5月から日銀がETFを買った日に(a〜m)の符号を振っています。13回の買いを入れていますが、ことごとくが今日の日経平均の水準より安いところで買っています。日銀の直近13回の買いはすべて利益にしています。

これは日銀が「相場上手」であることを意味しません。個人投資家であっても、「株価が下がれば買う」という逆張りを続ければ必ず勝てます。ただし個人投資家の場合は、@いつかは利益がでるとしても、その本人の生存中に利益がでるとは限らない。A個人の投資資金には限りがあるので、いつまでも逆張りの買いは続けられない。という大きな制約がります。

だが日銀には、制約はありません。資金がなくなれば紙幣を印刷すればよいだけのことです。勿論、中央銀行が、巨大なリスク資産を持てば、円の信用力は低下し、国債は暴落(金利は急上昇)する危険性はあります。 ただ、20年間も低金利政策を続け、12年間量的緩和をしても、その効果はあまりなかった。株価は下落したままで、雇用は改善せず、円高によって国内の製造鵜業は空洞化しつつあります。ここで、政府と日銀は、日本の産業を応援しているのだというメッセージを出さなくてどうするのか。


(12.10.26) TOPIX 741P(-10)  日経平均 8933円(-122) 17.9億株 (1兆 846億円)

米国は、特に悪い決算を発表した企業がなかったので小反発する。 NYダウは13103ドル(+26)、ナスダックは2986P(+4)。

ナスダックは200日線を割り込むことは何とか耐えています。チャートでは9日順位相関と25日順位相関がともに-80以下になっているので、ひと反発あってもよいところです。

ただ、今夜は米国の7-9月期GDPが発表されます。1-3月のGDPは年率換算で2.0%→4-6月は1.3%と低下しています。7-9月が1.0%を割り込むようだと、ショック安があるかも知れません。

世界で唯一経済成長を続けている米国ですが、どうもベクトルは減速気味になってきたらしい。米国株はQE3の直後から実体経済を懸念して下落していますが、日本株は日銀の追加金融緩和と円安を期待して、米国市場とは相反する動きをしてきました。 しかしどうやら、日経平均の「たったひとりの反乱」は今日で終わった感じです。

日経平均は200日線で頭打ちになったものの、今のところは75日線より上にあります。従って日経平均はまだ下降に転じたとはいえませんが、有力な銘柄はすでに75日線を割り込んでいます。

7203「トヨタ」は200日線を4日連続して上回って」いたものの、肝心の5日目には200日線を下回り、トヨタの業績が上昇するという期待は肩透かしとなりました。

ついで今日は75日線を下回ったので、中勢的(2〜9か月)にもトヨタの株価が上昇することは難しくなったと思われます。

8306「三菱UFJ」は、200日線を上回ることがありませんでした。三菱UFJの業績は、そう伸びず、特に追い風は吹いていないと市場は判断したようです。

その後株価は3日連続して75日線を下回っているので、目先の三菱UFJ株は上昇することはない。そういう判決が出たと思います。 本来なら、日銀の追加金融緩和によって金融株はプラスの利益があるはずです(例えば、銀行が現在保有している国債価格が上昇すれば含み益がでる)。ところが金融株はほとんど上昇しませんでした。

個別銘柄のグラフからは、日経平均が上昇する余地はありません。来週の日銀の追加金融政策の発表と同時に、株価下落に拍車がかかるのではなかろうか。


(12.10.29) TOPIX 740P(-0)  日経平均 8929円(-3) 14.1億株 (9178億円)

米国の7-9月GDPは+2.0%の伸びと発表。予想の+1.8%よりもよかったが、企業の設備投資はマイナスで、その内容はよくなかった。

NYダウは13107ドル(+3)、ナスダックは2987P(+1)。ナスダックのボトムらしさは、@新安値の、A陽線(下ヒゲあり)、B9日順位相関が-800以下、C25日順位相関が-80以下との4ポイント(5分5分)となりました。

30日は日銀の政策決定会合、11月1日は米国ISM指数の発表、2日は雇用統計とイベントがメジロ押しです。

ナスダックはISMや雇用統計次第ではボトムを出す可能性があり、日経平均は、このままならジリ安になると思われますが、日銀の追加金融緩和の内容や米国株価の次第では、超えることができなかった200日線を突破することもありえます。11月2日までは方向性がなかなか定まらない。多くが様子見をしているはずです。


■■ Windows 8 の動作テスト ■■

10月26日にWindows8 が発売されたので早速購入(Windows8 Pro)し、それまで使っていたWindows7 のパソコンをアップグレードして、《カナル24》《Qエンジン24》などの動作チェックをしました。チェックをしたのは、次の点です。
  1. グラフが描画できるかどうか
  2. グラフ画面が印刷できるかどうか
  3. 計算(検索)できるかどうか
  4. 検索リストを印刷できるかどうか
  5. 最新バージョンがダウンロードできるかどうか
  6. HPから株価データをダウンロードできるかどうか
  7. ゼロから株価データが受信できるかどうか
  8. 《カナル24》のインストールがきるかどうか
いずれも問題なく動作することがわかりました。どうもWindows8は、これまでのXP,Vista,7 に、新しいスタート画面が付け加わっただけのようです。Windows8の「ウリ」はキーボードやマウスを使わずに携帯のように指で操作をするということのようですが、家にいてパソコンを操作するのであれば、キーボード・マウスを使うほうが早いし、細かな操作ができます。これから新しくタブレットを買うならともかく、すでにあるWindows7以前のパソコンにWindows8を入れてもメリットはない(どころか不便)と思われます。

なお《カナル24》などはタブレットには対応していないので、指で操作することはできません。(マウスが必要)


Windows8を起動すると、右図のような画面が現れます。画面にはタイルを呼ばれるアイコンが並んでいます。これをクリックするとそれぞれのプログラムが起動します。
  1. Windws7以前の画面にしたいなら、@の「デスクトップ」をクリックすれば次図のような画面になります。これまで慣れている画面です。

  2. プログラムをインストールすると、プログラムのタイル(アイコン)ができるようです。

    (タイルに表示されていないプログラムを使うときは、最後の図のGHの手順でプログラムの一覧を表示させます)

  3. 従来の画面(デスクトップ)に、よく使うプログラムのアイコンを作っておけば「デスクトップ」→アイコンをクリックで、そのプログラムを起動できます。

  4. 《カナル24》のアイコンをクリックすると、《カナル24》が起動します。

  5. 《カナル24》は従来と同じように動作します。

    (タイトル部の《カナル24》Ver.4.40の文字が旧は左寄りだったのが中央に表示されているのが違う程度)

    従来の画面(デスクトップ)には「スタートボタン」がありません。従って、この画面からWindows を終了することはできません。



  6. Windowsを終了するときは、画面右上隅または右下隅にマウスのカーソルを移動させると、

  7. 画面に「設定」が表示されます。

    「設定」をクリック→「電源」→「シャットダウン」でWindowsが終了し、電源が切れます。

    一番上のスタート画面には、わずかのプログラムのタイルがあるだけです。多くのプログラムはここには表示されていません。

  8. 普段はあまり使わないプログラムを使いたいときは、タイル以外の所を右クリックすると、

  9. 画面右下に、「すべてのアプリ」が現れます。これをクリックすると、右図のように小さいタイルが画面一杯に表示されます。ここから使いたいプログラムを探して、プログラムを起動します。


(12.10.30) TOPIX 733P(-6)  日経平均 8841円(-87) 20.3億株 (1兆2577億円)

米国はハリケーン(すでに温帯低気圧になったが)上陸で休場。今夜も休場。

日銀の金融政策決定会合が開かれ、日銀は買い入れ基金を91兆円(2013年12月まで)と決定。内訳は短期国債5兆円、長期国債5兆円、ETF0.5兆円、その他0.5兆円。

今回の追加金融緩和は、前月に引き続いてのものであったので、市場は「日銀はデフレ脱却に並々ならぬ決意をしているのではないか、よって国債の買い入れ枠も15兆〜20兆円になるのではないか」と期待する向きもありました。

私は2013年年末までにETFの買い入れ枠を2兆円上乗せすれば、日経平均が1000円上昇してもおかしくないと思っていましたが、ETFは0.5兆円と市場の予想の範囲内でした。また国債も10兆円と大方が予想していたので、11兆円ではサプライズはなかった。

市場は日銀の発表にガッカリし、日経平均は下落して75日線を割り込む。今年に入っての追加金融緩和の日とその後の日経平均の動きを右図に掲げましたが、臨時に決定された2月14日を除き、日銀が政策を発表した日が日経平均の小波動のピークになるか、今日のように下落を開始しています。スケジュールとして日銀の緩和策が発表されるまでは、期待感があって日経平均は上昇するものの、発表と同時に期待が裏切られて株価は下落する。この繰り返しです。

グラフを見ると、日銀の緩和策が発表されたあとは、日経平均は軽いときでも800円近く下落しています。今回は9月の緩和と合わせると21兆円の資金枠を拡大しているので、800円も下げることはないと思いますが、4〜500円は下げてもおかしくはない。8600円〜8700円あたりが下値のメドになるのではなかろうか。

ここ2年間は、日経平均は円相場に連動しています。日経平均は円レートと密接な連動をしています。日経平均は基本的には企業の業績を反映するものです。

日経平均が下落しているということは、企業業績が低下しているということです。その原因は円高です。従って、今の日経平均は企業業績を予想するまでもなく、円相場を見ていれば上るか下がるかが判断できる、という状況になっています。

民主党は2014年4月に消費税を8%にし、2015年10月に10%にするという法案を成立させました。私はこれは「自爆」の法律である。日本の経済を立て直すことが先決であろうと思っていますが、民主党は増税が先であると思ったようです。

ところで、消費税の引き上げには「景気条項」が付いています。すなわち2014年4月の半年前から景気をウォッチし、名目GDPが3%以上、実質GDPが2%以上でないと増税はできない(無理やりするかも知れないが)。これが法律として成立しています。

日銀は、このときまでに消費者物価指数を1%以上にするという責務を自ら掲げています。そうなるのであれば、2013年10月〜2014年3月にかけて、物価は1%上昇し、GDPは2%の上昇をする。合計で成長率は3%になるはずです。だがこれは「絵に描いた餅」です。そういう努力はまったくされていない。

2014年4月時点で、民主党は野党になっていましょう。仮に自民党が政権を担っているとしても「経済条項」がある限り消費税8%に増税することはできません。これをもって民主党が与党を攻めることができるのか。この3年間の政治空白(経済に限れば財政出動の稚拙さ)と日銀の金融政策は馬鹿馬鹿しいくらいに空虚なものです。


(12.10.31) TOPIX 742P(+8)  日経平均 8928円(+86) 18.2億株 (1兆1116億円)

米国は休場。

日銀の追加金融緩和が発表されて一夜明けましたが、海外では円高が進むことはなく、小幅ながら円安に振れました。このため円高を予想して売り込んでいた向きのショートカバーが入り、日経平均は昨日下げた幅の分だけ上昇する。

ただ決定会合前には、もっとボリュームのある追加緩和を期待して、円は80.39円まで売られていたのに、今日の円レートは79.58円くらいです。期待したほどの緩和のボリュームではなかったといえます。

米国が休場しているので、なんともいえませんが、円安になるには、@米国経済が伸びる→A米国長期金利が上昇する→B相対的に日本国債が割安になる→C円安になる、というコースです。米国経済の直近の姿を表現しているのはISM製造業景況指数です。

そのISM指数は11月1日に発表されます。6月7月8月の3か月は50%割れでしたが、9月は51.5%と回復しました。10月は果たしてどうなるのか? 7-9月期決算発表で、ハイテク・運輸・化学などの製造業が通期の見通しを下方修正しています。米国の製造業はよくありません。もし10月に再び50%割れとなれば、ちょっと米国株式は苦しい。

日経平均のグラフですが、200日線(黄色線)は景気の分岐点を示しています。景気が伸びていれば、日経平均は200日線の上位に位置します。逆に景気が減退すれば、日経平均は200日線の下位に潜ります。今は、日銀の金融緩和策を期待して、一度は200日線まで戻ったがこれを上回ることができず、200日線を下回ってしまいました。

先日発表された9月の鉱工業生産指数は、-4.1%減でした。7月以来3か月連続のマイナスです。来年1月からはプラスに転じるという見方もありますが、日本の輸出の多くは中国経済に依存するので、まだ期待の範囲を出ません。当面は日経平均は200日線で頭打ちするであろうと思っています。

個別銘柄においても200日線は重要です。企業の業績が伸びているときは、株価は200日線の上位にあるし、業績が悪化すると200日線の下位に下落します。

今、定点観測9銘柄のうちで株価が200日線より上位にあるのは、5713「住友鉱」だけです。あとの8銘柄(鹿島・新日鉄・ソニー・トヨタ・三菱UFJ・野村・NTT。ソフトバンク)は200日線を割り込んでいます。市場はこれら8銘柄の業績は伸びないと判断しているわけです。

株式を買うのはその企業が、今以上に利益をあげるだろうと予想するからです。その意味で株価が200日線を下回っている銘柄は買うことはできません。200日線を下回っていても買えるのは、株価がよほど200日線から下方に離れたときの「突っ込み買い」だけです。

右図でいえば(a,b,c)のところです。細かくいえば、@25日順位相関が0以下(欲をいえば-50以下)に低下しているときに、A9日順位相関が、25日順位相関を上抜く。といった状況のときです。8306「三菱UFJ」の9日順位相関と25日順位相関を見ると、25日順位相関はまだ上昇しています。@の状況になるにはもう少し時間がかかります。(7203「トヨタ」も同じ)。よって多くの銘柄はまだ買うには早すぎると思います。

(a,b,c)はそういう状況になったときです。「突っ込み買い」はリバウンドを取るのが目的なので、そう大きな値幅は取れません。


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