日経平均をどう見たか・判断したか (2012年9月)

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(12.9.3) TOPIX 728P(-3)  日経平均 8783円(-56) 15.9億株 (8401億円)

注目のバーナンキ講演は、必要ならQE3を実施するという内容でした。どういうときに必要と判断するのかは、どうも雇用を一番重視しているようです。よってQE3が実施されるかどうかは、今週末の雇用統計しだいということになりました。

QE3の可能性がでてきたことによって、NYダウは13090ドル(+90)、ナスダックは3066P(+18)と切り返す。ただし雇用統計がどのような数字になるのかは不明なので、米国株価の大幅上昇には繋がらなかった。米国の投資家はなお様子見のようで、出来高はNYSEが25.2億株、ナスダックが13.5億株とたいして盛り上がらず。

QE3の可能性が5分以上になったとして米国10年物国債利回りは、1.554%(-0.07%)と低下。これに連動して日本10年国債の利回りは0.780%(-0.015%)へ低下。日米の金利差が縮まったために対ドルの円レートは78.27円と円高へ振れる。日本にとっては円高というマイナス材料だけがクローズアップされました。

日経平均は75日線(8766円)まであとわずかの8773円まで下落。小波動のピーク9222円の日から10日目になっていることだし、75日線まで下落したので、この水準でひと反発があってよいところですが、あったとしても9000円まででしょう。

《エンドラ24》による下値メドが出ました。@最も軽い下落の場合は8627円、ABが8444円、C最も深い下落をした場合は8077円、となっています。

この3つの下値メドの扱い方ですが、 1)ユーロ問題が再発したときは、@の8600円、2)QE3がなかったときは、Aの8444円、3)ユーロ+QE3がマイナス材料になったときは、Bの8077円としておけばよいと思います。(Bはあまり考えなくてよい)


(12.9.4) TOPIX 726P(-1)  日経平均 8775円(-8) 14.6億株 (8236億円)

米国は休場。世界景気の後退がしだいに明らかになりつつあります。一方で財政規律の問題を、欧州も米国も日本も抱えています。景気の後退を財政出動によって好転させる手段は取れなくなっています。

残るは金融政策しかありませんが、金融政策の基本は金利を操作することによって、景気に関与していこうとするものです。金利が上れば投資や消費が抑えられます。逆に金利を下げることで投資を拡大し、消費(例えばローン金利の低下による需要拡大)が増えます。

だが現在の日本はすでに、10年物国債の利回りが1%を割っています。金利の操作で景気を拡大することはできません。低金利は当たり前になっています。

なぜこれほどの低金利になっても投資や消費が増えないのか? 基本は「将来の不確実性」が高いということです。@個人にとっては年金・健康保険制度がどうなるのかわからない、A企業にとっては、1)円高が進むのかどうか、2)電力が足りるのかどうか、3)厚生年金制度が維持できるのかどうか。政府はこういった根本的な方向性を出したことはありません。

ちょっと前の日経新聞の経済講座に次のような例がありました。それは、(A)の箱には10個の玉があって、4つは赤玉・6個は白玉がある。1回100円を払って、箱から玉を掴みだして、赤玉を取り出すと250円をもらえる(+150円の利益)。白玉だと-100円の損失。(100円を支払って+250円のプラス・-100円のマイナスは私が勝手に想定した)  一方(B)の箱には10個の玉が入っているが、その内訳はわからない。10個が全部赤玉かも知れないし、10個が全部赤玉かもしれない。1つだけ赤玉があって9つは白玉かもしれない。9つが赤玉で1つが白玉しれない。

(A)(B)の2つの箱があるとき、人は(A)を選ぶのか(B)を選ぶのか。答えは当然に(A)を選びます。(A)の場合は10個の玉のうち4個は赤玉であることが決まっています。だいたい40%の確率で赤玉を取り出すことができます。

(B)のほうは、そもそも赤玉が入っているのかどうか? 1つも入ってないならインチキではないか。10個が全部赤玉なら主宰者はいつも250円を支払うことになります。それは何のためにしているのか? とにかくうさんくさい。(B)を選ぶ人は少ないでしょう。ある程度の 確率があると判断できたときしか、投資はできないのです。

政府が日本の方向性を打ち出さない限り、今後の株式市場は(B)の箱の玉を引けというに等しい。確率が明らかなときは、その確率に応じて投資が行なわれ、消費されます。今の政府が最もいけないのは、@多くの問題について、こうしようという決断がない。A従って今後の見通しが立たない、B誰も将来のリスク(本当はリターンがあるはずだが)を取らない。その結果、C東京市場は閑古鳥が鳴いている。ということになります。


今年の日経平均の動きは異常でした。上図の(c'→H)の上昇を見て下さい。(c')から(H)まで、株価は、1度も75日線に絡むことがなかった。一本調子の上昇をしました。

しかし(H)からは逆に1本調子の下落をし、2012年の年初の水準まで下落したのです。「往って来い」でした。

青線の円レートは日経平均の動きにピッタリです。

日経平均が上昇できないのは、日経平均は円レートの従属しているからです。日経平均が下落するようでは経済政策はなかったか、間違いだったかです。その意味でも円安の方策をうちださなければならないのに、誰もそれをしない。政府・日銀にとって、日経平均は、通信簿なのです。

政府は近未来の日本のあるべき姿を提示しなければならないし、提示できない政党が政権を握ってはいけないのです。


(12.9.5) TOPIX 718P(-8)  日経平均 8679円(-95) 14.6億株 (8551億円)

8月のISM製造業景況指数が49.6であると発表されました。(5月)53.5→(6月)49.7→(7月)49.8→(8月)49.6 と3か月連続しての50割れです。

ただ米国景気の後退懸念がでたときは、QE3の期待が出てくるので、米国市場はそう下げません。昨日のNYダウの日中の動きを見ると、発表直後には12977ドルへ約100ドル下げたものの、その後は戻って13035ドル(-54)。

ナスダックはISMの発表直後に30Pほど下落したが、その後は上昇し3075P(+8)と高くなる。

日経平均は、昨日の足が下ヒゲであったので、75日線で止まるかの期待を持っていましたが、今日は75日線を割り込む。小波動のボトムらしさは、@新安値、A9日順位相関が-80以下の2ポイントでしかありません。明日B投資マインド指数が15以下になる可能性がありますが、それでも3ポイントです。なおボトムらしさの可能性は低い。

定点観測9銘柄のうち、2銘柄が年初来安値をつけました。

5713「住友鉱」は、先の小波動のピーク905円をつけたときがちょうど75日線の水準でしたが、結局75日線を上抜くことができませんでした。

6758「ソニー」は、75日線を上抜くどころか、25日線も上回れないという反発力のなさでした。

やはりというべきか、75日線を上回ることができなかった2銘柄が年初来の新安値となりました。


(12.9.6) TOPIX 719P(+0)  日経平均 8680円(+0) 15.5億株 (8805億円)

米国は6日のECB理事会、7日の雇用統計という大きなイベントを前にして小幅な動き。NYダウは13047ドル(+11)、ナスダックは3069P(-5)とまちまち。

同じく日経平均も材料がなく、小動きに終始する。 最も大きな材料がこの両日で出てきますが、これをきっかけとして、下落が加速するのか、あるいは反転上昇するのかは予断を許しません。

ただグラフからは、小波動のピーク9222円から13 日間の下落をしているし、今日で6日連続陰線となっているので、少しずつではあるがボトムに近づいていることはたしかです。

小波動のボトムらしさは、今日のところ、@新安値、A9日順位相関が-80以下、B25日投資マインド指数が15以下、の3ポイントです。 まだポイントが不足しています。

今後ボトムらしさのポイントが加点されるには、C新安値の陽線になる。D条件表No.1が買いマークを出す(今のところ8500円台に下げなければマークは出ない)、E25日順位相関が-80以下になる(5〜6日かかりそう)、F25日騰落レシオが75以下になる(現在は87.1とまだ高い)、といった状況にならねばなりません。

Cは明日にでも実現する可能性がありますが、DEFは来週中に実現できるかどうかというところです。

グラフからは来週一杯はボトムを出しそうにありません。ただECBの理事会決定、米国雇用統計の結果によっては早々にボトムを出すかも知れませんが、たぶん大きな反発にはつながらないのではなかろうか。世界の株価は低迷する可能性が高い。


(12.9.7) TOPIX 735P(+16)  日経平均 8871円(+191) 19.7億株 (1兆 866億円)

ECBは南欧の国債を無制限に買い入れする計画を発表。これを受けて欧州市場は2〜3%の大幅上昇となる。

米国はECBの材料はある程度織り込んでいましたが、8月のISM非製造業景況指数が(7月)52.6→(8月)53.7と予想の52.5以上に上昇したことや、ADPの雇用統計がよかったことから、景気減速懸念が後退し大幅上昇。

NYダウは13292ドル(+244。+1.87%)、ナスダックは3135P(+119.+2.16%)。 ナスダックは、(c)の高値3134Pは2000年11月以来の高値でしたが、昨日は3135Pとこれを更新。

(f)でピークをつけて一旦下落すれば判りやすい波動になったのですが、(f)(G)では小波動の表示は出ないことになりました。中勢モデル波動に当てはめると(A→B→C→d→e→f→G)の段階にあるといえます。(G)からの上昇は中勢波動最後の段階で、あとはピーク(H)が残っているだけです。今後は、@どこまで上昇し、Aどこで急落をするのかを見届けることになります。

欧米市場の上昇を受けて日経平均は高く寄り付く。ただし寄り付いた後の値幅は67円幅で、新規の買いが出ているとはいいがたい。売買代金も1兆円そこそこと増加しなかった。

今日のところは、円高を理由に売られていた輸出関連株の買い戻しによる上昇です。株価も買い戻しによる限界の9日線までの反発でした。

ただピーク(D)から13日間下落し、昨日まで6陰連となって悲観人気を表現していたものが、75日線を2ほど下回っただけで、窓を空けて反発したのですから、(e)はボトムとなった可能性が高いと思います。 問題はどこまで戻るかです。今夜の米国雇用統計と米国市場を見なければわかりませんが、一応は(D)の9222円を目指す動きになったのではないかと思います。

ただ、株価が持続的に上昇するには、景気(業績)の裏づけが必要です。目下のところ米国を除いて、欧州・アジア・日本の景気は減速しています。日本企業の2013年度の業績は昨年の段階では+30%くらいアップするの予想でしたが、今年にはいると+20%に減り、欧州がマイナス成長になると+10%台に落ち、今では+10%に届かないというのが大方の予想です。

株価の基調はどんどん弱くなっているといわざるを得ません。日経平均は、まずは景気(業績)を表現する200日線を目指すと思いますが、200日線をアッサリ上抜くようなら(D)を更新することもありえます。しかし 逆に25日線や200日線をなかなか上抜けないようであれば、中国(上海総合)のように(A)を下抜く下落に転換してもおかしくありません。今年はあまり強気のスタンスを取る状況ではないと思っています。


(12.9.10) TOPIX 737P(+2)  日経平均 8869円(-2) 14.5億株 (8171億円)

注目の8月の米国雇用統計は、予想(+12.5万人増)を裏切り+9.6万人増でした。

米国の景気が順調に回復しているといえるには、+15万人増が最低ラインです。ところが8月の発表と同時に7月は+16.3万人から+14.1万人へと下方修正されたので、ここ半年間(3月から8月まで)は+15万人を超える雇用が発生しなかったことになります。 景気の回復は思わしくありません。

ただそうなると、FRBはQE3に踏み切るだろうの期待が大きくなり、米国株は下げなかった。 NYダウは13306ドル(+14)、ナスダックは3136P(+0)。

今月12〜13日のFOMCで、QE3が決まれば米国の株式相場には大きなプラスです。FRBは物価・株価を上昇させようとしていることが明らかになるからです。(マネーがじゃぶじゃぶ出てくれば、株価や物価は上昇する)

QE3の実施があれば、短期的には米国国債の利回りは下がります。これに合わせて日本国債の利回りも低下しますが、米国ほどには下がらないので、相対的に日本国債は有利になり、米国債売り・日本国債買いの動きから円高に振れます。これは日経平均にとっては短期的にマイナス材料になります。ただQE3によって中期的に米国経済が伸びるなら、これは日本にとってもプラス材料です。

QE3が近々あるのかどうかが不明だし、QE3があったとしても日本市場が、短期的にはマイナス材料と受け止めるのか、中期的にプラス材料と受け止めるのかの判断ができなかったので今日の日経平均はほとんど動かず。(私はプラス材料と受け止めるのが正しいと思います)

日経平均は動かなかったけれど、個別銘柄は安値からの「3陽連」を出すなど、株価上昇がスタートしたらしいものが出てきました。

5401「新日鉄」は、中国が1兆元(12.5兆円)の公共投資を認可したことから、中国関連株として上昇。75日線を上回れば、先のピーク179円を上抜く可能性があります。

7203「トヨタ」は小波動のボトム3050円を表示して「3陽連」。75日線・200日線で下げ止まったので先のピーク3300円を上回る可能性が大。

8306「三菱UFJ」も「3陽連」となりました。2日前のザラバ安値は349円とボトムを切り下げているし、ピークも398円→387円→375本と切り下げているので、少なくとも直前のピーク375円を上回らないと反転したとは判断できません。

ただ多くの銘柄は小波動が上昇波動に転じたようです。


(12.9.11) TOPIX 732P(-5)  日経平均 8807円(-61) 13.1億株 (7496億円)

世界経済が減速していることははっきりしているので、今の株価には「減速」は織り込まれていると思われます。

景気減速を食い止め、これを拡大に転じるためには、@欧州債務問題をなんとか押さえ込む、A米国がQE3を行なう、B中国が景気テコ入れをする、といった対応を株式市場は期待していますが、今週はそのイベントが集中します。それまでは株価は動きようがない。

NYダウは13254ドル(-52)、ナスダックは3104P(-32)。米国市場は@の進展を囃して上昇したものの、思わしくなかった雇用統計がAQE3の実施に繋がるかどうかどうかが不確かなため反落する。 日経平均は、米国株価の下落を見て安く寄り付いたが、日中の動きは乏しく動きがまったくなかった。

図は左が日経先物、右がTOPIX先物のグラフです。

日経先物は、小波動のピークとボトムが切り上がっているので、まずは今後は上昇するように思えます。

TOPIX先物はボトムは切り上がっていますが、ピークは切り下がっているので、「三角もちあい」をしています。

TOPIXは上に行くのか下にいくのかの予断はできません。ただ気になるのは昨日・今日の出来高は異常な水準になっていることです。日経先物はほとんどが見送りで参加者は少なく出来高は少ない。これはうなづけます。ところがTOPIXの出来高は先週末から、46000枚→83000枚→135000枚と、4倍に膨れています。

9月のSQにからんでの売買が出ているのだろうと思われますが、75日線より下でSQを迎えたときは、その後株価は上昇していることが多いので、SQの前日の13日の日経平均・TOPIXを注目したい。


(12.9.12) TOPIX 741P(+9)  日経平均 8959円(+152) 15.4億株 (8731億円)

12日〜13日のFOMCを控えて米国は小幅高。 NYダウは13323ドル(+69)、ナスダックは3104P(-0)。

右図の青色の数字はISM製造業景況指数です。6月・7月・8月と景気判断の分かれ目である50を下回っています。

図にはありませんが、直近で50以下であったのは2009年6月の49.2でした。それ以来34か月間は50を超えて推移し、米国経済はジワジワと景気を回復してきました。

この回復はタダでできたものではありません。リーマンショック後に就任したオバマ大統領は7000億ドルの財政出動をし、FRBはQE1(2008年11月)で1兆7000億ドルの量的緩和をし、続いてQE2(2010年11月)で6000億ドルの国債買い入れを行ないました。政府が7000億ドル、FRBが2兆3000億ドル。合わせて3兆ドルです。円に換算すると2400兆円。

この結果が、米国経済を下支えしてきたのですが、ここ3か月は息切れをしています。景気減速をさせずに雇用を増やすために、こんどのFOMCではQE3の実施がほぼ決まりの予想が大勢となっています。

経済状態を重視すれば、ナスダックは7月以降は株価が下落し、200日線を割り込んでもおかしくないところでしたが、QE3の期待によって逆に株価は上昇し、2000年のネットバブル以来の高値を更新しています。昨日の株価3104Pと200日線の2895Pの差が、QE3の期待によるものです。すでにQE3は当然あるものとして株価が形成されているので、もしQE3が実施されなかったり、規模が小さかったりすると、ナスダックは200日線に向かって下落する可能性があります。


欧米市場があまり変化がなかったので、日経平均は少し小高く寄り付いたが、その後は先物が主導してこの2か月にはない大きな陽線となる。

前日比で大幅高となったのは3日前の9月7日に+191円(-2.20%)というのがありましたが、この日は小さな陽線でした。

陰陽足の幅が小さいのは、東証の9:00〜15:00までの9時間に東証市場が何も決定できなかったということです。海外で決まった米国株価・円レート・日経先物の値段に翌日の寄り付きでサヤ寄せして、その後の東京市場の判断による株価の変動は極めて小さい。

東京市場での売買のシェアは外国人が60%(時として70%)です。日本人投資家は30〜40%の力しかもっていません。今のままではそのうち外国人投資家のシェアは80%となりえます。要するに日本人投資家は自身の考えを相場に反映できずに海外の相場に依存せざるを得ない。日本は貧乏になりつつあるのだなという思いです。日本の経済力が低下してから、領土問題が頻発しているのは、日本が舐められている証拠です。 なんとかして日本経済を活性化せねばなりません。

今日の日経平均の動きは、14日のSQからみによるものだったと思われます。久しぶりに大きな陽線が出ましたが、買売代金は8700億円ほどであり、一部の投資家が日経先物を上げ、裁定取引による現物株の売買で日経平均が上昇したという構図です。今日の日経平均の上昇はややマガイモノで あるような感じです。


(12.9.13) TOPIX 744P(+2)  日経平均 8995円(+35) 12.8億株 (76971億円)

米国は小動きで小幅高。 NYダウは13333ドル(+9)、ナスダックは3114P(+9)。

出来高はNYSEが33.9億株、ナスダックが16.6億株できているので、昨日の米国市場は、様子見で動かなかったのではなく、QE3に期待する向きと、そうでない向きがガップリと組み合ったという感じです。

QE3の実施が「ある・ない」にせよ、明日の米国株価は大きな動きをしそうです。

日経平均は、円レートが77円台になっていることから、下げて当然の環境下にあります(条件表No.41「円レートから日経予想」では、今日の妥当な日経平均は8785円となっている)が、昨日・今日は9月限の先物・オプションのSQの思惑から逆に上昇しています。株価は9000円を挟んでの動きでしたが、売買代金は7600億円と少なく、一部の投資家によって日経平均が変化しました。

だがこの思惑による先物主導の相場は今日で終ります。また目先最も重要な材料はQE3ですが、これも今夜(深夜1:00ころ)には判明するので、明日からはまともな日経平均の動きになります。

それにつけても、最近の相場は海外要因が大きな材料となっているので実に難しい。@ユーロ問題、A米国の金融政策、B中国経済の行方、C円レート。10年前はこのような要因はあまり考えなくてよかった。儲かっている企業を見つければ、投資をしてなんとか利益をを出すことができました。

だが今の株式投資家は、企業業績以外の上記のことを余分に考えなければならない。昔と違って、株式投資をするには結構高いハードルを超える必要があります。日本企業の業績を知るだけではなく、ある程度の経済学の知識(@A)を持ち、海外の動向(@ABC)を日々把握しておかねば、なかなか利益を出すことができません。

日経平均はザラバで9000円に達しましたが、200日線の8998円で止まりました。いつもいうことですが、200日線は日本の景気の拡大・縮小の分岐点です。

ちょうど日経平均は200日線まで上昇してきましたが、果たしてこれを上抜くことができるのかどうか。その傍証として7203「トヨタ」のグラフを見ると、(a)までは「3陽連」で強い上昇力をもった反発でした。しかし(a)以降は(a)の高値を上抜くことができていません。

8306「三菱UFJ」は、(a)で「3陽連」、その後も「3陽連」となって動きはよいのだけれど、出来高は次第に縮小しています。先の重要な小波動のピーク387円を上回ることができるかかどうかは疑問です。

製造業の雄のトヨタと金融業の三菱UFJが、まだ中勢波動の上昇を決めかねている現状では、日経平均が高くなったからといって、諸株を買ってよいことにはなりません。


(12.9.14) TOPIX 756P(+12)  日経平均 9159円(+164) 24.9億株 (1兆6268億円)

FOMCはQE3の実施を表明。内容は、@MBS(住宅ローン担保証券)を毎月400億ドル買い入れる。Aこれは雇用が改善するまで期限を設けない。B低金利は2015年まで延長する。というものでした。

毎月400億ドルということは、1年に4800億ドルなのでQE2の6000億ドルに比べると少ないように感じますが、驚いたのは「無期限」で買い入れるということでした。雇用の改善とはどうやら失業率が7.0%を割り込むのを目標にしているようです。

2008年のQE1から約4年かけて失業率が1%程度低下したことを思えば、今後1年や2年で失業率が7%になるのは難しい。つまり向う2〜3年は毎月400億ドルのマネーが供給されることになります。2年間続けば合計9600億ドル、3年続けば1兆4400億ドルです。現在のFRBの資産の5割増しになります。マネーはこれから50%も供給される可能性があります。

NYダウは13539ドル(+206)、ナスダックは3155P(+41)と上昇。ただ急騰しなかったのは、すでに@Bは株価に織り込み済みであったためでしょう。 出来高はNYSEが43.5億株、ナスダックが18.4億株と急増。

日経平均は米国株高から高く寄り付く。日本にとってQE3のマイナス材料は円高に振れるのではないかということでしたが、意外にも円高は進まなかった。

これによって先のピーク(D)9222円に肉薄する9193円まで上昇しましたが、3連休を控えていることもあって、少しダレて終わる。

出来高は24.9億株、売買代金は1兆6000億円と久々の大商いとなり、方向は明らかに上を向きました。たぶん(D)の9222円を上抜くことは必至でしょう。

ただ円高が回避できたとはまだ判らないし、QE3によって米国景気がすぐに回復し→日本の輸出が増えるというものではありません。このまま日経平均が急角度で上昇することは考えにくい。だいたい9300円〜9400円が当面の上値になるのではないかと思っています。

それにしてもバーナンキ議長はたいしたものです。今回のQE3によって、@マネーが一層あふれる→Aマネーは投機資金に流れる→B株高・商品高となる→C米国の消費が増える→D雇用が増える。という連鎖が期待できます。なにしろ米国GDPの70%は個人消費が占めています。個人消費が上抜けば、景気はよくなります。

別の連鎖は、@マネーが一層あふれる→Aドル安になる→B米国の輸出が増える→C雇用が増える、となります。量的緩和をすることで雇用を確保しようとしているわけです。QE3の目的は、1)消費の喚起、2)輸出の増加です。

ただしマネーがジャブジャブ供給されると、当然のことながら物価は騰がります。お金の値打ちが下がるからです。QE3の発表があってから、原油や金は上昇しました。量的緩和はインフレを期待させる政策です。これがあまり効きすぎれば、インフレの弊害が前面に出てきます。バーナンキ議長は、インフレをコントロールできる自信があるのでQE3に踏み切ったのです。量的緩和は意味がないとする日銀とはえらい違いです(要は日銀は物価のコントロールができないと、その無能を認めている)。


(12.9.18) TOPIX 758P(+1)  日経平均 9123円(-35) 17.9億株 (1兆1941億円)

QE3の発表後3日が経ちましたが、NYダウは、13539ドル(+206)→13593ドル(+53)→13553ドル(-40)。

ナスダックは3155P(+41)→3183P(+28)→3178P(+5)と、初日の上げ幅はそこそこ大きかったが、思ったほどには上昇していません。

過剰流動性が供給されることによって、原油や金が上昇するかとも思われましたが、一時100ドルの乗せたWTIは、昨日は94ドル台まで下落するなど、動きは鈍い。

米国国債の利回りが上昇しているのも合点がいきません。一昨日の10年物国債の利回りは1.871%で、昨日は1.845%です。QE3の発表前日は1.763%であったので、QE3によって逆に国債利回りが0.1%上昇したわけです。QE3の買い入れt対象資産をMBSとしたので、国債利回りが低下しないのだとかの論評もありますが、国債を上回る信用力のある債券はありません。信用力の劣るMBSが買われて利回りが低下し、最も信用力のある国債が売られて利回りが上昇するという状況はおかしい。

米国国債利回りが上昇しているので、日本国債は相対的に割高になり、したがって円高が進まない。QE3前の円レートは77.66円でしたが、今日は78.65円です。1円ほど円安になっています。1)株価上昇はそれほどでもなかったこと、2)商品市況もたいして上昇しなかったこと、3)金利が低下していないこと、などからどうも今回のQE3の市場に対する影響力はQE1・QE2に比べてインパクトが欠ける感じです。

《デンドラ24》の4%による日経平均の上値メドを掲げておきます。下から順に、@9113円、A9287円、B9378円、C9898円、です。

@の9113円はすでにクリアしています。多くの場合、AかBで小波動のピークを出すので、A9287円〜B9378円を当面の上値メドとしておきます。大雑把にいえば9350円前後です。

現在の小波動のピークらしさは、1)新高値、2)9日順位相関が+80以上、の2ポイントでしかありません。

3)9287円をクリアすれば、4)条件表No.1「日経平均用(2012)」が売りマークを出すだろうし、5)新高値の陰線となれば、ここでピークの確率が5分5分になります。 日経平均は9300円を超えるまでは、まだまだ過熱しているとはいえません。


(12.9.19) TOPIX 764P(+6)  日経平均 9232円(+108) 20.7億株 (1兆3922億円)

米国は小動き。NYダウは、13564ドル(+11)、ナスダックは3177P(-0)。

WTIは続落となって、EQ3の前日の98.31ドルを2日連続して下回る。過剰流動性の増加よりも、世界経済の停滞を懸念しているようです。

日銀は金融政策決定会合で、@資産の買い入れ基金を70兆円から80兆円に拡大する、Aその内訳は長期国債を5兆円、短期債を5兆円とする、B長期国債は2013年12月まで買い入れる、といったことを決定。

1)2月14日に買い入れ基金を55兆円から10兆円積み上げて65兆円にしたときはサプライズがありました。日銀単独の金融政策であったからです。日経平均は前日の8999円から上昇を加速し、3月27日には10255円へと1256円(+14%)の上昇をしました。対ドルの円レートも77.64円から84.17円へ6.53円の円安(+8.4%)の円安に振れました。

2)4月27日には、基金を65兆円から5兆円上乗せして70兆円としましたが、これは株価には響かなかった。どころか5月に入って欧州の財務問題によって大幅下落の端緒となってしまいました。

3)今日の70兆円から80兆円への積み上げの効果はどうなのか?

今日の株価や為替の動きを見ると、すでにこのプラス材料はほとんど織り込まれてしまった感じです。

1)の2月14日の55兆円→65兆円は+18%の増加です。2)4月27日の65兆円→70兆円は+7.7%増加です。3)今日の9月19日の70兆円→80兆円は+14%の増加です。

今回の政策会合の決定の内容は、@2月14日に比べて基金の増加率は低いし、AECBの無期限・無制限の国債買い入れやFRBの無期限・無制限の国債買い入れが決定した後に基金の増加をました。日銀は円高を防ぐためにシブシブ80兆円と決定したということが見え見えです。

今後も円安方向に引っ張っていくとか、デフレから脱却しようとする意欲がうかがえない。市場はとりあえずは歓迎して日経平均は上昇しましたが、ザラバ高値9288円をつけた後は下落して9232円で終わりました。この結果、今日の足は陽線ではあったけれど、上ヒゲが長く9300円を上回ることができませんでした。ドル/円は一時79.20円まで円安が進んだものの、今これを書いている19:00現在では79.00です。

グラフは一応、先の(D)点9222円を上抜いたので、中勢モデル波動の(A→B→C→D→E)が確定しました。今後は(F)点に向かって上昇するのですが、どうも(F)点の水準は低いようです。《デンドラ24》の上値メドのA下から2番目の9287円は今日クリアしました。次は下から3番目の9378円が目標となりますが、今日の引け値からわずか150円ほどしか上昇の余地はありません。

今日の小波動のピークらしさは、@新高値、A9日順位相関が+80以上、の2ポイントですが、明日のザラバ高値が今日のザラバ高値の9288円以上であれば、B条件表No.1が売りマークを出します。ついでC明日が陰線になれば「新高値の陰線」となり、Dザラバ高値が9378円をつけると合計で5ポイントになります。

モデル波動の(E→F)の上昇はあまり大きなものにならないのではないかと思っています。


(12.9.20) TOPIX 753P(-10)  日経平均 9086円(-145) 19.0億株 (1兆2924億円)

米国は3日連続して小幅な動きが続く。NYダウは、13577ドル(+13)、ナスダックは3182P(+4)。

米国の8月の中古住宅販売件数は482万件(予想456万件)と前月より+7.8%伸びる。米国では新築住宅の着工件数よりも中古住宅の売買のよほうがよほど重視されています。

不動産価格が下げ止まり、住宅ローンの低金利が進んできたので、中古住宅の売買が増えてきたものと思われます。これは米国経済にとっては大きなプラスです。

一方でWTIは3日続落。それも大幅下落です。グラフでは75日線の近辺まで下げそう。


日銀が緩和策を発表して一夜が明けると、円高に振れていました。今日は78.15円/ドルと1円の円高。これは対ユーロも同じで、昨日の103.38円/ユーロから今日は101.54円/ユーロへ1.84円の円高。 日銀の緩和策は円安に導くことはできませんでした。

図の青色の折れ線は円レートです。円安のピークに(abcd)の符号を振っていますが、(a→b→c→d)は順次切り下がっています。(a)は81.56円、(b)は80.40円、(c)は79.50円、(d)は79.10円です。

円高のピーク(ABC)も順次切り下がっており、(A)は78.19円、(B)は77.98円、(C)は77.61円です。明らかに円は円高のトレンドにあります。ところが日銀はこれを放置したままにしています。

日銀はCPI(消費者物価)が一定期間、+1%を超えるようになるまでは金融緩和を続けるといいましたが、日銀がどのような政策をとればCPIがアップし、デフレから脱却できるのかの道筋を提言していません。物価が上るまではただただ金融緩和を継続する。つまり日銀はCPIはコントロールできない、受身の立場であるという弁明です。物価も為替もコントロールしようとしない(できない)日銀とは、一体何なのでしょうか。

その点バーナンキFRB議長は腹をくくっています。今回のQE3は、1)株式相場を上昇させ、2)商品相場を上昇させることで、個人消費を拡大し経済拡大を進める。次にMBS(住宅ローン債券)を買い入れることで、3)ローン金利を低下させて不動産の相場を底入れさせ、不良債権の拡大を終わらせる。4)その結果、住宅の新規取得が活発になる。住宅は個人にとって最大の買い物です。また住宅を取得すると、それにともなう消費が拡大します(電化製品・インテリアなど)。QE3にはこういった明確な目標があります。

憂慮すべきは、3%を超えるような物価上昇が発生するかも知れないことです。例えば原油が上れば、ガソリンの値上げによって米国の消費は減少します。金融緩和によってドル安が進むと輸入物価は上昇します。下手をすると、経済が停滞しているなかで物価だけが上昇するというスタグフレーションに陥るかもしれません。米国のQE3は結構危いといえますが、バーナンキ議長はインフレをコントロールできると思っているはずです。

日経平均のグラフは、今日1日で悪化したような印象を与えますが、昨日が小波動のピークであったとはまだいえません。@小波動のピークらしさはまだ2ポイントでしかないこと、A《デンドラ24》の下から3番目の上値メドの9378円が未達成であること、B逆張りの条件表No.1が売りマークを出していないこと、がその理由です。

米国株価や円相場によって、9378円(《デンドラ24》の下から3番目の上値メド)を取る可能性はまだ十分にあると思っています。(9378円を取れば、小波動はピークになる可能性が高い)


(12.9.21) TOPIX 756P(+2)  日経平均 9110円(+23) 16.0億株 (1兆 270億円)

米国は小幅な動きに終わること4日連続です。QE3の発表後はほとんど株価の動きはありません。NYダウは、13596ドル(+18)、ナスダックは3175P(-6)。

QE3によって米国国内の経済はプラスになるはずです。その理由の1)は低金利のローンによる個人消費が増加すること。その2)はドル安による米国企業の輸出ドライブがかかること。これは雇用を増やします。

しかし米国以外の各国は、今後発生するであろうドル安によって、米国に対する輸出がしにくくなります。一番影響を受けるのが中国です。米国への輸出採算は合わなくなってきているようです。(ダンピング輸出の嫌疑もかけられている)。またユーロ圏の経済が後退しているので、ここへの中国の輸出は毎月毎月減少しています。

中国はすでに歴史的な経済成長のピークを打ったものと思われます。その国の経済成長を端的に表現するのは株価です。次図は2007年〜2012年の5年間の「上海総合」のグラフです。


(a)は2007年10月の6124P。これが上海総合の史上最高値です。そこから1年後の2008年10月には1664Pまで暴落しました。1年間で株価は1/4になったわけです。2008年9月にはリーマンショックがあったので株価下落が加速されたことがありますが、この段階で中国の驚異的な経済成長の期待は消滅しました。

中国政府は(A)で、4兆元(当時は50兆円にあたる)の財政出動をしました。その結果(B)2009年8月には3478Pまで株価は上昇します。だがこの財政出動の効果は1年間しか持ちませんでした。(B)以降の株価の小波動のピークは次々に切り下がっています。中国経済は2009年8月以来の3年間はずっと停滞しています。この状況について、@景気循環による停滞である、A中国経済は趨勢的に成長力を失った、の2つの見方がありますが、私は、中国の経済成長(国力)はピークを打ったのではないかと思っています。


右図は「週間・東洋経済」の2009年11月28日号の記事から描いた「経済成長のスイートスポット」のモデル図です。赤色線は出生率、青色線は死亡率です。出生率と死亡率の差は人口の増減をもたらせますが、これは経済成長に大きな影響を与えます。

  1. ステージ1は(人口からは)経済成長ができない時期です。子供はどんどん生まれる(出生率が高い)が、同じように死亡率(とくに幼児の死亡率)が高い。従って生産に従事する人口は変わらない。そのため経済成長はできない。

  2. ステージ2は、出生率はあまり変わらないが、死亡率が低下します。これは多くは海外の支援によるものです。私もユニセフにときどき寄付しますが、1万円の寄付で何千人かに予防接種をすることができます。この結果子供の死亡率が低下する。もちろん日本の江戸時代のように戦乱の時期がなければ自力で人の命を長めようとする努力が行なわれます。ただこの時期は人口は増加しますが、増加分は幼児ばかりであるので経済成長には影響しません。

  3. ステージ3は、出生率は低下するが死亡率は変わらない(死亡率は低いまま)という時期です。ステージ2によって人口が増加しますが、これが生育して労働力として役だつ時期になります。 この時期は国が経済成長をするために最も適した時期になります。人口は増えないが生産に従事する労働人口は最も多い。(そのためにスイートスポットと名づけられた)。中国経済は、この時期を迎えて驚異的な経済成長をしたわけです。

  4. 次のステージ4は、出生率も死亡率も低下するという時期です。ステージ1(図のA)と同じような人口環境にもどります。今の日本がこれにあたります。つまり労働人口は増えないので(労働人口という面からは)経済成長は期待できません。
要するに各国の経済成長力の一面は、労働人口に依存しています。各国の労働人口から予想される経済成長は次のようになります。(その国の出生率と死亡率がどのような推移をしているかを調べ、これを将来にあてはめれば、何年にステージ3に入り、何年にステージ4になるのかの予想ができます。)
  1. 日本の経済成長は終った。ステージ4になった。(ドイツ・ロシアも同じ)
  2. 中国の経済成長は終りに来ている。ステージ3の終末。(韓国も同じ)。
  3. ブラジルの経済成長は2020年ころまで続きそう。ステージ2から3へ移行したばかりの状況。
  4. 米国の経済成長は2025年ころまで続きそう。これは米国に移民が増えているために労働人口が減少しないため。
  5. インドの経済成長は2040年ころまで続きそう。ステージ2から3へ移行したばかりの状況。
  6. インドネシアの経済成長は2045年ころまで続きそう。(メキシコ・イラン・トルコ・ガーナも同じ)
中国・韓国は労働人口の面からは、経済成長のピークを過ぎつつあります。


(12.9.24) TOPIX 753P(-2)  日経平均 9069円(-40) 14.1億株 (9133億円)

米国は5日連続で小動き。NYダウは13579ドル(-17)、ナスダックは3179P(+4)。

QE3の発表後の米国市場は、@材料が出尽くしたので世界経済の後退懸念を持つ向きと、AQE3の効果は次第に株価に効いてくると見る向き、の2つがあるようです。従って高値圏で上げもせず・下げもせず、方向を決めがたいという状況だろうと思います。

ただマネーをジャブジャブ供給すれば、必ず株高になり→物価は上昇し→消費が拡大し→設備投資が増えます。(それが思ったとおりの量になるかどうかは別にして)。QE3はいずれ米国株価を上昇させるはずです。

ナスダックの小波動のピークらしさは、@新高値の、A陰線、B25日順位相関が+80以上 の3ポイントです(4ポイントで5分5分)。

日経平均はやや円高に振れたことから小幅安となったが、売買代金は9100億円と1兆円を割って、市場参加者は少ない。

米国FRBがQE3に踏み切った目的は、@過剰流動性による株高・物価高→個人消費を拡大させる、Aドル安によって米国輸出の拡大→雇用の増加をもくろむ、B今度のQE3は特に住宅ローンの金利の低下を促し→地価の下落をストップさせて→新たな住宅需要を惹起させる、の3点ですがメインは@の株価上昇をターゲットにしていると思われます。

日本がもしQE3と同じことをしたらどうなるのか? @の株高が起きたとしても特に消費が拡大することはないでしょう。多くの個人は株や投信を買っていないので、株式が上昇してもフトコロが暖まり消費に回るのはごくわずかです。

しかしAの円安は響きます。国内の雇用が減ることを防ぎます。一方では輸入物価が高くなるというマイナスもありますが、物価がある程度上昇することは消費を嵩上げします。大きな買い物をするときに、デフレの時期にはもっと安くなるとして消費は出ませんが、少しずつでも物価が上昇しているならば、今買うと最も安く買えるのです。消費は先送りされることはありません。

B住宅ローン金利の低下については、日本はあまり関係はありません。デフレによって住宅ローン金利はすでに1%を割る銀行もあります。これ以上の金利低下が住宅需要を喚起することはありません。

このようにFRBは3つの目的を持ってQE3という量的緩和を実施しましたが、日本は量的緩和によって経済にプラスになるのはA円安誘導しかありません。@株高によっては日本のGDPは消費の拡大には結びつきませんが、企業の株価が高くなれば、自社の高い株価をもとにしてM&Aが活発になる可能性はあります(少しはプラス)。

日本がQE3と同じ金融政策をとれば、@の半分くらいのプラスとAの円安のプラスが期待できたのです。だが日銀はそうはしなかった。1年後に現在70兆円の資産買い入れを80兆円に拡大する。1年間で10兆円のマネーを供給すると決定しました。 米国FRBが毎月400億ドル(3.2兆円。1年で約40兆円)を供給するとしているのに対して、あまりにもみみっちい。本気で日本経済をリードする覚悟があるのか疑わしい。


(12.9.25) TOPIX 757P(+3)  日経平均 9091円(+22) 17.4億株 (1兆 732億円)

米国は6日連続で小動き。NYダウは13558ドル(-20)、ナスダックは3160P(-19)。

ナスダックは明日のザラバ高値が3143P以下であれば、小波動のピークを表示しますが、昨日の終値が3160Pであるので、よほどのことがない限りピークは表示されそうにありません。

昨日株価は9日線を下回りましたが、これが3日連続して下回るのかどうかを注目。

米国は米国経済がどうなるのかを注視しているところですが、今週は、@27日に耐久財受注と失業保険申請件数の発表があるくらいです。やはり大物は来月に入ってからのAISM製造業景況指数、B9月雇用統計なので、米国株は来月に入らねば動くきっかけがありません。

円レートが77円台後半までアップしたので、今日の日経平均は下げてもよいところでしたが、今日は9月の配当の権利付きの最終売買日であったので、配当取りの買いが出て小高く終わる。

ただ明日の配当落ちは70円というから、明日の日経平均は-70円安となってもおかしくありません。だいたい9020円が妥当。日経平均は明日のザラバ高値が9137円以下であれば小波動のピークを表示します。ほぼ確実に明日はピークを表示するでしょう。

TOPIXの配当落ちはどのくらいなのかは判りませんが、-8Pとすれば明日の妥当TOPIXは749Pです。明日のTOPIXのザラバ高値が751P以下であれば小波動のピークを表示するはずなので、明日ピークが表示されてもおかしくない。

もし日経平均の青●の日(ザラバ高値9288円)の日にピークの表示がでたならば、●の翌日から今日まで、まだ4日間しか下げていないので、少なくとも今週一杯は下げそうです。


(12.9.26) TOPIX 742P(-15)  日経平均 8906円(-184) 14.6億株 (1兆 88億円)

米国は下げる。NYダウは13457ドル(-101)、ナスダックは3117P(-43)。

7月のケース・シラー住宅価格指数は前年同期比で+1.20%(予想は1.05%)と、米国の不動産価格はいよいよ底打ちとなったようです。

本来ならこの数字は朗報ですが、すでにQE3の期待によって、米国株価は嵩上げされてしまっています。目下のところ米国経済は停滞しつつあるという予想が基調にあるので、よい経済統計の数字を待ちきれなくて、とりあえずは手仕舞いしておこうという向きが多くなり、株価が下落したという感じです。

明日のナスダックは小波動のピークを表示し、小波動は下降転換しますが、その下値は3050Pから3100Pを目指すのではなかろうか。9日順位相関が-80まで低下すれば調整は終り、来月のISMと雇用統計の数字を気にするということになりそうです 。

日経平均は配当落ちが74円あり、ここに加えて米国株安と円高(特に対ユーロ)、中国経済の減速などマイナス材料には事欠かず、-2%の下落となる。 日経平均・TOPIXは小波動のピークを表示し、まだ4〜5日は下落ないしは75日線近辺でモタモタするだろうと思いますが、その下落幅はそう大きくないのではないかと思っています。

そもそも今回のピーク9288円のピークの日のピークらしさのポイントは2ポイントでしかなかったし、《デンドラ24》の下から2番目の上値メドの9287円をようやくクリアしていたに過ぎません。過熱感はなかったし、誰も楽観していなかった。 まずは75日線の8850円を中心とする±100円で目先の下値を出すのではないか。前回のボトムの8646円は下回らないだろうと思っています。

自民党の新総裁に安倍晋三さんが選ばれたとか。株式市場にとっては、安倍さんは@安易な消費税アップには否定的である、Aリフレ(デフレ脱却が先)を理解している、Bリフレ政策がとれない日銀に対して日銀法の改正をつきつけるかもしれない、という点ではベストの決定だったと思っています。

特にBは重要です。20年間に日本経済が後退し続けた半分の責任は日銀にあります。日本経済を立ち直らせることができない日銀総裁や副総裁を罷免できるようにすることが、20年間にわたる日本経済の停滞を少しはマトモにするのではないかと期待しています。


(12.9.27) TOPIX 745P(+3)  日経平均 8949円(+43) 16.2億株 (1兆 164億円)

米国は続落。NYダウは13413ドル(-44)、ナスダックは3093P(-24)。

ナスダックは9日順位相関が-80以下になったので、ボトムらしさは2ポイントですが、8月後半の高値もちあいゾーン(3050〜3100P)に入ってきたので、そろそろ下げ渋るのではないかと思っています。

上海総合は今日は+2.60%高となる。だが今日のところは25日線を超えることができなかった。8月初旬と9月初旬の25日線超えの後で下落が拡大しましたが、これと同じ轍を踏む可能性があります。

ここは25日線の下方で底練りして、25日順位相関が-80以下になるのを待つところか。底練りの期間が長いほど次は大きな上昇が期待できます。

日経平均は欧米の株安から安く始まったが、上海株が反発したため先物主導で上昇し、小幅高となる。

このため今日の足は、@新安値の、A陽線となり、ボトムらしさは、B9日順位相関が-80以下(昨日)を加えて3ポイントです。

当面は3ポイント以上になることはありませんが、今日は75日線水準で「新安値の陽線」になったことを重視すれば、あるいは今日がボトムになったのかも知れません。

ただ株価のすぐ上には25日線(8976円)と200日線(9021円)が控えているので、これを上回るまではボトムを打ったとはいいがたい。

図のボトム(A)(C)(E)では、25日順位相関は下落中であり、少なくとも0水準までは下落していますが、今日の25日順位相関は、まだ上向きであるし、+15.8という水準です。この点からも今日がボトムであるとはいいがたい。2〜3日を経て25日順位相関が下降するのを待つところか。


(12.9.28) TOPIX 737P(-8)  日経平均 8870円(-79) 17.5億株 (1兆1198億円)

米国は4-6月期GDPを+1.7%から+1.3%へ下方修正する。8月の耐久財受注も-13.2%(予想は-5%)と悪かったが、失業保険申請者数が減ったことやスペイン問題に進展があったので反発する。

NYダウは13485ドル(+72)、ナスダックは3136P(+42)。

上海総合は今日は+1.45%高。せっかく大きな足の2陽連となって25日線を上回ったのに、来週一杯は中国市場は国慶節で休場です。この反発が途切れることになります。もったいない。来週は中国市場は材料になりません。



寄付き前に発表された8月の鉱工業生産は前月比-1.2%(予想は-0.4%)と悪かった。日経平均は米国株高を受けて+36円高で始まったものの次第に下落し、後場は-111円安まであって-79円で終わる。

この下げは75日線の水準である8850円±100円が下値であろうと勝手に思っていますが、今日のザラバ安値は8838円であったので、今後の下値メドは下限の8750円としておきます。(なお《デンドラ24》による下値メドはありません)

今日はザラバで新安値となりましたが、ボトムらしさは@新安値、A9日順位相関が-80以下 の2ポイントに後退しました。

2ポイントでは到底買うことはできませんが、75日線を大きく下回らなければ、5ポイントにならなくても、ボトムを出す可能性はあります。そのためには、最低でも25日順位相関が下向きになっていなければなりません、25日順位相関が上向きのときにボトムを出す確率は22%ほどです。78%は25日順位相関が下向きになっているときにボトムが出ます。( ついでにいうと小波動のピークも78%は25日順位相関が上昇中に出ます。)

もし近々、小波動のボトムが出るためには、まず25日順位相関が下向きに転じることが必要です。今のところ25日順位相関の数値は昨日が15.8、今日が22.9 と上向いています。だが明日の日経平均が-2円安で終わるならば22.6 となって、下向きに転じます。足型次第によってはボトムが出る環境になります。(ボトムの足型とは、@陽線のタクリ足、A陽線のつつみ上げ、B両はらみ(両抱き)など)


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