TOPIXをどう見たか・判断したか (2010年 7月)

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(10.7.1) TOPIX 828P(-13)  日経平均 9191円(-191) 17.6億株 (1兆2167億円)



米国は続落。NYダウは9774ドル(-96)、ナスダックは2109P(-25)。米国の経済指標は現実にはまだ悪化しているわけではありませんが、期待が強かったものだから、発表された数字は予想より悪いとしてマイナス材料になっています。

この背景には欧州の信用問題があり、なお株式市場から債券市場へと資金は流れ出ているようです。米国債利回りは2.93%になり、日本国債は1.06%になっています。

日本国債が1.07%とはメチャクチャな水準であると思いますが、1.00%以下になったことは皆無ではありません。調べてみると2003年の年平均の10年物国債の利回りは0.988%でした。

2003年は金融パニックの年でした。2001年に三井住友銀ができ、2002年に三和銀と東海銀が合併してUFJ銀行になり、同じ年に富士銀・興業銀・第一勧銀が合併し、メガバンクに統合できなかった銀行(大和・埼玉・協和)が「りそな銀」に結集しました。だが「りそな」が、経営危機に陥りました。ここにおいて政府は資本を注入し、なんとか「りそな」は存続できた、といういう時代のことです。国債利回りが1.00%を割込んだのは、かつて「13B」と呼ばれていた銀行が次々に姿を消して、3メガバンクに集約された、その前の時代の金利水準です。現在の日本の銀行は心配するような状況にはありません。だが国債利回りは悪夢のような2003年の水準に近づいています。

2003年と今の2010年の状況を比べると、2010年の利回りが1.00%を割込もうかというのはおかしいのです。

だが今の市場は明らかに「株式よりも債券」を選好しています。多くの投資家は年率10%の利益がでるかも知れない株式市場から去って、年率1.07%の利回りである国債を買っているのです。

この流れが変化するには、@4-6月期の業績がよかった、A7-9月期の予想もよい、B経済指標でよい数字がでる などが明らかになることでしょうが、今日の6月日銀短観で大企業製造業のDIが2年ぶりに+1になっても、市場は少しもプラス材料としませんでした。 よほど投資マインドは冷え切っています。


(10.7.2) TOPIX 830P(+2)  日経平均 9203円(+12) 15.8億株 (1兆1319億円)



米国は続落。NYダウは9732ドル(-41)、ナスダックは2101P(-7)。6月のISM製造業景況指数が5月(59.7)→6月(56.2)へ急低下したのが大きな原因でしょう。

ISM製造業景況指数が5月(59.7)→6月(56.2)へ急低下したのが大きな原因でしょう。

なんとナスダックは先の小波動のピークの日から9連続陰線です。NYダウは1本陽線をはさんでいるので、2陽連・1陽線・6陰連ですが、それでも昨日まで6連続陰線です。これほど陰線が連続すれば「突っ込み警戒感」がでてきます。

しかも昨日はISMの数字にややショックを受けたけれども、引けにかけて戻し長い下ヒゲ足となっているので、2〜3日の反発をしてもよいところです。

ただ最後まで中勢上昇波動を持続していたナスダックは、昨日でついに先の「最後の上昇波動」のスタート点である2100Pを下回りました。すべての米国の株価指数の中勢波動は下降波動になったことが確認されました。

ついでのことなので、各国の中勢波動がいつ下降波動に転じ、その後の戻りはどこまでだったのかを見てみます。FT100は5月20日に5033Pを下回った日に下降波動になったことが決まりました。その後の反発は、2段の上昇小波動があって、200日線まで戻したものの、75日線には届きませんでした。

上海総合は4月20日に2963Pを下回って下降波動に転じました。その後1度も9日線まで戻ることなく下落を続け、(b)からの大きな2陽連を出して9日線をようやく上抜きました。

だが25日線までは戻らず2666Pで小波動のピークをつけて、(c)へ反落。ただ(b→c)が切り上がっていたので、この後の上昇で2666Pを上回れば「P型の買い」が期待できたのですが、下降を続けている25日線までしか戻れず、(b)2481Pを下回る下落を続けています。

WTIは5月17日に中勢波動は下降に転換。その後200日線を上回り、75日線まで戻したが、そこが限界でした。

日経平均は5月21日に(E)9867円を下抜いて下降波動入り。この後の戻りは200日線(当時は10302円の水準)に一歩足りない10251円でした。

5月25日に述べたように、中勢波動が下降波動に転換しているのだから、戻りは75日線または200日線であると思っていました。

ところが日経平均は(b)から「5陽連」という強い足型を出しました。ナスダックは(b)に当たるところからは、2陽連・1陰線・2陽連でした。FT100は「7陽連」でした。

日経平均は「5陽連」ではあるが、その間に3度の窓空けをしているので、窓空けが1度もなかったFT100の「7陽連」よりも強い足であると判断しました。

そこで少なくとも200日線は上回るだろう、75日線まで戻ってもおかしくない、と判断したのが間違いでした。10251円まで戻った後の反落は、米国景気が2番底に陥るのではないかの懸念によるものでしょう。まだ現実にはそうなっていないが、市場は先読みします。これに呼応して日米の国債利回りが急速に低下していったのは、株式市場から債券市場へ資金がシフトしたためです。市場は「株を売って、債券を買う」という流れになり、強い足だと思っていた「5陽連」のスタート点である9378円を割込んだわけです。

まあ(E)9867円を下回って中勢波動が下降波動になったというのは、まだたいしたことはありません。問題は大勢波動が下降波動になりそうだということです。図の(A2→a2)は2段目の中勢上昇波動です。つまり(A2)9076円は2段目の中勢上昇波動のスタート点です。もし今後株価が9076円を下抜くなら、2段目の中勢上昇波動が否定された。つまり大勢波動が下降波動になったのではないかと思わねばなりません。来週の注目点は「9076円を割るのか割らないのか」につきます。


(10.7.5) TOPIX 836P(+5)  日経平均 9266円(+63) 14.3億株 (8906億円)



米国は続落。6月雇用統計は-12.5万人減ながら、民間部門は+8.3万人増と予想よりもやや悪かったが、市場はまずまずと受け止めたようで、小幅安に止まる。

NYダウは9686ドル(-46)、ナスダックは2091P(-9)。ナスダックは10連続陰線になりました。前日の下ヒゲ足に続いて→昨日は「陰線の陰線はらみ」となったので、目先の下値を探った感じです。

ただ、下ヒゲ足を出した日に中勢波動は下降波動に転じているので、よほどよい材料が出ても、200日線まで戻ることがあるのかどうか。もし75日線まで戻れば、それは望外のことでしょう。

目先、小反発はあってよい状況にありますが、その反発はショートカバーによるものだろうから、9日線が限度と思っていたほうがよいでしょう。25日線まで戻る反発は、25日順位相関と9日順位相関がともに-80以下になってからではなかろうか。

日経平均も同じで、短期の反発があっても9日線まで。やや大きな反発は25日順位相関と9日順位相関がともに-80以下になってからでしょう。今週一杯は25日順位相関は-80以下になりそうにありません。


(10.7.6) TOPIX 847P(+10)  日経平均 9338円(+71) 18.6億株 (1兆1732億円)



米国は休場。日経平均は朝方円高であったので、2009年11月27日につけたザラバ安値9076円まであとわずかの9091円まで下げましたが、その後はやや戻して前場を終了。昼休み中の中国株が上昇したことから、後場は次第高となり、今日のザラバから250円高く上昇して終りました。

この結果、今日の陰陽足の実体幅は180円という大きな陽線になりました。ただし5月下旬の(a')日の実体幅は220円あったので、(a')ほどには強くありません。

前場、9091円をつけたときは、いよいよ9076円を下回って、大勢波動も下降波動に転換するのかと腹をくくりましたが、(日経先物も9060円が重要な安値水準ですが、今日は9080円まで下げていました)。首の皮一枚で大勢下降波動になることを免れました。

7月のオプションのSQは今週金曜日(7月9日)の寄り付きで決まります。最終の売買ができるのは木曜日であるので、SQの週の月曜日から木曜日の4日間は、SQで有利な値段がつくような駆け引きが先物市場で活発になります(特に火曜日・水曜日はその動きが激しい)。 今日の「大陽線」が出たのは、多くはSQがらみの売買があったのが原因だったのではないか。

図の青●はSQの日(第2金曜日)です。この日の前日から4日前までの4日間が、SQを意識した、いわば腕力的な売買がなされる日です。腕力的な売買が行われると、@これまで下落(上昇)基調であったものは加速され、その日の実体幅は大きくなることがあるし、Aこれまで下落(上昇)していたものが急に反発(反落)するなど、流れとは逆の動きになることがあります。

@のときは大陰線あるいは大陽線が出るし、Aの場合は小波動のピーク・ボトムが出やすくなります。SQの前4日間について、グラフを見ると
  1. は、小波動のボトムとなりそう(木曜日まで新安値をとることはなさそう)です。
  2. は、6月SQ(先物とオプション)の週の水曜日に小波動のボトムを出しています。
  3. は、火曜日に75日線水準で寄り付いてから大陰線となりました。
  4. は、SQの1週前の金曜日ですが、小波動のピークとなっています。つまりSQQの週の月・火・水曜日が陰線となって下落しました。
  5. は、3月のSQ(先物とオプション)の週の月曜日です。木曜日までの4日間は特に大陽線もでず、小波動のピークにもなりませんでしたが、上昇傾向は継続しました。
  6. は、2月SQの週の月曜です。この日は小波動のピークになっているので、SQに向けて株価を上昇させるような売買がされたと思われます。
このようにSQ(オプションは毎月、先物は3月・6月・9月・12月)の週の月曜日から木曜日の間は、腕力的な売買がされがちです。今日もそういう売買があったようです。例えばSQとは無関係の「日経JQ指数」はマイナスであったのに、日経平均・TOPIXはプラスでした。だから今日の上昇には、腕力的な仕掛けの影響がかなり含まれていると思いますが、一応は大陽線になったので、小波動のボトムらしさのポイントを見ると、@新安値の、A陽線、B9日順位相関が-80以下、C昨日まで条件表No.2は買いマークを出していた、DPERは割安。小波動のボトムらしさは5分5分です。

ただし、9日線・25日線・75日線の位置関係は、高いほうから75日線→25日線→9日線→株価、という順であり、「株価は順調に下落している」という渦中にあるので、ボトムらしさが5分5分といった程度では、とうてい買っていくことはできません。やはり少なくとも25日順位相関が-80以下までに低下するのを待ったほうがよいでしょう。そして明日も上昇が継続したとしても、@買戻しの限度の9日線(9480円)が限界だろうし、A仮に今夜、米国が大幅高をしたところで25日線(9700円)あたりが戻りの限界でしょう。中勢波動が上昇波動に転換するようなことにはなりません。「突っ込み買い」を思うのであれば25日順位相関が-80以下になるまで待つほうがよいと思います。


(10.7.7) TOPIX 841P(-5)  日経平均 9279円(-58) 16.6億株 (1兆12982億円)



米国は小反発。ISM非製造業景況指数が(55.4→53.8)と予想より悪かった。先日のISM製造業景況指数は(59.7→56.2)と大幅ダウンしたのに続く悪化です。

製造業景況指数は、今のところ5月が最高です。6月にダウンしたばかりなので、まだ景気の伸びが減退したかどうかの判断はできません。だが、非製造業景況指数は(55.4→55.4→55.4→53.8)と3月4月5月が55.4でした。この3か月間は指数は上昇しませんでした。そして6月が53.8です。米国景気の持ち直しのベクトルは5月で終わった感じです。

今年後半は「景気の後退にはいたらないが、景気回復のスピードは鈍化する」ようです。つまり「景気の足踏み状態」に陥ると米国市場は思ったのでしょう。その結果がナスダックの11連続陰線です。米国は今後の景気を憂えている。

日経平均は昨日の反発が、そこそこ大きかったので手仕舞い売りが出たのと、米国株安を見て安く始まり、円がドル・ユーロに対して高くなったこともあって下落するが小幅安で終わる。

今日の足は「両はらみ」になりました。「両はらみ」は「両抱き」とも呼ばれます。要は昨日の大陽線を中心にして陰陽足が「小」の字型になるものです。 この「両はらみ」は高値圏で出たときはピークとなり、安値圏で出たときはボトムになることが多いのです。今は安値圏にあるので昨日の大陽線のザラバ安値が当面の小波動のボトムになる可能性は高くなりましたが、これが確認できるのは、明日の株価終値が昨日のザラバ高値(9351円)を上回って引けることです。

私は9日順位相関と25日順位相関がともに-80以下になるまでは買えないという判断ですが、もし明日「両はらみ」からの反発があったなら25日線まで戻る可能性もあります。明日昨日の大陽線のザラバ高値(9351円)を上回るのかどうかが注目点。


(10.7.8) TOPIX 861P(+19)  日経平均 9535円(+256) 16.4億株 (1兆1670億円)



ステート・ストリートが強気の4-6月決算の見通しを発表したとかで、米国は大反発。NYダウは10018ドル(+274)、ナスダックは2159P(+65)。

ナスダックは11連続陰線を出していたし、9日順位相関も-80以下であったので、いくぶんかの反発をしてもよい局面にありましたが、昨日の大反発によって9日線まで戻りました。

9日線までは買い戻しによって割とたやすく戻ることができます。これが新規の買いを呼び込むのかどうかの判断は、株価が9日線より上位で少なくとも3日ほど値を保つかどうかを見届ける必要があります。

日経平均は昨日、「両はらみ」になって小波動のボトムの可能性が出ていましたが、今日は中心の大陽線のザラバ高値(9351円)を上回って引けたので、小波動のボトムになったように思われます。

ただ3線の位置関係は75日線→25日線→9日線の順であり、昨日までは「順調に下落している」という局面でした。このようなときは小波動のボトムの判定はもう少し慎重にするほうがよい。昨日時点での小波動のボトムらしさのポイントは、@新安値の、A陽線、B9日順位相関が-80以下、CPERが割安、D2日前まで条件表No.2が買いマークを出していた。の5ポイントでしかありません。

5ポイント未満で小波動のボトムを出すことはいくらでもありますが、それは中勢波動が上昇波動のときのことです。今のように中勢波動が下降波動にあるときは、5ポイントでボトムを出したとしても、その後の上昇小波動が大きくなるとは思えません。 今日の上昇は、ナスダックと同じくショートカバーによる上昇であり、上昇が続くかどうかを確かめねばなりません。当面は25日線まで戻るかどうかというところでしょう。


(10.7.9) TOPIX 861P(+0)  日経平均 9585円(+49) 16.6億株 (1兆2910億円)



米国は続伸。NYダウは10138ドル(+120)で3陽連となったので、小波動のボトムは出た感じです。

ナスダックは2175P(+15)とNYダウほどには上昇せず、十字足に近い足型になりました。9日線は超えたものの、25日線まで戻ることができるのかどうか。

25日線(2211P)→200日線(2252P)→75日線(2333P)→先の小波動のピーク(2341P)と上値を押さえつける水準は事欠きません。現状では2341P以上にならないと小波動のピークが切り上がりません。

これは相当によい材料がでないことには不可能です。 そこで今後生まれてくる「小波動の切り上がり」を期待するしかないのですが、次のようになるのが最短のコースです。
  1. 25日線まで戻って、小波動のピークとなって反落する。
  2. 青●(7月1日)のザラバ安値2061Pより高い位置で下げ止まり、小波動のボトムとなる。
  3. そこから上昇して@でつけた小波動のピークを上回る。


いつも目先のことばかり言っているので、今日は2年〜5年の大勢波動について述べます。

大勢波動が発生する原因は景気循環です。日本の景気循環は平均して拡張期(好況)が33か月、後退期(不況)が16か月です。だから平均すれば、日経平均は33か月の上昇があり、16か月の下落が生まれます。

景気循環を見るには、内閣府のHPの「CI一致指数」 または「CI先行指数」を見るべきですが、日経平均の月足グラフだけでもほぼ同じことを知ることができます。

図の平均線は、@18か月平均(紺色)、A36か月平均(緑色)、B48か月平均(黄色)です。@の18か月は景気後退期の16か月に対応し、Aの36か月は景気拡大期の33か月に対応し、Bの48か月は@+Aの期間に対応していると思ってください。

大勢上昇波動とは、株価が3本の平均線より下位にあったものが→3本の平均線より上位になる過程の波動です。また大勢下降波動とは、株価が3本の平均線より上位にあったものが→3本の平均線より下位になる過程の波動です。

図の(a→A)が大勢上昇波動です。株価が3線を上抜いてから87か月目に(A)になりました。(A→b)が大勢下降波動です。(A→b) は32か月でした。株価は景気に少し先行しますが、株価が3線を下抜いてから(b)まで25月の時間を要しました。

(b→C)は大勢上昇波動です。47か月上昇しましたが、そのほとんどは3線を上抜くことができず、株価が初めて3線を上回ってから8か月目に(C)の高値を出しました。

(C→d)は大勢下降波動です。下げの期間は29か月。初めて株価が3線を下抜いてから22月目に(d)のボトムになっています。

(d→D)は大勢上昇波動です。上げの期間は17か月。初めて株価が3線を下抜いてから6月目に(D)のピークになっています。

(D→e)は大勢下降波動です。下げの期間は37か月。初めて株価が3線を下抜いてから36月目に(e)のボトムになっています。

(e→E)は大勢上昇波動です。上げの期間は47か月。初めて株価が3線を下抜いてから37月目に(D)のピークになっています。

現在の大勢波動は、一応(f?)と打っていますが、まだ株価が3線を上抜いてはいません。

最近までの約30年間の大勢波動を掲げましたが、月足ベースで株価が3線を全部上回ったときから「株は買い」という方針をとるなら、誰でも儲かる時期があります。逆に株価が3線を全部下回ったときからは、「株は売り」という方針をとるなら、皆が損失を抱えている中、珍しくも利益を出すことができます。

こういうふうに株価が3線の上位にある(買い)、あるいは3線の下位にある(売り)ときはチャートについての研鑽も知識も必要ではありません。「度胸」あるいは「欲」だけが利益を生みます。だがこの時期に利益を得た人が「私は相場がうまいのだ」と思ったときから、転落が始まります、利益は「時期」が出していたのであって「相場技術」が利益を生み出したのではありません。

現在はどういう状況にあるのかといえば、グラフの(f?→現在)は、まだ大勢上昇波動であると表現できていません(CI先行指数からは2009年3月から大勢上昇波動にあります)。誰でも「株は買い」と信じて投資をしても利益は出にくい状況です。

むしろ現在の株価は3線の最も下にある18月線を下回るならば「株は売り」と信じてカラ売りをしたほうが利益は出やすい状況です。株価と18月線・36月線・48月線の関係からは、強気でいくのか弱気でいくのかの判断はしにくい。あえていえば、まだ弱気の方が利益がでる可能性が高いでしょう。安心して買えるようになるには、株価が48月線(今は12819円の水準)を上回ってからです。

よって今は買いに傾くことも、売りに傾くこともできず、目先のわずかな株価の値動きを狙うしかありません。その最たるものが先日発売した「日経先物ツールキット」による日経先物の売買です。これなら1日だけの投資です。大きく利益することもないが、大きく負けることもない。わずかな利益を積み上げて年間ではそこそこの利益を出そうというやりかたです。


(10.7.12) TOPIX 857P(-3)  日経平均 9548円(-37) 15.9億株 (1兆 335億円)



米国は4日続伸。NYダウは10198ドル(+59)、 ナスダックは2196P(+21)の「3陽連」。ともに小波動のボトムを表示しました。

米国株がどこまで戻るのかは、今後発表される業績のぐあいによりますが、4-6月期の決算数字はまあよいのでしょう。問題は6月のISM製造業指数や非製造業指数が予想より鈍化していたし、6月の雇用統計が悪化していたことです。

5月までの米国の景況はよかったが、6月からは鈍化してきているのではないかという懸念があります。4-6月の数字よりも、7-9月あるいは通期の業績について企業はどのような見通しを持っているのかのほうが重要です。

昨日の参院選で与党は過半数割れ。これによって89円台の円安に振れたことから前場は高かったものの、後場は先物から売られる。

日経平均が25日線を超えていくのかどうかは、やはり4-6月期の業績および今後の見通しにかかっています。先日の日銀短観の大企業製造業の業況DIは、-14(3月)→+1(6月)と+15の急回復でしたが、9月の予想は+3でしかなかった。3か月先に業況がよくなると思っている経営者はわずかしか増えません。

同時に発表された大企業製造業の2010年度の経常利益の伸び率は、前年比+43.8%という大きな数字でしたが、株価を上昇させることはありませんでした。今年は+43.8%の増益であっても来期はどうかというと、欧州の信用リスクが明らかになった5月以降は、不安定要因が多すぎて先の見通しが慎重にならざるをえないようです。

グラフでは、今のところ中勢波動は下降波動になっていますが、上昇波動に転じるには先の小波動のピークの10251円を上回ることが必要です。逆に業績見通しがかんばしくなく株価が9076円を下回るなら、中勢波動どころか大勢波動までが下降波動に転じる可能性が高くなります。そうなれば少なくとも向う1年か1年半は「1歩進んで2歩さがる」というジリ安の相場つきになります。 7月一杯は、9076円と10251円のどちらに向かうのかを注目しておかねばなりません。


(10.7.13) TOPIX 854P(-3)  日経平均 9537円(-10) 18.7億株 (1兆 922億円)



米国はいつも4半期決算を真っ先に発表するアルコアの決算発表前とあって小動きで終わる。

NYダウは10216ドル(+18)の「5陽連」、 ナスダックは2198P(+1)の「4陽連」。だが次第に陽線の幅が縮小してきているので、上値は重いことを表現しています。

そのアルコアの決算は昨夜、NY市場が引けたあとに発表されましたが、業績は市場の予想よりもよく、しかも通期でアルミの消費量が増える見通しを発表。

市場が待っていたのは今後の見通しです。東京市場はアルコアの決算がよかったことから小高く始まりましたが、上海が下落していったために値を下げる。

それにしても5月中旬から今日まで2か月間のナスダックと日経平均の動きのよく似ていることか。双子のようです。どちらが双子の兄かといえば、当たり前のことながらナスダックです。東京市場は兄を動きをみて同じフリをしているにすぎません。だからナスダックの陰陽足は「窓」を空けることが少ないが、日経平均は寄り付きの段階で昨日のナスダックに値を寄せるので、日経平均の前日の終値が今日の始値に影響することがほとんどない。日経平均は連日「窓」を明けています。

ナスダックは5月12日から窓を空けたのは2度しかありませんが、日経平均は5月13日から14回も窓を空けています。窓を空けると、その日の日中の値動きは小さくなります。つまり東京市場の独自の動きはなく、ナスダック市場で売買できれば東京市場は不要であるというのがここ2か月の状況です。

右は週足の日経平均です。3本の平均線は、@39週線(紺色)、A78週線(緑色)、B104週線(黄色)です。

先週末に月足グラフを掲げましたが、それは@1.5年(18か月=78週)、A3 年(36か月=154週)、B4年(48か月=208週)の3本の平均線を描いていました。

そして大勢波動は「株価がこの3線の下から3線の上に出る過程が大勢上昇波動」であり「株価がこの3線の上から3線の下に出る過程が大勢下降波動」と見ればよいといいました。

週足においては中勢波動も見極めたいので、月足で使った3つの平均線の半分の期間を使っています(月足の1.5年=18か月=78週、は週足では39週と期間を半分にした)。 週足における中心的な平均線は緑色の78週線(18か月=1.5年)でしょう。 図を見ると(A1)が株価が3平均線の下方にあって、大勢波動のボトムとなりました。
  1. (A1)から中勢上昇波動が始まりましたが、
  2. 第1段目の中勢上昇波動は(a1)で終わりました。緑色の78週線がまずは戻り一杯の水準になりました。

  3. そこから株価は、いったん3平均線を下抜いて(A2)まで下落しましたが、翌週の株価は3平均線の中に突入し、ここから第2段目の中勢上昇波動が始まりました。
  4. 第2段目の中勢上昇は(a2)まで達し、株価は完全に3平均線を上抜きました。(A1→a2)の上昇は大勢上昇波動であったことが明らかです。

  5. (a2)から株価は下落し、中心的な78週線を下回ったのが先週です。
78週線を下回ってもすぐにこの水準を上回れば(A2)でもあったように問題はありませんが、3週も4週も78週線を下回るようだと、2009年3月からスタートした大勢上昇波動は終わったと判断せざるをえません。日足からの大勢波動が壊れる分岐点は株価が9076円を下回るのかどうかであることは昨日もくどくいいましたが、週足ベースでも同じことです。

大勢上昇波動が上昇中を持ちこたえていることの証明は、日足ベースでは前回の小波動のピーク10251円を上回ることですが、週足ベースでは株価が78週線(今日のところは9774円)を上回ることです。今日の段階では日足ベースで10251円を上回ることは難しいし、今週末に9774円を超えていないようでは、大勢波動は下降波動に転じた可能席が高くなってきます。


(10.7.14) TOPIX 870P(+16)  日経平均 9795円(+258) 23.0億株 (1兆2179億円)



米国はアルコアの決算や通期の見通しがよかったことを好感して上昇する。NYダウは10363ドル(+146)の「6陽連」、 ナスダックは2242P(+43)の「5陽連」。

どちらも200日線に接近しました。200日線はいつもいうように、業績(景気)を表現する線です。株価が200日線より上位にあれば景気はよいし、200日線を大きく(長く)下回っているときは景気は悪いのです。米国株価は200日線を持続的に超えることができるのかどうか。今後の見どころです。

アルコアの好決算を一番先に知ったのは東京市場でしたが、昨日はこの材料を東京市場は評価することができませんでした。昨夜の米国市場が上昇したのを見て、アルコアの決算は評価すべきだったと反省したのでしょう。しかも昨日の米国市場が上昇して引けたあとに、インテルがよい決算を発表しました。

今日も、インテルの材料を評価するのは東京市場が一番目です。米国株高と昨日の米国株価には含まれていなかったインテルの好決算を上乗せして、日経平均は昨日の米国株の上昇以上に上昇して始まりました。

昨日のNYダウが+1.43%の上昇であったのに、今日の日経平均は+2.71%の上昇です。この差の+1.3%は東京市場がインテルの好決算を評価して上乗せした分でしょう。今夜のNYが+1.3%上昇したとしても、東京市場はすでに今日の上昇で織り込んでいるわけです。

図は毎日おなじみの条件表No.2「日経平均用'96」のグラフです。グラフ下部に描かれているのは、@5日ベクトル(青色線)、A10日ベクトル(赤色線)です。

条件表No.2はよく「逆張りの条件表」と形容するように、株価が高くなったら売りマークが出ます。株価が安くなったら買いマークがでます。

株価が高くなった安くなったを判断しているのは、主として5日ベクトルです。だいたい5日ベクトルの数値が+10以上になったら(a,b)株価は高いとして売りマークを、-10以下になったら(A,B,C,D)株価は安いとして買いマークを出す準備をします。

すべてのチャートは「逆張り」として利用することも「順張り」として利用することもできます。条件表No.2では「ベクトル」を逆張りのために利用しています。

ベクトルを「順張り」として使うときはどうなるでしょうか?「順張り」とは株価が上昇したら買い、株価が下落したら売りとするものです。

図は上図と同じく@5日ベクトル(青色線)、A10日ベクトル(赤色線)を描いていますが、5日ベクトル・10日ベクトルの水準は重視していません。

5日ベクトル(青色線)が10日ベクトル(赤色線)を上回った(Gクロスした)ときに買いマーク、5日ベクトルが10日ベクトルを下回った(Dクロスした)ときに売りマークを出すように条件表を設定しています。

今日は「買い」だけについて説明しますが、図の(a,b,c,d,e,f,g,h)が5日ベクトルが10日ベクトルを上抜いた日です。基本的には、この日に買いとするのが「順張り」のやりかたです。

図の買いマーク(↑)を見ると、(a)(f)(g)(h)は正解ですが、(c)(d)(e)はダマシになっています。((b)は5日ベクトルが10日ベクトルを明らかに上回ったとは思えないので買いマークは出していない)

正解だった買いマークとダマシだった買いマークの違いは、「5日ベクトルが切り上がっているかどうか」です。いつも「買ってよいのは、小波動のボトムが切り上がっているとき」であるといっていますが、株価の上昇・下落を表現する指数でも同じことがいえます。

例えば(c)の買いマークは、直前(bとcの中間)の5日ベクトルのボトムとその前の(aとbの中間)にある5日ベクトルのボトムを比較すると、(c)の直前のほうが切り下がっています。切り下がっていては買えません。 (d)の買いマークもダメです。(bとcの間の5日ベクトルのボトム)と(cとdの間の5日ベクトルのボトム)を比べると、5日ベクトルのボトムが切り下がっています。(e)も同じ理由でダメです。

5日ベクトルのボトムが切り上がっているのは、(a)の買いマーク、(f)の買いマーク、(g)の買いマークのときです。 (a,f,g)の買いマークだけを採用すればよかったのです。こういうオシレータ系のチャートを順張りとして使うには、必ずそのチャートが切り上がっているのか・切り下がっているのかをチェックすることは重要な作業です。

さて現在は(h)で買いマークが出ていますが、5日ベクトルの前回のボトムと今回のボトムは「切り下がって」います。つまり、この(h)の買いマークを見て直ちに買うことはできません(今のところ買ったら利益が出ていますが、それは理屈的にはおかしい)。 さらにいえば、今日、ベクトルは売りマークを出しています。これについては明日述べます。


(10.7.15) TOPIX 856P(-14)  日経平均 9685円(-109) 15.4億株 (1兆 668億円)



米国はインテルの好決算を好感するも、6月の小売売上高が-0.5%減少したことや、FOCMが2010年のGDP伸び率の見通しを3.0%〜3.5%(従来は3.2〜3.7%)へ下方修正したこともあって、株価は小幅高で終わる。

NYダウは10366ドル(+3)の「7陽連」、 ナスダックは2249P(+7)の「6陽連」。

日経平均はインテルの材料を先取りしていた分だけ下落する。日経平均の25日線は昨日から上向きに転じていますが、明日9879円を超えないと再び下向きに戻ります。
チャート事典の 1043「ベクトル」で説明していますが、5日ベクトルが+10とは、この5日間の株価の角度(上昇角度または下降角度)は、1日当たり+1.0%であるということです。日経平均でいえば9700円の1%は97円であるので、この5日間は毎日97円ずつ上昇したことになります。こういう上昇はいつまでも続くものではありません。どこかで角度は鈍化するし、次にはマイナスの角度になります。だから5日ベクトルが+10以上になったときは、小波動のピークが近いという判断材料の1つになります。

逆に5日ベクトルが-10のときは、この5日間は1日当たり-1.0%ずつ下落しているということなので、小波動のボトムが近いという判断材料の1つになります。これは「ベクトル」を逆張りで使うときの判断基準です。

昨日は5日ベクトルを順張りで使う例(買いのタイミング)を説明しました。今日は売りのタイミングについて述べます。

グラフは昨日掲げたものと同じ時期のものです。図の(a,b,c,d,e,f,g,h,i)が5日ベクトルが10日ベクトルを下抜いた日です。この日に売りとするのが「順張り」のやりかたです。

図の売りマーク(↓)を見ると、(a)(c)(f)(h)が一応正解です。ただ(a)は売りマークの3日目に株価はボトムを出しているし、(h)は売りマークが出た翌日は大幅上昇をしていて、絶好のタイミングであるとはいえません。厳しく選べば(c)(f)が売りのタイミングです。また売りマークはでていないが(e)も絶好の売りのタイミングです。

(b)(g)(e)はダマシになっています。((d)は5日ベクトルが10日ベクトルを下回ったが、その前のベクトルの上昇幅(赤○と赤○の差)が小さいので無視する)

正解だった売りマークとダマシだった売りマークの違いは、「5日ベクトルが切り下がっているかどうか」です。 例えば(g)の売りマークは、直前(gとfの中間)の5日ベクトルのピークとその前の(fとeの中間)にある5日ベクトルのピークを比較すると、(g)の直前のほうが切り上がっています。切り上がっていては売れません。(b)の売りマークもダメです。bの直前の5日ベクトルのピークはaの直前のピークよりも切り上がっています。

5日ベクトルのピークが切り下がっているのは、(c)の売りマーク、(f)の売りマーク、(h)の売りマークのときです。 (c,f,h)の売りマークだけを採用すればよかったのです。 次に順張りで使うベクトルの条件表を掲げます。


No.6行とNo.8行では、単に5日ベクトルが10日ベクトルとクロスしただけでではなく、クロスした日の5日ベクトルと10日ベクトルの差が0.5以上離れている(明らかにクロスした)という条件をつけています。この条件によって、売買マークを出せなかったのが上図の(e)のクロスです。この日の5日ベクトルは+0.41、10日ベクトルは+0.80であったので、その差は0.39しかなかったからです。(No.8行の「以下」欄の数値を-0.5から-0.3に変更すれば、(e)でも売りマークがでます)


(10.7.16) TOPIX 840P(-16)  日経平均 9408円(-277) 17.3億株 (1兆1641億円)



米国は景気鈍化をうかがわせる経済統計が発表されたことから上昇できず。

NYダウは10359ドル(-7)で高値圏での「下ヒゲ足」がでたのは要注意。ナスダックは2249P(+7)の「7陽連」となったが、昨日のザラバ高値は切り下がり、NYダウと同じく高値圏での「下ヒゲ足」が出ています。

ナスダックのグラフを「ベクトルのクロス(順張り)」を使って描くと右図のようになります。

緑○の売買マークが有効です。
今日で「ベクトルのクロス(順張り)」の解説は終わります。「条件表の設定例とその市場環境」のNo.72に、この3日間で解説したことをまとめ、昨日掲げた条件表を(拡張8)のNo.72に設定しました。

《カナル24》Ver.2の「アップデート」→「条件表をダウンロード」で、(拡張8)をダウンロードし、No.72「ベクトルのクロス(順張り)」を(標準3)へ複写して下さい(「条件表の内容」の画面のメニューの「表を複写」で(拡張8)のNO.72を(標準3)などへ複写する)。

なおユーザーが使っている(標準3)の条件表が書き換えられてもよいのであれば、(拡張8)をダウンロードする代わりに(標準3)をダウンロードしてもかまいません(このときは(標準3)の条件表のすべては東研ソフトが設定している条件表になるので注意)

最後に復習をしておくと、ベクトルのクロスで重要なことは5日ベクトルのピーク・ボトムが切り上がっているか、切り下がっているかをきちんと確認することです。

図の5日ベクトル(青色線)の線上に、赤○、青○、緑○の3種類の○を打っています。
  1. 赤○は、5日ベクトルが10日ベクトル(赤色線)を初めて上回った(Gクロスした)日です。

  2. 緑○は、5日ベクトルが10日ベクトル(赤色線)を初めて下回った(Dクロスした)日です。

  3. 青○は、赤○と緑○の間にある5日ベクトルが最高の日(ピーク)です。
    また緑○と赤○との間にある5日ベクトルが最低の日(ボトム)です。

  4. いつでも、赤○→青○→緑○→青○→赤○→青○→緑○ の順になります。このとき 赤○と緑○の間の期間が4日未満のものは無視してください。例えば図の(c)です。赤○と緑○の間の期間は3日しかありません。5日ベクトルが10日ベクトルを上回っていたのは2日間でした(赤○の日と緑○の日を含めて3日しかないならダメ)。この程度では5日ベクトルがはっきりと10日ベクトルを上回ったとはいえないからです。
売買を決定するのは、次のキマリによります。
  1. 売りマークが出た緑○の日には「売り」を考えます。直近のピークの青○とひとつ前のピークの青○の水準を比較し、ピークが切り下がっていたなら「売り」が決まります。( もしピークが切り上がっているならば売りにはなりません。)

  2. 買いマークが出た赤○の日には「買い」を考えます。直近のボトムの青○とひとつ前のボトムの青○の水準を比較し、ボトムが切り上がっていたなら「買い」が決まります。( もしボトムが切り下がっているならば買いにはなりません。)


(10.7.20) TOPIX 832P(-8)  日経平均 9300円(-107) 17.8億株 (1兆1425億円)



米国は先週末は大幅安。

月曜日は小戻したものの、 NYダウは10097ドル(-261)→10154ドル(+56)で、-205ドル安。 ナスダックは2179P(-70)→2198P(+19)で、-51P安。

両指数ともにまだ小波動のピークは表示されていませんが、一昨日の大陰線が出たからには1〜2日後にはピークを表示すると思います。

とすれば昨日はピークからまだ3日目(ナスダック)、4日目(NYダウ)でしかないので、昨日の小陽線は下落途中の中間点でしょう。もう少し下落しないと小波動のボトムらしさは出てこないのではなかろうか。

日経平均は、連休中に米国株価が下げたので、86円台の円高になり、しかも昨日NY市場が引けた後に発表されたTIおよびIBMの売上げ高が予想を下回っていたといったマイナス材料があって安かった。

条件表No.15「ベクトルクロス(順張り)」をアップしたので、最近はこの条件表にばかり目を向けておられるユーザーもあるようです。

1つのチャートを使って相場のあらゆる局面の判断を正しくできることはありえません。今のところ条件表No.15が一見よい指標であるように見えるのは、最近の小波動が結構大きな波動を描いているためです。

No.15は「順張り」の条件表です。順張りで利益がでるのは波動が大きくなったときだけです。波動が小さいときは「順張り」の条件表はよい成績を出しません(マイナスになることが多い)。

反対に、波動が小さいときは「逆張り」の条件表でないと利益はでません。「逆張り」の条件表とは条件表No.2「日経平均用'96」です。小波動が大きいときでも小さいときでも、プラスの成績を出そうとすれば、No.2の「逆張り」とNo.15の「順張り」を併用して使い分ける必要があります。< といっても裁量的に、あるときは「逆張り」を使い、あるときは「順張り」を使うといった小器用な判断をする必要はありません。

条件表No.2「逆張り」が出す売買マークは連続して出ることが多いので、売買マークが途切れたときに仕掛けるのがよい、ということはこれまで何度もいってきました。図の左側は条件表No.2の売買マークです。売買マークが連続しているときは仕掛けず、売買マークが出なくなったことを確認してから仕掛けると、図のピンク色○の日に売買方針が決まります。図の3つの仕掛けのタイミングは悪くありません。

一方 条件表No.15「順張り」は5日ベクトルが10日ベクトルとクロスした日を仕掛けのタイミングとしますが、そのとき5日ベクトルのボトムが切り上がっているときだけ買い、5日ベクトルのピークが切り下がっているときだけ売り、としています。この制約によって条件表No .15が出す売買マークのうちで、仕掛けることができるのは、右側のピンク色○の売買マークだけです。

左側の逆張りの売買マークと右側の順張りの売買マークを合わせてみて下さい。多くの小波動のピーク・ボトム近辺で仕掛けることができる売買マークが出ていることがわかります。2つの条件表(No.2とNo.15)を併用すれば、多くの小波動で仕掛けることができます。


(10.7.21) TOPIX 829P(-2)  日経平均 9278円(-21) 20.2億株 (1兆 885億円)



米国は続伸。 NYダウは10229ドル(+75)、ナスダックは2222P(+24)と上昇するも先日出した大陰線を回復することはできず。

ナスダックは小波動のピーク2260Pを表示し、現在の小波動は下降波動であることを表明。

ナスダック、日経平均ともに小波動のピークもボトムも切り下がっているので、買いを考える時期ではありません。少なくとも先の小波動のピーク(ナスダックは2260P、日経平均は9807円)を上抜くのを見届ける必要があります。

どころか今日の日経平均のザラバ安値9230円は、何かの悪材料がでれば、最近の安値9091円や大勢波動が下降波動に転換すると判断してよい昨年11月の安値9076円を簡単に下抜く株価水準なので、こちらのほうが心配です。

6月8日に「日経先物寄引売買のツールキット」を発売しました。早い方は9日に申し込まれたので、キットは10日に届き、11日からは実働できたと思います。6月11日からツールキットの条件表はどうのような売買マークを出したのか?  ツールキットには7本の完成した条件表がありますが、「統合した条件表No.4、No.5、No.7のどれかの条件表が売買マークを出したときに、仕掛けるのがよい」と講座でいっているので、No.4、No.5、No.7を1本の条件表にまとめたグラフを掲げます。

6月11日から今日まで立会い日数は28日でしたが、図のように9日に売買マークがでています。

条件表は1998年〜2008年までの11年間の日経先物のデータを手本にして作ったものです。この11年間の成績はよかったし、手本としていない1997年と2009年について検証をしても成績はよかったので、今後成績がそう大きく劣化することはないと思っています。

気にしていたのは2つあって、1つは過去と同じような頻度で売買マークがでるだろうかということです。過去13年間の検証では、立会い日数3328日のうち1270日に売買マークが出ています(No.4+No.5+No.7のとき)。立会い日数の38.1%にあたります。1年間の立会い日が250日とすると、ただいたい毎年100回くらいの売買マークが出なくてはなりません。この割合で今後も売買マークがでるだろうか?というのが1つ。

もう一つは過去13年間の検証では、勝ったときの平均利益額は130円、負けたときの平均損失額は-98円となっています。平均利益額や平均損失額はそのときの日経先物の株価水準に依存するので、損益額自体を問題にしてもしようがありません。問題は比率です。 だいたい平均利益額は平均損失額よりも30%ほど大きい。これが今後も維持できるのかどうか?これが2つ目です。

年間の損益額は、@平均損益額、A勝率、Bトレード数 で決まります。@の勝率はまず今後とも大きな劣化はないと思っているので、A平均損益額とBトレード数が 今後どうなるかを心配していたわけです。

2010年1月から今日までに立会い日数は135日ありますが、売買マークがでたのは55日あります。立会い日数の40.7%で売買マークがでているので、2010年も過去の統計どおりになっています。

また勝ったときの平均利益額は68.6円、負けたときの平均損失額は-53.6円となっているので、平均利益額は平均損失額よりも27.8%ほど大きい。これも過去の統計どおりです。というわけで、今年も過去の成績から大きく逸脱することはないと思っています。6月11日からの9回の売買成績を掲げます。
  1. は6月11日(翌日始値9830円買い→終値9880円決済=+50円)
  2. は6月21日(翌日始値10140円売り→終値10110円決済=+30円)
  3. は6月24日(翌日始値9770円売り→終値9740円決済=+30円)
  4. は6月29日(翌日始値9380円買い→終値9360円決済=▲20円)
  5. は6月30日(翌日始値9280円買い→終値9180円決済=▲100円)
  6. は7月 1日(翌日始値9230円買い→終値9210円決済=▲20円)
  7. は7月 5日(翌日始値9230円買い→終値9260円決済=+30円)
  8. は7月 7日(翌日始値9230円買い→終値9210円決済=+20円)
  9. は7月20日(翌日始値9230円売り→終値9390円決済=+110円)
まだ9回の売買しかしていないので、9回の成績をいってみてもアテになりませんが、@6勝3敗、A累計利益111.1千円、B勝率66.7%、CPF1.76倍(手数料は1枚あたり2100円)となっています。ツールキットは、運のよいスタートを切ることができたようです。


(10.7.22) TOPIX 825P(-3)  日経平均 9220円(-57) 26.5億株 (1兆2195億円)



米国はバーナンキFRB議長の議会証言が弱気(景気の見通し不明)であったことから下落する。 NYダウは10120ドル(-109)、ナスダックは2187P(-35)。

東京市場は「みずほF」の出来高が12.7億株と史上空前の大出来高となりましたが、その割にはみずほ株は134円(+1)と変化なし。

今日の12.7億株の売り手は先日の130円での増資を引き受けた者であり、買い手はそうでなかった者でしょう。 売り手はわずかでも利益がでるのだからよいとしても、12.6億株の新規の買い手があったというのは驚きです。

もっとも株価は130円と安く、ほぼ市場に見放された株価です。よって12.7億株の売買代金は1600億円ほどであり、最近の1日の売買代金(約1兆2000億円)の13%程度のものです。たいした売買代金ではありません。ただ市場全体のチャート分析において、出来高の値打ちはますますなくなってきたとはいえます。(個別株の出来高は意味がある)

日経平均が小波動のピークを出して、今日で5日目になります。9日順位相関や25日順位相関は-80以下になっていないので、まだ小波動のボトムか?を検討するのはやや早いのですが、ポツポツと小波動のボトムらしさのポイントが出てきました。 現在のところ

@新安値(陽線ではあるが、足が小さいので陽線のポイントとはしない)

A条件表No.2が買いマークを出した(右図の左側のグラフ)。

B25日騰落レシオが75以下になった(右側のグラフ)

C25日投資マインド指数が15以下になった(右図の左側のグラフ)。

以上の4ポイントです。

D9日順位相関は今日は-75.0ですが、明日も安ければ-80以下になります。そうなると5ポイントです。

EここにPERやPBRが割安ということを加えると6ポイントになるので、もし明日も安いようであれば、小波動のボトムらしさの確率は6分になります。

だが明日ひどく下落して、9076円を下抜くことになれば、小波動のボトムがどうのこうのという状況ではなくなります(大勢波動が下降転換した可能性が強くなる)。

逆に、明日高く引けるようだと、小波動のボトムは先にずれるだけです。例え今日が小波動のボトムであったとしても、それは4ポイントでボトムになるわけです。こういう軽いポイントでは大きな波動のボトムを出したとはいえません。その後の上昇は先の上昇小波動が(9091円→9807円)であったように、大きくなるとは思えません。

理想的なのは、明日9100円くらいまで下げるが、そこで踏みとどまって陽線となって終わる。終値は9200円未満。という形です。そうなれば小波動のボトムらしさは6ポイントないし7ポイントになります。


(10.7.23) TOPIX 841P(+15)  日経平均 9430円(+210) 19.6億株 (1兆2415億円)



米国はキャタピーラーや3Mの4-6月決算がよく、通期の見通しも強気であったことから上昇する。

NYダウは10322ドル(+201)、ナスダックは2245P(+58)。両指数は先の小波動のピークをワンチャンスで上抜く水準まで戻ってきました。

先日来いっている5日ベクトルのクロスの見方からは、
  1. 昨日、10日ベクトルとGクロス(ゴールデンクロス)した。

  2. 5日ベクトルのボトムは切り上がっている。
という2点から、まずは先の小波動のピークを上抜きそうです。そうなれば、小波動のピークとボトムがともに切り上がることになります。 ある程度大きな上昇小波動になりそうです。ナスダックでいうと、先の小波動のピーク2260Pはおそらく上回るでしょうが、この上昇小波動で、75日線まで戻ることができるのかどうかが注目点。

米国株高と円高一服から東京市場は上昇する。

昨日いったように、昨日時点での小波動のボトムらしさは4ポイント(PERが割安を入れると5ポイント)でした。

ボトムらしいと強く判断できるほどのポイントではありませんでしたが、スッキリしないままに反発となりました。これは日経平均の前回のボトム9091円からの上昇と同じです(ボトムらしさのポイントが小さかった)。

米国株は先にいったように、どうやら小波動のピークを上抜くようなので、日本株も上昇が期待できます。

だが、5日ベクトルは今日でGクロスをしたものの、5日ベクトルのボトムが切り下がっているのが、NYダウ・ナスダックと異なっています。

5月以来の日本株は米国株に連動する以上に、円レートに連動しています。この後の小波動が大きく上昇するのか否かは、円レートの変動によるので、米国株ほどに(まだ上昇してはいないが)は上昇しないのではないか、という感じです。


(10.7.26) TOPIX 845P(+4)  日経平均 9503円(+72) 13.0億株 (9492億円)



米国は続伸。欧州91銀行のストレステストが発表され、7行が資本不足ということでした。不足額は35億ユーロ(約3900億円)。

ストレステストというイベントを通過して、NYダウは10424ドル(+102)、ナスダックは2269P(+23)と続伸。両指数は先の小波動のピークを上抜き、小波動のピークとボトムが切り上がりました。

当面は200日線と75日線が上方にあるので、これを上抜くのかどうか。上抜けばひと安心。6月のピーク(NYダウは10594ドル、ナスダックは2341P)をも上回るようだと、5月以来の下げは終わったと判断してよいでしょう。

ただストレステストで資本不足額が3900億円であったのは、インターネットで多くの人が指摘しているとおり、テストの基準が ユルユルであったようです。火種は残っているので、欧州の信用不安が一件落着したとは思えません。再噴出する可能性は高い。

東京市場は米国高を受けて高く始まったが25日線で頭を押さえられました。

明日急落しない限り、一昨日が小波動のボトムになりそうですが、十分なボトムらしさのポイントを積み重ねることなく上昇しただけに、今後の上昇力には「?」がつきます。 まずは先の小波動のピーク9807円を上抜くことができるのかどうか。

右側のグラフは「円レートから日経平均予想」です。青色線が円レートから推測した日経平均。

実際の日経平均が青色線より下にあるときは市場のセンチメントは弱気であり、青色線より上にあるときは強気であるといえます。

この視点からすると、この12日間は株価は推測株価よりも上方にあるので、市場は案外に強気であるようです。(強気であるからといって、今後株価が上昇すると予想できるものではない。単に現在の市場の雰囲気が強気であるというに過ぎないが、弱気に転じるまでは買いのほうに分があると判断してよい。)


(10.7.27) TOPIX 846P(+0)  日経平均 9496円(-6) 17.4億株 (1兆 817億円)



米国は続伸。NYダウは10525ドル(+100)、ナスダックは2296P(+26)となって、3連続陽線。

小波動のピーク・ボトムは一昨日から切り上がりを見せているので、中勢波動は上昇波動に転換したのではないか、の可能性が出てきました。

昨日はNYダウが75日線を上抜きました。現在の長期の3平均線の位置関係は、上から順に、@株価、A75日線、B200日線、C25日線となっています。

快調に上昇しているときは、@株価、A25日線、B75日線、C200日線 の順に並んでいるので、現在はまだ「快調に」とはいえません。

だが株価は25日線・75日線・200日線のどれよりも上になりました。つまり、株価を押さえ込む平均線はなくなったわけです。平均線を戻りの限界とする見方からは、株価の動きが軽くなるという判断になります。

ただし株価水準そのものを重視する「波動」の視点からは、NYダウ・ナスダックのグラフにピンク色線を引いたように、先のピークが上昇を押さえつける可能性があると見ます。この場合は平均線を上抜いたからといって、この先の株価がドンドン上昇するとは判断しません。

私は「波動」を重視するので、NYダウが75日線を上抜いたからといって、強気になってはいません。
  1. 「波動」の標準は2段上げの2段下げです。
  2. 市場が強気であれば、3段上げの2段下げになり、
  3. 市場が超楽観的になれば、3段上げの1段下げになります。こういうときは中勢波動はピークに近いと思っています。
  4. 逆に、市場が弱気であれば、2段上げの3段下げになり、
  5. 市場が超悲観的になれば、1段上げの3段下げになります。こういうときは中勢波動はボトムに近いと思っています。
  6. 現在のところ、NYダウは2段目の上昇に移りましたが、この後先の小波動にピーク10594ドルを上抜いて、完全にピーク・ボトムを切り上げるのかを注目しています(上昇が2段で終わるのか、3段まで伸びるのかを注目している)。


(10.7.28) TOPIX 865P(+19)  日経平均 9753円(+256) 19.2億株 (1兆3000億円)



米国は、企業の決算はよかったが、弱い数字の経済統計が出て、小動き。 NYダウは10537ドル(+12)、ナスダックは2288P(-8)。

小波動には意味のある波動とあまり意味がない波動がある、ということはこれまでに何度かいってきました。ナスダックを例にして意味がない波動はどれなのかを説明します。

(a)のピークから、今日まで10本の小波動が生まれています。小波動にはピークとボトムがありますが、意味があるボトムは新安値を取ったボトムです。新安値を取っていないボトムは意味がありません。図でいえば、新安値を取ったボトムは(b,d,f,h)です。これらは青色にしてあります。新安値を取っていないボトムは(j)です。これはピンク色にしてあります。

同じく、意味があるピークは新高値を取ったボトムです。新高値を取っていないピークは意味がありません。 新高値を取ったピークは(g)と現在進行中のピークです。これらは青色にしてあります。新高値を取っていないピークは(c,e,i)です。これらはピンク色で表示しています。

(i→j)の小波動はピークもボトムもピンク色であるので、小波動としては無視すべきものです。最近の小波動はボトムが(h→j)へと切り上がり、ピークが(i→現在)へと切り上がっているから、中勢波動が上昇波動に転換したと判断するのは早いのです。意味があるボトムは(f→h)であり、これはまだ切り下がっています。意味があるピーク(g→現在)も今日のところはまだ切り上がっていません。よってまだ中勢波動は上昇波動に転じたとは判断できません。

ストレステストのイベントが通過し、欧州の銀行の4-6月決算が悪くはなかったとかで、ドル高・ユーロ高に振れたため、日経平均は大幅上昇となりました。

米国株は足踏みであったのに東京市場が大幅高になったのは円安が原因です。今のところ株価に最も影響力があるのは円レートです。(これについては明日述べます)

日経平均の意味ある小波動のピーク・ボトムを青色で、意味のないものをピンク色で表示しました。現在進行中の上昇波動は、前回のピーク(g)9807円を上抜いたときから意味あるピークになります。

いまのところピークが切り上がるためには、株価が(e)10251円を上回ることが必要です。よってまだ中勢波動が上昇波動に転じるかどうかを判断する状況下にありません。


(10.7.29) TOPIX 861P(-4)  日経平均 9696円(-57) 18.9億株 (1兆1956億円)



米国は、弱い数字の経済統計が出て小幅ながら下げる。 NYダウは10497ドル(-39)、ナスダックは2264P(-23)。

ナスダックは一昨日は、75日線でつかえて、@新高値の、A陰線となり、昨日はB順下がりの陰線、そしてC9日順位相関が+80以上 となったので、小波動のピークらしさは4ポイントになりました。

海外株は4ポイントになれば5分5分なので、一昨日のザラバ高値2307Pがピークになる可能性があります。

日経平均は円高の修正が一服したため小幅ながら下げる。

円レートから日経平均の推測値を計算するという条件表No.41を紹介したのは2010年4月6日のことでした。

推測する方法は「1次回帰式」によります。1次回帰式というのは、中学1年か2年のときに数学で習う y=ax+b の形をした式です。

今の場合はyが日経平均の推測値、xが円レートになります。円レートがわかれば、適当なa(倍率)を掛けて、適当なbを加えると、y(日経平均の推測値)がわかります。

このとき、例えば25日間とか50日間で、最もよくあてはまるaとbを決めなければなりません。それは「最小2乗法」という理屈で決めることができるのです。

「最小2乗法」をプログラムに組み込むことはそう難しいことではありません。現に「回帰曲線」は「最小2乗法」をプログラムに組み込んで回帰曲線の値を計算しています。 条件表No.41がすごいのは、条件表に「最小2乗法」を設定したことです。条件表に「最小2乗法」を設定したことによって汎用性が生まれました。Aの株価データを元にして、Bの株価を推測することができるのです。例えば日経平均のデータから「日立」の株価を推測することができるし、「日立」のデータから「東芝」の株価を推測することもできるのです。

この条件表No.41は、円レートのデータから日経平均を推測するために設定しましたが、これは次のような狙いを持っていました。
  1. 円レートから日経平均の値段を推測する(推測値)
  2. だが実際の日経平均とピタリと合うことはほとんどないが、例えば相関係数が70以上あるときは、円レートは日経平均の値段を決める要因のうちの50%の影響力を持っているので、大きなハズレはないはずだ。
  3. そこで推測した日経平均と実際についた日経平均を比べて、現実の日経平均が+4%以上高かったならば売り、現実の日経平均が-4%以上安かったならば買い、としました。つまり「逆張り」的に使おうとしたのでした。
この考えによる売買マークが図の緑○で囲ったものです。5〜6日くらいの期間ではだいたい合っています。

基本的に「逆張り」という投資方針は短期間に限り有効な方法です。「株価が安すぎると思ったので買った」というのは行き過ぎた下げが平常に戻ることを期待して買っているのです。買ったところから長く上昇することを期待してはいけません。「逆張り」は株価の動きや水準が平常に戻れば、その役目は終わります。

買ったところから長い間上昇することもあるでしょう。だがそれは株価が途中から上昇トレンドに転換したからです。「逆張り」をしたから上昇トレンドに乗れたのではありません。「順張り」の投資方針を取る投資家は上昇トレンドに転換したときから買えばよいのです。「逆張り」による買いよりも遅れますが、株価が上昇トレンドを維持する限りは利益がでます。

「逆張り」による利益はだいたいが小さい。「順張り」による利益は大きいこともあるが、トレンドが発生したかどうかの見極めがまずいと「買ったと思えば下がり・売ったと思えば上る」といったふうに翻弄されます。 基本的には、トレンドが不明なときは「逆張り」をし、トレンドが明らかなときは「順張り」をすべきです。

条件表No.41の使い方を述べる予定でしたが、話がそれてしましました。明日も続きを書きます。


(10.7.30) TOPIX 849P(-11)  日経平均 9537円(-158) 21.1億株 (1兆3849億円)



米国は小安い。 NYダウは10467ドル(-30)、ナスダックは2251P(-12)。

ナスダックは2日連続の切り下がり陰線となって、ピークらしさのポイントは5ポイントになりました。

昨日のところは9日順位相関と25日順位相関はわずかなところでD(デッド)クロスすることを免れていますが、今夜Dクロスすることは間違いないでしょう。

クロスした日にボトムを出すということはまずないので、今回の下げが軽いものであっても、なお2〜3日は下げるような感じです。

5日ベクトルと10日ベクトルはすでに一昨日にD(デッド)クロスしていましたが、最近のクロスを見ると、Dクロスした日から3〜4日は下げているので、やはり少なくとも2〜3日は下げるのではなかろうか。

円レートが86円台に入ったため、日経平均は下げる。

今日の円レートによる日経平均の推測値は9386円です。今日の終値9537円は推測値よりも200円ほど高い。

今日の相関係数は61.3なので、円レートが日経平均に影響を与えるのは、全体の37%ほどのものです(0.613×0.613=0.376=37.6%)。

日経平均の株価水準を決定する要因のうちで、その37%は円レートが決定権を持っているのだから、円高が進めば当然に日経平均は下落するし、円安になれば日経平均は上昇します。日経平均が推測値よりも200円高いからといって、日経平均が推測値にサヤ寄せしなければならないと思うのは間違いです。

さて上図に「相関係数」を緑色で描き、+70と-70の空色の水平線を引いています。相関係数が70(-70)ということは円レートが日経平均の水準をほぼ50%決定しているということです(0.7×0.7=0.49=49%)

相関係数が70を超えている時期は円レートが日経平均の変動の半分を決定しています。そうであれば、現実の日経平均は推測値(青色線)の上になったり下になったりを繰り返すと思われますが、実際には何日も推測値の上にあったり、長く推測値の下にあったりします。つまり円レート以外の要因が円レートから推測する日経平均よりも高めに日経平均を引っ張り上げたり、逆に日経平均を引き下げたりしているわけです。

円レートが推測する日経平均よりも現実の日経平均が高いときは、市場は円レート以外のなにか強気になる要因に注目しているのです。例えば最近の好決算を評価して日経平均は円レートからの推測値よりも高いのかも知れません。

円レートが推測する日経平均よりも現実の日経平均が安いときは、市場は円レート以外のなにか弱気になる要因に注目しているのです。例えば先日のみずほFの増資による市場からの資金の吸い上げをマイナス材料として評価して日経平均は円レートからの推測値よりも安いのかも知れません。

現在のところ7月8日以来、日経平均は推測値よりも上位にあります。これは円レートが影響を及ぼす以外のところでは市場は強気であるということを表しています。もし円レートが前日と変らないときは、日経平均は上昇するということです。日経平均が推測値の上位にあるときをまとめると、
  1. 円レートが上昇すれば、日経平均はやはり下落する。
  2. 円レートが下落すれば、それ以上に日経平均は上昇する。
  3. 円レートが変化なしであれば、日経平均は上昇する。
ということです。逆に日経平均が推測値の下位にあるときは、
  1. 円レートが上昇すれば、日経平均はそれ以上に下落する。
  2. 円レートが下落すれば、日経平均は小幅上昇するか小幅下落する。
  3. 円レートが変化なしであれば、日経平均は下落する。
ということです。


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