TOPIXをどう見たか・判断したか (08年11月)

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(08.11.4) TOPIX 910P(+43)  日経平均 9114円(+537)   22.5億株 (1兆9030億円)



日本が連休中のNYダウは9325ドル(+144)→9319ドル(-5)とまずまずの堅調。

東京市場は週末に8500円台へ調整していたので、今日は高く始まり、戻り高値を更新する。

10月28日の7000円割れからの足は3本連続の大幅陽線で、昨日休んで、今日は新高値と強い足取りです。

ベアースターンズが破綻した3月17日は今年前半の株価の最安値11691円をつけましたが、このときの安値からの立ち上がりは非常に力強い足取りでした。

(A)から6本連続陽線→1日調整して→大陽線で(b)25日線まで戻りや5連続陽線で(B)75日線の手前まで戻ったのでした。 今回も3月のように75日線まで戻ることができるのか? と問われれば、答えは否定的にならざるをえません。


3月当時と現在では、経済環境が大きく違っています。例えば、日本の1-3月のGDPは+3.3%でした。5月末で3月決算が出揃ったときの今期(09年3月期)の利益の伸び率の予想は+5%でした。

米国の雇用統計は3月-8.0万人→4月-2.0万人→5月-4.9→6月-6.2と減少傾向にありましたが、急ではなかった。

当時の東証1部の妥当PERは、利益伸び率からして17.0倍(18.0倍も考えられた)でした。4月5月当時のPERは17倍以下であったので、妥当PERにサヤ寄せする上昇でした。6月6日には14601円まで上昇しましたが、このときのPERは17.45倍でした。この水準は当時としては許容できるものでした。これが今年前半のピークです。

現在の状況はまるで違います。7-9月期のGDPはゼロに近く、10-12月はマイナスの成長でしょう。09年03月期の企業の利益伸び率は-15%と予想されています。3月当時とはまるで違います。 米国の雇用統計は8月が-8.4万人→9月-15.9万人と失業者が急増しています。今週7日に発表される10月の統計値はもっとマイナスが拡大するはずです。

現時点でのPERからの上限は目一杯に上昇しても14.0倍です。今日の東証1部PERは推定で13.60倍あたりにあるので、日経平均が9400円を超えることは難しいと思っています。


(08.11.5) TOPIX 966P(+56)  日経平均 9521円(+406)   28.6億株 (2兆3280億円)



NYダウは9625ドル(+305/+3.27%)と上昇。ナスダックも1780P(+53/+3.11%)。

ただしまだ底値の波乱が収まった、底値波乱圏から脱したと判断はできません。NYダウは9794ドルを上回る必要があります。ナスダックは1896Pを上回らねばなりません。

大統領選挙が終わりました。各国の金融危機対策が出揃い、米国の大統領も決まって、期待したものがはたして現実を好転してくれるのかどうか、これから真価が問われます。



東京市場は米国株価の上昇と100円/ドルに近づいた円安を材料に大幅続伸し、9500円台にのせる。

驚いたのは昨日の東証1部のPERが14.52倍であったことです。

10月31日の日経平均は8576円で、東証PERは12.88倍でした。

昨日11月4日の日経平均は9114円(+6.27%)、TOPIXは+5.03%の上昇であったので、東証1部の株価は、2つの上昇率の平均の+5.65%の上昇をしたとみなして東証1部のPERを推定すると、13.60倍(=12.88×1.0565)のはずでした。

ところが日経新聞の予想PERは14.52倍でした。推計値と大きなズレがありました。このズレは企業の予想利益が相当大きく減額されたためです。 11月末までは、このように通期の予想利益がドンドン減額されていくのでしょう。よって東証PERの推定および妥当な株価水準は当分は毎日計算することが必要です。

昨日の東証1部PERがすでに14.52倍であるということは、昨日の日経平均9114円は、私のPER基準によればトンデモナイほどの割高水準です。

推定PERの計算方法と、株価の割高水準・割安水準のメドのつけかたは10月30日に説明しました。このうちで最も重要なことは、現在の妥当PERを何倍とするのかです。10月14日に現在の妥当PERは12〜13倍に引き下げたほうがよい、といいましたが、12倍とするのか13倍とするのかは少し悩み、結局12倍と決定しました。

妥当PERを12倍とするならば、昨日の日経平均9114円(PER14.52倍)は超割高です。また妥当PERを13倍としても今日の日経平均9521円(推定で15.30倍)は超割高な水準です。


(08.11.6) TOPIX 909P(-57)  日経平均 8899円(-622)   23.7億株 (1兆9988億円)



大統領選が終わった米国は、にわかに足許の経済状況に気づき、NYダウは9139ドル(-486/-5.04%)と暴落。ナスダックも1681P(-98/-5.53%)。

新大統領の経済対策に期待をかける向きもあれば、金融危機はまだまだ去っていないという向きもあり、荒っぽい値動きが続いています。

先般の金融安定のための各国の金融政策は、
  1. 流動性を確保するために中央銀行による潤沢な資金提供をし、政策金利を引き下げる。

  2. インターバンク取引が疑心暗鬼になっているために政府が取引の保証をする。

  3. 金融機関がかかえた資本の毀損に対して公的資金を注入する。
でした。 これによって、当面の流動性についてはホッと一息つげましたが、本丸は金融機関の資本の毀損をどのように修復するかです。

今回の世界各国の公的資金の注入はずいぶん荒っぽいものです。金融機関の資本の毀損がどれほどのものであるのかは未だに不明です。来年から不良資産の精査が始まるかと思いますが、おそらくは現在予定している資本注入額では全然不足するでしょう。

1998年〜1999年にかけて日本は10兆円の公的資金を注入しましたが、株価は下げ止まりませんでした。「みずほF」などは2002年3月期に2兆3000億円の赤字を出すしまつで、取引先にお願いして自力で1兆2000億円の増資にこぎつけたといういきさつがあります。

「りそな」にいたっては2003年5月にパンク状態になり、3回目の資本注入がされました。その額は合計3兆1000億円。りそなの規模でこれほどの資金を追加注入せねばならなかったのです。日本の経験からすると、
  1. 初めて公的資金を注入したときから、
  2. 不良債権は日を追うごとに拡大し、
  3. 最初の資本注入から4年たっているのに追加の資本注入を余儀なくされた。
  4. 株価でいえば最初に資本注入がされた1998年9月の日経平均は13000円、1999年3月は16000円であったが、りそなの2003年には7600円と株価は半分になっていた。
バブルが弾けるとはこういうことです。先のNYダウのザラバ安値7882ドルは今後何年間の安値であるとは決していえません。日本の例ではバブル時の日経平均38950円が1/5の7600円になって底値を出しました。NYダウの高値は14198ドルであり、先の安値は1/2にもなっていません。


(08.11.7) TOPIX 879P(-30)  日経平均 8583円(-316)   27.1億株 (2兆1896億円)



米国は失業保険の申請数が26年ぶりの数字とかで大幅続落。NYダウは8695ドル(-443/-4.85%)、ナスダックも1608P(-72/-4.33%)。

昨日の大引け後、トヨタが09年3月期の業績予想を発表しましたが、当初の営業利益1兆7000億円を7000億円に減額するというものでした。なんとなんと1兆円の営業利益が夢幻になったわけです。

今日の東京市場は先のソニーショック以上の下げになるのではないかと思っていましたが、案外に下げず。トヨタはストップ安の売り気配で始まりましたが、値が付いたあとは高くなり、-350円(S安は-500円)で終わりました。

今日の日経先物の動きも不自然で、安値8240円から8870円まで+ 650円の棒上げをみせ、結局は8660円で引けました。最近は後場2:30から年金買いによって株価が棒上げすることが多いのですが、今日の上昇はケタはずれの大きさでした。

PERが昨日の時点で14.74倍という割高水準にあるのに、なおも買い上るというのはおかしい。公的資金による株価の買い支えでしょう。しかしこのような不自然な買い支えはいつかほころびます。妥当株価は8000円以下です。(トヨタの業績予想がPERに反映されると7500円あたりが妥当な水準になるのではないかと思っています)

《デンドラ24》のいユーザーは、デンドラによる上値メド・下値メドをあてにされていると思います。

通常の相場であれば、@日経平均・TOPIXは4%波動を使い、A一般銘柄は8%波動を使います。この波動の大きさは、立会い日の80%は通用します。

しかし10月に入ってから、例えば日経平均の動きは4%で1つの波動を作るといったものではなく、1日で6%〜10%の変化をすることが多発しています。

このように値動きが荒っぽいときは4%波動にこだわることはありません。現状では日経平均・TOPIXは8%波動を採用したほうがよいでしょう。一般銘柄は、通常なら8%波動を使いますが、現状では12%波動または15%波動を使って下さい。

波動の大きさを切り替えるには次のようにします。
  1. 現在は何%波動を採用しているのかが表示されています(8%波動を採用している)
  2. メニューの「波動」→「波動の設定」をクリックするか、図の「丸メーターの絵」をクリックします。


  3. 「波動の設定」の小画面が出るので、15%波動に切り替えたいならば、「HADO1500」をダブルクリックして下さい。

  4. 「使う波動」の欄に「HADO1500」と表示されたならば、

  5. 「OK」ボタンをクリック。


  6. 「15%波動」と表示され、15%波動による上値メド・下値メドがグラフに表示されます。
図の(A)時点でのトヨタの下値メドは、@4026円、A3799円、B3459円、C3175円でしたが、Cを少し下回る3040円の安値まで下落。

(B)時点で上値メドは、@5527円、A4851円、B4704円、C4175円でしたが、Cの4250円まで上昇。

(C)時点でのトヨタの下値メドは、@4026円、A3799円、B3459円、C3175円でしたが、Cを少し下回る3040円の安値まで下落。

(B)時点で上値メドは、@3443円、A3188円、B3188円、C2805円です。今日は3310円の安値を出していますが、ABの3188円あるいはC2805円が下値のメドになると思われます。


(08.11.10) TOPIX 916P(+37)  日経平均 9081円(+498)   21.2億株 (1兆6581億円)


先週は景気後退を裏付ける統計値が多くでました。まず米国の10月の雇用統計は-24万人減であり、市場の予想-20万人を大きく上回りました。結果失業率は6.5%となり、予想の6.3%を上回りました。 同時に9月の数字は-15.9万人から-28.4万人へと大きくマイナスに修正されました。

米国の7-9月期の純利益は-13.9%減で、5四半期連続の減益になりました。7-9月期の業績は、まだ10月の金融危機および自動車販売台数の大幅減が入っていない数字です。これが入ってくる10-12月期の業績がどれほどヒドイものになるのかを想像しなくてはなりません。

しかし先週末のNYダウは8943ドル(+248/+2.85%)、ナスダックも1647P(+38/+2.16%)と反発しました。新大統領による経済対策を期待してのことだと思いますが、これは期待が先行しすぎているでしょう。今夜はAIGの7-9月決算が発表になります。米国政府はAIGに対して10兆円規模の支援をしていますが、それでも赤字が拡大しているようならば、再びの金融危機が発生する可能性があります。また 実体経済では、このクリスマス商戦がどうなるのかによって、株価が再びの暴落も考えておかねばならないでしょう。


東京市場は、米国株高→円安に加えて、中国が57兆円規模の景気刺激策を発表したことから上昇する。しかし先週末の東証PERはすでに14.97倍まで振れあがっていたので、今日の推定PERは15.70倍になったと思われます。これはトンデモなく割高な株価水準です。

わたしは今の業績では、日経平均は8000円以下が妥当であると思っています。今週は11月のオプションのSQがあります。おそらく買い方の目標としては9500円(ひょっとして10000円)であり、売り方の目標は8000円だろうと思います。

今日の売買代金が1兆6500億円であったように、今の市場に参加しているプレーヤーは減っています。多くは様子見をしています。この中で目先の思惑(SQ)によって、8000円〜9500円の間の荒っぽい動きがでるかと思われますが、基本は「9000円以上は高い。7000円以下は安い」です。


(08.11.11) TOPIX 889P(-27)  日経平均 8809円(-272)   21.2億株 (1兆6581億円)



AIGの7-9月決算は2兆4000億円の赤字でした。米国政府はAIGに対する支援方針を早くも変更し、総額で15兆円、うち4兆円を毀損した資本の補填のために資本注入を行うと決定。

AIGの1社をとってもこの有様です。投資銀行のうち唯一金融不安に無関係と思われていたゴールドマンSは、証券業から銀行業へと衣替えをしましたが、このこと自体が巨額の不良債権があることを表わしていました。今度の決算は赤字になるという話です。

金融機関を立て直そうとして精査すればするほど、不良資産が出てくるのは、日本も米国も変りません。AIGだけで15兆円の支援です。米国の金融全体を支援しようとするならば、先般決めた金融安定化法の70兆円では不足するに決まっています。

さらにはGMは資金繰りが窮屈になっており、政府の公的な融資を受けない限り、立ち腐れになりそうだし、米国第2位の家電量販店のサーキット・シティは倒産するなど、金融危機は次々に実体経済を悪化させています。

こういう状況にあってNYダウがさして下げないのは不思議の一言に尽きます。米国は自国の経済状態を過信しているのではないか。過信が不信に変ったならばNYダウは5000ドル割れ、極端な悲観に陥ったときは3000ドル割れをすることも、頭の隅に心がけておいたほうがよいのではないか。

今回の中国の57兆円規模の経済対策は、ないよりはましだが、小渕内閣がやった100兆円の対策と比べれば少ない。また小渕内閣の対策は当面の景気減退をわずかに下支えしたに過ぎず、のちに大きな国家の借金(国債の急増)をもたらせました。

景気対策をやらないよりはやったほうがましですが、使ったほどの効果が出るのかといえば、日本はそれで失敗をしています。だがまだ中国はどこに投資すべきかがわかっているだけましです。

麻生内閣の定額給付金は「悪手」です。たったの12000円の給付では家族4人が焼肉屋にいって、支払いができるのかの金額です。もらった12000円をさっそく消費しようという人間はわずかでしょう。 これならかつての「地域振興券」のほうがよほどましです。12000円は、@買い物券で給付する、A年内一杯が有効期限である、Bその市町村でしか利用できない、などの制限を設けるべきでしょう。地方は疲弊しています。わずかでも地方が明るくなるような制度とすべきでしょう。


(08.11.12) TOPIX 875P(-14)  日経平均 8695円(-113)   20.7億株 (1兆6701億円)



世界一のカード会社であるアメックス(アメリカン・エキスプレス)は、資金繰りを楽にするためには銀行業への衣替えをせざるを得なかったようで、銀行持ち株会社に衣替えをしました。カードの不良債権が相当にあるようです。

金融不安は、投資銀行→住宅金融→保険会社→カード会社へと広がっています。

GMの昨日の終値は2.92ドル(-0.44)。とうとう3ドルを割り込みました。

東京市場は安く始まったが次第に上昇し、日経先物は前日比変わらずで終わりました。今週末の金融サミットに期待をかけているようですが、多くの国が集まって会議してもまとまることはあまりありません。

かねてより予告していた《リアル24》Ver.3の楽天証券用の《FR24》で、夕場データを受信できるようにしました。 《リアル24》Ver.3のユーザーは《FR24》のデータ・コントローラーのメニューの「アップデート」から最新バージョンをダウンロードしてください。

バージョンはVer.3.5、日付は(2008.11.12)です。

現状は右図の「B例」の通りに受信し、データを保存してください。すなわち
  1. 9:00前から「受信開始」する。
  2. 15:10になったら「受信ストップ」して、
  3. 「カナルへ保存」をする。

  4. 16:30前から夕場データを「受信開始」する。
  5. 20:00になったら「受信ストップ」する。

  6. 夕場データを保存しないのなら、そのまま《FR24》を終了する。
  7. もし夕場データも保存したいのであれば、今日2度目の「カナルへ保存」をする。
最終的には「A例」のように、朝、「受信開始」して20:00に「受信ストップ」して、「カナルへ保存」ができるようにする予定ですが、15:10から16:30の間のエクセルシートの内容が不規則に変化するので、現在のところ「A例」のチェックは完全に終えていません。まずは「B例」のように受信し、保存してください。

私は夕場が始まった当初は、@値動きが小さい、Aメインプレーヤーがいない、B出来高が少ない、ということから夕場は無視してきました。

例外的に夕場で売買するのは、

C15:10の終値よりも夕場の株価が±200円以上変化したときは、その逆の注文を出して仕掛ける(+200円高くなったら売り、-200円安くなったら買い)、

D15:10までに決済できなくて、オーバーナイトしたくないときに決済する。

というときだけでしたが、最近の夕場の値動きは結構激しいものがあります。その結果チャートに馴染んだ動きをしてくるようになりました。例えば、今日の夕場の株価の動きを均衡表で見ると、
  1. 基準線まで下落して、反発した。
  2. 基準線を割り込んだ。
  3. 反発したが、基準線が戻り一杯の水準となって、
  4. まで下落した。
  5. そこから急反発したが、やはり基準線や抵抗帯が戻り一杯の水準となっった。
と、夕場だけでも値幅を取ることが可能になってきています。


(08.11.13) TOPIX 837P(-37)  日経平均 8238円(-456)   21.9億株 (1兆7576億円)



ポールソン財務長官は、ノンバンクにも公的資金を注入する、ただし一方では不良債権の買取りは当面しない、と発表。

これは米国のあちこちで金融不安の火の手があがり、まずはこれを消化することが先決である。消化したあとで、現場検証をして、一部の補修をすればよいのか、全部建て替えをするのかを決めようということでしょう。まだ火の手が拡大している最中です。

火事は徹底的に消しておかねば再発火があります。徹底的に消化するには巨額の資本注入が必要ですが、先の70兆円の金融安定化資金では不足すると思っているのではなかろうか。

東京市場は大幅安。8000円台の水準はよほど株価の割安感があるのか、最近は後場2:30ころから年金資金と思われる買いものが入ってきます。しかし、上昇は一時的なもので、数日後には株価は下落しており、年金運用者はよくもあんな水準で買ったものだということになります。

株式投資で、陥りやすい間違いは「値ごろ感」です。これは投資の指針にはなりません。 1年前に2000円していた株価が700円になっている。これは安い、滅多にない買いのチャンスである。そう思って買ってみるが、たいていは損失になります。過去の株価との比較をして、株価が1/3になったから「割安」であると考えるのは大きな間違いです。

例えば原油は一時は146ドルまで上昇しましたが、現在は56ドルです。三菱商事は今年の高値は3950円ですが、現在は1277円です。株価が1/3になっても現在の株価水準が「割安」ということにはなりません。

海上運賃の指標であるバルチック指数はピークから95%を超えて下落しています。1/20になっています。川崎汽の株価は1760円から291円まで下落し、1/6になりましたが「割安」ではありません。過去の株価を基準にして「割安」だとか「割高」だとかを判断すると間違います。


いまのところは、株価水準が妥当かそうでないかは東証1部のPERを基準にするしかありません。

昨日の日経平均は8695円でした。東証1部のPERは15.20倍でした。

PER=株価÷1株利益

で計算されます。ここから日経平均を1つの銘柄と仮定したとき、日経平均の1株当り利益が計算できます。

8695円÷(1株当り利益)=15.20倍であったので、(1株当り利益)=8695円÷15.20倍=572円と逆算できます。

私は現状の企業業績の減益率から、@妥当PER水準は12倍であり、A11倍から13倍の間が許容範囲、B14倍以上のときは割高、C10倍以下のときは割安。というメドを持っています。

日経平均の1株当り利益は昨日の時点では572円です。これを当てはめると、
  1. 14倍の割高水準は8000円以上(572円×14倍=8008円)
  2. 13倍の許容範囲の水準は7400円以下(572円×13倍=7436円)
  3. 12倍の妥当株価の水準は6900円あたり(572円×12倍=6864円)
  4. 11倍の許容範囲の水準6300円以上(572円×11倍=6292円)
  5. 10倍の割安水準は5700円以下(572円×10倍=5720円)
こうなります。図の(A)の10月27日の日経平均の終値は7162円でしたが、この日のPERは10.07倍でした。逆算すると、この日の日経平均の1株当り利益は711円であったのです。しかし現在の日経平均の1株当り利益は572円となっています。わずか2週間で、日経平均の1株当り利益額は-20%も減少してしまいました。

次に悲観人気が発生し、(A)と同じ7162円まで下落しても、そのときのPERは12.5倍であいかありません。妥当PERよりも少し割高な株価水準です。日経平均が先の安値の(A)7162円に近づいたからといっても、決して「割安」ではありません。


(08.11.14) TOPIX 846P(+9)  日経平均 8462円(+223)   20.9億株 (1兆7202億円)



昨夜の米国市場は波乱となりました。初めは新規失業保険申請件数が前週より3.2万人増えて51.6万人となったことから、NYダウは一時8000ドル割れ。

しかしその後は大規模なショートカバーが入り、大幅高となりました。昨日のザラバ安値7965ドルから高値8876ドルの値幅は920ドル余りと大幅な動きでした。

足型だけを見ると、長大陽線の「陰線包み上げ」です。この1本をもって底値が出たと判断してよいほどの強い足ですが、その背景はあやふやです。

特に株価を上昇させる材料がでたわけではありません。どころか発表される経済指標は悪化の一途であるし、金融機関は不良資産の評価損を次々に追加しています。一体この大陽線はどうして生まれてきたのかが不明です。 今夜も陽線で続伸するのか?25日線を上抜くのか?を見極める必要があります。


@NYダウとAナスダックとは小波動の形が違っています。この2つとさらに異なるのがB日経平均とCFT100です。

@NYダウは10月10日に最安値7882ドルをつけ、2日後の10月14日に戻り高値をつけています。それ以来1か月間はこの高値・安値に挟まれたゾーンで動いています。ここでは小波動の切り上がり・切り下がりといったトレンドは発生していません。

Aナスダック・B日経平均・CFT100は10月10日は最安値になりませんでした。10月24日〜28日につけて最安値を出しています。

NYダウは金融不安を第一の弱材料としました。これはNYダウを構成する30銘柄のうちには、@アメリカン・エキスプレス、Aバンカメ、BシティG、CJPモルガン、DGE(のローン部門)、EGM(のローン部門)が含まれるため、金融不安がNYダウに最も影響を与えるためです。

一方、ナスダック・日本・英国は、金融不安によってもたらされる景気後退を最も重視しました。

ここへきてAナスダックとB日経平均・CFT100の波動は変りました。すなわちAナスダックは昨日最安値を更新しました。おそらく最も世界の景気に敏感なのはナスダックでしょう。そのナスダックが安値更新したことは、米国の企業業績はより悪化しているということでしょう。いずれは日本・英国、ひいてはユーロ圏も新安値に突入するのではないかと思います。


(08.11.17) TOPIX 850P(+3)  日経平均 8522円(+60)   20.2億株 (1兆6247億円)



週末の米国市場は下落。NYダウは8497ドル(-337/-3.82%)、ナスダックは1516P(-79/-5.00%)。

10月の小売業の売上高は前年同期比-2.8%減と急ブレーキがかかりました。これでは11月後半から始まるクリスマス商戦は全滅でしょう。

東京市場は、米国株安→円高によって安く始まるが、公的年金の買いが入り、いったんは8800円近くまで上昇する。しかしその後は戻り売りに押される。

売買代金は1兆6000億円強と少ない。誰も自身の相場感を持つことができていません。ただただ株価の動きに追随しているだけです。

《デンドラ24》は過去の波動の統計を基礎にして、今後の株価の上値メド・安値メドを出しています。統計にもとづいた株価のメドがでます。 統計というものは、発生したすべてのデータを取り込めばよいというものではありません。異常なデータは排除するのが普通です。異常なデータがデータベースに取り込まれると全体の統計値が崩れます。どんなデータでも取り込めばよいというものではありません。

《デンドラ24》に付属している波動パターン(これが値打ちである)は、私が適当であると思った時期のデータからできています(いいかげんな時期のデータを採集したわけではありません)。例えるならば、成人男子の身長のデータが《デンドラ24》が用意している波動パターンです。ところがユーザーが幼稚園を訪れて、一知半解に、これもデータに違いないとして取り込むと、「成人男子の身長」は低下します。人間であれば何でもよいというのではありません。異常なデータは取り込まないことです。

2008年10月の株価変動は異常すぎました。このような株価変動は何10年に一度しか現われません。この時期のデータを取り込むと、今後何10年かは、この異常値のために《デンドラ24》はあいまいな株価のメドを出すことになるでしょう。

《Qエンジン24》も同じことです。2008年10月を含む「オートマ」、「検証」、「最適化」をしてはなりません。異常な数値に合わせて条件表を作り、最適なパラメータや売買ルールを決定してしまいます。 50年に一回あるかどうかという事象を取り込んだデータベースでは、50年のうちの48年か49年は「ぼけた」判断をしてしまいます。くれぐれもいいますが、この10月のデータは無視してデータを採集してください。

図は「日経平均」の前日比変化率のヒストグラムです。

私はかつては、暴落・暴騰は±5.0%を超えたときであるとしてきましたが、ここ2〜3年は±4.0%を超えたときであるとしています。

この根拠は、過去2927日(約12年)の統計をとったところ、-4.0%を」超えて下落したのは36日(1.23%)しかありませんでした。+4.0%以上上昇したのは27日(0.92%)しかありませんでした。

だいたい、100日に1度+4.0%の上昇があり、100日に一度-4.0%の下落があります。

±4.0%を超える株価変動は2%(50日に1度)なわけです。ところが上図グラフによると、2008年10月は立会い日数22日のうち11回が±4.0%を超える株価変動をしています。このような何10年に1度あるかどうかというデータは、今後の株価予測のデータベースとしてはいけせん。


(08.11.18) TOPIX 835P(-15)  日経平均 8328円(-194)   19.5億株 (1兆4921億円)



シティGは5万人規模の人員削減をするとか。金融危機はまだ収まっていないとして、NYダウは8273ドル(-223/-2.63%)、ナスダックも1482P(-34/-2.29%)と下落。

大量の失業者がでることは国内消費の収縮につながります。だが5万人を解雇するという決断をしたことは、シティにとって将来的に必要な事業と人員に絞ったということです。シティGの事業の再編成の大詰めが近づいているのではないか。

企業にとって、人員整理することはツライ決断です。そのための費用も相当にかかります。できれば人員整理はしたくない。

トコトン資金に窮したときは人員整理をしようとしても、その整理するための費用を出すことができません。倒産するのでない限り、解雇する従業員にはそれなりの有利な、手厚い手切れ金(当座の所得保証)が必要となるからです。

よって、金融危機に見舞われている金融機関が人員整理をすればするほど、金融危機は遠ざかっていくと見るほうがよいのではなかろうか。シティGの大量解雇(計画)はマイナス材料として響きましたが、金融再生へむけてのスタートとみるほうがよいでしょう。

東京市場は小動きに終始する。売買代金は1.5兆円足らずで、新しい動きはなし。



●《リアル24》Ver.3のユーザー
最新バージョン(2008年11月14日)をアップしているので、ダウンロードしてください。
  1. 後場データ(15:10まで)を受信し、(15:10に、いったんデータを保存することを推奨します)
  2. 15:10に続いて、16:30からのデータを受信して、グラフを描画し、
  3. 16:30〜20:00のデータを保存することができます。
ただし、私は、夕場データを保存しても翌日の役に立たない、と思っています。どだい9:00〜15:10までの出来高に裏づけされた株価の動きと、その1/10か1/20の薄い出来高による株価の動きは、信頼性において違いがありすぎるからです。 夕場データを受信してグラフを描画するのはよいが、夕場データを保存することは、お勧めしません。


(08.11.19) TOPIX 827P(-8)  日経平均 8273円(-55)   19.4億株 (1兆5280億円)



NYダウは8424ドル(+151/+1.82%)と反発するが、ナスダックは1483P(+1/+0.08%)と変らず。

日本もそうですが、米国も@出来高は少ないし、A株価のブレが激しい。

この原因は、@株価の見通し難、ということもあるでしょうが、A市場に大手のプレーヤーがいない、ということも原因でしょう。

巨額の資金を投資するときは、目先の株価が下がった上ったといって、売買の方針を変更することはありません。

だが多くのファンドがクローズされ、半年前にはブイブイいわせたオイルマネーも縮小し、投資銀行はなくなってしまった結果、そういう不動の方針で投資する投資家は少なくなった感じです。目先の相場の動きで買い・売りを決めるという超短期投資が市場を席巻し、よって売買は一方通行になりがちです。 こういう相場は、取れそうで取れません。

現在の小波動は、ピークの9521円が表示されているので、いつ小波動のボトムをつけるのかを見守っているところです。小波動のボトムらしさのポイントは、@新安値の、A陽線(ただし先物だけ) 、B9日順位相関が-80以下になった、というだけで、まだ3ポイントでしかありません。


(08.11.20) TOPIX 782P(-45)  日経平均 7703円(-570)   20.0億株 (1兆6043億円)



米国は、@自動車メーカー3社の支援問題が紛糾し、A10月の新築住宅着工件数が過去最大のマイナスになり、BシティGは新たな不良債権の処理を進めるということだし、で約200ドルのマイナス。

そこへFRBが予想する2009年のGDP伸び率は-0.2%であることがわかり、そこから200ドル以上を下げて引ける。

結局NYダウは7997ドル(-427/-5.07%)の暴落。景気に敏感なナスダックは1386P(-96/-6.52%)とNYダウを大きく上回って暴落する。

すでにナスダックは10月安値を割り込んで新安値に突入していますが、NYダウもこのような経過をたどるだろうこと、欧州も日本も(今すぐとはいわないが)いずれそうなるだろう、と思っておかねばなりません。


小波動の話です。10月以来のボトムは(A)の6994円であり、ピークは(b)の9521円です。ボトムからピークまでの上昇幅は2527円。上昇率は36.1%です。

この数字はとほうもなく異常な数値です。過去の統計は、08年6月3日に掲げたように、@平均の上昇幅は1227円。上昇率は+9.52%です。(平均の下落幅は@1262円、A下落率は-8.67%)

これまでは、だいたいが±10%の上下動があれば、ピークになり、ボトムになると思っていればよかった。だが10月からは20年〜50年に一度の大変動に遭遇しています。平時の統計値を持ってきて、現在の株価変動を計ろうとしてはいけません。

ただモデル波動は、その波動の大小を問題にするのではありません。波動のピークが切り上がった(切り下がった)、波動のボトムが切り上がった(切り下がった)が重要なところです。 現在のところ、小波動のピークは(n→b)へと切り下がり、ボトムも(m→A)へと切り下がっています。よって中勢波動はまだ下降トレンドにあります。

現在の小波動のボトムらしさは、@新安値、A9日順位相関が-80以下。ここへ今日は、B逆張りの条件表No.2が買いマークを出しました。 だがまだボトムらしさの確率は3ポイントです。ここへポイントが加算されるのは、C陽線になる、D25日騰落レシオが75まで低下する、E25日順位相関が-80以下になる、F25日投資マインド指数が15以下になる、といったことが必要ですが、当面はこれらの現象はでません。今日の株価で買い出動するのは、確率30%といったところでしょう。


(08.11.21) TOPIX 802P(+20)  日経平均 7910円(+207)   24.8億株 (1兆8180億円)



米国は、自動車メーカー3社の支援問題が12月に先送りされたことから連日の暴落となる。 NYダウは7552ドル(-444/-5.56%)、ナスダックは1316P(-70/-5.07%)。

ナスダックは新安値に突入しているのに、NYダウは10月安値をなかなか更新しませんでした。しかし昨日でようやくナスダックに追随する。

グラフの赤色線は「20日HSボラティリティ」です。「HSボラ」とは「ヒストリカル・ボラティリテイ」の略称です。この20日間の株価変動は年率で何%の変化に当るかを表しています。

通常、NYダウとかナスダックとか日経平均とかの成熟した市場の指数は、1年間のうちにそう大きく変化するものではありません。年率で30%変化するのは結構大きな変動です。 NYダウのこの5〜6年間の20日「HSボラ」を調べてみると、20日HSボラは平均して12.9%でした。これは1年間で1.129倍になる、あるいは1/1.129(=0.886倍)になるということです。 実際のところ、NYダウの最近の安値は2000年10月の7197ドルで、高値は2007年10月の14198ドルです。7年間で約2倍(細かくは1.97倍)になりましたが、これは安値7197ドルからスタートして、年に1.129倍を6年間続けると、高値14198ドルになります。平時のNYダウのボラティリテイ(変動率)は13%程度なわけです。 ところが図のように10月以降の20日HSボラは70%〜80%で推移しています。1年間で1.8倍になる、あるいは1/1.8倍(=0.55倍)になるという大変動の時期なのです。

ナスダックはもっと激しく動いています。平時の20日HSボラは17.1%でしたが、10月には82%まで振れ上がりました。むろん、この5〜6年間には例がないことです。「100年に1度の金融危機」であると言われていますが、まあこれは大げさだとしても「1世代あるいは2世代に1度」の株価大変動の時期であることは確かです。 市場参加者のほとんどは、このような大変動に遭遇するのは初めての経験です。

「20日HSボラ」の条件表は次のように簡単なものです。これを使ってグラフを描くと、上図のNYダウ・ナスダックのようなグラフになります。(《カナル24》の「平均とSD」を計算するときには、「HSボラが1以上のとき買い」という条件をつけて、買い条件に合致したものだけの統計を採ってください。そうでないと20日HSボラが計算できていない日の数字が統計値に含まれてしまう)。



日経平均について08年9月30日までの過去11年間の「平均とSD」 を計算させてみました。
  1. 通常の20日HSボラは、21.8%である。これはNYダウ・ナスダックに比べて、非常に変動が大きい。

  2. 過去11年間で最大の変動となったのは51.7%である。

  3. 過去11年間で最小の変動となったのは 7.0%である。
過去11年間(2008年9月まで)で最大のHSボラは、1997年11月に発生した51.7%でした。この時期は、@拓銀、A三洋証券、A山一證券が破綻した時期です。この後、1998年にC長銀、D日債銀、が破綻し、公的資金が注入されます。

ついで、富士銀・興銀・第一勧銀が合併、住友銀とさくら銀が合併、最後に三菱東京とUFJ(三和銀+東海銀)が合併。と銀行の大再編が始まります。

しかし株価は1997年11月当時の15000円から半値の7600円まで下落していきました。

図の20日HSボラは115.5%です。年率にして約115%=2.15 倍または1/2.155倍=0.46倍になるというすさまじい株価の大変動です。 10年前の1997年の日本の金融危機の51.7%の2倍以上もの株価変動になっているのですから、投資家は謙虚にこれを受け止めなければなりません。すなわち
  1. 平時に使ってきた逆張りの指標(例えばカイリ率・順位相関・オシレータ・ストキャスティクス)は、この局面では使ってはならない。
  2. 自分の勝手な値ごろ感によって安いから買うということはしてはならない。
  3. 上昇トレンドが確定するまでは「戻り売り」が正解で、買いはバクチである。
ということです。中勢モデル波動でいうならば、

  1. 25日線(b)まで戻ったら、「戻り売り」(カラ売り)をする。

  2. 75日線(B)まで戻ったら、「戻り売り」(カラ売り)をする。

    これが当面の方針です。

  3. その後(C)が(A)を下回らないことを確認してから、(C)の少し後で買いを入れる。

  4. 株価が25日線を突破し、75日線を突破したらなら、ようやく買いが成功であったとわかる。
いけないのは(A)近辺での買いです。また(A)近辺での売りです。買いも売りも中勢モデル波動に従って行うのがよいと、私は思っています。(今日から3連休なので、少し長めの記事になりました)


(08.11.25) TOPIX 831P(+28)  日経平均 8323円(+413)   21.5億株 (1兆7364億円)



日本が連休中の米国は急騰。

NYダウは7552ドル→8046ドル(+494/+6.54%)→8443ドル(+396/+4.93%)へと+11.7%の急騰ぶりです。

ナスダックも1316P→1384P(+68/+5.18%)→1472P(+87/+6.33%)へ+11.8%の上昇。

この背景は、オバマ政権でガイトナー財務長官が決まったこと、シティGへ公的資金を追加注入するとともに、シティの不良資産30兆円を政府が保証すると発表したことです。

日経新聞によれば、シティGの総資産は200兆円だそうなので、このうちの15%の30兆円が不良資産になっているわけです。さらに簿外資産が120兆円あるそうです。おそらくはこの簿外資産が曲者ですから、バランスシートから切り離すには50〜60兆円の処理をしなければならないことになるのではなかろうか。 金融安定化法で決まった70兆円なぞは、あっというまに底が尽きそうです。

米国は当座のシティG救済を歓迎しましたが、国家、金融機関、個人の債務超過が拡大する一方では、株価の底打ちはまだまだ先のことになりそうです。来年中に底打ちするのかどうか。


(08.11.26) TOPIX 817P(-14)  日経平均 8213円(-110)   16.6億株 (1兆3343億円)



米国は、オバマ政権が70兆円規模の財政出動をするとか、FRBが80兆円規模のローン債権を買い取るとかのニュースが流れ、株価は下落を免れています。

FRBが80兆円で住宅債権・ローン債権を買い取るということは、FRBが不良債権を抱え込むということであり、いつかはこの危うさが発露します。

すでに金融安定化法案の70兆円では不足であるような感じであるし、ここへ70兆円規模の財政出動をするならば、平時でも毎年40兆円の財政赤字である米国の経常赤字は大変な金額になります。

目下のところドルは機軸通貨であるので、米国はドル紙幣を印刷すればよいだけです。ドルがあふれることによってもたらされるドル安による為替差損は他国(日本・中国・アラブ)が受け持ちます。ドル安になれば米国の輸出は活性化します。

まともな感覚であれば、諸国はドル資産を持ちたくないというのが普通でしょう。だが各国はドル資産(大きなものは外貨準備高)を溜め込んでいます。ここでドル安になってもらっては困る。当面はドル安を阻止する協力関係があるでしょうが、目端の利く国であれば、ドル資産は持たないようにするのが理屈です。ドルはいつかは暴落するのではなかろうか。1ドル=60円という時代が来るかもしれません。

株価が安くなったといって、「値ごろ感」で株式を買う投資家が増えています。この2か月間の投資主体別の買い越しNo.1は個人の現金部門です。現金を持つ投資家は、今が絶好の買い時であると思っています。その根拠は「値ごろ」です。1年前に964円していた新日鉄は今や250円です。1/4の株価になっている。「これは安い」と思って買うのが「値ごろ感」です。

しかし、相場というものは値ごろ感でピークをうったり、ボトムをうったりはしません。その株価が欲しいか、欲しくないかです。 新日鉄株を保有していても、株式を保有することによって得る利益(値上がり益と配当)よりも売却することによって得る現金のほうが値打ちがあるのであれば、保有している投資家はいくらでも売ってきます。

本当の買い場は、いつもいうことながら、小波動のボトムが切り上がり、ピークが切り上がったときしかないのです。上図のどこでピークが切り上がっていますか? ボトムが切り上がっていますか? P1で買いになり、Q1で売りになり、以降はずっと売りの局面です。25日線あるいは75日線まで株価が戻ってきたら「カラ売り」すればよい、という状況です。

1812「鹿島」の波動はどうですか。小波動のボトムが切り上がり、小波動のボトムが切り上がったのは(P1)のときです。このときに買えばよい。 逆に、小波動のボトムが切り下がり、小波動のボトムが切り上がったのはP2のときです。P1からは買いであり、P2からは売りの時期なのです。 ここのところを間違えてはいけません。間違えるのは《カナル24》を使っていないからです。小波動のピーク・ボトムを表示できるのは《カナル24》しかないのです。


(08.11.27) TOPIX 829P(+11)  日経平均 8373円(+160)  15.8億株 (1兆224億円)



米国は次々に発表される悪い経済指標(例えばケースシラー住宅価格指数が-17.4%と過去最大の下落)には目をつぶり、オバマ政権による財政政策に期待をかけています。

NYダウは8726ドル(+247/+2.91%)、ナスダックは1532P(+67/+4.59%)と続伸するも、ナスダックは25日線まで届かず。

世界が同時に景気後退することは、戦後初めてのことです。英国はサッチャー以来、米国はレーガン以来、ひどい景気後退で苦しんだことはなかった。

ここがバブル発生のタネです。バブルは1世代を通じてトレンドが持続したときに発生します。地価の値下がりを経験したことがない世代が住宅バブルを作り、大不況を経験したことのない世代が、将来の収入をあてにしてローンで物を大量購入します。

株価上昇率はその国の(GDPの伸び率+インフレ率)を基準としますが、1世代にわたって右肩上がりに上昇してきた株価は、あるときからこの基準を無視して1か月に20%・30%上昇する、ひどいときは2倍・3倍になります。 ようするにこのトレンドはいつまでも続くと錯覚してしまう。トレンドが持続するならば、早めに買っておいたほうが有利ではないか。ここから買い急ぎが始まり、資産価格は急激に上昇します。今回の危機はそういう1世代(あるいは2世代)が楽観した結果、バブルが生まれ、これがはじけたわけです。

今、米国はバブル崩壊を目のあたりにして、政府がなんとか救ってくれるのではないかと期待をよせていますが、2年や3年でバブル前の状態に戻すことは不可能です。バブルが発生して2年〜3年で崩壊したのだから、2〜3年たてば元に戻るということはありません。(20年間で起きることを2〜3年で実現してしまったのだから)

日本を除く各国は、自国の経済を立て直そうと必至ですが、バブルで膨らんだ不良債権は巨額にすぎます。

我々個人投資家にとっては、
  1. トレンドが下降中の銘柄は買わない

  2. 25日線または75日線まで戻ってきた株はカラ売りする

  3. 75日線をいったんは上回ったが、再度75日線を割り込んできた銘柄をカラ売りする
というのが当座の方針です。間違っても「買い」を思ってはならない。

5712「住友鉱」は珍しく、小波動のピーク・ボトムを切り上げてきましたが、(d)の75日線近くで新高値の陰線がでたら売りでしょう。 過去を遡れば、(a)の新高値の陰線で売り、(c)の25日線まで戻ったが翌日は25日線を割り込んだので売りです。

右図のソニーも同じです。(a)は25日線までもどったが、新高値の陰線となった。売りのチャンスです。

(b,c)は、25日線まで戻ったが翌日は25日線を割り込んだ。戻り売りのチャンスです。まだソニーは大底を出したとはいえません。


(08.11.28) TOPIX 834P(+5)  日経平均 8512円(+138)   19.6億株 (1兆4799億円)



米国は感謝祭で休場。

パナソニックは家電業界の勝ち組であったはずですが、09年3月期の純利益は-89%減の300億円となると、強烈な業績の下方修正を発表。これはトヨタよりもさらに大きな業績ダウンです。

しかし相場にはさして響かなかった。月末のドレッシングあるいは投信の設定があったためか上昇して終わる。

日経平均は25日線まで戻ってきました(TOPIXはまだ)が、おそらく戻り一杯の水準になったのではなかろうか。

11月5日に25日線を1日だけ上回って、9521円の戻り高値をつけましたが、この日の東証1部のPERは15.48倍でした。昨日のPERは15.11倍であり、これをもとに今日の推定PERを計算すると15.30倍になるかと思いますが、昨日のPERの15.11倍には今日のパナソニックの減益予想の数値は入っていません。これを考慮すると、今日の東証1部のPERは15.4〜15.5倍になっているのではないか。(まあ明日の新聞ないし日経新聞のHPを見ればわかることですが)

となると11月5日と同じPER水準になるわけで、今日の株価水準を超えて上昇することはナカナカ難しい。


定点観測9銘柄のうちで、小波動のピークが切り上がり、ボトムが切り上がっている銘柄は、昨日掲げた5712「住友鉱」だけです。

7203「トヨタ」は(t)で75日線と25日線が逆転し、ここより誰が見ても中勢波動は下降トレンドに変ったことがわかります。

25日線あるいは75日線まで戻った(イロハニ)は戻り売りのポイントでした。

(B→b)の反発は大きく、小波動のピークが(a→b)へと切り上がり、次に(B→C)のボトムの切り上げがでたならば、トヨタは「押し目買い」になるはずでした。

しかし期待に反して(B→C)は切り下がってしまい、トヨタの買いの目はしばらくなくなりました。


8411「みずほF」は、(t)で75日線と25日線が逆転し、中勢波動は下降トレンドに変りました。

25日線あるいは75日線まで戻れば「戻り売り」のチャンスです。(イ)でそのチャンスが出たほかは、25日線に戻すこともできないという下落ぶりで、(a)でも25日線まで戻れていません。

今のところ(A→B)のボトムが切り上がっているので、株価が(a)を上回れば、ピークも切り上がることになります。そうなれば、今度は25日線を下値の限界として「押し目買い」ができるようになりますが、目下の情勢では(a)を上回ることは難しい。

目下の情勢とは、農林中金が1.5兆円の含み損をかかえ、1兆円規模の増資をするとの報道です。メガバンクはこれから貸し倒れや保有する有価証券の減損処理が拡大するのではないかの懸念がある以上、株価が力強く上昇することはありえません。


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