TOPIXをどう見たか・判断したか (02年11月)

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(02.11.1) TOPIX 866P(+4) 日経 8685円(+45) 6.0億株


NYは8397ドル(-30)と小反落。ナスダックは1329P(+3)とプラス。外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りは2330万株、買いは2450万株で、差し引き120万株の小幅買い越し。買い注文が2000万株台に乗ったのはずいぶん久しぶりの感じです。調べると、前回は10月24日だったから1週間ぶりなのですが、遠い昔にあったような気がします。

NYダウは小動き、デフレ対策の評価は昨日で終り、明日から3連休とあって、市場は沈滞し、1日の値動きも乏しく、出来高・売買代金は増えません。

個別の銘柄を見れば、結構上昇しているものもあります。昨日・今日の電線株(フジクラ255円(+24)、古河電236円(+15)) あるいは三井金245円(+15)などですが、だいたいこのような単発的な買われようは3日と持ちません。


(02.11.5) TOPIX 885P(+18) 日経 8937円(+251) 7.5億株


東京市場が連休中の間のNYは、8517ドル(+120)→8571ドル(+53)と続伸。ナスダックは1360P(+30)→1396P(+35)と大幅な上昇となりました。外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りは2390万株、買いは2730万株と連続して2000万株台の買い物となり、差し引き340万株の買い越し。

東京市場は2日分の海外高の影響がまとめて出て、朝方から堅調。特にナスダックの上昇が著しく、東芝325円(+23)、日立503円(+24)、富士通414円(+21)、NEC491円(+33)の半導体メーカーが出来高を集めて上昇。

11月になってから出来高が増えていた電線株のフジクラ281円(+26)、古河電242円(+6)も続伸。

派手な上昇をしたのは、半導体装置製造のアドテスト4810円(+500)、東エレク5480円(+500)でいずれもS高。ひさびさのS高銘柄がでたという感じです。

日経平均・TOPIXは25日線を上抜きました。まあ25日線というのは自律的な反発であっても、上抜けることはできます。75日線を下回った7月以降でも、毎月1回は25日線を上回る日がありました。本格的な反発(少なくとも2〜3か月の上昇をする)には、やはり75日線まで戻ることが必要です。

今日の東京市場の上昇は、ほとんど全部を米国株式の上昇に負っています。米国の株価指標は75日線を超えた後も押さず、75日線にそってやや調整しただけで、新高値に進みました。

しかし、この2日の上昇の材料はFOMCが金利を下げるのではないかということですから、そう楽観はできません。 米国景気のさらなる悪化が予想されればこそ、金利を引き下げるわけですから。

グラフからも、特にナスダックは昨日高く始まったものの、伸びきれないという形になっていますから、この上昇は続きそうな感じではありません。あと1〜2日か。

国内ハイテク株の上昇の大きな要因は、買戻しのようですから、買戻しが終わった後に上昇が持続するかとなると、これは望み薄ではなかろうか。


(02.11.6) TOPIX 883P(-2) 日経 8953円(+15) 7.4億株


NYは、8678ドル(+106)と3連騰。ナスダックは1401(+4)と4連騰。外国証券の寄り付きの成り行き注文は、米国株高に連動して、売りは2310万株、買いは2530万株となり、差し引き220万株の買い越し。11月に入ってから3日連続の買い越しです。

売買シェアの半分を占める外国人が、やや買い越し姿勢となっているので、東京市場はなんとか小幅高に推移していますが、NYダウが10月9日の安値(終値)7286ドルから昨日の8678ドルまで+19.1%上昇しているのに対して、TOPIXは10月10日の835P(終値)から昨日の885Pまで+6.0%の上昇でしかありません。

東京市場はNYに完全に連動するわけではありませんが、NY市場に上場している企業の株価は、直接東京市場に響きます。 その企業の大半は日経平均の変動に大きく寄与する値嵩株です。ホンダ・トヨタ・日立・ソニー・松下・パイオニア・TDK・アドテスト・京セラ・キャノン・NTT・ドコモ・三菱東京・野村など、おそらく、これらの銘柄は、日経平均の変動のうちの50%くらいの寄与をしているのではなかろうか。

詳しくはこれら銘柄の50円額面換算の株価を合計し、225銘柄全体の株価の合計を比べてみなければなりませんが、仮に寄与率が50%とすると、NYダウの+19.1%上昇の半分くらいは、東京市場も上昇してしかるべきです。そうはなっていないところが、国内事情によるマイナス要因の大きさです。このデフレから脱却するためにどうすればよいのか。その処方箋が見つからず、あるいは処方箋があっても、高額の医療費が出せない。とあって株価の低迷が続きます。


(02.11.7) TOPIX 880P(-2) 日経 8920円(-32) 7.0億株


米国は与党の共和党が中間選挙で異例の勝利となり、FOMCは予想外の0.5%の金利引下げをし、と2つの大きな好材料がでて、NYダウは、8771ドル(+92)と4連騰。ナスダックは1418(+17)と6連騰となりました。

大幅減税はブッシュ大統領の就任以来の共和党が掲げた政策の1つでしたが、、これが今後実現していくのではないか。FOMCは市場予想の0.25%を上回る大盤振る舞いで、FFレートは1.25%(公定歩合は0.75%)と日本のセロ金利に近くなりました。

現時点では、これ以上望むべくもないという2つの大きな好材料でしたが 、NY・ナスダックともにさほどの上昇を示さなかったのは、この材料はおおかた折込み済みである、ということの証明です。NYの引け後シスコシステムズの次期予想が慎重であったので、今日のGLOBEXは軟化しています。だいたい米国株は当面のピークになったようです。

こういうことを予想して、外国証券の寄り付きの成り行き注文は、米国株高にもかかわらず、売りは2080万株、買いは1720万株となり、差し引き360万株の売り越しとなりました。東京市場は、下落にはいたりませんでしたが、日経平均は上下100円幅の小動き。したがって出来高も締まり気味で7.0億株。売買代金は5600億株と減少。これでは株価が25日線から飛び出せるはずはありません。

昨日書いたNY上場銘柄の続きです。NY市場に直接上場している企業とADR(預託証券)で間接的に上場している日本企業は、日経新聞を見ると25銘柄あります。そのうち日経225銘柄に採用されているのは21銘柄です。この21銘柄は米国市場と完全に連動します。

日経平均採用225銘柄は、東京市場だけに上場している204銘柄と、NYにも上場している21銘柄に分かれます。今日ざっと調べたところでは、東京市場だけの銘柄の(50円額面換算の)株価合計は約148000円。平均株価725円です。一方NY上場の21銘柄の株価合計は約500000。平均株価2380円です。225銘柄のうち、銘柄数では10%に満たない21銘柄の株価合計は全体の25%(1/4)を占めています。

単純に考えるならNYが10%上昇すれば、これに連動してNY上場銘柄は東京市場で10%上昇します。NY上場銘柄の比率から日経平均はその1/4の2.5%の上昇をすることになります。しかし市場ではキャノンや松下は+10%上昇したが、NYに上場していないリコーやシャープはまったく動かないということはありません。キャノンが上昇すればリコーも比較感から上昇します。

ということを考えると、やはり昨日言ったように、米国株の変動の半分を東京市場は受容する。というのは間違いではありません。今後は米国株の変化率の半分が東京市場に与える影響であるとして、それ以上に東京市場はよかったか、悪かったかを判断すればよいようです。


(02.11.8) TOPIX 862P(-18) 日経 8690円(-229) 6.4億株


NYダウは、8586ドル(-184)と反落。ナスダックも1376(-42)と大幅下落となりました。外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りは2580万株、買いは1390万株となり、差し引き1190万株の売り越し。

NYの上昇がストップすると、東京市場は散々なことになります。今日はオプションSQの日にもかかわらず、出来高は6.4億株・売買代金は5500億円へ縮小。値下がり銘柄が1079に達し、出来高上位10社はすべては値下がりです。

グラフもやはりと言うべきか、25日線を超えたのはこの3日間だけで、ここが戻り一杯となって、今日は再び25日線を割り込みました。9日順位相関は、株価が25日線までの反発をしたばかりなので、まだ+40あたりの高い位置にあり、日柄をかけ、値を下げねば反発の態勢とはなりません。

国内のことだけを考えると、よきことは何もありませんが、米国の2大材料は、昨日のNYダウの反落で評価が定まったわけではありません。@共和党が進めたい減税、Aイラクへの武力行使、B40年ぶりの低金利、C回復の見込みがでてこない米国景気、と綱引きのように評価がぶれ、したがって株価も一方的に下落することはない、と思われますから、今は米国株式の行方が東京市場にとって最大の要因です。

楽天の7-9月の営業益が史上最高と発表されていました。いまさらながらインターネットをうまく使ったところは伸びる。ということを如実に証明しました。 インターネットは安くて便利なサービスが提供できます。森内閣のときに、堺屋太一経済企画庁長官のもとIT戦略(e-japan)を掲げ、2005年までに日本を世界一のネット社会にするとぶち上げたはずですが、どうも小泉内閣では尻すぼみになっているようです。ここにもう一度力を入れるべきではなかろうか。


(02.11.11) TOPIX 837P(-25) 日経 8460円(-230) 6.3億株


先週末のNYダウは、8537ドル(-49)と続落。ナスダックも1359(-17)と続落。外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りは2210万株、買いは1390万株となり、差し引き820万株の売り越し。

デフレ対策が何ほどのものではないと評価が決まった今は、海外要因が大きな材料ですが、米国は調整してまだ2日目ですから、あとは国内のマイナス要因しか残っていません。

折りしも土曜日の日経新聞で、2000年3月〜2001年9月までに金融庁が実施した銀行の不良債権の検査と銀行の自己査定との格差が35%ほども開いていた(銀行が過少評価)と報道されました。

次いで日曜日には新BIS基準として、これまでは貸し出し債権に対する自己資本比率は、どのような貸し出しであっても一律8%としていたが、2006年末からは貸し出しの内容の応じてリスクを計算し、リスク資産額の8%の自己資本を求める。という報道がありました。さらにはテレビで(私は見ていなかったが)不良債権処理について、竹中大臣から厳しい処置をするとの発言があったとかで、銀行株にとってはワン・ツー・スリーのパンチを食らった格好で、今日はやや暴落症状です。

UFJは134円(-23)、みずほ148円(-21)、三菱東京でさえ743円(-44)。銀行がダメとなれば融資を受けている企業もダメで、ダイエーは122円(-9)、丸紅も119円(-2)と下落。さらには米国のイラク問題からドルが売られ、相対的に円高となるという、泣きっ面にハチが刺す状況で、輸出株が総崩れ。ソニーが4930円(-260)、松下1205円(-21)、日産914円(-14)。

値上がり銘柄数104、値下がりは1322銘柄という全面安となりました。よほど米国株が反騰しない限り、日経平均・TOPIXの新安値更新は必至の状況です。

いよいよ銀行は貸し剥がしへと傾斜を深めていきます。今日発表のあった10月の銀行の貸し出し残高は、前年同期比で5.2%減。大手銀行は8.3%減でした。1年に8%も貸し出しを縮小するというのは尋常ではありません。しかし週末からの銀行に対するさまざまなプレッシャーは、一層の貸はがしに拍車をかけるに相違なく、銀行を追い詰める小泉政権は、銀行の貸し剥がしを本格化させ、いよいよもって経済を収縮させます。

このデフレは需給を調整するといった必要悪ではなく、。例えばマクドナルドが59円バーガーを発売しても、、売上は減少するという段階に来ています。安くて便利(よいもの)を、で成長してきたユニクロ、マクドナルドさらにはコンビニの雄であるセブンイレブンまでが株価を下げ続けています。ひところはエクセレント・カンパニーと言われた企業がこのありさまですから、フツーの企業が生きていけるはずはありません。


(02.11.12) TOPIX 839P(+2) 日経 8464円(+4) 6.6億株


NYダウは、8358ドル(-178)と3日続落。ナスダックも1319(-40)と続落。外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りは2450万株、買いは1130万株となり、差し引き1320万株の大幅売り越し。

昨日は全面安であったので、NYの下落は先に株価に織り込んだ格好になりました。今日は寄り付きは下げて始まりましたが、その後は戻して、模様眺めとなりました。

値上がり銘柄数は797銘柄(値下がりは543銘柄)となりましたが、出来高上位10社(5万円額面も換算したもの)のうちプラスはドコモだけで、UFJが変らず、他の8社はマイナスであったことからも、今日の日経平均・TOPIXのプラスは頼りないものです。

TOPIXのグラフを見ると、今日の陽線は下落途中の中間点のような感じです。中間のアヤ戻しは、カラ売りの買戻しによって作られます。この戻しようが少ないと、再び売られて次の下落が始まります。今回の下げは、11月6日のザラバ高値894Pから昨日の安値836Pまで、58P下げましたが、これが第1次の下げであろうと思います。

第2次の下げは中間点から58P下落すると仮定すれば、今日の高値843P(あるいは明日もう少し高いところがあれば、その高値)から58Pの下落となれば、800Pを割り込むことになります。

6月以来のTOPIXの下げ波動のなかで、小波動のボトムとなったところは、図のabcdの4か所ですが、このあたりは@9日順位相関は-80以下になり、A25日線からのカイリ率を見ると、aは-8.9%、bは-6.5%、cは-6.7%、dは-7.3%、になっています。

今日の9日順位相関は-47であり、カイリ率は-3.6%ですから、今日の陽線を見ても、底が近いとは到底思われません。

野村Hは日経平均・TOPIXと並行して推移しますが、野村Hのボトムらしいところは、図のAとBのところでしょう。

A・Bともに9日順位相関は-80以下になっています。これは当然として、注目すべきは出来高です。Aは2260万株、Bは1582万株あります。

今日の野村Hの順位相関は-75で、-80に近くなりました。しかし出来高は959万株であり、過去のボトムに比べて見劣りします。まだ底値には達していないと思います。


(02.11.13) TOPIX 836P(-3) 日経 8438円(-26) 6.2億株


NYは8386ドル(+27)と小反発。ナスダックも1349(+30)と反発。外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りは2370万株、買いは1870万株となり、差し引き500万株の売り越し。

NYは反発したものの、そのチャートはやや不安が残る形です。日本の7-9月期のGDPが発表になりました。前期比で+0.7%、年率で3.0%というのは、大方の予想の+0.6%(年率2.4%)を上回りました。同時に1-3月期を-0.0%から+0.2%へ修正、4-6月期を+0.6%から+1.0%へと修正し、この結果日本経済は3四半期連続でプラス成長となりました。

統計数値はしばしば、後から修正されます。今残っている経済統計のデータで過去の株価との関連を見ても、株価がついていた同時代の統計数値は、今の確定した数値であったわけではありません。

海外市況がプラス、GDPが予想よりよかったこともあって、東京市場は寄り付きはハイテク・銀行などをはじめとして小高く始まりましたが、いかんせん、2つの材料は今後も持続するトレンドではないので、株価は次第に小安くなり、日経平均は終値ベースで新安値を更新。TOPIXは10月10日の終値835Pへあと1Pと接近です。

逆張りの「日経平均用'96」は、日経平均・TOPIXともに、買いマークを出しましたが、これでもって底打ちとは到底考えていません。

前回安値を出したところは青○ですが、3日続けて買いマークが打たれました。その後2日休んで、3日目に買いマークがでて、この日は「たくり足」となってようやく当面の安値となりました。買いマークが初めて出てから6日目が真の底値でした。 今回も同じようなことになるのではなかろうか。

ビンラーディンは生きているらしいことが、報道されました。再びテロにおびえねばなりません。経済は萎縮します。

NYダウのグラフはちょうど75日線まで下落し、昨日は陽線となりましたが、上ヒゲが長く、戻り売りが優勢の状況です。昨日は反発したとはいえ、強い反発ではありません。株価が75日線を割り込むのは自然の成り行きのように思われます。

NY高が唯一の材料である東京市場は、この支援がなければ、さらに下値を探りにいくことになります。


(02.11.14) TOPIX 823P(-12) 日経 8303円(-135) 7.0億株


イラクが国連決議を受諾の決定があって、NYは8398ドル(-+12)と小幅ながら2日続伸。ナスダックも1361(+11)と小幅続伸。外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りは2370万株、買いは2060万株となり、差し引き310万株の売り越し。

朝方は海外高をコピーして高くなったものの、銀行・証券の下落が大きすぎ、これが他業種に広がって全面安となりました。銀行株はS&Pの格付け引き下げの報道があって、寄り付きから軟調でしたが、後場に英タイムスの「年内に4大銀行グループの、少なくとも1社が国有化される可能性がある」の報道から、銀行株は暴落。UFJは112円(-20)、みずほも122円(-20)と共にS安。三井住友も362円(-40)となって、市場のムードを暗澹とさせました。

「国有化」と簡単に言いますが、拓銀の破綻によって、北海道経済がどうなったか。今度はUFJ・みずほがその候補となっていますが、当時の拓銀よりも4倍5倍大きい銀行を国有化するのは、前代未聞のことで、おそらくは恐慌状態になります。例えば、上場会社のうち、みずほと取引がある企業は40%といいますから、@みずほの国有化によって、40%の企業は借り換えをせねばなりません。借り換えがすんなりとできる企業は半分もなく、したがって一層のリストラに傾斜します。Aみずほの金融面でのバックアップで生存してきた企業は、命を絶たれることになります。

B銀行株は取引のある企業はいやおうなく持っています。銀行株が暴落することで、企業はこの評価損を来年3月に出さねばなりません。UFJの112千円・みずほの122千円・三井住友の362円は、ほとんどの企業が評価損を出さねばなりません。

今年3月末の株価は、驚くことに、UFJ305千円、みずほ302千円、三井住友530円でした。UFJ・みずほは-60%の下落です。3月末には株式の時価総額が、みずほで2.8兆円、UFJで1.5兆円あったものが、今ではみずほが1.1兆円、UFJは0.5兆円になりました。40%の株式を企業が保有しているとしても、みずほで7000億円、UFJで4000億円、合計1.1兆円の損失となります。次の2002年3月の一般企業の決算はこの分だけ利益が減少することになります。


(02.11.15) TOPIX 839P(+15) 日経 8503円(+200) 7.3億株

NYは8542ドル(+143)と3日続伸。ナスダックも1411(+50)と大幅続伸。外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りは2490万株、買いは2150万株となり、差し引き340万株の売り越し。

N高から、東京市場も上昇。海外高に加えて、政府が3兆円規模の補正予算を組むという報道も材料となりました。 値上がり銘柄数は904銘柄(値下がりは473銘柄)となって、多くの銘柄は反発しましたが、出来高は億株。売買代金は5600億円で、エネルギー不足が目立ちます。

TOPIXと連動する銘柄を見つけるには、「相関係数」を使います。図は各銘柄とTOPIXの相関を調べるための条件表です。 ある銘柄の前日比較(#%)とTOPIXの前日比較(#%)が関係があるのかないのか。あるとすれば、どの銘柄がTOPIXと同じ動きをしているのかを調べます。


上記の条件表は、A株とTOPIXが、この1年間(250日間)でどれほど似た動きをしたものであるのかを計算します。 TOPIXとよく似た動きをしている銘柄は以下のものです。


@意外なことに、NTTデータが最もTOPIOXの動きと連動しています。ついで大和証G、東海東京、ファナック、京セラ・日立と続きます。

TOPIXと証券株は連動して当然です。また値嵩株の代表であるファナック・京セラが入っているのもわかります。

実務的には、ある銘柄が上昇したとき、翌日のTOPIXが上昇する。ある銘柄が下落したとき、逆に翌日のTOPIXが上昇する。(当日のA株の下落→翌日のTOPIXの下落。当日のA株の上昇→翌日のTOPIXの下落。当日のA株の下落→翌日のTOPIXの上昇。)などの、関係があることがわかれば、その銘柄の動きによって、翌日のTOPIXの動きが推測できます。しかしこれはなかなか難しい。(次回に述べます)


(02.11.18) TOPIX 823P(-15) 日経 8346円(-157) 7.4億株


週末のNYは8579ドル(+36)と4日続伸。ナスダックは1411(-0)と変らず。外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りが1920万株、買いも1920万株となり、差し引き0。

休日中にいくつかのマイナス材料がでてきました、@日信販の総会屋への利益供与で経営陣8人が逮捕、A大和SMBCでインサイダー取引、B古久根建の破綻。これで上場企業の倒産は29社目。これら企業は売られ、日信販は出来高トップ(5900万株)となって86円(-33)。大和Gも425円(-48)。古久根建は1円(-18)。

ここへもってきて大手銀行の見切り売りは止まらず、UFJは99千円(-9)ととうとう終値で100円割れ。みずほも119千円(-15)。新日鉄が126円(-8)、丸紅96円(-5)、ユニチカ32円(-3)、日立造21円(-5)となって、銀行株と一蓮托生です。

出来高は7.4億株あるものの、いかんせん株価の安い銘柄の出来高が多く、売買代金は4500億円と縮みに縮みました。今日の新安値銘柄は426銘柄となって、10月10日の552銘柄にせまってきましたが、10月10日の出来高は8.8億株、売買代金は6400億円。これでも投げ足りませんが、今日の商いはもっと薄いわけで、今日の下落をもってしても、とうてい底値圏に入ったとは思われません。



今日のA銘柄の動きが、明日のTOPIXの動きを予見しうるのか。それを調べる条件表は上図のものです。昨日と違うのは、No.6線の元データで、今回はA株の前日の過去比率と、TOPIXの当日の過去比率との相関関係を調べます。

相関があるかないかは、青枠の「R」の値でわかります。統計学での相関係数は-1.0〜+1.0の範囲をとりますが、カナルの相関係数はこれを100倍していますから、-100〜+100の数字になります。

+30以上であれば相関がある。すなわちA株が上昇したら、翌日TOPIXが上昇することがまあ多い。A株が下落したら、翌日TOPIXが下落することがまあ多い。ということです。

これは逆の関係であってもかまいません。例えば相関係数が-30のときは、A株が上昇したら、翌日TOPIXが下落することがまあ多い。A株が下落したら、翌日TOPIXが上昇することがまあ多い。ということです。逆の関係であっても、A株の動きを知れば、翌日のTOPIXの動きはその逆になりがちなのですから、TOPIXの動きを予想できます。要するに相関係数が+30以上になるか、もしくは-30以下になる銘柄が見つかればよいのです。

やってみました。しかし相関係数が最大のものは、「金商」の+21.3で、逆の関係にあるのは「近畿車」の-16.8でした。前日いった「NTTデータ」の相関係数77.9には及びもつきません。

つまり明日のTOPIXの動きに先行して動く銘柄はないということです。金商の相関係数+21.3というのは、(20回に1回くらい当たるという程度のものです。) まあこのようなものでしょう。ある銘柄がTOPIXを予見することはできません。


(02.11.19) TOPIX 817P(-6) 日経 8365円(+19) 9.2億株


NYは8486ドル(-92)と調整。ナスダックは1393(-17)。外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りが2220万株、買いは2060万株と増加したものの、差し引き-160万株の売り越し。

今日の東京市場の出来高は9.2億株となりました。ひさしぶりの大商いです。ここへ銀行株・NTT・ドコモ・JR東などを50円額面に換算した出来高を加味すれば、今日の出来高は@みずほが15000万株、AUFJ8100万株、Bドコモ5800万株、C三井住友4800万株、D新日鉄3500万株、となって、50円額面換算では12億株程度の出来高になります。これはすごい出来高です。

(日経平均は225銘柄を50円額面に換算して計算しています。同じように出来高も50円額面換算で発表できないものか。今のままでは、市場の出来高は何の役にも立ちません。)

この下げ過程での大出来高ですから、いよいよセリングクライマックスかと思いきや、売買代金は5800億円しかありません。この出来高で、どうして売買代金がこのように少ないのか。見れば出来高10傑に、りそな53円・日信販91円・住金38円とあって、これでは出来高があっても売買代金は増えません。

今日の銀行株の下げには唖然としました。UFJは89千円(-10)のS安で、なお13000株の売り物が残りました。50円額面に換算で89円です。みずほも99千円(-19)となって、4大銀行グループのうち2行までが100円割れです。

これがいかに異常な株価であるか。業種では3大XXとか4大○○とかがいわれますが、ここから1社2社が脱落するとしても、UFJ・みずほのような株価に追い込まれた例はほとんどありません。

例えば建設の大手は、大成建・清水建・大林組・鹿島建ですが、最も株価が安くなったのは、2000年4月の大成建114円です。自動車の4大企業のトヨタ・ホンダ・日産・三菱自のうち、外国資下に入った日産でも290円、三菱自でも197円です。さらには4大商社の三菱商事・三井物産・伊藤忠・丸紅を見れば、伊藤忠は168円、丸紅は58円です。

4大銀行グループのうち2社が100円以下になったのは、この例を見ても異常です。小泉内閣はいったいなにを考え、どうしようとしているのか。理解できません。理解できないからこそ、市場はこぞって銀行株を投が売りしているのですが、銀行を整理することがどれほどのものであるのかわかっているのか。

簡単に、不良債権の引当の基準を変えるとか。、税効果会計を見直すとかいいますが、これは例えば、サラリーマンが3 000万円のローンを組んで家を購入して、その残金が2800万円とします。今の時価評価が1800万円であるから、1000万円の評価損がある。ところがサラリーマン氏の預金や生命保険を解約しても500万円しかない。そこであなたは500万円の債務超過であるから、自己破産しなさい。ということに等しい。

サラリーマン氏としては、馬鹿なことをいうな、私には年間800万円の収入があって、ローンの支払いも遅れたことは一度もない。それなのになぜいきなり500万円の債務超過となって、自己破産せねばならいのか。ということになります。

今度の不良債権処理の方針は、もし銀行が国有化されたときは、@通常の企業の債権は銀行に残し、A要注意・破綻懸念のある企業は別勘定にしましょう。このとき再生の見込みがあるかないかを分別して、B再生の見込みのある企業は「企業再生法」のもとで援助しましょう、C再生の見込みがないものはRCCに債権を売って整理しましょう。ということのようです。

エライものですな。銀行を国有化することもでき、企業の命運を決定することもできるこの政府というのは、一体なんでしょうか。このデフレの原因は、(中曽根首相・竹下大蔵大臣)のときのプラザ合意によって円高政策に転換し、@異常な低金利政策を長期にわたって続け(中曽根首相・宮沢蔵相)、Aバブルを放置(竹下首相・宮沢蔵相)した挙句、急激な金融引締めをした(海部首相・橋本蔵相)、のが原因でしょう。やってきた歴代政府の責任をなにもとらず、当時は役員でもなかった今の銀行経営者の責任だけを追及するのでは、世間を納得させることはできません。

グラフでは、このまま株価が上昇しないならば、今週に小波動のボトムになりそうです。


(02.11.20) TOPIX 830P(+13) 日経 8459円(+94) 9.4億株


NYは8474ドル(-11)と小幅続落。ナスダックも1374(-19)と小幅続落。外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りが2950万株、買いは2240万株と連続して増加してきましたが、差し引き-710万株の売り越し。

円が122円台へ戻ってきたことから、朝方は輸出関連株が上昇。銀行株は昨日の地合を引き継いで安く寄り付いたものの、突っ込み警戒から買い戻しがどっと入って急上昇。しかしその後は売り物に押されて大方は伸び悩みました。

みずほだけが、読売新聞で7000〜8000億円の増資を検討しているとの報道があったとかで、S高で引けましたが、株価が200千円以下の企業がたやすく増資ができるとは思われません。

これまでのように生保に融資して増資を引き受けてもらうというこであるなら、銀行・生保の一蓮托生を強めるばかりですから、これは悪材料になるのではなかろうか。

また事業法人に増資を頼んだところで、今は持合株式の解消というのが流れであり、しかもこれまでの株価の大幅下落によって、さんざん迷惑をかけています。おいそれとこれを引き受けてもらえるはずがありません。個人投資家が長期投資で応募するかといえば、これも可能性はゼロです。外資に頼めば、あるいは引き受けてもらえるかもしれませんが、この場合には外資系銀行となり、顧客離れが起きないか。金融庁が許可するか。

どうみても今の株価水準で増資ができるとは思えません。増資をするには、まずは株価を最低でも200千円以上(普通なら300千円以上)に上げておかねばなりません。そのためには銀行は努力しているのだというアピールをせねばなりません。三菱東京が退職年金を2割カットする、という報道がありましたが、とかく高いと非難されている給与の引き下げや、店舗の統廃合を進めなければ。

グラフでは目先の底値は出たようですが、今週末にかけての補正の規模がどう決まるのか。来週25日の銀行の決算はどの程度の赤字になるのか。月末の不良債権処理策はどういう内容か。などがズラリと控えていて、本格的な(ということは75日線までの反発)動きにはならないようです。よく戻って25日線。ここまで戻るか?というところです。


(02.11.21) TOPIX 847P(+17) 日経 8668円(+208) 9.6億株


NYは8623ドル(+148)と2日下落分を取り戻す反発となりました。ナスダックも1419(+44)と大幅反発となって、終値ベースでは戻り高値を奪回。ザラバでも先の高値1420Pにあと1Pと迫りました。 これを受けて外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りが2500万株、買いは2620万株となって、差し引き120株の買い越し。12日ぶりの買い越しです。

米国のイラク問題は、12月8日がイラクの大量破壊兵器の開発の報告の期日なので、ここまではイラク問題は切実な材料にならないようですが、これを超えたときにどうなるのか。

東京市場は米国高、特にナスダックの堅調ぶりがあって、ハイテク株が一斉に上昇。ここへ昨日から買い戻しが急になっていた銀行株が、「再生機構が実質簿価で債権買取り」と報道されたため、買戻しに一層の拍車をかけました。みずほ・UFJともストップ高の買い気配で終えました。これにつれて、一蓮托生の過大債務企業が大反発となって、日経平均は25日線目前まで上昇。出来高も3日連続で9億株を超え、売買代金の少なさが不満でしたが、今日は久々6400億円となって、TOPIXの一昨日のザラバ安値808Pは当面(今月いっぱいはもちそう)の底値となったようです。

やはり株価が上昇すれば嬉しいものです。今回の内閣改造は9月30日に発表されましたが、この前日の株価は日経平均が9530円、TOPIXは936P。売買代金は7600億円でした。ここから悪夢のような10月11月の株価下落が始まりましたが、ようやく株価が落ち着きだしたようです。内閣改造はいらぬ不安を与えました。

なお補正予算・銀行の決算・不良債権処理策の発表・米国イラク問題など、波乱の要素はありますが、この11月の下げで多くの銘柄が、相当にパニック的な株価を出しました。人間、ひとたび死ぬような目にあったあとは腹が座ります。株価も同じで、今後少々の悪材料で反落したとしても、今度はそうやすやすとは新安値にはならないのではなかろうか。 当面はTOPIXが25日線を突破するかが焦点ですが、これは(昨日言ったこととは逆のことながら)なんとかクリアしそうです。しかし75日線へまで上昇するには、まだ材料が不足。政府のデフレ克服の強いアナウンスがないと。


(02.11.22) TOPIX 859P(+11) 日経 8772円(+104) 9.2億株


NYは8845ドル(+222)と続騰。ナスダックも1467P(+48)と連日の大幅上昇で、8月の高値を更新。米国株がこれほど強いとは意外でした。NYダウは200日線(9200ドル)、ナスダックも200日線(1500P)が手の届く位置になりました。

これを受けて外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りが2490万株、買いはなんと3580万株となって、差し引き1090万株の買い越し。1000万株以上の買い越しはいつ以来のことだろうと、ノートをめくりましたが、ナカナカ見当たりません。なんと8月23日に、売り2240万株・買い3390万株、差し引き1150万株の買い越し。というのがようやく見つかりました。3か月ぶりのことです。(その前の1000万株の買い越しは7月17日だった)

NY株高の半分が、東京市場に影響を及ぼすと思っています。昨日のNYダウの上昇率2.6%の半分の1.3%が東京市場を押し上げるなら、日経平均は113円高で、今日の+104円高に見合っています。ということは、今日の東京市場はNY高のお陰で、内需株はもう一歩ということです。銀行株は今日はまちまちとなり、空売りの買戻しはほぼ終わった感じです。

図は週足のTOPIXですが、逆張りの買いマークがつきました。(日足で使っている条件表No.2とまったく同じものを使って描画。)

日足の条件表をそのまま流用しているので、売買マークは多く出ていますが、買いマークがでた翌週・翌々週には、ほとんどの場合、株価は上昇しています。(例外は2001年8月の買いマークです。)

ここより、来週・再来週は強含みではないかと思われます。ただ銘柄は、@突っ込みのリバウンドで、25日線までしか戻らないもの、A25日線を上抜いて75日線を目指すもの、に分かれてきます。

チャートから大まかに@Aを判別すると、最近の75日線からのカイリ率が-25%とか-30%となった銘柄は@で、-10%〜-15%くらいまでのカイリ率であったものはAかな。と思います。

@は25日線近辺で売却して現金にしておくのがよく、Aは75日の手前で現金化しておく(どちらにしても年末までには現金化しておきたい)のがよいのではないか。(まだ安値が出たとは言えません。新安値に備えておくほうがよいのではないか。)


(02.11.25) TOPIX 874P(+15) 日経 8944円(+171) 9.0億株


先週末のNYは8804ドル(-40)と小反落。ナスダックは1468P(+1)とプラス。外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りが2070万株、買いは1960万株で、差し引き110万株の売り越し。

補正予算の規模が決まり、@都市再生・リサイクル・ITなどに1.5兆円、Aセーフティネットに1.5兆円、B社会保障費に1.2兆円、歳入不足があるのでC合計6兆円の財源不足となるが、D5兆円を国債発行でまかなう、ということになりました。経済成長に関係するものは@Aの3兆円ですが、まずは景気対策としては全然足りません。しかし市場は30兆円国債発行枠を言い続けてきた小泉内閣が5兆円(ということは16%以上)の国債発行を決断したことで、小泉デフレ政策は破綻し出し始めたと判断したようです。

今日も出来高9億株と5日連続の9億株台となりました。このような出来高に相当するのは、今年5月17日〜5月27日の7日連続というのがありますが、これは今年の日経平均の最高値12081円をつけにいくときの天井圏での出来高です。底値圏から5日連続の9億株といのは珍しい現象です。 日経平均は5日連続の陽線となり、TOPIXは4日連続陽線となりました。これまた強い足取りです。(しかし楽観はできない。)

今年5月のピーク以来、株価は約半年間下げ続けてきましたが、10月まではおおむね米国株式に連動していました。米国景気ダウンがもたらせる日本経済の下期の業績不安が高まったことが第一の大きなマイナスでした。10月11月は銀行問題で、これが第二のマイナス材料でした。さらに11月は5月高値の信用期日を迎えるという第三のマイナスがありました。

第一のマイナスだけについていえば、NYダウが75日線に乗せたのは10月21日でしたが、日本では銀行問題があって上昇は25日線までに限られました。

ここへ来てNYダウが完全に75日線を超え、200日線に達しようかということになって、日経平均は25日線を超えて、75日線を目指すかという状況になりました。9日線・25日線・75日線・200日線は、その時期の上値抵抗水準になりがちですが、東京はNYに比べて1段階低い平均線を基準にして推移しています。

このデンでいけば、NYが200日線に達するなら、東京は75日線に達し、それ以上の続伸はNYが200日線を突破するのを待たねばならない、ということになります。たぶんNYの200日線突破は相当に困難で、東京市場も75日線に達すれば上々だろう、と思っています。


(02.11.26) TOPIX 864P(-10) 日経 8823円(-120) 7.2億株


NYは8849ドル(+44)と昨日のマイナスをすぐに取り戻すという強い動きです。ナスダックはさらに強く、1448P(+13)と4 日続騰。NY・ナスダックともに戻り高値を更新。

これを受けて外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りが2400万株、買いが3360万株で、差し引き960万株の買い越し。外国人投資家は明らかに日本株は買いであるとの判断をしています。

東京市場は日経平均が5連騰、TOPIXも4連騰の後であるので、利食い売りが出てくるのはしかたがないところです。加えて今日は11月の実質の最後の売買であったことから、証券会社の自己売買が減り、指数はマイナスになりました。出来高も7.2億株と減少。

日経平均は高値での陰線となって、いくぶんかの反落は免れないようですが、昨日までには4連続陽線・5連続陽線という強い動きがありました。ここからの反落は調整と見るべきで、先の安値がどうのと気にするほどのことではないようです。明日か明後日で調整は終わるのではなかろうか。 日経平均の75日線の水準は9118円ですが、だいたい1日につき10円くらい下落してきていますから、ここへ達するのはワンチャンスです。(TOPIXの75日線の水準は897Pでワンチャンスとはいきません)

銀行が9月中間の決算を発表しました。驚く数字はでてきませんでしたが、みずほが給与を平均10%カットするとか、UFJが中小企業向けの不良債権1兆円を別会社に移管するとかの今後の対策が出てきました。

さらには、金融庁が、@長銀・日債銀のような破綻処理はしない、A公的資金を投入するときでも100%の減資はしない、B国は過剰な経営介入はしない、などの発表をしたので、先日のようなパニック的な株価下落の不安は薄れました。まだ工程表の発表が残っていますが、当面は銀行株が市場の足を引っ張る可能性はほとんどなくなりました。 となれば、東京市場は米国市場にほとんど連動する状況にあり、上がるにせよ下げるにせよ、動く銘柄はNY上場のハイテク・通信・自動車などが主流になりそう。内需株は脇役へ。


(02.11.27) TOPIX 869P(+5) 日経 8875円(+51) 6.7億株


NYは8676ドル(-172)と2%ほどの下落となりました。ナスダックも1444P(-37)と反落。9日順位相関は3日前から+80を超えていたことであり、自律的な動き(スピード調整)であるようです。これを受けて外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りが2370万株、買いが1650万株で、差し引き720万株の売り。

東京市場は昨日、高値をつけてからの陰線が出たことや、昨夜の米国市場はマイナスとなったので、てっきり今日は続落するものだと思っていましたが、なかなか強い(というか弱気が少なくなった)動きとなりました。寄り付きは米国に連動する銘柄が安くなりましたが、内需株が思いのほか堅調で、ハイテク・通信のマイナスを埋めて、プラスで引けました。

10月11月は片方がなんとか踏ん張っても、片方がそれ以上に下げるという具合で、常にどちらかが足を引っ張り、結果、日経平均やTOPIXは新安値を更新してきたのですが、今は片方が悪くても、片方がそれ以上に上昇するといった、よい現象となってきました。

出来高や売買代金は、昨日・今日とジリ貧になっていますが、これは調整過程にあるためです。調整中にもかかわらず指標が高くなっているということが、この相場は案外に強いという印象を与えます。

今日のしっかりは、@工程表の全容が報道されたこと、A党税調が、不動産・証券税制の方針を出したこと、などの材料が効いたためと思われますが、今日のプラスによって、9日順位相関は、日経平均・TOPIXともに2日続けて+80以上になっているので、株価が下落しての調整は避けられないところです。 地合がしっかりしてきたようなので、大きな下落は考える必要はありませんが、ここから3日程度の下げは必要ではなかろうか。


(02.11.28) TOPIX 888P(+18) 日経 9176円(+300) 9.0億株


NYは8931ドル(+255)と急反発。ナスダックも14875P(+43)と反発して、たった1日の下落で早くも新高値となりました。今夜からNYは祝日で休場になりますが、休みの前に買っておかねばということであったのであれば、米国市場は相当に楽観できる状況にあるといえます。

米国の大幅上昇を受けて、外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りが2610万株、買いが2850万株で、差し引き240万株の買い越し。

米国市場はクリスマス商戦が予想よりよいのではないか、の判断があって上昇を続けています。NYの株式市場の雰囲気はわからないので、グラフを見て判断するだけですが、大きな下落(-172)→大幅上昇(+255)と激しい値動きとなっているのは、評価が揺れ動いているということです。

揺れ動く評価はそのうちどちらかに定着してきますが、なにしろ米国はイラク問題を抱えていますから、当面は12月8日までは強調を持続するとしても、その後は政治がからんでくるので、よくわかりません。12月8日までに、200日線まで上昇すれば当面の目標は達成となるのではなかろうか。

米国市場の動向がストレートに東京市場に響いてくるようになりました。この結果、米国市場に連動しやすい日経平均は9176円となって、75日線を突破しました。どころか10月18日のザラバ高値9134円を上回り、安値も切り上がっている(10月10日の8197円→11月19日の8246円)ことと合わせて、中勢の上昇波動に転換したのではないかと思われます。

TOPIXは内需株のウェートが大きいので、まだ安値は切り上がっていないし、10月21日のザラバ高値899Pを上回っていませんが、ワンチャンスで先の高値をクリアすることができる状況になってきました。上昇波動へと転換すれば、以降は押し目買いができるようになります。(10月11月は突っ込み買いしかできなかったので、買うときはハラハラ・ビクビクでしたが、上昇転換が確認できたならば買いが楽にできるようになります。)

ただ、逆張りの条件表No.2は、日経平均・TOPIX共に、今日は売りマークを出しましたからこのままずんずん上昇することはなく、昨日いったような3日間程度の調整があるはずです。

押し目買いとなる銘柄は、@先の高値を上回った後の、A調整期間を狙う、というのがルールです。

図の三井金は10月高値245円を11月早々に上回り、この後反落しましたが、この反落期間中が押し目買いのチャンスです。同じく東芝は344円の高値を上抜いて、11月に348円の高値を出し、ここから調整しました。bが押し目買いのチャンスです。

富士通の高値は10月の501円であり、今日の株価は421円となお、これを上抜いていませんから、この後反落したとしても、押し目買いとはなりません。よいな。と思った銘柄があれば、グラフを見て三井金・東芝のように高値波動を切り上げているかどうかをチェックしてください。


(02.11.29) TOPIX 892P(+4) 日経 9215円(+38) 9.1億株


NYは休場。米国相場のバックアップなしに東京市場がどのようなことになるのか試された日でしたが、意外な堅調でした。まずは、外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りが1840万株、買いが2580万株で、差し引き740万株の買い越しとなって、外国勢の買い意欲が現れました。

寄り付きは利食い売りがでて小安くなったものの、その後は回復し、一時は値上がり銘柄数が1000を超える全面高の状況でしたが、週末とあって手仕舞い売りが出て、小幅高にとどまりました。しかし出来高は9.1億株、売買代金は6990億円とエネルギーは衰えていません。

条件表No.2「日経平均用'96」は昨日に続いて、今日も売りマークを出しました。これは間違いではないと思っていますが、「もうはまだなり」の格言にあたります。(もっとも「まだはもうなり」の格言もあって、コンニャク問答のようなものですが。)

今日の主力はハイテク株で、出来高10傑には、新日鉄以外はすべてハイテクでした。富士通・古河電・東芝・NEC・・・などですが、新日鉄以外は全部値上がりとなりました。今回の相場上昇は、一にもニにも米国相場の引き写しです。

この相場がどこまで上昇するのか、どういう経過を想定しておけばよいのかです。

図は、中勢波動のモデルですが、日経平均が75日線を超えた今は、図のBの位置にあります。モデル波動ではB→Cへの反落(調整)があって、Cから再上昇があるのですが、B→Cへの反落を省略して、A→Dへ一気に達することもあります。

最近の日経平均の底値からの立ち上がりをグラフで見ると、下図のように@ABの3度あります。今回は4度目です。
  1. @は2001年3月からの上昇で、モデル波動の通りになりました。
    a→b(75日線)は21%の上昇。a→cは27%の上昇です。

  2. Aは2001年9月からの上昇で、これもモデル波動の通りになりました。
    a→b(75日線)は18%の上昇。a→cは19%の上昇です。

  3. Bは2002年2月からの上昇で、モデル波動のA→Dへの一気の上昇となりました。
    a→b(75日線)は11%の上昇ですが、ここからの調整はなく、a→cは27%の上昇です。このときはcがピークにはならず、c→dへの調整の後、d→eへ上昇して、a→eは28%の上昇になりました。


@ABともに2段上げで終わったことに注意して下さい。モデル波動の図には「フルモデル」と表記されています。いつでもこの波動のようになるわけではありません。

大勢が上昇相場のときはA→B→C→D→E→F→G→Hと上昇波動は、このようになりますが、下降波動は、H→I→J→Kで終わります。

逆に大勢波動が下降波動のときは、A→B→C→Dと上昇波動は短くなり、下降波動は、H→I→J→K→L→M→N→Aと、モデル波動のようになります。

今は大勢波動は下降していますから、後者のようになりがちで、上昇は2段で止まってしまいます。(しかも第一段の上昇率が大きく、2段目の上昇率は小さいというジリ貧の上昇になる。)

今回の日経平均の上昇は、@AのようにA→B→C→Dで結末となるのか、BのようにA→D→E→Fの上昇となるのかですが、Bは景気回復の期待と空売り規制などの政府の対応がありました。今回は「景気回復」ではなく、景気のスローダウンがそうでもないかという見直しと、真水3兆円といわれる小幅な補正予算ですから、どちらかというと@Aのほうのコースになるのではなかろうか。

しかし、@Aのコース、Bのコースになるにせよ、今後の調整局面では押し目買いができることには違いありません。この押し目を買って次の(最終の)上昇を待つ、ということになります。


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