TOPIXをどう見たか・判断したか (02年10月)

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(02.10.1) TOPIX 903P(-17) 日経 9162円(-221) 6.8億株


欧州安からNYも7591ドル(-109)と新安値。ナスダックも1172P(-27)と新安値。外国証の朝のり付きの成り行き注文は、売りが2590万株、買いは1500万株となって、1090万株の売り越し。世界中が株式から手を引いていきます。

9月の日銀短観が発表され、大企業製造業のDIは-14までアップしました。前回6月には20ポイントほど向上したのに比べ、今回は+4ポイントと鈍化。12月のDIは-11へ+3向上の予想。短観はしかし材料にはなりませんでした。

NYダウ・ナスダックがそろって(ザラバ・終値とも)新安値になり、米国に連動するハイテク株が下げ、9月中間で3.5兆円の株式含み損となって、中間配当を見送った銀行下げ、と今日も全面安の状況です。

出来高は6.8億株へ1億株ほど増加しましたが、これとて日経225銘柄の入れ替えに伴う売買があったものが底上げしたものです。新採用銘柄のJALが4100万株でトップ。

TOPIXのグラフは、@9日順位相関・25日順位相関がそろって-80以下になり、A下落した日に大出来高(8億株以上)ができる、ということになれば当面の底値になると、かねがね思ってきましたが、9月中間決算の直前から、政策からみの材料が唐突にでたりして、きれいに素直に株価が下落するにはいたっていません。いつ政策がでるかも知れないという期待もあるので、株価は大幅下落にはいたらず、したがって投げ物も出てきません。いつもでも底打ちできないでいます。

竹中新金融相は、今週中に不良債権処理の具体策をまとめるための作業部会を金融庁内に設置し、2週間をめどに中間報告をするそうですから、10月半ばが期待が盛り上がる時期になります。

ここで金融庁の守備範囲の銀行はなんとかなったとして、不良債権処理と裏腹の関係にある企業(特に中小企業)の淘汰をどう導いていくのか、雇用はどうするのか、その結果一層強まるデフレをどうしのいでいくのか。経済産業省・厚生労働省・財務省はどう連携していくのかということに行き当たります。

これらを調整するのが経済財政相の役目ですから、竹中さんは強い権力をもったといってよく、遠慮せずにリーダーシップを発揮してほしい。また各省は省益から離れて一致協力よい方向に導いてほしいものです。(期待するほかないので)

NY・ナスダックが新安値に落ち込んだことは重く受け止めねばなりません。6月7月の米国株の急落は、エンロン・ワールドコムに現れた米国の企業会計不信が大きな原因であるとされてきましたが、そうではなかったということになります。ITバブル崩壊によって生まれた過大な投資の結果不良資産は巨額に積み上がり、この解消は2年や3年では決着がつかない。といった感じです。


(02.10.2) TOPIX 893P(-10) 日経 9049円(-112) 5.9億株


NYは大反発して7938ドル(+346)。ナスダックも1213P(+41)と反動高。しかし外国証の朝のり付きの成り行き注文は、売りが2530万株、買いは1600万株となって、930万株の売り越し。これだけの米国高であるのに日本株を買う態度にはなりません。

東京市場は米国高を受けて寄り付きは、ハイテク株を中心に高くはじまったものの、日経平均のザラバで+131円高までしか上昇せず、その後はジリジリと下落し、とうとう日経平均は終値ベースではバブル以来の新安値。(TOPIXは先の安値は終値が886P、ザラバ安値は880Pなので、少し余裕がある)

後場2時から株価が下げたきっかけは、昨日竹中金融相が、今週中に不良債権処理の具体策をまとめるための作業部会(プロジェクト・チーム)を金融庁内に設置すると発言していましたが、このメンバーの1人に、銀行の不良債権処理についてはハードランディング派の旗手の一人であるKPMGの木村剛さんを起用する方針と一部で伝えられたためです。

ことここにいたっては、ハードランディングは大いに結構ではないかと私は思いますが、市場はより一層のデフレが加速するのではないかというマイナス思考であり、株を下げて、ハードランディング拒絶の様相を見せました。これはおかしいのであって、本当であればよい材料になるべきです。

まあ一方的に銀行に公的資金を注入し、ここまでささえてきた企業を切りはなす(ということは解体・消滅させる)ことによって銀行を生き延びさせて、企業をつぶすだけ、ということであれば影響は甚大ですが、これをマクロ的に支えるには、@新分野への設備投資を優遇する(税制)、A新会社の設立をがしやすいようにする(税制。証券税制)、Bこれから育てるべき特定分野の企業は援助する(補助金)、Cそのためにはこの2年くらいは国債を20兆円くらい増発する。Dすべての投資計画は前倒しする(どうせ先にせねばならない公共投資はいますぐやってしまう)。といったような経済対策を出さねばなりません。 Dについては週刊東洋経済の巻頭で、リチャード・クーさんが主張していた。同感です。)

こういった大胆な方向に進むことができるのかどうか。銀行はつぶれなかったが、企業はつぶれて失業者があふれた。ということがではいけません。この2年3年(不良債権処理が終わるまで)は、財政支出をけちっていてはいけないのではないか。小泉内閣がそう決断しようとすまいと、結局は市場がこれを促すことになります。

もし金融庁がハードランディングを決意するのであれば、当然にこういったことを考えに入れてのことでしょうから、案外今日のニュースはこの先に変化をもたらせるよいニュースではないか。そう願っています。


(02.10.3) TOPIX 883P(-9) 日経 8936円(-112) 7.9億株


NYは7755ドル(-183)と反落。ナスダックも1187P(-26)と反落。外国証の朝のり付きの成り行き注文は、売りが3390万株と急増の一方で買いは1610万株と前日と変らず、結果1780万株の大量売り越しでした。

東京市場はいまや米国市場はあまり眼中になく、政府の不良債権処理の行方とデフレ回避策の行方が最高最大の材料になっています。

昨日は米国の大反発にもかかわらず下落しましたが、今日は米国安にもかかわらず小じっかりで始まり、前場では一時プラスになることもありました。だが結局はマイナス。日経平均はザラバ・終値ともに新安値を更新。TOPIXも終値ベースで新安値となりました。

銀行株は不良債権処理の加速を嫌気して、投げ物が殺到しました。(これまでの市場が期待していたことが始まろうかというのに妙な反応です。)50円額面換算では、みずほH 214円(-40)とS安。出来高は15600万株。UFJ 229円(-40)も14900万株。ともにストップ安となりましたが、すごいのが出来高です。昔の額面なら、みずほHとUFJはダントツの出来高1.2位ですが、いまは5万円額面になってしまい、出来高も156万株・149万株でしかないので、出来高10位には浮かび上がってきません。

いまや新しくできた持ち株会社の額面は5万円というのが普通なのですから、額面50円の銘柄の出来高と5万円の出来高を一緒クタにして、出来高上位10傑と相変わらず掲示しているのは、保守的というかやる気がないというか、新聞もテレビも証券会社のHPも、少しは工夫したらどうでしょうか。せっかく単位株制度というのがあるのだから、これを利用すれば簡単なことのように思えます。

ぼやきはともかく、今日の銀行の投げはきつかったといえます。東証の出来高は7.9億株でしたが、これは先日いった8億に接近です。とにかく投げ物が出ないことには反発の態勢ができません。よくを言えば明日も8億以上の出来高で株価が下落するのが望ましいのですが、グラフでは日経平均・TOPIXともに、今日は買いマークを出しましたから、明日は反発するのでしょう。

しかしこれはまだ時期が早いのであって、9日順位相関も25回順位相関もまだ-80には下げていませんし、出来高7.9億はまだ投げ切ったと言い切れません。反発しても短命のはずです。銀行株も投げ物殺到となりましたが、先週の日銀の所有株式を市場外で買い取るという材料で大量の買いつきがありましたから、今日はこの分が吐き出された感じで、投げ切ったというにはまだ不足している感じです。


(02.10.4) TOPIX 891P(+8) 日経 9027円(+91) 8.1億株


NYは7717ドル(-38)と小幅ながら続落。ナスダックも1165P(-21)と続落して新安値を更新。外国証の朝のり付きの成り行き注文は、売りが3780万株と昨日以上の売りとなり、買いは2120万株と増加したものの、差し引き1660万株の大量売り越しでした。

9月の投資主体別売買動向が発表されましたが、外国人は5900億円の売り越し。この額は昨年のテロ事件があった9月の5500億円の売り越し額を上回ります。相当な勢いで日本株からの引き上げをしていることがうかがえます。

東京市場は、昨日銀行株が大幅下げをしたとあって、突っ込み警戒から、小幅な動きでしたが、結局はプラスで引けました。 日経平均はなかなかよい動きをしたといえます。

@寄り付き後すぐに9000円に乗せ、Aその後戻り売りに押されて、9000円割れからザラバの新安値8860円。B後場、小泉首相の東証見学をきっかけに再度の9000円載せ。Cしかし9000円を超えたとところで戻り売りによって上値を押さえられたものの、D引けにかけて9000円をまた突破し、今日の高値引けとなった、のはCDが高値保合い放れとなったよい動きでした。

チャートとしては、今日も出来高を伴った下落をしてほしかったところですが、何といっても現在の最大の材料はデフレ対策です。大胆な政策がでればチャートがどうであっても、株価は大逆転の可能性が大いにあります。

報道されるところでは、竹中経済財政相は相当に急ハンドルを切って、不良債権処理とデフレ対策の具体策を出すようで、「この1か月が勝負である」との決意を表明していましたから、これは大いに評価を見直しせねばなりません。

今、株価で注目しているのは、@今日も大出来高となって売られたみずほH・UFJは売られすぎではないのか。A今日出来高を伴って急伸したNTT・ドコモの上昇は持続性があるのか。B過大な負債をかかえた丸紅・ダイエーの株価はどうなるのか。の3つです。


特に丸紅については、今日の新聞でも報じられたように、9月中間決算は、最終利益が従来の120億円から150億円へ上方修正されているにもかかわらず、株価は一時107円まで下落しました。これは明らかにムード的に売られたと思います。

同じように株式の売買損・評価損を出して、株式運用から撤退したサンリオも売られすぎではないのかと思え、これらが今後どうのように見直されるのか。

富士通・ダイエーは業績はよくありませんが、業績が悪いからといってどこまでも株価が下落することはなく、必ずどこかで悪い業績に見合う株価になりますが、その見合う水準には達しているのではないか、という感じをもっています。


(02.10.7) TOPIX 860P(-31) 日経 8688円(-339) 8.3億株


先週末のNYは7528ドル(-188)。ナスダックも1139P(-25)と下落して、ともに新安値を更新。外国証の朝のり付きの成り行き注文は、売りが2770万株、買いは2240万株となって、530万株の売り越し。

米国市場が新安値を更新した上、日曜日のテレビで、金融相の「大企業の整理もありうる。」の発言に続いて、今日も「4大銀行グループだとて例外扱いはしない。」の発言があって、東京市場は大いに下落しました。

出来高は8.3億株。売買代金は6300億円。値上がり銘柄数は53銘柄、値下がり銘柄数は1412銘柄。年初来安値銘柄は399銘柄で今年最高です。 売られたのは全部の銘柄ですが、特に@銀行(UFJ・三井住友・三菱東京・みずほ)と、A過剰債務銘柄(ダイエー・大京・オリコ・いすゞ)、B半導体メーカー(NEC・富士通・東芝)の下げはひどく、日経平均・TOPIXはそろって新安値。

いよいよ投げが始まりました。むろん今日からは買いのチャンスがやってくるのだと思っています。出来高は思っていた「下げて8億株」となりました。ただ売買代金は出来高ほどには増加せず6300億円というのは、なおもの足りません。(8000億円はあって欲しいところ)

値上がり銘柄数が53銘柄となりましたが、この2年間で100銘柄未満であった日は、今日を含めて4度あります。@2001年9月12 日(17銘柄)、A2002年6月12日(81銘柄)、B9月3日(80銘柄)です。値上がり銘柄数がここまで少ないということは、大いに投げたということです。

どれほど投げが増加したかを出来高でみれば、@は7.2億株、Aは8.1億株、Bは7.4億株です。出来高自体は思ったほど大きくはありません。そのためか、値上がり銘柄数が最低となった日には、その当時の底値にはなっていません。@の場合は7日後に底値を出しましたが、底値の日の出来高は9.1億株でした。Aも7日後に底値となりましたが、Aの日の出来高以上にはなっていません。Bは1日後が底値となりましたが、出来高は8.6億株と増加しています。

これを見ると、
  1. 値上がり銘柄数が100に満たない日が現れる。(投げ始め)
  2. その翌日〜7日後に、より大きい出来高ができて底値を出す。(とどめの投げ)
ということがいえます。そうであれば、今日の値上がり銘柄数はC回目の始まりであって、この後1〜7日後に、今日以上の出来高となれば、底値である可能性は高くなります。意気消沈している時期ではありません。


(02.10.8) TOPIX 860P(+0) 日経 8708円(+20) 7.6億株


NYは7422ドル(-105)、ナスダックも1119P(-20)と続落して、ともに連日の新安値更新。外国証の朝のり付きの成り行き注文は、売りが3280万株と増加する一方で、買いは1400万株と縮小し、差し引き1880万株の売り越し。

東京市場は昨日大きく下げただけに、突っ込み警戒感がでて今日は小幅な動きとなりました。出来高も縮小し、7.6億株。売買代金も5800億円と減少。売買代金の推移をみると、日銀が銀行保有株式を買い取るの材料がでた9月19日には、11000億円でした。ここからジリ貧になり、9月中はほとんどの日が5000億円台になりました。

10月3日に新金融大臣のハードランディング方針が明らかになって、日経平均は9000円台を割り込みましたが、この日の売買代金が7000億円。その後今日にいたる3日間は、順次売買代金が小さくなっていくばかりです。

この1週間のうちに、出来高が昨日の8.3億円を越えるか、売買代金が7000億円を越えて株価が下落する日がでてくれば、大きな株価の転換点、ことによったらバブル崩壊以来12年間の大底になるかもしれない。と思っています。

相場の自律的な反発にあらずして株価が大反転をするには、政策の大転換が必要です。銀行の不良債権のほうはハードなものになりそうで、これは本来であれば好材料です。しかし一方でデフレを食い止める政策が明らかにならず、いまはこのほうを市場は弱材料にして下げていますが、この決着も近いのではなかろうか。

「緊急対応戦略」(かけ声・言葉が好きですなあ)は今月半ばにまとまります。これを市場が納得すれば、ここが転換点になるし、市場が拒否して株価がさらに下落すれば、新しい対策が出てくるはずです。日銀が危機感をもったのは、日経平均が9200円のときでした。ここからは日経平均が10%下落(800円〜900円)するたびに危機感が加速度的に強まります。株価の下落はいやおうなしに政策転換を促します。

昨日からは大底圏内にはいったのではないか。と思っています。チャートでは@9日順位相関が、ようやく-80以下になり、A出来高も昨日8.3億株できていますから、あとはB25日順位相関が-80以下になり、C8.3億株以上の出来高ができて下落する日があれば理想的ですが、政策の転換があれば、このチャート的な条件は満足することなく株価が大反転します から、BCが必ずでるとは限りません。


(02.10.9) TOPIX 844P(-16) 日経 8539円(-169) 7.4億株


NYは7501ドル(+78)、ナスダックも1129P(+9)と反発。外国証の朝の寄り付きの成り行き注文は、売りが3580万株とさらに増加。買いも1870万株と増加したものの、差し引き1710万株の売り越し。

東京市場は外国勢の売りに加えて、頼みの綱である個人の信用買いに対する追証が発生しているようで、個人も株を処分せざるを得ない。とあって今日も安く、日経平均・TOPIXは新安値。

出来高も増加せず、売買代金も不足しており、まだセリング・クライマックスには達していませんが、チャートからは、25日線からのカイリ率は今日が-6.6%となりました。当面の安値圏にあることは間違いはありません。

下値のメドは日経平均で8039円。TOPIXで822Pとなっていますが、今日の水準からはひといきの水準であり、ここまで必ず下がるわけでもありませんから、一昨日来、言ってきているように、今の水準は底値圏にあると思っています。


このことは個別銘柄からもいえます。上図は、@75日線からのカイリ率が-30%以下のもの、A株価が100円以上のもの、というタッタ2つの買い条件をつけた条件表ですが、この条件表は今のような状況では、大いにその効力を発揮するはずです。

この条件表について、《Qエンジン》を使って、その成績を検証すると、いつもの売買ルール( @利食いAは、ザラバで+15%。A利食いBは、仕掛けた日から15日以上が経過したら、ザラバで+10%以上。B利食いCは、ザラバで+10%以上の利益が出た後、-6%以上下落したとき。C終値で-15%下落したら損切り。D仕掛けて30日が経過したら時間切れとして手仕舞う。というもの)では、約74%の勝率になります。(勝率とは、負けなかったということ)

この条件表のNo.3行を、「カイリ率が-35%以下で買い」に設定しなおすと、勝率は78.8%になります。およそ10回に8回は利食い(ないし損をしないで手仕舞える)という結果です。この数字は、いつの時期でもそう変りません。75日線からのカイリ率が-30%より拡大することはあまりありません。

ただマイナスのカイリ率が最も大きいいときが、株価水準が最も安いときか、となるとそうではないことも多くあります。今日のカイリ率が-30%で株価は452円。明日のカイリ率は-24%で440円。といったことは、しょっちゅうあります。カイリ率は加速度であり、株価水準の変化は速度です。

カイリ率が-30%になった銘柄は、この時期買う候補の銘柄ですが、株価はさらに安くなって底値を出す銘柄は多くあります。ということは、カイリ率が-30%以下になった銘柄を検索しておいて、Aこの日の株価から例えば5%とか10%下落したときが、買いのチャンスということです。

個人的なことながら、今日から銀行株を買い始めました。これは@の-30%に該当します。明日以降の買い指値(-10%下落)も出してありますが、これはAに該当する株価水準です。


(02.10.10) TOPIX 835P(-8) 日経 8439円(-99) 8.8億株


NYは7286ドル(-215)と一転下落し新安値。ナスダックも1114P(-15)と下落して新安値。外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りが3880万株とさらにさらに増加し、買いが1510万株と減少したために、差し引き2370万株の売り越し。

この下げの要因は、不良債権処理の加速によるデフレ対策をどうするかが見えてこないというのが50%、外国人がNY安・欧州安によって、換金売りを出しているのが50%といった感じですが、今日の3880万株の売りはそろそろ売りのピークになったのではなかろうか。

東京市場の寄り付き直後は、ややパニック的な感じでした。セブンイレブンがザラバ安値3200円、富士通が410円、ソフトバンクが861円。みずほが150円(150千円)、UFJが153円。あっと驚く株価がいとも簡単についてしまいました。

日経平均はザラバ安値が8197円、TOPIXが814Pです。TOPIXは昨日いった下値のメドの822Pをオーバーしましたから、だいたい今日が当面の底値となるのではないか。

TOPIXはザラバ安値814Pから引けは835Pへと、21P戻して引けました。今日の動きは「タクリ足」となりました。このタクリは結構長いものです。

そこで「下ヒゲ率」の計算をしてみました。下ヒゲ率とは、@その日の下ヒゲの長さを、Aその日の安値で割って、100倍して%で表示するものです。

図のような足になったとき、@この日の下ヒゲの長さは10円。A株価安値は302円なので、B下ヒゲ率は、10÷302X100=3.3%、となります。

「下ヒゲが長い」のは、売られに売られて、株価が下落したが、ここから評価が一転して、買いに買われたということを表します。まあ「買いに買われた」という内容は、@カラ売りの買戻しがでて、A株価が反転したので、Bこれを見て次々に買い戻しが続いた。ということであって、本格的な強気の買いではありませんが、上昇トレンドに変化するためには、まずはこのような現象が出なければなりません。

以下のような条件表を設定しました。


No.8線が下ヒゲ率を計算しています。ここには「下ヒゲ率が、2%以上のとき買い」の条件がつけてあります。これは日経平均とTOPIXの下ヒゲ率が大きい日を検索したかったので、「2%以上」と設定しましたが、一般銘柄を検索するときは、2%ではなく、4倍した「8%以上で買い」とされればよいと思います。


さて、この条件表を使ってTOPIXのグラフを描くと、図のようになります。このグラフは《Qエンジン》を使って描きました。(999日分のグラフが描けるので)

99年6月以来、下ヒゲ率が2.0%以上になった日は6回あります。@〜Eは下ヒゲ率の大きい順です。@位のbは2000年4月17日です。このときはネットバブルが崩壊するときで、同時に日経225銘柄の大幅な入れ替えが発表されたときです。大変動となりましたが、それでもここからは反発しています。

今日の下ヒゲ率はA番目の大きさになりました。これだけでもただならぬ変化の兆しです。同時に、出来高もこれまでいってきた8.3億株を上回る8.8億株となったので、過剰な反応は、今日で終ったのではないかと思っています。


(02.10.11) TOPIX 848P(+12) 日経 8529円(+89) 7.7億株


NYは7533ドル(+247)と反発し、昨日の下げを取り戻ました。ナスダックも1163P(+49)と大幅反発。米国市場が下げ止まりの様相となったことから、外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りが2510万株と減少し、昨日の東京市場の引け味がよかったところから、買いが2180万株と増加したために、差し引き330万株の売り越しでとどまりました。

昨日の報道ですが、財務省の発表では、9月の外国人の売り越し額は、1.2兆円となったようです。先日の東証の主体別売買動向では外国人の売り越し額は約6000億円でしたが、これには場外取引などは含まれていません。9月の外国人の実際の売り越し額は巨大な額になっていたようです。売買シェアの半数を占める外国人が1.2兆円も売り越しているのでは、9月が安かったわけです。

外国人の売りを押しとどめるには、1つには米国株式市場の底打ちですが、これはこの後1年はダメではないかと思います。2つには日本株に対する買い意欲を引き出すことができるかですが、これは来週中に緊急対応戦略の中間のまとめがでるはず。これで日本株売りから日本株買いへと引き戻せるかどうか。

今日は米国高とくにナスダックが大幅高となったことから、ハイテク株・総合電気株が久々に反発となりました。NECは473円(+15)、日立530円(+9)、富士通441円(+3)。ただ今日の出来高は、9月オプションSQがあったにもかかわらず、7.7億株しか出来ず、ややがっかりです。売買代金も5900億円と少なく、今日の上昇は自律的な反発でしかありません。まあこのままではいいところ、25日平均線の890P(今日の平均値は900Pだが)が戻りの限界です。

これを上昇トレンドに結びつけていくには、政策の明快な転換の発表があることが必要です。日曜日のTVに期待です。おそらく「どうする株価・景気・日本」といった番組になって、竹中大臣ほか政府筋の発言があると思いますが、どういうことになるのか。

TOPIXのグラフは、あと4〜5日で25日順位相関が-80以下になるはずです。チャートからすれば反発の時期はどんどん濃くなっていると思いますが、単なる反発に終わらずに、今回はバブルの総決算となる政策が出ることを期待しています。


(02.10.15) TOPIX 876P(+28) 日経 8836円(+307) 6.7億株


連休中の間のNYは7850ドル(+316)→7877ドル(+27)と3日連続高。ナスダックも1210P(+47)→1220P(+10)と続伸。外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りが2500万株、買いが1790万株の差し引き710万株の売り越し。

東京市場は、NY高、124円台の円安がフォローとなって大幅高となりました。特に時価総額の大きいドコモ238円(+13)・NTT457円(+27)の通信株が大きく上昇。トヨタ3040円、ホンダ4850円(+160)も円安メリットから上昇。値嵩の半導体関連や電気株も上昇。値上がり銘柄数は1265銘柄・値下がりは154銘柄と全面高。


しかしボリュームはなかなか上がりません。出来高6.7億株、売買代金5500億円では、この上げは心もとない限りです。それというのも竹中チーム(そう呼ばれ始めた)の緊急対応戦略の中間報告がこの木曜日にでも発表されるのではないかと思われ、それを見てから判断しても遅くはない。とというのが市場の大方の考えのようです。

TOPIXのグラフは連続して窓をあけており、見た目は強そうに見えますが、出来高の裏づけがありません。中勢波動が上昇波動に転換するためには、少なくとも9億株10億株の出来高を伴わねばなりません。

自律的な反発で終わるなら25日線までというのがキマリですから、目先は900Pくらい(日経平均は9100円くらい)がメドです。しかしこれで終わってはつまりません。



25日線を超えて、75日線まで戻るためには、政府のデフレ対策いかんにかかっています。竹中チームには期待したいところです。

米国市場の各指数は25日線まで反発し、自律反発の限界までやってきました。まだ順位相関は低いので上値を伸ばす余地はありますが、出来高が減ってきたのは気になるところです。


(02.10.16) TOPIX 881P(+4) 日経 8884円(+48) 7.3億株


NYは8255ドル(+378)とびっくりの4連騰。ナスダックは1282P(+61)と暴騰といってもよい上げっぷりです。外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りが2580万株、買いが2650万株の、差し引き70万株の買い越しとなりました。久しぶりです。

東京市場は、昨日大きく上げたので、この反省が出るかと思っていましたが、米国株式の急伸とこれに伴う久々の外国証券の買い越しという追い風が吹きました。前場は昨日いった25日平均線近くまで上昇。しかし後場は安くなるものが増えてきて、結局は小幅高で終り。

出来高・売買代金は昨日より少し増加しましたが、依然としてエネルギー不足です。とはいえ昨日急伸したNTTは457千円と前日比変わらず、ドコモは242千円(+4)と続伸。ソニー5290円(+80)、松下1265円(+14)、トヨタ3110円(+70)、ホンダ5040円(+190)と時価総額の大きい銘柄は堅調であったので、この先なんとか25日線までは届くのではなかろうか。


(02.10.17) TOPIX 884P(+3) 日経 8959円(+75) 5.7億株


NYは8036ドル(-219)と調整。ナスダックは昨日大急伸していただけに、1232P(-50)と大幅反落。外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りが2630万株と最近の平均的な株数でしたが、買いが1370万株と急減し、差し引き1260万株の売り越しへ暗転。

今朝の日経新聞で、経済財政諮問会議は今日の会議でデフレ対策の骨格を決める方針であったが「先送り」となる、と報道。不良債権処理策の取りまとめが来週にずれこむので、これが決まってから再協議するとのこと。

今日の諮問会議では、「税制の全体像」を決定した、の報道がありましたが、その内容はこれまでいわれてきたもので、新しいものはなく、その規模も時期も提案されていませんでした。

デフレ対策は、難しいものだということは承知しています。いま生存している誰もデフレを経験したことはないし、これを克服する処方箋があるわけではありません。過去のデフレは多くは戦争が起きることでしか終焉しませんでした。デフレは需要と供給のバランスが極端に不整合になっているわけですから、原理的には@需要を惹起させるか、A供給を絞る、ことによってしか解決しません。

小渕内閣は@の需要拡大を目標に100兆円のバラ撒きをしましたが、その途中で倒れてしまいました。財政の不均衡を懸念した森内閣と小泉内閣が緊縮財政へと舵取りをし、今はAの供給を絞るという方向へ向かっていますが、デフレを克服したときは、切捨てられたものは大きく、死屍累々となっているのでしょう。

切捨てられる企業・産業はセーフティネットによって保護されねばなりませんが、財政均衡(30兆円国債発行枠)に捉われていては、セーフティネットも不十分になることでしょう。まあ「君たちはデフレ克服のために、お国のために斃れてくれ」という結果になるのではなかろうか。

小泉内閣に期待したのは、膨れ上がった財政(予算)のうち、非効率的に使われている部分を見直して、効率的な合理的な組織とするために民営化する。放漫に使われてきた予算のうち無駄なものをカットし、今後必要なところへ配分する。こういった構造改革を進めることで、財政を破綻させることなく日本経済を立て直そうとしたのではなかったのか。そういうことで国民の支持を得たのではなかったのか。国の非効率部分の改革は適当にして、民間の非効率部分にだけ手を突っ込むというのは、為政者として、ちと情けないのではなかろうか。(でも人気があるから不思議)

江戸幕府の天領の租税は「4公6民」であった。地方の藩は「5公5民」ないしは「6公4民」(はなはだしいときは紀州藩は「2公8民」)という重税に対して、幕府は手本を示していた。と司馬さんが書いていたが、まず政府が手本を示すべきでしょう。

いまから思うと、小渕さんはせめて10兆円は将来の産業のために先行投資をしておくべきでした。100兆円でビビッて緊縮財政にした森内閣・小泉内閣は方向が間違っていたと思わざるを得ません。100兆円で不足であれば、さらに100兆円を追加するという度胸はありませんでした。

眼下の対策も必要ですが、将来の布石を打っておかなければ、希望はでてきません。しかし少し明かりが見えています。14日には、バイオ産業を育成するために、2006年までに2兆円の研究開発投資を行うという報道がありました。島津製が連日にわたって大商いを伴って上昇しているのは、ノーベル賞受賞者がでたからという理由だけではありません。政府がバイオ産業を今後の大きな市場にすべく、これを育成しようと決断したことにあります。(口ではなく金をさねば)。これは明日18日に政府が決定する予定です。

同じ趣旨で、今日の経済財政諮問会議で、平沼経済産業相は、デフレ脱却後の日本経済の成長戦略として、2004年までに、@環境、A情報通信、Bバイオ、Cナノ・テクノロジー、に予算を重点投入する、という計画を発表しましたが、こういうのがあるべき政府のあり方でしょう。うまく予算がつけばよいがと願っています。(最近はお願いすることだけです。)


(02.10.18) TOPIX 893P(+9) 日経 9086円(+126) 7.3億株


NYは8275ドル(+239)と昨日の下げを取り返して戻り高値を更新。ナスダックも1272P(+39)と反発しましたが、戻り高値とはならず。NYダウ・ナスダックとも75日線近くまで戻ってきました。S&P500は75日線をクリア。

外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りが2620万株と昨日と変わらず、コンスタントな売りが続いています。NY高にもかかわらず、買いは1630万株とあまり増加せず、差し引き990万株の売り越し。

長期投資をする外国人投資家は、この国の政府がどういう政策を出すのかを見極めねば、おいそれとは買えない、という態度のようです。

シカゴの日経先物は9145円(+175)と9000円を突破していたので、東京市場はこれにさや寄せして、寄りつきから9000円を突破、ザラバ高値9134円をつけました。ただここからは均衡状態に入り、今日の値動き幅は約80円。

グラフでは、日経平均はザラバで25日平均線(9111円)に届いたが、終値はわずかに不足。TOPIXはザラバで25日平均線(896円)にちょうどぶつかり、同じく終値では3P不足でした。

竹中チームの緊急対応戦略の中間発表は来週前半にずれたそうで、発表までは売り込みにくいところ。なにも目新しい対策がでなかったときは、株価は反落していい位置に来ているだけに、結構な下落となるのでしょう。

しかし、びっくりの対応策が出たときは、急伸して75日線に向かう可能性がでてきます。発表前に売っておくか、発表を見てから決めるか、ハラハラドキドキの難しいところです。


10月4日に売られすぎではないかと思った4銘柄を掲げました。この銘柄について10月9日に掲げた「75日線からのカイリ率が-30%」の条件表でグラフにすると、図のような位置で買いマークがついています。

買いマークがついたのは、富士通とダイエーですが、マークは連続して出ており、初日の買いマークからさらに下げて安値を出しています。これは9日にいったとおり。

サンリオはカイリ率が-27%までにしか下落せず。まあこういったことで、またいつかカイリ率が-30%以下になる日がくるでしょうから、このときはこの条件表を思い出して下さい。


(02.10.21) TOPIX 889P(-4) 日経 8978円(-107) 6.4億株


週末のNYは8322ドル(+47)と続伸して戻り高値を更新。ナスダックも1287P(+15)と反発し、戻り高値を更新。NYダウ・ナスダックとも75日線近くまで戻ってきました。

S&P500は前日に75日線をクリアしていましたが、今日はナスダックが75日線をクリアし、NYダウが75日線の8346ドルまであと24ドルというところです。

明日22日には竹中チームの不良債権処理の緊急対応戦略のとりまとめが発表され、政府のデフレ対策も週末25日へ早められたようですから、今週はまさに政策が最大の材料になります。

東京市場は米国の続伸を受けて、朝方は高く始まりましたが、対策を見るまでは動けず、膠着状態となり、大引け前に先物の連動してやや下げて終わりました。

10月初めのパニック的な下げもやや落ち着いてきました。最近はどのような条件表を使えばよいのか、どういうやり方をすればよいのだろうか、というメールがいくつか届いています。

投資のやりかたは、@資金の性格(借金か余裕資金か。大口か小口か。収入があるのかないのか。)、A人間の性格(短気か気長か。ドラマチックが好きか漸進的か)によって自分に合う方針があるはずです。

いちいちのことについては自分で決めねばなりませんが、私が思っていることを少し述べますと、@いくら短期の売買をするとはいっても、せめて「主な株価」の安値→高値、あるいは高値→安値の小波動を捕らえる売買をするのがよいのではないか。A小波動は5日〜2週間程度の期間があるが、この間で売買するのがよい。B買いはできるだけ「主な株価」のボトム(株価が表示されている)に近い日に行なうように心がける。です。

ネットトレーディングの時代になりました。ネット取引では手数料が従来の1/10〜1/100になりました。この結果、超短期の取引がもてはやされることになりましたが、特殊な才能のある人は別として、はたしていわれるほどに目先売買で利益が上がるのであろうか。という疑念を持っています。


《カナル》のグラフには「主な株価」の表示ができます。株価の小波動のピーク・ボトムに高値・安値が表示されますが、この高値近辺で売り、安値近辺で買うのが基本であろうと思います。

図はNTTですが、主な株価は図には12か所(ピークが6か所、ボトムが6か所)表示されています。主な株価の通りに安値で買い、高値で売ることができれば、これは必勝のチャートです。しかし主な株価はその当日には表示されません。現実の安値から最短で2日・遅れれば5日6日後に安値(高値)が打たれます。

主な株価は「あと智慧」のチャートです。したがってその日に小波動のボトムである、ピークであるということはわかりません。しかし、それらしいということは他の同時進行的なチャートでわかります。例えば9日順位相関です。図で9日順位相関が-80以下になったときはA〜Fの6回ありますが、この時期は、主な株価のボトムと位置とほとんど一致しています。

最低限のルールとして、「9日順位相関が-80以下になったときしか買いを検討しない」と決めておくべきであると思います。多くの失敗はこれ以外の位置で買ったときに生じているはずです。


(02.10.22) TOPIX 862P(-26) 日経 8689円(-289) 7.4億株


NYは8538ドル(+215)と続伸。ナスダックも1309P(+21)と反発し、ともに、連日の戻り高値を更新。外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りが2350万株とやや減ったものの、買いは相変わらずの1540万株で、差し引き810万株の売り越し。

NYは予想外に戻ってきましたが、引け後発表されたTI(テキサス・インスツルメント)が10-12月の売上予想を下げたために、GLOBEXは急落。東京市場はこれを嫌気して、安く始まりました。

連日急騰につぐ急騰をしていた島津が高寄りの後下げ始め、 これとともに他の銘柄も弱くなってしまい、大引け前には急落となりました。

日経平均・TOPIXともに、今日の足は、寄り付きが最も高く・大引けが最も安いという坊主足(上ヒゲ・下ヒゲがない)になり、下落の開始を表明しました。明日・明後日までは安くなりそうで、せっかくの反発でしたが、25日線までの自律反発で終わりました。

今の段階ではまだ竹中チームの不良債権処理に対する中間発表はでていませんが、今日の下げで処理策(策はなくて方針しかでないようだが)は評価するに値しないと市場は判断してしまったようです。となると25日のデフレ対策も期待が持てず、日経平均の8000円割れとなって、この鈍感な政府を揺すぶったほうが却ってよいのかとも思います。

この時期になっても、首相がまだ「デフレ対策の特効薬はない」と国会で答弁しているのは、自らの能力のなさをさらけ出しているのだから、銀行経営者の経営責任を追及する。と勇ましいことを言う前に、自らの出処進退を考えたほうがよろしいのでは。ここは金をつぎ込まむ決断をせねばなりません。


(02.10.23) TOPIX 866P(+3) 日経 8714円(+25) 7.4億株


NYは8450ドル(-88)と一服。ナスダックも1292P(-16)と小反落。外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りが2870万株と増加。買いはさらに減少し1330万株で、差し引き1540万株の大幅売り越しでした。

昨日HPの記事を書いていて、いつまでたっても竹中チームの不良債権処理に対する中間発表がでないので、妙なことだと思っていましたが、今朝の新聞では発表見送りとのこと。肩透かしです。首相は人事を発表すれば事終われり。の重大な勘違いをしているようです。市場はこの政策決定プロセスの混迷ぶりにあいそをつかして、朝方から大きく下落。

いまや不良債権の処理を早めたところで、デフレが収束するとは誰も思っていません。不良債権の処理が進まぬため、銀行が資金を必要とする分野に投入できず、したがってデフレになっている。そういうことではなく、問題は前向きな資金を必要としている企業がないということにあります。銀行が不良債権を処理したところで、資金の需要がなければ、デフレは解消されません。

今度の竹中案では、@不良債権の算定基準を厳しくする、A繰り延べ税金資産(税効果会計)を厳しくする、B銀行経営者の責任を問う、というのが骨子のようですが、厳しくしただけで問題が解決できるとは思えません。Aについては、税法が貸し倒れ引当金は損金ではなく、利益のうちから引き当てるとしているために、これまでは税金を払った上で引当金を積んできました。いわば引当金は利益処分の一部です。もしこれを厳格にして、米国並に1年分とするのであれば、財務省は銀行からこれまで徴収した(引当金に対応する)税金を、即刻銀行に返すべきでしょう。これなくして、今後は税効果会計を認めないというのではスジが通りません。

Bについては、もし@Aの結果、自己資本比率が8%を割り込む事態にいたったとき、銀行が甘んじて公的資金を受け入れるはずがありません。仮に自己資本が6兆円不足するのであれば、貸し出し資産を自己資本の減少に見合う分だけ縮小するに決まっています。自己資本が6兆円不足となれば、この12.5倍(自己資本を8%に維持するために貸付を12.5倍回収せねばならない)の75兆円が回収されるでしょう。ほとんどは中小企業からの貸し剥がしとなるのは必定です。

政府はセーフティネットを...といっていますが、60兆円70兆円の中小企業へ対する貸付を肩代わりでできるはずがありません。どうみても竹中チームの不良債権の処理案は実現可能とは思われません。必要なことは国が金を出すことです。銀行の不良債権を早めて、@強制的に6兆円の公的資金を投入する、A銀行の貸し剥がしを容認して、政府が60兆円の中小企業への信用保証をする、B10兆円・20兆円の財政支出をする。いずれにしても金が要ります。(それを実行したところで、デフレの解消とはならない。)

政府が支出を絞って、現状を乗り切れるはずはなく、今後の市場の大材料は、政府の財政支出の拡大への方向転換がされるかどうかになってきました。思うに、Bの財政支出しか方策はないのではないか。(もっと欲をいえば@Bの組み合わせですが、これだと支出規模はさらに膨れあがります。)


(02.10.24) TOPIX 859P(-6) 日経 8614円(-100) 6.4億株


NYは8494ドル(+44)と小反発。ナスダックは1320P(+27)と反発して、戻り高値を更新。米国市場は高値圏(75日線近辺)で値持ちがよく、意外です。外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りが2210万株と減少。買いは珍しく2540万株あって、差し引き330万株の買い越し。これは1週間ぶり。

今日発表のあった10月第3週の主体別売買動向では、外国人は1000億円以上の買い越しであったようです。先週、日経平均が9000円台に戻ったのは、外国人の買いが寄与したのであるということがわかりました。なんといっても売買シェアの半分は外国人で、残り半分を@個人、A金融機関、B事業法人、C投信、D証券自己、の5者が構成しているわけですから、東京市場は外国人の意向に左右されているわけです。

昨日先延ばしされた、不良債権処理の加速策は、竹中案ということで、今日の日経新聞に載っていました。

最近は、私は銀行に同情的です。金融庁による昨年来の特別検査によって、ずいぶんな引当金を積み上げたはずが、デフレが不良債権を新規に発生させ、不良債権額は膨れる一方です。ここへもってきて従来の指導であった税効果会計の大幅な見直しをするようで、銀行にしてみれば、これまでの金融庁の指導はなんであったのかと、怒り心頭でしょう。

行政が方向を転じることはしかたがないことですが、このような手のひらを返すような急ハンドルは混乱を招くばかりか、政府不信につながります。思うに、メガバンクは一斉に海外業務から撤退すればよいのです。国内業務だけに特化すれば、 自己資本比率は4%ですみます。今10%ある自己資本のうちまだ6%は減ってもよい勘定です。税効果会計を厳しくされたところで、4%の自己資本比率は確保できるでしょう。

みずほHも、UFJも、三井住友も国内業務専門になって、海外事業は外国銀行にまかせればよいのです。トヨタ・ソニーの海外取引は、米銀に任せてしまえばよいのです。日本企業の貿易による膨大な金の動きは全部海外の銀行が握ることになります。海外で設備投資する際も、外国銀行のお世話になればよいのです。こういう結末を望んでいるのが竹中案でしょう。

今年中に公的資金の注入の要請をしたときは、銀行経営者の責任は問わないが、来年からは経営者は更迭。先に公的資金として出した優先株は普通株に転換して、国の管理下におく、という案ですが、銀行がこのようなことを飲んで、公的資金を導入するはずがありません。私だったら@海外業務からの撤退、A自己資本比率4%を保つために、貸し出し資産の回収。を絶対にやります。結果、日本は海外投資への橋頭堡を失い、国内では中小企業の倒産は続出するということになります。それでよいのかと、銀行は小泉政府とケンカをすればよいのです。

今や銀行の不良債権の処理を加速したとて、経済は悪化するばかりだということが明白になってきました。今、国がやるべきことは、デフレから脱却してこれ以上の不良債権を増やさない経済情勢にもっていくことでしょう。このデフレの原因を全部銀行のせいにする、今の政府はおかしすぎます。


(02.10.25) TOPIX 871P(+12) 日経 8726円(+111) 6.0億株


NYは8317ドル(-176)と下落。ナスダックも1298P(-21)と下落。大体の7-9月期決算は出てき、おおむね予想以上に決算内容はよかったことになります。外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りは2450株と最近の平均的な水準へ復帰。買いも1590万株といつもの水準へ戻って、差し引き860万株の売り越しとなりました。

東京市場は閑散ながら、値上がり銘柄数は1111銘柄となって、値ぼれ買いが入った感じです。今日も売買代金が5000億円を割りましたが、だいたい5000億円が基礎的な売買代金といってよいようです。

この売買代金の水準は、相場がよかろうと悪かろうと、@相場で商売をしている投資家(ディーラー・証券会社・個人のデイトレーダーなど)の売買はいつもこれくらいあり、ここへ先高感が出たり、割安感が出たりしたときに、A機関投資家や個人投資家が参入する。株がどんどん上げれば、いつもは投資をしないB「にわか」投資家が参入して、相場はピークを打つという構図です。(したがって「にわか」投資家は最後には大損をする)

というわけで、市場参加者は@の相場に密着した投資家しかいませんが、最近は、ややAも出てきたのではないかと思われる現象がでてきました。それはよい材料がでたものへ売買が集中していることです。ノーベル賞の島津は4日間連続して、出来高トップ(それもピーク時は6200万株・7200万株の大商いとなった)になり、昨日は好業績の日産が5000万株の出来高です。

よいものがあれば買いたいという投資家はなお多く存在しています。今日は週末であるのに日経平均・TOPIXともに高く終わったのは、来週に期待することが多いということでしょう。

昨日の竹中案は、だいたいが「袋叩き」にあったようです。さきほど見た日経新聞のHPでは「竹中原案を一部見直し」とありました。当然のことです。今週は政策の批判ばかりして、私自身も愉快ではないのですが、@不良債権の処理ができないから、デフレである、という考えはもう捨てねばなりません。Aデフレを脱却して不良債権の処理を進める、と言う方向に転換せねばなりません。出てきた竹中案はすでに時勢に遅れています。いまや誰もが消費することを控え、さらなるデフレに備えています。企業は設備投資を控えています。こういうときは、市場に元気を吹き込むために政府が金を使うしかありません。


(02.10.28) TOPIX 872P(+0) 日経 8757円(+31) 5.3億株


週末のNYは8443ドル(+126)と反発。ナスダックも1331P(+32)と反発し、戻り高値を更新。外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りは1890株、買いは1350万株となって、540万株の売り越し。

デフレ対策は30日に予定されているよし。これまでは何もしないほうがよろしいという市場の判断です。中間決算を発表したり、予想を変更した企業だけが個別に売買されるほかは、見送りとなって、売買代金も4500億円と縮小。

ソニーは引け後、9月中間の営業利益が1023億円となったと発表。これは明日評価されます。


TOPIXのグラフは妙な形になりました。この4日間は845P〜872Pの27Pの小幅なレンジで保合っていますが、高値は連続して切り上げています。安値も、今日は前日の安値より低くなりましたが、おおむね安値も切り上げています。

まあ出来高が薄い中での足取りですから、そう信用はできませんが、安値・高値が切り上がっているのは、わずかながら買い意欲がでてきたか、あるいは公的年金資金が底支えしているかのどちらかでしょう。(たぶん年金資金か)

このためせっかく9日順位相関が順調に-80に向かって下落していたのに、今日は下げ止まりとなってしまいました。もし年金資金の買い支えであるのであれば余計なお世話であるといえます。


(02.10.29) TOPIX 862P(-9) 日経 8708円(-48) 5.4億株


NYは8368ドル(-75)と下落。ナスダックも1315P(-15)と反落。外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りは2020万株と減少したものの、買いも1150万株と同じようにしぼんだので、差し引き870万株の売り越し。いつもと変りません。

明日のデフレ対策・不良債権処理策の発表を控えて、今日も薄商い、かつ小動きの1日でした。

デフレ対策に盛り込まれるであろう「特別土地保有税の廃止」を先取りして不動産株が少し買われ、「証券税制の軽減措置」を期待して証券株が買われ、不良債権処理策の内容をあれこれ予想して銀行株が上下しましたが、いずれもまだ決定していないので、腰の入った買いではありません。

ソニーは昨日好決算を発表しましたが、今日は5420円(-70円)。通期の売上がやや減るのを気にしたようですが、半期で1000億円の営業黒字がでるのはたいしたものです。一方ホンダは通期の業績予想を下方修正し、朝から大きく下げ、4380円(-680)。市場は悪いほうにばかり反応します。

富士通の中間決算は1474億円の赤字となりました。通期でも、従来はトントンの予想から1100億円の赤字へと下方修正されましたが、株価は443円(+15)と上昇。これは9000人のリストラの追加によって赤字が増加したためで、9月中間の営業益は、前年同期が519億円の赤字、事前の予想が300億円の赤字であったのに対して、232億円の赤字と赤字幅は縮小していることが評価されたためのようです。

株価がこの水準にまで落ちている(半年で-60%下落した)ことは、業績悪は相当に織り込まれている、少々のことでは株価は下げない。ということでしょう。


(02.10.30) TOPIX 870P(+7) 日経 8756円(+47) 6.2億株


NYは8368ドル(+0)と変らず。ナスダックは1300P(-15)と続落。外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りは2490万株、買いは1380万株で差し引き1110万株の売り越し。

デフレ対策・不良債権処理策の発表は今夜の予定。今日も薄商い、かつ小動きの1日。

市場は死につつあります。巨大なデフレの流れを転換させるためには、従来の延長線で対処しようと思っても無理です。これに立ち向かうのは人間しかありませんが、その人間は疲弊しきっています。

川が氾濫しようとしているとき、とるべき道は3つあります。@つは堤防を急ぎ高く積み上げることです。Aつには氾濫を食い止められないなら、自ら堤を10〜20か所決壊させて、全体的に水浸しにして1か所の集中的な壊滅を防ぐことです。Bつには、堤防の1か所だけを開けて、ここへ集中的に水をあふれさせ、ほかの地域を守ろうとするものです。

@の方法は、金がかかりすぎて実行できない。というのが国の考えです。Bは今回の竹中案です。銀行を国有化すれば、解決できると思っている。Aは現状です。すでに堤防はいくつか決壊しつつあります。今年になって倒産した上場企業は25社あります。

不良債権の処理さえ進めれば、デフレが解消するという考えで、Bの銀行つぶしを図った竹中案でしたが、誰でも自分だけがぺしゃんこになって、他の犠牲になることを望む者はいません。当然のごとく大反発をくらいました。ペーパードライバーと揶揄されるのも当然です。

いけないものは捨ててしまおう。銀行はいまや大きなガンだから捨ててしまう。概念としてはそうでしょうが、いきなりの方針変更では銀行は怒るでしょう。銀行が貸し剥がしに走ったら、どんなことになるのか。借金をした(したとしても住宅ローンなどは借金ともいえない)ことがない人間にはわかるはずもありません。

いま選択できることは、国が金を出して需要を作り出すことしかありません。あるいは何もせずに、市場原理にまかせて、放置しておくことです。あと15年もすれば、国は何をせずとも、日本は再生しています。(そのときは私はもうこの世にいないが)


(02.10.31) TOPIX 862P(-7) 日経 8640円(-116) 6.3億株


NYは8427ドル(+58)と反発。ナスダックも1326P(+26)と反発。外国証券の寄り付きの成り行き注文は、売りは1950万株、買いは1840万株で、差し引き110万株の小幅売り越し。

発表されたデフレ対策はたいしたものではありませんでした。補正予算には言及していないし、こうしたいと列挙するだけで具体的ではありません。

ひとことでいえば、デフレ下ではあるが、緊縮財政を貫くということで、どこがデフレ対策かと思わせるほどです。金の問題は金をもってしか帳尻は合いません。金を出さずして解決できるはずがない。

これで竹中案の銀行の税効果会計を変更していたら、おそらくは今日の日経平均は8000円を割り込んでいたのではなかろうか。竹中さんは、手当てなしに銀行を処分しようとしていたわけです。思わずブルッときました。

対策で、新しいのは「産業再生機構」です。企業の再生をここへ任そうということのようですが、今ある整理回収機構(RCC)とどこが違うのかと思っていたら、再生機構は要管理先企業を引き受け、RCCは破綻懸念先企業を引き受けるのだとか。この政府は「機構」が好きで、屋上屋を重ねることも好きです。

株式買取機構があるのに、それがうまく動かないので、日銀の保有株式買取策が新たに打ち出されたのと同じです。いくつも同じような組織があれば、方針はますます定まりにくくなります。いやもう言うだけしんどいので、言いませんが。

とうとう長期金利(10年物国債)の利回りが1%を切り、0.985%となりました。すごいですな。向こう10年間の日本は1%未満の成長であると予想しているわけです。一方、野村総研が発表した7-9期のGDPは前期比0.7%の成長の予想です。年率+2.8%になりそうで、株式市場の気分ほどには悪くありません。内訳も個人消費が+0.8%増、設備投資が+0.7%となっており、案外に個人も企業もへこたれてはいない、という数字でした。

たった1%の金利の世の中です。いまリスクに強い順は、現金→国債→郵便貯金→銀行預金→株式→土地でしょう。株式投資は、前にいったように、できるだけ保有期間を短縮することを考えねばなりません。1年のうち長くて3か月が保有期間の限度でしょう。買ったままというのはいけません。取れそうだという時期だけに株式投資をし、わずかに利益がでれば、すぐに現金に変えておくという方針が大事ではなかろうか。

買う時期とは、日経平均(あるいはTOPIX)の9日順位相関が-80以下になっているときで、反発して25日平均線に戻れば、売って現金にする。その間(保有期間)はせいぜい5日ないし2週間というところでしょう。今持っている株はどこかで現金に変えておかねば、次に来る9日順位相関が-80以下の時期には資金がなくて、何もできないということになります。

このままだと来年からは申告分離課税に移行するようですから、方針は、来年1月4日(大発会)に持ち株の損は確定させて、その後の1年でチビチビと取り返していく。1月4日に出した損失の範囲内であれば、売買差益に税金はかかりません。因縁の含み損のある株式は1月4日に売却して、損失を確定させるのが得策です。(しかしそうなると、新年の相場は暴落発会となりかねず、これまた気が滅入ります)


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