TOPIXをどう見たか・判断したか (01年 1月)

目次へ.. 過去の判断.. 前月分へ.. 次月分へ..



(02.1.4) TOPIX 1053P(+21) 日経10871円(+328) 3.5億株


日本が大納会の後、米国はおおむね高くなりました。NYは28日10136ドル(+5)→31日10021ドル(-115)→1月2日10073ドル(+52)→101472ドル(+98)と引け値ベースでは9月テロ事件以来の新高値も更新。ナスダックも同様で、28日1982P(+6)→31日1950P(-32)→1月2日1979P(+29)→2044P(+65)。外国証券の朝方の注文は売り1220万株、買1610万株で、390万株の買い越し。

これを受けて東京市場の大発会はめでたく上昇。日経平均は10871円(+328)、TOPIXは1053P(+21)。半日立会いのため出来高は3.5億、売買代金は4400億円と小さいことが不満ながら、明るい新年の立会いとなりました。

いよいよ10年を超えたバブル崩壊の決着をつける年が始まります。バブル時に膨らみきった楽観が、この10年間で年毎にしぼみ、ゼイタクはやめ、生活を切り詰め、これがギリギリであると(おかしいほどに)毎年思ってきましたが、そんなことは甘ったるい勝手な考えでした。思いはともかく、生き延びることができましたが、今年は本当の生き死にの年になります。

企業にあっては年間の売上高以上の債務があれば、いつなんどき銀行から息の根を止められるかもしれない、薄氷を踏むような年がはじまります。つらい年です。無情の年です。この中で株式は上昇の幕開けとなりましたが、これをもって明るい2002年というわけにはいきません。年末の悲観人気の行き過ぎのリバウンドでしかありません。真の安値は上場企業の倒産が連続して3つ4つ5つ出たときで、まだ今日の株価上昇をもって底打ちとはならないでしょう

ただし目先のグラフは大変によくなりました。日足・週足ともにこれで反騰せねば、どういうところで上昇するのか。というほどの強い足になっています。前段に述べたことは、今年1年のことで、目先(1月)の相場は結構明るく、「なんだ弱気(日経平均8000円)を年末にいった評論家は大間違いだったではないか」という気分が出るまでは戻りが急な感じです。

今年の相場の平均的な予想は前半10000円→後半12000円のようですが、これは裏返しになる気がしています。すなわち前半(3月まで)高く、半ば(4〜9月)に9000円割れ→後半(10月以降)に12000円であろうかと、天邪鬼に考えています。


(02.1.7) TOPIX 1055P(+1) 日経10942円(+70) 6.2億株


先週末のNYは10259ドル(+87)と続伸。ナスダックも2059P(+15)へ続伸し、ともに9月テロ事件以来の新高値を更新。外国証券の朝方の注文は売り2370万株、買2360万株で、10万株の売り越し。

TOPIX・日経平均ともに年末から年始にかけて上昇し、3連続陽線となっていました。特にTOPIXにおいてはこの3本の陽線がすべて前日終値よりも高く始まる「窓空け」を2日連続して見せており、上昇初期の上げ足としては大変に力強い足取りです。

今日は先週の大発会までの急上昇にたいする利食いがでて、寄り付きは安く始まりましたが、次第高となってTOPIX・日経平均は4連続陽線となりました。6割7割の確率で3か月級の底打ちをしたのではないかと思っています。

TOPIXにおいて3か月級の底打ちということになれば、当然に先の小波動の高値1092Pを上回り、その前の高値1118Pを奪回するところまでは上値の目標値としてもよいでしょう。日経平均でいえば9月以来の高値11186円を上回り、11500円あたりまでは上昇の可能性が高くなります。

つまり多くの投資家が昨年に予想した2月3月危機による株安とは逆の現象が起こり、2月高・3月高となるのではないか。この上昇の原動力は銀行株の積もりに積ったカラ売りの買戻しと、信用不安をはやして売られた100円以下の銘柄の買戻しです。

買戻しのきっかけは、思ったほどにはめちゃくちゃにはならないという反省がでてきたことで、やはり政府が大手銀行への公的資金の注入の可能性を表明したことが一番です。

ただ銀行へ公的資金を注入すれば、なにもかもが解決するわけではなく、経済のこれ以上のマイナスの加速度を減じるというにすぎませんから、買戻しが終わり株価が高くなれば再び売り込まれるということになるのでしょう。

昨年10月に思っていたのは、1〜3月株価は非常に弱くなるであろうということでしたが、相場はどうも12月にこのことは先取りをしてしまったようです。

今年の相場のラフスケッチとしては以下のように考えています。
  1. 2月〜3月までは、金融危機回避のための政府のリップサービスがあるので、買い戻しが続き、株価は高く(日経平均は11500円から12000円)
  2. 3月決算を超えた新年度の4月〜5月は年金運用のファンドの買いで下げを食い止める(日経平均10500円)が、
  3. この公的資金をあらかた使った5月末から6月から株価は下落(日経平均10000円)
  4. 7月の株主総会あたりは倒産企業がいくつか続けて出て、さらに株価が安くなって9月中間までが最悪。(日経平均9000円)
  5. この後は米国景気が回復するのかどうかにかかり、回復なしとなれば12月にかけて新安値を更新(ここで日経平均が8000円か)。米国の回復が顕著であれば12月にかけて12000円を超えて13000円も可能。
だいたい以上のことを思っています。この予想は現実と照らし合わせてドンドン変更されていくわけです(倒産企業がいつ出てくるかが焦点です)が、当面(2月まで)の方針は強気であるということを決めておけばよいのです。銀行株でいえば、1.の2月〜3月の株価上昇では、75日線までの戻りがあれば、売却して現金に買えておき、3.から4.にかけて突っ込みがあれば買い、5.の先行きを見る。という方針になるのでしょうか。


(02.1.8) TOPIX 1031P(-23) 日経10695円(-246) 7.1億株


NYは10197ドル(-62)と反落。ナスダックも2037P(-22)と小反落。外国証券の朝方の注文は売り1670万株、買2290万株で、620万株の買い越し。

東京市場は4連騰をした後でもあり、米国の反落をきっかけにして調整の1日となりました。値上り銘柄数は194、値下がりは1205銘柄と数字上では全面安ですが、内容はそうたいしたことはありません。

この4日間で株価は予想外に戻ったので、この間に利が乗ったものはとりあえず利食っておこうという動きですが、今日の全面安はむしろ4日間で利食いできるほどの上昇があったと、よいほうに評価したほうがよいでしょう。

TOPIXのグラフは昨年9月安値(a)から10月の1118P(d)への上昇に似てきました。a→bの途中では4日連続の陽線をつけましたが、昨日までの4日連続陽線がこれに当ります。b→cの反落は5日間でしたが、今回もその程度の調整ですめば、俄然c→dと似た上昇が期待できます。同じようなことになれば今回のC→D(まだないが)の上昇によって、株価は75日線の上位に出ることになり、その後のチャート観は大いに違ってきます。

これまで75日線は上値の抵抗ラインになっていましたから、75日線での戻り売りが正解でした。今日の反落もこれまでのように75日線で売っておこうという判断によって引き起こされたものと思いますが、もし今後C→Dの上昇の動きになれば、今度は75日線は下値の支持ラインになるわけで、75日線まで下落したから押し目買いをしよう、という判断が出てきます。その点で今日のBからの反落がどうなるのかは重要です。

三菱東京が「企業再建ファンド」(200億円)を作り、第一号として市田の再建をすると発表。市田は前日の23円から+30円S高をして、1日で2.3倍の株価になりました。このファンドの役割がいまひとつよく理解できないのですが、@銀行が債権放棄をし、A企業は減資(市田は7割減資)をした後、B増資をする。このときの増資の引き受け手になるのがファンドなのでしょうか。このへんのことはおいおいわかってくるでしょうが、民事再生法や会社更生法に持ち込むことなく、企業を再生させるという新しい仕組みがでたことは実によいことです。ファンドは無かったが同じようなことをすでにやってのけた兼松は201円(+12)へと上昇。


(02.1.9) TOPIX 1025P(-6) 日経10663円(-31) 6.9億株


NYは10150ドル(-46)と小幅ながら続落。ナスダックは2055P(+18)と反発。外国証券の朝方の注文は、売り2180万株、買1850万株で、330万株の売り越し。

東京市場は朝方に変化を見せました。1つは大手4行(三和・東海・富士・三井住友)がダイエーに対して債権放棄を含む抜本的な支援を検討し始めたと、毎日新聞が報じ、朝から急伸。105円(+30)のストップ高(比例配分)で引けました。ダイエーへ対する債権放棄額は3000億円〜4000億円といわれていますが、まだ毎日新聞1紙だけの報道であるので、はっきりしたことはわかりません。

大手4行は1行当り1000億円の債権放棄になるので、銀行株は下落。といってもたいした下げではなく、みずほ281円(-9)、UFJ302円(-9)、三井住友559円(-6)。ダイエーに関係のない三菱東京は847円(-18)。

朝から変化があったもう1社はファストリで、減収減益の予想を発表したためS安比例配分となりました。とうとうユニクロも並みの企業に変わります。ダイエーもスーパーが日本に根付いていく過程では成長企業でした。いまから約30年前の1973年には3000円の高値をつけています。(1989年のパブルピーク時には3460円の高値があるが、市場全体が高かった。) 当時のTOPIXは360P、日経平均は4500円の時代ですから、3000円は今の10000円の株価に相当するといってもよいでしょう。ひとつの商売で30年間成長するということはまず滅多にないことです。


(02.1.10) TOPIX 1010P(-14) 日経10528円(-125) 7.6億株


NYは10094ドル(-566)と小幅ながら3日連続安。ナスダックも2044P(-10)と下落。外国証券の朝方の注文は、売り2980万株、買3910万株で、930万株の売り越し。

寄り付きは小高く始まったものの、次第安になりました。ダイエーは寄り付き後128円まで上昇したものの引けは110円(+5)で終りました。ファストリは昨日に続いて連続のS安。


TOPIXのグラフは、調整巾が広がりました。前回Aの押しはその前の4本連続陽線の4本目・3本目までの押しでとどまりましたが、今日は4本目・3本目・2本目を下回り、残すは1本目の陽線だけです。当初Aと同じようになるかと期待していましたが、今回のBを見るとAよりも売り圧力が強いといえます。

ソニーのPSの12月の売上が非常によかったことからソニーが高く6550円(+160)、原材料の市況もスクラップ鉄や非鉄が上昇していることから住友鉱459円(+19)となるなど、はっきりした理由があって上昇する銘柄が出てきたことは評価しなければなりません。

昨年12月25日に松下が5社(上場企業は松下通信・松下精工・九州松下・松下寿の4社)を完全子会社にすると報道され、松下は株価が上昇し、松下通は下落しました。

この動きは妥当性に欠けるのではないかと思ったので、01年12月28日に以下のように述べました。
    松下通については子会社化発表前日の株価は松下1559円:松下通4020円で松下通は松下の2.57倍でした。今日の75日平均値でも、松下1537円:松下通3863円で松下通は松下の2.51倍ですから、株価を基準にすれば交換比率は、1:2.5あたりが妥当(すなわち松下通1株と松下2.5株とを交換する)なところです。

    今日の松下は1683円ですから、この2.5倍の価値がある松下通の株価は4207円であってもよいところです。しかし市場は松下通に3550円の株価をつけ、交換比率は1:2.1と評価しています。まあ交換比率は松下が決めることですが、松下が株主を大切に思っているなら1:2.5あたりに決めるのが当然でしょう。(細かな話ですが)
インターネットでみると、今日交換比率が発表され、松下1に対して松下通信2.884となったようです。さすがに松下です。松下通の価値を充分に評価しました。

となると今日の松下は1800円・松下通信は3810円ですから、1:2.884の比率の株価につりあうには、松下の1800円を基準にするなら松下通は5191円になって当然です。(交換比率の発表は引け後だったとおもいますから)明日の松下通は買い気配で始まり、この比率に見合う株価に近づきます。


(02.1.11) TOPIX 999P(-10) 日経10441円(-96) 8.2億株


NYは10067ドル(-26)と4日連続安。ナスダックは2047P(+2)。外国証券の朝方の注文は、売り3230万株、買4380万株で、1150万株の買い越しであったのは、今日のオプションSQに関係しているのでしょうか。

昨年度の東証の売買シェアは外国人が52%、国内の個人投資家が18%であったそうですから、東京市場の上昇下落の帰趨は外国人投資家に握られており、この点で日々公表される外国証券の寄り付き前の成り行き注文が、買い越しか売り越しかは無視することはできません。

外国のファンドにとって1月は新年度(日本は4月が新年度)ですから、大体は1月〜3月は買い越しになることが多いのです。 ここ5年の1〜3月の外国人の売買動向は、以下のようになっています。

1月 2月 3月
2001年 +9044億円 +1695億円 +2357億円
2000年 +1047億円 +4819億円 +2136億円
1999年 +764億円 +4751億円 +18483億円
1998年 +3486億円 +3457億円 -910億円
1997年 -615億円 +3778億円 +3345億円

15か月のうち売り越しであったのは2か月だけで、13か月は買い越しです。今年になっても寄り付きの注文はおおむね買い越しであるので、今年も外国人は1月〜3月は例年どおり買い越しとなるのではなかろうか。2月3月危機と騒いで株価が下落したなら、このときの買い主体は外国人でしょう。

松下の完全子会社化になる上場4社は4銘柄ともストップ高。それも比例配分(松下通・松精工)と買い気配(九松下・松下寿)で、松下はこれら4社の株主には大いに報いました。

松下関連株が目立ったほかは、見送り気分が強く、銀行がダイエーからみで再び下げ基調になりました。特にダイエーの影響の大きいUFJとダイエーとは無関係の三菱東京の下げがきついのですが、三菱東京は持合解消売りのようです。年度末を控えての需給要因による下げですから、他の銀行の下げとは違います。


(02.1.15) TOPIX 980P(-19) 日経10208円(-233) 7.9億株


東京市場が3連休の間のNYは9987ドル(-80)→9891ドル(-96)と6日連続安となりました。ナスダックは2022P(-24)→1990P(-31)。外国証券の朝方の注文は、売り3550万株、買い2960万株で、590万株の売り越し。

週末、殖産住が会社再生法の適用を申請し、今年第一発目の破綻となりました。同時にこの3連休中はダイエーの再建について多くの方策が報道されており、産業再生法を使うとか、新会社を作って利益がでている分野だけをまとめるだとか、それでよいのかどうかよくわかりませんでしたが、政府・銀行ともダイエーの破綻は回避するという意向のようでした。

米国安を受けて、東京市場は安く始まりました。米国安からくるハイテク株の下落に加えて、殖産住の破綻から信用リスクのある企業が下げ、アジア諸国の円安への不満からやや円高にふれたために輸出企業が下げ、とよいところはなかったのですが、寄り付いた後は下げ渋りました。

TOPIXは980Pと新安値を更新。1998年10月のバブル崩壊後の最安値の974Pまでわずか6Pに迫ってきました。年末から年始にかけての窓を空けた4連続陽線を見て、6〜7割かたはここで底打ちしたと思っていましたが、その後の反落が急になって、底打ちの期待は裏切られました。

下降相場では上昇は2段上げ、下落は3段下げというのが普通ですが、今日の新安値によって10月の戻り高値a→b、c→d、e→fの3段の下げになることが決まりました。この上はe→fがどこまで下げるのかということですが、a→bの下げ幅は111P、c→dの下げ幅は109Pですから、だいたい110Pの下げを予定して、fの水準は947Pあたりがメドになります。


(02.1.16) TOPIX 987P(+7) 日経10177円(-30) 6.4億株


NYは9924ドル(+32)と7日目にしてようやく反発。ナスダックも2000P(+10)と小反発。外国証券の朝方の注文は、売り2670万株、買い2520万株で、150万株の売り越し。

ダイエーの再建策がほぼ固まったと報道されました。大手3行は@3000億円のダイエーに対する債権を優先株式にする。Aすでに保有している1200億円の優先株式は100%減資し、紙切れにする。B5000億円のコミットメントラインは維持し、金利減免を考慮する。というものです。

@Aは債権放棄のようなものです。帳簿上は@Aによって4200億円の利益がでることになり、この利益でもって、ダイエーはC関連子会社を半減する、D不採算店を処分するなど、さらなるリストラを進めるという方針です。例えば店舗を売却したとき、@売却した代金分のキャッシュが増加する、一方では取得価格と売却価格の差である売却損がでるが、これは@Aの帳簿上の利益かで穴埋めできる。ということになって、こういう資産の処分はダーエーはずいぶんやりやすくなります。4200億円分の売却損まではOKです。

ただ一方では、店舗の処分費用や違約金の支払いや人的なリストラによる退職金の増加などキャッシュを減少させるものも多くありますが、不足する分はBのコミットメントラインで銀行が面倒を見ようということでしょう。

銀行としては相当な犠牲を払ったといえます。Aなどは債権放棄と変わりません。@は株式に変えて将来の株価の値上りを待つ、あるいは配当に期待するということですが、今度は毎期の株価の評価によって銀行の決算が影響されてくることになります。いま保有株式を処分しようとしている方向とは逆のことをしてしまわねばなりません。株価維持のためには今後ともダイエーと二人三脚(3行あるので4人5脚)を続けなければなず、かえって追貸しが増えてしまうという可能性もあります。


この再建策でよいのかどうかはわかりませんが、ダイエーや3行の株価からはまずまずの評価のようです。

TOPIXと日経平均は、カナル2の条件表No.2「日経平均用'96」が逆張りの買いマークを出しました。昨年12月にいわれた2月危機3月危機は、声高であったぶん政府や銀行はその対応策を考えており、株価的には2月危機3月危機のほとんどは織り込んでおり、目先は下値があっても昨日いった947Pあたりまでであるように思います。

政府と銀行の合作が今回のダイエーの再建策ですが、現在の銀行がおかれている状況から、当然に対応策は万全なものではありません。その不備を突かれれば株価の底割れの可能性もありますが、3月決算がすむまでは思っているほどには株価は下げず、下げるのであれば決算を越した6月〜7月かと思っています。


(02.1.17) TOPIX 984P(-2) 日経10128円(-49) 5.9億株


NYはインテルやJPモルガンの決算悪を嫌気して、9712ドル(-211)と大きく下落。ナスダックも1944P(-56)と大幅下落。外国証券の朝方の注文は、売り2510万株、買い3060万株で、550万株の買い越し。

米国の10-12期の決算発表の出だしは案外によくなく、NYは大幅下落となりました。ただ引け後発表されたヤフー・コンパック・AMD・アップルなどの決算は良化しており、GLOBEXでは下げ幅を縮小したり、上昇するものがあったので、東京市場の寄り付きは深刻なものとはならず、逆に小高く始まりました。

ダイエーの当面の危機が回避されたことによって銀行株は小幅ながら続伸。ダイエーも126円(+8)と上昇。ただし出来高は少なく、銀行株の出来高は昨日の6割程度にとどまっているので、買戻しは一巡したようです。その後は動きが止まり、様子見となりました。

定点観測の7銘柄について、200日線を基準にして見ると、最も強い銘柄はなんと@新日鉄であり、ついでA住友鉱山、Bソニーです。他の4銘柄は200日線よりはるかに下方にあります。

新日鉄・住友鉱の上昇の背景は鉄鋼・非鉄金属市況がよくなってきていることであり、ソニーの上昇はPS2の好調な売れ行きにあります。過大債務に悩まされない企業は、不景気の中にも回復の兆しありです。

もう一段下の75日線を基準にすれば、Cみずほ、D野村が75日線に近い水準にありますが、みずほは75日線に近づく動きであるのに対して、野村は遠ざかる(下落する)動きです。

残りの2社は鹿島とNTTですが、これらは75日線からのマイナスカイリがきついので、リバウンドがあるかというところです。


(02.1.18) TOPIX 1007P(+22) 日経10293円(+165) 6.9億株


NYは昨日引け後発表されたヤフー・コンパックの決算を見て上昇し、9850ドル(+137)。ナスダックも1985P(+41)と反発。外国証券の朝方の注文は、売り1920万株、買い4030万株で、2110万株の買い越しとなって、例年1月はそうであったように、今年も外国人投資家の買い越しが本格化するか、という期待が出てきました。

日経平均は7連続安であったところへ、米国株高と為替が円安に振れたため、東京市場は高く寄り付きました。注目のダイエーは急上昇しS高寸前の175円(+49)まで買われた後はやや値を下げました。鉄鋼株は上昇基調を持続し、新日鉄は194円(+6)と戻り高値を更新。

ただハイテク株は戻りが鈍く、富士通は+2円高、ソニー+90円、アドテスト-30円、京セラ+180円とたいした上昇はしませんでした。銀行株もまちまちで、みずほ292円(-7)・UFJ298円(-5)、三井住友555円(+3)・三菱東京857円(+16)。

今日のところは突っ込みからの自律反発であり、カラ売りの買戻しが上昇の原動力です。この先大規模な買戻しが持続すればよいのですが、買戻しが先行していたみずほやUFJがマイナスになったように、現状では目先の買い戻しはよいところまできたような感じです。

ダイエーは再建策が今日発表されるとして急上昇をしました。どこまで戻ればよいのかですが、9月初めまでは205円〜255円のゾーンで推移していたことから、この水準が不安はあるが破綻はしないという評価でしょう。ここへ4200億円の債務が減じられることにより財務内容はこのときよりも向上しますから、その前の高値の303円あたりの株価まで戻ってもよいと考えられます。



そう思っていたら、インターネット(日経新聞)でみると、ダイエー経営陣はさらに1000億円程度の債権放棄を銀行に要請し、普通株式の50%減資を行う意向であると報じられていました。ダイエーの資本金は520億円ですから、減資によって260億円、さらに債権放棄で1000億円を浮かせようということのようです。

詳しくはわかりませんが、50%減資というのは今日の株価には入っていません。銀行は債権放棄をしない、また減資も株主が多すぎて事実上困難である、ということを前提にした今日の165円であろうと思います。もし50%減資が行われるならば、株価は半値になるわけで、先にメドとした303円の半値の150円が精一杯の評価になります。

せっかくの上昇でしたが、来週は、債権放棄による銀行の負担増加と50%減資が大きなマイナス材料になると思われます。市場はこれを打ち破ることができるのかどうか。


(02.1.21) TOPIX 1005P(-1) 日経10280円(-13) 7.1億株


先週末のNYは9771ドル(-78)と下落。ナスダックも1930P(-55)と大幅安。外国証券の朝方の注文は、売り2810万株、買い3700万株で、890万株の買い越し。買い越しは継続。

週末の東京市場は値上り銘柄数が1215銘柄と全面的な反発をしていましたが、これはダイエーの破綻が回避されたことが大きな要因でした。ところが引け後に、ダイエーは50%減資をすると報じられ、昨日ダイエーを買った向きには寒中の荒海へ放り投げ込まれたような逆転となりました。

はたしてダイエーは朝から売り気配で始まり、S安の115円(-50)で比例配分となりました。銀行株も安くなりましたが、案外に市場は深刻には受け止めなかったようで、今日の値上り銘柄数は968銘柄、値下がりは373銘柄と、指数がマイナスであるのに反して、悪い中から銘柄を物色していこうという意欲が出てきました。油研工が114円(+27)、ブラザー472円(+17)。

ダイエーですが、週末に明るい気分で買っただけに、今日は狼狽売りとなりましたが、だいたいは200円〜300円が妥当な株価であるように思われます。ここから50%減資となるので、減資前の妥当な株価は100円〜150円です。となると今日の115円はそのゾーンに来ているわけで、400万株の売り注文が残ったようですが、明日はまともな株価が形成されるのではなかろうか。


(02.1.22) TOPIX 985P(-20) 日経10050円(-227) 7.2億株


NYは休場。外国証券の朝方の注文は、売り2520万株、買い3130万株で、610万株の買い越し。買い越しは継続。

ダイエーは一転して上昇し、139円(+24)。出来高も1900万株と膨らみました。今日の高値が155円であったように市場は冷静さを取り戻し、まともな株価評価をしました。

米国が休場とあって、見送り気分が支配的で、前場は小安く推移していましたが、後場になって、かねてより経営危機が報じられていた米国第2位のディスカウント・ショップのKマートが倒産の報道があったようで、先物から急落。エンロンに続く大型の破綻です。今夜のNY市場が注目されますが、NY株は先週までに戻り高値から5%の調整をしていますから、それほどの影響はないのではなかろうか。(-100ドルまでの下げであって欲しいところです。)

やはり企業の破綻というのは市場にショックを与えます。信用リスクの発生から、Kマートのように商品の納入業者から納品をストップされれば、ダイエーはピンチになるところでしたが、ダイエーの再建策がでたことによって、第一番の大物の信用リスクはなくなりました。残る大物は丸紅ですが、これがどのような決着になるのか、今後の市場の注目点です。

今のところ明るい希望は円安メリットを受ける企業です。今日は住友鉱483円(+8)、三菱マテ196円(+7)と金関連の株式が上昇しましたが、@金相場の高止まり、A預金から金現物への選好、B円安などをその理由にしていますが、円安が最も大きな原因でしょう。 日本の国力が低下しているのですから、当然に円相場は円安になり、結果として輸出競争力のある企業をエースとして現状の不景気を乗り切ることにならざるを得ません。

去年の10月にホンダは円相場に強くリンクしている(01年10月23日)としてグラフを掲げましたが、ホンダの株価は今でも円と密接な連動をしています。そこで円に連動(円安→株高。円高→株安)している銘柄を検索する条件表を掲げます。(月足の条件表です。)


  1. No.2線のC1007は共通銘柄の「1007 円相場」です。
  2. No.3線では「ある銘柄」と「円相場」の36か月(3年間)の相関係数を計算し、
  3. No.4線で(最近3年間の)相関係数が+30以上のときに買い
  4. No.5線で、ただし過去3年間に相関係数が0以下になったことがあればダメ、としています(たまたま最近3年間が株価と円相場の連動があっても、その前は動きが逆のときは必ずしも円相場に連動しないと思われるからです。)
この条件を使って検索をしたところ、意外な銘柄がピックアップされました。富士写・ホンダは妥当な因果関係がありますが、JR東日。JR西日はどういう因果関係があるのでしょうか。円高→海外旅行、円安→国内旅行ということが原因かも。

アサヒ、クレセゾン、ユニーについては因果関係があるようには思えませんが、円が安くなれば株価が上昇しているという現象はでています。

JR東日のグラフを掲げます。データは少ないのですが、確かにJR東日の株価と円相場は同一の歩調で動いています。この動きがたまたま偶然の一致であるのかどうかはわかりませんが、円安による株価高の理由(国内旅行の増加か?)があるのであれば、信用不安もないことでもあるし、JR株は狙い目であることになります。


(02.1.23) TOPIX 975P(-10) 日経10040円(-10) 6.9億株


Kマート倒産の影響はどうかと心配されたNYでしたが、そのマイナス影響は限定的で、9713ドル(-58)と思ったより軽いショックでした。ナスダックは1882P(-47)とこちらは大きく下落。外国証券の朝方の注文は、売り3540万株、買い3530万株で、10万株の売り越し。

日経平均はハイテク株が上昇しプラス圏で推移していましたが、引け前に先物主導で下げました。TOPIXは銀行株と通信株が下げたため終日マイナスで推移し、さらに下げて引けたために1989年バブル崩壊以来の安値(終値ベース)をつけてしまいました。1月15日に書いたことですが、TOPIXは昨年10月の戻り高値1118Pから3段下げの渦中にあり、下値のメドは947Pあたりになります。

今日のTOPIXの下げに一番貢献?したのはNTTです。NTTは上場来の新安値を更新し、市場のムードを悪くさせました。TOPIXの新安値は、いくつかの倒産がでたときに実現するのだろうと思っていました。機関投資家のNTTの見切り売りで引き起こされようとは考えていませんでした。NTTは過小評価されていると今でも思っていますが、こうまで売られるのは経営者不信と政府不信につきます。

雪印乳の子会社の雪印食品が醜い経営をしていることが明らかにされ、雪印は急落し新安値となりました。返品された牛乳を混ぜて売って食中毒を引き起こすという事件があったのは2000年7月でしたが、ここで雪印のブランドは信用を失いました。これに応じて、株価も中期の会社の業績を表す104週(2年)線を下回ったきり、一度もこれを乗り越えることができず、500円600円が地相場であった株価はついに200円を割るという惨状になっていました。

私はけっこう雪印は応援したつもりで、以来牛乳パックは雪印を買っていましたが、今度の事件は子会社がやらかしたこととはいえ失望しました。@輸入牛肉を国産牛肉といつわって、A政府に買い取らせ、B牛肉の在校を減らすと同時に、国産牛肉と輸入牛肉の価格の差分の利益を出そうとしたのですから、まあ詐欺罪に当ります。

こういう企業が株式市場で資金を調達できることが許されてよいはずがなく、まず雪印は雪印食品の株式を投資家から買い取って上場廃止にするのが当然でしょう。ことによっては雪印も販売店の総スカンを食い、国内での商売はできなくなり、破綻への坂道を転げ落ちるのではなかろうか。

ただ元はといえば、狂牛病騒動がその発端です。農水省・厚生労働省つまりは政府が騒動の原因を作り、雪印食品を犯罪に走らせ、マクドナルドや吉野家や柿安の株価を下落させ、景気をさらに悪化させ、畜産家の死活問題を引き起こしたわけで、ほんとうに役人の無責任さには腹立たしい思いです。


(02.1.24) TOPIX 980P(+5) 日経10074円(+33) 7.4億株


NYは9730ドル(+17)と小幅ながら上昇。ナスダックも1922P(+39)と上昇。外国証券の朝方の注文は、売り3080万株、買い3480万株で、400万株の買い越し。

明るい指標が出てき始めました。一昨日の米国の半導体のBBレシオの改善から、昨日に引き続いてアドテスト7210円(+290)、東エレク6700円(+260)が続伸。

昨夜の米コーニング社の決算発表での需給改善の見通しから、古河電702円(+16)やフジクラ544円(+24)が上昇し、民生用エレクトロニクスの拡大予想から松下1732円(+28)、シャープ1350円(+15)も上昇。

顕著なのは円安メリット株で、先日いった為替と密接にリンクしているホンダは5340円(+120)、富士写4440円(+180)と上昇。円安は機械株にもメリットを与えるとかで、投資判断を引き上げられる銘柄が増えてきて、NTNは245円(+14)、森精機945円(+47)と上昇。

前場はこれら気運を評価した動きとなって、日経平均は一時+200円の上昇をしましたが、一方では銀行株が売られ、みずほ254円(-9)・UFJ255円(-10)・三井住友495円(-10)と足を引っ張ります。TOPIXはザラバ安値972Pをつけましたが、これはバブル崩壊以来のザラバ新安値です。

指数はハイテク・電気・機械の上昇に対して、銀行・損保・証券の下落が相殺してしまいました。また今日の日経平均先物は久しぶりに40000枚の出来高ができましたが、どうも売り崩したいという思惑があって、先物終値は9990円と1万円を割るなど、なかなか強い動きにはなりませんが、世界の景気は少しずつであるが好転してきていることを感じさせた一日でした。


(02.1.25) TOPIX 985P(+5) 日経10144円(+70) 7.8億株


NYはグリンスパンFRB議長が、米国景気の下押しの現象はどんどん減少していると、底打ち近しの議会での証言をしたことや、携帯電話トップ企業のノキアが予想外によい決算を発表したことから上昇し、9796ドル(+65)と。ナスダックも1942P(+20)と続伸。外国証券の朝方の注文は、売り3070万株、買い3500万株で、430万株の買い越し。

東証の売買高の外国人の売買シェアは50%を超えていますから、外国人の売買動向がいまでは最も重視されるべき株価変動の要因になっています。1週単位で主体別の売買動向が発表されてはいますが、日々のことは我々にはわかりません。そこで「外国証券の寄り付き前の成り行き注文」が集計され、インターネット(日経新聞・日本証券新聞・ラジオたんぱ)で発表されています。私はこれを見て、外国証券が買い越したのか売り越したのかを見ているわけです。

今年になってから今日で15日の立会いがありましたが、買い越しの日が10日・売り越しの日が5日ありました。売り越しと買い越しの差の累計はざっとみて7700万株の買い越しになっています。これは株数の集計です。本当のところは売買金額が買い越しであるのか売り越しであるのかが大事なのですが、そういうデータは1週に1度しか発表されないので、これで外国証券の方針を類推しています。

また外国証券の売買注文であるからといって、すべてが外国人の注文ではなく、国内の企業や機関投資家の注文も含まれていますから、ただちに外国人は買い越しであるとか売り越しであるとかの判断はできませんが、今年になって7700万株の買い越しというのは、1月は金額ベースでも買い越しで終るということでしょう。つまりは国内の投資家は2月危機だとか、信用リスクだとかを思い、株式投資にはおよび腰になっていますが、外国人投資家は日本株を割安であると思って買っています。

昨日はよい経済指標や見通しが出てき始めたと思いましたが、米国では昨年は米国景気に危機感を持って11度という空前の利下げをしたグリンスパン議長が、先行きが明るい見通しを発表しました。NYはその割には上昇幅が小さいかったのですが、米国市場は次第に明るくなっていくのではないか。

国内でも小型の会社ながら北興化が3期連続の最高益をだし、共立が輸出向けのチェーンソーや芝刈り機の好調から、やはり最高益を出すなど、ちらほらと業績面での明るさがでてきました。引け後発表されたソニーの10-12月の決算はプレステ2の好調から前期比+9%の営業益の伸びとなりました。

輸出を主力とする完成品メーカーにとっては最悪期は脱出したようで、新日鉄や三菱化学など素材メーカーも株価の上昇が持続していることから、同じく最悪期を抜け出た様子です。続いて半導体や部品のメーカーが今年前半に底打てば、一方ではこれから起きる信用リスクは(株価的には)相当程度にカバーできるのではないかと思います。


(02.1.28) TOPIX 997P(+11) 日経10220円(+76) 7.3億株


NYは小幅ながら3日連続高をして、9840ドル(+44)。ナスダックは1937P(-4)と小幅安。外国証券の朝方の注文は、売り3200万株、買い3880万株で、600万株の買い越し。

先週末は明るい材料がでました。@ソニーが今期の業績を上方修正、Aドコモが1:5の株式分割とNY・ロンドン市場への上場申請を決議、Bトヨタが1500億円の自社株買いです。この3社とも業界でのシェアがトップであり、株価が高いのが共通点です。株価が高い会社はそれだけ努力し、戦略をもっているということです。株価は経営者の通信簿です。株価が100円を割り込んだ会社は有無をいわずに経営者は退陣すべきでしょう。

この時代は敗戦直後と同じです(まだ生まれていなかったが)。敗戦後に企業のトップは(戦争協力の理由で)軒並み退陣させられ、取締役がいなくなったところへ、部長・課長の職にあった人間が経営陣に繰り上げられて、戦後の経済復興につながったのでした。構造改革を進める第一は、60才以上の人間がリタイアする。若い経営者のサポート役に退く。ということではないでしょうか。60才は体力的にも筒一杯であるし、会社のこの後の運命を決定するにしても、その責任をとれるほど生きれません。責任ある仕事をするのは50才代がギリギリでしょう。

日商岩井が2005年までに8000億円の負債を圧縮すると今日報じられましたが、案外に株価は伸びず、76円(+6)でした。まあ思い切りの悪いことです。時勢を横目でみながら、ちょっとだけ厳しいリストラ策をだすようでは、株価は今日が高値でしょう。

現状では、400円500円の会社が倒産すればともかく、100円以下の株価の企業が倒産したところで、市場はそれほどのショックは受けないほどの低株価になっています。すでに市場ではこれら銘柄の倒産は予想の範囲内です。株価が下げるのは予想外のことが起きたときであり、むしろ倒産の予想がされている100円以下の企業が、整理され・更正の手続きを取って、早く決着すればするほど市場は明るくなるのではなかろうか。(再建計画を出しても株価が100円を回復できない企業は、最終的には終わりとなるのでしょう)


(02.1.29) TOPIX 978P(-18) 日経10026円(-194) 6.3億株


NYは小幅ながら4日連続高となり、9865ドル(+25)。ナスダックは1943P(+6)と小幅高。外国証券の朝方の注文は、売り2510万株、買い2750万株で、240万株の買い越し。

ソニーが業績予想を上方修正していたので、あるいは他にも上方修正する企業がでてくるかと期待していましたが、どうやらソニーは特殊な例であったようです。村田製は小幅ながら下方修正。富士通の3月期は500億円の営業赤字の予想。東芝も最終赤字が2000億円→2600億円へ拡大。とよいものが出てきませんでした。これによってハイテク株は売りが優勢となりました。

そこへ円安が一服し、トヨタ(-180)、ホンダ(-250)など自動車株が下げ、ひそかに円と連動しているのではないかと思っているJR東もが581千円(-29)と大幅下げとなり(やはり円と連動している様子)、ドコモは1430千円(-50)と早くも反落するなど、主力銘柄はほとんど値下がり。

住友建と三井建が来年4月に統合と報じられ、一時は急上昇をしましたが結局はたいして上昇せず。住友建は高値65円(+17)→54円(+6)、三井建は高値63円(+16)→53円(+6)で終りました。合併ないし持ち株会社を作るというだけでは何の解決にもなりません。どうやって過剰債務を減らすのかの方策がでてこないことには、市場は評価せず、かえって問題先送りだとして銀行株が売られるだけです。

昨日の日商岩井は3年半で1兆750億円の負債を減らすと正式に発表しましたが、株価は73円(-3)と下落。ダイエーも116円(-6)と大幅安となるなど、そこそこの再建策では株価は上がりません。

今日のTOPIX・日経平均の下げはこたえました。出来高は6.3億、売買代金は5300億。日経先物の出来高も26000枚、TOPIX先物は6900枚という薄さですから、完全な見送りの中、わずかな売り物で値を下げたわけで、タチが悪い下げ方です。


(02.1.30) TOPIX 964P(-13) 日経 9919円(-106) 7.1億株


NYは9618ドル(-247)と大幅安。ナスダックも1892P(-50)と大幅安。これを受けて外国証券の朝方の注文は、売り4440万株、買い2270万株で、2170万株の大幅売り越し。

昨日は売買エネルギーの乏しい中を下げ、嫌なムードになっていましたが、米国が思いもよらぬ理由(企業会計制度への不信感)で大幅安となりました。当然にNYに上場している日本株も下げ、この値段にサヤ寄せするために寄り付きからハイテク株は売り物ばかりとなりました。まあこれはやむをえないことです。

いけないのは三井住友銀の三井建・住友建の統合に続いて、みずほHの3社(佐藤工+ハザマ+飛島建)も統合の検討に入ったと報道され、大手銀行には不良債権の先送りしか手がないことがはっきりしたことでした。

株式相場にとってベストの方策は、過剰な債務をかかえた企業は整理する。そのための引き当て金がなくなれば公的資金を注入する。これによって過去のマイナスから抜け出し、前向きなことを始めるというものですが、それは夢の話になりそうです。

当面の倒産はなくなったの予想で、佐藤工26円(+2)、ハザマ28円(+4)、飛島26円(+2)と上昇し、これらゼネコンにこれから何十年と無心をされ続けるであろうみずほHは228千円(-13)と下落。昨日人気となった三井建は54円(+1)、住友建56円(+2)と続伸しましたが、三井住友銀は473円(-16)とやはり下落。

米国景気は先日のグリンスパン発言のように、回復は間近かであるようで、この1-3期の米国GDPはプラスに転じ、4-6期はプラスが拡大、後半は年率で+3.5%の成長に復帰するとの政府の見解です。

しかし昨日のNYダウのグラフを見ると、本当に市場はそう思っているのかやや不安になります。昨日の大陰線はキツイものです。この8日ほどは75日線が支持線となって、チャート的に中勢の上昇波動が崩れるのを防いでいましたが、一気にこれを割り込んだのは、これから下げ始めるということでしょう。

米国にはグリンスパンという思い切りのよい強力なリーダーがいますから、株価が9000ドルとかに下落しそうであれば、手が打たれると思います。NY市場についてはそうは心配はしませんが、グラフは、テロ事件後のaからb→d→fへと3段上げをしてきた後の調整局面にあります。昨日の下げによって調整はf→gで終らなかったことがはっきりしたので、この先の下げのメドは軽くてbの9598ドル、重ければcの9014ドルと思われます。

日経平均は出来高(や売買代金や先物の出来高)が少ない陰湿な下げ方をしていますが、明日9826円まで下げれば、逆張りの買い(日経平均用'96)がでます。同じくTOPIXは明日956P以下で引ければ買いマークがでます。今夜のNYがどうなるのか。続落か反発かで買いマークが出る出ないが決まりそうです。


(02.1.31) TOPIX 971P(+7) 日経 9997円(+78) 6.5億株


10-12月の米国GDPはマイナス予想であったのに反して、+0.2%のプラスと発表されました。NYは9762ドル(+144)と反発。ナスダックも1913P(+20)と反発。外国証券の朝方の注文は、売り2980万株、買い3110万株で、130万株の買い越し。

米国GDPがプラスになったというのは意外でした。9月11日のテロ事件がもろに響いた4半期のはずでしたが、これでもマイナスにならなかったのですから大変なものです。

ただ一昨日は企業会計への不信から-247ドル安をしましたが、景気回復というよい材料がでても、この下げ幅を昨日取り返すことができなかったのは、すでに株価には景気回復は織り込まれていたということでしょう。NYダウはなお調整が続くようです。

米国高を受けて、NY市場にADRを上場している銘柄はだいたいが上昇しましたが、NECが通期で500億円の営業赤字になると報道されたり、外相更迭などの政局が不透明になったこともあって、東京市場は見送り気分が強く、小幅な上昇にとどまりました。

さほど書くこともないので余談を。《カナル2》は昨年8月末にバージョンアップをしました。今回はバージョンアップ期間を12月末までに限定しましたが、既存ユーザーの63%の方がバージョンアップして下さいました。弊社のソフトのバージョンアップ率はこの20年間はいつでも50%〜60%でしたが、今回は最高のバージョンアップ率となりました。一般のソフトであればバージョンアップ率はたぶん10%〜25%までのことでしょう。もともと50%・60%のバージョンアップ率というのはミラクルといっていいほどのものですが、今回はさらに新記録となりました。ユーザーには厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。

私はソフトの値打ちはバージョンアップしたときに問われるものだと思っています。新規客に販売するのであれば、いくらでも宣伝の方法があります。特に株式関係のソフトは誇大広告がまかりとおる分野ですから、売り方によっては一時的に販売数量を上げることはできないことではありません。しかしそれきりのことです。こういう販売をしていてはバージョンアップ率は20%を超えることはできないでしょう。

バージョンアップしていただくためには、そのソフトを使って満足してもらわねばなりません。満足の中には@トラブルに対する早急な対処、Aユーザーの意見をすぐに取り入れる柔軟性、Bソフト使用に対するアフターケア、Cソフトの品質の高さ、が必要かと思っていますが、ともかく3人中2人はバージョンアップしたほうがよいかどうかを判断され、《カナル2》を使い続けようと思われたわけです。ありがたいことです。


目次へ.. 過去の判断.. 前月分へ.. 次月分へ..

株式会社 東研ソフト