TOPIXをどう見たか・判断したか (01年12月)

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(01.12.3) TOPIX 1029P(-20) 日経10370円(-326) 7.2億株


先週末のNYは9851ドル(+22)。ナスダックは1930P(-2)と小動き。外国証券の朝方の注文は売り2300万株、買い1740万株で560万株の売り越し。

いわれていたエンロンがとうとう破綻。米国史上最大の規模とか第2位とかいわれており、今夜のNYがどういう影響を受けるのかを見たいというところから、売買高はやや小さくなりました。しかし株価は大幅安となり、当面は買える材料はなく、7日のGDP発表を控えて強気の声はでてきません。

エンロンの発行した円建債がデフォルトになり、これを組込みこんでいたMMFは元本割れになりました。今日のニュースでは10月末のMMFの残高は18兆円あったものが、11月末には5兆円の解約がでたそうですから、エンロン債を組み込んでいなかったMMFも甚大なマイナス影響を受けました。

今日は銀行・損保・証券が売られましたが、損保は米テロ事件による航空機の再保険で、大成火災はぶっ飛び、日産火災も700億円以上の損失をだし、あいおい損保はまだ損失額が確定できていないが、1000億円はあるだろうということで、なんだ損保会社は立派なビルを構えているが、その商売は素人と同じであったのか、という不信感は当分(10年くらい)は拭えません。

証券会社の信用失墜は昨年から加速度がついています。(野村の株価が1700円しているのは奇跡的な気がします。)2000年から郵貯の定額貯金の満期が続々とやってきて、このかなりの部分は株式市場に流入するだろうと、株式市場は期待していましたが、野村のジャパン戦略ファンドが目を覆いたいほどの運用成績となって、その後は株式市場への流入の期待は絶望となりました。さらに泣きっ面に蜂がさす。ここへきて預金並みの信用をうたい文句にしたMMFが元本割れとなっては、いよいよ証券会社の信用は失せるのは当然です。MMFに関しては日興コーディアルがその不名誉のターゲットとなっており、今日は628円(-22)。

ただ損保・証券というのは大した領分ではありません。信用リスクを原因とする株価のマイナスのウェートを考えると、銀行が45%、事業法人が40%、証券が10%、損保が5%くらいの感じでしょうか。今日は最もウエートが高い銀行がさらに売られ、みずほ291(千円。-19)、三菱東京838円(-5)、UFJ367円(-40)、三井住友637円(-33)。UFJは新安値。

いすゞは出来高を伴って急落し77円(-14)。いすゞの倒産は考え難いのですが、減資ないしは吸収合併の恐れアリと市場は見ています。

銀行が不良債権の処理を進め、貸し付け先の企業の信用リスクに応じて、融資の回収を始め、あるいは貸し出し条件をきつくし、銀行と事業会社と関係はいよいよせっぱ詰まってきました。借り手の企業は時間的な余裕はなくなり、最後は株主に泣いてもらう減資に踏み切るという企業が来年は多くでてくることでしょう。そういうことを予想して株価の安い企業はさらに売られていきます。値ぼれ買いは禁物です。


(01.12.4) TOPIX 1028P(-0) 日経10452円(+82) 8.5億株


NYは9763ドル(-87)。ナスダックは1904P(-25)と下落。外国証券の朝方の注文は売り2650万株、買い1800万株で850万株の売り越し。

エンロンの倒産の影響は大きいとされてNYは下落。邦銀も大手行で1000億円ほどの取引があるそうで、朝から銀行株は下落。みずほ269円(-22)、東京三菱815円(-23)、UFJ345円(-22)( いずれも50円額面に換算)、三井住友592円(単純には-45)。1か月前の11月6日に、
「4行の株価の危機ラインは、@みずほが300円割れ、AUFJが400円割れ、B三井住友が600円割れ、C三菱東京が700円割れ。」
と書きましたが、みずほ・UFJ・三井住友は来年を待たずして危機ラインを突破してしまいました。大反転にならないのは大胆ななりふりかまわぬ手が打たれていないからですが、なりふり構わぬ手が打たれれば、上場企業で20社30社の倒産がでてきますから、そのとき(来年)はTOPIXは1000P台であるはずはなく、先の安値984Pは当然に下抜き、900Pが維持できるかどうかでしょう。日経平均はハイテクの支えがあるので先の安値9382円まで届くかどうかというところでしょうか。

商社は悲惨なことになってきました。丸紅95円(-5)、トーメン96円(-3)、ニチメン97円(-6)、日商岩井93円(-6)。

かつてはこの4社に、三菱商事・三井物産・伊藤忠・住友商・兼松・安宅産の6社を加えて10大商社と呼ばれ、日本経済発展の象徴でしたが、すでに安宅はなく、兼松も債権放棄を受け、4社は100円割れ、と6社までが沈んでいます。生き残れるのは半分です。建設と流通も半分になるのでしょうか。

ムーディーズがS&Pに引き続いて、日本国債を格下げ(Aa2→Aa3へ)しましたが、ほとんど響かなかったのは目先の下値に届いたということでしょうが、週末のGDP発表、来週の12月限のSQ、外国のファンドの決算、など相場を引き下げる要因が控えていますから、積極的な買いは期待できません。


(01.12.5) TOPIX 1047P(+18) 日経10713円(+261) 8.0億株


NYは9893ドル(+129)と上昇。ナスダックは1963P(+58)と大きく上げて戻り高値を更新。外国証券の朝方の注文は売り2540万株、買い2770万株で230万株の買い越し。

米国高を受けてハイテク株から上昇。ここ売られていた日興コーディアル(644円。+44)やあいおい損保(220円。+24)が反発する一方で、東京海上が下げ897円(-37)。ハイテク株以外には、同じ業種であっても一斉に上昇とはなりません。銀行株は大手4行は高かったものの、住友信(555円。-25)が下げるなど、まだ銀行株の信認はでていません。しかし今日の出来高は大増加しているので、来年の安値はともかくとして、どうも今年中の安値はでたのではないかと思われます。

今日の出来高を50円額面に換算してあげると、@みずほ5200万株、AUFJ4400万株、B三井住友3600万株、CNTT3100万株、D電通2100万株、E日興コ1600万株、F三菱東京1600万株、G東京海上1600万株、Hマイカル1500万株、I三洋電1400万株、となります。大手銀行株は当面は買い戻しが優勢になりそうです。


グラフでは、日経平均とTOPIXでは大きく印象が異なります。日経平均は11月に75日線を上抜き10日ほど75日線の上位にあることを維持しましたが、その後2日間だけ75日線の下にあって、今日はこれを突破しました。75日線が下値の支持ラインであることを表し、今日から上昇開始かと思わせるほどです。一方TOPIXは、もともと75日線の上位にあったのはたったの2日だけであり、その後今日をいれて6日間続けて75日線の下位にあります。ここでは75日線は重い上値の抵抗ラインになっています。

値嵩ハイテク株が大きなウェートをもつ日経平均と、ハイテク株に加えて銀行株(みずほ、三井住友)・通信株(NTT・ドコモ)・自動車株(トヨタ・ホンダ)が高いウェートを持つTOPIXの違いがでています。市場全体の気分はTOPIXのほうがよく表しているので、今年初めからはTOPIXを第一に重視していますが、NTTやトヨタがハイテク株のように値を上げるかとなると、そうは期待できず、この先のTOPIXの上昇力は弱いと思わざるを得ません。


(01.12.6) TOPIX 1058P(+10) 日経10857円(+143) 10.2億株


NYは10114ドル(+220)と10000ドルを回復。ナスダックは2084P(+83)と大幅上昇で連続して戻り高値を更新。外国証券の朝方の注文は売り2770万株、買い4260万株で1490万株の大幅買い越し。 半導体の需要は底打ちの観測から、米国は大幅高となりました。これを受けてシカゴの日経平均先物は10980円となり、外国証券の朝の注文は大幅な買い越し、とくれば東京市場の寄り付きはいやが上にも堅調になりました。

主導したのはもちろん値嵩ハイテク株で、TDK6710円(+510)、アドテスト8620円(+660)、東エレク7510円(+580)。ここへ半導体メーカーのNEC1365円(+95)、富士通1069円(+21)、東芝549円(+27)。WDMの古河電796円(+36)、フジクラ557円(+12)と大きく上昇し、日経平均はザラバ高値11050円をつけました。

銀行株も朝方は戻り調子でしたが、後場青木建が倒産のニュースが出てからは売られてマイナスへ。しかしもともと青木建の株価は23円であり、大方が破綻の予想をしていましたから、結局は小幅のプラス(みずほが+6)マイナス(三井住友が-2)で終わり、今日のところはほとんど株価に悪影響は与えませんでした。ただメインのあさひ銀は一時87円まで下げて92円(-4)。

青木建の負債額は3700億円。以前に2000億円の債権放棄をしてもらっているので、これを合わせると結構な額です。連想で長谷工25円(-3)、ハザマ22円(-7)、佐藤工21円(-5)、熊谷組20円(-3)、フジタ19円(-6)、飛島建18円(-4)と下落。今日の時点では額面割れの銘柄が38銘柄あります。

青木建は225採用銘柄でもあり、先の新潟鉄に続いて225銘柄から破綻がでました。青木の代りにダイキンが225銘柄になりますが、ダイキンの株価は2020円と昨日の青木の株価23円の10倍ほど高く、日経平均はこの分上下の振幅が大きくなります。

今日は出来高が10.2億株、9600億円の売買代金、日経先物の出来高が54000枚、TOPIX先物の出来高が17000枚と9月14日(テロの直後)以来のボリュームアップとなりました。

この主因は米国高に尽きますが、NYダウは今日200日線まで戻ってきました。(ナスダックは昨日から200日線を上抜いている)@当面のNYの上値目標は200日線であると思っていたし、A10000ドルに到達したことでもあるし、Aテロ事件以前にNYダウは2か月に亘って10120ドル〜10679ドルの持ち合いを続けていましたが、今その水準になろうかというところであるし、と考えると、当面はさらなるNY株の上昇は考えにくいところです。

今日の青木建の倒産は来るべきものが来たという感じで、ほとんど相場には響きませんでしたが、非上場の企業の連鎖倒産は当然にでてきますから、社会現象としては一層経済が冷え込み、ムードは暗くなります。

NYが上値つかえとなったとき、このマイナスが国内相場に顕われてくるものと思われますが、ハイテク株がこれを支え切れるのかどうか。今日の日経平均の値動きを見ていても、11000円台での売り物は実に厚く、11000円台の定着はまだ無理なような気がします。


(01.12.7) TOPIX 1045P(-12) 日経10796円(-60) 9.2億株


NYは10099ドル(-15)と小幅安。ナスダックは2054P(+7)と小幅上昇。しかしアフガンが終結しそうになったところで、パレスチナがといろいろ問題がでくるものです。外国証券の朝方の注文は売り2610万株、買2300万株で310万株の売り越し。

昨日は@外国証券の大幅な買い越し、A東証出来高が10億株、B売買代金も9600億円、日経先物出来高が54000枚と、一気にボリュームアップしましたが、今日は出来高以外は並の水準に戻りました。出来高にしても今日の出来高には破綻した青木建が6600万株、連想で売られた長谷工が1900万株、日商岩井が1700万株、熊谷組が1300万株、飛島が1200万株、佐藤工が1100万株ありますから、正味では7.5億程度です。

昨日の前場まではあれほど買われたにもかかわらず、たった1日で買い意欲が減退したのは、昨日の買いは買い戻しでしかなかったということです。いまどき買いを入れるのは、@空売りの買戻しか、A目先のリバウンド狙いの買いしかなく、そうであれば株価の上昇が持続するはずはありません。

7-9月期のGDPが発表されました。実質で年率-2.2%、名目で年率-3.1%でした。同時に4-6月期の速報値の下方修正があって、実質の年率は-2.9%→-4.8%へ大幅なダウンとなりました。10-12月期は7-9月期以上の悪化になることは誰でもわかることで、3四半期連続のマイナス成長が確実です。その割には相場は下げていません。これは内需株の下落をハイテク株の上昇が補っているのですが、そのハイテク株は米国にほとんど依存している状況ですから、米国市場が反落に移ったときは東京市場は全滅となりかねません。

青木建の破綻で株価20円以下の銘柄が増えてきましたが、まずこれら銘柄の破綻は時間の問題となりました。これら銘柄はすでに充分に予想されているので、破綻となっても市場にはたいした影響を与えないと思いますが、株価が50円〜100円の企業が破綻したときは、日経平均でマイナス100円の影響があり、株価が100円〜200円の企業が破綻したときはマイナス200円〜300円の影響があるのかなと思っています。


(01.12.10) TOPIX 1023P(-22) 日経10571円(-225) 8.6億株


先週末のNYは10049ドル(-49)と小幅安。ナスダックも2021P(-33)とたいした下げではありません。外国証券の朝方の注文は売り3830万株、買2720万株で1110万株の売り越し。

米国株式が伸び悩みになると、これに全面的に依存しているハイテク株は売り物がちになり、ここへ銀行株が軒並みに新安値へと下げるというのでは、よいところがありません。月曜日ともあって売買代金が6200億円と少ないなかで株価がずるずる下げていきましたが、まだあく抜けとはいえません。

ハイテク株を除く日本株は総売りの状況となってきました。それもタチが悪い売られようで、どこまで続くのかと気分を滅入らせる下げかたです。

NTTはザラバ安値455千円と上場来の新安値をつけ、三菱重工も305円と下げて昨年3月の270円が下値の目標になってきました。為替は125.90円と円安に振れ、いずれ130円台になろうかという感じですが、円安メリットを享受するトヨタでさえ3080円(-70)となると、悲観ムードで覆われています。

あさひ銀が自社の株価の下落を食い止め、大和銀Gに参加するために、今期大赤字を覚悟で、重荷の青木建を切りましたが、これは市場に受け入れられませんでした。今日の株価は85円(-6)。法定準備金を取り崩したことは背水の陣を引く決意とは受け止められず、かえって土壇場に追い込まれたというほうを市場は意識しました。

銀行株の株価下落については、私が思っていた以上のスピードです。みずほを例にすれば、300円を割って280円になるのは来年1月2月で、280円水準あたりから公的資金の注入が検討され、その間に250円くらいのザラバ安値があって、公的資金の注入・経営陣の総退陣・さらなる大規模リストラとかがでて、株価は大反騰。と思っていましたが、今日の株価はすでに251千円(-23)です。予想していた最低の株価水準になりました。みずほは今期で経営陣の退陣は決まっていますが、公的資金の注入の話もないので、みずほに関係の深い佐藤工とか飛島が破綻し、さらにこれに続く意外な会社の破綻ということがでた後でなければ、公的資金の話はでそうになく、それまでは株価の大反騰は望めません。

ただ、みずほは経営陣の退陣を決めている分だけ、株価の下落のスピードは緩んでいるというべきで、UFJが297千円(-38)、三井住友が534円(-62)と急落したのは、この差でしょう。

小泉内閣に期待したのは、@銀行の不良債権の処理を早める、A特殊法人の無駄使い部分を整理し、B今後の日本の成長をリードするであろう分野にそのお金を投入する、ということでしたが、Aの整理は中途半端なものに終わりそうです。青木建の20年をかける再生計画は市場に受け入れられずに倒産へ追い込まれましたが、道路公団は30年の計画を50年に先延ばししたのですから、まあ整理したとはいえません。結局今後の分野に回すお金はでてこないので、この先に一筋の光明も見えないという現実です。


(01.12.11) TOPIX 1014P(-8) 日経10473円(-97) 9.0億株


NYは9921ドル(-128)と続落。ナスダックも1992P(-29)と続落してともに大台を割り込みました。外国証券の朝方の注文は売り3900万株、買2320万株で1580万株の大量売り越し。

米国安を受けハイテク株は続落。銀行株も朝方は引き続き売られ、ザラバで安値を更新していましたが、みずほ(256円,+5)と三井住友(538円,+4)は突っ込み警戒がでて、一旦は買い戻され、戻ってきたところを売られて再下落し、再び買い戻されるという激しい動きになりました。みずほの250千円・三井住友の500円の水準は大きな対立点であることがわかりました。ただUFJ(287千円,-10)と三菱東京(769千円,-20)はマイナスのまま。取引が始まった「大和銀H」は90円。

大手証券株だけが上昇し、大和G781円(+19)、日興658円(+18)、野村1740円(+39)となったのは、野村HのNY取引所への上場や野村総研の上場が控えているためで、これが終れば株価は下落するに違いなく、つかの間の株価水準ではなかろうか。

驚いたのは川鉄で、特に材料がないのに売られ、ザラバでは一時95円(-27)となって106円(-16)で引けました。出来高は4300万株できてトップ。出来高を伴って下げたのは丸紅84円(-6)、日商岩井73円(-9)で、NTTも441千円(-14)と上場来の最安値を更新。どうにも気詰まりな相場です。


(01.12.12) TOPIX 1036P(+21) 日経10801円(+327) 9.2億株


FOMCはFFレートを0.25%引き下げたものの、これは相場には織り込みずみで、NYは9888ドル(-33)と小幅ながら続落。ナスダックは2001P(+9)とわずかに上昇。外国証券の朝方の注文は売り3430万株、買2810万株で620万株の売り越し。

朝発表があった12月の日銀短観は、大企業製造業のDIは-38(前回は-33)と4期連続で悪化しましたが、事前の予想よりはよかったそうで、これをきっかけにしてハイテク株が買われ、大手銀行株が買い戻され、と大幅高になりました。


(01.12.13) TOPIX 1013P(-23) 日経10433円(-368) 8.1億株


NYは9894ドル(+6)と小動き。ナスダックも2011P(+9)とわずかに上昇。外国証券の朝方の注文は売り2430万株、買3260万株で830万株の買い越し。

昨日の買戻しは勢いがあったと思いましたが、今日は早くも反落したのは、持続的に買おうという勢力はないことの証明となりました。ハイテク株はまだ上昇基調を保っています。昨日の上昇巾に対する今日の下落巾を比較しても、ソニーが+190→+50、TDK+310→-380、松下通+250→-330、アドテスト+380→-260、京セラ+140→-500、富士通+31→-24と、押し目買いがある様子ですが、銀行株と超低位株はいけません。

銀行株は、みずほが+8→-14、UFJ+15→-17、三菱東京+50→-16、三井住友+49→-59、あさひ-4→-9、大和H-4→-11。不安のあるものは徹底的に売られています。特に大和Hは75円となり、あさひの72円とくつわをならべて沈没寸前です。というのも青木建設に続く倒産ゼネコンはどれかが焦点になっていますが、大和Hは長谷工を抱えており、その長谷工が19円(-3)と下落し、体力のない大和Hがこの破綻に堪えられそうにないという評価だからです。

超低位ゼネコン株は、ハザマ19円(-6。みずほ)、フジタ14円(-3.三井住友)、長谷工19円(-3.大和H)、佐藤工20円(-2。みずほ)、飛島20円(-1。みずほ)、熊谷組17円(-1。三井住友)ですが、これらは破綻しても生き延びても、銀行にはマイナスであるとの市場の認識で、20円以下に売られたゼネコンとともに銀行株が一蓮托生の態で下落しています。

このほかに大物の丸紅81円(-8)、ダイエー91円(-10)、住金42円(-3)と株価が大幅下落してきては、銀行株は買える気分になりません。ただ銀行株の今の水準は20円以下のゼネコンの破綻を織り込んでいると考えています。さらに藤和不38円(-6.UFJ)などの株価が下落し、丸紅・ダイエーの売り崩しがでるようであれば、今の銀行株の水準はもちろん心もとないのですが、20円のゼネコンは来年3月までに破綻するのでしょうから、今の銀行の株価は3月までの安値圏には来たのではないかと思っています。

3月決算が終わり、5月に決算の発表があって、7月の株主総会があるころに、20円企業に続く50円以下の企業の帰趨が取りざたされ、大いに売られ、ここが大きな株価のクライマックスになるのではなかろうか、そのときが大転換のチャンスではなかろうか、と今は思っています。


(01.12.14) TOPIX 1006P(-6) 日経10511円(+78) 19.8億株


米国の11月の小売売上高の統計は前月比-3.7%減という大幅なものでした。前10月はテロ事件後にもかかわらず、大幅アップをしていて、これまでの米国市場の楽観の1つの要因になっていたのでしたが、先日の米国失業率が5.7%であったことからして、個人消費の伸びは期待はできず、当然の小売の統計がでたといえます。このためNYは9766ドル(-128)と下落。ナスダックは1946P(-64)と大幅下落。外国証券の朝方の注文は売り3100万株、買3010万株で90万株の売り越し。

今日は先物12月限とオプション12月限のSQでした。SQに関係する売買は日経平均がらみでは買い越し、TOPIXがらみでは売り越しであったようです。日経225がらみの出来高は6億〜6.5億。今日の出来高は19億8千万株、売買高は1兆7000億円と膨らみましたが、SQが無くても大きな出来高・売買高でした。

ハイテク株は米国安ほどには連動して下げず、10月の受注が減少したと報道された半導体製造のアドテスト・東エレクが下げたほかは、まちまちの動きでした。売り浴びせられたのは信用リスクのある商社・小売・銀行です。建設株は昨日大いに売られ、20円を下回ったいまでは破綻の日を待つばかりとなっているので、今日はほとんど下げず。

ダイエーがザラバで69円まで下落し引けは84円(-7)。丸紅は76円(-5)。あさひ銀は今日も売られて59円(-13)。大和Hも一時は62円まで下げて引けは72円(-3)。銀行株が100円を割りこみ、商社や小売の株価が100円を割ってくると、1997年11月当時のことが思い出されます。

1997年の11月と12月はどうだったかと思い出すと、拓銀・三洋証券の破綻の後、山一は60円の株価をつけてから破綻。12月には東食が33円をつけて倒産。この後トーメンが55円まで売られて、すわ破綻かと思いましたが、持ち直して生き延びました。そのトーメンも今日の株価は75円と4年経った今も危機的な状況はかわっていません。

しかし1997年末が明けると、株価は大反騰となりました。これは12月に橋本内閣が2兆円の緊急減税を発表し、財政再建路線から経済成長路線へ急ハンドルを切り、1月には「土地再評価法」をぶち上げ、2月には企業の自社株買いの道をつけ、金融安定化法案が通り、3月には10兆円の緊急経済対策を打ち出すなどの、政府の矢つぎ早やの対応があったからですが、当時の自民党政調会長は今の山崎幹事長で、あのときの不吉な人物が今も表舞台にたっているとは不気味な暗合です。このとき週刊東洋経済は「国家がかりの粉飾決算対策」であると非難しましたが、まことに今から思えば、政府はその場その場の小手先の対応に終始してしまいました。今度はどうなるのか。

小泉政権では橋本政権のようにガラリと方針を変えることはできないでしょうから、たぶん株式市場のなすがままに翻弄される(政府は翻弄されているのではなく、これが構造改革であると信じているから)ことになるのでしょう。1997年があけて1998年に入って反騰した例には、今回はあてはまらないようです。(当てはまっても1998年の後半には、1997年末よりもキツイ金融パニックが起こったのですから同じことですが。)

ここは1945年の敗戦と思って、敗戦となればそれまでの内閣・政策担当者・経営者は総退陣し、40歳台の若いこれからの人間に再生を託すしかありません。


(01.12.17) TOPIX 988P(-17) 日経10323円(-188) 7.9億株


先週末のNYは9811ドル(+44)と小反発。ナスダックも1953P(+6)とわずかに上昇。外国証券の朝方の注文は売り2380万株、買2600万株で220万株の買い越し。

信用リスク重視の流れが続きます。今日も銀行株は売られ、とうとうみずほは224千円(-22)、UFJ259円、三井住友495円(-15)。あさひ銀は60円(+1)の一方で、大和銀Hは66円(-6)。 商社も続落。丸紅70円(-4)、トーメン70円(-5)、ニチメン65円(-5)、日商岩井59円(-11)、ユアサ64円(-11)。大物ダイエーは79円(-5)。

銀行はすでに自助努力ではどうにもならないところに来ています。残るは大政奉還(公的資金の投入)をして、廃藩置県(@経営陣の総退陣とA驚くほどの大リストラとB減資)の順です。これで株価は反騰のはずですが、今日のみずほの224千円を考えると、このことは6割7割かた織り込まれたのではなかろうか。株価はあと20%の下落があるかないかの水準にきているのではないか。という感じになってきました。

今の相場は私の予想では来年にこうなるはずでした。今はこれをかなり前倒しして悲観していると思われます。9月のマイカル倒産が、金融庁の特別検査に走らせ、それが新潟鉄工・青木建の倒産になり、次の破綻はどの会社かと疑わしいものは全部売られていますが、すでに株価が20円や15円になった企業が倒産しても、そこからの株式市場に対するダメージは大きくはありません。

TOPIXの本当の安値は、実際に破綻する会社が3つ4つ出たときであろうと思いますが、市場が騒ぐ割には、破綻企業は年内にでないようなので、どうも今年の安値は今日または明日あたりでつけそうな気がしています。 グラフではTOPIXが逆張りの買いマークをつけ、NTTは《カナル基本》が買いマークを出し始めました。きっかけがあればそこそこの反騰が期待できます。ここが最後の現金化のチャンスでしょう。来年大下げがあったときは、この現金で買いに行く準備をしなければ。


(01.12.18) TOPIX 992P(+3) 日経10432円(+108) 9.0億株


NYは9891ドル(+80)と続伸。ナスダックも1987P(+34)と上昇。外国証券の朝方の注文は売り2850万株、買2090万株で760万株の売り越し。 きっかけがあれば市場は反騰してよい位置にあると思っていますが、昨夜の米国市場の上昇は、そのきっかけとなるはずでした。

はたしてハイテク株を中心に堅調な寄り付きとなり、円安の材料も正当に評価されて自動車株も高く、なによりも銀行株が上昇して始まりました。日経平均はザラバでは+258円高、TOPIXで+18P高まで反発したものの、しかし後場に入るや公的資金投入に消極的な柳沢発言があったとかで、銀行株はマイナスに転じ、今日も新安値を更新。
TOPIXのグラフは、9月のザラバ最安値984Pを下回る983Pをつけました。当然ながら今日も逆張りの条件表、No.2の「日経平均用'96」は今日も買いマークを出しました。

昨日《カナル・基本》の「順張り用」がNTTについて買いマークを出し始めた、といいましたが、グラフを掲げます。 NTTはむろん新安値を更新中で、今日はザラバ安値383千円まであって390千円(-20)という悲惨なことになっていますが、小泉内閣成立以来の下げ過程のなかで、買いマークがついたのは、図のAと今回のBの2度です。Aでは456千円のザラバ安値をつけてから、75日線の600千円まで、約30%の反発をしましたが、今回のBはチャートではAと同じような位置にあることがわかります。

売られに売られているみずほにも買いマークがつきました。《カナル・基本》の「順張り用」では買いマークはいくつかの種類があります。今日掲げた買いマークは紫色の↑になっていますが、これは、@株価が下げてきて、なおかつA出来高が増加しているときに出ます。すなわち投げ物がでているときの逆向かいの買いマークです。

Aのときの最安値は482千円で、この後は25日線までしか反発できずに590千円で終り、20%ほどの反発しかありませんでした。今回Bで買いマークを出したのは、Aと同じような境涯に来ているということです。

定点観測している7銘柄について、紫色の↑がどういう位置ででているのかは、銘柄観測のコーナーで見ることができますが、ついでのことなので2例を掲げます。

野村は図の赤丸の位置で5日連続して買いマークを出しましたが、この辺の安値は1451円で、その後は75日線の1910円まで反発しました。約30%の上昇でした。

新日鉄は定点観測7銘柄の中で唯一200日線を突破してきましたが、この銘柄とても9月には150円割れがあって、2度の買いマークを出しています。発行株数が多い分だけ上昇は緩慢ですが、今日は187円へ上昇しており、安値から約30%の上昇です。

。日々の株価を見ていればいかにも弱気に傾いてしまいますが、チャートでは、NTT・みずほに見られるように、リバウンドの転換点に近いものが出てきています。 今度のリバウンドは今年最後の逃げ場であると思いますが、これをあらかじめ予定しておくことは、大切なことです。


(01.12.19) TOPIX 996P(+4) 日経10471円(+39) 9.4億株


NYは9998ドル(+106)と3日連続高。ナスダックも2004P(+17)と3日連続して上昇。外国証券の朝方の注文は売り2420万株、買2900万株で480万株の買い越し。

売られるものは売られ、丸紅は60円(-8)。ハイテクはやや弱かったものの、銀行・証券・NTTが上昇して全体としては小動きな1日でした。銀行株は上昇ですが、出来高はさほどなく、今日の日銀の追加金融緩和をきっかけとする買戻し。日興コも買戻しが急で559円(+80)のS高となるなど、金融株には、やや売り飽きないし突っ込み警戒感がでてきた様子です。 今日の実質的な出来高上位銘柄は、1.みずほ(229円。+11)、2.NTT(403円。+13)、3.UFJ(250円。+15)、4.あさひ(70円。+9)、5.丸紅(60円。+9)と丸紅以外はプラスとなり、市場の悲観人気もやや緩和されてきました。

丸紅はどうしたことでしょう。どうしたことというのは、いつまでたっても会社が自社の株価の下落をただ手をこまねいて、呆然と眺めているだけの態度であるからです。今日の大阪新聞の「アタックポイント」に、「住金は自社株買いをしろ」とありました。まったくその通りです。企業の存続がかかっているこの時期に、経営者はなにをしているのか。

あさひ銀の株価が安すぎる、いすゞの株価が安すぎる、住金の株価が安すぎると、当該の経営者がコメントしていますが、株式市場で不当な評価をされているというのであれば、断固として市場と戦えばよいのです。いまは自社株買いが認められています。株価が不当に安ければ自社株を市場で買い付け、これを消却すればよいのです。

丸紅の発行株数は15億株ですが、この20%の3億株を購入する。と新聞記者を集めて公表し、1億株ずつの成り行き買いを3日間市場にぶつければ、60円の株価はあっというまに100円台に乗せるのではなかろうか。平均80円で3億株を買っても総額240億円です。このままいいように売られて額面割れとなるのであれば、防戦するのが当然のように思われますが、なぜできないのでしょう。

自社株買いをするということは、企業がこんな株式市場の評価は間違っている。もっともっと当社の値打ちは高いのである。ということを身をもって市場にアピールすることです。大量の自社株買いの発表をしたとたんに空売りの買戻しが入り、おそらく3億株の自社株買いはできなくなると思いますから、実際に株価を上昇させる費用は100億円も要らないのではなかろうか。


(01.12.20) TOPIX 1012P(+15) 日経10434円(-37) 9.9億株


NYは10070ドル(+72)と4日連続高し10000ドルを回復。ナスダックはモトローラが業績を下方修正を出すなど、景気回復の楽観人気がややはげて、1982P(-21)と小反落。外国証券の朝方の注文は売り1570万株、買1880万株で310万株の買い越しとなりましたが、年末を前にして注文は急減してきました。

売られていた銀行株や低位株にいっせいに買戻しが入り、値上り銘柄数は1036銘柄、値下がりは372銘柄とひさかたの上げをしましたが、ハイテク株がへこんだため日経平均は-37円安。対してTOPIXは+15P高となりました。どちらの指標が市場の動きをよく体現しているかは明らかです。

今日の実質的な出来高上位銘柄は、1.丸紅(73円。+13)、2.みずほ(250円。+21)、3.NTT(435円。+32)、4.あさひ(83円。+13)、5.三井住友(548円。+26)、6.UFJ(276円。+26)、と全部が大幅上昇となりました。むろん買い戻しによる上昇ですから、これが上昇トレンドに結びつくわけではありません。どこまで戻るかを確かめるところです。通常は買い戻しによるリバウンドは25日平均線までですが、これを超えて75日円まで戻るようだと、底打ちか?とようやく思えるところですが、25日線で終れば、再下落の可能性が高くなります。

上記の6銘柄の今日の25日線の水準は、1.丸紅(94円)、2.みずほ(289円)、3.NTT(468円)、4.あさひ(89円)、5.三井住友(619円)、6.UFJ(365円)ですから、UFJはちょと辛いようですが、ほかの銘柄は25日線まではなんとか届くのではなかろうか。

先日定点観測している7銘柄のうち4銘柄を掲げ、どういうところで紫色の買いマークがでているかを見ました。ちょうど紫色の↑がでていた、みずほとNTTはうまく反発をみせましたが、紫色の↑が出ればいつでも反発するわけではありません。ついでのことなので、紫色の↑を出した残り2銘柄のグラフ(カナル・基本)を掲げます。(掲げていない残りの1銘柄は鹿島建ですが、この銘柄はこの2年間は紫色の↑を出していません。)

住友鉱も先日掲げた新日鉄や野村と同じように9月に紫色の買い(「安値圏の買い」という)を出し、このマークを出したところが底値となりました。 この後はすぐにaの25日線まで反発し、ここまではリバウンドですが、この後の下げは25日線に添っての下落となって、たいした反落にはなりませんでした。そのためbの75日線の手前まで再上昇し、この後の反落もやはり25日線を大きく割り込むことがなく、cの200日線近辺までの3度目の上昇となりました。この後の下げも75日線を限界としているので、やはり戻り売りの勢力は強くなく、再度の200日線への挑戦をしようとしているところです。

反発のポイントは25日線・75日線・200日線で、これを達成した後の下落のしかたが、これでリバウンドが終了したのか、あるいは次の上昇があるのかの判断の手がかりになります。紫の↑が出たからといって、いきなり75日線あるいは200日線までの戻りを思わないほうがよいでしょう。

定点観測7銘柄のうち、紫の↑が出て唯一利食いの場面がなかったのがソニーです。図のA(2か所)で紫の↑がでましたが、この後の反発は25日線に達せず、9日線までがようやくでした。いかに売り圧力が強かったかということですが、これを見ても紫の↑を100%信じてはいけません。Aで資金を使い切っては終わりです。

紫色の↑は「安値圏の買い」と呼んでいますが、安値圏というのは半年ないし1年に1度あるくらいの株価の下落です。これより大規模な株価下落の時期に出るのが、図のBの白抜きの↑で「安値波乱の買い」と言っています。これは2年3年に1度くらいある株価の大下落のときに出る買いマークですが、ソニーはなんと3度(図の青丸)の買いを出しています。

マークの通りに買っていくとしたならば、1回目はAの水準(7200円)で買い、2回目はBの水準(6200円)で買い、3回目はcの水準(4200円)で買うことになります。つまり7200円分の資金があるだけではダメで、7200円+6200円+4200円=17600円の資金のバックがなければなりませんでした。初回の7200円は17600円の約40%に当ります。だいたいにおいて、100の資金を持っていて一度に100を使い切る買い方では、どこかで取り返しのつかない失敗をしてしまいます。初回は資金の30%〜40%を使い、残りは予想が外れたときに使っていくというのが慎重な(負けない)投資のやりかたでしょう。


(01.12.21) TOPIX 1007P(-4) 日経10335円(-99) 8.4億株


NYは9985ドル(-85)と反落。ナスダックは1918P(-64)と大幅安。外国証券の朝方の注文は売り1800万株、買2300万株で500万株の買い越し。

米国のクリスマス商戦はどうなったのでしょうか。NYダウが10000円に乗り切らないところを見るとさほどのことはなかったようです。集計してみて前年比マイナスの結果となれば、週明けのNYは大幅下落となります。

米国安を受けてハイテクが安く、銀行株・低位株も一昨日・昨日のリバウンドの反動安となって、マイナスでスタートしました。ハイテク株はソニー5690円(-280)、松下通4080円(-270)、アドテスト7300円(-650)、東エレク6290円(-610)と大きく下げ、日経平均の足を引っ張りました。しかし銀行株は前場はマイナスとなったものの、後場からは反転し、みずほ・UFJは高く終ったのは、なお買い戻しが続くようです。

一般企業はともかく、大手銀行には公的資金の投入という奥の手があります。銀行株を売り崩して、例えばみずほの株価が100円を割り込むことになれば、確実に公的資金が投入され、ここでもって一斉に空売りの買戻しが入り、2〜3日間は1億株あるいは2億株の出来高ができて、大反騰に移ることでしょうが、株価が100円になれば公的資金が入るのか、200円で入るのか、(私は250円で入ると思っていましたが、政府は見て見ぬふりをした)が市場の最大の関心事です。空売りをしかけている勢力もこのあたりを推し測っているに相違なく、とにかくこの株価水準までくれば、ここまでは売っても大丈夫か、あるいは公的資金投入によって足元をすくわれるかも、と結構スリリングなところへきているように思います。

今日の実質出来高上位は、1.みずほ(262円。+12)、2.UFJ(280円。+4)、)、3.NTT(420円。-15)、4.あさひ(77円。-6)、5.丸紅(72円。-1)、6.三井住友(535円。-13)。


(01.12.25) TOPIX 1002P(-4) 日経10254円(-80) 5.8億株


日本が連休中の間のNYは10035ドル(+50)→10035ドル(0)と上昇。ナスダックは1945P(+27)→1944P(-1)と上昇。ただし24日は半日立会い、25日の今夜は休場のため、外国証券の朝方の注文は売り1600万株、買1000万株と注文は少なく、600万株の売り越し。

外国人の売買シェアが50%の東京市場は、米国が休場になるとボリュームがガタ減りとなりました。出来高は5.8億株、売買代金は4400億円で、日頃の2/3といったところです。

アルゼンチンがデフォルトし、エンロン破綻に続く海外発の金融リスクが出てきました。国内では福島銀に早期是正措置が命じられて、福島銀が売られるなど、金融株には次々に悪い材料が出てきます。しかし朝方は銀行株は売られたものの下げ渋り、みずほ25円(-4)、UFJ278円(-2)、三井住友537円(+2)、三菱東京846円(-4)とたいして下げなかったのは、ここまでの悪材料は株価に織り込まれている様子です。

青木建に続くゼネコン破綻が4つ5つでたときが株価は最も安く、これ以上の破綻が出てきたときは、却って株価は上昇に転じるのではないかと思っていますが、これは来年の話です。

今日の円相場は130円台で終わりましたが、円安の材料はまだ株価に響いてきていません。円安の好材料は@円安による輸出採算の好転、A輸入品の物価高による物価下落の下支え、Bドルベースでみた国内の人件費の下落など。円安の悪材料は、C金融資産の海外流出、Dドルベースでみた国内資産の減価、E海外旅行の減少、などでしょうが、この円安を好材料と受け止めるべきか、悪材料と受け止めるべきか。市場はまだ結論を出していませんが、私は円安は好材料と思っています。

松下が、松下通信・九州松下・松下寿・松下精工の上場4社を完全子会社にすると報道されました。@上場4社の株は松下株と交換する、A交換のための松下株は、自社株買いで用意するが、1億株〜3億株を市場から調達する可能性がある、B株式交換後は4社は上場を廃止する。ということです。

まず松下の自社株買いをはやして、松下は1616円(+57)と上昇。次いで各社の松下株との交換の比率が憶測され、1株純資産より株価が高い松下通は3900円(-180)と下落し、1株純資産より株価が安い3社は、九州松下857円(+61)、松下寿971円(+63)、松下精工482円(+21)と上昇しました。

市場は松下の1株純資産と、4社の1株純資産から交換比率が決まると推測していますが、はたして松下はそのような基準で交換比率を決めるのでしょうか。完全子会社にするのは、純資産を問題にするのではなく、集約してもうかる分野に集中しようということでしょう。であるならば、その企業の将来性を最も真剣に考えて評価しているのが今の株価のはずで、最も株価が高い松下通の交換比率は1株純資産+アルファ(どころかXアルファ)となるのが本筋でしょう。そういう観点からは、今日株価を下げた松下通は割安な水準になったと思われます。(松下が1株純資産を基準にして交換比率を決めたならば、投資家のひんしゅくをかうことになるのではないか。)


(01.12.26) TOPIX 994P(-8) 日経10192円(-62) 4.5億株


米国はクリスマス休暇で休場。実質では新年度入りとなりましたが、市場への参加者は少なく、出来高は4.5億、売買高は3700億と本年の最低の商いでした。当然に日経平均の値幅も小さくザラバ高値で+45円、安値で-83円。ほとんどは、年内の相場は事実上終ったという思いでしょう。

来年の予想は悲観人気が強く、テレビで来年の日経平均の安値を経済評論家に問うと、8000円なかには7000円というパネルを出した者もいました。このように全部が悲観人気に傾いてきただけに、案外に予想しているほどの安値をつけないのではないか、と天邪鬼的に考え始めています。

図は1995年4月から2001年12月までの週足のTOPIXです。この間には2つの上昇波動と2つの下降波動がありますが、日本経済が沈下するという大きな時代のなかでの波動であるだけに、上昇期間は短くかつ小さい。下降期間は長くかつ大きい。のが特徴です。
  1. A(95年6月)→B(96年6月)の上昇期間は55週で、値幅は1181P→1725Pへ+544P高。
  2. B→C(98年10月)の下降期間は121週で、値幅は1725P→974Pへ-751P安。
  3. C→D(2000年2月)の上昇期間は70週で、値幅は974P→1757Pへ+783P高(これはネットバブルの時期)。
  4. D→E(2001年12月)の下降期間は今のところ99週で、値幅は1757P→983Pへ-773P安。
B→Cへの12週の下げに比べれば、いまの99週の下げというのはまだ道半ばで、同じ121週の下げとなれば来年の5月末がこれに当ります。

B→Cの下げは、B→C1,C2,Cの3段下げをしていますが、今回のD→Eはまだ2段の下げであり、あと1段の下げが残っていますから、先の日柄の来年5月とも合わせて思えば、このころが底値となってもよい符合です。


(01.12.27) TOPIX 1013P(+19) 日経10457円(+265) 4.8億株


クリスマス休暇あけのNYは10088ドル(+52)と上昇。ナスダックも1960P(+16)。クリスマス商戦はネット販売とディスカウントショップの売上はよかったとか。ようするに浮かれた贅沢品より、実質的なものは売れたということで、米国も堅実ムードになったようです。ともあれ消費がへこまないことがわかっただけよかった。外国証券の朝方の注文は売り765万株、買970万株とさらに注文は少なく、205万株の買い越し。

11月の鉱工業生産指数が発表され、当然のことながら数字は悪かったので、円相場は132円台になり、5時には131.70円。これまで円安はほとんど相場に影響を与えませんでしたが、ようやくプラス面が評価され、トヨタ3250円('+80)、日産自677円(+15)、ホンダ5140円(+100)、ソニー5820円(+220)、キャノン4500円(+120)と反発。円安が進むにつれて、日経平均・TOPIXともに後場から次第高となりました。材料がまともに評価されだしたのはよいことです。

およそ株式投資というものは、自分の評価していることと、市場が評価していることの違いを見て、この株式はどうして安いのか高いのか、それは自分の評価が違っているのか、市場が間違っているのか、を考えるところが基本ですから、自分なりの評価をするということが株式投資の第一番目の基本です。

評価をする際には、データを収集し、とそれをどう解釈するのかの分析が必要ですが、実際のところ株式市場のデータはあふれんばかりにあるようでいて、バイアス(偏向)のかかったものが多すぎるために、どう受け止めてよいのか戸惑い、声の大きいあるいは大勢の声にひっぱられることがしばしばです。

そうであるからこそ、株価と出来高という数字を利用して現実の株価の位置を確認し、過去の例を参考にして行き過ぎであるとか、反転しそうであるとかを判断するのがチャート分析ですが、《カナル》をお使いのユーザーは、少なくとも@チャートを見て自分で判断する。A間違ったならその原因を考え、B今後の可能性をチャートから伺う、という姿勢がありますから、現実の市場に押し流され、高くなればさらに高くなると思い、株価が下がればさらに安くなると思うという、あなたまかせの投資には歯止めをかけておられることと思います。

単に儲けたいのであるなら、あまたの証券会社がレポートを発行し、多くの投資顧問会社があり、投資雑誌が刊行され、インターネット上でも掲示板で好き放題のことが書いてありますから、これら意見を聞けば当ったり外れたり、スリルある投資ができます。

しかしいつもいつも他人の意見によって投資判断をしていては、単に失敗や成功の経験をかさねるだけで、上達することには繋がりません。やはり@現実の材料を見て、Aまず自分はこう考えるという基準を持ち、B他人の意見を収集してその違いを知り、C自分の判断の妥当性を検討する。ということが大切でしょう。

これはチャートでも同じで、インターネットのHPにはうんざりするほどの銘柄に対する意見や予想が載っていますが、チャートをどう判断するかというHPは極めて少ないようです。私が恥をかくことを承知で、毎日HPをアップしているのは、同じチャートを使っておられる《カナル》のユーザーに、私はこのチャートをみてこのように考える。チャート以外の材料をこのように判断している。という1つの意見を提示したいがためです。(まあある種のタタキ台のようなものです。)

昨日に続いてTOPIXの週足を掲げます。@26週線、A52週線、B104週線とC104週線からのカイリ率です。グラフにみるように、104週カイリ率が-20%以下になった時期はa,b,cのようにだいたいは半年〜1年級の底値圏です。dは週末の株価では-20%にはなりませんでしたが、その週の日足(安値)では-20%以下になっています。今はeの位置にありますが、すでに-20%を下回る期間は3か月を超えています。明らかに安値圏にありますが、b→cの過去の例がここが安値である、買い場であると判断することを躊躇させています。@現在のeはbの位置に当てはまるのではないか、ならばA一旦の反発(26週線まで)があるかも知れないが、B再度の下落があってcのように新安値に突入するのではないか、という不安です。

しかし現在のeが過去のbに当り、来年半ばにcに当る下げがあると想定していれば(ないしは可能性の1つとして考えていれば)、打つべき手はあります。来年早々の反発場面があれば株式は現金に変えておいて、cの現象(上場企業の4つ5つの倒産でおこりそう)を待つ。ここで待ってましたとばかりに買う。という方針です。来年は怖いような楽しみなような年になるのであろうと思っています。


(01.12.28) TOPIX 1032P(+18) 日経10542円(+85) 3.9億株


NYは10131ドル(+43)と続伸。ナスダックも1976P(+15)へ続伸。外国証券の朝方の注文は売り1220万株、買1610万株で、390万株の買い越し。

今朝の日経新聞は、@「ソニーがニフテイの買収交渉」がトップ記事で、ついでA「第二地銀の石川銀行が破綻」の記事。その一方でB「小泉首相は、金融危機を回避するために公的資金の再投入も考えた対策をとる」という記事が小さくでていましたが、市場は石川銀や今日明らかになったファーストクレジットの更正法(の問題)は無視し、銀行株は寄り付きから高く始まりました。

みずほ267円(+20)、UFJ289円(+15)、三菱東京879円(+34)、三井住友555円(+21)、あさひ82円(+5)。いかに公的資金の注入を市場は待っているかの表れです。

福島銀に対して金融庁は早期是正措置を命令し、福島銀株はこのため大いに売られました。しかしカラ売りが多かったために貸し株の調達ができず→大きな逆日歩がつき→貸株取引が停止される、という事態になり、カラ売りの買戻しがでて連日のストップ高となっています。これを見て過度のカラ売りはヤバイという空気がでていたので、今日の銀行株の上昇は無論カラ売りの買戻しによるものです。


銀行株に加えて、やはり売られてきたNTT427円(+17)とドコモ1540円(+50)が同じように買い戻しが先行(だろうと思う)し、円相場は132円台があって輸出関連株が上昇し、とほぼ全面高となりました。値上り銘柄数は1161銘柄、値下がりは220銘柄。半日立会いのため出来高は3.9億株と少ないものの、高く終ったのは、正月に来年の相場を考えるときに、いくぶんかはプラス思考となります。よいことでした。

数少ない値下がり銘柄では、ダイエー74円(-6)がザラバで69円の安値面合わせとなり、松下通3550円(-20)が続落。松下通については子会社化発表前日の株価は松下1559円:松下通4020円で松下通は松下の2.57倍でした。今日の75日平均値でも、松下1537円:松下通3863円で松下通は松下の2.51倍ですから、株価を基準にすれば交換比率は、1:2.5あたりが妥当(すなわち松下通1株と松下2.5株とを交換する)なところです。

今日の松下は1683円ですから、この2.5倍の価値がある松下通の株価は4207円であってもよいところです。しかし市場は松下通に3550円の株価をつけ、交換比率は1:2.1と評価しています。まあ交換比率は松下が決めることですが、松下が株主を大切に思っているなら1:2.5あたりに決めるのが当然でしょう。(細かな話ですが)

今年一年は《カナル》をお引き立てくださって、まことにありがとうございました。来年は1月7日から営業を始めます。この間のメールをいただいてもご返事できませんので、あらかじめご了承ください。


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