TOPIXをどう見たか・判断したか (01年11月)

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(01.11.1) TOPIX 1055P(-3) 日経10347円(-19) 6.4億株


米国第3四半期(7-9月期)の実質GDPは-0.4%であったと発表されました。事前の予想では年率-1.0%くらいではというのがもっぱらでしらが、案外に落ち込みは軽かったようです。NYはこれを受けて初めは上昇していましたが、次第に安くなって9075ドル(-46)となって、3日連続安。ナスダックは一部のIT関連企業の受注が悪くないと発表があって、1690P(+22)と反発。

米国の7-9月期のGDPは-0.4%でしたが、次期10-12月期も確実にマイナスになるそうで、2期連続でマイナス成長のときはりセッションであるという米国の規定からすると、91年から続いた10年にわたる好況は終焉することになります。

今なお米国経済は強いという観測が圧倒的で、来年1-3月期あるいは4-6期から景気は底打ちをするという予想です。しかしこの予想は10年間の米国景気の強さに慣れきっている予想ではなかろうか、という懸念を抱かざるを得ません。

10年間好況を続けたということは、10年間にわたって需要が拡大してきたが、その需要の限界がきたということでしょう。その結果過大な生産設備が残り、過大な雇用が残り、過大な借入金(ないしはファイナンス)が残ったということです。よい例が携帯電話で、昨年の世界の需要は予想を大きく下回り、携帯のメーカーはいまや過剰な在庫を抱え、過剰な生産設備と過剰な人員を抱えこみました。赤字を垂れ流さないためには、@生産を縮小し、A過剰な人員を整理し、B在庫を減少させ、C需要が回復するのを待つ、あるいはD生産設備を廃棄する、ということになります。

このためには当然のことながらE後ろ向きの資金が必要になり、Fさらに過大な設備投資のために行ってきたファイナンスの尻拭いに苦しむ、ということになりますが、こういうことが半年や1年で解決できるとは思われません。米国経済の先行きに対してはそうは楽観はできないのではないか。

さらにアフガン情勢は当初は短期間で決着がつくかと思われましたが、どうも今では思ったような進展がみられず、長期戦になるような感じですから、アフガン情勢が1年2年と続けば、リセッションから本格的な不況へのコースも充分考えられます。

米国は-0.4%のマイナス成長になったといっても、デフレータは+2.1%だそうですから名目ではプラス成長であり、日本とは大いに異なっています。日本企業はマイナス成長に加えて-1%とか-2%の物価下落が加わるのですから、前年と同じだけ努力しても今年の売上高は2〜3%減少します。売上の減少はその何倍かの営業利益をマイナスにさせます。来年はつらいぞ。


(01.11.2) TOPIX 1053P(-2) 日経10383円(+36) 6.1億株


米国の発表される経済指標はどれもこれもよいものはありませんが、NYは9263ドル(+188)と上昇。これは30年国債の発行停止の措置によって長期金利が急落したのが主たる材料です。つまりは金融相場の側面がでています。ナスダックは半導体の9月の出荷が前月比-2%までに縮小したとかで、半導体関連企業が上昇し、1746P(+56)と大幅高。外国証券の朝方の注文は売り2480万株、買い3850万株で1370万株の買い越し。久しく1000万株以上の買い越しというのはなかったと調べてみると8月17日以来のことでした。

日本は米国高を受けてハイテク株が買い気配で始まり、日経平均は前引けは+176高。値上り銘柄数は919銘柄(値下がり409銘柄)と25日平均線を意識した反発でしたが、後場になってはジリジリと値を下げ、今日の始値を割り込む銘柄が増加し、ついには昨日の終値をも下回り、引けてみれば+36円高でした。値上り銘柄数は524銘柄(値下がり808銘柄)へと減少。

グラフでは、TOPIXは安値984p→1118Pへ134Pの上昇をしていましたが、この半値押しの水準は1051Pで、今日のザラバ安値1050はここへ到達しました。感じでいいますが、半値押しで調整が終る確率は20%、2/3押しをする確率は40〜50%、新安値となる確率が30〜40%ではなかろうかと思っています。なにしろ10月の上昇は上昇力に力強さがありません。3月の上昇に比較して、上昇巾も出来高も大きく劣っています。2/3押しとなれば、その水準は1028Pです。


(01.11.5) TOPIX 1054P(+0) 日経10447円(+63) 5.2億株


先週末のNYは9323ドル(+59)と続伸。ナスダックは1745P(-0)と変わらず。6日はFOMCが開催され、0.25ないし0.5%の利下げが決定されるであろうことを強気の材料にしてNYは2日連続高となりました。ただこの材料もすでに株価に織り込まれたようですから、今年10回目の利下げがあってもそのインパクトはなくなったといってよいでしょう。

東京市場はNY高を受けて小高く始まりましたが、様子見気分が強く一日の上下巾は100円ほどにしか過ぎません。たまたま引けが高かったというだけでした。TOPIXは5日連続安の後、今日はコンマ以下のプラスとなって6連敗を免れましたが、陰陽足では6日連続陰線となりました。高く寄り付いては安く引けるということの繰り返しで、閉塞感がでています。9日順位相関は-80を割ってきたことでもあるし、目先は2〜3日の反発はあるようですが、ほんの小幅な反発で終りそうです。

ハイテク株は半導体が回復か?との予想が出ているので少しは上げの抵抗が減ってはきましたが、ソニーが5000円近くまで戻る一方では富士通がザラバで再び900円を割るなどまちまちの動き。NTT・ドコモとも軟調。いけないのは銀行で大手4社は全滅。

今日の出来高上位3社はシントムの1200万株、住金1200万株、マイカル1100万株で、売買がこのようなローカルな銘柄に集まるというのが閉塞感を表していますが、50円額面換算では、@みずほ2900万株、ANTT2000万株、Bドコモ1800万株であり、いずれもマイナス。

みずほは銀行株の指標銘柄になっており、日本の銀行に対する評価はここへ集中して現われます。Aで6800万株(50円額面換算)の出来高で売りに売られ、400円割れとなりましたが、Bではこの買戻しがでて7000万株と大商いをしました。

世界一の預金量を持つ企業がこれほどまでにおもちゃにされてしまうというのも、情けない話ですが、今日は他の三井住友・三菱東京・UFJの出来高はたいしたことはないのに、みずほだけが突出した出来高となり新安値。ふたたび売り叩きの動きがでてきました。


(01.11.6) TOPIX 1063P(+9) 日経10633円(+186) 5.6億株


NYはFOMCの金利引下げ期待がまだ効いていて、9441ドル(+117)と3連続高。ナスダックはシスコの8-10期の決算がよかったため1793P(+47)と上昇し、戻り高値をさらに更新。外国証券の朝方の注文は売り2420万株、買い2590万株で170万株の買い越し。 シスコは8-10期の売上が一年ぶりに+3%上昇しました。前年同期比では-32%減だそうですが、売上が+3%伸びたことによって、実質利益が5-7期の2倍になったそうですから、いかに売上が大切かわかろうものです。米国の通信機器についてはメドがでてきました。

東京市場はこれを受けてハイテク株は高く始まりましたが、ソニーは5000円を超えたとたんに戻り売りがでて、ハイテク株全般の上昇の勢いはそれほどありません。銀行株はみずほが相変わらずの突出した売られようで、3000万株のダントツの出来高1位で新安値を更新しました。株価はなんらかの対策を銀行および金融庁に催促していますが何もでてきません。株価が危機的状況になるまでは、あっと驚くような方策はでてこないようです。

みずほは3行統合直後の99年10月には1448円の高値をつけていましたが、1年たった2000年10月には640円と半分以下になり、さらに1年たって今日のザラバ安値は337円ですから、この2年間で1/4になったわけです、この点だけはハイテク企業なみです。銀行株の株価の危機ラインは、みずほが300円割れ、UFJが400円割れ、三井住友が600円割れ、三菱東京が700円割れ(50円額面換算で)でしょうか。みずほが280円とかになれば、いくらなんでも大胆ななりふり構わない手が打たれ、ここから株価は大反転かと思っていますが、それは来年になりそうです。


(01.11.7) TOPIX 1038P(-25) 日経10284円(-348) 6.8億株


FOMCはFFレートを2.0%、公定歩合を1.5%へとそれぞれ0.5%の金利引下げを実施。金利引下げは今年10回目、その下げ巾は4.5%という類例のない急低下です。FFレートはケネディ大統領在任時以来40年ぶりとのことですから、FRBの危機感がわかろうものです。NYは金利引下げ発表後は上昇し、9591ドル(+150)と4連続高。ナスダックも1835P(+41)と連日の戻り高値の更新。

ところが東京市場は金利引下げで材料出尽くしと見て、寄り付きから安くなり、銀行株がずるずると下げるのを見て弱気が台頭。TOPIXの前場は-14P安でしたが、後場はさらに拡大し-25P安で終りました。日経平均はハイテク株が崩れたために-348円の大幅安になって、先の高値を取り返すか、の強気勢の淡い期待は完全になくなりました。

みずほは(50円額面換算で)5300万株できて315円(-28)、三井住友が2400万株の685円(-47)、UFJは1600万株の461円(-40)。東京三菱は970万株の828円(-37)と大手4社はすべて新安値となりました。東京三菱はその出来高からみてツレ安のようですが、売り方の狙いは@みずほ、A三井住友 というのは明らかです。ついでにあさひ銀が113円(-6)、大和銀120円(-5)というのはダイエーと同じ株価水準です。
銀行株のグラフを見ると、昨日のみずほ・UFJ・三井住友の陰陽足は、十字足・短線・下ヒゲ足となっていました。目先の安値をだしたとしてもよい足でしたが、今日はこれをズルリと下回ってしまいましたから、昨日までの下げは第1段の下げで、今日から第2段の下げが始まったようです。

そう見て目先の安値メドを出すと、@みずほ247円、A三菱東京708円、BUFJ401円、C三井住友623円となります。昨日言った株価の危機ラインにほとんど接近します。みずほはこの株価になれば大変です。ただ今日の出来高が5300万株あり、かなりの売りたたきになっていますから、明日これを上回る出来高ができれば、当面の安値がでるのではなかろうか。 とはいっても対策がでるまで、売り叩きは続きますから、銀行も金融庁も市場の声は謙虚になって聴かなければ。


(01.11.8) TOPIX 1046P(+7) 日経10431円(+146) 7.2億株


NYは9554ドル(-36)と小幅安。ナスダックは1832P(+2)とわずかながら高く、戻り高値を更新。外国証券の朝方の注文は売り2860万株、買い2260万株で600万株の売り越し。

昨日の東京市場は急落となりましたが、NYがほとんど下げなかったのが効いて、買い物がちに始まりました。値嵩ハイテク株はおおむね反発。大手銀行が7〜8兆円の貸し出し資産を圧縮すると報道されて、昨日急落していた4行は反発しましたが、これは果たしてよい材料であるのかどうか。

貸し出し資産の圧縮は自己資本比率の10%を維持するためのものですが、貸し金を回収する(貸し渋り)のではなく、優良債権を売却するのだとか。銀行商売は貸して利子を受け取るのが本業ですが、これでは目先の金繰りに困って利益を生み出す儲け口を手放すことであり、決して好材料とは思われません。しかしまあここまで追い込まれているのか。そうであれば更なる再生への方策がでてくるかも。と今日の株価上昇はこの期待でしょうか。

今日のハイライトはあさひ銀で、なんと1億3000万株の大商いとなりました。出来高だけを見ればもう倒産かというほどの売られようです。前日の113円がザラバで76円まで売られ、銀行側の急遽の記者会見があってやや落ち着き、引けは-11円安の102円。大和銀も一時は99円と二桁の株価。 いくら売りたたきにあっているとはいえ、100円を割らないと買い手がでてこないというのは、銀行としてはほとんど市場に相手にされなくなったということでしょう。イエローカードです。


(01.11.9) TOPIX 1030P(-15) 日経10215円(-216) 7.2億株



NYは9587ドル(+33)と小幅高。ナスダックは1827P(-9)と小幅安。外国証券の朝方の注文は売り2890万株、買い2440万株で450万株の売り越し。

米国高は東京市場を動かすことができなくなってきました。オプションSQでしたが、これはほとんど影響がなかったようで、小安く寄り付いた後、再びの銀行株の下落を見て、市場のムードは悪くなり、じりじりと値を下げてほぼ安値引けとなりました。内容もよくありません。史上最高益を出したトヨタが昨日に引き続き買われましたが3120円(+30)。NEC・富士通が小反発した程度。値上り銘柄数215銘柄・値下がり1176銘柄と全面安。

銀行株については、コメントすることがやや飽きてきました。市場でもそろそろ売り飽き気分もでてくるでしょう。大手行は26日に決算を発表するそうですから、ここで銀行のこの先の復活の道筋を明らかにすれば、売られに売られた今の株価から50%高はあり得ると思いますが、さあそういう方策がでてくるのかどうか。(市場は出てこないと思っているから売り浴びせているわけですが)

TOPIXのグラフですが、Aの安値984Pから75日線水準のB1118Pまで戻ったのは予想を上回るものでした。株価が大底を打ったということの確認は、@75日線まで戻る、Aこの後の反落では直前の安値Aを下回らない、Bその後の上昇で高値Bを上抜き、75日線より上位に出る、C前の波動のピークを上抜く、という順番でより確かめられますが、今は@をクリアしたばかりです。

問題はAの安値Aを下回ることがないかどうかですが、今市場はそれを確かめている渦中にあります。下値のメドは先週末に、
  1. 半値押し(1051P)で調整が終る確率は20%
  2. 2/3押し(1028P)をする確率は40〜50%
  3. 新安値となる確率が30〜40%
ではなかろうかと書きましたが、今日のTOPIXの1030Pというのは2/3押しに当ります。安値Aを割り込まずして、上記のAを満足させようとするならば、今日の1030Pから1000Pの間で安値を出さねばならないのですが、今のように銀行株が下げ、これに連れて持ち合い解消売りで住金が48円と額面割れをし、株価下落を見ても会社からは再生の道筋が発表されない、というのでは1000Pで止まるというのは甘い期待になります。


(01.11.12) TOPIX 1021P(-9) 日経10081円(-134) 6.1億株


先週末のNYは9608ドル(+20)と小幅ながら続伸。ナスダックは1828P(+0)と変わらず。外国証券の朝方の注文は売り2860万株、買い1980万株で880万株の売り越し。

終日盛り上がりがなく、前場はわずかにプラスであったものが、午後から力なくじりじりと下落し、下げ止まりの気配はありません。日航がエアシステムと統合の報道でややにぎわいましたが、たいしたことはなし。丸紅・住金が出来高を伴って安値を更新。

さまよえるあさひ銀ですが、今日は米ゴールドマン・サックスと提携して不良債権処理を進めると報道されて、1億株の大商いとなりました。株価も100円(+8)と3桁に戻りましたが、提携の内容は@ゴールドマンの全額出資の会社を設立し、あさひの破綻懸念先の不良債権を時価で買い取る、Aゴールドマンとあさひ銀が共同出資し、企業再生・債権回収の会社を設立する、という2つがその内容のようですが、よくわかりません。

@はとにかくあさひ銀が持つ不良債権をゴールドマンに簿価の1%とか2%とか(?)で売却して、あさひ銀の貸借対照表から除外したい、ということでしょう。RCCがありながらこれを使わないのは、民間のゴールドマンのほうが処分しやすいということでしょう。まあこれは理解できます。破綻懸念先の債権なので引当も十分に積んでいるのであさひ銀の帳簿はそうはいたまないのでしょう。

いま銀行で問題にされているのは、要注意先企業の債権をどう処理するのか、どこから引当なり償却なりの資金を調達するのか。が株式市場で問われているのですが、これはAの企業再生・債権回収の会社にまかそうというのでしょうか。それだけのことであれば不良債権処理にはなりません。そこのところがよくわからないのですが、株価は上昇しました。

ただ報道されたこの方策がよいものであれば、先週大いに売り込まれた株ですから、+8円程度の上昇ではなく+30円のS高にならねばなりません。1億株の強弱感が対立していると見たほうがよいでしょう。まだあさひ銀の株価が安値を出したというには早いようです。


(01.11.13) TOPIX 1016P(-4) 日経10030円(-51) 6.8億株


米航空機の墜落で一時はテロかとおびえたNYは急落していましたが、事故のようであるとなって戻し、9554ドル(-53)と小幅安。ナスダックは1840P(+11)と上昇。外国証券の朝方の注文は売り3410万株、買い1920万株で1490万株の大量売り越し。

ネット証券最大手のシュワブが東京海上との合弁であるネット証券から手を引くだとかの話がでていましたが、モルガンSのリテール部門が撤退するそうで、外国証券の日本からの撤退が相ついでいます。戦後の華々しい高度成長を経て世界一の債権国になった日本の歴史を思えば、いつかは復活するであろうと日本株に期待をしていたものの、これはダメだと見切りをつけ出したということでしょう。外国証券は買い手の座を降り、元気なのはヘッジファンドの売りばかりです。

銀行株は朝から売りなおされ、大手4行は朝から新安値。みずほはとうとうザラバで297円と300円割れです。日経平均も一時は10000円割れをしましたが、その割には売買代金は5431億円と少なく、まだまだ底を打つには投げ足りません。売買代金が5400億円と少なかったのに、出来高は6.8億株あったのは、住金が3900万株(45円。-2)、あさひが3100万株(100円。+0)、重工が1800万株(365円。-15)と低位株の売買が多かったためですが、いずれもマイナス(出来高上位10社は全部マイナス)であったのは、株式は持たないのが一番だの投資家の判断でしょう。

住金が45円と額面を割りながらジリジリと値を下げていくのは不気味です。額面を割るということは、@この先5年10年は無配が続くので、株式を持っていても何も価値を生まない、それなら現金にして有配株式を買ったほうがよい、という判断なのか。あるいはAどこかと合併せざるをえないだろうが、このときの合併比率は極端に低くなるのではないか。あるいはBいずれ減資をすることになるではないか。などが考えられますが、あの住金にしてこういう思いを抱かせるというのは大変な時代です。

週刊東洋経済の今週号で「金融庁の特別検査で第2のマイカルになる企業はどこか」という特集があって、借入金が多い経営不振会社66社のリストが掲げてありましたが、鉄鋼ではNKK(72円)、住金(45円)、神戸鋼(56円)、合同鉄(80円)がリストアップされており、いずれも要注意先の分類になっていました。なるほど株価はよく知っています。100円を割り込むような銘柄は安いからといって買ってはいけません。

もうひとつ。同誌には「高利回り社債上位」の一覧表が掲げられていますが、長谷工(26円)の利回りが39.8%、フジタ(26円)が36.9%です。まあ株価からして危うい感じですが、3位は光通信(1069円)の24.5%、ダイエー(113円)の24.2%とあって、債権市場ではこの4社は破綻の確率が非常に高いと見ています。今日ザラバでいすゞが30年ぶりに100円割れとなったと報じられていましたが、いすゞは7.5%の利回りです。(ダイエーもいすゞも上記66社に入っている)再び株式市場は倒産リスクが大きなテーマになってきたようです。


(01.11.14) TOPIX 1019P(+2) 日経10086円(+56) 6.8億株


アフガンでは北部同盟がタリバンの抵抗を受けることなく首都カブール入りしたと報じられ、タリバン勢力は崩壊しつつあるのかの観測もでて、NYは大幅高となりました。9750ドル(+195)。ナスダックは1892P(+51)とこれも大幅上昇。外国証券の朝方の注文は売り3940万株、買い3300万株で640万株の売り越し。

NY高を受けて東京市場は高く寄り付き、日経平均は一時+200円高へと上昇しましたが、銀行株の上値は重く、みずほは299円(-5)と300円を割って引け、三井住友も633円(-11)と新安値を更新。銀行株は出来高も落ち着いてきていますが、株価は戻りません。金融庁の特別検査の第一発目が終わるまでは株価が戻る(あるいはそこから急落か)きっかけがありません。

今日は丸紅が4100万株の商いで94円(-9)と一気に100円割れとなりましたが、34年ぶりとのこと。昨日のいすゞや住金のように30年ぶりというのが相ついでいますが、30何年ぶりとは昭和40年の証券不況以来ということです。ひところ会社の寿命は30年である。といわれていましたが、まったくもってこの1世代で世の中の動きについていけなかった企業は寿命が尽きるようです。

来年3月までの市場の第一の柱は「信用リスク」になるのは疑いのないところとなりました。今日の丸紅も東洋経済の「借入金が多い経営不振会社66社」のリストに載っていますが、商社ではほかにトーメン(108円.-3)・ニチメン(115円.-3)・蝶理(93円.0)・レナウン(68円.-1)・日商岩井(104円.-3)・金商(143円.0)・ユアサ商事(100円.-2)・神鋼商事(137円.0)・川鉄商事(107円.+2)と10社がリストアップされていますが、見事に株価は100円割れを目指そうとしています。


(01.11.15) TOPIX 1044P(+25) 日経10489円(+403) 7.7億株


アフガンでは昨日の北部同盟が首都カブールを制圧のニュースに引き続き、朝刊ではタリバンの本拠地であるカンダハルを攻撃し、タリバンは総崩れであると報道されていました。NY市場はアフガンの早期解決が予想されて、9823ドル(+72)と続伸。ナスダックは1903P(+11)と上昇。外国証券の朝方の注文は売り3270万株、買い4240万株で970万株の買い越し。

11月第1週の主体別売買動向では、外国人は2週連続の買い越しになった上、今朝は4200万株の久々の大量の買い注文となり、ハイテクを中心に上昇していましたが、前引けの値上がり銘柄数は570銘柄、値下がりは669銘柄で、値嵩ハイテク株が値を引き上げただけでしたが、後場に入ってタリバンは崩壊したとの米英の首脳の発言があって、一気に楽観気分がでて全面高となりました。

ソニーは5400円(+480)、京セラ8960円(+690)、東エレク6240円(+500)と値嵩株は買い戻しが急になり大幅上昇。富士通はJRAの馬券端末システム(465億円)という大型受注があってこれも急伸し935円(+53)。松下1614円(+107)、東芝520円(+22)と上昇。NTTは501(千円.+31)と大幅上昇、ドコモも(千円.+70)、古河電709円(+41)・フジクラ569円(+39)と電気・半導体・通信は底打ちしたことを表明したようです。

いけないのは銀行株で4行はザラバで新安値を更新。都市再生の政策頼みであった不動産・建設も弱く、信用リスクのある超低位株は連れ高もできません。

それにしてもタリバンというのは根性なしでした。山岳ゲリラとなって米英軍を悩ますという話でしたが、北部同盟に蹴散らされているというのには、キョトンとしてしまいます。

NYダウが75日線を上抜いてきたのは金融相場という要因もありますが、やはりアフガン情勢の楽観からでしょう。次は200日線が目標になりますが、NYダウは75日線よりも200日線の方が上値抵抗ラインになっていることが多いようですから、10150ドルあたりまで上昇すれば、テロ事件以来2か月上昇してきたことでもあるし、一応の上昇は終わるのではなかろうか。

となると東京市場は、銀行株・内需株が下落している今ではハイテク株の上昇にかけるしかないのですが、ハイテク株は米国市場の影響をモロに受けますから、NYダウの上昇が止まれば日経平均の反発も同時に終わると思わねばなりません。

ただ今日の日経平均の400円高はインパクトがありましたから、目先は上昇が続くようですが、問題は相場の持続力がどれだけあるのかです。当面はTOPIXは再び75日線まで戻れるのかが焦点になります。75日線まで戻ればこれを上抜くことは比較的に容易で、そうなれば先の高値1118Pを抜き2段目の上昇波動入りとなりますが、@それまでNY高が持続するか、A銀行株はこれ以上の足を引っ張らないであろうか、B26日の銀行の決算はどうなるのか、C金融庁はどの企業について特別検査をしているのであろうか、などと思いをめぐらせばいくらでも懸念材料はあります。


(01.11.16) TOPIX 1053P(+8) 日経10649円(+159) 9.9億株


NYは9872ドル(+48)と続伸。ナスダックは1900P(-2)とわずかに安。外国証券の朝方の注文は売り3730万株、買い5640万株で1910万株の大量買い越し。

内需株売りのハイテク株買いの動きが明瞭になってきました。前場は富士通、ソニー、京セラが大幅高となる一方で、銀行株、電力株、造船株、石油株が売られ、TOPIXは-1P安、ハイテク株の比重が大きい日経平均ですら内需株の下げとハイテク株の上昇が相殺されてしまい、+27円高でしかありませんでした。前引けでの値上り銘柄数は461銘柄、値下がりは840銘柄と内容はよくありません。

ところが後場に入ってから相場は急伸。朝方は安かった銀行株が上昇に転じ、みずほ315円(+17)、三菱東京835円(+7)、UFJ450円(+29)、三井住友672円(+39)となるに及んで、日経平均のザラバ高値は+360円高の10860円へ上昇。ただ大引けにかけては売り物に押され+159円高で終りました。引けでの値上り銘柄数は611銘柄、値下がりは733銘柄でした。昨日は全面高でしたが、今日はハイテク株と銀行株の上昇だけで指数を上げた感じです。
内需株は「都市再生」で期待したものがはげてきて、不動産・倉庫・電鉄・建設などは売られ気味です。これらはだいたいにおいて8月に買われたのでしたが、いまでは200日線を割り込み、長期的な株価上昇の期待は消えつつあります。

逆にハイテク株は4月5月に高値を出して10月まで6か月間の下げとなり、当然に200日どころか75日線を下回っていましたが、ここへきて多くのハイテク株は75日線をクリアしてきました。元気のあるTDKは200日線まで戻りましたが、ソニーの200日線の水準は7266円、松下通は6096円、アドテストが10252円、京セラ10063、東エレク7177円とまだ上値の余地はあります。

ハイテク株は買い戻しがまだ続きそうですが、銀行株はまだ楽観できません。さらに内需株は特殊法人の民営化が暗礁に乗り上げ、予算は緊縮予算を余儀なくされと逆風が吹いていますから、これがどれほどマイナスになるのか。さらにNYはあと300ドルでだいたいの上値のメドに達しますが、このときハイテク株の買いが続くのか。いろいろと悩ましい状況です。


(01.11.19) TOPIX 1064P(+11) 日経10727円(+78) 7.5億株


NYは9866ドル(-5)と1000ドルを目前にして伸び悩み。ナスダックも1898P(-1)とわずかに安。外国証券の朝方の注文は売り2190万株、買い3520万株で1330万株の買い越し。

米国高を背景にしてハイテク株が上昇し、内需の信用リスクのある株が売られるという構図が続いていますが、今日は大手銀行株が大出来高で上昇し、ひさびさに日経平均よりもTOPIXの上昇が勝りました。

値嵩ハイテク株はこの4日間の日経平均の上昇に大いに貢献してきましたが、今日の動きは上値につかえたような感じです。ソニーは別格として、@TDKは長大陽線に十字足がはらみ、6600円は分岐点であることを表明。Aアドテストも前日の長大陽線に上ヒゲの長い陰線がはらまれ、上値での売り物が多いことを表明。B東エレクも上ヒゲのトウバ足になって、売り物多しです。

これら銘柄は前日の長大陽線を終値で下回れば、当面の上昇は終ったと判断できます。前日の足は「重要ポイント」です。


(01.11.20) TOPIX 1055P(-9) 日経10575円(-152) 7.8億株


NYは9976ドル(+109)と上昇。ナスダックも1934P(+35)と上昇。米国はアフガンの早期解決期待に加えて、在庫の減少が進んでおり、景気の底打ち期待が強く堅調です。外国証券の朝方の注文は売り1860万株、買い2520万株で660万株の買い越し。

米国高に引きずられて日経平均は高くなるはずでしたが、昨日あたりから値嵩ハイテク株は伸び悩んでおり、今日は利食い急ぎとなりました。ソニーは5650円(-180)、京セラ8860円(-430)、富士通は1000円(-49)。銀行株は高く寄り付いたものの次第に値を崩し、大手4行はマイナス。内需株はしばらく下落していましたが、政府は第2次補正予算の着手の報道で、今日は反発。ただ、大きなこと、お金のかかること、は小泉内閣の方針からできるはずもなく、短期的な反動高で終りそうです。


(01.11.21) TOPIX 1058P(+3) 日経10661円(+85) 7.1億株


NYは9901ドル(-75)と反落。ナスダックも1880P(-53)と下落。外国証券の朝方の注文は売り3100万株、買い3070万株で30万株の売り越し。

TOPIXのグラフは2日続けて上ヒゲをつけた後に、昨日は高寄りからの陰線となってやや感じは悪かった上、昨夜の米国安でしたから、今日は続落と思っていました。しかし案外な買い意欲があって、ハイテク株も安く寄った後は押し目買いが入り、大方はプラスで終りました。

朝刊で、あさひ銀は今3月期で、4000億円の不良債権処理と4000億円の株式含み損を落とし、5300億円の赤字になる。と報じられました。8000億の後ろ向きの資金は資本準備金を取り崩すそうで、かなりの決断であるといえます。これによって自己資本は薄くなりますが、大和銀との統合に向けて、大和銀と同じ基準の引き当てをし、株式含み損を無くしたそうで、やむにやまれぬ決断であったようです。

この報道で、あさひ銀はストップ高になるのかと思っていたら、102円(+8)で終ったのは意外でした。出来高も3700万株ほどで、10日ほど前の13800万株の大量売りに比べるとほとんど大したことはありません。市場はなおこの決断では納得しないというのでしょうか。あさひの材料から、みずほ345円(+16)、三菱東京891円(+34)、UFJ450円(+1)、三井住友732円(+35)と大手も上昇。

引け後、三井住友が3月の予想を発表しました。不良債権処理を1兆円ほど行い、通期では1500億円の赤字とする。不良債権処理は法定準備金を6000億円取り崩してこれに当てる。というものです。銀行は剰余金がなくなり、株式の含み益はなくなったどころか含み損になり、期間の業務純益では償却できないほどの不良債権処理を迫られているので、いよいよ眼に見える資産の食いつぶしを始めました。事前に今日の4:00から記者会見があることはわかっていたそうですから、今日の三井住友の株価上昇はこれをいくぶんか先取りしていたのでしょう。よい材料です。

ただこれまで使って来た剰余金はいかにも銀行が稼いだものですが、資本準備金は株主が払ったものですから、簡単には取り崩しますとはいえません。今後のリストラを含む経営の方策を出し、経営責任を明らかにすることが必要になるでしょう。と読んで、市場は法定準備金の取り崩しを好材料としています。いよいよ三井住友も「背水の陣」を敷くことになりました。ぜひこの苦境を不退転の意志でもって乗り切ってほしいところです。


(01.11.22) TOPIX 1062P(+3) 日経10696円(+35) 6.7億株


NYは9834ドル(-66)と続落。ナスダックも1875P(-5)と小幅安。外国証券の朝方の注文は売り3040万株、買い2750万株で290万株の売り越し。

朝刊で三井住友の1兆円の不良債権処理の詳細がわかりました。あさひの場合は8000億円の不良資産および株式含み損のために法定準備金を取り崩し、このため自己資本は5000億余り減少しますが、三井住友は昨日思ったことと違っていました。三井住友は@資本金13267億円を上回る18736億円の法定準備金があるので、A超過した5500億を剰余金に振り替え、剰余金は10100億円に積み上げて、B来期の突発的な不良債権処理や株式含み損にそなえる、というものでした。

三井住友もあさひと同様に追い詰められているのかと思いましたが、これは大きな誤解でした。いざというときは、今回振り替えて増加した剰余金の1兆円と法定準備金の1兆3000億があるわけですから、やっぱり三井住友は大したものでした。ふところは深い。

朝、読売新聞を見て以上のことがわかったので、三井住友は今日は100円高でもするのかと思っていましたが、テレビを見ていると「大成火災が更正特別法の適用申請」のニュースがでてきました。

寄り付きは大成火災の破綻から、損保株が軒並み売られました。大成火災はテロによる航空機の再保険を受けていたために744億円の保険金支払いが発生し、これを払うと400億円の債務超過になるとか。午後に発表された日産火災もテロ事件に関係する保険金の支払い額が750億円になり、9月中間決算は赤字になる、とのことで日産火災は461円(-100)のストップ安となりました。まあ大成火災・日産火災とも不運というしかありませんが、小さい損保会社は一発の保険金支払いの発生でぶっ飛ぶということがよくわかりました。

安田火災・日産火災・大成火災は来年4月に合併し「損保ジャパン」になる予定ですがトリオの2つまでがこけてしまったために、安田火災も前場は売られましたが、引けは779円(-39)まで戻りました。東京海上973円(+8)、三井住友海上650円(-7)、日本興亜410円(-14)と、結局は落ち着いたのは、市場のムードは悪くはないことを示しています。

大成火災で水をあびせられた感じの三井住友でしたが、次第に高くなり、引けは745円(+13)とプラスで終りました。昨日からの三井住友の決断を見ていると、大手4行はそこまで売られることはないという思いが強くなってきました。ただし今後は貸し出し先の選別をし、企業ごとに貸し出し金利の見直しをするそうですから、三井住友は残るが、取引先は破綻する。ということになるのでしょう。経済全般としては、来年は今よりも暗い時代になりそうです。


(01.11.26) TOPIX 1088P(+26) 日経11064円(+367) 7.4億株


休日明けのNYは9959ドル(+125)と上昇。ナスダックも1903P(+28)と上昇。外国証券の朝方の注文は売り3000万株、買い3770万株で770万株の買い越し。

米国はクリスマス商戦はそう悪くはならないとの予想で強人気になっています。事実23日の商戦初日の売上は前年日+2.4%であったとか報じられ、これを裏付けました。

3連休が明けた東京市場は、休みの間によい材料がでてきて高く始まり、日経平均は8月以来の11000円台で引けるという強気の相場になりました。よい材料とは、@米国高、ANYでは124円台の円安、B大手銀行の不良債権処理の前進、C小泉内閣の7特殊法人の統合ないし民営化の決定、です。

先週のあさひ銀の8000億円、三井住友の1兆円の不良債権処理に続いて、UFJが今期2兆円の不良債権処理損をだすと金曜日に報じられ、みずほHは同じく2兆円の処理と3頭取、6副社長の退任を発表。特にみずほは経営陣の責任を明らかにし、次期トップは50才台へ若返りをするそうですから、バブル崩壊以来11年にして、銀行もようやく毅然とした態度になりました。

1兆円・2兆円の不良債権の処理損を今期で積むということは、いけない企業はつぶすという覚悟であり、新しい金利体系(信用力に応じた金利を設定する)を探るということです。ひところ「貸し剥がし」と非難された新生銀行でしたが、これがこれからの銀行貸し出しのモデルになるようです。来年からはいよいよいけない企業は消えていき、倒産は急増し、失業者も急増するという厳しい時代になりそうです。

しかし株式市場においては、利潤を上げる上で障害になっている部分を切り捨てて、スリムになって効率化をはかる企業は評価されますから、倒産が増えようと、失業者が出ようと、企業の利潤がでるような方策を取った企業の株価は上昇します。まあそういう世界です。

グラフでは、TOPIXは今日で75日線を上抜き、先の高値1118Pを目指すことになりました。日経平均は先週の反落は75日で止まり、今日の上昇によって先の戻り高値のピーク11052円を上回り、テロ事件直後の安値9382円を底にした2段上げの局面に突入しました。 日経平均の次の上昇のメドは11625円になります。ただし200日線が下向いている大勢下降波動の中での上昇ですから、この中勢の上昇波動は2段上げが限界であり、つまり11625円というのは9382円からの反動の限界であろうと思っています。


(01.11.27) TOPIX 1079P(-9) 日経10948円(-115) 7.8億株


NYは9982ドル(+23)と続伸。ナスダックも1941P(+38)と上昇。外国証券の朝方の注文は売り2790万株、買い3040万株で250万株の買い越し。

米国は相変わらずの強相場です。東京市場は円安、米国高に加え、昨日で大手銀行の決算が出揃い、2002年3月期は6兆4000億円の不良債権の処理を行うと報道されました。これによって、3月期の損益はみずほが-7200億円、UFJが-6000億円、三井住友が-1500億円、三菱東京が+200億円。あさひが-5300億円、大和銀は-1150億円とくれば、これだけでざっと2兆1000億円の赤字です。

グラフは日経平均は直前の波動のピークを上抜いたばかりで、戻り売りがでてきましたが、NYダウが伸びる限りは日経平均も上昇するはずです。ただそのNYダウの上値メドは10150ドルであると思っているので、NYダウが10150ドルになるか、日経平均が11600円になったときは、警戒しなければなりません。

TOPIXは日経平均ほどには伸びず、まだ先の波動のピークの1118Pを上回ることができていません。TOPIXが上昇するにはNTT・ドコモと銀行株が上昇せねばなりませんが、銀行の決算が発表された今日、銀行株がマイナスになっているのを見ても、まだ市場の銀行株に対する評価は厳しく、相場の大反転にはなりそうにありません。

日経新聞には予想連結PERが毎日掲載されていますが、銀行の3月決算予想がでたことで、それまでの連結PER52.35倍が、昨日は一気に上昇し、なんと昨日の連結PERは75.97倍です。ここ数年は銀行が不良債権の処理損をだすたびに、全企業のトータルの利益から銀行の赤字が相殺され、上場企業のトータル利益はわずかな金額に縮小されてきました。

2000年3月期をはさむ時期にはPERは120倍を超えましたが、PERが計算できたのは、まだ銀行の赤字が他の企業の利益を食いつぶさなかっただけましでした。1999年3月をはさむ時期には、銀行の赤字が他業種企業の黒字以上になり、ついにはPERの計算ができないという事態になっていました。98年3月期の時期は580倍までは計算できていましたが、その後はやはり計算不能になるといったふうで、ここ数年はまともなPERの計算はできていません。

日経新聞の連結PERはまともな時代であればよい尺度になるのですが、このような現在では投資指針としてほとんど役に立ちません。よくやる「金融を除く」連結PERを発表してくれれば、いまの株価がどのの程度買われているのかの目安になるのですが、いまの計算のしかたでは、せっかくの日々のPER計算は何の役にも立ちません。

この中間で大手銀行の予想がでて、なおかつPERが計算できるということは、全産業をトータルしてまだ利益がでそうであるということですが、製造業などの業績の下方修正がでたり、銀行がさらに不良債権処理を上積みせねばならなくなったなら99年98年のように全産業のトータルはマイナスとなる可能性はかなりあると思われます。

連結PERが40倍を超えたとき(このときは銀行もここまでの赤字は踏み込んでいなかった)株価は割高であると考え、日経平均の11000円以上、TOPIXの1100P以上は割高であると判断しましたが、この連結PERの状況では今後はこの判断はできなくなりました。困ります。


(01.11.28) TOPIX 1053P(-26) 日経10624円(-324) 7.0億株


NYは9872ドル(-110)と反落。ナスダックは1935P(-5)と小幅安。外国証券の朝方の注文は売り2510万株、買い2410万株で100万株の売り越し。

米国景気は来年半ばから回復というのが大方の認識となってきました。回復に向かう米国株と、立ち直りの気配もない日本株の差が今日は大きく出てしまいました。新潟鉄が負債総額2270億円を抱えて倒産となり、NY安ともあいまって安く始まりました。高いのは新潟鉄の代りに日経225の採用になった住友不動だけで、あとはハイテク・通信・銀行・損保が安く、信用リスクがある100円以下の超低位株も値を下げるなど前場段階で全面安。

後場S&Pが日本国債の格下げ(AA+→AA)を発表し、大手都銀の格下げもするとかで株価の下げを加速し、日経平均・TOPIXともに安値引けとなりました。グラフは一気に悪化し、TOIPIXは戻りの2番天井をつけた感じです。日経平均は25日線と75日線が同じ水準(25日が10533円、75日が10511円)にあり、これが下値の抵抗をすると思いますが、これもNY次第で、今夜のNYがこければこの水準の維持が難しくなります。(25日線を割り込むことになれば、3番底を見に行くことになり再び10000円の攻防になります。)

銀行株は今期に6兆4000億円の不良債権の処理損を出し、行員の整理を拡大するなど、これまでと違って身を削る思いの方策を出したと思いましたが、意外にも市場はこれを評価せず、株価の上昇はわずかなもので終わりました。

本格的な株価の立ち直りであれば、75日線までの戻りは必須ですが、4行とも25日線を何とか上回ったものの75日線までは届かず、今日の下げになりました。25日線まで戻る過程においても、その前に売り込まれた出来高に比べて、反発時の出来高が少なく、空売りの買戻しが一斉にでるという状況にはなりませんでしたが、はたしてまだまだ売りの勢力が圧倒しているということが明らかになりました。

来年3月までには、新潟鉄のように株価が100円を割っている企業から破綻するものが続々とでてくるのでしょうが、それまで(というかそれに対する手当てができるまで)銀行株は売られ、銀行株の底値は来年2月ころまでは無理なようです。


(01.11.29) TOPIX 1048P(-4) 日経10655円(+31) 8.5億株


NYはエンロンの経営危機から9711ドル(-160)と続落。ナスダックも1887P(-48)と下落。外国証券の朝方の注文は売り2810万株、買い1970万株で840万株の売り越し。

9月14日のマイカル破綻→10月大倉電の破綻→11月大成火災・新潟鉄の破綻と毎月上場企業の倒産がでていますが、今日は米国エンロン社の経営危機により、エンロン社の円建て債権を組み入れている投信が評価の洗い直しをすると、MMFは元本割れになるとかで、組み入れている投信に関係がある会社が売られました。

日興証(日興アセット)が680円(-55)、UFJ(UFJパートナー)が407円(-27)、岡三証(日本投信)が423円(-19)。先にマイカル倒産時にマイカルの社債を組み入れていた投信会社が元本割れを補填しましたが、MMFですら元本割れになるリスクを負っている時代です。

ハイリターンの裏にはハイリスクあり、ということは大成火災・日産火災がよいお手本を示しましたが、MMFの運用者でさえなかなかリスク管理はできていない、案外に企業の存続については楽観しているものだということがよくわかりました。

一昨日破綻した新潟鉄は11月13日に掲げた週刊東洋経済の「借入金が多い経営不振会社66社」のリストに入っていましたが、とうとう窮してしましました。いくら株価が安い、社債の利回りが高いといても、理由無くその株価や債券価格はついていませんから、うまい話にはウラがあると思わねばなりません。

「借入金が多い経営不振会社66社」のリストに載っている商社は、丸紅・トーメ・ニチメン・蝶理・レナウン・日商岩井・金商・ユアサ商事・神鋼商事・川鉄商事がリストアップされており、100円割れの候補でしたが、金商だけは今年の年初来高値を更新しており、どうなっているのかと思っていましたが、今日は三菱グループによる債権放棄に合わせて、50%減資を発表し、やはり株価は落ち着くべきところへ急落しました。

最近の株価の上昇は、債権放棄だけを期待しての買いであったと思われますが、株主はなんらの損失を蒙らないという期待は減資によって裏切られました。(実際のところ金商の資本金は16億円で、これを半額減資したところで8億円の損失しかカバーできません。債権放棄の200億円に比べれば、ほとんど足しになりませんが、それでも減資したというのは株主にも負担を求めるという、ごく当然なことです。甘い期待はしてはならないという教訓です。)


(01.11.30) TOPIX 1050P(+1) 日経10697円(+41) 7.3億株


NYはよい経済統計が出て、9827ドル(+117)と反発。ナスダックも1933P(+45)と反発。外国証券の朝方の注文は売り2630万株、買い2190万株で440万株の売り越し。

大物電通がいきなり東証1部に上場しました。非公開企業が一気に東証1部に上場するのはかつてのNTTと同じ扱いです。公開値42万円というのはNTTの50万円に比べて安い気がしますが、小さく産んで大きく育てるという方針であるならば、この幹事証券会社はナカナカの見識です。(公開価格を高く設定して、上場の初値が最高値であとはずるずる株価を下げるという例がいくらでもありますが、これは証券会社に対する不信感を増大させてきました。)

電通の主幹事証券は、野村・メリルリンチ・UBSウォーバーグのようですが、そのUBSが大チョンボをやらかして、市場を混乱させました。報道では61万円で16株の売り注文を出すつもりが、16円で61万株の注文を出したようです。61万株といえば50円額面に換算すると、6億1000万株の売り玉です。しかも公開値が41万円というのに16円の売り値段というのは、どうみても注文間違いということが明々白々です。それなのに東京市場ではこの注文が通ってしまうというのは驚きです。売買システムがいい加減に過ぎます。この注文ミスを出した人間はさぞや責められていることでしょうが、それよりも責められるのは東証のシステムでしょう。

42万円の公開価格で、これよりやや低い株価水準に指値買いの注文が入っていたのですが、16円で61万株の売りがでれば、これら指値の買い注文はたちまちにして約定が成立します。40万5000円まで株価が下がったのは、最も安い値での買い注文がこれだったということでしょう。UBSの売りに対する約定は4〜5万株できてしまったということですから、これは大変です。売却してしまったのだから株券を渡さねばなりません。この株券をUSBが調達するためには市場で買うほかはなく、注文ミスが判明してからは一転して買い注文殺到なり、とうとう電通は47万円のS高(比例配分)となりました。

買い注文は17万株残り、USBは1万4000株ほど買い戻したようですが、まだまだ売ってしまった株数には不足です。当然に月曜日もS高になりますが、USBは値段をいとわずにを買わねばならず、もし1株につき10万円の損失(売り平均が41万円で、買戻し平均が51万円のとき)を出すなら5万株では50億円の損失となります。

この巨額の損失は誰か1人のキーの打ち間違いで引き起こされました。注文間違いはいけないことですが、今回は株価といいい株数といい、まったく非常識な注文ですから、昔のように取引所での立会いであれば、注文が出る前に取り消しできたでしょう。コンピュータが売買を突き合わせるようになってからは、常識が通じなくなりましたが、これはコンピュータが悪いのではなく、システム(ソフト)がお粗末すぎるといえます。東証はかような馬鹿げたシステムを放置していては、信用をなくしてしまいます。(USBに同情しきりです)

11月も終わり、来週からは師走です。11月はよいとこなしでしたが、12月もそうでしょう。


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