TOPIXをどう見たか・判断したか (01年7月)

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(01.7.2) TOPIX 1286P(-14) 日経12751円(-217) 6.3億株


先週末のNYは10502ドル(-63)と下落。しかしナスダックは2159P(+33)と5日連続上昇。4-6月期の決算が発表される時期にきていますが、最近のナスダックの堅調ぶりは、どういうことでしょうか。4-6期の業績悪化の材料はすでに織り込みずみであるという感じです。外国証券の朝方の注文は、売り3500万株、買いは2440万株と-1060万株の売り越し。

寄り付き前に6月の日銀短観が発表されました。大企業製造業の6月のDIは-16で、前回3月の-5から大きくマイナス巾を拡大しましたが、これは事前の予想の範囲内でした。3月時に6月を予想したDIは-8で、3月時点で6月はより悪化するだろうの予想をしていましたが、実際の6月のDIはこれよりさらに低く-16となって、現下の景気は3月に思った以上に悪くなったということを表明しました。ただ9月の予想のDIは-14となっており、9月は6月よりかはましになると予想する企業は増えています。

今日は先週末のナスダック高という好材料と、日銀短観の悪材料のどちらを市場は重視するかが焦点でした。外国証券の寄り前のオーダーが売り越しとなったわりにはさほど悪い始まりではありませんでした。が、次第に日銀短観が重くなって、一時は日経平均は-339円安と、先週末の+289円を打ち消すほどに下落。引け前はやや戻して-217円安。TOPIXは-14P安でした。

ハイテク株なかでも半導体関連株とWDM関連株が大きく下げましたが、今日の日銀短観を受けての下げはいまさらの感じです。先日もいいいましたが、すでにハイテク値嵩株の株価は1/3・1/4になっており、底値圏内に到達していると思っています。

NTTは673(千円)+23とこの環境下で上昇しました。図はNTTの週足です。52週(1年)線と104週(2年)線が描かれています。
  1. aの98年10月から株価はa→b→c→d→e→fへと3段の上昇をしました。

  2. 初動であるa(819千円)→b(1370千円)の上昇巾は551千円ですが、これをbの1370千円に上乗せすると、1921千円になります。この値段はf(1940千円)で到達しました。a→bの初動の大きさが、fへの到達点を暗示していたわけです。

  3. f(1940千円)をピークにして、g→h→i→j→k→l→mへと下げていくのですが、eとiはともに1180千円であり、dとjはともに1600千円になっています。つまりこの下げは、前回の上げの節々を参考にして下げ止っているということです。

  4. そこで、aの819千円で下げは終るのかとなりますが、kの800千円台で長く下値抵抗を見せましたもののついに700千円台に突入。いまは600千円台にあります。

  5. 思いのほか下げたとなると、上昇時に初動の大きさが天井の値段を暗示していたように、下げの初動から今回の下値の観測はできないか、となります。f(1940千円)→g(1310千円)へ下げ巾は630千円でした。(gは初めて株価が52週線を割り込んだところです。)この下げ巾をgからマイナスすると、下値の目標値は680千円になります。だいたい現在の株価水準です。

  6. f(1940千円)→i(1180千円)へ下げ巾は760千円でした。(iは初めて株価が104週線を割り込んだところです。)この下げ巾をgからマイナスすると下値の目標値は420千円になります。
NTTが旧来の電話回線網だけで商売をしようとするなら、おそらく420千円という値段も視野にいれておかねばなりませんが、通信技術では日本No.1の力をもっているはずですから、むざむざと420千円になるとも思われません。

680千円以下は底値圏であると思われ、先日いったように、680千円→580千円→480千円の買い下がりを覚悟しておいて、そのような配分をすれば安心して買えるのではなかろうか、と思いますがどうでしょう。


(01.7.3) TOPIX 1293P(+6) 日経12817円(+66) 5.8億株


NYは景気回復期待がでてきて10593ドル(+91)と反発。ナスダックは前日まで5日連騰して120Pほど上昇していただけに、2148P(-11)と小幅な調整となりました。外国証券の朝方の注文は、売り3070万株、買いは2570万株と500万株の売り越し。

米国は今年後半には景気が底打ちするのではないかの観測がでてきて、NYは反発となりました。ひところはナスダックと日経平均の相関係数は.8(相関係数。簡単にいえば80%かたは同じ動きをする)であるといわれたりしていましたが、特にハイテク株については、いまや米国株式も日本株式も一連托生です。したがってハイテク株については米国の株価がどうなるかが一番の関心事ですが、昨日は米国高であったので、値嵩ハイテク株はおおむね高くなりました。

ただソニーだけは年初来の新安値になりました。先日のトラキング・ストックの上場は、ソニーはどうしてそこまでして資金を調達せねばならないのか、の疑念をいだかせます。まったくのところ90億円や100億円を集めるために、ソニーとしてはやや細かなことをし過ぎたという感じです。

米国株に依存しないのは内需株ですが、これも今日は低調に終りました。特に低位株にマイナスになるものが目につきました。国債利回りがひところの1.200%割れから、今日は1.280%へと上昇しているので、株価は相対的に高くなって、買い余地が減少しているのがその理由でしょう。

富士通は、ネットバブル時に5030円の途方もない値段をつけました。私はHPのどこかで書いたかと思いますが、3000円を超えたときからこの株価についてはわけがわからなくなりましたが、バブルとはそういうものです。まきこまれて一緒になってワイワイいっていないと、ついてはいけません。

それはともかく、昨日NTTの下値の目標の出し方について述べましたが、今日は富士通を例にします。図は週足で、26週線・52週線・104週線が描かれています。高値a(5030円)から初めて26週線を割り込んだb(3260円)までの下げ巾は1770円でした。これを3260円からマイナスすると1490円となります。a→bを下げの初動としたときの下値の目標値は1490円になります。

週足において大勢波動を捉えるのに都合のよい平均線は52週(1年)線と104週線(2年)であると思っていますが、aから初めて52週線を割り込んだのはc(2855円)でした。下げ巾は2175円です。これを下げ波動の初動とするなら、2855-2175=680円で、下値の目標値は680円となります。

cから少し反発してから再度の下げになり、dの2540円まで下げ、ここから大反発して3760円になっていますが、dの下げはグラフにみるように突発的で異常な動きです。それは2000年4月の日経平均採用銘柄の組替えによる暴落によるもので、dの2540円は素直な安値ではありません。もしa→dを下げの初動とするなら、a→dの下げ巾は2500円となり、下値目標値はわずかに30円(2530-2500=30)となり、これは到底現実的な目標値にはなりません。

ということで、目標値は1490円〜680円という比較的巾広いゾーンになります。だいたい1500円〜700円ですから、3分割して買っていくなら1500円・1100円・700円の400円キザミ。4分割して買っていくなら1500円・1250円・1000円・750円の250円キザミとなります。


(01.7.4) TOPIX 1278P(-15) 日経12629円(-188) 6.1億株


NYは4日は独立記念日で休場。昨夜3日は半日立会い。デュポンの業績下方修正がでて、NYは一時は下げたものの打たれ強くなっています。10571ドル(-22)へ戻しました。ナスダックは2140P(-7)と小幅続落。外国証券の朝方の注文は、売り2840万株、買いは2990万株で150万株の買い越し。

ナスダックの様子からして今日はそれほど下げるようには思いませんでしたが、ソニーがKDDI(au)向けの携帯電話を56万台回収の報道があり、みずほが厳格な不良債権の見直しをしたところ、新不良資産は1兆円増加し5兆円を超えた、なども報道され、寄り付きから安くなりました。今夜はNYの立会いがないとあっては、どうにもならずジリジリと下げて、値上り銘柄数は272銘柄、値下がりは1077銘柄となりました。売買代金も5800億円に減少。

ソニーは先だってのドコモ向けの携帯電話の回収に続いて、今度はKDDIの回収です。ソニーブランドは携帯電話で信頼を失うのではないかと危惧します。回収騒動といえば松下通信もあったし、どうも携帯の進歩に充分な対応をするには時間がなさずぎるようです。焦って新しいことをしても、肝心の電話機に欠陥があるというのでは、かえって普及を阻害するような感じです。世界の携帯電話会社で余力があるのはドコモとボーダフォンの2社だけで、他の携帯はすでに拡大する力はありません。ここでドコモが一気に引き離そう、これにKDDIがついていこう、ボーダフォンがJ-フォンで追撃しようという、日本にとっては珍しいことに世界をリードしている分野であるですから、ソニーの失態はがっかりでした。

三菱東京が5月に発表した2001年3月期の決算は赤字決算となりましたが、これはすでに報道されていてインパクトはありませんでしたが、不良債権を厳格に査定した結果、それまで公表されていた額よりも50%増加して4兆円という規模に膨れました。図の青○の日が発表の日です。

発表当日は株価は上昇しましたが、不良債権が1兆円規模で膨れたとなると、不透明であった不良債権がはっきりしたという評価にはならず、(発表当日は市場はそう思った)しだいに株価が下落していきました。もっともこの株価の下げは大和銀にたいするデマもあって、売り叩きの動きもありましたから、そのまま三菱東京の不良債権の増加を悪材料として下げたわけではありませんが、不良資産をありのままに出したからといって、市場はじゃあ株を買おうということにはならなかったことは確かです。

今日のみずほの株価は563千円(-7)とたいして下げませんでしたが、これをもって5兆円の不良債権がクリアになったからめでたいことだとはなりません。年間の業務純益が5000億とか8000億とかの水準にあるとき、5兆円の負担というのは辛いことです。みずほが不良債権の見直しをしたことによって、これから三井住友やUFJが見直しを余儀なくされますから、銀行株は9月中間決算までは火種になりそうです。(私はみずほの株価560千円というのは、利回り採算株とみれば、すでに充分に安い水準にあると考えています。JR東日本は722千円、西日本は672千円、東急は672円、近鉄は493円と鉄道株に比べれば安すぎます。)しかし、銀行株で一儲を目論んでいる者(ヘッジファンド)もあり、今後は強弱感が対立して株価はけっこう上下に触れることになりそうです。


(01.7.5) TOPIX 1274P(-3) 日経12609円(-21) 6.3億株


NYは4日は独立記念日で休場。外国証券の朝方の注文は、売り2690万株、買いは2050万株と細り、640万株の売り越し。

ハイテクは続落。ソニーは7590円(-210)と下げましたが、ひと反発あってよい水準になりました。WDM関連株は下げ止まりのきっかけがなく、古河電864円(-56)、フジクラ648円(-49)、住友電1345円(-27)と大幅な下げを続けています。WDM関連株はネット株がネットバブルの天井を打った2000年4月から急上昇しはじめ、10月に天井を打っているので、約半年ほど整理が遅れており、いま投げの真っ最中になっています。

総理府の経済社会総合研究所(昔の経済企画庁)は5月の景気動向指数(速報)を発表。一致指数は25.0%で5か月連続の50%割れ。しかし先行指数はどうしたことか71.4%と5か月ぶりに50%を超えました。ほう、とHPを除いてみれば、先行11系列のうちの7系列が判明しており、うち5系列がプラスであったので、71.4%(=5÷7X100)となっていました。残り4系列が判明すれば71.4%ではなく54.5%とか45.4%とかに落ち着くようです。だいたいはこの7月で景気後退の半ばあたりに来たという感じです。


(01.7.6) TOPIX 1253P(-21) 日経12306円(-301) 7.6億株


休場明けのNYは10479ドル(-91)。ナスダックも2080P(-60)と下落。外国証券の朝方の注文は、売り3650万株、買いは2930万株で720万株の売り越し。

再びハイテク企業の先行きの業績が懸念され、朝方からほぼ全面安の商状でした。特にハイテク値嵩株は売られ、京セラ9970円(-450)、アドテスト9210円(-840)と10000円割れ。ソニーは7250円(-340)と新安値です。これら値嵩株の多くは昨年高値から軽いもので半値、並で1/3、酷いものは1/4になっていますが、今日などはここからさらに売っているのは投げ売りの状況といってよいほどです。投げれば投げるほど株価の回復は早まりますから、どこで投げのクライマックスとなるのか、しばらくはハイテク株から目が離せません。

思い出せば野村證券が「日本株戦略ファンド」と銘打って、史上初の1兆円ファンドを募集したのが昨年の2月でした。主体別の売買動向で、投資信託が1か月で1000億円以上の買い越しになったのは99年9月からでした。この12月には2500億円の買い越しになり、2000年2月に4000億円、3月4500億円と順調に増加しましたが、1兆円ファンドはちょうど投信の買い越しのピークの時期でした。ここで組み込んだのは、ハイテク株・通信株・ネット株でしたが、これは完全に高値つかみになってしまいました。

もともと1兆円の募集をするには、短期間でできるはずがなく、募集に当っては運用の方針が目論み書に書いてありますから、1兆円の募集→株式の組み入れの先回りをして、組み込もうとしている銘柄の株価は高くなっています。ここで組み入れなければならないというのも大きなハンディですが、あの野村ならうまくやるのではないかと思われました。しかし日本株戦略ファンドは大失敗に終りました。@運用成績が悪いのはしかたがないとしても、A郵貯の大量償還が控えており、この1兆円ファンドの成功が、証券界に新規資金として流入するはずでしたが逆効果となってしまいました。B銀行もこの超低金利下で収益を上げるには、投信の販売であると意気込んでいましたが、これも期待はずれになりました。

いつでもそうですが、その相場を作りあげた主体がトコトン負けて、投げて、そこで底打ちとなります。昨年初めに投信に組み込まれたハイテク株は、投信が処分するまで上昇の目はありませんが、今月にはいっての株価下落をみていると、7〜8割かたは売ったという感じです。

日経平均は逆張りの買いマークを出しました。TOPIXも月曜日の1242P以下で引けるなら買いマークを出します。


(01.7.6) TOPIX 1237P(-15) 日経12239円(-66) 6.8億株


週末のNYは10252ドル(-227)と大幅安。ナスダックも2004P(-75)と大幅下落。これを受けて外国証券の朝方の注文は、売り3770万株、買いは2080万株で1690万株の大量の売り越し。

週末の東京市場が急落していたところへもってきて、ロンドン・NYと株価は大幅下げとなり、今朝の寄り付きは当然のことながら悲惨なものとなりました。値嵩ハイテク株を筆頭にして、銀行・証券が安く、DWM関連や電子部品株が大幅安。

ただ寄り付きで安値をつけた後はたいして下げない銘柄も多く、引けにかけては値嵩株が戻って、陽線となったものが散見されます。

アドテストは-560円安から-50円安の引け。京セラは-550円安から-270円安へ、松下通は-220円安から-40円安、ソニーは-220円安から-100円安へ戻りました。今週から米国の4-6期決算が発表されるようですが、日米ともハイテク株の株価を見れば相当に業績悪は織り込んでいるように思われます。

日経平均はザラバで12029円の安値をつけ、12000円を割り込めばバブル崩壊以来の最安値(終値ベースでは3月13日の11819円。ザラバベースでは3月15日の11433円)しか下値がないというところまで追い込まれていました。

ただ値嵩ハイテク株に振り回される日経平均とは違って、TOPIXのバブル崩壊以来の安値は1998年10月の974Pであり、今日の安値1225Pはこれより25%かた上位にあります。あるいは今年3月の安値1125Pに比べて8.8%上位にあります。 まだまだ株価底抜けを心配するには及ばないのではないか。

グラフでは日経平均は連続して逆張りの買いマークをつけ、TOPIXも5月末以来の買いマークをつけました。


(01.7.10) TOPIX 1249P(+11) 日経12300円(+60) 6.2億株


NYは10299ドル(+46)と小反発。ナスダックも2026P(+22)と反発。米国の政治・経済のリーダー達が今年後半から米国景気は回復するとの発言を繰り返し出して、市場もやや落ち着いてきました。ただ日本株へ対する外国人の目は厳しく、外国証券の朝方の注文は、売り2990万株、買いは1960万株で1030万株の売り越し。

6月の投資主体別売買動向では、外国人は3700億円の売り越しとなりました。今年に入ってから外国人は本格的に買ってきて、1月9000億円→2月1700億円→3月2300億円→4月10900億円→5月8000億円と、5月までの累計の買い越し額は3兆2000億円になっていましたが、6月からはこの吐き出しとなるのでしょうか。

今週金曜日はオプションのSQですが、株価指数型上場投信(ETF)が上場される日でもあります。ETFというのはすでに「日経300投信」が上場されており、毎日受信しているデータにもコード1319「300投」としてありますが、これまでほとんど気にかけられてきませんでした。

「日経300投信」が上場されたのは、(株価データを見ると)1995年6月でしたが、このときは、株式と同じように売買できるというのがウリでした。つまり@ザラバの売買ができる(普通の投信は1日に1回、終値だけ)、A信用のカラ売りができる、B手数料や税金は株式と同じ、ということでした。初めの何日かは注目していたように思いますが、しだいに関心が薄れ、いまでは、そういうものがあったなあ、というところです。

今度のETFはその仕組みは日経300投信とはやや違うようですが、市場での売買のやりかたは日経300と同じようなものです。野村・大和・日興の大手3社が東証・大証に「日経平均連動型」「TOPIX連動型」を上場するのですが、あまりややこしいものはまず市場では受け入れられません。@どうして同じような投信が何本も上場されなければならないのか。A日経現物とどの程度連動するんだろうか、B投信の運用手数料が毎年引かれるたびに指数は下落するのだろうか、C日経先物とこのETFとの間での裁定取引が活発になったとき、ETFと日経現物はうまく連動するのだろうか、などなど疑問が湧いてでてきます。

特にCの裁定取引で使われたとき、日経平均・TOPIXに思わぬ影響を与えることになるのではないか。個人投資家を証券市場へ導き入れ、証券活性化を図ろうとしているとき、このようなものを上場させるのはどんなものでしょうか。私の理解不足であればよいのですが。


(01.7.11) TOPIX 1227P(-21) 日経12005円(-295) 5.7億株


NYは10175ドル(-123)と下落。ナスダックも1962P(-63)と大幅下落。光ファイバーのコーニング社の業績悪化と工場閉鎖や1000人規模の雇用カットが発表され、IT・通信から下落。すでに6月にDWM関連株は業績の大幅悪化の予想で、株価は大きく下げていますが、これが現実のものとなってさらに株価を引き下げました。

ただ株価は予想が第一で、予想によってまずは株価は下がり(理想売り)、これでだいたいこの先の悪い材料を織り込むものです。その予想が現実になったときは、折込みずみであるとして株価はさらには下落しないことが多いのですが、昨日のように現実化してさらに株価が売られるのは、いかに市場が悲観しているかの証左です。このようなときはだいたいが株価は行き過ぎです。(さらに株価が下落するのは、予想を超えて現実が悪化したときです。)

WDM関連が下落となると、日本株では古河電が当然に先頭を切って下落するはずでした。一時800円を割り込んだものの引けは826円(-4)までもどしたのは、当面の底値圏にきたようです。


(01.7.12) TOPIX 1248P(+21) 日経12407円(+402) 5.9億株


NYは10241ドル(+65)と小反発。ナスダックは1972P(+9)とわずかにプラスでしたが、注目のヤフーとモトローラの4-6期決算が引け後に発表され、ヤフーは前期比で利益がプラスへ、モトローラは受注状況から今期〜来期にかけての強気の見通しを発表。マイクロソフトも正式な発表前に売上が前1-3月期に比べて増加の予想を発表しました。これで通信・ハイテク株の業績の下ぶれの懸念が薄れ、時間外取引のGLOBEXは上昇。

こういう状況であるのに、外国証券の朝方の注文は、売り3880万株、買いは2650万株で1230万株の売り越しでした。ただ財務省の集計では、7月第1週の外国人は買い越しとなっています。寄り付きの集計をみていると、てっきり売り越しであると思っていましたが意外なことでした。報道では外国人は市場外では買っているとのこと。あまり寄り付き前の成り行き注文の買い越し・売り越しは当てにならなくなりました。

ともかくハイテク株にようやく明るさを見出せるようになりました。値嵩ハイテク株は寄り付きから買い気配となるものが多く、高寄りした後もジリジリと値を上げました。ソニーは7420円(+410)、TDK6050円(+700)、松下通5150円(+490)、アドテスト9850円(+980)、京セラ10430円(+850)、東エレク7420円(+720)の大幅反発です。ただ多くは目先の抵抗線である9日線にようやく届いたところです。25日線を上回ったのはTDKと東エレクの2銘柄だけ。9日線までは相場のアヤ(気まぐれ)でも達しますから。今日の反発を見て値嵩ハイテク株が底打ちしたとはいえませんが、TDK・東エレクが25日線からさらに進み75日線まで上昇するようだと、この2〜3日の安値が底値であったと確認できます。

おそらく今日のNYは+100ドル以上、ナスダックは+50P以上に上昇すると思いますが、これを受けて明日の東京市場が続伸するのか、あるいは戻り売りに押されるのか、運命の別れ道です。昨日のWDMの古河電はコーニング社の下落にもかかわらず下値で抵抗し、今日は881円(+55)と上昇したことから、ハイテク株は相当に先行きの不安を織り込んでいたようです。明日の米国市場の上昇は、さらに東京市場を刺激するのではないかと期待しています。


(01.7.13) TOPIX 1244P(-4) 日経12355円(-52) 7.1億株


NYは10478ドル(+237)と大幅上昇。ナスダックも2075P(+103)と2.5%の大幅上昇。外国証券の朝方の注文は、売り3330万株、買いは2930万株で400万株の売り越し。

前日の日経平均の急騰に続き、米国市場の急騰を受け、今日の寄りはどうであるのかが焦点でした。小高く寄り付いたもののオプションSQがやや売り越しだったようで、すぐにマイナスへ転じる銘柄が増加。しかし大きくは下げないで引けました。日経平均の昨日の402円高に対して今日の-52円安というのは、焦って戻りを売ろうとする勢力はまだ少ないことがわかりました。昨日の株高は値嵩ハイテク株の上昇につきますが、ソニーは+410高に対して今日は-40円安、TDKは+700円→-120円、アドテスト+980円→-300円、東エレク+720円→+60円とナカナカのものです。

もっともソニーは株価が25日線を下回った5月30日(この日の終値は9400円)以来一度として25日線まで戻ることがなかった(ばかりか9日線すら上抜けなかった)ので、買い単価が高すぎて、この水準では戻りを売ろうにも売れないというところでしょう。戻り売りがでるのは25日線の水準の8000円くらいからで、ここでどのようなことになるのか。待ってましたとばかりに大量の売り物がでて長い陰線で再下落してしまうのか、戻り巾の半値下げまでで踏みとどまるのか。

昨日のマイクロソフト・GE・ヤフーなどの4-6期決算の発表で、米国のハイテク株の業績は思ったほどには悪化しないということがわかりました。モトローラのように4-6期は悪くとも来年はよくなるという見通しがでれば株価は上昇します。まだ4-6期決算の発表は始まったばかりなので、米国市場はなお弱気が5分、東京市場は弱気が8分9分といったところですが、どうもハイテク株は市場の足を引っ張る原因にはならなくなった感じです。

NTTは先日、社員の6割にあたる10万人を別会社に転籍・出向させるという大英断を下しました。NTTの技術と資産があればどうにでも新分野へ展開できるはずですが、法律で手かせ足かせをはめられていては新しいことができず、結局は人減らしで延命するということになってしましました。NTTは、@ドコモ株を売却して、この資金でA政府が保有するNTT株を買い取り、B自己消却して自由な企業に変わればあっさりするように思われますが、そうもいかないのでしょう。

日経平均は9日線に触れましたが、TOPIXのグラフはまだ9日線まで到達せず。しばらくは米国企業の業績発表が一番の関心事です。これを受けたナスダックに東京市場は連動する動きになるようですが、どうも米国ハイテク株はプラスの方向に向いたようなので、TOPIXよりも日経平均のほうが動きは軽くなりそうです。日経平均は25日線の12600円台が当面の目標。


(01.7.16) TOPIX 1242P(-1) 日経12343円(-11) 4.6億株


NYは10539ドル(+60)と続伸。ナスダックも2084P(+9)と前日の大幅上昇に続いて上昇。外国証券の朝方の注文は、売り2540万株、買いは2530万株で10万株の売り越し。

何といっても目下のところは米国の4-6期決算がどうでるかが焦点ですが、米国がよい方に期待していることが週末の米国株の続伸で明らかになりました。これからIBMとかインテルとかの決算がでてきますが、これを見てから方向が決まります。

松下の4-6期の連結営業益は初めて赤字になったと報道され、松下は1904円(-6)。営業赤字というのは本業が赤字であるということですから、松下の商売のやり方は目下のところイエローカードです。松下グループでは早期退職を募集するとの報道もありましたから、松下も本気でリストラを始めるようです。松下の営業赤字の報道によって、株価は寄り付きこそ安かったものの戻して終りました。思ったほどのマイナス材料とはなりませんでしたし、他の家電・半導体の株価には影響を与えませんでした。市場は営業赤字は松下の個別的な問題であると判断しました。

これを見てもハイテク株の現在の株価は今後の相当な悪目まで折り込んでいるようです。悪いニュースがでたからといって売っていてはいけません。そろそろ悪いニュースは悪材料出尽くとなってかえって株価を上昇させることになるのでは。

参院選が終るまでは国内ではめぼしい材料はなく、今日は暑い夏を材料にしてビールメーカーや飲料水メーカー(カルピス・伊藤園)あるいはクーラー(ダイキン)などが買われましたが、いかにも小粒です。買うものがないので今日の出来高は4.6億株、売買代金は4300億円と薄い薄い商いとなって、株価も上下140円巾の無風状態です。


(01.7.17) TOPIX 1223P(-18) 日経12128円(-214) 5.1億株


NYは10472ドル(-66)と反落。ナスダックも2029P(-55)とダウン。外国証券の朝方の注文は、売り2550万株、買いは2280万株で270万株の売り越し。

米国安を受けて寄り付きから安くなりましたが、これはNY市場に上場している日本株(ADR)の株価にさや寄せするためです。寄り付いてしまってからは、やや弱含みながらも膠着状態になり、ほとんどの銘柄は動かず。売買代金は2日連続して5000億円を切りました。ちょうど《カナル2》のバージョン4の仕上げにかかっている時期(マラソンでいえばメインスタジアムに戻ってきたかというところ)なので、私としてはあまり相場を気にしなくてよいのですが。


(01.7.18) TOPIX 1199P(-14) 日経11892円(-235) 5.9億株


NYは10606ドル(+134)と上昇。ナスダックも2067P(+38)と上昇。NYの取引終了後発表されたインテルの4-6期の業績は-76%の利益減でした。予想では-80%減になるであろうとのことであったので、これは予想の範囲内。むしろ思ったよりはよかったというべきでしょう。インテルの見通しでは7-9期が在庫の積み上がりが最高で、その後はよくなるとのこと。これを受けて外国証券の朝方の注文は、売り2690万株、買いは3200万株で久しぶりに510万株の買い越し。

ところが東京市場ではインテルの-76%減益を重視して、値嵩ハイテク株は軒並みに安い水準で寄り付き、その後はジリジリと下げて日経平均は3月以来の12000円割れ。TOPIXも同じく3月15日以来の1200P割れとなりました。特に日経平均は終値ベースのバブル以来の最安値は11819円ですが、今日のザラバ安値は11847円まで下落し、このままでいけばザラバ最安値の11433円で止まるかどうかの瀬戸際になりました。

日経平均は2000年4月でプッツンと断絶し、指数の継続性を失っていますから、まあこの値段になってもさほど深刻には感じませんが、TOPIXが1199P引けになったのはやや危機感を抱きます。というのは、日銀がゼロ金利復活を発表した3月21日に上昇のスタートを開始し、この日は前日の1199P(今日と同じ値段)から+76P高の超大陽線となって5月高値まで上昇したのでしたが、今日のTOPIXは日銀の量的緩和の復活前の水準に戻ったわけです。このまま何の対策もでないならば、まず先のザラバ安値1125Pの下抜きは自然の流れとなりました。

ただし昨日今日の相場は、参院選に突入した今、新しい政策はでてこないので足元をすくわれる恐れがないとナメてかかった思惑の売りが相当にあるようです。買い方としては売られすぎであると思っても、選挙がすむまでは政治に期待できないので、これを甘んじて受けるしかないという状況です。


TOPIXをより引き下げたのはドコモの大幅下落です。ザラバ安値は3月5日の1800(千円)に面合わせ。終値は1840(千円)-110の大幅続落です。確かにドコモの携帯の加入者は伸び悩み、世界の携帯電話会社は過剰投資で収益が悪化し、ソニーや松下通信のドコモ向け携帯電話のバグがでたり、迷惑メールがあったりと、よい話題はありません。そこへNTTがドコモ株を売却するのではないかの観測がでれば、株価は下落します。

ただドコモ株は50円額面では1800円です。NECの1600円、富士通の1200円に比べれば相当に割安感があります。世界の携帯電話の会社でドコモほど借入金の少ない会社はないし、世界一の実力がある企業にしては評価が低すぎるのではないか。週足グラフから下値のメドを見ると、@初めて26週線を下回ったaからの下値目標値は1930(千円)、A初めて52週線を下回ったbからの下値目標値は610(千円)、B高値4570(千円)からbの安値2590(千円)までの下落巾は1980(千円)ですが、これと同じだけcの3400(千円)から下げたと仮定したときの下値目標値は1400(千円)です。

Aの下値610(千円)は問題外であるので、底値ゾーンは1930(千円)〜1400(千円)となります。この間で分割して買えばよいわけです。2度に分割すれば、1930(千円)と1400(千円)の買い。3度に分割できる方は1930(千円)→1665(千円)→1400(千円)です。いまは2000年初頭のネットバブルの裏返しで、思った以上の安値がつきます。(その分過大に悲観し過ぎているのですが)予想した以上の下値があることを思って対処しなければなりません。


(01.7.19) TOPIX 1195P(-4) 日経11908円(+15) 5.9億株


NYは10567ドル(-36)と小反落。ナスダックは2016P(-51)と下落。グリーンスパンFRB議長は、米国景気の下ぶれの懸念を表明。これによって8月のFOMCでは金利引下げの観測が有力となりました。業績悪と金利低下と好悪どちらの材料に市場は響くかというところでしたが、NYは中立、ナスダックは業績悪のマイナスを評価しました。金利引下げの今年になって5回目6回目ともなるとインパクトは1回目の1/5・1/6に減じますから、先の金利低下による景気の底支えないし景気の反転を遠望するよりも。眼下の景気悪を現実的な材料としました。

思うに人間は追い詰められれば追い詰められるほど、目先のことしか見なくなります。将来のことを考える余裕がなくなります。「先のごちそうを思うよりよりも、今日を食っていくほうが先だ。」というわけです。現実が好転しないと即効性のある政策を期待し、短期的に好転の兆しが見えないと続々に次の要求をしていきますが、国民経済という大きな分野では、打った手がすぐに効果を出すことはなく、タイムラグがあります。実際には効くべき手が打たれているのに、短期的に効果が出てこないときは、屋上屋を重ねるかのごとき次の手を要求し、これが大きな過ちを犯すことが往々にしてあります。

思い出せば、1989年のバブル時に土地の高騰を押さえるために日銀は連続して金利を引き上げました。89年1月には4.80%であった長期債金利は89年12月には5.8%へ上昇しましたが、なお地価が上昇しているのでさらに金利引上げに走り、90年3月には6.96%へ。ここですでに2%以上の金利上昇でしたが、眼下の土地バブルにあわてふためいて90年9月には7.96%への金利高誘導となりました。しかしすでに株価は暴落しており、このときは史上最高値から約半値になっていましたが、そんなことはお構いなしで、とにかく地価が下がるまでは金利を上げ続けたわけです。結果はオーバーキル(過剰な金融引き締め)となり、バブルは崩壊。崩壊はよかったけれども金利を操作する日銀自体が、金利の実効性を把握できていなかったために、このときから向こう10年15年の日本経済を完全につぶしてしまいました。たぶんバブルから30年間はその後遺症は消えないと思いますが、今の巨大な不良債権ができた原因は日銀の金利政策にあります。

日本とは逆のことをしているのが米国で、1月の金利引き下げからその効果が出たかでないかを待たずに、次々に金利を引き下げてきましたが、それでも追い詰められた株式市場は満足しません。株式市場は自分に都合のよい要求ばかりをしますから、株式市場の意向に迎合した政策を取るならば、株式市場が満足したときには、おそらくそのときはやりすぎになっています。行き過ぎた金利の低下は、バブルかインフレにつながります。そうなったときの相場の方が今の何倍も怖い状況になります。米国市場もそうバタバタしなくてもよいのではないか。


(01.7.23) TOPIX 1163(-31) 日経11609円(-293) 6.3億株


先週のNYは10610ドル(+40)と→10576ドル(-33)と小幅に上下。ナスダックは2046P(+36)→2029P(-17)とこれまた小幅な動きでした。この間に多くの有力企業の4-6期の決算の発表がありました。木曜日はデルがよい決算を出したために上昇し、金曜日はマイクロソフトの4-6期は悪くなかったものの7-9期予想が慎重であったので、ハイテク株の底打ちの時期が見通せず、マイナスになりました。

東京市場は3連休で、この暑いさなかに休みであるのはなによりの幸せでしたが、休日が明けると大変な事態が待っていました。外国証券の朝方の注文は、売り2960万株、買いは2160万株で800万株の売り越し。今日は重要な時期に来ていると思われるので、グラフは縮小せずにそのまま掲げます。




今日の下げの主役は銀行株でした。値嵩ハイテク株やNTT・ドコモが新安値を取ってきたのも問題ですが、銀行株の今日の売られようはどうしたことでしょうか。先週末に柳沢金融担当大臣が銀行の自己査定と金融庁の検査マニュアルの結果とは大きな乖離がある、と外国プレス向けに発言したとかで、朝方から大量の売り物がでました。みずほは金融庁の検査が終り、その発表前であったので特に売られ一時はS安。引けは421(-33千円)でした。出来高がものすごく出来て、50円額面換算では3500万株です。銀行株は三井住友が849円(-41)、三菱東京が889千円(-78)、UFJが528千円(-45)、あさひ200円(-12)、大和銀124円(-12)と急落。証券マンから「興銀がヤバイという週刊誌の記事がでていたようだが知っているか」と電話も入り、「そんないい加減な記事があるのか」と答えましたが、まあ疑心暗鬼の状況が作られてきました。

おそらくは売り叩きの動きが大きくでているのでしょうが、値動きに騙されてはいけません。売り叩いた後は大反発と決まったものです。値嵩ハイテク株は京セラ・松下通を初めとして今日も大幅安となりましたが。東エレクだけは連日の逆行高をして7160円(+160)です。買い残・売り残ともに90万株ほどで、特に信用の取り組みで動いているわけではないようです。東エレクに限らず、値嵩ハイテク株は信用(仮需)の影響がなければ、大体はすでによい水準まで下げてしまっていると思ってよいのではないか。銀行株も同様でしょう。

TOPIXのグラフですが、今日で6日連続の陰線(しかも連日の高値を切り下げ)となりました。6連続陰線というのは図の@の昨年12月の下げ以来です。なおAの3月の下げは5連続陰線でした。今日の長い陰線を見ると、ここが先途とばかりに売った(投げた)様子です。日経平均は3月の終値ベースでのバブル崩壊以来の安値11819円を割って騒がれていますが、TOPIXのバブル崩壊以来の安値は974Pですから、まだ20%ほど上位にあります。ただ3月で大勢波動が上昇に転換したと思いましたが、しかし大勢波動が上昇波動にあり続けるには200日線を超えていなければなりません。5月初めの何日は200日線をクリアしていましたが、その後は下回ってしまい、大勢上昇転換はしているのかに疑問が出てきています。ここで3月のザラバ安値1125Pを下抜くことになると、完全に大勢上昇波動は否定され、4月5月の上げは中間の反騰であったということになります。

今の下げのメドですが、@aから初めて75日線を割り込んだbの日までの下げ巾を、bより下げるとするならば1145Pが目安になります。これで収まるようなら、安値1125Pの上位ですから8月以降(参院選後)に大反発の期待が持てます。A75日線を割り込んだ後の小波動のボトムはcですが、aからcへの下げ巾分だけcより下落するならば、下値は1049Pになります。これは完全に安値1125Pを下回りますから、大勢波動は上昇転換してはいなかったということになります。この後の上昇は戻り売りになります。

微妙なところが、Ba→cの下げ幅を戻り高値から下げると仮定した下値の1109Pです。3月安値から5月高値までは2段の上昇をしています。強い相場(大勢波動が上昇転換しているなら)であれば2段で終ることなく、3段の上昇につながったのですが、そうはなりませんでした。今の下降相場は、a→cとd→現在までの2段下げ目にありますが、2段上げに対して2段下げで終れば、これに越した事はありません。しかし大勢下降波動下にあるのであれば、3段の下落も覚悟しなければなりません。1109Pで止まるか止まらないかは極めて重要です。


(01.7.24) TOPIX 1179(+16) 日経11883円(+273) 6.6億株


NYは10424ドル(-152)と急落。ナスダックも1988P(-40)と2000P割れ。主だった銘柄の4-6期決算発表はだいたい終っていますが、昨日の下げは3Mとレックスマークの決算を反映したもので、2番手3番手の企業の業績悪をことさらに重視して下げるというのは、いわばトドメの下げのように思われます。まあそれほどまでに市場は弱気になっているということでしょうが、皆が弱気になればその後は下げようがありません。米国では、4-6期が最悪期ではないか。7-9期も減益となるが4-6期ほどではない。という予測が半分くらいあるようです。

外国証券の朝方の注文は、売り3330万株、買いは2650万株で680万株の売り越し。最近は外国証券の朝方の注文状況は、必ずしもその日の相場を予見していません。7月に入って1000万株以上買い越したり、売り越したりした日を見ると、@7月2日は-1060万株売り越し→TOPIX-14P安、A7月9日は-1690万株売り越し→TOPIX-15P安、B7月10日は-1030万株売り越し→TOPIX+11P高、C7月12日は-1230万株売り越し→TOPIX+21P高、となっており、売り越し=TOPIX下げになった割合は50%です。それほどあてにはならなくなりました。

NYが152ドル安であったので、今日のTOPIXはいよいよ3月安値の1125Pへの下値探りになるのかと思っていましたが、寄り付きは存外に強く、銀行株は高寄りし、値嵩ハイテク株も強いものが多く、古河電にいたっては買い気配。カラ売りの買戻しが入っているのですが、NY安をカサに着て売るのではなく、これを無視しての買戻しというのは意外でした。

日経平均がとりあえず新安値になったので目標達成ということなのでしょうか。日経平均の新安値はテレビや新聞で大きく取り上げられました。いまだに株式市場といえば日経平均を取り上げるマスコミはまったく無責任で、煽情的な姿勢はなんとかならないのか。日経平均を市場の指数として扱うのは大間違いである。その日経平均のETF(上場投信)を連日囲み記事で、さもよい商品であるかのように報道している日経新聞もそうですが、上場した証券会社も信用がおけません。日経平均でもって市場をうんぬんするのは百害あって一利なしです。

それはそれとして、株価不安に対する政府の動きは財務大臣の「なにかいい考えがないか」という頼りないものでした。すでに森内閣時代に緊急経済対策が打ち出され、@銀行保有株の買取機構の創設や、A証券税制の改正は決まりであったはずであるのに、何一つ実行されていません。小泉内閣は発足以来3か月が経とうかというのに、「骨太の」提案やら目次やら方針やらと言葉が並ぶだけで、バーチャルの世界で遊んでします。方針は立派なものを出しましたが、具体的なものが出てこなければ、気が短い株式市場は待ってくれません。この内閣も株式市場が反乱を起こしたのを見て、それから「どうしたらいい?」という知恵も行動力もない内閣であるということがよくわかりました。

参院選までは具体的なものはでてこない、と見切った売り方によって株価は下落しましたが、今週中にこの売りは手仕舞わねばならず、その動きが今日は出てきて、しばらくは助かったというところです。参院選後に構造改革とセーフティネットについての具体策がでてこなかったら怖いことになるのでは。


(01.7.25) TOPIX 1189(+9) 日経11891円(+8) 6.4億株


NYは10241ドル(-183)と連日の大幅下げ。ナスダックも1959P(-29)と続落。ハイテク株の主だった銘柄の4-6期決算発表はだいたい終わり、昨日からはオールドエコノミーとひところ言われた企業の決算発表で、NYダウは大幅下げが続いています。

今日の日経新聞によれば、米国500社の4-6期は-15%の減益、7-9期は-6.1%の減益、10-12期は増益に転じるというのがアナリストの集計だそうです。対前年同期比ですから、昨年の4-6期は米国景気はピークであったわけで、1年前の利益最高の時期と比べた割には-15%減益というのは軽く感じられます。

IT関連株の4-6期は-80%,-90%の減益は当り前で、赤字転落もありましたから、よほどIT関連は悪かったのですが、ナスダックはピーク時の40%まで下落してしまっているので、ここへきての業績悪の発表はたいして株価に響かなくなりましたが、堅調を維持していたNYダウは現実悪を織り込みはじめました。

外国証券の朝方の注文は、売り2860万株、買いは3690万株で820万株の買い越し。NYの180ドル安というのは普通ならば大変だとばかりに日経平均を200円や300円は引き下げたのでしょうが、昨日からのカラ売りの買戻しがあって、小安く寄り付いた後はかえって高くなりました。前引けは日経平均は12000円を回復、TOPIXも高値は1201Pと大台を回復。買戻しが急であったのは銀行株で、みずほは一時S高。買戻しが一巡すると次第に値がだれてきましたが、結局はみずほ458千円(+16)、三井住友895円(+23)、三菱東京941千円(+24)、UFJ569千円(+18)と続伸。

古河電は、昨日はルーセントの光ファイバー部門を買収交渉の報道でしたが、今日は買収が決定となり、早々と+100円S高で張り付きました。買収資金3400億円がスッとでるのだから日本企業もまだまだたいしたものです。これで古河電は世界第二位の光ファイバーメーカーへ。ただし日本企業が外国企業を買収ないし提携したもので規模が大きかったのは、ブリジストン・松下・ソニー・JT・ドコモなどが思い出されますが、その後の株価はたいしたことにはなっていません。

松下通は今日引け後に4-6期の決算発表ということで朝方はマイナスで推移していましたが、次第高となって4410円(+70)で引けました。引け後発表された数字は44億円の赤字で、上場来初めてのことのようです。昨年12月に17420円をつけていたものが業績悪の予想で、昨日の安値4020円まで-77%の下落となり、2001年3月の決算後の高値8800円から3か月で半値以下になっていますが、今日の数字を見てどこまで売られるのか。4020円を保つようであれば悪材料はほぼ出切ったということになりますから、明日の株価が注目されます。


(01.7.26) TOPIX 1192(+3) 日経11858円(-33) 5.3億株


NYは10405ドル(+164)と反発。ナスダックも1984P(+25)と上昇。外国証券の朝方の注文は、売り2260万株、買いは3010万株で750万株の買い越し。

昨日引け後発表された松下通の4-6期は-45億円の赤字。2001年9月の中間決算の予想は-185億円というのは、かつての有卦に有卦た高収益会社のイメージはありません。どうなるかと思われた今日の株価でしたが、売り気配で始まり、一時はS安の3910 円まで下げました。しかし買い戻しもはいって3990円(-420)で終りました。先日のザラバ安値4020円は下回りましたが、4020円の株価は赤字を織り込んでいたといえます。ただ4-6期が45億円の赤字で、9月中間期が185億円の赤字予想ですから、7-9期は-140億円の赤字ということになります。7-9期は4-6期の4倍の赤字になるわけで、業績の底打ちは10-12期以降にずれることになりましたから、株価的にはカラ売りの買戻しが終った後は再び弱くなりそうな感じです。

ソニーは引け後、4-6期の営業利益は-90%減になり、利益は300億円の赤字と発表。2002年通期の予想は大幅に引き下げられ、従来の1500億円から900億円の利益予想へと下方修正しました。携帯一本槍の松下通がこけるのはしかたないとしても、パソコン・半導体・AV機器・通信・エンタテイメントと幅広い分野をもつソニーが赤字というのでは、明日のハイテク銘柄の株価がおもいやられます。松下通よりマイナスのインパクトはきつくなります。

松下通の下げは特に他の電気株には波及せず、ややほっとしましたが、またまたソニーの赤字が明日はどう影響するのか、目が離せません。市場はこれから逃げるかのように商いは薄れ、再び低位株へと向かうかのようですが、国債利回りが一昨日は1.400%に上昇したように、低金利による株価押し上げの力は落ちていますから、大きな相場になるとも思われません。米国株式相場と参院選後の政策に期待するほかはありません。


(01.7.27) TOPIX 1184(-8) 日経11891円(+8) 5.5億株


NYは10455ドル(+49)と続伸。ナスダックも2022P(+38)と2000Pを回復。外国証券の朝方の注文は、売り2870万株、買いは2840万株で30万株の売り越し。

米国は業績悪化の材料をほとんど織り込んだように思われます。昨日もナスダックは-21Pへいったん下げてから最後には+38P 高へ上昇し、NYダウは-121ドル安から+49ドル高へ上昇しているのは、現実悪はすでに織り込みずみで、少々のことでは下がらない。ということのようです。

昨日引け後に発表されたソニーの予想外の悪い決算の影響が心配でしたが、東京市場は当然ながら売り気配で始まり、値を下げに下げてS安寸前の6080円(-990)へ。ここから戻して6260円(-810)で終ったのは、松下通と同じようにすでに株価は業績悪を相当程度に織り込んでいたことが確認されました。

ソニーはいろいろな分野に手を広げていますから、その関連の業種への悪影響(連鎖安)が心配されましたが、携帯の松下通にはほとんど響かず3980円(-10)。半導体・パソコン分野は、NECと富士通が9月中間の下方修正をしたため、もろに響いてNECは1529円(-77)、富士通は1104円(-41)。ただこれでNEC・富士通の株価は業績悪化をほとんど株価に反映したことになるのでしょう。家電分野では先に営業赤字の予想を出した松下が売られ1682円(-81)と大幅な下げとなり、三洋電も682円(-36)。出来高上位10社に、ソニーを入れて以上の5社が入りましたから、やはりソニーの影響は大きかったわけです。

ハイテク株は全滅でしたが、市場全体の値上り銘柄数は710(値下がりは596)と4日連続して値上り銘柄数が値下がりを上回り、TOPIXの大下げには至りません。売り方にとっては今日のソニーは絶好の売り材料のように思えましたが、ハイテク株の値下がり巾はたいして拡大せず、これに引っ張られることなく値上り銘柄数が多いのは、底固い証明です。


(01.7.30) TOPIX 1168(-15) 日経11579円(-218)
4.7億株


先週末のNYは10416ドル(-39)と反落。ナスダックは2029P(+6)と小幅ながら続伸。米国4-6期のGDPの伸び率は0.7%へ低下したことが発表されましたが、ほとんど材料にはなりませんでした。外国証券の朝方の注文は、売り2510万株、買いは2820万株で310万株の買い越し。

昨日の参院選は自民党の圧勝となりました。小泉人気の割には投票率は悪く50%台でした。この国の進む道は自らが決めるのだという人が半分、お任せしますという人が半分です。自民大勝は小泉内閣がやろうとしている構造改革を国民が信任をしたということですから、参院選の政策の空白をすぐに埋めるべく、いよいよ具体的な策がでてきます。楽しみです。

東京市場は、寄り付きこそ小高かったものの、積極的な買いが入らず、ソニー安が他の値嵩ハイテク株を引き下げ、日経平均は終値ベースではバブル以来の新安値更新。しかし先週末に大幅減益あるいは赤字を発表したNECは1560円(+31)、富士通は1106円(+2)と上昇。今日の出来高は4.7億株とまったく低調であったのは、自民大勝の後、小泉内閣はどういった構造改革を具体策として打ち出すのかを見てみたいということでしょうが、8月中に前倒しでできる政策から発表されるようですから、今日のような見送り商状もそう長くは続きません。

最近感じることですが、何かの材料がでたとき、その日は相場に響かず、翌日になって響くということが多くなってきました。ネット社会になった現在では、情報はすぐに届き、翌日の新聞をみて初めて知ったということは少なくなりました。そのぶん株式市場は早めにその材料を取り込んでよいはずですが、意外にもワンテンポ遅れて相場に響くのはどうしたことでしょうか。たぶんいくら早く情報を入手しても、これが悪材料なのか好材料なのかを判断することができなければ、誰かが判断したのを見てこれに追随するしかありません。そこでワンテンポ遅れ、遅れたぶんだけワッーと買いなり売りなりがでる、という様子になっているのだと思われます。

8月10日に来年度予算の概算要求基準が決定され、同じ日に特殊法人の個別事業見直し案が発表されると報道されました。特殊法人の見直しについては、例えば先週末に住宅公庫の新規融資をストップするという案が報道されていましたが、これひとつとっても、住宅公庫の融資が民間の銀行の融資に振り変わるわけで、貸し出し先不足に泣いている銀行にとっては大きな商売のチャンスがでてきます。こういったふうに具体的な話がでてくる8月からは政治が相場によいインパクトを与える局面が何度もありそうです。


(01.7.31) TOPIX 1190P(+21) 日経11860円(+281) 5.7億株


NYは10401ドル(-14)。ナスダックは2017P(-11)と小幅安。外国証券の朝方の注文は、売り2900万株、買いは3240万株で340万株の買い越し。

自民大勝を受けてさあこれからという昨日でしたが、日経平均は新安値になったのはどうしたことでしょうか。一晩考えて今日は寄り付きからハイテク株の買い戻しが先行。高く寄った後も次第高となって、昨日の下げ巾を取り返しました。ハイテク株は昨日売り込まれたぶんだけ上昇し、ソニー6150円(+320)、松下通4150円(+210)。昨日上昇していたNECは1669円(+109)、富士通1165円(+59)と大幅上昇。

このたびの骨太の方針で、いの一番にやるべしとされている不良債権処理の銀行株は、富士銀が米国子会社(ヘラー)をGEに売却し、売却益が1200億円でる、との報道があってみずほが先導して上昇。みずほ480円(+12)、三井住友894円(+16)、三菱東京999円(+58)、UFJ564円(+15)。


参院選挙中は、構造改革の具体案が発表されず、売り方のやりたい放題でしたが、小泉首相は8月中に「構造改革の工程表」をだすと発言。当座は10日の来年度予算のシーリングと特殊法人の見直し案が出ますが、このほかに何がでてくるのか。(各種の規制緩和のスケジュールが出されれば最高ですが)翌月9月の臨時国会では、証券税制の改正と予算を伴った雇用対策が議題になり、9月末には時価評価会計による中間決算、12月には新しい枠組みでの来年度予算の審議と材料は豊富にあります。

注目すべき順は、@来年度予算のシーリングです。予算が減るものもあれば増えるものもあります。どこに重点的に予算を配分するのか。重点配分された分野が向こう2年3年の有望分野になります。A特殊法人の見直しは「民間でできることは民間へ」の標語によって民間部門へ新しい経済チャンスが出てきます。B雇用対策では単に「雇用の創造」といった絵空ごとではなく、どれほどの失業対策費を積めるのかが見どころです。失業保険の給付期間を3年にするとか、今話題になっているオランダのワークシェアリングを導入するとか、思い切った対策がでれば、市場は一気に大逆転となるのでは。

グラフを見れば、日経平均は昨日の引けでは確かに新安値になったもののザラバ安値は7月23日のザラバ安値を下回りませんでした。昨日のザラバで新安値にならなかった→売り込んでみたが案外に下値は固かった、ということで今日の買戻しになったのです。終値だけを重視すれば、昨日は新安値→底抜け→今日も大下げ、とならねばなりません。ザラバにこそ値動きの意味があります。

TOPIXでははっきりとはしませんが、日経平均は、7月23日(a)と昨日7月30日(c)のザラバ安値がほぼ同じ水準になり、小さい(7月23日〜30日までは7日間)ながらも「W底」の形になってきました。W底の真中のザラバ高値(b)は12054円ですが、終値でこの値段を上抜いてくるならば、25日線(12265円)までの戻りは固く、うまくいけば12500円が目先の上昇メドになります。10日の予算のシーリング次第では、今は難攻不落と思える75日線(13128円)もあるか、と期待しています。


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