TOPIXをどう見たか・判断したか (01年5月)

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(01.5.1) TOPIX 1411P(+45) 日経14425円(+491) 11.9億株


先週末から週初のNYは10810ドル(+117)→10734ドル(-75)。ナスダックは2075P(+40)→2116P(+40)と続騰。外国証券の朝方の注文は、売り2900万株・買い48705万株で、1970万株の連日の大幅買い越し。

米国の1-3月期のGDPが年率2.0%の成長と報道され、米国IT産業の底うちの期待が高まりました。ナスダックは続伸し、シカゴの日経先物は14340円となるなど、海外からの支援材料があった上、先週末の世論調査で小泉新内閣の支持率は80%〜85%というとんでもない支持率を集め、小泉内閣はこの支持率をバックにして、構造改革をやりやすくなったの判断から、GWのはざ間ながら寄り付きから買い意欲あふれる相場となりました。

機関投資家はGWで一服のようですが、個人・外国人は買い人気に傾き、前場+297円高から後場は+491円高と上昇。ちょうどTOPIXは200日平均線の目前にあり、この200日線はなかなか上抜けまいと思っていましたが、いとも簡単に突破してしましました。

日経平均の200日線はいま14663円の水準にあって、なお250円ほど上方にありますが、TOPIXが200日線を軽々と上抜いたことは、大勢波動が上昇転換した可能性もでてきました。

大勢波動は景気の循環でいえば、期間が1.5年〜3年の在庫循環に相当します。生産増加→在庫増加→生産調整→在庫減少→生産増加の1サイクルは最短1.5年〜最長3.0年で循環し、株価もこれに合わせて上昇・下降をします。これを私は大勢波動と読んでいます。

TOPIXの大勢波動をあてはめれば、1998年10月→2000年2月までの1年3か月が上昇波動で、2000年2月→2001年3月までの1.0年が下降波動になっています。

98年からの大勢上昇波動では、少なくとも1.5年の上昇(通常なら2.0年)はあると思っていましたが、2000年4月にTOPIXは200日線を割り込んでしまい、上昇波動は予想より短期で終りました。今回の200日線突破も予想よりも早めに実現し、どうも最近は大勢波動の期間が短すぎるので、やや困惑しています。

ともあれ200日線を突破したのですから、相場の方向についていくしかありません。この3月から向こう1年は大勢の上昇波動が持続するという想定で、今後は押し目買いの方針になります。TOPIXの当座の上値のメドは1470Pと1523Pがありますから、ここまでは余勢(小泉人気)でいくとしても、メド達成後は200日線までの押し(TOPIXで100P、日経平均で1000円の下げ)が考えられます。


(01.5.2) TOPIX 1424P(+12) 日経14421円(-3) 11.3億株


NYは10898ドル(+163)。ナスダックは2168P(+52)と3日連続の上昇。外国証券の朝方の注文は、売り2770万株・買い4330万株で、1560万株の4日連続して大幅買い越し。米国景気は底打ちしたのではないかと米政府筋の発言もあって、米国市場は堅調。

東京市場は昨日の急伸と明日からの4連休をひかえて、朝かたから利食い売りが優勢となりましたが、下がれば押し目買いがすばやく入り底固い動きでした。日経平均は-3円安でしたが、時価総額の大きいドコモ2690千円(+60)、NTT873千円(+43)と通信株が上昇し、1424Pの高値引けとなりました。出来高は5日連続して10億株台、売買代金は2日続けて1兆円台にのせ、ボリュームは順調です。


日立が3日前に200日線を突破するや、昨日今日と急伸。今日は急伸後の十字足になったので、当面の上昇の限界にきたようですが、ソニーも200日線を突破するなど、単なる戻りではないような動きをするものが出てきました。

東芝・三菱電はなお200日線より下にあり、京セラ・松下通は200日線よりはるかに下方にあるので、まだ大方のハイテク株はリバウンドの域を出ていませんが、日立・ソニーのその後の動きに注目です。これらがさらに高くなるようであれば、その他の銘柄もリバウンドではなく上昇相場入りにつながります。

一方低位株はピークを出したのではないかと思われる銘柄が増えてきました。図の鹿島建は、ザラバ高値469円を出し、この日は上ヒゲの長いトウバ足を出しましたが、その後はジリジリと下げています。高値を出した日は前日の終値415円から窓を開けて429円で寄り付き、469円まで上昇したのですが、前日の終値415円〜469円はなんと54円巾あって、3月の安値278円からの上昇波動で最も長い陽線となりました。当然この日の株価は重要ポイントです。今後、株価が415円を終値で割り込むようだと、鹿島建の上昇は終ったと判断できます。(今日の終値は420円で、なお上昇相場は維持していますが。)

なお大成建の重要ポイントは304円(今日は334円)、清水建は547円(今日は579円)でまだ少し余裕はありますが、大林は高より後陰線→連続陰線と上昇が頓挫し、佐藤工・飛島・フジタなど超低位株は高値から長大陰線となるなど、頭打ちの状況になりましたから、そろそろ低位株は調整入りしそうです。

昨日、TOPIXの上値メドは1470Pと1523Pといいましたが、1つ忘れていました。その前に2000年2月高値1757P→2001年3月安値1125Pへの632P下げの半値戻し(316P)が1441Pになります。これはザラバベースですが、終値ベースでは1741P→1161Pへの下げの半値戻りは1451Pです。1470P・1523Pの前に、1441P〜1451Pがあります。連休明けにこの水準があれば慎重になったほうがよいのでは。


(01.5.7) TOPIX 1440P(+16) 日経14529円(+107) 9.8億株


日本がGW中のNYは108876ドル(-21)→10796ドル(-80)→10951ドル(+154)とやや強調子。ナスダックも2220P(+52)→2146P(-74)→2191P(+45)と強含みでした。。

4連休が明けて、外国証券の朝方の注文は、売り3610万株・買い6000万株とボリュームが膨らみ、なんと+2390万株の大幅な買い越しとなりました。完全に外国人(外国証券の買いだからといって外国人の買いとは限らないが)は日本株を買うという方針になりました。

朝方は利食い売りがでて一時は-200円ほど安くなりましたが、押し目買いが入り、しだいに値を戻してついにはプラスになり、ザラバ安値からは+340円ほど上昇して終りました。小泉首相の所信表明があり、構造改革への期待がでたようです。

所信表明なので個別の細かいことには言及していませんが、


@不良債権処理は2〜3年で終る、

A来年度の国債発行額は30兆円未満とする、というのは総裁選のときと同じ。

B新しいのは森内閣のIT戦略をすすめ、2002年までのIT普及の中間目標を出すということ、

C都市の再生と土地の流動化に向けて「都市再生本部」を設置し本部長に首相がなることでした。


具体策については6月以降にでるようですから、ここまではまだ期待感が充分で、相場も強調をみせるようですが、先行してきた低位株(特に建設株)は頭打ちがはっきりしてきました。図は大手ゼネコンのグラフですが、鹿島は重要ポイントを割り、大林は窓あけの陰線、大成建はまだ重要ポイントは割っていませんが3連続陰線で、陰線の長さは次第に長くなってきて、当面は調整入りです。

鉄鋼(NKK・住金)や化学(昭和電)、石油(Jエナジ)など低位株の代表として賑わった銘柄も反落の様相で、市場を引っ張るのはNTT・ドコモなど通信株、底打ちが期待されているナスダックに連動する値嵩ハイテク株となりました。

TOPIXは1440Pとなって、先週いった半値戻しの1441〜1451Pに迫ってきましたから、要警戒です。日経平均は200日線になかなか到達できませんでいたが、今日は14529円と200日線の水準の14630円にあと100円と迫ってきましたから、明日は目標達成となるのではないか。


(01.5.8) TOPIX 1410P(-30) 日経14289円(-240) 8.7億株


NYは10935ドル(-16)と小幅安。ナスダックも2173P(-17)の小幅安。外国証券の朝方の注文は、売り2110万株・買い2640万株で+530万株の買い越しとなりましたがボリュームは縮小。

小泉首相の所信表明がでて、構造改革をやるぞという意気込みを市場は充分に受け止めました。がその具体策やスケジュールの発表待ちとなり、今日は政治上の材料は出尽くしとなり、利食い売り先行になりました。今回のTOPIXの上昇は終値ベースでは3月14日の1160Pを安値にして、3月19日の日銀の量的緩和の発表があって急上昇をし、3月26日には1337Pへと177P巾の上昇。これが第1段の上昇でした。

4月9日までは,緊急経済対策の中身が期待の材料となりましたが、結局は緊急経済対策の材料ではゼロ金利復活の1337Pを上回ることはできませんでした。1337Pを上回ったのは小泉新総裁が決まった4月25日のことで、未曾有の小泉人気によって、昨日の1441Pまで100Pの上昇をしました。実に過剰な期待が込められていると思っていましたが、人気には逆らえません。

所信表明があった日に、銀行保有の株式買取機構の創設は、この国会では決めず、9月後半に召集する臨時国会で決めたいと自民党の山崎幹事長と麻生政調会長が発言したの報道がされました。9月後半に決まったとて、中間決算の9月30日に株価はどうなっているかはわかりません。さいわいにして、持ち合い株式の多くを占める低位株は3月4月に50%〜100%の上昇をしていますから、9月の買取機構の創設を待って、株式を召し上げられるよりは、いまこそ売却しておくべきであると思うのは当然です。

早々に株式買取機構ができるならば、時価を高めておいて高い株価で買い取ってもらおうという思惑で、低位株のもう少しの上昇もありましたが、9月ぎりぎりに創設ということになれば、今、株価の高いうちに売却したほうが銀行としてもより選択肢が広いことになります。市場はそう推測したのか、今日はすでに崩れかけていた建設株が本調子で下落、鉄鋼株も下落。当然に銀行株も売られ、みずほは740千円(-60)、三井住友は1124円(-61)、三菱東京は1300千円(-40)、UFJは861千円(-98)と大幅な下落。

もうひとつニュースがありました。NTTは東西で11万人の社員がいますが、このうち6万人を子会社へ移すと、一部の新聞で報道されました。ほんまかいな、とにわかには信じられないことですが、もし本当なら兼松がちょうど2年前の99年5月に、強烈なリストラをしました(資本金は410億円から70億円に減資、経営陣は退陣、社員は1900人を660人へ削減。)が、これに近いことが行われるわけです。兼松は減資後60円まで売られましたが、いまでは累損を一層できるところまで復帰し、株価も先日は380円台に戻っています。NTTにおいても本来であれば大材料ですが、今日は880千円(-18)と下落。それにしても6万人削減というのは空前にして絶後でしょう。

小泉人気の余熱があるので、今日のTOPIXは-300円安より下は下値に強い抵抗を見せました。しかし日経平均の足は悪くなり、先日いったTOPIXで100P、日経平均で1000円程度の下げが出てきてよいところです。


(01.5.9) TOPIX 1392P(-18) 日経14084円(-204) 9.5億株


NYは10883ドル(-51)と小幅安。ナスダックは2198P(+25)と小反発。外国証券の朝方の注文は、売り4870万株・買い3450万株で-1420万株の売り越しとなりました。

4月の投資主体別売買動向が発表されましたが、外国人は1兆900億円の買い越しでした。今年に入って4か月で累計2兆4000億円の買い越し額だそうで、今年の株価の上昇はひとえに外国人の買いによるものです。ただし今朝の外国証券の寄り付きの売買状況は1400万株の売り越しになって、(外国証券の注文だから外国人の注文であるとは限りませんが)弱気な寄り付きになりました。日経平均は後場ザラバで14000円を割ったものの、押し目買いの意欲が強く、小戻して終りました。TOPIXは1400Pわれ。

@売買シェアの50%を占める外国人が大幅な買い越し姿勢を示し、A小泉内閣に対する期待は強く、B3月来の株価上昇によって投資家は利を得ている、という状況ですから、少し下げればすぐに押し目買いが入ります。ただTOPIXは3月15日以来34日間、320P巾上昇して一昨日の1441Pに到達したのですから、この調整が2日や3日で終るとは思われません。少なくとも1/3程度の調整はあってしかるべきです。日柄でいえば10〜11日の調整、下げ幅でいえば100Pの調整があると思っています。

定点観測の7銘柄ですが、この3日で調整入りを表す銘柄がでてきました。図に重要ポイントと思われる水準に青色の水平線を描いていますが、この水準まで落ち、あるいはこれを下抜いたものがほとんどです。

鹿島は重要ポイントを割りました。急上昇してピークを出しているので、まず1か月はダメ。新日鉄はちょうど重要ポイントまで下げてきましたが、その前が大して熱狂していないので、大きな下げにはならないようです。住友鉱は200日線まで戻してから重要ポイント割れをしましたが、もともとが戻り相場なので、この重要ポイント割れはさほどの意味がありません。

ソニーの株価は重要ポイントより上位にありますが、今日の陰線はよくありません。頭打ちの可能性が強くなりました。みずほ・野村は重要ポイント割れをし、すぐに切り返しは無理のようです。相場全体をみるとき、ソニー・みずほ・野村の3銘柄は特に注目していますが、3銘柄とも当面のピークを出したようなので、市場では押し目買い意欲が強いようですが、来週一杯は調整するのではないかと思っています。


(01.5.10) TOPIX 1381P(-11) 日経14017円(-67) 8.5億株


NYは10866ドル(-16)とわずかに安。ナスダックは2156P(-42)と小反落。外国証券の朝方の注文は、売り4480万株・買い4470万株で-10万株の売り越し。


ドコモは連結で最高益3655億円の決算を発表しましたが、まったく響かず2560千円(-80)、NTTも844千円(-15)。銀行株もみずほ726千円(-21)、三井住友1098円(-19)、三菱東京1250千円(-40)と安く、TOPIXは安く終始しました。日経平均はSQがらみかそうは下げていませんが、4月の上昇相場を経てきているので、たぶん明日のSQは売り越しとなるのではなかろうか。

多くの銘柄は調整入りしています。値嵩株の戻りが鈍くなったので、今日あたりは再び低位株へ目が向いたようですが、出来高は8.5億、売買代金も7800億と減って、大型株がすぐに先の高値へ向かって上昇するだけのエネルギーはありません。

上昇してきた銘柄の今回の調整のメドは25日線の水準(まで下がる)です。25日線まで下げた銘柄は押し目買いの対象になりますが、25日線までの下げ方が問題です。急落したり、重要ポイントを下抜いた銘柄は、25日線で止まったとしても、ここから次の上昇波動につながらないことが多いので、注意です。

図は野村です。3月の安値1650円から5月7日には2890円へ1240円巾上昇しました。時価総額がベスト10に入る大型株としてはよく上がりました。3月以来の上昇局面では、押し目はAが75日線、Bが25日線と、押し方が次第に浅くなり、順調に上昇してきましたが、いままた25日線まで下げようとしています。基本的には25日線の水準で押し目買いをする方針でよいのですが、そのためには「急落しないこと」が条件です。

急落というのは短期間(13日間)に15%以上の下落をしたもの、と私は決めています。Cの高値2890円から15%下は2457円です。今日の終値は2560円なので、ここ何日かのうちにあと100円下げるようだと「急落」になります。いまの25日線の水準は2521円ですが、株価が下げて2457円になったとしても、25日線まできたから押し目買いだとはなりません。急落したということは、その銘柄に対する評価が急に変わったということですから、慎重に考えたほうがよいのです。急落が認められたときは、調整のメドは25日線ではなく、ひとつ下の75日線の水準まで待ったほうがよいでしょう。


(01.5.11) TOPIX 1376P(-4) 日経14043円(+26) 8.1億株


欧州中央銀が利下げに踏み切ったのを好感してNYは10910ドル(+43)と上昇。しかしナスダックは2128P(-27)と小巾ながら続落。外国証券の朝方の注文は、売り2970万株・買い3080万株で+110万株の買い越し。

TOPIXは月曜日に1440Pの高値をつけた後は、-30P→-18P→-11P→-4Pと4日連続安となりました。しだいに下げ巾が縮小していることから、押し目買いの意欲が強いことがわかります。が、調整の日柄としてはまだ半分、下げ巾は2/3ほどがでただけで、もう少し整理したほうが上げ易くなりますから、来週一杯はモタモタして欲しいと思っています。

NTTは特にNTT西日本が足を引っ張って経常益が1/20へ、今期はマイラインによる値下げで赤字へ、と報道されました。まあ先日報道されたように社員半減のリストラをせねば、ジリ貧は目に見えています。それでも今日の株価は820千円です。50円額面で820円というのはなかなかの評価であるといわねばなりません。東京電力は50円額面換算では300円、東ガスが335円に比べれば、いまの株価は非常な高評価ですが、これはひとえにNTTがドコモの株式を2/3ほど所有していることにつきます。いわば立派に成長した子供におんぶされているわけですから、今日のようにドコモの持ち株比率を下げるような総務省の意見がでると下げるのはあたり前です。

株式投資の成績が上がらないというメールがたまに(半年に1回くらい)きます。こういうとき疑問に思うのですが、いつも失敗している人は、

@相場のスケールを考えていないのでないか、
Aいつでも買い場・売り場があると思っているのではないか、

ということです。@については株価が20%ほどしか上昇しない時期に、目標を30%高と思っても、それは実現しません。相場のスケールが小さいときは小さい目標を立てて利食うべきだし、スケールが大きいときは大きな目標を立てればよいのです。そんなことをいっても、相場のスケールが大きくなるか小さく終るかはわからないではないか、とおっしゃるでしょう。その通りです。過ぎて見ねば相場が大きいか小さいかはわかりません。ただせっかく《カナル》を使って、毎日データを受信して、毎日チャートをみているのですから、少なくとも今の相場はモデル波動のどの位置にあるのか?、買い意欲は強いのかそうでもないのか?熱狂しているのか慎重なのか?をチャートを見て、漠然とでもよいから感じるようにして下さい。売買のマークが出たか出ないかだけで売買を決定していては、当ったりはずれたりの繰り返しです。売買マークはきっかけで、根本はチャートを見てどう感じるかが最も大切です。

モデル波動はこのHPでくどく掲げているつもりでしたが、いま「TOPIXをどう見たか・判断したか」を過去に遡って調べると、なんと昨年7月から、モデル波動を掲載していないことがわかったので、右に載せます。

モデル波動は、このように株価が動いていくということではありません。そのエッセンスは、株価は@上昇がスタートした当初は深く押す(図の@)、次の段階では下げ巾がやや浅くなる(図のB,75日線まで押す)、さらに上昇すると買い意欲が高まり、押しはさらに浅くなる(図のD,25日線まで押す)。押しが深いということは株価の将来に対して懐疑的であり、押しが浅いということは、誰もが株価は上がるものだと楽観していることです。皆が楽観して買っていけば、それは最後の上昇です。押し目買いは図の@ABの3パターンしかありません。これ以外で買うから失敗するのです。

上昇巾についていえば、A→Bの上昇巾よりも、C→Dの上昇巾のほうが大きく、さらにE→Fの上昇巾は大きくなって、最後のG→Hの上昇はときとしてA→Fまで1か月2か月3か月かけて上昇した巾を、わずかに1週間たらずで、これを上回る上昇をします。G→Hの上昇巾がいつもあると思ってはいけません。G→Hの上昇は、その銘柄にとっては半年に1度、1年に一度のことですから、G→Hで利食いそこねたならば、半年1年をまたねば元の値段にはもどりません。

チャートを見るときはこういうことを考えて下さい。モデル波動では、買い場は@BDの逆張り(押し目買い)をするか、ACEの先の高値を上抜いた瞬間に買う(順張り)しかありません。これ以外の局面で買うべき場所はありません。


(01.5.14) TOPIX 1364P(-12) 日経13873円(-170) 6.1億株


先週末のNYは10821(-89)と反落。ナスダックも2107P(-21)と続落。外国証券の朝方の注文は、売り3490万株・買い3280万株で-210万株の売り越し。

15日のFOMCでは0.5%の金利引下げがあるだろうと予想して、米国ではこれより半月前から株価は堅調でした。NYダウは4月25日の10454ドルから5月4日の10951ドルまで+500ドル高、ナスダックは4月25日の2016Pから5月9日の2198Pまで180Pの上昇をしてきましたが、先にこの材料を織り込んでしまったので、FOMCが0.5%の下げを決めて当り前。これより引き下げ巾が小さいようだと株価は下落するという状況です。先取りの反省が出ています。

先取りをしたといえば、小泉政権が発足して内閣支持率が80%を超えたのは、先取りも極まった感じでしたが、ようやくヒステリックな動きが消えてきました。TOPIXは4月10日に1260Pの押し目をつけてから、5月7日の1441Pまで280P、率で14%の上昇をしましたが、この上昇の中で最大の陽線は5月1日の安値1379P・高値1411Pの31ポイント巾でした。この日は高寄りしたので、前日の終値の1366Pから計ると1日で45P巾の上昇です。当然にこの日の動きは重要ポイントであり、熱狂が最も表現された日でした。

その重要ポイントの1366Pを今日の終値はわずかに下抜きましたから、5月1日に熱狂して買った向きは、これが間違いであったことを思い知らされたわけです。しばらくはこの反省がなされなければなりません。米国・日本ともに楽観の反動がでています。しかしTOPIXは当初から-100P下げれば調整が完了ではないかの感じでいます。今日で高値1441Pから-100P下げの1341Pまであと20P余りまで下げ、ちょうど25日平均線の水準が1342Pになっているので、下げの日柄はなお不足していますが、値幅的には明日・明後日で下値に届きそうです。


(01.5.15) TOPIX 1378P(+14) 日経14054円(+181) 7.0億株


NYは10877(+56)と小反発。ナスダックは2081P(-25)と4日連続安。外国証券の朝方の注文は、売り3520万株・買い2710万株で-810万株の売り越し。

今夜のFOMCを控えて、朝方は見送り気分の強い動きでしたが、後場は先物主導で切り返しました。グラフは、@昨日の陰線を包み上げる形になり、A昨日200日線を割り込んだものの今日はすぐに切り返したこと、B9日順位相関は-80まで低下したこと、から押し目完了といったところです。

やや不安があるとすれば、@全員が強気になっていること、Aその結果もう少し下げ巾があってよい(25日線の1340P台まで下げる)と思っていましたが、先に先に押し目買いがでていること、B未だに小泉政権の構造改革の具体策がでてこないこと、C今夜のFOMCが金利を下げるのか、下げたとしてこれで打ち止めになるのか、などです。

今週の週刊東洋経済はよい記事が多くありました。その1は、みずほ証券の上野泰也さんの記事の「内閣支持率と株価動向」のグラフで、まあこのグラフを見ると内閣支持率とTOPIXの動きは見事に一致しています。87%とも言われる小泉内閣ですから、株価上昇は当然のようですが、内閣が発足して支持率が急上昇した細川内閣や橋本内閣のとき株価は確かにそのときは上昇しましたが、その後の株価の上乗せはたいしたことはありません。細川内閣はほぼ発足時が株価のピークであり、橋本内閣はその3か月後に4%ほど上乗せしただけで終りました。小渕内閣は発足後は株価はバブル来の新安値に落ち込みましたが、その後は一本調子の上昇となりましたから、どうも発足時に人気がある内閣は株価的にはあまりよい結果をもたらせていないようです。

週刊東洋経済のその2は、BNPパリバ証券の河野龍太郎さんの記事で、企業のキャッシュフローは設備投資に半年先行している、というグラフです。これまたよくぞこういう統計資料を発見したものだと感心しました。これによれば設備投資は金利の高低できまるのではなく、キャッシュフローで決定される。したがって金利をいくら下げても設備投資は増加しない。企業のキャッシュフローを高めるには、今は日銀が円安へ導き、円ベースの輸出金額を増やすことである。という記事には納得。

週刊東洋経済のその3は、「水平なフィリップスカーブの恐怖」という記事で、エコノミストの原田泰さんと日本生命の岡本慎一さんの共同執筆。これによると1990年台の経済成長の鈍化は物価の下落がその50%の原因である、というものです。物価下落→実質賃金の上昇→雇用の減少→失業率の増加という流れになるが、失業率が1%低下すればGDPが何%下落するかを示すオーカン係数というのがあって、これはだいたい5である。つまり失業率が1%低下するとGDPは5%低下する。したがって物価の下落を食い止めることこそが急務である、ということでした。

2.3.ともいきつくところは物価をいかにして上げるかということになるわけですが、まったくのところどうすればよいのでしょう。こういうことを背景にして株価は上下しているのか、としみじみと思ったことでした。


(01.5.16) TOPIX 1357P(-21) 日経13694円(-359) 6.9億株


FRBはFFレートを3.5%へ、公定歩合を4.0%へとそれぞれ0.5%ほど引き下げました。1-3月期の伸び率が当初は0ないしマイナスではないかと予想されていたものが、+2%の伸びであったと伝えたれたばかりであったので、FRBは米国景気に大丈夫と判定するのか、まだ好転は認めないのかの決断が、が昨日のFOMCの金利引下げで、まだ景気の底打ちは認められないの判断でした。

しかし0.5%下げの材料はすでに織り込みずみで、NYは10872ドル(-4)、ナスダックは2085P(+3)と変化なし。むしろ金利引下げが発表された後に、株価は上昇しましたが、すぐに売り物がでてきて、前日比変わらずの水準に戻ったというのは、材料出尽くしとなって、今後の買い材料がなくなったほうがマイナスでした。

外国証券の朝方の注文は、売り3190万株・買い3210万株で+20万株の買い越し。東京市場は昨日FOCMの金利引下げを期待して先物から上昇していましたが、NYがこれに響かなかったことから、小安く始まるのはまあよいとして、村田製の決算は値嵩ハイテク株の足を引っ張りました。前期決算はよかったものの今期は-45%の減益予想と発表され、村田製は9650円(-1500)の大幅安。パソコンが成長性を失い、携帯電話が伸び悩み、次世代携帯のサービス開始も延期という環境では、そういうことになるのでしょう。

この連想から京セラが10850円(-1040)、アドテストが13590円(-780)・東エレクが8640円(-500)と久々の大下げです。(京セラはその後今期営業利益は-18%減の予想と発表)値嵩ハイテク株が大幅下落をしたため日経平均は359円安とTOPIXの-21Pに比べて下げがきつくなりました。

昨日の足で、やや不満ながら押し目完了かと思いましたが、今日の下げによって調整はまだ終っていないことがわかりました。グラフからは昨日の反発が先走りの押し目買いによるものであり、昨日の陽線は下落途中の中間点であるということになります。TOPIXでいえばザラバ高値1441P→1359Pまで82P巾の下げ、終値ベースでは1440P→1364Pまで76P下げていますが、この下げは第1段の下げで、今後これと同じほどの下げがありうることを考慮しておかなければなりません。昨日のザラバ高値1379Pから82Pの下げ(ザラバベース)となれば、下値のメドは1297P。終値ベースでは昨日の終値1378Pから76P下げて1302Pがメドになります。

これはややきつい下げの想定となります。当初から今回の下げ巾はTOPIXで100P、日経平均で1000円と予定していますが、これはTOPIXの1125P→1441Pへの316P高の1/3下げ、日経平均の11433円→14556円への3123円高の1/3下げに当ります。 もしTOPIXが1297Pまで下げるということになれば144P巾の下げ巾となり、これは約1/2押しになります。

小泉内閣の人気具合(これはくせものだが)からみて、よほどの失敗がない限りは、ここまで調整することはなく、1/3押しを考えておけばよいのではないか。ということでTOPIXは1340P台、日経平均は13500円台を押しのメドにすることを変える必要はないと思っています。


(01.5.17) TOPIX 1376P(+19) 日経13910円(+216) 7.2億株


米国金利の引き下げの当日は、相場は折込み済みであるとして、NYダウ・ナスダックとも動きませんでしたが、昨日発表された米消費者物価指数の上昇率が低かったとかで、金利引下げによる物価上昇を気にしなくてもよい。さらに景気が後退するようであれば、一段の金利引下げが期待できる。ということになりNYは11215ドル(+342)、ナスダックも2166P(+80)と急上昇となりました。外国証券の朝方の注文は、売り2980万株・買い2920万株で-60万株の売り越し。

ただ景気後退の下で消費者物価が上昇することはそうはありませんから、当然のことを囃した感じです。NYが3.1%、ナスダックが3.9%上昇した割には、シカゴの日経平均は13945円で、前日東京市場が急落していたため、前日の14010円から若干のマイナスで終っていました。これを受けて朝方は日経先物が13950円で寄り付き、14030円まで伸びたところで頭打ちとなり、次第に値を消していきましたが、引け1時間ほど前から再び戻して終わりました。TOPIXは+19と昨日の下げ-21をほぼ埋めましたが、日経平均は思ったほどの上昇はしませんでした。やはり昨日の村田製・京セラのように今期業績の厳しい予想が発表されると、足元をすくわれかねないの思いがあって、NYと同じようには買っていけないという判断でしょう。

TOPIXのグラフはこの4日間というものは、200日線をはさんで日替わりで出たり入ったりしており、毎日翻弄されています。今夜はNYは落ち着くことでしょうから、判断はこの影響が取れたときにどうなるのかを見てからです。

株価が200日線の水準で上下しているうちに、25日線がこれに向かって毎日上昇してきて、今日は1350Pの水準になっています。あと3日4日すれば25日線は200日線とクロスするようなので、株価がこのまま200日線近辺で推移しておれば、この3〜4日のうちに株価は反騰開始ということなります。

定点観測の7銘柄からもチャート的にフシ目にきた銘柄がでてきました。低位株の鹿島は25日線と75日線の中間にあって特にチャート上の節目にはありませんが、下げ渋りの足取りとなりました。新日鉄は75日線まで下落して下ヒゲ足。みずほも75日線まで下げて下ヒゲ足を出しています。図はありませんがNTTも今日は25日線まで下げていますが、ついでのことですから75日線(791千円)まで下げればよいのです。75日線は上昇相場の途中では重要な下値の支持線になりますが、この水準に近づいた銘柄がポロポロ出てきています。


(01.5.18) TOPIX 1371P(-5) 日経13877円(-32) 8.1億株


NYは11248ドル(+32)、ナスダックも2193P(+27)と続伸。外国証券の朝方の注文は、売り2840万株・買い3000万株で+160万株の買い越し。NYは大体金利下げを材料とした上昇は終ったようです。米国の長期間にわたる好況は、ITをメインにして生産性の上昇を元にしたものでしたから、ハイテク企業のの生産調整・雇用調整が終らなければ業績相場に戻れるはずはない、という私の認識です。

インターネットを中心にしたIT関連、光通信関連、パソコン関連、さらには携帯電話とその技術は、当面の普及がなされました。何もないところから出発したときは、その伸びは前年比100%,200%増と、倍々ゲームのごとく伸長しますが、すでにできたものが伸びるときは何%のレベルです。ナスダックの株価が急激な上昇をするとは思われません。

NYが続伸となったので、東京市場はわずかに高く寄り付き、その後150円ほど上伸して日経平均は14000円を回復しましたが、週末でもあり、また業績発表がよいもの悪いものがあったため、上がるものもあり下がるものもあって全体としては動きが小さくなりました。

発表される前期2001年3月期の業績は思いのほかよかったという感じです。今日の新聞でも、帝人は純利益が2.3倍、住友電は71%増益、日航が最高益、特殊陶も最高益、鐘化が純利益3倍、などなど結構ハデな見出しになっています。ただこれもその前の期の利益が少なかったためにこのような大きな伸び率になっているわけで、いったんまともな利益を前期で出してしまうと今期の利益の伸び率は何%のレベルに落ちてしまいます。株価的にはインパクトが減退するわけです。

今期の経常益の予想を見ると、帝人は+32%増益、住友電は9%増、日航が-20%減益、特殊陶は+1%増、鐘化は+11%増と前期に比べれば相当に落ちます。来期も増益予想であった帝人は658円(+37)、住友電は1598円(+28)と上昇し、減益ないし伸びがない銘柄の日航は423円(-22)、特殊陶は1511円(-19)、鐘化は1077円(-17)と下落。

3月12日からの今回の上昇相場は、@日銀の量的緩和による金融相場に、A小泉内閣発足による構造改革期待相場がこれを引き継いだものです。ここからB業績回復による業績相場が始まれば、文句のつけようがない結構な相場に発展するのですが、どうも業績相場への期待はあまりなく、ひたすらAの小泉内閣が経済に対してどのような政策を発表するのかを待つだけのようです。(金融相場はこれ以上の金融緩和はできない以上、それほど期待できません)


(01.5.21) TOPIX 1383P(+11) 日経14176円(+299) 7.7億株


先週のNYは11301ドル(+53)、ナスダックも2198P(+5)と続伸。外国証券の朝方の注文は、売り2910万株・買い3470万株で+560万株の買い越し。NYは金融相場が始まったのではとの期待から続伸となりましたが、ナスダックはほとんど動かず。むしろ第二4半期の業績が下方修正する企業がでてきて、ハイテク企業はなお底打ちとはなりません。

上昇しているのはオールドエコノミー。これはこれで相場ですが、金融相場であるとは、米国金利と米国の株式益回りとの比較感から株式を選好しているにすぎず、オールドエコノミーがこれからの世界経済をリードするわけではありません。米国高(NY高)だからといって日本の景気を引き揚げるとの連想は誤りです。

とはいえNYに上場している日本企業もあって、NY高となればこれらNY上場株式が上昇し、これが東京市場の株価を上昇させる、という連鎖はあります。今日はそれで、東京市場はソニーをはじめとする値嵩ハイテク株が上昇し、TOPIXは11P高であったで日経平均その10倍の110円か120円高ければよいところですが、299円高となりました。値嵩ハイテク株の上昇のおかげです。

値嵩ハイテク株の上昇を除けば、全般はややよどんだ値動きですが、Jエナジ、住友鉱、東ソーなど一部の銘柄が物色され、日経平均は4日ぶりに14000円台を回復。

少し気になるのは、予想連結PERが先週末で43.30倍と高い水準にあることです。これは日経新聞の発表による数字ですが、3月末までは決算が確定していないので、予想連結PERの予想というのは2001年3月の決算予想です。今年1月〜3月半ばまでは予想連結PERは35倍から37倍の間で動いていましたが、3月半ばからは連結PERは急上昇しました。日銀の量的緩和によって株価が上昇したためです。


しかし3月末で決算は確定し、4月からの予想連結PERの数字はしだいに2002年3月の予想に置き換えられているはずです。来2002年3月期の業績がよければ、いくら株価が上昇しようとて連結PERはそれほど上がるはずはありません。

ところが株価の上昇と同じ歩調で連結PERは上昇しています。ということは2002年3月の業績は予想されていたほどにはよくならないのではないか、と思っていましたが、土曜の日経新聞では、2001年3月(前期)は連結経常益は+40%の伸びであったが、2002年3月(今期)の伸びは0ないしややマイナスの予想でした。利益が伸びないということになれば、株価が上昇すればこれと平行して連結PERも上昇します。ということで現在の連結PERは43.3倍になってしまいました。

従来は米国株式が連結PER20倍にしか買われていなくても、日本株はこの倍の40倍とか50倍とかまで平気で買われていました。その理由は、@日本は持ち合い株式がある分だけ需給がよい、A米国とは会計方式が違っていて実はもう少し利益が出ている、B土地などの含み益がある、などといわれていましたが、いまやBはマイナスになった企業も多く、@はまさに持ち合い解消の動きが市場を危うくしている現状です。さらに時価会計によって退職給付債務があり、と米国以上に高いPERまで買われる理由はなくなってきています。

これらのことは一気に考えが変わるわけではありませんから、現下の相場がどうのこうのとわけではありませんが、連結PER40倍というのが許容されるのは次第になくなっていくはずです。日本は橋本内閣のときにグローバル化を選択したのですから。


(01.5.22) TOPIX 1379P(-4) 日経14091円(-85) 9.0億株


NYは11337ドル(+36)。5月16日に342ドル高をした後、+32,+53,+36となお続伸していますが、金利引下げの余韻も収まりつつあるようです。ナスダックは2305P(+106)と大幅続伸し、+3,+80,+27,+5,+106と5日連続高となったので、これも一息ニ息いれてよいところです。外国証券の朝方の注文は、売り3180万株・買い3830万株で+650万株の買い越し。

昨日ハイテク企業がどうのといったところ、その晩にナスダックは急上昇となりました。昨日の地合いプラス米国高を受けて東京市場は寄り付きから上昇しましたが、そのハイテク株が上値つかえとなり、後場にはいるとマイナスへ転じる銘柄で出てき、大引け前は日経先物安から、日経平均・TOPIXともに今日の安値引けとなりました。

2001年3月決算が続々と発表され、これを受けての個別株物色がされていますが、2001年3月は大幅増益、今2002年3月は伸び率大幅鈍化ないし減益という企業が多いようで、今日も今期減益予想の古河電(経常利益-12%)、三井金(営業利益-16%)、荏原(営業利益-32%)などが売られました。この3月末の日経新聞では2002年の純利益の伸び率は+32.5%の予想がでていたので、この分では東証1部の連結PERは30倍を割るかもしれないと期待していました((01年3月31日を参照)が、昨日の連結PERはようやく40.02倍になったに過ぎません。どうも3月当時の予想からはだいぶん後退したようです。

グラフはせっかく9日順位相関が-90に下がり(5月16日)、押し目完了→第3段目の上昇のコースが濃厚になっていましたが、その後の上げ方は重たく、今日の寄り高の安値引けとなっては案外なことになりました。この間NYダウは10872ドル→11337ドルへ4.2%上昇し、ナスダックは2085P→2305Pへ10.5%上昇していますが、日経平均は13694円→昨日の終値14176円へ3.5%高。TOPIXは1357P→1383Pへ1.9%の上昇でしかありません。米国高・小泉内閣の圧倒的な人気を背景にして、下値不安はないとされている割には伸びません。ちと不気味です。


(01.5.23) TOPIX 1375P(-4) 日経14067円(-23) 8.4億株


NYは11257ドル(-80)と5日ぶりに反落。ナスダックは2313P(+8)と6日連続高。外国証券の朝方の注文は、売り3010万株・買い3620万株で+610万株の買い越し。

どうもウジウジした相場が続きます。昨日の引け具合が悪かったので、安く寄り付きましたがすぐにプラスになり、前場はTOPIX、日経平均ともに高かったものの、後場は膠着状態になり、大引け前に売られてともに小幅なマイナスで終ったのは昨日と同じです。

チャートからすれば、日経平均は25日線に沿って安値は切り上がっています。TOPIXも同様で25日線を割り込むこともなく、さらによいことには200日線より上位の位置をキープしています。25日線まで押さないのは、下げればすぐに押し目買いが入っているからですが、その割には上伸しません。日経平均の9日順位相関は-86から上昇し今日は+56まで上がってきましたが、値段が伴いません。TOPIXの9日順位相関は1357Pの安値をつけた日の-93から指数は上昇し、今日は+30になりましたが、1375Pと株価の値上りはわずかです。

この5日間の上値の重さは何事でしょうか。市場全体の動きがわかりにくいときは、市場を代表すると思っている3銘柄(ソニー・みずほ・野村)の個別のグラフを参考にするのを常にしています。

まずソニーですが200日線を超え、10000円に達した後に200日線まで下落したものの下値抵抗線となって再上昇し、10340円のザラバ高値をつけましたが、この日は高値をつけての陰線となって当面の高値がでたようです。

みずほは75日線を抵抗線としてとどまるかと期待していましたが、今日は決算を控えてあっさり75日線を割り込みましたから、明日とびはなれて75日線を回復しないならば当分は期待ができません。

野村は重要ポイントを下回り、今日は25日線を割り込みと弱い動きになりました。先の安値2550円を割り込むことがなければ調整は完了とならないようです。

TOPIXもこの上値の重さを打ち破るには、今のように少し下げればすかさず押し目買いが入るというのではなく、一度先の安値1357Pを割り込んで、まず身を縮めてから伸びるほうがすっきりするように思います。日経平均も同じで安値13694円を割ってから再上昇するほうがよいようです。


(01.5.24) TOPIX 1365P(-9) 日経13895円(-171) 8.1億株


NYは11105ドル(-151)と続落。下げ幅を拡大しました。ナスダックも半導体関連の悪い統計が出たとかで、2243P(-70)と下落。外国証券の朝方の注文は、売り3320万株・買い3040万株で-280万株の売り越し。

米国の株安に円高がマイナスになって、東京市場は安く始まり、下げ巾を拡大し、前引けのTOPIXは-18P、日経平均は-263安。途中円相場が一時118円台/ドルになるなど、輸出関連株にマイナスとなって、電機・精密・自動車が安く、一方で円高メリットのパルプ・電力・航空がプラス。

為替に無関係の銀行株ですが、決算発表を目前にして前場は急落となりました。しかし三菱東京Fの決算が発表され、予想とあまり変わらないということが確認されると一転上昇に転じ、プラスで終りました。ザラバ安値→ザラバ高値→と終値を前日比で示すならば、みずほは-17円→+47円→+19円と64円巾の変動。三菱東京は-10円→+90円→+30円と90円巾の変動。UFJは-9円→+51円→+27円と60円巾。三井住友は-19円→+36円→+24円と55円巾の変動。1日でこれほど変化したのは、空売りの買戻しでしょうから、これが銀行株の持続的な上昇につながることにはならないようです。

TOPIXは、昨日いった先の目先波動のボトムの1357Pをザラバで下回り、とりあえずは高値1441Pから今日まで目先波動としては2段下げの形になりましたが、日経平均の先の目先波動の安値は13694円であり、今日の下げではまだ2段下げにはなりません。今夜のNYが続落となって、TOPIX・日経平均を続落させるような展開になれば、ようやく東京市場も調整のメドが出てくるのですが。


(01.5.25) TOPIX 1359P(-5) 日経13765円(-129) 6.8億株

NYは11122ドル(+16)とわずかに反発。ナスダックも2282P(+38)と反発。外国証券の朝方の注文は、売り3300万株・買い3210万株で-90万株の売り越し。

米国の反発もあって、小高く寄り付きましたが、今日は2001年3月期の決算発表がピークだとかで、見送り状況になりました。昨日発表のあった三菱東京Gや三井住友の不良債権の償却額は既報のように大幅に増加し、三菱東京Gは赤字決算となりましたが、不良債権は前期比50%の増加となりました。最も内容がよいはずの三菱東京Gが4兆円の不良債権をかかえていることがわかり、三菱東京は1180円(-40)、三井住友は1048円(-20)、今日決算発表のUFJも759円(-39)、みずほは671円(-23)と大手都銀は軒並み安。昨日の激しい動きはやはり買い戻しによるもので、今9月期にむけて株価は厳しいものになりそうです。

銀行株と並び悪役となったのが鉄鋼株で、前期は大幅増益であったものの今期は減益予想であることが報道され、新日鉄207円(-5)、NKK114円(-7)、住金84円(-5)、川鉄140円(-7)となり、金融相場を理由に買われていましたが、業績からブレーキをかけられてしまいました。鋼材の主な得意先は建設・自動車・造船などですから、今後も量的な拡大は望めず、収益を上げるにはリストラしかありません。

低位株の水準訂正は終わったようです。これまではリストラによる収益の改善を材料に買われてきましたが、一応のリストラが終った後にさらに収益を上げるには、新規に儲け口を探さねばなりません。今期の業績予想でマイナスになるものが多く見受けられるのは、まだどういう分野に出て行けばよいのか探しあぐねているという状況なのでしょう。

ひところは低位株の王者であった昭和電は、昨年12月の安値118円から4月初旬に294円まで2.5倍になりましたが、ここから反動安となり、まずは25線まで下落し、今は75日線まで下落。ちょうど2段下げとなっています。ひとたび上昇波動に入ったのですから、この下げは75線で止まって再上昇というのが普通ですが、@4か月で2.5倍になった株価ですから、この調整が75日線で終るとは思えません。Aまた25日線を下抜くときの長い陰線は、270円の水準はとんでもない、といったような下げ具合ですから、おそらくは75日線も下回り、210〜220円あたりまで下げるのではないか。

NKKは2月の安値67円から4月末の145円まで、2か月余りで2.2倍になりました。この日にそれまでの上げ途中での最大の陰線となって、目先の頭打ちを表明しましたが その後25日線を割り込み、いまは下落の途上にあります。おそらくは75日線を割り込まねばこの調整は完了しません。

兼松は極端なリストラによって収益がでる会社に生まれ変わりました。今回の上昇の出発点は昨年10月末の77円ですが、先日510円の高値をつけ、株価は6年たらずでなんと6.6倍になりましたが、さすがに510円で天井を出したようです。510円をつけた日の上ヒゲ陰線の翌日は大陰線。さらに昨日はこの上昇過程で最長の陰線となって、これ以上の株価は売りがいっぱいであることを表明。しかし押し目買いであると思う向きがなおあって、今日は25日線で止まっていますが、この2本の長大陰線を上抜くことは容易ではありません。

ということで、ハデハデしく上昇相場をリードしてきた低位株は頭打ちとなり、銀行株がダメということになれば、あとは米国市場に連動する値嵩ハイテク株がふんばるしかありませんが、それも力強さはなく、来週もウジウジした相場になりそうです。上げの期待がでてくるのは、日経平均で300円安とかがでてからではなかろうかと思っています。


(01.5.28) TOPIX 1349P(-10) 日経13737円(-28) 6.1億株


先週末のNYは11005ドル(-117)と下落。ナスダックも2251P(-30)と下落。グリーンスパンFRB議長がもう一段の金利引下げに言及しましたが、これはすでに織り込みずみ。海外安を受けて外国証券の朝方の注文は、売り3300万株・買い2570万株で-730万株の売り越し。

月内受け渡しの最終売買日である上、今夜のNYは休場のため、日経平均は小幅な動きに終始しましたが、TOPIXはジリ安となりました。これは銀行株の下落によるものです。というのも先週末の銀行の決算の集計によれば、2001年3月期の下期に大手16銀行は4兆4000億円の不良資産の償却をし、7行が赤字決算となりましたが、2000年9月期に比べて3兆4000億円の不良債権が新たに発生した。と報道されたためです。

なんのための赤字決算であったのか。償却するシリから不良債権が新規に出てくるのですから、穴のバケツに水をせっせとそっそぎこんでいるようなもので、その水も日照り続きの乏しい中、方々から手で掬うがごとく集めた貴重なものですが、バケツにいれるやいなや漏れてしまうというのでは、市場は失望します。みずほは628円(-43)、東京三菱1140円(-40)、UFJ721円(-38)、三井住友1008円(-40)と軒並み安。

今日の動きによって、銀行株ビッグ4はすべて(200日線は当然として)75日線を割り込んでしまいました。みずほは昨年9月に統合して以来の安値はこの2月の573円ですが、今日は628円となり、この安値を下抜くのは必至の情勢です。

三菱東京はこの3月に(東京三菱時代としては)953円の安値をつけていますが、やはりこの株価は今後の下げの目標になります。UFJは統合直後につけた安値は725円でしたが、今日は終値でもこれを下回り、統合後の新安値となりました。統合前の三和銀の時代に595円の安値がありますが、やはりこれがターゲットになりそうです。三井住友も同じで、さくら銀と合併後の安値は1006円でしたが、今日はザラバで1002円の新安値です。合併前の住友銀は867円をつけていますが、ことと次第によっては900円割れもあり得ます。

ことと次第というのは、この9月中間に向けての銀行の持合株式解消売りに対する事業法人の銀行株売りと、海外勢によるこれを見越したカラ売りですが、9月末まであと4か月、通常は8月中に持ち合い解消売りはピークとなるので、あと3か月の間にこういう思惑がでてくる可能性は大であると思います。いくら人気絶頂の小泉内閣とはいえ、7月末の参議院選までは、デフレを一層進めるであろう経済政策はなかなか出しにくいと思いますから、参院選までに銀行株を売り叩く動きがないとも思われません。


(01.5.29) TOPIX 1355P(+5) 日経13773円(+36) 5.9億株


米国市場は休み。外国証券の朝方の注文は、売り1870万株・買い1410万株で-460万株の売り越し。

東京市場の売買シェアの半分を外国人投資家が占めていると、NYが休みになったらてきめんに東京市場も動きがなくなります。今日の日経平均の上下巾は129円。TOPIXはわずか10Pの動きで終わりました。完全に凪(ナギ)の状況ですが、今後どのようなきっかけがでてくるのか。

3月期決算の発表がピークを超え、だいたいの集計が新聞に載って来だしました。2001年3月期はおおむね増収増益でしたが、今2002年3月期は微増収・微増益あるいはやや減益の予想のようです。この予想の中身は前半はだめながら後半に回復するというコースを想定しており、利益の3割が前半、7割を後半に稼ぐということのようです。後半に期待がかかっているのは、米国の景気が後半から回復するであろうとの予想によるものですから、米国景気の回復特にハイテク産業の底打ちがでてこないと、今期は減益になって、今の株価水準は維持できません。

いまひとつおもわしくないのは円相場が120円に戻り、ひところの円安傾向がなくなってしまったことです。円安がハイテク企業の採算を向上させ、輸入物価の上昇からいくらかはデフレの下支えになると期待されていましたが、これは今のところ望めなくなりました。今日の日経新聞に、米国のFFレート4.0%というのは米国のデフレータが3.0%なので、実質金利は1.0%である。とありました。日本の短期金利は0%に近いながら、最近発表の首都圏の消費者物価は-0.9%の下落をしているので、実質金利は1.0%に近いものとなって、日米の実質金利の差はなくなっています。ということは円売りドル買いの動きは出ず、逆に金利差が大きかったときにドルに変わっていた資金が円となって戻ってくるという動きが、円高を進めるということになりかねません。

あれやこれやで、米国景気・円相場・小泉内閣の経済政策、この3つがどうなっていくのか、現状では方向が見えず、相場は膠着したままとなりました。


(01.5.30) TOPIX 1329P(-25) 日経13493円(-280) 7.5億株


連休明けのNYは11039ドル(+33)と小幅高ながら、ナスダックが2175P(-75)と下落し、ハイテク株に対する悲観が生まれています。ナスダック安を受けて外国証券の朝方の注文は、売り4050万株・買い2970万株で-1080万株の大幅売り越しとなりました。

シカゴの日経先物は13515円と昨日の東京現物の終値より260円ほど安く終っていましたから、朝方はこれにサヤ寄せする動きになり、その後もジリジリと値をさげていきました。第一の下げはハイテク・半導体株で、アドテスト-970円、ソニー-410円、京セラ-530円、NEC-175円安。ここへ銀行が続落、NTT・ドコモが下げと、時価総額の大きいものは全部だめ。アラ石・Jエナジの資源株が業種としては買われましたが、ほかには個別に業績予想がよかった阪和興+25円、藤倉化+47円、長瀬産+38円などが買われましたが小粒であり、全般の下げには何の支えにはなりませんでした。

銀行株は大和銀が3600万株と昨日に引き続いて大商いとなりました。大和銀を売り叩くことでビッグ4の株価を下げようといった動きです。お陰で、みずほは605円(-26)、三菱東京1110円(-40)、UF670円(-51)、三井住友1008円(-42)と、昨日反発した分を帳消しにし、4月以来の新安値になりました。

5月7日高値からの調整はTOPIXで100P、日経平均で1000円は欲しいと思っていましたが、TOPIXは高値1441P→1431Pまで100P巾の下落をする途中に200日線や25日線があったため、ここでしぶとく踏みとどまり、下値の強さを示したので、一時は100Pの下げはないのかと思ったりしましたが、ようやく1329Pまで下げました。TOPIXは終値ベースでは3月14日の1161Pから1440Pへ279Pの上昇をし、ザラバベースでは1125P→1441Pへ316Pの上昇をしたのですから、少なくとも1/3の押しは必要であり、したがって100Pほどの下げを予定していましたが、これは最低(最小)の調整です。とりあえず最低限の調整は今日で実現しましたから、あとはどこで調整が終るのかを注視することになります。

半値押しとなれば終値ベースで140Pの下げですから下値メドは1300P、ザラバベースでは158Pの下げで1283Pとなりますが、ここまではないのではなかろうか。TOPIXは明日1314P以下で終れば、逆張り用の「日経平均用'96」が買いマークを出しますから、買いのタイミングになってきます。ちょうど最も重要な75日線の水準が1298Pでもあるので、1314〜1300Pは押し目買いのゾーンとしてよいようです。


(01.5.31) TOPIX 1310P(-18) 日経13262円(-231) 7.5億株


NYは10872ドル(-116)と下落。ナスダックはサンマイクロなどハイテク・通信機器株の格下げで、2084P(-91)と大幅下落。ナスダック安を受けて外国証券の朝方の注文は、売り5130万株・買い2950万株で-2180万株の大幅売り越しとなりました。

NEC・東芝・日立といったところが大きく売られましたが、値嵩ハイテク株は昨日も下げているので、下げ巾は思ったほどではありません。ソニー(-230)、松下通(-120)、アドテスト(-670)、京セラ(-410)、東エレク(-29)。TDKは+30と反発。昨日下げた銀行株はみずほ(+0)、三菱東京(+10)、UFJ(+5)、三井住友(+3)と小反発し、値嵩株・銀行株には値ごろ感をもつものもでてきました。

グラフは、昨日いったようにTOPIXが1314Pを下回る1310Pで引けたので、逆張りの買いマークを出しました。日経平均は買いマークはまだでていませんが、明日1円でも安く終れば買いマークがつきます。

株価が下落してきたので、にわかに弱気の意見を聞くようになりました。あるいは今後の相場は弱いのかも知れませんが、株価が上げれば強気になり、株価が下がれば弱きになるという態度は、もとから株価を予想しているのではなくて株価の結果で予想を作っているということです。まず予想ありきではなくまず株価ありきという態度です。この態度では株価に振り回されてしまいます。@何を根拠にしてこのような株価のコースを想定するのか、Aどうなればその想定が正しかったと判断するのか、Bどうなれば判断が間違っていたとして考えを改めるのか、ということは極めて重要なことです。(なかなか難しいことですが)

小泉内閣の発足以来、私はおおむね弱気で、株価はもう少し下げねばとばかり思ってきていましたが、今日からはおおむね強気に変わりました。

弱気・強気と一口でいいますが、@向こう10年では強気なのか弱気なのか、A向こう3年では強気なのか弱気なのか、B向こう半年では強気なのか弱気なのか、C向こう10日では強気なのか弱気なのか、強気・弱気は時間ごとに異なります。

今の考えを整理してまとめておきますと、
  1. 10年単位では、図のA→Fまで下げたことで、8〜10年の下げ波動は終り、98年10月から8〜10年の上げ波動に入っていると思っています。98年10月から現在までは2年半ほど経過していますから、あと6年〜7年の株価はベースとしては強気です。

  2. A→Fの8〜10年の下降波動の中には、A→B→C→D→E→Fの大勢波動が含まれ、下げはA→B、C→D、E→Fと3度の下げ波動を見せました。Fからは逆に3度の上げ波動を見せるはずです。F→Gで1回目の大勢上昇波動がでて、昨年2月から今年の3月までG→Hと1回目の大勢下降波動が出、3月から第2回目の大勢上昇波動が始まっていると考えてします。大勢上昇波動は少なくとも1年半はありますから(F→Gは1年5か月)まだ1年以上は上昇基調が残っており、この期間においても強気です。

  3. 向こう半年については1月〜2月ごとに強気になったり弱きになったりすることになりますが、今日の下げによって弱気から強気に変わっていく境目にきたのかと思っています。


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