TOPIXをどう見たか・判断したか (01年4月)

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(01.4.2) TOPIX 1268P(-8) 日経12937(-61) 6.4億株


週末のNYは9878ドル(+79)と反発。ナスダックも1840P(+19)と小反発。外国証券の朝方の注文は、売り2550万株・買い2600万株で、+50万株の買い越し。

3月の日銀短観が発表されました。大企業製造業の12月のDIは+10でしたが、この3月は-5となり、なんと-15ポイントの大幅な後退です。12月当時の3月の予想DIは+7といくぶんかの悪化は予想されていましたが、この予想からでも-12ポイントの急激なマイナスとなりました。なお悪いことには次の6月の予想DIは-8と3月よりもさらに悪化すると産業界は予想しています。

2001年度に入りましたが、企業の景況感の急激な悪化を嫌気して、TOPIX、日経平均とも安く始まりました。日経平均は一時プラスになったものの、緊急経済対策の具体策待ちとなって、見送り・気迷いの相場となりました。まず緊急経済対策に期待が持てるものであれば、見送り症状となるわけはありませんから、緊急経済対策が発表されたときは材料出尽くしとなりそうです。

三井住友が合併、三菱東京・UFJが発足と銀行は新しい門出です。三井住友は住友銀の前日の株価に比べて-6円安の1114円で終わり、三菱東京は基準値の1100(千円)を+120上回る1220(千円)。UFJも基準価格の688(千円)を大きく上回って、766(千円)。先に統合していたみずほも連れ高しましたが、736(千円)と4メガバンクでは最低の株価となりました。

ただ三菱東京・UFJは日経225に組み入れられるために、これを手当てした買いが多くあるはずで、この株価は過大評価のようです。(みずほも昨年9月に新規上場したときは、基準値が817(千円)であったが、964(千円)まで上昇した。)

どうも手詰まりの様相で、今週はなお押し目の限界を探ることになるのだろうと思っています。


(01.4.3) TOPIX 1293P(+25) 日経13124(+186) 8.0億株


NYは9777ドル(-100)と下落。ナスダックは1782P(-57)と新安値。外国証券の朝方の注文は、売り2720万株・買い2890万株で、+170万株の買い越し。

米国はプラスであった株価が引けにかけて大幅マイナスになり、嫌な引け味となりましたが、東京は高く寄り付き、前場の日経平均は一時400円以上の上昇。TOPIXは一時29P高。日経平均がTOPIXに比べて、より高かったのは、昨日から新規上場した三菱東京とUFJが日経平均に新規採用されるため、インデックスに連動するファンドがこれを買い集めたためです。

三菱東京は1250千円(+30)、UFJは790千円(+24)、三井住友1140千円(+26)、みずほ761千円(+25)と上昇。銀行株については、明日発表される緊急経済対策の骨子が報道されました。@破綻懸念先以下の不良債権は新規に発生場合は3年、従来のものは5年の年限を限って最終処理する(オフバランス化する)。Aその実績を公表する。さらに保有株価のリスクから免れるために、B銀行の株式保有は自己資本の一定割合までに制限する。C銀行が保有する持合株式の買い上げ機構を創設する(ことを検討する)というものです。これを好感して銀行株のみならず、市場全般が強気の材料として受け止め、米国安に打ち勝って今日の上昇となりました。

今日の上昇をリードしたのは、@低位の材料株、A不動産投信に期待する不動産株、B中小商社株でした。値上り銘柄数が1090銘柄あったというのは少し驚きです。やや期待過剰ではないかと思われますが、まあ明日の経済対策の発表があってからの上昇力がどれほどのものか、あるいは上昇力があるのかを見て判断しても遅くはありません。


(01.4.4) TOPIX 1304P(+10) 日経13242(+118) 10.1億株


NYは9485ドル(-292)と大幅続落。ナスダックは1673P(-109)と連日の新安値。しかし外国証券の朝方の注文は、売り3340万株・買い4460万株で、+1120万株の大幅買い越し。

米国はナスダックが新安値に落ちるなど、リセッションの懸念がでてきました。日本は土地バブルによって経済はほぼ壊滅し、ましたが、米国は株価バブルがはじけ底値探りの状況です。TOPIXは、バブル時のピーク2884Pから98年10月の安値974Pまで64%の下落をしましたが、昨日のナスダックは、ピークから67%の下落となって、この下げ率を上回りました。

株式選好のつよい米国ですから、日本の土地バブルがはじけたと同じように、どうみても米国経済の短期の立ち直りについては楽観できませんが、株価が先にこれを折込んだ様子です。

ただ実態経済の立ち直りは、はじめはV字型の回復というのが大勢でしたが、したいにU字型からL字型の予想になり、これが日本の経済に影響を及ぼさないはずはありません。しかし今日の東京市場は、前場こそ米国安と緊急経済対策の発表が6日に先送りされたことでマイナスでしたが、引け前はプラスになりました。これで東京市場のNY離れであるとの論評が勢いを得てきましたが、はたしてそうか。

今朝の新聞では、銀行の不良債権の処理は、破綻懸念先の12兆円については、従来から分類されているものは向こう2年でオフバランス化、今後の発生は3年で処理すると、前日よりも早められています。朝はこれを見て「おおー」と思いましたが、今日発表の予定が6日に先延ばしになったそうで、これはどういうことでしょうか。

先送りされた分だけ、緊急経済対策に対する期待感が残り、今日は相場は意外な強さを示しましたが、今日の新聞では、破綻懸念先の企業(ということは銀行が支援している企業・利息の支払いができない企業・元金の返済ができない企業)は向こう2年以内に処分されるわけですから、銀行もへたをすれば2年3年は赤字になる上、倒産企業がでて信用リスクが発生し、いまのように銀行株や低位株が人気するというわけにはいかないでしょう。

不良債権の処理は絶対になされなければなりませんが、なんとか処理できるのは2年3年先のことです。いまはこの2年3年先のことを思って株価は上昇していますが、実際に破綻処理が始まれば、株価がこれにビビらぬはずはありません。あまり楽観すると、昨年のネット株のようなことになりかねません。

デンドラで上限線を突破した銘柄は、理屈抜きの需給相場にはいった と思っていますが、特に低位株のなかに需給相場入りした銘柄が続出しています。理屈抜きですから、どこまで上昇するのかは予断はできず、上限線を下回るまでは、この低位株は売らないほうがよいのですが、上限線を下回る銘柄が増えてくるときは、注意せねばなりません。


(01.4.5) TOPIX 1317P(+13) 日経13381(+138) 11.2億株


NYは9515ドル(+29)と小反発。ナスダックは1638P(-34)と連日の新安値。しかし外国証券の朝方の注文は、売り2340万株・買い4700万株で、+2360万株の大幅買い越し。

緊急経済対策の発表が延期になったのは、株式買い上げ機構についての政府と与党の意見が分かれたためだとわかりました。 株式の投資家にとっては、今国会中に法整備をして、需給バランスをとれればそれにこしたことはありませんが、政府(国家)としては、銀行だけにアメを与え続けるには、世論が怖いということでしょう。この事態を迎えて政府は何をトロトロしているのがという意見もありますが、ケジメとか理念とかは大切なことです。

緊急であるからなんでもアリというなら、やはり国の税金を投入せざるをえない事態に陥らせた責任はとらせるべきです。誰が責任をとらせるのかとなると、ミスリードした政府・日銀が責任をとっていないので、銀行にも強くいえないという理由です。まあこの無責任さは皆が知っていますから、選挙目当てに株式買い上げ機構を急いで作ったとしても、自民党は選挙ではボロ負けとなるのが自然です。

緊急経済対策に期待して株価が上昇しています。発表が6日に延びた分だけ、今日も上昇となりましたが、もういい加減に不良債権(資産デフレ)の先延ばしで、経済が縮小していくのをなんとかしてくれ、という願望がいかに強いかです。いまは期待先行で株価は上昇していますが、これは理想買いで、本格的に株価が上昇するのは、7月の参院選挙で自民党がぼろぼろに負けてからではないかと思っています。


緊急経済対策に期待するあまり、株価・出来高ともに堅調です。昨日デンドラで上限線を突き抜けた銘柄を掲げましたが、@上限線を突き抜けたということは、相場が理屈なしの需給相場になったということであり、Aここではカイリ率が高いから売り、順位相関が高いので売りだといった逆張りのチャートでは当たらない時期になった、Bどこまで上昇するのかわからないが、株価が行き着くところまで従おうという順張りの時期になったということです。

こういう時期には小賢しい逆張りをしてはなりません。株価が反転して上昇力を失ったと判断できるまで粘ることです。それでは上昇力が失せたと判断する手がかりはなにか?ですが、昨年12月のJエナジーが需給相場になったとき、これについて述べました。

@デンドラをお持ちの方は、株価が上限線を下回ったときを上昇力の喪失と見る、Aデンドラを使わないなら、重要ポイントである長大陽線を下回ったときにそう判断するのがよいでしょう。図で、小波動ごとの長大陽線の安値にa,b,c,dのラインを引いていますが、相場が強いというのは、このラインを下回ることがないからです。dのラインは最後の長大陽線となりましたが、このラインを割り込んだDで、上昇力が失せたと判断し、売るのがよいでしょう。


いま進行中の事例でいえば、図の東建物は、
  1. aで上限線(今波動の1/4位線)を上抜き、需給相場に突入しました。

  2. 今後はどこまで上伸するのか、あるいはここでピークを打つのかは予断を許しませんが、

  3. 重要ポイントは図のbのライン(この場合は窓をあけているので、長大陽線の安値ではなく前日の終値の重要ポイントとした)であり、今のところは株価がこのラインを下回れば上昇力が失せたと判断します。

  4. しかしこの後この長大陽線を凌駕する長大陽線が出れば、その安値が重要ポイントになり、重要ポイントのラインは切り上がります。
要は「株価に聞こう」ということです。


(01.4.6) TOPIX 1313P(-4) 日経13383(+2) 9.7億株


NYは9918ドル(+402)と史上第2位の上げ幅。ナスダックは1785P(+146)と史上第3位の上げ率。外国証券の朝方の注文は、売り2560万株・買い4300万株で、+1740万株の大幅買い越し。

米国の大幅高を受けて東京市場は高寄りし、ザラバで+292円高となりましたが、緊急経済対策が正式発表となってからは材料出尽くしとなって、次第に値を崩しました。緊急経済対策はまだ形ができておらず、願望の羅列だけであるといえます。その分今後対策が具体化すれば、材料の蒸し返しが期待できますが、後退するようだと3月に急騰した分、下落がきつくなります。

今日の各銘柄のほとんどは陰線になった感じであり、上昇した銘柄から順に利食い売りに押されて値を崩しました。まずは銀行株が大幅下落をし、低位株も寄り付き値から下げて終りました。


3月26日に、今回上昇相場の手本は1998年1月のようになるのではないかと思って、当時のTOPIXのグラフを掲げましたが、右図はそれを拡大したものです。現在のグラフにA,B,C,Dを、右図の過去のグラフにa,b,c,d,eを振っていますが、よく似た動きになってきました。
  1. A(1111P)→B(1310P)の上昇率は+17.9%に対し、今回のa(1125P)→b(1343P)は19.3%

  2. A→Bの期間は11日、B→Dの期間も11日に対して、今回のa→bは9日、B→Dは現在8日目

  3. A→Bの上げの材料は「自社株買い」と「土地再評価」と「公共投資の追加(構造改革路線の放棄)」でしたが、今回のa→bは「銀行保有株の買い取機構」と「期限を切っての不良債権のオフバランス化」です。

  4. 時期は同じ参院選挙の年で、98年は自民は大敗。
98年 1月分の「日足でみる日経平均」を読み返してみると、まあ歴史は繰り返すというか、あまり変わらないというか、つい時間を忘れて読み込んでしまいました。98年当時の経済対策を考え出したメンバーは橋本総理、加藤幹事長、山崎政調会長でした。ミスリードした人が自民党の総裁選にまたぞろでてくるようでは、今回の緊急経済対策も98年のように対策が効かず、株価はジリ貧となって98年10月の新安値へ下落した歴史を繰り返すのでは、と危惧します。


(01.4.9) TOPIX 1282P(-31) 日経12841(-542) 6.9億株


NYは9791ドル(-126)と反落。ナスダックも1720P(-64)と反落。外国証券の朝方の注文は、売り3640万株・買い2430万株で、-1210万株の大幅売り越し。

緊急経済対策の発表は案の定、材料出尽くしとなりました。発表された経済対策を土曜日・日曜日に落ち着いて検討してみれば、これは願望にしかすぎないことがわかりました。

@どうやって不良債権のオフバランス化を進めるのか?債権放棄するには、銀行は含み資産が枯渇しており、債権放棄を相殺するための利益をひねり出す源泉がありません。(ドル建ての外債くらい)

A一口に債権を放棄するとはいっても、企業はいくつかの銀行から融資を受けているわけで、全銀行が納得できるような債権放棄ができるのかどうか。安易な債権放棄は株主代表訴訟で経営陣が訴えられる可能性があるわけで、そごうのような事態にならないとも限りません。

B債権放棄ができないとなると、企業を破綻させるしかありませんが、この受け皿の具体案がない限り、7月の参院選をひかえた自民党がGOサインを出すはずはなく、破綻処理のルールが決まることは7月まではないのではないか。

結局、期待をさせたものの実現性が乏しいことがバレてしまって、今日の大下げとなりました。最もよいのは、銀行に対する第2次の公的資金の注入です。2年で不良債権のオフバランスをしようとしても、現状の銀行の収益力では、4大グループとて年に5000億円の償却がせいぜいです。2年の期限を明示したのであれば、2年間で償却できなかった場合は、公的資金を注入し、これでもって償却させる。当然に経営責任は追及する。ということになれば、相場は好感し、いまより20%ほどの上昇をすることでしょう。

昨日掲載した98年1月〜2月のグラフですが、d(1305P)→e(1213P)へと7.1%の下落をしていますがこの下げはまだましでした。その後4月に1181Pへ10%の下落をし、最後には98年10月の974Pまで奈落の底に陥ったのですが、a→bへと力づよく上昇した相場が何ゆえにこのように下落していったのか。それは政府の2枚舌のせいでした。当時HPに書いた記事を再び載せておきます。

    (98.2.24) 16198円 (−411) 3.7億株
    橋本内閣が成立させた財政改革法にのっとって、97年度に比べて規模を縮小した98年度予算の成立に固執する政府は、@98年度予算をともかく成立させ、A財政改革は放棄していないのだということを示し、それから98年度予算を有名無実なものにするB補正予算を組もうとしています。せっかく実質は路線を転換し、株価が反騰したのに、現執行部の意地や保身から、やるべき時期を先に繰り延べてしまうので、市場は失望し始めました。(日経朝刊の「政府、二枚舌作戦ほころび」はよい見出しでした。)
今また当時の二枚舌の人間がカムバックしようとしていますが、これは到底容認できません。


(01.4.10) TOPIX 1263P(-18) 日経12620円(-221) 7.3億株


NYは9845ドル(+54)と小反発。ナスダックも1745P(+20)と反発。しかし外国証券の朝方の注文は、売り2920万株・買い1780万株と買いがめっきり減って、-1140万株の大幅売り越し。

昨日の大幅安を取り返せとばかりに米国高となりました。が、寄り付きこそ小確りとなったものの、それも前場までで、後場は先物安にひきずられて安く終わりました。銀行株は連日の大下げ。銀行株の窓をあけて、ドスンドスンと下げていく様子をみると、当分銀行株の上昇は考えられません。

証券株も業績悪化から売られ、ハイテク株も値を下げるという中で、しかし低位材料株は物色され、NKKが99円(+9)と出来高トップ。ガス化も新燃料の製造販売の報道で、392円(+42)と急伸。このほかエイズ薬として呉羽化が387円(+80)のS高、メルシャンが308円(+42)と買い意欲は充分です。

低位株物色は、日銀がデフレ解消までジャブジャブ市中に金を流すという方針である以上当分は続きます。加えて新年度入りになりましたが、年金運用資金もハイテクは避けて低位株に投資をせざるをえない状況ですから、低位株の底上げは続きます。

TOPIXの安値のメドですが、図のaの長大陽線はこの上昇波動で最も強気になった日です。安値1203P・高値1275Pと72ポイント巾があります。この長大陽線を下回ることはなずないと思っていますが、当面はこの仲値の1240Pどころが下値ではないかと思っています。ただまだ下げは3日目にしかすぎませんから、しばらくは下げたほうがよく、今週一杯安くなれば、ひと反発がありそうです。このとき緊急経済対策の具体的な道筋が示されれば、先の高値を奪回することも不可能ではありませんが、いまの自民党の総裁選をみていると、ダメでしょう。


(01.4.11) TOPIX 1290P(+27) 日経13174円(+554) 8.6億株


NYは10102ドル(+257)と一気に10000ドル大台を回復。ナスダックも1852P(+106)と大幅反発。しかし外国証券の朝方の注文は、売り3150万株・買い3010万株と、-140万株の大幅売り越し。

米国株高から昨日のシカゴの日経先物は12970円と上昇していましたから、本日の東京市場は高く寄りつきました。しかしシカゴの日経にサヤよせすることができず前場は+195円高でした。後場は日経先物が先行し次第高となり、終ってみればビックリの日経平均の+554円高となりました。日経先物の出来高は48000枚、TOPIX先物も17000枚と大出来高で、これは3月21日の日経平均が912円高、TOPIXが+99P高して以来のできごとです。しかしその割には現物株の出来高はそれほどでもありません。8.6億株。売買代金も8200億円とやや物足りません。

素直にみれば、今日の日経平均は「化けた」ようで、まず目くらましの動きのようです。明日のオプションSQの最終売買日を控えて、見込み違いの建て玉を手仕舞ったということでしょう。昨日のNT倍率が10倍を割ったということが話題になりましたが、いまや日経平均の1/10の価格がTOPIXになってきています。ところが今日のTOPIXは+27P高であり、X10倍すれば日経平均は+270円高でよいところです。それが日経平均が+554円高というのでは、日経平均がおもちゃになってしまっている証明です。日経平均の動きをみて、押し目は完了したと思っては間違うことになります。

緊急経済対策が出されましたが、その内容の具体性のなさが明らかになって3日間の下落となりましたが、このことはなお解決してはいません。このことを脇においておいて、米国株式が上昇したからといって簡単に上昇するわけはありません。日経平均のグラフはいかにも急反騰したように姿になりましたが、日経平均の直前の小波動の高値は14186円であり、まだ上昇転換の確認はできていません。TOPIXはすでに上昇波動入りをしたと思っていますが、今日のグラフは、この3日の下げ巾76P(ザラバベース)に対し40%ほどを戻しただけで、出来高を加味すればたいした反発ではありません。

今回の相場は、緊急経済対策がどのように具体化されていくのかにかかっていると思っていますが、24日の自民党の総裁選までは、凶とでるか吉とでるかはわからず(たぶん失望になるのでは)、なお慎重に対処したいと思っています。


(01.4.12) TOPIX 1301P(+10) 日経13352円(+177) 8.5億株


NYは10013ドル(-89)と反落。ナスダックは1898P(+46)と続伸。外国証券の朝方の注文は、売り2780万株・買い4030万株と買い注文が大きく、1250万株の大幅買い越し。

ナスダックの連続上昇が国内の値嵩ハイテク株買いを引き起こし、アドテスト+920円。京セラ+830円・東エレク+440円となって、この3銘柄だけで日経平均を110円かさ上げです。ただし値嵩株の200日線は大いに下落し、株価はその下にありますから、リバウンドにすぎず、これらがさらに指数(特にTOPIX)を引き上げる力はなさそうです。

期待すべきは金融相場入りした低位株ですが、ここのところ2番手どころか3番手銘柄が物色され、よい傾向ではありません。 鉄鋼株でいえば、1番手は新日鉄、2番手は川鉄、3番手はNKKや住金というところですが、最近はNKKや住金が買われ、1番手2番手の銘柄には目が向いていません。このあたりが本格的な金融相場ではない気がしているのですが、ちょっと食い散らかしの気味があって、金融相場が続くのであろうかとやや懐疑的になっています。

今日は市場が食い散らかしの状況になっているというエピソードがありました。いつも印刷物を頼んでいる印刷会社の営業マンが納品にやてきて、最近株の勉強をしています。今日もカーラジオで聞いていたら「中国塗料」がよいと言っていました。この銘柄はどうですか。と聞かれました。この若い営業マンは学生時分からその印刷会社でアルバイトをしており、卒業後もそこに就職してと、結構長い付き合いで、気心も知れているので、よしカナルで見てやろう。勉強しいや。とグラフを見たところ、図のeのところでした、

最近グラフから狙うべき銘柄について、何日か述べましたが、
  1. aで200日線に接近。
  2. aではそこそこの出来高ができている。
  3. dは先の波動のピークのaを上抜いている。
  4. 波動のボトムがb→cと切り上がっている。
とまずまずのグラフになっています。グラフからは80点。難点はaの出来高が少なく、この出来高ではまだこの銘柄が注目されているとはいえないが、今日ラジオで紹介されたのだから、これから注目されるだろう。と言っているところへ、証券マンがやってきて、先日のTCMの売却以来商いがないので、何か注文がでませんか、と催促。

じゃあ中国塗料をいこう。昨日の終値は230円だからこの値段での買い指値の注文を出しましたが、今日はいくらになっているのかと値段を調べると、なんと+59円高の289円で、これはだめだと断念。ラジオで聴いたのは30分前ということでしたが、まあ驚きました。低位株についてはやるき満々というか、鵜の目鷹の目というか、誰かが大声をあげれば即座にそれに従うという市場のムードであることがよくわかりました。これでは低位株の寿命もそう長くはないなと思ったことです。


(01.4.13) TOPIX 1299P(-2) 日経13385円(+33) 10.4億株


NYは10126ドル(+113)と反発。ナスダックも1961P(+62)と4日連騰。外国証券の朝方の注文は、売り2260万株・買い2040万株と、220万株の売り越し。

オプションSQでしたが、前日の米国株式の堅調もあって高く寄り付きました。2003年10月に住友化と三井化の統合が始まり、2004年に完全統合と報じられましたが、すでに株価はひところより30%の上昇をしていたため、今日の株価は下落。住友化623円(-9)・三井化585円(-7)。後場、NKKと川鉄が2002年から統合を開始と報じられ、NKKは6700万株の大出来高となって116円(+13)。しかし川鉄は129円(-5)と値を下げました。今日は出来高上位5社は全部鉄鋼株で、金融相場期待もあって、数量相場となりました。

ただこの流れにはやや不満で、日銀がデフレ克服まで低金利策をとると公言して以来、金融相場が期待されていますが、どうも金融相場はでないのではないのか、という気持ちがわいて来ています。

金融相場の本質は、無リスクの国債利回りと株式投資による収益率との比較から、株式が割安になったときに株式市場に資金がドットながれこむところにあります。

国債の利回りは毎日相場がたっているのですぐにわかりますが、1月末は1.50%でした。これが2月末には日銀が公定歩合を0.35%から0.25%に下げたことによって1.30%へ下落し、さらに3月21日に量的緩和に踏み切り、デフレ退治を表明した日には1.05%まで低下しました。(今日は1.42%)。 1月の国債利回りは1.5%でしたが、株式投資による収益率が1月末に年率1.5%であったとするなら、この時点では国債に投資しても株式に投資しても同じ収益であるので、特に株式市場に資金が流入することはありません。ところが3月21日の国債利回りが1.05%となると、株式投資では1.5%の収益が上がるのだから、国債を売って株式を買う動きになるのは当然です。この結果が3月後半の株式の大幅上昇になったのですが、いまや国債を売って株式を買った結果、国債利回りは1.42%まで上昇し、株式投資が特に有利であるとはいえなくなっています。

今まで述べたことは1月末の国債利回り1.5%とこのときの株式の収益率が同じであったという仮定のものでしたが、実際の株式の収益率は(株式益回り+GDP成長率)です。今日現在の株式益回りは日経新聞によれば2.37%ですから、国債利回りの1.42%をはるかに超えています。さらにGDPの成長率は実質で1.5%程度が期待されていますから、単純に考えれば2.37%+1.5%=3.87%となって、株式は国債に比べてはるかに有利であると考えられます。しかし去年(1999年度)のGDP伸び率を思い出すと、実質は+1.4%の成長でしたが、名目では-0.2%でした。物価が下落しているので実質成長率はプラスになりましたが、名目はマイナスでした。株式投資にあたっては、企業の売上といい、利益といい、配当といい、すべては名目です。物価が下落しているから今期の配当は2%減配しますが実質では前年とは変わりません。というようなことは通用しません。

とすれば現在のGDPの名目成長率を-1.0%と仮定すれば、株式の収益率=株価収益率(2.37%)-GDP(-1.0%)=1.37%となり、国債利回りに比べて少しも有利ではないことになります。日銀がゼロ金利策に転換したから金融相場が始まるというのは一種の幻想ではないか。と思ってきている理由です。この意味で物価が最も重要な指標になっていると思っています。


(01.4.16) TOPIX 1294P(-5) 日経13254円(-130) 8.8億株


海外はイースターで休場。したがって外国証券の朝方の注文も少なく未集計。

NKKと川鉄の統合の発表で先週末は鉄鋼株に商いが集中しましたが、今日はそれを上回る鉄鋼株の商いになりました。これに伴って株価も急上昇。出来高1位は住金で94円(+7)の9400万株、次いでNKK123円(+7)の9300万株、川鉄140円(+11)の3400万株。以下日新鋼130円(+11)、神戸鋼82円(+3)、新日鉄217円(+0)と上位6位までは鉄鋼株が占めました。

オールドエコノミーは、合併により効率化の道を進んでおり、まず銀行の再編成についで、化学でも三井化と住友化というかつては考えられない組み合わせができ、ついで造船、(そういえば近ツーと日本旅行もあった)そして鉄鋼ときたわけですが、今度のNKKと川鉄の合併効果は500億円とのこと。そういえば三井住友銀行も合併効果は500億円といっていましたから、巨大企業が合併したところで、直接のメリットはさほどなく、今後のリストラをしやすくするための合併でしょう。

土曜・日曜は自民党の総裁選の4候補が一緒にテレビ出演し、それぞれの政策を表明。だいたいほとんどの番組は見ましたが、意外なことに橋本元首相の言葉が一番明快で、人気の小泉元厚相が最も意味不明というか総論的で、おやおやと思いました。テレビには出るものです。橋本元首相と小泉元厚相の言の違いは閣僚と閣外の立場の違いかも知れませんが、橋本元首相は実務的であるのに対して、小泉元厚相の言は具体性がなくガッカリです。これではちょっと間に合わない感じを受けました。

民間の経済研究所の2001年度のGDP成長率の予測は0.7〜0.8%あたりに下方修正されたようです。多分名目GDPはマイナスであろうと思いますが、デフレの時代にいったい金融相場が発生するのかどうか。戦後誰も経験していないので、経験は役にたちませんが、デフレ下では金融相場に過度の期待をもってはいけないのでないかと思っています。この金融相場を期待した相場は、4月26日の自民党総裁選までではなかろうか。


(01.4.17) TOPIX 1285P(-8) 日経13067円(-187) 8.5億株


NYは10158ドル(+31)と反発。ナスダックは1909P(-51)と反落。欧州は休場のため、外国証券の朝方の注文も少なく未集計。

実態経済はいよいよ悪化していることが数字となって出てきています。米国シスコシステムズはひところはマイクロソフトの時価総額を上抜いて世界一の株式時価総額企業になったこともありましたが、2〜4月の予想売り上げ高は、前四半期に比べて-30%というものでした。売上げが3か月で3割減というのは尋常ではありません。来期も0〜-10%程度の低下の予想。

売上といえば国内のコンビニの決算がでて、既存店の売上げは全社ともマイナスになったよし。コンビニももはや飽和状態です。思えばスーパーが世にでたときはダイエーももてはやされたものでしたが、いまではスーパー業界は建設業界と同じで危ない業種になってしましました。昔であれば1つの職業に就いて一生を捧げるということは自然なことでしたが、いまやひとつことに邁進するということは人生上のリスクになったかのようです。(そうではないと思うが)不幸な時代です。

思い出話ですが、私の大学時代のゼミは「海商法」という珍しいゼミでしたが、まあ余り学ばない人間ばかり7人が集まっていました。今から30年前のことです。就職先は、海商法ゼミということもあって1人は郵船、もう一人は三光汽船。あとは東洋ゴム・近畿日本ツーリスト・山一證券(私)・太陽銀行・(もう一人は忘れた)でした。三光汽船は当時は郵船を上回る船腹量をもち拡大急でしたがその後倒産。山一も倒産。太陽銀は神戸銀と合併ののち三井銀と一緒になってさくら銀へ、そのさくら銀も住友銀と合併して三井住友へと大変転。近ツーも長い間営業赤字を続けた後、JTBの差が開かないようにと日本旅行と合併。まあ無傷なのは郵船だけで、これはさすがです。企業が30年持続することはいかに難しいことか。


(01.4.18) TOPIX 1320P(+34) 日経13641円(+574) 8.6億株


NYは10216ドル(+58)と続伸。ナスダックは1923P(+13)と小反発。引け後インテルの決算が発表され、それが予想ほど悪くなかったとかで、ハイテク株は底打ちしたのではないかの観測もでて、東京市場は寄り付きからハイテク株に買いが集まりました。外国証券の朝方の注文は、売り2610万株・買い2435万株と、175万株の売り越し。

日経平均に大きな寄与率を持つ値嵩ハイテク株が急上昇し、アドテスト(+1800)、京セラ(+770)、東エレク(+770)、松下通(+570)。日経平均はザラバで+638円高までありました。今日はNTTが久々に上昇し(+54千円)、ドコモも(+120千円)となり、TOPIXも+34P高となりましたが、売買代金は8700億円とほとんど増加していません。市場エネルギーは一定量のようで、値嵩株に資金がシフトした分、低位株の勢いはなくなりました。本当の金融相場は金利よりも株式を選好し、株式市場へ資金が流入しておきますが、まだ資金の流入はありません。

グラフで形がよいのは圧倒的に低位株に多く、値嵩ハイテク株のグラフは、ソニー・キャノンを除いて200日線がはるかに上方にあり、戻り売りをする段階にあります。今日の急伸は売り方の買戻しによるもので、持続的な上昇ができるかは疑問です。


値嵩ハイテク株に依存する日経平均は、3月28日のザラバ高値13867円が波動のピークですから、これを上回れば中勢の上昇波動に入りますが、昨年5〜6月にかけて安値の切り上がり・高値の切り上がりがあったものの、そこが中間反騰の限界であったということもありますから、新高値をとったからといって強気になってよいものかどうか。感じとしては14000円乗せがあればそこが上げの筒一杯ではなかろうかと思っています。その理由は@円安が沈静化していること、A国債利回りが今日は1.495%と強含みになっていること、B自民党総裁選はどうなってもマイナス材料であると思われること、C9月中間に向けて銀行株には弱材料がでるのではないかと思われること、などです。


(01.4.19) TOPIX 1337P(+17) 日経13868円(+226) 10.3億株


米FRBは突然に0.5%の緊急利下げをし、公定歩合は4.0%、FFレートは4.5%としました。これを受けてNYは10615ドル(+399)と急騰。ナスダックも2079P(+156)と暴騰となりました。一昨日のシスコの業績悪にもあまりナスダックは下げなかったことと、昨日のインテルの予想よりもよい決算から、ハイテク株は反転していましたが、ここへ予想になかった利下げがでてきて、米国は大反騰です。シカゴの日経先物は14055円と+1000円のS高で終っていることから、今日の寄り付きはどれほどの買い物がでてくるのかが注目されました。外国証券の朝方の注文は、売り3250万株・買い3930万株と、680万株の買い越し。

値嵩ハイテク株・通信株・証券株・銀行株には買いが殺到。TDKや東エレクが買い気配となったのはまだしも、野村証・みずほまでが買い気配となったのはビックリです。日経平均は前場14099円となり、このぶんでは500円・600円も高いのかの勢いでしたが、少しずつ利食いの売りに押されだし、結局は+226円高で終わりました。まあ昨日+574円上げていますから、2日でちょうど800円の上げになりました。

それにしてもFRBは1月3日.4日に0.5%、3月20日に0.5%、昨日0.5%と、橋本元首相の200日プランではないが100日あまりの間に2%の金利引下げです。5月のFOMCではさらに追加利下げの観測もあるようですから、景気は相当に悪いということでしょう。無論設備投資の減退に歯止めをかけようというのが第一の狙いですが、昨年からのナスダックの下落によって、米国は東証の時価総額に匹敵する資産をふっとばしており、これが消費支出に悪影響をあたえることは必至であるので、ここで株高をもたらせて消費支出の縮小を止めようとしているのでしょうか。 だが基本的には米国は10年間の拡大を続けてきたのですから、成長が鈍化し、設備投資が一服するのは自然であり、少々の金利の操作によって景気が簡単に回復するとも思われません。

日本の値嵩ハイテク株は、今日飛びはなれて寄り付いたもののそこから続騰とはいかず、値を下げて終った銘柄が多くありました。図の6銘柄のうち陰線で終った銘柄はソニー・松下通・アドテスト・京セラ、十字足で終ったのがTDKで、陽線となったのは東エレクただひとつでした。昨日のナスダック高にもかかわらず、売りがはやくも出てきています。

どうも値嵩株は胸突き八丁にきた様子です。

資金はハイテク株へ集中したため、内需株・低位株はおおむね小安くなり、再びナスダック次第の相場となりました。


(01.4.20) TOPIX 1330P(-7) 日経13765円(-102) 10.3億株


NYは10693ドル(+77)と続伸。ナスダックも2182P(+102)と続騰。FRBの金利引き下げは連銀の景気浮上の意志で、これを信ずれば株価は上昇ですが、それほどに切羽つまっている実態経済であると認識するなら、株価は下落です。当面は予想外の金利下げであったのでこの2日間はよいとこ取りをしてNY・ナスダックは上昇しましたが。ここからは逆に反省がされるところです。外国証券の朝方の注文は、売り3730万株・買い4370万株と、640万株の買い越し。

米国が大幅続騰となったので、東京市場も続伸かと思われましたが、昨日のじり安で終った地合いを受け継いで、安く始まりました。昨日の値嵩ハイテク株の上昇に対しての戻り売りがその一番の要因ですが、TDKの今期(2002年3月期)の連結益は半減すると報じられ、やっぱり値嵩株は怖いという思いがつよく、値嵩株全般を引き下げました。変わって下値不安がない(と思われている)低位株に出来高は集中し、三井造は6800万株できて179円(+31)と途方もない上昇ぶりです。この買いの原因はモルガンスタンレーが格付けをストロングバイに引き揚げたことでした。目標値は250円〜310円といわれれば、150円の株価はひどく割安に思われます。これによってどっと買いが集中したわけですが、誰かが大声をだせばそれに従うという投資の態度は尋常ではありません。

市場はさまざまな考えや評価でがあって健全に成り立っていくのですが、このような状況は株式に評価をくだせない素人しか市場に参加していないかのようです。これでは相場はストロングバイを発表した証券会社の意のままではありませんか。どうも早耳だけが投資の一番の武器というのでは、やや寂しい気がします。

来週は23日に緊急経済対策、そのうちの証券税制の合意の発表があり、24日に自民党総裁がきまります。証券税制は最新のニュースでは、@1年以上保有した株式の売却益が、A年間100万円までは無税。ということにきまりそうですが、現在市場に参加している投資家にとってはほとんどメリットはなさそうです。

年間100万円儲けたかどうかは当然に申告をせねばならないのでしょうから、きちんと何年何月何日にいくらで買い、いついくらで売却したといった書類を調えておかねばならないのでしょう。ほとんどの個人投資家が選択しているのは源泉分離課税ですが、この場合どういった手段で無税にできるのでしょうか。1年以上保有して売却したときの利益を集計し、この分をすでに源泉徴収されている税金から、さっぴいてもらうのでしょうか。今までは損益に関係なく1.05%の税金を払って税金は終わりとしてきましたが、もし減税を受けようとするならば、@1年間で支払った源泉税の集計、A1年間の売買の内保有期間が1年超のものの損益を集計し、B支払い済みの源泉税から還付を受ける、といったことになるのでしょうか。ともかく投資家はこまめに帳簿をつけ、その証拠書類を保存しておく。ということになりかねません。いかにも恩典であるかのようですが、実は面倒なことになるのではないかと、いまのところ証券税制にはほとんど期待していません。


(01.4.23) TOPIX 1331P(+1) 日経13715円(-50) 9.9億株


先週末のNYは10579ドル(-113)と利食い売りで反落。ナスダックも2163P(-18)と小反落。外国証券の朝方の注文は、売り3530万株・買い2590万株と、940万株の売り越し。

土曜・日曜の自民党総裁選の予備選で、小泉元厚相が圧倒的な勝利となり、24日の本選挙で新総裁に選出されることがほぼ確定。これを受けて寄り付きは堅調に始まり、一時は+286円高の14051円まで上伸しましたが、すぐに売りに押されてマイナスへ転落。その後は小動きとなってTOPIXは+1高、日経平均は-50円安で終りました。

小泉勝利となったことについては日本人もヒステリックであるなの感想です。無論現状を打破しようという気分は充分に評価していますが、テレビを見る限りでは「構造改革」の言葉だけで、その内容は何もなかったので、はたして新政権は言葉だけで終るのではないのかの危惧があります。前回、大阪府知事に横山ノックを選出したことが思い出されます。大阪府民は熱狂して氏を選びましたが、すぐに大変な赤恥をかきました。

何にしても構造改革というのは、@公正とA効率を原理としてこれまでの仕組みを変革するということでしょう。非効率な既得権益を排除し、自由な競争を促すという方向の政治が行われると思いますが、そのためにはしばらくは経済的にはマイナス部分が多く出てくるはずです。こういうことを承知して、腹をくくって小泉票に投じたのであれば幸いです。いままでは先にアメが与えられましたが、今度は先に鞭打たれるわけですから、どこまで我慢できることか。5年〜10年先には正解だとしても、目先(1〜2年)のことについていえば、小泉新政権は相場的にはマイナスが大きいような気がします。

TOPIX・日経平均のグラフはよくない形になってきました。特に日経平均は3日連続して上ヒゲ足となって、14000円台は強烈な上値抵抗があります。小泉新総裁の材料があっても、これを突破できなかったということは、たぶん14000円へ居所を変えることは無理なようです。あとチャンスは組閣のメンバーが決まった日だけでしょう。

土曜日の新聞で証券税制の詳細が報じられました。これによれば小額の売買益が無税となるのは、申告分離を選択したときに限られるそうで、1.05%の源泉分離課税を選択したときは、無税の恩恵は受けられません。「なんだやっぱり」の感じです。小口の投資家は多くはサラリーマンであり、給与も源泉徴収され、ほとんどが申告をした経験がありません。申告をするには日頃の帳簿の整備から2月15日からの確定申告まで、それは実に面倒な処理をせねばなりません。申告をせねば無税にならないというのでは、まず今回の証券税制によって個人投資家が増加するということはありえないでしょう。


(01.4.24) TOPIX 1328P(-3) 日経13743円(+27) 8.8億株


NYは10532ドル(-47)と利食い売りで続落。ナスダックは2059P(-104)と大幅安。外国証券の朝方の注文は、売り2980万株・買い2710万株で、270万株の売り越し。

米国安を受けて安く始まりました。一時は先物主導で-312円安まで下げたものの朝売られた値嵩株は戻るにつれマイナス巾は縮小。引け前には小泉新総裁が決まったことから日経平均はプラスになって終わりました。TOPIXは-3Pで終りましたが、これは時価総額最大のドコモが、次世代携帯サービスをこの5月から開始の予定であったものを10月へ延期と報じられ、寄り付きから売られ、2400千円(-120)となったためです。ただ2320千円(-200)まで売られた後は戻して引けたので、ほとんどショックはありません。

2001年3月期の業績がほぼ確定してきて、ぽろぽろと新聞で報じられていますが、案外によい決算がでています。日産自は7円の復配。住友大阪は過去最高の連結益。日産化は増配。フジクラは連結純利益が3倍増。とあってよい数字がでるたびにこれら銘柄が買われ、相場はなかなか下値が強くなっていますが、問題は今期2001年4月からのことです。

10日ほど前の日経新聞だったと思いますが、リチャード・クーさんが、1929年の世界恐慌の後、恐慌前の金利に戻るには30年を要した。それほど資産デフレはキツイものである。と書いていましたが、そうであるなら私の残された人生では、もはや金利が5%・6%という時代には遭遇できません。企業の退職給付債務も、まだ予定利率を3%とか4%としている企業もあるようですが、これでは追いつきません。小泉新総裁を歓迎して、円レートは121.15円へ上昇。国債金利も1.360%へ低下。


(01.4.25) TOPIX 1341P(+13) 日経13827円(+84) 11.3億株


NYは10454ドル(-77)と3日連続安。ナスダックも2016P(-42)と3日続落。外国証券の朝方の注文は、売り3200万株・買い3600万株で、400万株の買い越し。米国は3日連続して下げていますが、当面の(4-6月期の)業績悪は織り込んだ様子で、悪材料にも鈍感になったことと、先の電撃的な金利下げをみて、FRBへの信頼が戻っているので、株価が少々下落しても日本への影響はなくなっています。

小泉新総裁が党3役を決定。山崎幹事長・堀内総務会長・麻生政調会長となり、これを軸として26日の組閣となるわけですが、さあ自民党がこれで変わるのかどうか。ともかく東京市場は新総裁への期待が大きく、米国安にもかかわらず堅調を続けています。出来高は11.3億。低位株は快調に上昇。NKK・住金の鉄鋼株、三井造、商船三井などが大出来高。というのも今日は野村がノムラ割安株ファンドを、明日は大和証が低PBRファンドを募集し、割安株に市場の目が向いているからです。




では何を持って割安であるとみるのかですが、簡単なものでは、@配当利回りと市中金利の比較です。 例えば4204積水化は、+44円高の450円となりましたが、前期の予想配当は1株10円ですから、配当利回りは、10÷450X100=2.2%となります。現在の1年ものの預金金利で2.2%に回るものはひとつありませんから、配当利回りからはずいぶん割安です。しかし実際に配当金を受け取ることができるのは、この9月の中間決算後と来年の3月本決算後です。そのときに、@はたして10円配当が現実のものになるか、A株価が現在の値段を維持できているか、が大問題になります。

特にAは危ういもので、もし来年3月末に株価が400円に下落していれば、配当金を年に10円もらっても株価が50円値下がりしているのでは、トータルの利回りはマイナスになります。これまで積水化が買われていなかったのは、株価の先安懸念があったのですが、ここへきて急上昇したのは、株価の先安懸念が薄れたということです。

次に割安の目安となるのは、A1株純資産と株価の比較です。株価÷1株純資産はPBRと呼ばれますが、株価が1株純資産の何倍まで買われているかを表します。本来であれば1株純資産は企業の解散価値であるので、株価は1株純資産以下になることはありませんでした。しかし1株純資産はあくまでも帳簿上の数値で、その資産には含み損をかかえているものがあって、実際のところ、1株純資産がある程度ある企業が倒産して整理したところ、ほとんどが債務超過であり、解散価値は0であったということがありつぎました。この結果いくら1株純資産があろうともその数字は信用できない。というのが最近までの考えでした。ところが、今の市場はやや信用リスクが減退したと見て、1株純資産をある程度信用してきだしました。

@Aのリスクが少ないのは、利益が上がりだした、増益に転じた企業です。増益企業であれば、@の予想配当は堅持でき、株価もそうは下落しません。またA赤字企業は1株純資産が減少しますが、黒字である限り1株純資産は減少することはありません。こういう観点から銘柄が探されている状況です。



そこで、@額面が50円以上、A配当利回りが1.5%以上、BPBRが1.0倍以下、の銘柄を検索する条件表を掲げます。付け加えれば、C来期の利益伸び率が10%以上、の条件でしょうが、現時点ではまだ2001年3月が「予想」になっているので、あまり意味はありません。(本当は2002円3月期が問題になる)またマスターネットの業績データは単独決算なので、連結決算が主流になっている今では、データは不満ですが、だいたいの銘柄は選別できます。


(01.4.26) TOPIX 1359P(+17) 日経13973円(+145) 14.4億株


NYは10625ドル(+170)と4日ぶりに反発。ナスダックも2059P(+43)と反発。外国証券の朝方の注文は、売り3130万株・買い5170万株で、2040万株の大幅買い越し。

小泉内閣が発足するとあって、朝から買い物が集まり日経平均は14000円を回復。特に建設株と銀行株の急伸が目を引きました。人心一新ということが、大きな買いエネルギーとなっています。自民党である限り、大きな変化はないと思っていましたが、市場は大歓迎の様子で、ちょと私の感じと市場の人気とはズレができてしまいました。

相場が引けた後、小泉内閣の顔ぶれが決まりました。最も重要な塩川財務相は小泉総理のバック。柳沢金融担当相は留任。経済財政相が竹中慶応大教授。橋本さんに代わり石原伸晃行革担当相。おおナカナカの顔ぶれです。しかし田中真紀子外相をみると、半分はパフォーマンス内閣の性格もあって、7月の参院選挙対策内閣ではないかとも思われますが、1総理1内閣を標榜する小泉総理ですから、参院選を乗り切れったらやはりこの顔ぶれになります。前内閣に比べれば気分が一新したのは大きな意味がありますが、さあこれでうまくいくのか。構造改革は辛い。

構造改革の言葉がキーワードになり、大手建設株が大幅高となりました。大成建330円(+26・ザラバ高値+44円)・大林625円(+22・ザラバ高値+24円)・清水建574円(+27・ザラバ高値+47円)・鹿島建435円(+20・ザラバ高値+54円)ですが、今日はかなり楽観人気になったといえます。

図は鹿島建ですが、モデルのとおりに押し目ははじめは深く、次第に押しが浅くなり、今日の急上昇になりました。Xを安値として、aは75日線を下回るところまで反落→bは75日線まで反落→cは25日線まで→dは最も浅い押しである9日線までの押し。と次第に押し目をまたずして買いが入ってきたのは、次第に楽観してきたということです。とうとう今日は前日終値415円に対して429円と窓を開けて寄り付き、ここから469円まで上昇したのは、今買わねばいつ買うのだというリスクを忘れた買いっぷりといえます。ただその後は売り物に押され、長い上ヒゲ足になったのは、向こうしばらくの間の高値を出したのではないかと思います。

最近の数量銘柄の代表であったNKKも高値から長い陰線をつけ、低位株の上昇はだいたいにおいて盛りを出したような気がしています。TOPIXは逆張りの売りマークを出しました。日経平均は来週先の高値14099円をザラバで上抜けば、売りマークを出す予定です。慎重に。


(01.4.27) TOPIX 1366P(+7) 日経13934円(-38) 10.7億株


NYは10692ドル(+67)と続伸。ナスダックは2034P(-24)と反落。外国証券の朝方の注文は、売り3370万株・買い5440万株で、2070万株の連日の大幅買い越し。

一方では低位株の物色が続き、他方では主として値嵩ハイテク株の今期の見通しの悪さから、値嵩株は売られるという動きになりました。長谷工は前期に債務超過から抜け出したとの報道で、買い物を集め55円(+12)。連想でフジタも51円(+9)とともに額面を回復しました。

今度の小泉内閣は柳沢金融担当相と竹中経済財政担当相と石原行革担当相のトリオが、構造改革をすすめるということを人事で示したわけです。竹中・石原両大臣はテレビで銀行の不良債権の処理について、あれだけ発言をしていますから、まさか腰砕けになるとは思われませんが、処理にかかる2年3年(でカタがつくか?)は実に厳しい経済情勢になると思われます。


総裁選前には、さきにアメの橋本元総理かさきにムチの小泉さんのどちらが新総裁になっても、相場にはマイナスではないかと思っていましたが、目下のところは相場は歓迎して株価は上昇しています。(とはいえ先週末に比べて、TOPIXは1330P→1366Pへ+36P、日経平均は13765円→13934円へ+170円ほどしか上昇してはいませんが)要は先にアメでは埒があかないので、やっぱりムチのほうが有効だろうということになったわれです。しかしまだムチが振るわれる前ですから痛みはなく、期待だけが先行しているように思われます。「理想買い」です。

理想がそのまま現実化することはあまりありませんから、どこかで現実の厳しさを改めて気づくことになりますが、それまでは相場の方向についていくしかありません。注意すべきはバランス感覚です。昨日掲げた鹿島建のように1日の値幅が、それまでの1か月2か月かけて上昇した値幅を上回るようになっては楽観人気も極まったというべきです。

定点観測の7銘柄でいえば、株価が200日線を超えた銘柄は鹿島→新日鉄→野村→みずほの順であり、まず鹿島が大きく上昇し、新日鉄がこれからというところです。


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