日経平均をどう見たか・判断したか (00年5月)

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(00.5.1) 18403(+429) 5.8億株


NYは-154ドル安と続落し10733ドル。ナスダックは+86Pの3860P。外国証券の朝方の注文は、月曜日にもかかわらず、売り2770万株・買い4870万株で、+2100万株の大幅な買い越しになりました。

金曜日に日立・東芝・富士通の決算が発表され、前期で底打ちが確認、今期の連結益は日立が4倍増、富士通が倍増、東芝は赤字から大幅黒字の予想となったため、これら3社は積極的に買われました。

一方ソニーは前期が-32%の減益、来期も1%減の予想で、前場はマイナスになっていましたが、後場は全面高となったためプラスに転じ、12580円(+170)。先週減益決算を発表した松下通は今日も続落し16350円(-590)。よい決算をだしたものは買われ、反対は売られるというごく素直な相場になってきました。 野村総研の予想では、1-3月のGDPは+2.4%(年率10.1%)となり、1999年度は政府見とおしの+0.6%を上回る+0.7%になるとか。最近は日経平均の下落を見て、景気の回復は本物なのかの疑問もでていただけに、それは心配無用であるの予想です。

「東建物」は昨年11月に安値165円をだし、75日線まで戻ったもののなかなか先の波動のピークを上抜けませんでしたが、4月に直前のピーク224円を上抜き、上昇波動入りとなりました。

これまではもっぱらモデル波動のどこに位置するか、ばかりを述べてきましたが、これだけでは買えるかどうかは材料不足です。波動に加えて何が必要かというと、それは出来高です。

出来高はその銘柄に人気があるかどうかを最も端的に表します。いくら株価だけが急上昇しても、出来高が少ないものは、その人気は一部の投資家に偏っており、その投資家が買い尽くせば相場は終わりです。

上図で丸をつけたところはかなりの出来高になっています。D?をつける日に出来高は急増しました。まん悪く17日の日経平均の暴落にあってしまいましたが、D?の出来高は、この株を魅力的であると判断した投資家がこれだけいたということですから、再び人気となる可能性は大いにあります。

いくら波動の形がよくても、人気がでない銘柄は上昇はできません。人気がでるかどうかは、その銘柄が人気化する材料を持っているか、不当に安くなっていないかによりますが、人気がでる前に「人気化する」ことがわからなくても、人気化したばかりかどうかはわかります。

「日石輸」はA→Dに至るときに、最近では最高の出来高を見せ、明らかに人気化したことが伺えます。Dの後は75日線まで下落してEとなり、ここから再上昇となりました。

このようにA→Dへと波動が上昇波動になったことがわかったときは、ついでにD点の出来高がどのくらいできたのかを見ることが必要です。


(00.5.2) 18439(+36) 5.3億株


NYは+77と小反発し10811ドル。ナスダックは+97Pの3連騰で3958P。外国証券の朝方の注文は、売り1620万株・買い2780万株で、+660万株の買い越し。

5連休を控えて小動きに終始しました。東芝・日立・三菱電が商いを集めて続伸。富士通・NECは小安いといった具合で、3000円のものは回避して、1000円の水準のものを買おうという投信の方針のようです。


昨日の続きです。A→D点へ至ったとき、出来高が大きい銘柄は多くの投資家が注目しているのであるから、Dの出来高は大切であるという話ですが、出来高は一体どれくらいあればよいのでしょうか。銘柄によって発行株式数が違うし、浮動株も異なります。一律に300万株以上といった基準は設けられません。

となるとその銘柄ごとに判断せねばならないのですが、例えば過去100日間で最高の出来高をだしたとか、前回の天井時の出来高の1/5程度できたとか、過去の出来高を基準にするのも1つの方法です。

ここでは「出来高相対力指数(V相対)」を使って、出来高が多いか否かを判断します。図は昨日掲げた東建物ですが、D点の「V相対」は90%を超えていることがわかるでしょう。V相対が90%を超えていれば、出来高が(過去に比べて)相対的に大きいと判断します。

V相対は図のような設定をします。
    11行で、出来高の9日平均を計算します。
    12行で、11行(出来高9日平均)の9日相対力を計算します。
    12行が「V相対」で、これは「赤色」で描画するとしています。
通常、相対力指数(RSI)は株価がどれくらいの勢いで上昇・下落しているか(加速度)を見るために使います。V相対は出来高の(増加・減少の)加速度を表していると思ってください。

出来高が急速に増加するときは、9日V相対力は90%に達します。出来高が増加するのは、株価が上昇するときばかりではなく、急落したときにも増加するのですが、出来高が増加したときは、よいにつけ悪いにつけ、注目度が高いわけです。


同じく昨日掲げた「日石輸送」ですが、D点でV相対は90%を超えており、注目度が高いことが一瞥してわかります。今日は228円(+26)と急伸しましたが、その背景にはD点で注目されていた、あるいは大勢の投資家に人気があった、ことがあります。

V相対を使ってこのような判断をすることは、《カナル》CD-ROMに収められている「相場の見方ガイド」の「初押し買い」の章で説明していますから、時間があればお読み下さい。


(00.5.8) 18199(-239) 5.1億株


GW中のNYは、10731(-80)→10480(-250)→10412(-67)→10577(+165)とやや下降気味。ナスダックも2785(-172)→3707(-78)→3720(+12)→3816(+96)と、大きく下げた後、4割ほどの戻り。外国証券の朝方の注文は、連休中の注文がまとまったためか、売り3900万株・買い5700万株と大きく、+1800万株の買い越し。

GW中のNYは弱かったとはいえまずまずの戻りとなったため、寄り付きはハイテク・ITを中心に強含みでしたが、次第に値を下げていきました。決算のよかった旭化成・オークマなどが上昇したものの、値嵩株・特に225新採用30銘柄には安いものが多く、新採用30銘柄の下落率は-6.1%、平均下げ巾は-473円となりました。平均下げ巾は新日経平均が始まった4月24日からは最大の下げ巾です。あと少しで思っている-650円に到達し、ここで後遺症が無くなるのでは、と期待しています。

5日連休でダレれしまいましたので、これまでの復習をしておきます。「買い」を決める手順について書いてきたのですが、その順番は、
  1. 売上が過去最高になった銘柄で、
  2. モデル波動に当てはめて、上昇波動となった銘柄で、
  3. D点に特化するなら、D点で出来高が増加しているもの。
D点で出来高が増加していることを簡単に見分けるために、9日V相対を使うというところまで述べました。

V相対を取り上げると、この指標だけを注目してしまう方があります。@上昇の要素をもつ(ここでは売上高最高の銘柄)、A上昇波動入りしている(ここではD点が確認できたこと)の前提があって、BD点の出来高が大きいこと(V相対が90以上)、であるのですから、単にV相対が大きいだけでは、買いを検討するには値しません。

上図および右図の青丸はV相対が90以上の個所ですが、この位置では上昇波動入りしたことは確認できていません。

したがっていくらV相対が90以上になっていようとも、この後の株価の押し目を買っていくことはできません。波動が第1、出来高が第2です。


(00.5.9) 17844(-355) 5.0億株


NYは+25高の10603ドルでしたが、ナスダックは-147P安の3669Pと下落。外国証券の朝方の注文は、売り3820万株・買い3720万株と-100万株の売り越し。

日経平均は年初来の新安値となりました。今日の値上がり銘柄数は594銘柄・値下がりは622銘柄と全体的にはそれほどの下げではないように思われますが、アドテスト-2000円、松下通-700円、東エレク-700円、セブン-510セブン-510円、TDK-500円と、この6銘柄で合計-4920円の下げです。平均除数20.34で割ると-241円。6銘柄だけで日経平均を-241円も引き下げています。

新日経平均がスタートした後の4月25日と26日に、「新採用銘柄は平均して1317円上昇しているので、この半分の650円ほど下げないと、日経平均は落ち着かないのではないか」と言っていましたが、((00年4月分))今日はようやくこの現象になりました。旧日経平均最後の日である4月21日から、新採用30銘柄は今日で-7.3%・平均-650円の下げです。

新採用30銘柄は、採用されたことによって平均1317円上昇したのですが、これは需給によるものなので、この半分の-650円分は剥げ落ちねばならないと思っていたのですが、半分剥げれば妥当なのか、2/3剥げればよいのか、それはわかりません。半分というのは私の感でしかありません。半分が剥げ落ちるまでは、日経平均の波動がどうの、下値目標値がどうの、は言えないと思っていましたが、今日・明日で日経平均は下値の水準になったようだの感触を持っています。

さて71銘柄についてです。D点を取ったときに、V相対が90%を超えている銘柄は存外に少ないものです。ざっとみたところ10銘柄程度のようです。 今日はもう少しV相対がOKのグラフを掲げ、V相対の中身をチェックしてみます。

「JT」は新採用30銘柄の1つです。図のようにA→B→Cときて、Dへ上昇するのですが、C点から2本の陽線は4月13日・14日のことです。3本目の陽線は4月17日で、新採用30銘柄が発表された後の初めての取引の日ですが、この日の出来高は急増し、この結果V相対は90%を超えました。

この出来高急増は、JTの企業価値の見なおしではなく、225銘柄に採用されるという需給にもとづくものですから、人気がでたと判断してはいけません。

「日本板紙」はD点で出来高が急増し、Dからの押しも浅く、350円の高値をつけた後もD点の水準を維持しています。文句なく人気化したことを、V相対はきちんと表しています。

JTの出来高急増はダメで、日本板紙はよいということは、グラフだけではわかりません。グラフだけですべてのことが解決できるわけではありません。出来高ができた背景は知っておくべきです。

特にクロス商いがあったときは、突飛な出来高になり、V相対が跳ね上がることがあります。これを見て、人気がで始めたと判断するのは間違いの元になります。特殊な要因でV相対が90を超えてもしょうがありません。


(00.5.10) 17701(-143) 5.4億株


NYは-66安の10536ドル。ナスダックも-84と続落して3585P。外国証券の朝方の注文は、売り3300万株・買い3700万株で+400万株の買い越し。 米国が安かったのに加えて5月限オプションSQが12日と迫ってきました。新日経平均に移行して初めてのSQですが、新採用30銘柄が最後の仕上げとばかりに下げ、日経平均のザラバ安値は17393円。新採用30銘柄は今日で平均して-7.5%、平均下げ巾は-753円となりました。十分な下げ巾になったと思います。


それにしても20833円をつけていたのはわずか1か月前のことです。この1か月弱で3400円も下げてしまいました。指数採用銘柄を避け、米国市場に影響を受ける銘柄を避け、の結果、内需株が買われました。

造船・機械・素材・鉄道・銀行が概ね高く、日経平均はマイナスですが、値上がり銘柄数は695銘柄・値下がりは524銘柄です。

オプションのSQでこれだけ右往左往するとなると、来月6月の6月限日経先物のSQが思いやられます。


@上昇する素質をもっている銘柄が、A上昇波動入りし、Bこのとき出来高が急増した、銘柄が見つかった後の話です。

いまは、Aの上昇波動入りはモデル波動のD点で確定するとしています。モデル波動では、図のようにD点の後は75日平均線まで下げ、これが押し目となります。

いうまでもありませんが、いつでも75日線でピシャリと止まって反発するわけではありません。上昇力が強ければ、75日線よりやや上位で下げ止まります。戻り売りが強ければ、75日線を下回ることも多くあります。いいだせばキリがないので、ここでは下げのメドは75日線への下げとしておきます。
「日研化」は1月に、A点から上昇し、75日線を上抜き、先の波動のピークを上抜いてD点をつけました。急上昇タイプの底打ちです。


D点からの下げは、図の緑丸印のように75日線まで下落し、ここから反発しました。75日線のメドはあっていました。


「東建物」は先日も掲げました。「日研化」と同じく、A点からいきなりD点に到達した急上昇タイプの底打ちです。

D点後の下げは75日平均線の190円あたりが目標でしたが、例の暴落によって17日には瞬間的に75日線を割り込み、翌日は復帰したもののジリ安になって、5月1日には安値180円(この日の75日線は192円)まで下げました。

もし上昇波動のスタートであるA点の166円を下抜くようであるなら、そのときに上昇波動ではなくなりますから、これ以降は買うことはできません。しかし180円を安値として反発。今日で5連続陽線となって207円で引けていますから、75日線をメドとして買っていても報われた勘定になります。


(00.5.11) 16882(-819) 5.8億株


NYは-168安の10367ドル。ナスダックも-200と大幅に下落し3384P。外国証券の朝方の注文は、売り3500万株・買い3900万株で+400万株の買い越し。新日経平均がナスダック連動の性格に変わったことに加えて、新日経平均になって初めて迎えるSQが明日に迫るという2つの要因で、日経平均は大幅下落し17000円割れ。

ようやく新日経平均へ移行したことについて非難の声が公になってきました。宮沢蔵相は日頃「市場のことは市場にまかせる」という態度で、98年の最安値をつけるときでさえ冷淡なものでしたが、今回は「日経平均の入れ替えのしかたはおかしい。日経平均の連続性は失われた」と異例の発言です。

日経225の入れ替えの話は4月17日以来繰り返し、すでに飽きているのですが、新日経平均への移行によって出た影響をちゃんと捕らえていないと、今後のグラフの検討ができなくなりますから、くどく述べます。

図は4月28日に掲げたものです。(00年4月28日))98年10月を大底として、2つの中勢上昇波動を重ねてきましたが、「今回の下げで中勢第2段目の上昇は終り、この調整に入った。調整期間は8週間くらいになるのではないか。」と述べました。

ところが今日の大下げによって、ザラバ安値16779円をつけてしまいました。中勢第2段目の上昇波動はCの16652円からスタートしたのですが、このスタート点の16652円にあと127円と迫ってきました。 これを割り込むことになれば、この下げは中勢2段目の上昇波動に対する調整ではなくなってしまうことになります。これは大変です。

宮沢蔵相がいうように「連続性が失われた」と割りきれば、16652円を下回ろうとどうということはありませんが、今後の日経平均をグラフでアプローチすることはできなくなります。そこで今回の日経225入れ替えによって旧日経平均と新日経平均とはどれほど(何円)の影響があったのかを知り、通常銘柄が権利落ちしたのと同様の修正をすることにしました。

まず4月14日(発表前日)から4月21日(移行日前日)にかけての下げですが、旧日経平均は図に記入したように、-10.6%(-2182円)下げました。一方TOPIXは-1.1%の下げで、この差は-9.5%になります。この間の値巾は日経平均においては(除外30銘柄および居残り195銘柄の下げ)+(NY暴落などの影響による下げ)によって引き起こされました。

一方TOPIXの値巾は(新採用銘柄の上げ)+(NY暴落などの影響による下げ)によっていますから、(新採用銘柄の上げ)がTOPIXを余計に押し上げています。従って差の-9.5%全部が日経225入れ替えによる下げではありません。この半分の-5%が旧日経平均を不当に下げたとしましょう。旧日経平均は1000円(20234円×5%)分不当に安くなったことになります。


4月24日は新日経平均がスタートした日です。この日から新採用30銘柄の値段の上下が大きな影響力を持つのですが、新採用30銘柄は4月21日までに大きく買い上げられていました。(この結果TOPIXがほとんど下げなかった)この需給によって不当に買い上げられた分のいくらかが剥げていきます。新日経平均はスタートした日から下げることは確定していました。

私は、新採用30銘柄は4月21日までに平均1317円(総計39510円)上昇していたので、この半分の-650円(総計19500円)分だけ剥げるだろうと思いました。総計で19500円下落すれば、新日経平均では958円(=19500÷20.34)の下げになります。4月21日の旧日経平均の終値18252円から958円下げれば17294円になります。

しかし今日の下げはこの予想を上回りました。新採用30銘柄は平均して-1087円の下げになり、移行日以前に上げた+1317円を帳消しにする勢いです。もし1317円分を帳消しにするのであれば、新日経平均は1900円ほど下げる勘定です。18252-1900=16352円がそのときの日経平均です。(この水準はザラバ16779円をつけた今では恐れることはありません。すでに全部を帳消しにする水準に来ています。)

この結果、旧日経平均と新日経平均を比べるとき、旧日経平均時代に不当に下げた1000円と、新日経平均時代になって下げるべくして下げた1370円(今日現在)の合計2370円分だけ不連続になっていると考えられます。

従って今日のザラバ安値16779円は旧日経平均とを比べるときは、+2370円のゲタをはかせた19149円とするわけで、冒頭にいった第2段目の中勢上昇波動のスタート点を下回るには、まだまだ相当な値幅があります。(今日の結論は「2300円のゲタ」)


(00.5.12) 17357(+475) 7.1億株


NYは10543ドル(+178)。ナスダックも+114高の3499P。外国証券の朝方の注文は、売り3500万株・買い4300万株で+800万株の買い越し。

オプションSQは買い越しとなったようで、昨日の騒動はいったい何であったのか。昨日まで、投資家は得体の知れぬ日経平均の亡霊に翻弄されてきました。しかし今日のSQ通過と新採用30銘柄の反発によって、私自身はすっかり納得がいっています。

新日経平均は旧日経平均に比べて2370円の権利落ちをしたようなものだ。と考えればこれまでと同じように日経平均と付き合っていけます。

今日日経平均が反発したことによって、昨日いったゲタは2370円であることが確定しました。(今日も下げたなら、ゲタはもう少し大きくなった)

グラフでは新日経平均は200日線を割り込んでいますが、昨日の安値16779円に2370円のゲタをはかせると19149円である、ということは昨日も述べました。200日線は実質的には割り込んではいませんから、大勢の上昇波動はなお持続しています。いまは中勢第2段目の上昇波動が終り、この調整中です。調整は2か月はかかると思っていますが、すでに1か月は過ぎました。来月の先物6月限のSQを明けたあたりから中勢の第3段目の上昇にはいるのではないか。


71銘柄の続きです。@上昇する素質をもっている銘柄が、A上昇波動入りし、Bこのとき出来高が急増した、銘柄はざっとみたところ、13銘柄ありました。まだ掲げていなかった銘柄を2つ上げて、買い場はどこであったのかの検討を終わります。

「扶桑薬」はA→Dへと急上昇タイプの底をだして、D点でV相対90をクリアしました。その後の下げは75日線まで下げず、25日線と75日線の中間で下げ止まり、上昇してしましました。

まあ強かったわけですが、押し目の492円の水準は、A→Dに上昇する途中の500円を中心にした3日間の陰線の水準であることや、Aの直前の波動のピークの484円の水準がヒントになります。

「住友精密」は同じく急上昇タイプの底打ちをしてD点をつけました。このときのV相対は90を超えており出来高もクリア。その後日経平均の災難で下落が加速されましたが、75日線をすこし割り込んだ水準で下げ止まりました。

今日は大きく反発です。ただしD点から15日程度の高値保合いから急反落しただけに、当面は戻り売りが強くなりそうです。

71銘柄については、1か月あればいうべきことはあらかた言えると思っていましたが、日経平均騒動のため、ずるずると長引いてしまいました。そうこうしているうちに新たにD点をとり、V相対もOKという銘柄がでてきました。

「日機装」は4月末に直前の波動のピーク534円を上抜いて、急上昇タイプの底打ちをしましたが、今日のV相対は91になり、これで買い銘柄になりました。あとはこの後の押し目ですが、75日線まで下げるのか、直前の波動のピークの534円の水準で止まるのか、が注目点です。


(00.5.15) 17313(-44) 5.8億株


NYは10609ドル(+63)。ナスダックも+29高の3529P。外国証券の朝方の注文は、売り4100万株・買い5500万株で+1400万株の買い越し。金額ベースでは4月は8000億円の売り越しになっていましたが、株数ベースでは買い越しのようで、値嵩株株売りの低位株買いが外国人のスタンスのようです。

16日のFOMCで0.5%の金利引上げなのか、0.25なのか、最悪0.75%なのか、これを見てからということで、小動きに終始しました。値嵩株は売られ、造船・非鉄・繊維・銀行・損保の内需株が買われる動きはしばらく続きそう。

@上昇する素質をもっている銘柄が、A上昇波動入りし、Bこのとき出来高が急増した、Cこの後の押し目を75日平均線水準をメドにして買う。というところまで進んできました。今日からはD買った後はいつ利食いするのか、について述べます。

Cの押し目(調整)を作るときの株価の動きは、例えば前日比-2円とか-5円安といったふうに大きくはありませんから、押し目の最安値で買えなくても、最安値と買値にはそれほど大きな違いはありません。(押し目の最安値とかけ離れた値段でしか買えないなら、それは見送るべきです。)

ところが上昇を続けで波動のピーク近辺になると、1日の値動き巾は大きくなります。たった1日の違いで株価が10%違うことも多くあります。売りは難しいといわれるゆえんです。理想的にはピークを打つ日にわずかの転換をとらえることですが、普通の投資家は一日中相場を見つづけることはできません。ピークを打った日の立会いが終わって、この日のデータを入手し、グラフを見て、ピークを打ったようだと判断できれば、これが最も早い確認です。

1日の変化でピークを打ったようだと判断するには、「足型」が大きな手がかりになります。ピーク時に出る足型はいくつかありますが、図の2つは最も重要です。

「上ヒゲ」はザラバで高値を更新していったが、その後は売り物に押されて値を下げ、始値とそう違わない水準で終わったものです。売り圧力に屈したことがピークではないかと思われるところです。

「つつみ下げ」は前日まで快調に上昇し、当日も買い気満々で高寄りしたものの、売り物がでてきて、前日の安値以下にまで下げて終わるもの(図のa)で、明らかに上げから下げへの転換を表しています。(図のbは1日で下げずに、2日かけて「つつみ下げ」を完成させたものです。)

71銘柄の中から2つの足型の例を掲げます。「明乳」は青丸の日に「上ヒゲ足」がでています。実際にはこの日はピークにはならず、この日を高値にして6日間の高値保合いをしてから、大陽線をだして753円の高値を出しました。

ピークの753円では売れませんが、「上ヒゲ足」を見た翌日に売却できれば十分です。その後6日間の高値保合いをしているので、このときに売ってしまうよりはましです。

「日本板紙」は350円のピークをつけた日に「上ヒゲ足」を出しています。同時にこの日は前日の安値316円を下回る315円で終わっていますから、「つつみ下げ」に近い(ザラバベースではつつみ下げになっている)足で、転換を表示しています。

なおいうまでもないことですが、波動のピークである以上、@当日の株価高値は前の波動のピークよりも高い水準にある、A出来高は前の波動のピーク時の出来高に匹敵あるいは多い、ことが前提です。 高値を上抜いていない上昇途中や、出来高が少ないときに「上ヒゲ足」や「つつみ下げ」がでたとしても、転換ではありません。

特に「上ヒゲ足」は小さい(値幅が小さい)ものに目を向ければ、結構でていますから、足型がでたからといってすぐに転換としてはいけません。@最近の新高値であること、A出来高が大きいこと、を忘れてはなりません。


(00.5.16) 17551(+237) 6.7億株


NYは10807ドル(+198)と3連騰。ナスダックも+78P高の3607P。外国証券の朝方の注文は、売り4000万株・買い4300万株で+300万株の買い越し。NYが高かったことで、FOMCの金利引下げは折り込まれたようであるとして日経平均は小反発。

ハイテク・半導体関連やIT株も確かに反発しましたが、低位材料株が人気しました。日経平均に翻弄されてきたので、これに惑わされない銘柄へ避難しておこうの思いも半分はあるのでしょう。値上がり率上位は、日産車体175(+40%)・井筒屋247円(+25%)・東洋糖167円(+20%)・タンガロイ489円(19%)・新潟鉄101円(+17%)・リズム238円(+17%)・第一パン336円(+16%)・大同板225円(+16%)・東芝機270円(+16%)・高島128円(+16%)とゲリラ株のオンパレードです。

旧日経平均で値の高い銘柄は、ソニー(11670)・KDD(10900)・武田(6090)円・山之内(6090)・信越化(5710)・トヨタ(5060)で、特に権利落ち前のソニーはこの2倍の値段でしたから、日経225では飛びぬけた存在感がありました。ソニー・トヨタ・NTTを見れば、市場の動きはだいたいわかっていました。

しかし新日経平均225の値の高い銘柄は変わりました。今はアドテスト(24370)・東エレク(15990)・京セラ(15490)・松下通(13960)・TDK(13300)・セブン(11900)がベスト6になり、第7位8位にソニー(11670)・KDD(10900)がようやく顔を出します。日経平均の主役は完全に代替わりしました。半導体テスター、半導体製造装置、携帯電話、携帯用チップコンデンサー、コンビニの動向が日経平均を動かすことになります。

71銘柄の足型の続きです。「日研化」は図の青丸で上ヒゲ足をだしてピークをつけました。D点を少ししか上回ることはできませんでしたが、翌日も陰線の上ヒゲとなり、翌々日には陰線をつけて反落となっては、これ以上の上伸力はありません。

E点からの反発なので、とりあえずはF点としましたが、モデル波動のF点に比べると、非常に見劣りする中途半端な上昇で終わりました。その分だけF点近辺のシコリは少なく、次回の上昇波動ではF点は抜きやすいといえます。

その後4月に351円の安値を出し、420円へ反発。この調整は375円で止まっていますから、420円を上抜くことになれば、小文字で記入したように、a→b→c→dの2番底型の立ち直りになります。dでV相対が90以上になれば、これまでいってきた@ABの条件が満足されます。

「東テック」はD点をつけたときに「つつみ下げ」の足を出しました。直前の波動のボトム320円(C点)からD点の574円までは79%の急調子の上昇で、一応D点としましたが、実質はF点に匹敵します。その後の押し目は25日線の上方446円で止まり、ここから最高値581円をつけにいきましたが、D点を超えることわずかに7円です。D点をつけたときに旺盛な買いはほとんど出切っていたわけです。

こう見ればD点の「つつみ下げ」で一波動が終わったと判断しても間違いとは言えません。もっとも@AB(D点)の後の押し目(だいたい75日線水準)を買うというのが、71銘柄のテーマですから、D点の後に75日線まで調整しなかったため買う機会は無かったのですが、D点で「つつみ下げ」を出したときに、この銘柄とは縁がないと思ってもよかったのです。


(00.5.17) 17404(-147) 6.4億株


FOMCは市場が予想した0.5%の金利引上げをしたため、NYは10934ドル(+126)と4連騰。ナスダックも+109P高の3717P。外国証券の朝方の注文は、売り3480万株・買い4360万株で+880万株の買い越し。

NY高を見て小高く寄りついた後はジリ安。前場はハイテク・ネット株が買われたものの、却って売り物をさそう結果になりました。明日はMSCIの銘柄入れ替えだそうです。日経平均で手ひどい目にあったばかりなので、これも気分を萎えさせてしまい、日経平均はマイナスで終わりました。

昨日まで2つの足型による利食いについて述べました。いつでも足型がでて売ることができれば、楽なことなのですが、2つの足型がでることは全体の半分もありません。そこで第3第4の足型を求めるのもよいのですが、多くの足型を用意したとて、必ず足型がでてピークアウトするわけではありませんから、今日はそれよりも有用な目標値の決め方について書きます。

図はモデル波動ですが、大底Aから上昇を開始した目先の上昇波動はB→D→F→Hと波動を伸ばしていきます。(実際にはモデル波動どおりに動くことは稀で、BDFは連続して繰り返されたり、B→FへとDを飛び抜かしたり、Hが出ずに終わったりとさまざまです。)

ただA→Hの上昇波動である限り、@BよりDは高く、それよりFは高く、さらにHは高い。ことは基本(というか、それだから上昇波動といえる)です。

さらに考えれば、A→B、C→D、E→F、G→Hの4つの目先上昇波動では、この順に買い手は楽観してきます。A→Bの性格はその前のM→Aに対する反動であり、C→Dはこの銘柄は安いとする確信的な買い(ただし少数派)ですが、E→Fは上昇転換を確認してからの買いであり、G→Hはこれまでの上昇を見ての付和雷同の買いです。となると、4つの目先波動の大きさは楽観の順に大きくなります。すなわちA→B、C→D、E→F、G→Hの順に値巾は拡大していきます。

4つの目先波動の大きさは順に大きくなるということを利用すれば、目標値がわかります。「信越ポリ」は図のようにA(530円)→B(612円)へ82円巾の上昇をしました。次のC(540円)→D(692円)は152円巾でした。

E点近辺の75日線の水準でこの銘柄を買ったとき、次の目先上昇波動のE→Fは、少なくともC→Dの152円巾以上の上昇となるはずです。そうであるならE(570円)に152円を加えた722円より高い値段がつくはずです。

売り目標値は722円以上であることが、E点近辺で買ったときにわかっています。実際にはF点で728円をつけ、この後反落しました。

なおF点でもV相対は90%をつけたのは、Gへの反落後に再上昇してH点を目指すことの予兆です。


「日石輸」はA→DといきなりのD点を出しました。A(155円)→D(210円)への上げ巾は55円です。その後75日線まで調整し、E点をつけましたがE点は181円です。

E点から首尾よく上昇し、D点を上抜きましたが、ここでF点への上昇が確認されます。 F点の目標値は、E(181円)に55円を加えた236円以上です。

株価が236円を超えて長大陽線をつけたとき、その日の大引けであるいは翌日の寄り付きで売却すれば、足型(上ヒゲ・つつみ下げ)を見てから売却するよりも、高く売れる可能性があります。


(00.5.18) 17031(-372) 6.3億株


NYは10769ドル(-164)と反落。ナスダックも-72P安の3644P。外国証券の朝方の注文は、売り3680万株・買い3800万株で+120万株の買い越し。

MSCIの日本株インデックスの銘柄はほぼ据え置きとなり、採用を先回りして買われていたドコモ(-180千円)、松下通(-1710円)など値嵩株は大崩れとなりました。一方決算のよかったトヨタは一時S高するなど好調。来期連結1株益が22.7円の予想の住友鉱は3200万株できて455円(+56)、太陽誘電、キンセキも上昇。

71銘柄についてひととおりの説明をしました。こうして現実に進行していることを題材に述べると、わかりやすかったのではなかったかと、自分では納得しています。最後に昨日の目標値について追加し、71銘柄の連載を終わります。


「住友鉱」はD点をとり、V相対が90になり、という71銘柄の例ではありませんが、定点観測している銘柄でもあり、昨日・今日は大幅高をしましたから、これを教材に71銘柄の復習です。

原発事故でA点(215円)まで売られましたが、ここから75日線を上抜きD点(305円)となりました。D点であるとしたのは、ひとえに75日線を上抜いたというだけでまだこの時点では確信がもてるD点ではありません。(図にはありませんがDの前の波動のピークは348円で、この段階ではまだこれを上抜いていないので、正確にはD点とすることはできません。)

しかしDからE(295円)に下落し、ここからD点の305円を上抜いてD'(307円)となったので、この段階で上昇波動入りが確認されました。この後はE'まで押し目をつくるのですが、D点D'点のV相対は80%にも達しておらず、波動の形としてはよいが、E'からの再上昇を期待してもよいのか、となると、確固とした自信はありません。

E'(253円)からF(339円)に上昇しましたが、ここで出来高が977万株とA以来の最大の出来高ができました。V相対は86で90に少し不足しましたが、人気化したことは明らかです。Fからの押し目は買いです。Fからの下げメドはまず25日線の294円であり、意外に深ければ75日線の270円です。

G点は291円で終りH点に上昇しましたが、このときの目標値は、A→D'が92円巾、E'→Fが86円巾とE'→Fの上昇巾はA→D'に比べて見劣りしました。Gからの上昇は92円より大きいとして、Gの291円に92円を加えた383円以上がH点の目標値になります。H点は387円でした。(翌日は4月17日のNY暴落と225入れ替えがあったので下落してしまいましたが、これがなければこの後400円台にのせたであろうと思います。)

Hからの反落は25日線と75日線の中間で止まり、G'(320)円となりました。G→Hが96円巾であったので、G(320)からの目標値は320+96=416円以上となります。今日は414円と高寄りし、460円まであったので、この目標値はクリアされ、G点での買い、G'点での買いは十分に報われました。


(00.5.19) 16858(-372) 6.4億株


NYは10777ドル(+7)。ナスダックはハイテク・ネット株が崩れて、-106P安の3538P。外国証券の朝方の注文は、売り4600万株・買い4800万株で+200万株の買い越し。

今日も値嵩株は外国人・個人の売りで下げ、とくにソフトバンク・光通信・オラクル・CTCなどネット・IT関連の非製造業はそろってS安。ただ好決算を発表した京セラは15600円(+1530)と上昇し、昨日の悪役であった松下通は突っ込み警戒から12650円(+310)と反発するなど、値嵩株すべてが売られたわけではありません。

発表されている決算はなかなかよく、素直に株価上昇につながらないのが歯がゆい思いですが、三菱電・住友化・郵船・住友鉱など低位株で決算のよかったものは、それなりに上昇しています。住友鉱は昨日の好決算に加えて、今日は金鉱脈発見のニュースまで飛び出し高値を更新。

いま最も重大関心事は、@日経平均が200日線を割るのかどうか、A中勢上昇2段目のスタートである16652円を下回るのか、の2点です。

@今日の200線の水準は18552円で、とっくのとうに割り込んでいるではないかといわれるかも知れません。しかし5月11日に、4月をはさんで以前の日経平均と以後の日経平均とを比較するときは2370円のゲタをはかせるべきだと述べました。今日の日経平均は16858円ですから、ここへ2370円を加えると19228円になります。

18552円にはまだ676円の余裕がありますが、今日のザラバでは460円のマイナスになっていましたから、これを下抜くのはワンチャンスといってよく、そうも楽観はできません。

200日線にこだわるのは、これを下抜けば、大勢下降波動に入ったと認めざるを得ないからです。図をご覧になるとおわかりのように、98年10月に歴史的な安値12787円をつけましたが、ここから99年2月まで底値鍛錬をし、3月に200日線を上抜いたのでした。99年3月に大勢上昇波動に転換したことが確認できました。もし200日線を下抜くようなことになると、逆に大勢下降波動に入るわけで、どうにもなりません。

Aこの大勢上昇波動の上では、図のように中勢上昇波動を2つ重ねてきました。大勢上昇波動には3つの中勢上昇波動が含まれるはずで、あと1つの上昇波動が残っているためには、2つ目の中勢上昇波動のスタートである16652円を下回ってはならない、ということです。

まあ、現在のゲタをはかせた日経平均は19228円なので、これにはまだ2600円ほどありますから、ここまでの心配はしなくてもよいと思います。 当面の問題は@のことですが、TOPIX・日経平均ともに来週月曜日には、逆張りの条件表No.2「日経平均用'96」が買いマークをだすはずで、670円下げて200日線を割ることは回避できそうです。


(00.5.22) 16386(-472) 6.0億株


NYは10626ドル(-150)。ナスダックも-148P安の3390P。外国証券の朝方の注文は、売り4950万株・買い4940万株で-10万株の売り越し。 日経平均は暴落の様相となりました。ハイテク・ネットの下げはきつく、信用の追証も相当に発生しているようです。

こうなると昨日いった200日線を修正日経平均が割り込むかどうかが焦点になってきました。今日の200日線は18546円。今日の日経平均ザラバ安値16174円にゲタ2370円を加えると18544円とちょうどこの水準です。終値は200円ほど上にありますが、首の皮1枚でつながっているありさまです。

あやうい状況ですが、日経平均・TOPIXとも逆張りの買いマークをだしていますから、200日線水準にあることを考えれば、この水準から下を予想することは、あまりに悲観的になりすぎているのではないか。


(00.5.23) 16318(-67) 6.1億株


NYは10542ドル(-84)。ナスダックも3364P(-26)と続落。外国証券の朝方の注文は、売り4570万株・買い3930万株で-640万株の売り越し。

突っ込み警戒から寄り付き後は高くなったものの、ソニーが10000円を割り、NTTデータが100万円を割るなど次第にムードが暗くなりマイナスへ。オラクル・CTCなど値嵩はS安。

いきおい内需関連株に目がいき、在庫急減と報じられた紙パルプや決算のよかった化学株、増配の電力株、鉄道・不動産・損保など結構多くの銘柄が小幅ながら上昇しました。値上がり銘柄数は710(値下がりは541)に見るように、日経平均は5日連続安でしたが、内容は悪くありません。

今日の日経新聞に出ていましたが、私も日経225の入れ替えの影響は、5月11日で終わっていると思っています。5月11日の日経平均は16882円(-819)でしたが、これ以降の下げはハイテク・IT関連株の投げによるものです。多くの値嵩株株は昨年末(12月)のピークを出していますが、だいたいこの5月で信用買いの投げは出尽くすはずです。(ただソニーやソフトバンクは今年2月のピークを出しているのでなお売り物はでてきます。)

この下げでは、ファンダメンタルな材料はほとんど無視されてきました。いまも続々と発表されている2000年3月期の決算は実によかったの感想ですが、とくによかった銘柄だけが1日2日上昇するだけに終わっています。

図はイールド・スプレッドです。イールドスプレッドは(長期金利−株式益回り)の計算で求められます。例えば今日の長期金利(日経インデックス・長期債)は2.09%であり、株式益回りは1.38%です。今日のイールドスプレッドは(2.09-1.38)の計算によって0.71%となります。

イールドスプレッドは今資金があるとき、金融商品(例えば国債)を買ったほうがよいのか、株式を買ったほうがよいのかの目安になります。(イールドスプレッドが大きいときは国債、小さいときは株式を買うのがよいのです。)図のAのイールドスプレッドは1.2%以上になっていますが、ここでは株式よりも国債を買うほうが有利です。Bは0.5あたりで、株式を買うほうが有利です。実際に日経平均を見ると、Bから上昇し、Aでピークを出しています。

さて今回の大下げと、好決算によって株式益回りは急速に好転してきました。例えば4月末の株式益回りは0.79%でしたが5月17日には0.89になり、昨日5月22日には1.03%になり、今日は1.38%です。よい決算が出るたびに、株価が下落するたびに株式益回りはグングン上昇しています。最近の長期金利はだいた2.1%から2.2%で推移していますから、イールドスプレッドのほとんどは株式益回りによって決まります。

図の赤丸(今日のスプレッド)をご覧下さい。図のBの水準(株式を買ったほうが絶対有利の水準)になってきつつあります。日経平均についてそんなに悲観しなくてよいことがおわかりでしょう。


(00.5.24) 16044(-274) 6.4億株


NYは10422ドル(-120)。ナスダックは-199と大きく下げ、3164P。外国証券の朝方の注文は、売り3300万株・買い4400万株で1100万株の買い越し。

ナスダックは下げ止まらず、東京市場は寄り付きから値嵩ハイテク・情報通信の売り物がどっと出て、まさかの16000円割れとなりました。ソニーは9490円(-510)、ドコモは好決算発表にもかかわらず-130千円安の2670千円。富士通・NEC・三菱電など軒並み安。一方では証券・銀行・損保は買われ、内需株へシフト。

昨年末の値嵩ハイテク・情報通信・ネット株の買いはすさまじいものでしたが、その分だけ、いまの投げも中途半端ではありません。まだ投げ足りないのかと思うほどの連日の弱相場です。とはいえ投げきってしまえば今日のNTTのように反発する日がもうじきやってきます。

NTTは昨年11月25日にピーク1940千円をだしましたが、この5月はちょうど信用の期日です。 多くは信用買いは期日の1か月前くらいには整理がつくものですが、今度は6か月間つつ一杯粘ったようで、一昨日5月22日に1180千円をつけました。

1180千円は昨年11月ピークをつけにいくときのスタート点の株価水準です。6か月かけてスタートに戻ったわけです。図のK'からL'に反発したことによって、H高値近辺の買いものはK'までの下落途中で投げたものと思っていましたが、そうではなく、L'の戻り高値1680千円では、11月に大商いをした1700千円以上の買いはマイナス評価になっており、期日が迫っていることがあってL'では戻り売りが先行。ここから信用買いの整理売りだけになってA?に至ったようです。

期日一杯まで整理ができなかったということは、Hをつけるときの買い手は、付和雷同買いした投資経験が浅い投資家のようです。とすれば他のIT・ネット株も押して知るべしで、期日一杯までは下げると思わねばなりません。

今日の株式益回りは1.46%へ向上、長期金利は2.06%ですから、イールドスプレッドは0.6%といよいよ株式投資の有利性が強まってきています。信用買いの期日売り、追証による投売りがでている今は、まったくよい買い場を提供してくれています。


(00.5.25) 16247(+203) 6.2億株


NYは10535ドル(+113)。ナスダックは3270P(+106P)と反発。外国証券の朝方の注文は、売り4270万株・買い4420万株で150万株の買い越し。

6日ぶりに反発。ソニーが10000円を回復し、昨日好決算のドコモが2830千円(+160)、NTTデータが917千円(+45)と大きく反発。ソフトバンクはS高の16100円。その割には日経平均の上昇巾はもの足りません。

今日は松下通信(-700)やセブンイレブン(-760)が足を引っ張っていますが、セブンは昨年11月30日が最高値で、まもなく期日が経過。松下通は12月末がピークですが、あと1000円下落すれば、昨年9月から12月にかけて舞い上がったスタート時点の水準に戻るので、しだいに日経平均の足を引っ張る銘柄は消えていきます。


イールドスプレッドについて説明を追加しておきます。図は鹿島建の業績データです。2000年3月期の1株当り利益は7.3円になっています。この日の株価は288円なので、PERは288÷7.3円で計算され、この答である39.6(倍)が、図のPERの欄に表示されています。PERは、現在の株価は1株当り利益の何倍に買われているかを表します。

「株式益回り」はPERの反対で、1株当り利益÷現在株価(×100)で計算します。鹿島建の例では、7.3円÷288円(×100)=2.53(%)になります。株式益回りは、株式に投資したとき、企業は株価に対して何%の利益をあげるのかを表しています。

株式を保有していれば、企業から配当金がもらえます。配当金が株価に対して何%にあたるか、というのは「配当利回り」ですが、この配当金は利益(および利益準備金)に基づいて支払われるので、最終的には「株式益回り」が重要な投資の目安になります。


鹿島の株式益回りは2.53%でしたが、東証1部上場の全銘柄の株式益回りは日経新聞に毎日発表されています。図の赤枠の1.46%が5月24日の株式益回りです。いま株を買うと、おしなべて年に1.46%の利益があがることを表しています。

一方有力な投資先である10年国債の指標銘柄の利回りは1.71%です。また日経新聞が毎日発表している日経公社債インデックス(長期債)の利回りは2.06%です。利回りだけを比較すると、長期債は2.06%で最も高く、株式益回りとの差は(2.06-1.46=0.6)0.6%あります。この0.6%の差をイールドスプレッドということは先日述べました。

それでは今は債券の方が妙味があるのかというと、そうではありません。株式は長い目でみれば、全体的には経済成長率と歩調をあわせます。ここ数年間ではマイナス成長もあって株式は大幅下落をしましたが、99年度の成長率は政府の見込みで0.6%です。来年は1.0%を超える成長となる予定です。

経済成長の分だけ株価は上昇するのですから、株式投資によって得るものは、株式益回り(1.46%)に加えて経済成長(0.6%〜1.0%)の上乗せがあることになります。つまり株式益回りは、長期債利回りよりも経済成長率分の0.6%〜1.0%少なくてもよい(イールドスプレッドは0.6〜1.0あって当然)、ということです。

先日のグラフで、イールドスプレッドが0.6%以下になった昨年9月から10月には株式は明らかに割安であり、ここから株価は上昇しました。逆に今年3月から4月にはイールドスプレッドが1.2%以上になり、割高感がでて株価は下落してきたのは、この理由で説明がいきます。

この観点から、毎日のイールドスプレッドから目が離せないのですが、今日の長期債利回りは2.08%。株式益回りは1.51%になっていますから、イールドスプレッドは0.57%とさらに縮小し、日を追うにしたがって株式が有利になってきています。


(00.5.26) 16008(-239) 5.3億株


NYは10323ドル(-211)。ナスダックは3205P(-65P)と急反落。外国証券の朝方の注文は、売り3610万株・買い4160万株で550万株の買い越し。

NY安に加えて、5月の月内売買最終日でもあって、続落し、ザラバ・終値とも新安値を更新。とにかく昨年末からことし2月にかけて上昇したハイテク・IT・ネット株がもとの水準まで下落せねば指数は下げ止まらないようですが、多くの銘柄はその水準に近くなっています。

ソニーは権利落ち後に換算すれば、9000円がその水準です。一昨日のザラバ安値9260円はすでに当面の底値圏内にあります。松下通にいたっては12月に急騰する前のスタート点の株価は17000円でしたが、この水準はすでに大きく下回り、長く保合った7月の9000円まであとわずかまで下げています。



値嵩株主導で日経平均・TOPIXは驚くほどの下げようですが、いろいろな点から底値圏にはいっているといえます。

まず先日来いっているイールドスプレッドです。今日の株式益回りは1.55%、長期債利回りは2.05となりました。イールドスプレッドはちょうど0.5%です。イールドスプレッドが0.5%まで低下したのは、最近では99年9月27日以来のことです。図に見るように、TOPIXが1413Pのボトムをつけた日に当たります。TOPIXはこの日を境に上昇し、00年2月に1757Pをつけたのでした。

99年9月27日時点での株式益回りは、00年03月の予想収益をもとに計算されていますが、いまの株式益回りは来期(01年03期)の予想収益をもとにしています。5月22日ころから決算発表は大詰めを迎え、続々と好決算ないし来期予想が発表されるに及んで、株式益回りは急上昇(イールドスプレッドは急下落)しています。いかに来期予想がよいかということです。これらを無視した下げが続くわけがありません。

TOPIXのグラフからいえば、昨年9月から@ABCと小勢4波動の上昇をして、1757Pのピークをだしましたが、ここから@ABCと小勢4波動の下落をして、今日にいたっています。今回の下げが1413P→1757Pへの中勢上昇波動の調整であるならば、この小勢4波動の下げで帳尻はあい、ここからも底値圏内にきているといえます。


(00.5.29) 16245(+237) 4.1億株


先週末のNYは10299ドル(-24)。ナスダックは3205P(-0P)と変化なし。外国証券の朝方の注文は、売り3450万株・買い2900万株で550万株の売り越し。

今夜のNYは休場。NYが手本にならないので商いは縮小し、半年ぶりの5億株割れとなりましたが、少なくとも今夜のNYを気にすることはないので、今日の値動きは日本市場そのものの強弱がでたのではないかと思います。

1000万株を超える銘柄が皆無であったように、出来高が少ないながらも値上がり銘柄数が820(値下がりは422銘柄)と多かったのは、もちろん決算発表がピークを越し、その中間集計が日経新聞で報道されたからです。

いままでの集計では、2000年3月期の連結益は26%増で、来2001年3月期の予想連結益は190%増というすさまじい業績予想がでています。単独決算はもっときつく、2000年3月期の純利益は-33%と減益ながら、来2001年3月期の純利益は592%増というびっくりの回復です。

2000年3月期から連結決算になりましたが、連結のほうが単独よりもよいというのはよいことです。2001年3月期には退職給付金の積み立て不足を計上せねばなりませんが、今期でかなりの企業が不足を一括して損金としたのが理由でしょう。さらに2002年には保有不動産・株式の時価評価に変わりますが、これも前倒しで処理した企業も多く、本業の利益がそのまま決算に出やすくなってきました。

日本企業はさあこれから利益を出すという段階にきています。そうであるのに4月5月の下げは需給(外国人の利食いと個人の投げ)が要因となって大下げをしてきました。しかし株価を決める要因の順位は、@業績、A金利であり、ついでB需給、C投資マインドですから、BCを過大評価して、@Aを無視してきた反省が、これからなされねばなりません。

グラフでは、日経平均は(現在の日経平均に2370円のゲタをはかせて)200日線を割るのか割らないのかのぎりぎりの局面にあります。5月23日の200日線は18540円で日経平均は16318円(ゲタをはかせて18688円)で200日線より上位にありましたが、24日には18531:16044(18414)で215円下回ったものの、25日には18523:16247(18617)で再び200日線を回復。26日は18514:16008(18378)で割り込んだが、今日29日は18505:16245(18615)で回復。といったように1日割り込めば、すぐに回復するという動きです。

この動きは16000円(ということは200日線)はかなりの確率で下値であるようで、目先には6月の先物SQという波乱要因があるものの、ほとんど底値をだしたのではないかと思っています。今日の長期金利は2.05%、株式益回りは1.63%となり、イールドスプレッドは0.42%とさらにさらに株式が割安となりました。


(00.5.30) 16228(-16) 4.8億株


NYは休場。外国証券の朝方の注文は、売り1600万株・買い2000万株と薄く、400万株の買い越し。 東エレク・京セラ・KDDJ・セブン・ファナックなど日経平均採用の値嵩株が上昇し、日経平均は一時+240円まで上昇。

値上がり銘柄数は一貫して値下がり銘柄数よりも少なかったのですが、なるほど新しい日経平均の動きは、値嵩株に依存していることがよくわかりました。これまでは値嵩株が日経平均を下げる日ばかりが続いていましたが、今日は全体はマイナスであっても値嵩株次第で、200円や300円はすぐに上昇するのだということを見せてくれました。

最近はイールドスプレッドについてばかりいっていますが、いうだけの価値はあります。今日の株式益回りは1.77%(長期金利は2.02%)で、イールドスプレッドは、なんと0.25%まで下落しました。 株式益回りは1株利益÷株価(×100)で計算されますから、益回りが上昇するのは、@株価が下落するか、A1株利益が増加するか、の2つです。ここ5日ほどは株価は動いていませんから、この益回りの上昇はすべて1株利益の上昇によるものです。00年3月の決算はほとんどでましたが、いまなお1株利益は増加しています。

昨年は、投信は成長株に集中投資してネットバブルの仕上げに多いに貢献しましたが、今年になってからは一転、方向転換をして、今度は割安株(バリュー株)投資だといって資金を集めました。その割には投信の買いという話が聞こえてきません。成長株投資の失敗の後始末がいそがしいのでしょうか。いまこそバリュー株を組み入れる時期でしょう。年金運用資金による買いはあるようですが、野村の日本株戦略ファンドはどうしているのでしょうか。

先日は図のAの時点のイールドスプレッドを見ましたが、このときのイールドSは0.49でした。これだけでも株価を大転換させ、大巾上昇させる推進力になりますが、昨年6月のイールドSは超割安水準で、株式益回りは2.11%(長期金利は2.18)の0.07%でした。その後の株価の上昇は図に見られるとおりです。いまは半年ぶり1年ぶりの買い場に直面しています。


(00.5.31) 16332(+103) 6.0億株


NYは10527ドル(+227)。ナスダックは3459P(+254P)と大幅なリバウンドとなりました。外国証券の朝方の注文は、売り3520万株・買い3340万株で、180万株の売り越し。

ナスダックの大幅反発とシカゴの日経先物が16610円と+310円の上昇をしたことから、寄り付きはハイテク・通信・ネット株にドッと買い物が入り、寄り付き直後に日経平均は早くも+300円高となり、今日は500円も上昇するのかと思っていました。しかし市場のセンチメントは弱く、早くも戻り売りが優勢となって、前場は+268円高で終了。

ソニーは10160円で寄って9520円まで売られ、セブン11は10040円寄りの9250円の安値をつけるなど、戻り売りはまだまだキツイものがありました。これら業績がそれほどよくない銘柄は戻れば売られます。一方、京セラ・アドテストは寄り付き値段を維持あるいはこれを超え、今日の日経平均+103円高はこの2社と東エレクの3社の上昇でもたらせたようなものです。

後場寄り後は一時マイナスになったのは、ソフトバンクの日債銀譲渡に黄色信号がついたことと光通信の子会社が倒産したことが理由となったようです。わずか3か月前には、ソフトバンク連合(オリックス・東京海上)は、10億円で日債銀を譲り受け、さらに1000億円を投入する。政府は3兆2000億円の債務超過分を補填した上、2400億円の優先株を買い入れる。これによって6月に新銀行が発足する。と伝えられていましたが、これはご破算となりました。

ソフトバンクだけでは役不足としても東京海上・オリックスを加えた連合であれば、譲り受け先として不足はないはずですが、3社の足取りが乱れたのか、金融再生委員会が細かいことに難色を示したのかわかりませんが、日債銀の処理はさらにコストがかかることになります。

ソフトバンクは一時S安となって-1520円安の16500円。光通信はS安売り気配の5100円と最安値を更新。大手銀行株は大阪府議会も外形標準課税導入を決めたせいか大幅下落となりました。特に富士銀は今年の新安値790円をつけ、一時はさくら銀と10円と変わらない水準まで下げるなど金融がクローズアップされた1日でした。


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