日経平均をどう見たか・判断したか (99年8月)

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(99.8.2) 17825 (−36) 4.3億株


NYは安かったものの、朝方の外国証券の注文は、売り2500万株・買い3750万株で、+1250万株の買い越しでした。7月末の5日連続売り越しの後、3日連続の買い越しであり、しかも1000万株以上の買い越し(売り越し)は7月16日以来のことです。外国証券は再び買い姿勢に転じたようです。

円が114円台に入りました。5時前に113.95円があって114.02円です。その割には日経平均は下げませんでしたが、輸出企業にとっては115円がギリギリの許容範囲であるといわれているので、113円台を見て、明日どれほど株価にインパクトを与えるのか、与えないのかが焦点です。

当然に日銀の介入があるはずです。前回の6月は120円を割って118円になったときに、円売り介入が行われました。その前の1月は1月11日に110.69円であったものが、ロンドン→NYで108円台になって、12日の東京市場が108円台になったときに、大規模な円売り介入がなされ、この日から120円台に向けて円安方向に振れたのでした。

110円、120円といった切りがよいところを2円ほど割ると介入してきていますから、113円で介入があるのではないか。たぶん今日の外国証券の(最近にしては)大幅な買い越しは、このことを予想してのものではないか。と思います。


(99.8.3) 17969 (+144) 4.9億株


朝方の外国証券の注文は、売り2500万株・買い3400万株で、+900万株の買い越し。円相場はロンドンでは113円台があったものの、NYは114円を割ることなく戻ってきました。前場は小安い程度でしたが、後場寄り後は、債券安(金利高)から相場は下落し、一時は-227円安。しかし宮沢−サマーズの電話会談があったとかで、円は115円台に戻し、株価も引け間際から急上昇し、高値引けとなりました。

経済再生で浮上した小渕内閣が、9月総裁選を目前にして、拱手傍観するはずはありません。これで、日経平均・TOPIXとも18623円からの下げ幅の半値戻しとなりました。ソニー・NTTの値はやや重いようですが、今日はセンブンイレブンが1:2の株式分割をするの発表で、ストップ高に買われました。

これを見て、親会社のイトーヨーカ堂が新高値になり、(NTTとドコモあるいはバンクとヤフーの関係を連想させて)まだ日の目をみぬローソンとダイエーの関係からダイエーも+41円高です。富士通と富士電機とか親子丼はまだまだあって、このような連鎖が始まれば面白くなります。

週刊東洋経済の今週号に、ソニーの井出社長の「私が考えている5つのことを話そう」という講演記事がありました。タイトルがなんともよいのですが、その中で、米国のインターネットビジネスはフェーズT・Uを過ぎて、Vに入りかけているが、日本はまだTにも入っていない。インターネット産業は巨大な隕石で、これまでの巨大な産業を破壊していくだろう。とありました。

フェーズT・Uなどの言葉を聞くと、昔インターフェロンがもてはやされたときの薬品株を思い出しますが、図は任天堂の月足です。1年で株価が3倍以上になった時期が3か所あります。たぶん任天堂(ファミコン)のフェーズT・U・Vは図のようになります。Tは新しい分野の開拓の時期、Uは普及の時期、Vは収穫の時期です。

図の@では株価は650円から3200円になり、Aでは4200円から14000円になり、Bでは8000円から20000円(この後すぐに34000円)になっています。企業あるいはその産業が時代にマッチしたとき、株価は途方もなく上昇するものであることを教えてくれます。


(99.8.4) 17685 (−284) 4.7億株


朝方の外国証券の注文は、売り3400万株・買い3700万株で、+300万株の買い越し。ナスダックは続落し、2587P。4日間で2700Pから2500Pへ台替りをしました。

市場では、日米協調介入がされるかと期待したようでしたが、すぐに協調介入するのであれば、そもそも昨日の宮沢−サマーズの電話会談はリークする必要はありません。不意打ちの介入こそが、ドル安円高の流れに最も大きなインパクトを与えます。電話会談の発表は、これで当面115円を注意水準とするという表明でしょう。介入はできそうにないとかの予想で再度113円台になったときに、突然の介入があるのではないか。

とはいえ今日は意外に大きく下げました。ナスダック特にネット株安の影響もあるし、円相場の影響もありましたが、NTTの政府保有株の放出(95万株)の発表も、下げの大きな原因でした。

NTTは昨年11月に、12月中旬に政府保有株を放出すると発表しましたが、このときの株価は930千円でした。ここから99年1月の854千円まで下げ、930千円に戻したのは1月27日のことでした。放出発表から2か月以上値を下げたことになります。

今のNTTは1600千円の高値をつけた後、1350千円まで反落し、ここから反発の途中にありました。どこまで戻るのかが注目点でしたが、放出の発表によって戻るどころか、先のザラバ安値1350千円を下回り、1600円は2〜3か月級の天井になってしまいました。


(99.8.5) 17358 (−327) 4.9億株


ネット株が崩れているナスダックは続落して2540P。NYの円相場は114.30円。などマイナス材料があって、朝方の外国証券の注文は、売り3850万株・買い3650万株で、-200万株の売り越しです。

朝から売りが先行し、前場は-260円。後場は一時-475円安まで売られ、大引けは-327円安です。先物は現物の17358円よりさらに安い17250円。ハイテク・ネット株は富士通が3130円(-270円)、ソニーが13650(-390円)、NTTが1330千円(-10千円)、バンクが26140円(-1910円)と大幅安となりました。値上がり銘柄数は195銘柄、値下がりは1036銘柄と全面安です。

この第2段の小勢上昇波動が終ったと観念するべき6月の中間の押し目17430円を下回りましたから、完全に第2段の小勢上昇波動は終りました。

5月末のザラバ安値15886円から7月のザラバ高値18623円への上げ幅2737円の半値押し水準は17255円ですが、今日のザラバ安値17210円は、この水準を少し下回りました。

半値押しをするようでは、この先の第3段の小勢上昇波動はそう大きくならないのではないか、と先のことながら、やや心配します。

今度の下げが簡単に半値押しをしてしまったのは、第2段の小勢上昇波動の上げ巾が2737円と小さかったためです。図の95年7月からの中勢上昇では、第1段の上げ巾は4552円、第2段が3819円、第3段が3123円でした。今度の上昇波動の第1段は3379円(3月2日を起点としたとき)または3909円(1月8日を起点としたとき)に比べると、今度の第2段の上昇巾は見劣りします。 第2段の上げ巾が2737円と小さかった原因は、ハイテク・ネット株に交代する業種がでてこなかったことにあります。

当面は、@今は1/2押し水準17255円の位置にある。A75日線の17205円の水準にある。B高値18623円から-7.7%下げの位置にある(第1段目の後も-7.7%下落した)、C17000円の心理的なフシがある、などがあって下値を試すことになると思いますが、(明日詳細は書きますが)今後の注目点は、この下げが高値18623円から-10%までの下げでとどまるかどうかです。-10%下げは16760円です。この水準にくるようだと、95年5月の手本とは違ったコースになると思わねばなりません。


(99.8.6) 17084 (−273) 4.5億株


NYは+119ドル高、ナスダックも+25P高でしたが、NYの円相場は113円台をつけ、これが売り急ぎの理由になりました。朝方の外国証券の注文は、売り3150万株・買い3300万株で、+150万株の買い越し。

終日売りが先行し、ザラバ安値は17046円と17000円ギリギリの水準まで下げました。ソニー+90円、富士通+20円、バンク+1280円と中心株が小戻し、昨日売られた井筒屋が+54円、シルバー精が+71円でしたが、夏休み入りとあって全般は手仕舞い売りに押されました。値上がり銘柄数は357銘柄、値下がりは825銘柄。

なみはや銀は旧福徳銀役員の逮捕や連結の自己資本不足などから、連続22日間ストップ安して、13万円(額面5万円)になりましたが、180億の増資をなんとか引き受けてもらえそうというので、一転して16日連続してストップ高となり、額面を回復したのが一昨日のことでした。

しかし昨日は、監督庁の検査で1000億円の債務超過となり、今日は破綻手続きをとることが決まったようです。これでストップ高・ストップ安の偏った動きも、一朝の夢となりました。

なみはや銀の株価は大阪では結構話題になっていました。日債銀の突然死の先例があるのに、よく売買をすることだと思っていましたが、まあ当然の帰結となりました。

昨日、日経平均の目先のフシについて4つ掲げましたが、今日の下げによって、@の1/2押し水準の17255円とAの75日線の17205円とB高値18623円から-7.7%下げ、の3つが突破されました。最もシンプルな(最も低い水準の)C17000円の心理的な水準がかろうじて維持できました。

95年7月からの中勢上昇波動において、上昇途中に2度の調整がありましたが、次図の中に掲げたように、B→Cが-8.1%、D→Eが-7.2%でした。今回の上昇においてもb→cは-7.7%であり、-10%を超える調整はありません。

図のd→eは昨日の安値17210円をもとにした下げ率(-7.6%)ですが、今日のザラバ安値17046円は高値18623円から-8.5%の下げになりました。これは前3回の調整に比べて最大の下げ巾です。


いまのところ下げが-10%までなら、この下げは5月の15886円からの小勢上昇波動の調整であると思いますが、-10%を越えてくると、昨年10月の12787円から10か月間上昇した分の調整になったのではと考え直さなくてはなりません。

-10%下げをすると、16760円になりますが、この水準は当面の下値の目標値である16713円、今回の上昇波動の中で最も大きな陽線(重要ポイント)の16627円に見合います。16700円あたりはこの上昇相場が終るか、まだ続くのかの重要な分岐点であると考えています。

週明け月曜日には、No.2「日経平均用'96」が日経平均については、買いマークをだすと予想できますが、ここでどれだけリバウンドできるのかが焦点です。


(99.8.9) 17190 (+106) 3.2億株


NYは-79ドル安、ナスダックも-17P安。円が115円台で安定していたことや、3日連続下落のリバウンドで小高く推移しました。しかし出来高は、お盆休みとなって、3.2億株です。朝方の外国証券の注文は、売り2300万株・買い2300万株で、売り買いとも注文は減って、バランスしました。

東京電力・ソフトバンク・マイクロソフトが、NTTの回線を使わないネット通信会社を合弁で設立すると報じられました。定額で月5000円は、NTTが一部地域で、ISDN回線を使ってやろうとしている定額(月10000円)に比べて半額です。東京電力は2745円(+125)、バンクは28890円(+1470)と値を上げる一方で、NTTは1290千円(-20千円)と下げました。

いまどき毎月10000円をきちんきちんと徴収できる商売はそうありません。NTTはどうやら高望みが過ぎたようで、いずれ5000円近くに値を合わさねばならないのでしょう。そうなれば、東電・バンク組は各ユーザーに無線機が必要なだけに、NTTは有利となり、株価の見直しもされることでしょう。

グラフは75日線でリバウンドしましたが、定点観測の7銘柄のうち5銘柄は75日線を割り込んで しまいました。完全な調整局面です。


(99.8.10) 17202 (+11) 3.5億株


ナスダックは2518Pと2500台があやしくなりました。朝方の外国証券の注文は、売り22500万株・買い2350万株で、+100万株の買い越し。

グラフは75日平均線で止まっていますが、個別の銘柄をみると、富士銀・新日鉄・住友鉱・ビクター・NTTの5銘柄が75日線の下位にあります。ソニー・鹿島建が25日線と75日線の中間にありますが、鹿島建は日ごとに安値をとっており、よくはありません。

日経平均は75日線を下抜くようです。このとき16700円あたりでふんばればよいのですが。


(99.8.11) 17211 (+9) .32億株


ナスダックは2490P(-28)。朝方の外国証券の注文は、売り22500万株・買い2350万株で、+100万株の買い越し。

月曜日から発熱しており、会社ではこの3日はソファでごろごろ眠っているという状態です。この様子では大したことも書けないので、思い切って12日と13日は休載することにしました。またご注文があっても、発送は16日以降になりますので、ご了承下さい。

(99.8.12) 17422 (+211) 3.2億株

NYは10787(+132)。ナスダックは2564P(+74)。朝方の外国証券の注文は、売り1900万株・買い2700万株で、+800万株の買い越し。


(99.8.13) 17435 (+12) 4.4億株


ナスダックは2549P(-15)。朝方の外国証券の注文は、売り1650万株・買い2450万株で、+800万株の買い越し。114.90円。


(99.8.16) 17826 (+390) 3.7億株

NYは+184ドル高の10973ドル。ナスダックは2637P(+88)。 週明けともあって、朝方の外国証券の注文は、売り1700万株・買い2200万株と細りましたが、+500万株の買い越し。

NY高を受けて寄り付きから高く、前場は+321円高。値上がり銘柄数は835銘柄に対し値下がりは284銘柄と明るい週明けとなりました。後場に入ると、一時+502円高となるなど上昇巾が拡大し、最後にはやや押されたものの、引けは+390円高で終りました。値上がり銘柄数は995銘柄に増加し、値下がりは205銘柄へ減少し、全面高となりました。

グラフは75日線割れ直後からの6連続陽線になりました。目先波動のボトムからの6連続陽線というのは、なかなかあるものではありません。今日の6連続陽線自体が、調整完了を告げているようですが、@下降している25日線17761円を上抜いたこと。Aザラバベースで高値18623円→17040円への下げの1/2戻りの水準(17831円)を今日のザラバ高値17937円で到達したこと(終値ではあと5円不足)。B終値ベースで高値18532円→17084円への下げの1/2戻りの水準(17808円)を今日の終値17826円で到達したこと。など、調整は終ったらしい可能性が高くなってきました。

この後は直前の目先波動のピーク17969円を終値で抜けば、新しい上昇波動が開始したようだとなり、重要ポイントである7月22日の大陰線(高値18221円・安値17665円)を奪回したら、新高値奪回の可能性が高くなり、最高値18623円を上抜いて、小勢第3段目の上昇が開始する。という順序になります。

いま一番の不満であるのは、もちろん出来高が少ないということですが、これは5月31日からスタートした小勢第2段目の上昇初期にもありました。このときは3.7億株からスタートし、4.3→3.9→3.6→3.7と3億株台の後に、→4.4→4.9と4億株が連続して出来、翌日一気に7.1億株の出来高とともに大陽線となったのでした。今回も連続して4億株ができるかが注目点です。


(99.8.17) 17860 (+34) 3.8億株


NYは続伸して11046ドルと大台を回復。ただし出来高は今年最低。ナスダックも2645P(+7)。朝方の外国証券の注文は、売り1700万株・買い2600万株で+900万株の買い越し。

昨日は28000枚が出来て、現物市場をリードした日経先物でしたが、今日は17000枚に減って、今夜のNYを見守ろうというところでしょうか。現物市場は値上がり銘柄が448銘柄、値下がりが732銘柄と、またまた限られた業種だけが買われることになりました。出来高上位に日立・東芝・富士通、ここへシャープ・松下が加わり、電気株中心の動きです。業績を上方修正した菱洋エレクはストップ高。

最近何日かで出来高10位に入った銘柄は、10日がフジクラ、11日が住友機、12日がフジクラ、13日がゼオン、16日が板硝子、17日が宝酒造と、なにか期待出来そうなものはでてくるのですが、継続性がありません。ということは他銘柄への広がりがないので、その銘柄がひとしきり買われて終り、となってしまいます。

政府は「ミレニアム・プロジェクト」として@情報化、Aバイオ・高齢化、B環境 の分野を中核事業としましたが、今日の宝酒造の株価上昇は、これをはやしたものでした。調整下にあるJTはいくらか反動高しましたが、サカタ種やタキイまでには広がりませんでした。ただバイオは確かに情報・ネットワークと共にこれからの分野ですから、各社はすでに手を染めているはずです。このあたりの内容が報道されるようになれば、かつて制癌剤で薬品株が乱舞したように、バイオが新しい株式市場のスターになる日がくるのでは。


(99.8.18) 17892 (+32) 5.0億株


NYは11117ドル(+70) 。ナスダックも2671P(+25)。朝方の外国証券の注文は、売り2050万株・買い2700万株で+650万株の買い越し。

今日はMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)の日本株インデックスの入れ替えに伴って、個別銘柄の騰落は激しく明暗をわけました。MSCIは株式インデックスをいくつも発表しています。世界全体の株式インデックスをはじめとして、ヨーロッパなど地域ごとの株式インデックスのほか、各国の株式インデックスがあるのですが、今日は、日本株インデックスの採用銘柄の入れ替えです。

MSCI日本株インデックスは日経平均225銘柄と同じように、機関投資家の運用成績がよいか悪いかを判断する基準(ベンチマーク)として使われます。日経平均においても225銘柄に採用されている銘柄は定期的に見直しがあって、新規に採用された銘柄は買われ、非採用となった銘柄は売られます。日経平均に連動させるファンドは、日経平均に採用されている銘柄を保有せねばならず、新採用となった銘柄は買い、そうでなくなった銘柄は売却するのですが、短期に、多くのファンドが一斉に行動するために、採用された銘柄は急上昇し、はずれた銘柄は急落することになります。日経平均は225銘柄のうち入れ替えとなるのは3〜5銘柄程度ですが、今日のMSCIの入れ替えは30銘柄以上であったそうで、市場に大きな影響を与えました。

新採用となった銘柄は、バンク(+2020)31300円・プロミス(+1000)7750円・武富士(+2000)16550円・東芝(+55)945円・JT(+200千)1490千円・オリランド(+900)7650円・シボンド建(+270)2700円・任天堂(+1590)17990円・ベネッセ(+990)16310円・JR東海(+72)683円・日栄(+1000)9900円・昭和シェル(+66)719円などだそうです。

非採用になった銘柄は、NKK(-8)93円・商船三井(-23)222円・日本火災(-38)362円・東京製鉄(-58)552円・阪急(-34)431円・学研(-13)162円・青木建(-3)60円・ハザマ(-5)81円・マルハ(-10)137円など。

こういったことが前場の動きの主流になって、一時は18082円と18000円台に載せたものの、後場は円相場が急上昇したため、後場は逆に安くなっていましたが、なんとかプラスで引けました。円は結局113.07円まであげ、さあ介入があるのかの水準になりました。


(99.8.19) 17879 (−12) 4.8億株


NYは10991ドル(-125) 。ナスダックは2657P(-13)。昨日1130.7円で取引きが終った円相場でしたが、NYでは111.85円で帰ってきました。一方、朝方の外国証券の注文は、売り2800万株・買い3300万株で+500万株の買い越し、と久々に買い注文がボリュームアップして、再び外国人主導の上昇相場の開始かというところです。

東京市場では円は111.35円まで上げたため、日経平均は朝から安くなりましたが、前場は意外にも-226円安が最大で、その後は下げ渋りとなりました。昨日のMSCIのインデックス銘柄の入れ替えは今日も余震を残し、特に低位株のNKK・商船三井は出来高を伴って売られました。

大引け前に興銀・第一勧銀・富士銀が共同の持ち株会社を設立し、数年先に3行は大同団結業すると報じられました。このニュースで3行はストップ高、ついには売買停止になりましたが、統合すれば資金量は95兆円、総資産は140兆円の世界のトップバンクになるそうで、このままでは東京三菱や住友銀・三和銀は一気に影が薄くなってしまいます。銀行業界の未曾有の大規模な再編成に火がつけられたわけで、大手銀行株は軒並み株価が上昇。日経平均もマイナス巾を急速に縮め、9日連続の陽線で終りました。

急激な円高で電気セクターはマイナスになりましたが、宝酒造が続騰するなど新しい成長分野がはっきりしてきました。これまでのハイテク・ネット関連に、バイオが加わり、明日からは銀行株が加わります。これから始まる上昇第3段は、ハイテク・ネット関連だけで上昇した前回の第2段の上昇波動と違い、銘柄に厚みがでてき、堂々の上昇波動になるのではないか。


(99.8.20) 18098 (+218) 8.4億株


NYは10963ドル(-27) 。ナスダックは2621P(-36)。NYの円相場は111.55円。円は111円台でひとまずもみ合いとなりました。それよりもなによりも、昨日の興銀・第一勧銀・富士銀の3行統合を今日はどの程度の材料とするのかが、寄り付きに大いに注目されたところでしたが、朝方の外国証券の注文は、売り3150万株・買い7900万株と買い注文が膨れ上がり、+4750万株の買い越しとなりました。日本株買いの再開です。

興銀・第一勧銀・富士銀が買い気配ではじまったのは当然として、残る三和銀はどうなる、さくら銀はどうなる、東海銀は、あさひ銀は、いや信託銀の再編はどうなる、と銀行株には買い物が殺到しました。安田信は5600万株できて205円(+50S高)を始めとして、興銀・第一勧銀・さくら・三和銀・東海銀・あさひ銀・住友信・三菱信がストップ高となりました。

金融再編成=証券の再編成でもありますから、3行統合で直接影響を受ける新日本・和光・勧角証に買い物が入り、証券株も全面高。銀行とは実に力を持っているもので、さらにゼネコンや商社・鉄鋼株にも買い物がはいったのは、各業界の再編成を先取りしたものです。

円はどうも110円はしかたがないと腹をくくったようで、円高デメリットの銘柄が売られるのはしかたがありませんが、110円を割ってくれば日銀の単独介入もあるでしょうから、円高で売られた銘柄が息を吹き返すことも十分考えられます。今日の外国人の旺盛な買い意欲を見ては、当面弱気になる材料はありません。

日経平均グラフは10連続陽線となって、第3段目の上昇が開始したようです。逆張りの条件表No.2「日経平均用'96」は日経平均・TOPIXともに売りマークを出していますが、これは前回の第2段目の上昇が開始した直後にも出たように、相場の立ち上がりのときにはでやすいものです。もちろん「売り」ではなく、むしろこの立ち上がりが強い勢いであることを裏付けるものです。


(99.8.23) 18233 (+135) 9.6億株


NYは11100ドル(+136) 。ナスダックは2648P(+26)。NYの円相場は111.20円。週明けも銀行株への買いが殺到しました。朝方の外国証券の注文は、売り2500万株・買い12000万株と異常な買い注文になり、+9500万株の買い越し。5月のGW明けに4700万株の買い越し(売り2100万:買い6800万)というのがありましたが、今日はこの2倍のスケールの大きさで、その買い意欲たるや半端なものではありません。

興銀・第一勧銀・富士銀の3行はS高買い気配が続き、最後に比例配分となりました。さくら銀・三和銀・東海銀・あさひ銀も比例配分。大和銀もS高となり、S高でないのは東京三菱(+100)と住友銀(+174)だけというありさまです。信託銀も7行のうち4行がS高。安田信は5700万株、三井信託は4700万株、大和銀4400万株、住友銀2500万株と安田信以外のストップ高をしなかった銘柄は大商いになりましたが、比例配分となった銘柄は売り惜しみ、無いものねだりの様相で、興銀が260万株・第一勧銀が167万株・富士銀が670万株と、まだまだ売り物がでてきません。

大手銀行株は完全に需給相場になりました。先般の富士通が、株価が上昇するにつれて時価総額が大きくなり、このためファンドに組み入れる株数を増加させる必要にせまられ、株価が上がるほどに買いが増加する、という需給相場(だと思っている)を出しましたが、銀行株も同じことが起こっています。

例えば富士銀行は8月10日には793円でしたが、今日は1243円と50%高(ということは時価総額も50%増加)になったわけで、ハイテク株をメインにしていたものは急に銀行株の買い増しをせまられています。

デンドラで富士銀のグラフを見ると、今日は最も高い今波動の1/4位上限線(1120円)を上抜いてしまいました。なおかつ今後も上限線の上位で推移しそうです。

通常であれば株価は上限線を上抜くことは希であり、上限線は上値の目標値とすればよいのですが、まったく役に立たないことがあります。図の赤丸は、3月から5月にかけて富士銀の株価が上限線をはずれた例ですが、このときは昨年10月に売り込んだものが踏み上げの買い戻しに走ったのが原因でした。業績やそれまでの波動には関係なく需給だけで値を上げました。

相場つきが変わった銘柄は、上限線を突破したまま1か月とか長いときは3か月上昇します。仕手株になったものはたいていそうで、井筒屋もそうであったし、評価ががらりと変わった富士通がそうだったし、宝酒造もそうでした。だいたいにおいて上限線を突破したときの上限線より50%から100%の株価上昇があることが多いようです。図の富士銀は3月10日に上限線を突破しましたが、このときの上限線は644円で、ここから50%高の965円まで株価は上昇したのでした。

ついでながら宝酒造は774円で突破し、1745円まで125%の上昇。富士通は1683円で突破し、3680円まで118%の上昇。井筒屋は744円で突破し、1195円まで60%の上昇(最終的には1380円まで上昇)でした。富士銀は今日の上限線が1120円ですから、1600円〜1700円はありうる値段です。


(99.8.24) 18095 (−138) 9.4億株


NYは11299ドル(+199)と史上最高値を更新 。ナスダックも2719P(+71)と大幅続伸。 朝方の外国証券の注文は、売り2650万株・買い10200万株と連日1億株を超す買い注文になり、+7550万株の買い越しです。

NYが新高値となったので、今日は銀行株の続伸に加えてハイテク株の反発があるだろうから、日経平均は大幅続伸だと思われましたが、銀行株は売り気配で始まるものがでてきました。多くの銀行株は昨日は比例配分となりましたが、5億株を超える買い注文が残っていたそうで、この買い注文を当てにした持ち合い解消の売りがどっとでたようです。

このため昨日は出来高が少なかった富士銀は7100万株(1220円。-23)、興銀は4100万株(1300円。+16)、第一勧銀は4100万株(1250円。+41)と大商いとなりました。事業法人にとっては、処分したかった持ち合い株式が、望外の値段で売れたわけですから、幸いでした。ただし事業法人が売った銀行株は、何年何十年かけて増資に応じた結果のものですが、昨日・今日買った外国人あるいは個人は投資として銀行株を買ったわけで、強烈な買う理由を持っています。漫然と保有していた事業法人と強い意志を持って買った外国人・個人を比べれば、当然に今買った方が報われるはずです。

グラフは11連続陽線の後、初めて陰線をつけました。9日順位相関は90に達しており、サイコロも10勝2敗になって過熱感がありますから、ここ1〜2日はへこんでもよいところですが、25日順位相関はまだ20と低いので、これが90へ上昇するまではたいした下げは見せないだろうと思います。銀行株は第一段階の水準にきて、ここから所有の主体がゴロリと変わります。変わった後は今買っている主体が目標とする第二段階の水準があるはずで、まだまだ銀行株は市場の主役であり続けます。


(99.8.25) 17855 (−240) 6.5億株


NYは11283ドル(-16)と小幅安ながら、ナスダックは2752P(+32)と続伸。 朝方の外国証券の注文は、売り2200万株・買い4600万株と買い注文は鈍化しましたが、なお高水準です。+2400万株の買い越し。

銀行株は朝方は大巾続落となっていましたが、次第に戻り足となりました。興銀・第一勧銀・富士銀は前日比マイナスながら、陽線となったのは、今日の水準で持ち合い解消売り・利食い売りを吸収しはじめたということでしょう。これら3行以外の東京三菱・住友銀など、つれ高したものは 陰線となりました。統合3行についてはなお上値指向です。

日経平均は下げ巾がありますが、いまは時価総額をもとにした指数であるTOPIXのほうが市場人気を正しく表しています。TOPIXは終値ベースでは一昨日に新高値をとり、ザラバベースで高値に顔合わせしているので、すでに上昇第3段目に入っています。


(99.8.26) 17666 (−188) 5.5億株


NYは11326ドル(+42)と再び新高値。ナスダックも2805P(+53)と大幅続伸。 朝方の外国証券の注文は、売り2500万株・買い3350万株と買い注文は減少して+850万株の買い越し。

銀行株は朝方は高かったものの、後場に売られがちになりましたが、興銀は+35円高、第一勧銀は-8円安、富士銀は-7円、東海銀(+25)、あさひ銀(+4)とまちまちです。この上昇相場は金融株が柱になりますが、銀行株の帰趨いかんで上昇のスケールが決まるように思います。


銀行株の動きですが、富士銀を例にとれば、3社統合が発表される前日の株価は853円でしたが、発表してからの株価は、+100円→+90円→+200円と390円巾上昇しました。この後は-23円→-10円→-7円と下落したのですが、その下げ幅は40円でしかありません。

高値1315円をつけた日には上下に長いヒゲを引いて、この水準(1243円)が買い方と売り方の攻めぎ合いの水準であることを示しましたが、昨日・今日とも値が崩れず、高値圏で持ち合っているのは、買い方の意志の強さがでているように思われます。早くも銀行株は材料が出尽くしたかの話がでていますが、初めて窓をあけた1043円の水準までは買い方の勢力圏内であり、まだまだこれからが本番でしょう。

日経平均は3連続陰線となりました。今日の終値17666円は、8月の上昇途中の8月19日のザラバ安値17665円より1円上の水準です。できればこの水準を下抜くことなく反発に転じて欲しいものですが、重要ポイントである8月16日の大陽線(高値17937円・安値17499円)を下回らない限りは上昇波動に変化はありません。11連続陽線の後の3連続陰線は、いわば初押しです。

図は《ウェーブ3》の「CPボラの差」のグラフです。3連続陰線をつけた今日、コールボラがプットボラより大きくなったのは、「初押しは買い」を念頭にいれた買い物がでてきたということでしょう。


(99.8.27) 17599 (−66) 4.8億株


前場に今日の高値と安値を出して、後場はこの範囲内での動きとなりました。朝方は円がやや安くなったため、ハイテク株に押し目買いが入り、日経平均は+150円高までありましたが、前引けは+66円高。週末・月末のポジション調整がたったのか、大引け前に値を崩し、4日連続の陰線となって-66円安で終りました。

出来高は最近にしては低調で、出来高トップの東芝が1800万株であったほかは1000万株を超える銘柄はありません。日経平均のグラフは、重要ポイントの17499円へあと100円まで下げていますが、TOPIXはそれほど悪くないので、なんとかこの水準は維持できるのではないか。

相場をリードする銘柄は当然のことながら新高値をとってきた銘柄です。どのような銘柄(業種)がこの相場をリードしているのか、あるいはリードし始めたのかを簡単に知るには、図のような条件表を使います。

No.2行には、過去125日間の最大日数を設定しています。これは125日間の内で最高値を出した日を0とし、その翌日は+1、その次は+2という数値を記憶します。最大日数が18であれば、その銘柄は18日前に高値を出したということがわかります。

注意するのは、以上・以下欄に、0〜9と設定していることです。これによって最近10日間に高値を出した銘柄が検索されることになります。

No.3行は、その高値が何円であったかを知るためのものです。(この行は特に必要ではありません。この行がなければ、その分検索の時間は短縮できます。)

この条件表を使って、東証1部の銘柄について検索したところ、138銘柄がありました。これら銘柄は今の相場を引っ張っているものです。

図には載っていませんが、当然に銀行・証券・損保・その他金融は(過去125日間の)新高値を出している銘柄が多く、都銀・信託株をはじめとして28銘柄あります。

意外であるのは食品株で、東洋糖から日清油まで8銘柄あります。

週に1度はこの検索を行い、前週の銘柄と今週の銘柄の入れ替わりを見ていれば、新しい流れがつかみやすくなります。


(99.8.30) 17918 (+319) 4.5億株


NYは11090ドル(-108)。ナスダックも2758P(-15)と小幅安。 朝方の外国証券の注文は、売り1700万株・買い2950万株で+1250万株の買い越し。

小高く寄り付き、次第高となって前場は+243円高。後場寄り後は一時ダレたものの大引け前に買われ、+319円高となりました。4連続陰線のあとでもあり反発してよいところでしたが、今日の上昇の大きな要因は、17日に発表されたMSCIの日本株インデックスの銘柄の組み替えが明日実施されるということでした。

MSCI日本株インデックスに新規に採用される銘柄・外れる銘柄の主なものは(99年8月18日)に掲げました。18日には新規採用銘柄は派手に上昇しましたが、今日もこれら銘柄が買われました。

8月17日の株価と比べると、日経平均17860→17918円、バンク31300→37000円・プロミス7750→9450円・武富士16550→18680円・東芝945→990円・JT1490→1490千円・オリランド7650→7900円・シボンド建2700→2800円・任天堂17990→18900円・ベネッセ16310→18500円・JR東海683→682円・日栄9900→10000円・協和エクシオ958→1081円・昭和シェル719→768円と、JTが変わらずのほかは全銘柄が上昇しています。なんとモルガンSの影響力は大きいことか。

非採用になった銘柄を8月17日と比べて見ると、NKK93→98円・商船三井222→210円・日本火災362→348円・東京製鉄552→522円・阪急431→391円・学研162→159円・青木建60→73円・ハザマ81→87円・マルハ137→133円、など100円以下の銘柄以外はこれまた全部下落しています。阪急(391円)などは、阪神(364円)・西鉄(300円)と比較すれば、まったく割安のように思えますが、MSCIインデックスのために保有していた阪急株は当面なんの役にも立たない、として売られています。これも短期的な需給相場です。

日経平均は4日かけて18233円→17599円へ634円下落していましたが、今日1日で一気に下落巾の半分を取り返しました。しかしこれはMSCIの影響によるものですから、明日以降の反動安がどの程度でるのかをみないと、本当のところの反発力はわかりません。


(99.8.31) 17436 (−482) 7.0億株


NYは10914ドル(-176)と史上最高値をつけたあとは3日連続安。ナスダックも2712P(-46)。 朝方の外国証券の注文は、売り1200万株・買い2350万株で+1150万株の買い越し。

昨日のMSCIの銘柄入れ替えは、まったく人騒がせなことでしたが、今日はこの2倍ほども迷惑なことになりました。

NY安に加え、7月の鉱工業生産指数が前月比-0.6%と2か月ぶりにマイナスになったと発表があって、朝から弱い動きで日経平均の前場は-287円安。後場も2時までは-255円安であり、昨日の319円のほとんどは消されてしまうのかなあ、と思っていたところ、ここから急速に売られ、-482円安で引けました。前場の出来高が2.4億株に対し、後場は4.6億株にふくれ、2時以降の売りはきついものがありました。

今日の下げは予想外の大幅なものになりましたが、その理由として、@鉱工業生産指数がマイナスになった、A月末の投信設定を期待していたが、この分の買いが入らなかったことの失望、BMSCIの入れ替え銘柄に売りが出たこと、のようですが、まずBが最大の原因でしょう。

今日の大下げで、グラフは悪くなりました。図でbから上昇波動に入ったとき、デンドラによれば、先の高値aを上抜く確率は81%ありました。TOPIXはaに面合わせしたことでもあるし、日経平均においても、まずaは上抜くものと思っていましたが、少し懸念もありました。それはaを上抜くことなく反落すると、bのボトムを下抜く確率が76%あるということでした。

今日の下げによって4%波動は反転し、下降波動入りとなりましたが、この結果aを上抜けずにピークcを出してしまいました。わずかに懸念していたことが起こりました。今日の4%波動の陰転によって、先のボトム17084円を下回る確率は大きくなりました。

別の視点から見ると、4連続陰線のあとで昨日は陽線になりましたが、この陽線が下降波動の中間点であるとするなら、この先に(今日の下げを含めて)4連続陰線があることになります。このとき下げの目安は17284円(引け値ベース)または17095円(ザラバベース)になります。

デンドラでは先のボトム17084円を下回る確率は76%ありますから、この目安もやや心許ないものですが、17084円を下抜くのと、ここを死守するのとでは、その後の反発力は大いに違ってきます。 17084円を死守して反発するなら、先のcを上抜く確率は63%あります。まだ上昇第3段の可能性は十分に残っています。ところがbを下抜いてから反発したのでは、cを上抜く確率は22%になってしまい、上昇3段はすぐには期待できなくなります。

今日の大引け前の売りは明らかに変な動きでしたから、このままストンを下げるとは思いませんが、17084円を死守できるかどうかは重大関心事です。


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