日経平均をどう見たか・判断したか (99年2月)

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(99.2.1) 14465 (−34) 3.1億株


米国GDPが年間で3.9%の高成長と報じられ、 NYは9358ドル(+77)と続伸。円相場は115.47円(-0.49)と変わらず。大きく変わったのは国債利回りで、一時2.110%があって2.035%(+0.045)と再び2%台に乗せました。

朝方は銀行株は高く寄りましたが、金利上昇が嫌気され、次第に安くなりました。話がでていた持ち合い株式の買い取り機関ですが、土曜日に自民党の原案が明らかになりました。

これによると公的資金は使わず、日証金・大証金などの証券金融会社が企業の保有株式を買い取り、あるいはこれを担保に融資するようです。日証金・大証金が必要な資金は、買い取った株式を担保にして社債を発行したり、コール市場から調達するそうですが、証券金融会社へ株式のリスクを転化するだけですから、こんな話に証券金融会社が応じるはずがありません。

この原案は「羊頭を掲げて狗肉を売る」のたぐいで、さぞかし市場をがっかりさせるものと思いましたが、意外にも今日はたいして下げませんでした。原案自体がタタキ台のようなもので、ここからしっかりした仕組みになると予想しているのでしょうか。


(99.2.2) 14349 (−115) 3.2億株


国債利回りは2.300%へ上昇しました。債券相場の急落は銀行株を直撃し、銀行株は軒並み安。ちょうど75日線近辺にあった銘柄は75日線を戻りの頭にして下げに転じました。75日線より上にあった富士銀・大和銀・安田信は75日線を割り込みました。

昨日・一昨日は米国経済が順調であることから円安・ドル高に向かっていましたが、債券市場の急落を見て円相場も一時112円台に入り、-2.30円高の113.17円。上昇を続けてきた半導体関連株やソニーなど国際株が下落し、よいところはありません。

昨日、自民党の「持ち合い株式の買取り機構の構想」が明らかになりましたが、今日は経済企画庁長官が「政府の検討課題には入っていない」と否定発言したようです。まあ自民党案がもともとびっくりするほどのものではなかったので、今日はさほどの失望感与えませんでしたが、マイナス材料ではありました。

通常なら急激な金利上昇や今日の経企庁長官の発言なら、400円や500円は下げて当然のように思われますが、その割には日経平均の下げ巾は-115円と小幅です。相場が強いというよりも売りにくいといった感じです。押しのメドですが、1月初の13122円→2月1日の14641円のザラバベースでの上げ幅の1/3押しで14135円。引け値ベースでの1/3押しは14077円ですから、14100円あたりが意識されます。


(99.2.3) 14161 (−188) 3.0億株


国債利回りは2.440%があって、2.350%へと続伸です。円も一時は111円台になったものの、前回は110円を割ったところから円売りの介入があったので、これを意識して引けは112.37円。昨日と同じで銀行株は軒並み崩れ、国際優良株が下げ、ほぼ全面安です。

ただし材料の割には下げ幅が小幅であったのも同じで、不思議なほど下げません。長期金利は2.5%あたりがめどになると思っていましたが、今日の債券先物は大引け前に戻し、陽線のタクリ足になっていますから、当座の安値は出したのではないか。

金融再生委員会は、銀行に対してなかなか厳しい態度です。一部銀行に、提出した経営健全化計画は「収益向上策に個性がない」として、再提出を要請すると報じられました。厳しければ市場は好感するので、2月15日の予備審査が終了するまでは、なお銀行株が見直しされる余地があります。

グラフでは、今日のザラバ安値は14089円と1/3押しの水準になり、同時に75日平均(14130円)で引けました。しばらくはこの水準は維持でき、金利の反落があって戻り歩調となるのではないか。


(99.2.4) 14086 (−74) 3.3億株


国債利回りは2.170%と反落。円も一時は113.77円と+1.40円の円安になりました。昨日の悪材料は後退したのに、株式は4日連続の下げとなりました。ザラバ安値は13925円と意外な弱気を見せたのは、自由党の小沢党首が、株式の買い取り機構について「株が上がらないから国の金で買い取るというのは思い付きのやりかたで賛成できない」と発言したからです。

相場がこれまで弱いようで下げなかったのは、最後の金融大リストラの発表がいつでるかというのと、株式買い取り機構の具体化がいつでるのかという2つがあったからで、売るに売れない状況にあったからですが、今日の小沢発言は、株価下落の1つの歯止めがはずれかけたというところです。

買い取り機構の意義は、株価が上がらないから買い取るのではなく、@2001年3月から持ち合い株式を除く金融商品は時価評価となり、A2002年3月から持ち合い株式も時価評価になります。Bしたがって銀行は今のように大量の株式を抱えていては、決算のたびに株価に振り回され、安定的な融資ができなくなります。Cすでに銀行は巨額の株式の含み損を抱えており、この含み損分をカバーするだけの公的資金が注入されるようで、Dならばこれを機会に銀行の株式保有を禁止すること、が今回の株式買い取り機構の本旨であり、株価を上げるために機構を作るのではありません。

さらにいえば株式の持ち合い制度は、株主軽視の温床になってきましたが、株式持ち合いが解消することで、株主のほうを向いた経営がされるようになるはずです。 小沢発言にかかわらず、株式の買い取り機構の創設は進めなければなりません。


(99.2.5) 13898 (−188) 3.6億株


現在では相場に対する最大の要因は長期金利になっています。今日の国債利回りは2.360%と再び2.3%台に乗せてきました。円も112.04円となり、銀行や輸出関連株を直撃します。

日銀の国債引き受けが話題になっています。景気てこ入れのために財政出動をしようと、国債を発行すれば、長期金利が上がり、企業業績が悪化し、財政出動の意味がなくなってしまうと、どうにも動けない金縛り状況です。

金利を上げずに国債を発行するには、日銀が引き受けるほかはないのだそうです。野中官房長官は日銀引き受けに賛成、宮沢蔵相は反対のようですが、今回ばかりは宮沢蔵相のほうが正しいのでは。

日商会頭が、株式買い取り機関の創設には反対と表明しました。経済団体の色分けは、日商・日経連・経済同友会が反対、経団連だけが積極的、となりました。この10年で株価が1/10になったのは珍しいことではありません。経営者は、株価下落のたった1つの理由だけで、株主に対して引責辞任をせねばならないところです。いまの株式持ち合いの制度が、株主無視の経営を許し、責任をとらない経営者の地位を守っています。企業のトップは株主から経営を任せられているだけなのであり、経営がまずくて株価が下落すれば責任をとる、という原点に戻らねばなりません。今日の発言はなにをかいわんやです。

今週は予想外の5連続陰線で終りました。今日で日経平均の4%波動は陰転しましたが、デンドラによれば、前回の安値13232円を下抜く確率はちょうど50%。今後陽転したとき、直前のピーク14499円を上抜く確率は54%と、はっきりした方向性は見えません。


(99.2.8) 13992 (+94) 2.6億株


出来高は2.6億株と閑散です。国債利回りは2.160%(-0.205)と急落しましたが、相場にはたいして響かず、小幅高で終りました。今日の動きは綾戻しですが、《カナル2》の条件表No.2「日経平均用'96」は買いマークを出しており、上昇トレンドに復帰する可能性もあります。

これを支援する材料ですが、今週は銀行の最後のリストラ計画がでるはずですし、株式買い取り機構創設の話もなくなったわけではありません。

日曜日の日経新聞は、2001年3月期決算から時価会計制度に変わることから、短期保有の株式・特定金銭信託・財テク目的のデリバティブは時価評価し、含み損益を法人税の課税対象とする、と報じました。

企業会計と税務会計は一致していない部分も多いのですが、金融商品の時価評価については一致することになります。2002年3月期からは持ち合い株式も時価評価するスケジュールですから、持ち合い株式の含み損益への課税も同様に推し進められるのでしょう。いよいよ企業の財テクや株式保有は企業にとってリスクを抱えることがはっきりしてきました。

当然に企業が保有する株式は売却される運命となり、今後は銀行を含めて企業が増資をする際に安易な第三者割当て増資はできにくくなります。増資の引き受け手は、年金資金と個人しかなく、ディスクローズできない企業やROEの低い企業は資本の手当てができなくなるでしょう。

よい方向に動いていきます。当面はあふれ出てくる企業が保有している株式をどうするかですが、受け皿機関の構想は進むものと思っています。


(99.2.9) 13902 (−89) 3.0億株


国債利回りは1.985%(-0.175)と連続して急落しました。どうやら先日の2.440%が当面の最高利回りになったようです。円相場も114.68円(+1.19円)へ戻しました。政府は2.4%の金利は容認しない、円は110円以下は容認しない、ということがはっきりしたので、金利・為替はしばらくは落ち着くのではないか。

長期金利の低下・円安にもかかわらず株式相場は見送りになりました。日立の今期連結益が昨年予想の2500億円の赤字から3750億円の赤字に拡大したり、キャノンの減益予想がでるなど、企業業績は来期もだめかの気分がでています。

何よりもいけないのは、持ち合い解消売りです。期末に近づくにつれて解消売りは増加します。現物を売らないときは先物へヘッジ売りを出しているようで、終値では連日の逆ザヤになっています。2002年まで期末になるたびにこのようなことが起こるのでは、とうていまともな市場とは言えません。


(99.2.10) 13952 (+49) 4.2億株


注目の国債利回りは2.000%(+0.015)と安定し、円相場も次第に安くなって115.28円(+0.60円)と久しぶりの115円台です。NYは-158ドル安となりました。ナスダックのインターネット関連は将来の夢を目一杯買われた後に急落していますから、NY市場においてもよいと思われる業種は買い尽くされた様子です。

NY市場の動向は日経平均には影響を与えません。金利と為替、決算期を間近にしての持ち株整理、金融監督庁が先導する銀行のリストラ策、株式の受け皿機構の創設、など国内の要因がいまは第一です。

今日の値動きは上下200円巾もない小動きでしたが、出来高は4.2億株と増加しました。野村証が1600万株できましたが、-41円安の900円。さくら銀が1500万株で-8円安の245円。出来高1・2位は売られての出来高ですが、過剰生産設備を廃棄する三菱化学は272円(+16円高)、同じく旭硝子は732円(+48円)と急上昇し、M&Aがらみの日野自が423円(+15円)、日産自が407円(+18円)と買われました。リストラやM&Aで生き残る方策を打出せば、株価は買われます。ぐずぐずしている企業は売られます。

グラフでは、月曜日に《カナル2》のNo.2「日経平均用'96」が逆張りの買いマークを出していましたが、今日は《ウェーブ3》のNo.56「TI指数」が順張りの買いマークを出しました。いくらか(300円)の反発はあっていいところですが、この反発の巾が大きくなるには材料が必要です。


(99.2.12) 13973 (+21) 4.6億株


公的資本の注入は申請した銀行に対して基本的にOKとなり、銀行株は上昇。ただ国債利回りは大引け前に2.080%(+0.085)とやや上昇したため、上値を追うことも出来ず、130円巾の小動きで終りました。

後場、三菱信託と住友信託が将来の合併を視野にいれた提携の報道がでて、住友信託は1000万株の出来高を集め、343円(+32円)と急伸しました。三菱信託も930円(+22円)と上昇しましたが、こちらの出来高は173万株と少なく、提携は住友信託により有利な材料でした。

最後にきて信託銀行の1・2位連合ができました。三菱・住友の系列を逸脱したことは、常識外のことで、いよいよ銀行も本気です。報道されたのが2時半ころということですから、今日はとりあえず住友信託に買いが集まりましたが、他の銀行株への波及が当然に出てくるものと思います。

リストラ銘柄は今日も快調で、三菱化学は292円(+20)、旭硝子も777円(+44)と勢いが衰えません。そうとうに思い切ったリストラ策がでてきていますから、これまでのようにリストラ策が発表されても、1日で相場に織り込まれる、ということがなくなってきました。

なお遅れていた《デンドラ》は2月17日にリリースできる予定です。今回のバージョンアップでは、「わかりやすい」ということを主眼として、手をいれました。

さっそくデンドラの応用ですが、三菱化学の上限は、通常であれば中位線の278円ですが、マドを明けて上昇しただけに1/4位線の320円が視野に入ってきました。陰線あるいは上ヒゲがでれば売るという方針でしょう。


(99.2.15) 14054 (+81) 3.3億株


NYは休場。月曜日でもあり、ほぼ見送りとなりました。1日の値動き巾はわずかに98円。出来高も3.3億株。

デンドラでは、先の高値14499円を上回る確率は54%、先の安値13232円を下回る確率は50%、というふうに、今の相場は上に行くとも下にいくとも判断しにくい境涯にあります。今日は出来高不足ながら陽線となり、3連続陽線をつけました。しかしこの3日の上昇巾は合計で151円と小さなもので、何かあれば1日でこの値幅は下げてしまいます。材料が欲しいところです。

この先の不安材料は、@長期金利が落ち着くかどうか、A持ち合い解消売り、B企業業績の下方修正、CNY市場、の4つですが、CNY市場の影響は受けにくくなっており、B企業業績の悪化は、業績悪の発表と同時にリストラ策が打出されるものと思われます。先日の三菱化・旭硝子、今日の住友商のように不採算部門の切り捨てが発表されると、株価は好感していますから、Bはそれほど怖れることはないのではないか。

日経平均の動きの先が読めないときは、個別銘柄を手がかりにしています。例えば「今、市場が注目している銘柄」では7銘柄を取り上げていますが、75日線を上回っている銘柄は、富士銀・ソニー・NTTの3銘柄です。先週は富士銀・ソニーが75日線を下回っていましたから、強気をする銘柄は増加しています。次に住友鉱が75日線を抜くかどうかというところですが、75日線を超えた銘柄が減少するまでは強気です。


(99.2.16) 14232 (+177) 3.9億株


長期金利の上昇を抑制するために、@10年物国債の発行額を3月は4000億円減らし、A替りに2年物・6年物を増額する。B1月から中止していた資金運用部による既発債の買い入れを2月3月は再開する。と発表されたため、朝方は長期金利は大幅下落し、円相場も大きく円安に振れました。株価も寄り付き直後は+303円高となりました。

しかし資金運用部の国債買い入れの中止は、もともと買い入れ余力がなくなったから決めたことで、再開も3月まで(ということは決算まで)の賞味期限つきですから、3月まではよいとしても、新年度は恐いぞ、というところでしょう。株価は次第に値を消し、引けは+177円の14232円です。

ともあれ昨日いった4つの不安材料の第一番目の金利は、3月末までは押さえられることになり、当面の不安材料が1つ消えました。あとは持ち合い解消売りの問題です。

直前の高値は14499円(引値ベース)でしたが、ザラバ高値は14500円を超えるものの引けでは14500を割り込む、ということを5日連続して繰り返しました。このときポンと14500円を抜ければ、戻り売りの目安は15000円とかに嵩上げされただろうと思いますが、5日挑戦して失敗したばかりですから、14500円は戻り売りを出す水準であることは、前回よりもはっきりしています。材料(株式の受け皿)なしでは、ここからは苦しいところです。


(99.2.17) 14158 (−73) 4.0億株


203回国債利回りは1.950と落ち着いています。円相場は118.60円と、この2日で4.5円の円安です。株価は高寄りして14400台に乗せたものの、昨日と同じ経過をたどりジリ安。マイナスになりました。

国際優良株の一部しか円安に反応しなかったこと、銀行株が金利の落ち着きを評価するどころか、かえって下落したことがマイナスの原因です。銀行株は一部の信託銀行を除き、おおむね戻り一杯になったようです。

興銀・さくら銀・東海銀は1月からの戻り巾が小さく、ここからの反落で1月安値を更新することも考えなければならないようです。



大方の企業は、通期の円レートを115円〜120円として予算を組んでいるようですが、ようやくこのレンジにはいってきました。

昨年の前半は、株価と円相場は正の相関があり、円安→株安・円高→株高の関係でした。このときは円売り=日本売りであったので、円が売られるほどに株価が下落したのでした。

6月の橋本内閣末期に強力な円買い介入をしてから、正の相関は崩れだし、8月の小渕内閣発足からは逆の相関に変わりました。円安→株高・円高→株安の関係です。

いまは長期金利が円相場に最も影響を与えています。金利高→円高→貿易収支の悪化、あるいは金利高→企業業績の悪化と考えられており、円安を歓迎の時期です。

グラフに見るように、昨年11月の株価15000円のときの円相場は120円台でした。今日は円安は相場を上げませんでしたが、120円台へ入るようであれば、先の高値14499円を上抜く理由になります。


(99.2.18) 14146 (-11) 3.4億株


長期金利は1.875%、円相場は118.65円と落ち着いています。株価もすっかり落ち着いて、上下120円巾での小動きに収まりました。

読売朝刊で、「三井系金融機関が、三菱・住友が共同出資して設立する401K運用会社に参加の意向」と報じられました。これによって野村証・興銀連合と三菱・住友・三井の旧財閥連合の2大グループができることになります。その他は、三和銀・東洋信託の組、富士銀・第一勧銀・安田信託の組、東海銀・あさひ銀・大和銀?の組があるわけですが、旧財閥連合とは比較になりません。

日経新聞は旧財閥連合について、まったく書いていませんでしたが、三菱・住友の連合ができたくらいですから、ここへ三井(さくら銀・三井信託)が参加することには抵抗はありません。(三菱・住友の連合は両者とも相当な思い切りがあったのでしょうが、三井がここへ参加するのは「横並び」の意識で、その決断は安易であるような気もします。)ともあれ合従連衡とはこのことで、401K(確定拠出型年金)の運用はそれほど重みがあるものだということです。

株式市場にとっても、401Kの開始は新規の買い手の創出ですから、401Kへの動きがでるほどに株価を堅調にさせます。401Kのように先を睨んだ動きが活発になって欲しいものです。


(99.2.19) 14098 (-48) 4.0億株


長期金利は1.760%と低下し、円相場は120.05円とひさしぶりの120円です。文句はなかろうという環境ですが、株価は小動きかつジリ貧となりました。

業績を下方修正する企業が日ごとに増えてきました。しかし三越は初の無配にと報じられましたが、一方では1000人の希望退職者を募るの発表があり、株価は+4円高するなど、リストラ策との同時発表があれば、すでに株価は売られに売られての現在ですから、そうマイナスには響きません。

小動きの中で、井筒屋や殖産住が1000万株の商いをし、井筒屋はストップ高となったように、今は個人投資家が、最も元気があります。企業法人と金融法人は持ち合い解消ないし決算のために株式は売りの態度であり、外国人はこの円安では買いづらいところです。日経平均がずるずる下げないのは個人投資家の買いのお陰です。

日経平均は三角保合いの形になっています。この先上下どちらに向くのかはむづかしいところです。(だから三角保合いになっているのですが)グラフだけでいえば、1月から上昇を開始したときの5連続陽線・陰線・2連続陽線。陰線・3連続陰線の動きは、かなり強いものであり、ここから下放れて1月安値をとりに行くとは思えません。

終値ベースで1月来の動きをみると、安値13232円→14499円へ1267円上昇した後、2月初に13898円へ押しましたが、半値押しの水準は13865円でした。つまり半値押しをしなかったわけです。上げ巾に対して下げ巾が小さかったのだから、下げ圧力はそうでもなかったことになります。さらに13898円の押し目から今週初めに14198円まで反発しましたが、14499円→13898円の半値戻しを越えています。グラフからは相場は思っているほどには弱くなく、強いといえます。


(99.2.22) 14256 (+158) 4.0億株


長期金利は1.735%と続落。一時は1.650%。円相場は121.97円(+1.92円)。一時は122.55円と120円台に定着の様子です。当面の懸念材料の2要因がよいほうに振れたため、市場は随分明るくなり、値上がり銘柄は840銘柄、値下がりは296銘柄となりました。

値上がり銘柄は多かったものの値上がり巾が大きくならないのは、持ち合い解消ないし決算対策売りがあるからですが、もう一つは、銀行株のリストラ策が思い切ったものにならず、期待が裏切られたからです。とうとう銀行は自身に厳しい態度をとることができませんでした。銀行株に期待が集まっての理想買いはすでに終ったようです。最高のシナリオを思い描いた株価は出てしまい、今後は理想買いと現実のギャップを見比べながら、適正な株価まで下落していくことでしょう。

NECは1600万株の出来高を集め、116円高の1170円となりました。再建3か年計画の一環として国内9000人、海外6000人の人員削減を打出しました。3年かけるとはいえ国内9000人の削減は、東芝の2年で6000人に匹敵します。大手銀行全部の削減予定が4年で20000人ですから、どれだけ銀行が生ぬるいか。やっぱり苦難の時期には経営者の決断力がはっきりでてきます。


(99.2.23) 14500 (+243) 5.6億株


先物は26000枚とそれほどの商いではありませんでしたが、現物市場は5.6億と今年最大の出来高となりました。1月末にザラバでは14500円をクリアするけれど、引けてみれば14500円に届かない、という日が続きましたが、今日は出来高を伴って14500円に到達です。

長期金利は1.855%(+0.130%)と上昇、円相場は120.32円(-1.65円)と逆風でしたが、これに抗しての上昇は、買い意欲がでてきたことの証しです。主体は外国人と個人ですが、出来高1位の殖産住、3位の勧角証、6位のシルバ精は個人の値幅取りです。これらは100円以下に売られていた超低位株ですから、値上がり率は何10%の単位ではなく2倍3倍の単位になる可能性を狙っています。井筒屋以来ボラティリティが大きな銘柄が出るようになってきて、個人投資家が参加できる状況が出来ています。(しかも超低位株はまだ掃いて捨てるほど残っています。)

NECは今日も続伸しました。NECのように日本をリードする企業が、経営陣を一新し、大胆なリストラに乗り出したことは、市場に大きなインパクトを与えました。昨年の新日鉄や東芝、今年の旭硝子や三菱化学のようにトップ企業が率先してリストラに邁進していけば、これ以上悪くなることはない、の安心感を与えます。

グラフですが、デンドラによれば14499円を上抜く確率は54%と、そう高い確率ではありませんでした。ここを抜くには、株式の受け皿機構か、円相場が120円台になるなどの材料が必要だと思っていましたが、円が120円台に乗り、厚生年金基金へ企業の持ち株を拠出できるような法案を提出するとかの話もでてきて、今日はぎりぎりながら14500円となりました。

これによって1月安値からの第2段目の上昇波動に入りましたから、次の目標は昨年11月高値の15320円になります。戻り売り圧力は並大抵なものではありませんが、14641円をとり、15007円をとり、とゆっくりと上昇してゆきそうです。


(99.2.24) 14355 (−145) 4.8億株


14500円は戻り売りの水準であることは周知のことです。誰しもが14500円以上は買えないと思っているのに、昨日の株価は14500円をつけました。今朝はさすがに14500円は限界と見る向きから戻り売りがでて小安く始まり、一時は+34円とプラスになっていましたが、大引け前に下げ巾を拡大しました。

先物にヘッジ売りがでれば、日経平均が連動して下げるのはしかたないところですが、どうも日経先物のムードと現物市場のムードは互いに違ってきたような感じです。

日経平均の今日の値巾は200円余りで、地味な動きでしたが、個別銘柄では実にダイナミックな動きをするものがありました。材料の出たゼクセルが27.2%高をしたほか、小型のリケンが+16.9%、第一パンが+14.0%上げ、大型の大和証が+7.4%、興銀が+6.6%と、買い急ぎのような上げをしています。

「今市場が注目している銘柄」のうちでも、住友鉱は75日線を上回ってから、窓をあけながら力強い上昇をしています。最も良くなかったビクターも今日は+52円高をするなど、なにかあれば買いがどっと集まってくる状況になってきました。今日の日経平均には、このようなフツフツとした個別銘柄の動きは反映されていません。今日の単純平均は543円(+0.17円)、TOPIXは1120(+2)と上昇していますが、こちらのほうが実態を表しています。

グラフでは、11月高値15320円と2月初の高値14641円を結ぶ高値の傾向線を上抜き、三角保合いから上放れたようですが、14641円を上抜けば、保合い放れがより明瞭になります。


(99.2.25) 14470 (+115) 4.6億株


14500円をつけた23日と下落した昨日は先物が安く、逆サヤでした。現物市場ではダイナミックに躍動する銘柄が出てきて、市場のムードは悪くないのに、指数が14500円に近づくと先物へのヘッジ売り(だろうと思う)がでてき、先物安から裁定解消の売りを呼び、という具合で14500円を超えることができませんでした。

しかし今日は先物がようやく終値で14510円となり、順サヤに収まりました。先物市場でも14500円に固執していては、ひょっとして足元をすくわれるのではないかの反省が出始めたのではないでしょうか。

出来高上位は、@長谷工が1560万株、A日産自が1490万株、B新日鉄が1140万株、Cさくら銀が940万株、D東京三菱、E勧角証、F千代建、ですが、東京三菱を除けば、これらは一度は企業存続の大ピンチに陥った銘柄です。ピンチを脱出する方策は、債権放棄、M&A、公的資金の導入、リストラ、といろいろですが、これら方策によってピンチ脱出の可能性が出てくれば、株価が安いだけに、目を見張らせる上昇をします。

低位株はいくらでもあります。次から次に再建策がでてくれば、この銘柄・業種が上昇しているところへ、あの銘柄・業種が上昇を始め、それを引き継いでまた別の銘柄が動き始める、という音楽でいえばポリフォニー的状況になるのも夢ではありません。


(99.2.26) 14367 (−102) 4.6億株


上下130円巾の動きでした。月末でもあり積極的に買う向きはなかったようですが、出来高は4.6億株と減りません。2月19以来、6日連続で4億株以上の商いができています。昨年11月に高値15320円をつけたとき、7日連続で4億株以上ができましたが、これ以来のことです。

この心強い出来高ですが、1つには短期間に急上昇する銘柄がでていましたから、回転が効いたということもあるでしょうが、基本的には持ち合い解消売り、決算対策売り、裁定解消売り、に抗して買いがこれを受け止めた。個人と外人が力を入れてきたということでしょう。


いよいよ来週からは1999年3月期末を迎えての相場となります。期末に向けての株式売りは月半ばにはピークは超えるでしょうから、今週のように売り物を受け切っていれば、売り物が減ってくる3月中旬以降には相当な上昇ができるのではないか。そのときは15320円を取り返して、中勢(3〜12か月)の上昇波動入りが決まるのではないか。と期待しています。


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