日経平均をどう見たか・判断したか (99年1月)

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(99.1.4) 13415 (−426) 1.1億株


99年の大発会は大幅安で始まりました。203回国債利回りは1.990%(-0.020)と高止まりとなり、銀行・不動産が下げ、円が一時112円台になった(引けは113.45円)ことからソニーをはじめとする国際優良株が下げました。値上がり銘柄数は180銘柄、値下がりは940銘柄と、ほぼ全面安です。

年末12月22日に「先の小波動のボトム13432円(ザラバ安値)で止まれば上出来。並みで13000円。最悪のときは最安値12787円もターゲットになるのではないか」(98年12月分の「日足でみる日経平均」参照)と思いましたが、今日の下げで先の小波動のボトム13432円を下抜きましたから、上昇トレンドは崩れました。

この後は13000円で止まるのかどうかですが、金利がこのまま2.5%へ上昇するようだと、13000円を割り込む可能性は十分にあります。ただ7日が新発債の入札だそうですから、下げるにしてもこれを見てからということになります。

一方で進んでいる円高は、輸出企業にとってはマイナスですが、売買シェアの半分を占めている外国人投資家にとっては、日本株買いの動機になりますから、外人投資家の新年度の買い越しが期待できます。

長期金利はマイナス・円相場は基本的にはプラスだろうと思いますが、1月半ばすぎから銀行の資本注入の増額が発表されるようになればこれは相当なプラス材料であり、1月中下旬までは下げても、そこからの大反発があって、昨年と同じ2〜3月高となるのではないかと期待しています。


(99.1.5) 13232 (−183) 3.4億株


続落。円は一時110円台に突入(終値は111.51円)。-2.34円の円高です。輸出関連株は今日も大巾下げとなりました。

円高によって有利になる紙・パルプ、石油・電力の業種が一斉高とならないのは、紙パルプにおいては需給のバランスが大きく崩れているためです。銀行株にとって円高は海外の債権が円高によって圧縮されるというメリットがありますが、それも長期金利の上昇に食われてしまっています。電力株も長期金利が上がっている今では利回りを元にした買いはありません。

《ウェーブ3》の条件表No.55「CPボラの差」は昨年後半からは、異様なほどに明日の日経平均の動きを捕らえています。大納会に売りマークをだしたので、やや暗い気分でいましたが、やはりというべきか、新年の大幅下落となってしまいました。しかし今週はもう売りマークはでません。

《カナル2》の条件表No.2「日経平均用'96」は、明日も日経平均が安ければ買いマークをだしますから、新年の下げは明日で一応の下げ止まりになると思います。(7日の国債入札の結果もありますが)ここへ合わせて為替の協調介入とかの材料がでれば、年末の水準近くに戻ることも期待できますが、介入があるのかどうか。


(99.1.6) 13468 (+235) 2.9億株


NYは+126ドル高、円相場は0.99円安の112.50円、国債利回りは-0.090%低い1.820%と、ほっと一息いれることができ、株式は反発しました。ただし出来高は2.9億株と薄く、先物の買い(戻し)に引っ張られたものです。

今日の陽線がでたことで、条件表No.2「日経平均用'96」は明日・明後日は買いマークをだすことができなくなりました。どうせなら今日も安くなって目先の悪目をだしてほしかったところです。

デンドラによると、この下げ波動が昨年10月28日の13516円(終値)を下抜く確率は15%しかなく、85%の確率で13516円より上で反発するはずでした。しかし大発会で131516円を下抜けて、15%の薄い確率のほうが実現したことは、この下げ波動はそう甘くはなく、特異なものであると思った方がよいのでしょう。

先の高値15207円(終値)から昨日までは、ほとんど反発せずに下げていますから、この下げ波動は大きく、この後の少々の反発では、15207円を上抜くことは困難です。デンドラでは39%の確率になっています。


(99.1.7) 13536 (+68) 3.8億株


NYはなんと+233ドル高の9544ドルへ上昇し、史上最高値を更新しました。これを受けて日経平均は朝から高く、一時は+385円高の13854円と続騰となりました。このザラバ高値は年末の終値13842円の水準であり、年初2日間で下げた値幅を昨日・今日の2日間で取り返すかと注目していましたが、後場は急速に値を崩し、結局は+68円高で終ってしまいました。

前場の円の落ち着きも一つの買い安心の理由でしたが、後場にはいると円相場は110円になり、相場を冷やすことになりました。一方の長期金利ですが、国債の表面利率は2.0%と決まったものの指標銘柄の利回りは1.710%になり、これは-0.110%の金利低下です。これで当面は金利の急上昇はないようです。マイナス要因がひとつなくなりました。これは今日の収穫の1つです。

今日の株高はNYの株高が第一の理由ですが、米国企業の業績は鈍化している中での株価高ですから、NY市場は楽観し過ぎであり、この反動安を警戒せねばならないでしょう。明日もNY市場が今日のような支援材料を提供してくれることはあまり期待できません。

グラフは上ヒゲの長い陰線で終りましたから、13500円以上での売り圧力は強く、年末の株価水準の奪回はなかなか難しいことがわかりました。出来高が4億株を超えなかったのも、エネルギー不足を示しています。 反騰をするにはまだ時間がかかりそうです。


(99.1.8) 13391 (−144) 3.5億株


半導体市況が底打ちと報じられて以来、これに関連する企業の株価は大きく買われました。今日も円高・金利高の流れのなかで、上昇したのは半導体関連でした。株価を上げるには業績が良くなることが第一であると、あらためて知らしめました。

業績の裏付けがあるときは、株価の上昇トレンドは持続します。75日平均線を上抜いてからでも間に合います。初めて75日線を上抜いた順では、9月8日にニコンが924円で上抜き、今日は1175円。10月19日に東芝が538円で上抜き→679円。同じく10月19日に信越化が2280円で上抜き→2730円。10月20日にアドテストが6500円で上抜き→8630円。11月10日にNECが1000円で上抜き→1079円。11月24日に東芝セラが349円で上抜き→370円。といった具合です。この間に株価はうねっており、買いのチャンスは何回もありました。

グラフですが、出来高累計からは86億株のしこり玉がありますが、今日まででは46億株を解消しただけですから、あと立ち会い日数で10日〜15日たたねばしこり玉の解消はできません。ここから見ると、今月の25日から月末までは弱い地合いが続きそうです。

日柄では、10月9日のザラバ安値12787円をつけた日から11月27日のザラバ高値15320円までは34日間の上昇でしたが、現在は11月27日のザラバ高値から28日目の下落になっています。あと6日で同じ34日になりますが、これは1月19日になります。

こうしてみると来週一杯は上昇のスタートはできず、早くても再来週にならないと明るい気分になれないようです。


(99.1.11) 13368 (−23) 3.0億株


円はドルに対してもユーロに対しても強くなる一方で、今日の対ドル相場はとうとう110.20円(-1.20円)となりました。円高がマイナス材料になる企業があれば、一方ではプラス材料になる企業もあるはずですが、昨年利益を出した企業の多くは国際優良株・輸出関連株であったので、これら企業が円高によって稼げないとなると、企業業績面からは株価が下がるのはしかたがありません。

NYは9643ドルと史上最高値を更新していますが、円高・ユーロ高からは、かつてのように、強いドルが海外資金を呼び集め、これでもって株式が上がっていったという因果関係は崩れつつあります。この円高を見ると、NY市場の新高値は、米国に世界の資金が集中することでなしとげられたのではなく、米国内の株式買いで上がったように思います。一国内の資金には限りがありますから、NY株はこれまでのような上昇はできないのではないかと思っています。

今日の出来高上位5社は、ユアサ(+30)、三菱電(+14)、三井信託(-6)、東芝テック(+12)、板硝子(+19)と、出来高の大きいものが高くなっています。売買代金も上がったソフトバンクが1位で、下げたソニーが2位と、買い意欲が売り意欲を上回っています。よい兆候です。ここで円が落ち着くようであれば、反発につながるのですが、これは来週以降です。


(99.1.12) 13360 (-7) 3.6億株


円はロンドン→NYと108円台をつけて東京市場に帰ってきました。株式市場は当然に安く、先物はしばらくして13200円(-240円)で寄りました。ところが前場で円は突如として売られて111円台になり、株価もこれにつれて上昇し。ザラバ高値13535円を出して、前場は+169円高の引けです。

13500円に手が届くと売り物がでてくるのは今日も同じで、後場は再び下落していましたが、朝方の円急落は日銀が円の売り介入をしたため、とわかってから-7円安まで戻して引けました。


グラフからは円の下値のめどは110.17円でしたが、今日の日銀の円売り介入はまさに110円を割れたとたんのことでした。昨日は円の9日順位相関は-87、25日順位相関も-90と円高は行き過ぎであったのですが、日銀もチャートを見ながら介入の水準を決めたのかと思うほどのタイミングでしたが、まあ110円というわかりやすい水準であることがその理由でしょう。

今日の介入によって円高の容認範囲は110円であると示しましたから、当分は円高の進行は止まるようです。円の今日の引けは112.45円(+2.28円)とさらに円安になりました。

金融再生委員会は、銀行へ優先株や普通株をもって資本注入した資金は、市場で優先株を売却して回収する方針、と報じられました。市場に水脹れした銀行株があふれるのはよいことではありませんが、@2年以上は保有する、A買い入れ価格以上になったときに売却する、B従って銀行に株価が上昇するような収益力をつける策を作成することを義務づける、と条件がついており、市場は好感して銀行株は買われました。銀行がどのようなリストラをするのか楽しみです。


(99.1.13) 13403 (+42) 3.7億株


20億ドルの円売り介入によって、円高は一服となりましたが、それでも0.95円高の111.53円。NYがブラジルに引っ張られて崩落するのではないかの海外要因に加えて、金利の動き、円相場の動きと、気にせねばならないことが多すぎます。

ややこしいときは当然のことながら市場は見送り気分が強くなり、市場の動き(ボラティリテイ)も小さくなります。市場が小動きになれば、一層の見送りになりますが、一日の値動きが上下で130円であった割には、今日は3.6億株と意外にも出来高がありました。しかし先物は18000枚と薄商いなので、売られた三井信託の1700万株と買われた日立の1100万株が現物の出来高を大きくみせています。内容はありません。

都銀株はリストラ策を期待して上昇し、富士銀・三和銀・あさひ銀のように75日線を上抜いた銘柄がでてきましたが、信託銀行の三井信託・安田信託・住友信託などは下降する25線よりもさらに下位にあります。三井信託の103円、安田信託の76円は、国有化されるだろうという値段ですが、いったいどうなのか。日債銀の突然の国有化の連想があるので値がついているうちに売っておこうということなのでしょうが、もし資本注入ということになれば大奔騰になります。


(99.1.14) 13738 (+335) 4.1億株


ブラジルの通貨切り下げ・同株式市場の暴落があって、NYは一時-261ドルの急落がありましたが、-125ドルまで戻して終りました。NYの円相場は113円台に入り、これを受けて東京も円安で推移しました。株式市場は寄り付きこそ安かったものの、円安・金利低下(国債は-0.060%安の1.665%)の2つの材料が効いて、今年1番の上昇となりました。

買い意欲の程度を表す出来高ですが、今年初めての4.1億株ができました。しかし1位は三井信託の2790万株(+7円高の110円)、2位は日立の1070万株、3位は安田信託の1040万株であり、1位3位の信託銀行は売られてできた出来高ですから、今日の4億株は少し割り引かねばなりません。

三井信託の動きは激しいものでした。朝方は94円まで売られましたが、この後は16円上げて逆に+7円高の110円です。持ち合い解消の売りだけではこれほどの急上昇はしませんから、結構カラ売りが入っているようです。三井信託や安田信託の帰趨は金融再生委員会しだいですが、資本注入ということになれば、カラ売りが入っている分だけ大反騰になることでしょう。

グラフでは今日の上げはまだ機が熟していないと思っています。シコリ玉の解消にはまだ25億株程度の出来高が必要であり、9日順位相関が今年になって-80以下になることなく反発しているのも不満です。

当面の重要ポイントは1月4日の大陰線(高値13779円・安値13415円)ですから、あと41円高でこれを上回りますが、その後には75日線の13982円があり、次の重要ポイントである12月22日の大陰線(高値14185円・安値13722円)が控えています。NY・円相場・金利とブレの大きい要因に株価が左右されている現在、このまますんなりと上昇を開始するとは思われず、来週「いけない」と売られた後で反発開始かと思っています。


(99.1.18) 13805 (+66) 3.3億株


NYは木曜は-220ドルの大幅安となったものの、翌日はブラジルが変動相場制に移行したことから、+219ドルと急落後急騰となりました。毎日200ドルの変化は大きいようですが、NYダウの水準からすれば2%強の値動きで、日経平均でいえば260〜280円の値動きです。

海外が強く、円は114円台になり、2要因が作用して朝方は13964円と14000円を覗う動きになりましたが、出来高は増加せず、後場は小動きからジリ貧となり小幅高で終りました。

グラフを見ると、今日の終値は大発会の大陰線を上抜きましたが、年末の13842円には届かず、上ヒゲが長くなりました。ザラバ高値は75日線近くに達し、目先の戻りは一杯になったようです。

累積出来高がまだ不足しており、順位相関も中途半端な位置から上昇しているので、このまま上昇するとは思いませんが、とにもかくにも今日で5連続陽線をつけたことは、迫力不足ながら「買いっていこう」という態度になってきました。次の反落を見てから出直りになるのではないかと思わせます。反発の時期は近づいてきました。

日産自にルノーが出資かの報道で、日産自は+19円高の416円。出来高も1100万株です。企業は今年大変化する先触れです。世の中は変り、株価も変ります。


(99.1.19) 13770 (−34) 3.0億株


円は114.76円。国債利回りは+0.130%高の1.855%。NYは休場。円安が金利高に相殺されて、終日小幅な動きでした。したがって出来高も薄く、3.0億株です。

Jエナジーが本社ビルを700億円で三井不に売却し、三井不はこれを証券化して販売すると報じられました。 Jエナジーは今年の安値103円から今日は116円へ上昇。

長い歴史をかけて積み上げてきた財産を、いまここで売り払うことは誰でもいやなことでしょうが、清水建設は江戸時代(HPを見ると文化元年(1804年)に初代清水喜助が江戸神田鍛治町で創業とある)から積み上げてきた資産で不良債権を処分するのだから、いまは尋常な時代ではありません。今年は思い切りの年です。

グラフは昨日直前の重要ポイントをぎりぎり上抜き、4%波動も陽転しました。目先は上昇トレンドになっていますが、デンドラを見ると、ここから株価が反落するならば、今年の安値(終値)13232円を下抜く確率は67%あります。ただし14361円まで上昇してから反落するならば、13232円を下抜く確率は46%になります。

14361円を上回る前には、13981円の水準にある75日線を上抜き、次の重要ポイント(14185円)を上抜かねばなりませんから、今の出来高では、なかなかこれを突き抜けることは難しく、13232円に接近の場面がくる確率は高いようです。


(99.1.20) 14028 (+257) 4.5億株


三井信託が中央信託と合併。三和銀と東洋信託が包括提携。と報じられました。さらに富士銀が安田信託を子会社化。の報道もあったようで、今日は信託銀行を中心に動きがありました。

三井信託と中央信託の合併は小が大を飲みこむことになりました。存続会社は中央信託で、合併比率は1:0.3です。中央信託の昨日の終値は516円、三井信託は104円でしたから、中央信託の516円×0.3=155円の計算から、三井信託は大量の買い物が入り、124円で寄り付いた後130円まで上昇したものの、ここからは売られ、結局は安値引けの115円で終りました。

一方の中央信託は合併を嫌気され、-56円安の460円まで下落して、470円で引けました。-46円安です。三井信託の値段を基準にすれば中央信託は383円が妥当だし、中央信託の株価を基準にすれば三井信託は141円が妥当です。この中間となると、三井信託は128円、中央信託は426円です。

ただ信託銀行の再編成の材料は、相場全般には大きな影響がでませんでした。前場は上下62円巾の小動きであり、前引けは-26円でした。後場に買い意欲がでてきたのは、@不動産対策に20兆円の公的資金を出すと一部で報じられたことと、A金融再生委員会が、大手銀行はこの3月期で不良債権を処理するように発表したことでした。@によって不動産株が軒並み高になり、Aによって大和銀以外の都銀株が大幅高になりました。出来高も今年初めて4.5億株と脹らみました。

日経平均は、昨日言った75日線を上抜き、第二の重要ポイントの14185円には届きませんでしたが、14000円台を回復しました。ただし今日の上げで買いの楽観気分がでてきており、明日は反落のように思います。明日も続伸となるためには、@の土地対策の報道が確かめられることが必要です。


(99.1.21) 14245 (+217) 5.3億株


昨日の一連の信託銀行の金融再編の動きに続いて、大和銀行と住友信託が合併?の報道や三菱グループの3信託銀行を統合?の話がでてきて、いよいよ銀行の生き残りへ向けての動きが急になってきました。

大和と住信・三菱系の3信託の話はいずれも否定されましたが、三井信託が合併へのいきさつを日経新聞で読むと、金融再生委員会は各銀行に相当に厳しい要求を出しており、しかもYesかNoかの返答を迫っているような様子です。

相場が上昇に転じるときは銀行株がリードし、そのタイミングは資本注入額の大幅上積みを発表し始めたときだと思っていましたが、銀行の大変革の発表は必至として、市場はそれに先んじて銀行株を買ってきました。出来高10位の内に銀行株が7銘柄はいっていますが、1位の東京三菱が1500万株、2位さくらが14000万株、3位三和銀が1300万株、4位住友銀が1200万株というすさまじさです。一方、連日上昇していた半導体関連株も出来高を伴って上げたため、今日の出来高は5.3億株に膨れあがりました。この出来高をみては考えを変えねばなりません。

今日の終値14245円は第二の重要ポイントの14183円を上抜き、かつ昨年11月末の高値15207円→今年の安値13232円への下げ巾の半値戻しを達成しました。ザラバ高値15320円→安値13122円の下げについても半値戻しとなりましたから、この後の反落は深くなく、押し目待ちに押し目なしの様相になることも考えておかねばなりません。ちょうど今日は逆張りの条件表No.2「日経平均用'96」が日経平均とTOPIXについて売りマークを出しましたが、大きく下げることはなく、小幅な押しをつくれば、それで下げは終りになる可能性が強くなりました。


(99.1.22) 14154 (−91) 5.0億株


金融問題はこの99年3月期で決着をつけるのだ、という強い決意を政府(金融再生委員会)を表明している以上、個別銀行が収益を上げるための営業方針を出し、効率性を上げるためのリストラないし金融再編策が出尽くすまでは銀行株の上昇は続きます。

上昇してきた日立・東芝・三菱電もたんに半導体市況が底打ちというだけではここまで株価が反騰したかどうか。東芝が先駆してリストラに着手していればこそです。銀行の再生には期限があり、生殺与奪を握る再生委員会があるだけに、より大胆なリストラ策がでてきます。

読売新聞によれば、再生委員会は安田信託への資本注入には難色をしめし、富士銀の注入額を上乗せするから、富士銀を通じて安田信託へ資本注入(第三者割当ての増資)をせよ、というこのようです。ムーディーズが興銀・第一勧銀の格付けを下げましたが、銀行の生き残りをかけた動きが急になっているなかでは、ほとんど気にされませんでした。

中央信託の株価は大幅高の569円(+55円)。一方1:0.3の合併比率である三井信託は119円(+2円)と合併比率無視の株価水準になりました。今日の株価では1:0.2です。1:0.3は見直されるのか。はたまた三井信託は減資をするのか。妙な株価です。

一昨日に《ウェーブ3》の「CPボラの差」が売りマークをだし、昨日は《カナル2》の「日経平均用'96」が売りマークを出し、週末ということもありようやく小反落となりました。ただし金融についてはまだまだ材料がでてきそうなので、大きく下げること思われず、最大限で25日線の13767円。たいていは14000円が限界ではないかと思っています。


(99.1.25) 14208 (+54) 3.8億株


NYは-143ドル安の9120ドルと弱くなってきました。アジア市場も香港ハンセン指数は連日の大幅下落ですが、日経平均には響いていません。前場は小安かったものの、後場は強含みで推移し、月曜ボケながら高く終りました。M&Aがらみの日産自は+19円高の449円。ツガミはストップ高して129円から179円へ。長谷工や殖産住など経営不安のある建設株も上昇。

富士銀は1兆円の公的資金を導入し、うち3000億円を安田信託の増資に振り向け、さらに2000億の民間引き受けの増資をする、と日経新聞は報じました。安田信の分を含むとはいえ、一桁違う1兆円はインパクトがあり、富士銀は+13円高の500円。安田信は+3円高の92円です。

先週いわれていた、「不動産対策に20兆円を投入」の話はまだはっきりとは報じられていませんが、今日は「銀行が株式を保有することを禁じることと引き換えに、持ち合い株式の買い取り機構を創設する」の報道がされたようです。これもまだ海のものとも山のものともわからぬ話ですが、銀行は株式を保有すべきでないことは正論なので、この話が発展すればよいのですが。このような話があることによって、売り方は突然に足元をすくわれる心配があって、売り込めないという状況のようです。


(99.1.26) 14382 (+173) 4.9億株


NYは+82ドル高の9203ドル。円は113.55(-0.77円)。国債利回りは1.715%と、大きな変化はありません。中国人民元の切り下げはしないとの中国政府の表明があって、少しは相場を押し上げたようですが、基本は資本注入とリストラ策への期待が高まる銀行株と、銀行が3月期で不良債権を処理することで、信用不安があって売られていた企業の買い戻しです。

金融再生委員会は、不良債権の引き当てガイドラインを発表しました。ガイドラインは銀行にとっては厳しかったようで、このガイドラインによって1兆円の引き当てを増加せねばならず、したがって資本注入額も1兆円は増加するとの報道でした。

《カナル2》の逆張りの条件表No.2「日経平均用'96」は、今日日経平均・TOPIX共に売りマークを出しましたが、この後の押しは浅いと思っています。

個別銘柄で「市場が注目している銘柄」で75日線を越えているのは富士銀行だけでしたが、今日はNTTが75日線を上抜きました。ビクター・住友鉱・鹿島建・新日鉄はようやく25日線を超えたばかりであり、一部の小型株は値を飛ばしていますが、全体としてはようやく上昇の準備ができたというところです。

銀行株が上昇すると、どうしても昨年1月16日からの反騰を思い出しますが、今回の上昇具合は図のように97年4月の反騰に似ているのではないかと思います。このときは7連続陽線で、安値から1200円ほど上昇したとき、逆張りの売りマークが連続してでましたが、この後の押しは極めて浅く、4日目には再上昇となりました。

今回の上昇はスタートから5連続陽線・陰線・2連続陽線・陰線・2連続陽線と、陽線の数では見劣りしません。この上げは軽視してはいけません。


(99.1.27) 14450 (+68) 4.1億株


長谷工と殖産住が商いを集めたのは昨日と同じですが、この2銘柄もいきつかえの様相になってきました。銀行株も上値つかえになり新しい材料待ちです。リードする業種・銘柄がなかったにしては日経平均が下げなかったのは、なんとはなしに売りづらい、ぼんやりと相場は強いと感じているということでしょう。

グラフでいえば、@75日線を上回って6日経過したが、75日線を割り込みそうで割り込まない。A11月末の高値から1月初の安値への2/3戻しの水準はザラバベースでは14587円(終値ベースでは14548円)であるが、あとわずかに迫っている。B第3番目の重要ポイントは12月11日(高値14729円・安値14382円)だが、ジリジリとこの水準に向かっている。など目を見張らせる上昇はないのに「いつのまにか」ここまで来ていてたという感じです。

この動きは馬鹿にできません。逆張りの指標である9日順位相関は93%と行き過ぎのレベルにありますが、ここから反落したとしてもマイナスの数値にはなることはないのではないか。この上昇は25日順位相関が80以上になり、この水準に1か月以上へばりつくくらいの持続性があるのではないか、と思います。


(99.1.28) 14342 (−107) 3.6億株


円相場は国債の格下げ懸念で115.45円と+1.65円の円安。NYは9200ドル(-124ドル)。国債利回りは1.86%(+0.045)と金利上昇。

長谷工は-3円安、殖産住は-10円安と反落。今日の人気は新型電池の日本電池で+80円ストップ高。本社売却の三菱マテも+17円高の208円。銀行株はまちまち。材料がなく小幅な動きでしたが、引け前はマイナスになりました。14500円に乗せると売り物がでて、引けでは14500円を下回るという動きは今日で3日連続です。

持ち合い解消売りに関係のない銘柄が幕間つなぎとして買われています。日本電池もそうですが、酒井重349円(+60)、新神戸304円(+37)、ダイソー264円(+31)、洋鋼板390円(+24)、ブラザー360円(+24)、北川鉄199円(+24)などくせのある銘柄が買い上げられていますが、当然にこれらは個人投資家のなせるわざです。個人投資家の買い意欲がでてきたことは軽視できません。

これで買い勢力は公的年金資金に加えて個人・外国人が参加し、売り勢力は持ち合い解消の売りをだす銀行と企業の図式になりました。ここへ持ち合い解消の買い取り機関の構想がはっきりしてくれば、売り勢力が小さくなる分だけ相場は上昇です。


(99.1.29) 14499 (+156) 4.4億株


NYは9281ドル(+81)、円相場は115.96円(+0.51)、国債利回りは1.990%(+0.125)。国債利回りは宮沢蔵相が長期金利が上がる環境にはないといったとたんに上昇し始めています。3つの要因の好悪どれを重視するかですが、今日の市場は好材料だけを見て、寄り付きから上昇。一時は14600円台になり、引けでの14500円は確実と思われましたが、14499円引け。

まあしかし14500円はとったも同然です。1月相場は終り、今日の上げは月末のドレッシングであるの声もありますが、中心となる銘柄がいくつかあって、それぞれが商いを膨らませているのを見れば、「買いたい弱気」でしょう。

今日の出来高上位5社の株価は、安田信114円(+22)、日立835円(+25)、三菱重工471円(+26)、東芝763円(+8)、さくら銀284円(+11)円です。銘柄といい値上がり巾といい、堂々たるものです。

この1週間の値幅は小さく、とかく軽視しがちですがジワジワと上昇を重ねていれば、辛抱たまらぬ買いないし買い戻しが入ってくる時期がまもなく来るでしょう。ここから値幅が拡大し、昨年11月の高値15320円の奪回は夢ではありません。14500円を超えると、持ち合い解消売りないし決算対策の売りがでて値を下げるという動きは今日で4日続いていますが、今日のザラバ高値14628円は14500円で必ず売りがでるというのではない事がわかりました。もともと14500円以上で売る根拠はなく、14000円台になったから14500円で売り、14500円を回復したから15000円で売るというだけのことです。株価次第で売りの水準は変わってきます。

安田信が富士銀の子会社になる話は、先週末の22日にでていましたが、今日になってこれを評価したのはどういうことでしょうか。安田銀を売っていた向きは馬鹿にしていたところが、日経新聞が書くは、格上げの話がでるは、で焦って買い戻したということなのでしょうか。これと同じことが、いまの相場に起こるのではないかと思います。


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