日経平均をどう見たか・判断したか (98年12月)

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(98.12.1) 14835 (−48) 3.9億株


NYが-216ドル安の9116ドルと下げた上、国土開発が会社更生法の適用を申請と報じられました。低位の建設株は安かったものの、全般はたいして下げず、朝方-119円安くなったあとは小動きに終始しました。

国土開発は負債総額4000億円。普通社債・転換社債のデフォルトが570億円。債務超過が2000億円とのこと。山一証が債務超過になったとはいっても200億円とかですから、資本金140億の会社にしては相当な額です。まあ三井信託はここまでよくも支えたことだと、同情というか感心します。


三井信託はこの9月中間期に回収不能額250億を積み立てずみだそうですから、9月末には倒産は決まっていたわけです。

9月29日にザラバ安値18円をつけたのは、この辺の事情が出たのでしょうが、11月19日には安値から5倍となる94円の高値をつけたのは、16日のフジタに対する銀行の債権放棄、19日の青木建が債権放棄を要請を見ての連想買いです。まったくのギャンブルでした。

日経平均は材料待ちですが、今週は反発できない様子です。9日順位相関が下がるのを待つところ。


(98.12.2) 14986 (+151) 3.2億株


さしたる材料はなく、上下230円巾のなかでの小動きでした。前場は一時15000円を回復したものの、後場はジリ安。大引け間際に先物が買われ急伸して+151円になりましたが、出来高は3.2億株と薄く、今日の陽線はアダ花の感じです。

東京海上が米国の最大手ディスカウント・ブローカーのシュワブ社と合弁で証券会社を作ると報道されました。当面は電話での投信の通信販売や株式の通信取引きをするが、早期にインターネット取引きを開始する方針であるとのこと。

銀行は資産家のプライベートバンクを目指すものが多く、小口はキャッシュディスペンサーでお付き合いしようの態度ですが、東京海上がちまちました個人の取引きに進出するとは、やや意外でした。しかし個人投資家は株式市場の基本中の基本です。個人投資家が離れていく市場は確実に衰退します。東京海上がここへターゲットを向けたのはエライ。

グラフは2連続陽線になりましたが、昨日の出来高は3.9億株、今日は3.2億株と株価とは反対に出来高が減少していますから、この陽線は信頼できません。押し目底は来週へ延びたような感じです。


(98.12.3) 14697 (−289) 3.2億株


昨日の大引け前の急伸は、売りの呼び水になってしまいました。寄り付きから安く、前引けは-257円。後場は一時-396円安の14589円まで下げて、ここから100円ほど戻して引けました。予定していた1/3押しの水準は14691円〜14476円でしたから、今日はこの水準にやってきました。今日あるいは明日200円ほど安ければ、値段面からは押し目の限界にきたと思います。

値上がり銘柄数が153銘柄、値下がりが1034銘柄とほぼ全面安でしたが、出来高は昨日と同じ3.2億株であったのは、狼狽売りはでていないし、積極的に売り叩く動きもなかったようです。


市場には、この下げは「押し目」であるのコンセンサスがあります。ただ下げながら出来高が増加するようであれば、このコンセンサスに懐疑的になった向きが増加するということですから、出来高が薄いままの下げは心配ありませんが、出来高を伴った下げがでてきたなら半値押しの水準14376円〜14053円を思い出さねばなりません。

来週は日経先物とオプションのSQですが、9月から10月への大下げ、バブル以来の安値、その後の反騰と、日経平均は大きく変化したので、先物SQはどのように収拾されるのか不明です。来週はSQに向けて、よく分からぬ動きになりそうです。


(98.12.4) 14639 (−57) 3.4億株


7〜9月期のGDPが発表されました。前期比-0.7%(年率で-2.6%)のへこみで、先だって堺屋経企庁長官が見通しを引き下げた-1.8%を下回る様子です。98年度が-1.8%のマイナス成長でとどまるためには、残りの2四半期の成長率は各々+0.7%のプラスにならねばならないそうですから、これはもう不可能な数字です。

NYはブラジルを気にして-184ドル安の8879ドルと再び悲観人気が台頭してきました。海外安と眼下の経済状況の悪化にもかかわらず、しかし日経平均は下げるよりも買い手控えで対応しました。出来高は3.4億株ですが、このうち7600万株は国土開発の出来高ですから、正味は2.7億株です。

今日の弱材料であれば、もっと下げてもよいのに下げないのは、@7-9月の数字は悪いが、10月・11月の経済指標ではよいものが出てきたこと、A自自連立のからみで自民党が超えられなかった政策がでてくる可能性があること、最後にB今や日本市場での売買シェアが半分の外国人は売り越していないこと、などが考えられます。


グラフは日経平均とドル建て日経平均(紺色折れ線)ですが、急激な円高によって、10月初めには先のピークのa(112.7ドル)の水準を上抜いています。円でいえば15294円を上抜き、上昇トレンドに入ったことになります。

続いて10月20日には、7月のピークのb(119.0ドル)を上抜きました。円でいえば7月16日の16756円を上抜いたことになります。ドル建て日経平均では、日経平均は上昇トレンドの真っ只中にあるわけで、売りは出にくくなっています。(115ドルを下回れば売りがでてきそうですが)


(98.12.7) 14723 (+83) 2.4億株


いっそうの手詰まり感があって、今日の出来高はわずかに2.4億株となりました。定点観測をしている多くの銘柄(ソニー・住友鉱・ビクター・NTTなど)は75日線まで上昇した後、2番底をとりにいく動きとなっています。モデル波動でいえば、75日線まで戻ったB点から反落しC点を固める動きです。


ただし日経平均はいち早く波動を進め、図のようにA点→B点→C点→D点まで波動は伸びており、多くの銘柄よりも強い動きをしています。この要因としては、@銀行株の大幅高後の高値もみあい、A日立・東芝・三菱電など、業績悪で売られたものの水準訂正、B新日鉄・川鉄・NKKなど円高を予想しての株式買い、によってもたらされたものです。

多くの銘柄が2番底を固めたなら、この後の日経平均は再び上昇基調になると思っています。早ければ明日・明後日と言いたいところですが、11日がSQであるので、10日を過ぎてから再び15320円の高値を覗う上昇になるのではないか、と思います。


(98.12.8) 14808 (+84) 3.5億株


一日小高く推移したものの出来高は盛り上がりません。いまほど長期と短期で目指すものが矛盾する時代はありません。国は長期的には財政改革の必要性を重々承知しながら、短期的には景気てこ入れのために赤字国債を増発せねばなりません。銀行は世界のレベルまで過剰な貸し付けを解消せねばならない一方で、目先は貸し渋りや貸し付け金の回収をすれば、企業の存続を危うくします。企業は効率的なリストラが必要ですが、短期的には雇用の悪化を引き起こします。

短期的によいことは長期的には間違った方策であり、長期的にこうあるべしとすることは、目先の景気を悪くします。ひとつの方針が打ち出されたとき、短期の効果を重視するか、長期の効果を重視するかによって、株式市場は好感したり失望したりします。

しかし長期的にこうあるべしという方が重要です。企業も、この3月期にはリストラの方針はほぼ固まり、来期を通じて実行されることでしょう。その結果雇用がなお悪くなっても、企業が再生することによって景気の回復ができるなら、将来への希望があります。

12月の月例報告で「改善を示す動き」として、パソコン・平面テレビが2桁増、規格変更による軽四輪の販売が急増などが指摘され、「一層の悪化を示す動き」として、冬のボーナスが夏より悪化、大企業の設備投資が大幅減少などが指摘されていますが、一層の悪化をしているのは、企業のリストラが急がれているためであり、リストラがピークを超えると、改善を示す動きをフルに享受できると考えれば、来期こそがバブル崩壊以来の大転換期になり得ます。


(98.12.9) 14931 (+123) 3.6億株


大引け間際まで膠着状態が続いていましたが、引け前20分で先物が急上昇し、先物は一時15000円を回復。(引けは14990円)。

日経先物98年12月限と99年3月限のサヤは、11月9日から1月の間ほとんどが逆サヤであり、SQを控えてロールオーバーができるのかと懸念されていましたが、昨日は9903限の建て玉が9812限を上回り、限月交代ができました。

9903限が安かったのは99年3月決算を睨んでの売りヘッジが多かったためのようですが、おとといは+20円の順サヤ、昨日と今日は-10円の若干の逆サヤと逆サヤは解消してきました。

今日はヘッジ売りが少なくなったことを背景に、先物を買ってみたというところでしょうが、現物の出来高が増加しない以上は継続的な上昇にはなりません。SQが通過し、来年1月高を想定して、月半ばくらいから年末へかけては相場は高くなるのだろうと思っていますが、今日の上昇は年末高へのスタートとするには早すぎるように感じています。きっかけは予算案と自自連立内閣。


(98.12.10) 14807 (−124) 3.6億株


上下200円巾の小動きでした。前場は瞬間15000円台に載せたものの、後場は安くなり昨日の上げ巾を吐き出しました。しかし値上がり銘柄数は616銘柄、値下がりは508銘柄であり。弱気に傾いたわけではありません。SQ前のよくわからぬ動きです。

有価証券取引税を99年中に撤廃する方針であると報じられました。よい材料ですが、なんどもこのことは材料視されてきたので、手垢がついており、「いまさら」と相場には響きませんでした。

今日の上ヒゲ陰線で、先の安値14536円からの反発は終ったようです。この後3〜4日反落し14536円を少しでも下回れば、小波動ながら2段下げとなり、高値15320円からの押しが完了します。これが来週のことで、ここから年末に向けて再上昇を開始し、当然に15320円を上回って大納会になる。のコースを想定しています。

と、ここまで書いていたら、証券会社からFAXが入りました。QUICK-21がPM18:00に伝えたものですが、「大証、前代未聞のSQ前日に建玉訂正」の記事です。大証はこれまで発表してきた証券各社の先物建て玉の大幅な訂正をしたそうで、SQは30〜40万株の売り越しの予想が、小幅売り越しないし小幅買い越しの予想に変わるようです。まあ我々にとっては大きな影響はありません。


(98.12.11) 14405 (−402) 7.8億株


大幅下落となりました。SQは30万株〜35万株の売り越しになったそうで、これは予想を上回る売り越しでした。SQ値は14482円であったそうですから、SQによって-325円安がもたらされたわけです。今日は-402円安と最近にない大幅下げでしたが、SQによる下げを差っ引くと、-77円の下げとなります。

今日の下げで、昨日言った14536円を下抜き、日経平均は15320円から、小波動で2段下げになりました。これで調整はいつ終ってもよい状態になりました。今日の下げは大幅でしたがSQの影響が大きかったので、今日の下げをもって、下げ始めだとは考えていません。来週の月曜・火曜くらいにタクリ足・はらみ足がでれば調整完了となるのではないか。

所得税減税案が発表されましたが、サラリーマンは年収850万円以下は増税のようです。元々98年度の特別減税が4兆円であり、99年の減税規模も4兆円であるので、全体としては減税になるわけはないのですが、懲罰的な累進税率がゆるめられたのはよいことです。


(98.12.14) 14111 (−294) 3.1億株


土曜日朝刊で、日債銀が一時国有化と報じられました。この材料はプラス材料だと思っていましたが、今日は銀行株(17行)は全部マイナスでした。日債銀と中央信託の合併が流れたことで、日債銀は打つ手がなくなったのかというと、そうでもなく、新聞によれば日債銀側はまだまだ経営を立て直す意欲が十分であったようで、国有化には強硬に抵抗する意見もあったようです。

それにしても国家権力は強大です。日債銀が国有化を拒否したところで、法に基づいて国有化を通告すれば、それで決まりです。野党案の丸呑みで決まった金融再生法とはいえ、実際に実施されてみれば迫力があります。

先週末は158円であった株価ですが、今日は即座に上場廃止となり、株価はほぼ0円になってしまいました。長銀のときは20円以下になっての国有化であったので、長銀株の売買はギャンブルと割り切っていましたが、160円していた株価がいきなり0円になるのはたまりません。

市場はこのリスクに敏感になり銀行株は軒並み値を下げましたが、今回の国有化を奇禍として、銀行のリストラや不良債権処理がさらに進めば、よい材料だと思います。

日経平均グラフは、75日線まで下落し、条件表No.2「日経平均用'96」は逆張りの買いマークをつけました。先週はこの水準でタクリ足がでれば押し目完了になるだろうと思っていましたが、今日は引けにかけて下げを拡大したので、当然にタクリ足にはならず、明日に期待です。

なおデンドラによれば、この下げは先の小波動のボトム13516円(終値)を下抜く確率は15%ほどで、今日までの下げはまだ上昇トレンドを崩すにはいたっていません。


(98.12.15) 14011 (−100) 4.0億株


日債銀の突然死は、今銀行株を保有することはこの上ない危険なことだ、と知らしめました。

9月中間決算が発表された後に、その前の3月期は実質債務超過であったとして、いきなり上場廃止=株価0円になるのでは、99年3月期に向けて不良債権の償却をし、リストラをし、生き残りそうだの評価がされていても安心はできません。

株価が158円の日債銀が消えてなくなるのであれば、この株価より安い三井信託や安田信託はどういうことになるのか。


今日は安田信託が狙い撃ちされ、前場は-45円安の60円です。安田信託は、富士銀と第一勧銀が共同出資する信託銀行に年金運用部門を2000億円で売却し、行員の3割である1000人を新信託銀行へ回し、2000億円程度の公的資本を導入し、国内銀行になる。という再生計画を先月初めに打ち出し、市場はこれを好感しストップ高になったはずでした。

今日の下げは、突然の国有化に対する疑心暗鬼があるところへ、売り叩きがでたものと思います。前日終値107円に比べて45円安(-42%)の60円から、89円へ戻したのは、売り→買い戻しが短時間にでたようであり、継続的に安田信託を売ろうということではないと思われます。

日経平均自体は小動きでしたが、銀行株が全面安であったため、市場は暗いムードになってしまいました。10月9日のザラバ安値12787円から11月27日のザラバ高値15320円まで、34日間で2533円上昇しましたが、今日で13日間で1309円(15320円→14011円)の下げになって、ちょうど半値押しとなりました。さらに75日線を昨日から下回っていますから、明日からでも反発しないと、年内に15320円を奪回することは難しくなります。


(98.12.16) 14096 (+85) 3.3億株


年末の相場を引っ張り上げるのは銀行株だと思っていましたが、日債銀の国有化から銀行株は総崩れとなり、多くの銀行株は75日線近辺まで下げてしまいました。日経平均もちょうど同じく75日線をわずかに下回っており、しばらくは銀行株と日経平均は同一の歩調をとるようです。

日経新聞が主要23機関の経済見通しを報じていました。平均では98年度のGDPは-2.3%、99年度が-0.5%です。偏った予想では、98年度が-1.9%〜-2.8%、99年度は+0.4%〜-1.7%となっています。

いつもHPを見ている大和総研の予想は、もっと悪く98年度が-2.5%、99年度が-2.2%でした。99年度は失業率が5.4%となり民間消費が-2.0%と大きく減少するとしているのが-2.2%の大きな要因です。加えて為替をどう予想するかで、予想成長率に差がでているようです。もっともマクロとミクロは違います。今期から本格化したリストラは来期は仕上げの時期になり、企業業績はGDPほど悲観しなくてもよいのではないかと思います。

日経平均のグラフは昨日の陰線に今日の小陽線がはらまれる形になりました。TOPIXは昨日の陰線に今日の小陽線が完全にはらまれており、ボトムで出る足型である「陰の陰はらみ」となっています。昨日に続いて、逆張りのマークを出す条件表No.2「日経平均用'96」は買いマークを出しており、明日は反発を期待していますが、上昇を支援する材料が見当たらないだけに、期待も半分といったところです。


(98.12.17) 14126 (+30) 3.5億株


米英軍がイラクを空爆のニュースがでて、前場は一時14000円を割り込みました。後場は小動きになり、引け前に先物が買われわずかにプラスで終りました。

イラク攻撃は当初はマイナス年材料とされ株価は下げましたが、その後どう消化してよいかが判断できず、小動きになりましたが、不謹慎ながら、これは強材料としてもおかしくはありません。

99年度の税制改正が決まりました。9.3兆円の減税です。しかし相場はすでに折り込みずみで、かえって強材料は当分考えられないとして、12月は下げています。自由党が言った、消費税凍結と目的税化でしたが、自自の政策協議の結果、消費税0%はとんでもない、目的税化も当面は法制化しない、ということになりました。自由党の「喝」は腰砕けとなり、自自連立への期待感がしぼむとともに、相場は元気がなくなりました。

グラフは14000円を挟んで小動きになりました。昨日のはらみ足・今日のタクリ足と下げ渋りの足がでていますが、反発の材料がありません。


(98.12.18) 14194 (+67) 3.0億株



イラク攻撃はNY市場には響かず、+85ドル高でした。

長谷工は3900億円の債権放棄を銀行に要請し、大和銀・興銀・三井信託の主力行は受諾の意向。恩恵を受ける長谷工は+3円高の62円。貸し金を棒引きする銀行にはマイナス要因のはずが、三井信託は一時-20円安があったものの+4円高(145円)、興銀+1円高、大和銀+2円高となりました。

発足間がない金融再生委員会は、資本注入するために買い取る優先株の配当率はロンドン銀行間取引金利より低利でよい、と発表しました。いまの金利は1年物で0.53%だそうですから、優良な貸し出し先があれば「濡れ手で粟」の利ざやが稼げるようです。金利が低位で横ばいとなっている現在では、銀行の利ざやは薄くなっているはずで、ここにきて新しい利ざやの創出です。このことがあったので、上記3行の株価は下げなかったのでしょう。

銀行といえば、長銀とIBMが金融情報システムの開発をするための合弁会社を設立するというニュースには驚きました。国有化されても新しい分野に投資できるとは知りませんでした。新事業がうまく行けばよいとして、逆に足を引っ張ることになったときは、やはり公的資金でしりぬぐいするのでしょうか。

グラフでは3連続陽線になりましたが、その値幅は小さく、出来高も少なく、弱々しい上昇です。支援材料がでなければ、1日の下げで帳消しになる可能性が大きいのですが、当面の材料は19日の小渕・小沢会談しかなく、自由党ももう一度迫力を見せて欲しいところです。


(98.12.21) 14152 (−41) 2.4億株


99年度の一般会計予算案がまとまりました。一般会計は81兆円と大型です。歳入面から見ると、税収入が47兆円に国債が31兆円。新規国債の発行額は前年比倍増です。国債がだぶつくのは明らかなので、今日の国債利回りは一気に1.500%になり、国債価格は急落しました。国債を保有する金融機関にとっては弱り目にたたり目です。

三菱電が松下や海外の半導体メーカーとの提携を発表したため+19円高(339円)と出来高第一位となり、先日GMとの提携を強化したいすゞも+14円高(239円)と部分的に賑わいましたが、全般は材料出尽くしで見送り気分が蔓延し、2.4億株と閑散です。

減税や公共投資では、景気回復の特効薬にはならないことは、世間は十分に承知しています。景気回復は、生き残りを賭けた企業のリストラが第一歩です。@過剰設備の廃棄・設備投資の縮小と人員整理→A効率性の向上→B利益がでる体勢へ→C1株利益の向上→D株価上昇→E資産デフレの歯止め→F消費の増加→F設備投資の増加。とかつて米国がたどったコースをたどることになるのでしょう。

@の最中では失業率は向上するし、民間設備投資が減少するのはしかたがないことです。マクロではマイナスであっても、ミクロでは@ABをやりとげる企業がでてき、次第に企業数が増加していくはずです。いま三菱電や東芝・日立はABのことをやりつつあり、株価は先取りしてDのことがおきています。

日経平均のグラフは、実に危うい綱渡りをしています。3連続陽線は極めて小幅で、直前のたった1本の陰線(高値14349円・安値14103円)を上抜くことができません。わずかの売りがでれば、ここから1000円安は簡単に下げてしまうのではないかと怖れています。そうなれば先の小波動のボトムの13432円を下回ることになり、上昇トレンドは崩れてしまいます。インパクトあるリストラ策が発表されるとか、銀行についての強材料が欲しいところです。


(98.12.22) 13779 (−373) 3.6億株


国債は暴落となりました。連れて株式も大幅安になり、円も117.07円と前日比+2.19円のトリプル安です。債券先物3月限は10年ぶりの-2.0円ストップ安。130.52円の売り気配で終ったそうです。SIMEXは129円台に入っているそうですから、休日明けもさらに下げることになります。株式も一段安でしょう。

31兆円の国債発行(予定)は需給を悪化させ、一気に金利上昇となりました。国債を保有する銀行が大きく下げたのは当然として、有利子負債が巨額な建設・不動産・商社などが金利上昇を嫌気して売られました。

朝方は金利高→円高の動きのようでしたが、弱り切っている企業にとっては、ここでの金利上昇は致命傷になりかねず、株式の急落→円安となったのは、この夏までの日本売りの再現となりかねません。


日経平均は3連続陽線にもかかわらずその上げ幅は極小で、わずかの売り物で1000円の下げを誘発するのではないかと怖れていました。

特に目端がきくオプション市場では、コールが極端な買い手控えになっており、昨日は、最近の成績はパーフェクトの「CPボラの差」(ウェーブ)が売りマークを出したので、売りを跳ね返す強材料を渇望していましたが、逆に強力な弱材料がでてしまいました。

この金利急上昇は理由があることなので、すぐに株価が下げ止まるとは思われず、先の小波動のボトム13432円(ザラバ安値)で止まれば上出来。並みで13000円。最悪のときは最安値12787円もターゲットになるのではないかと思っています。

今後の国債需給は緩くなる一方ですから、だぶつく国債を吸収するには、懸賞つき国債を発行して、個人に販売するなどの智恵を出さねばなりません。


(98.12.24) 13706 (−72) 3.2億株


心配された国債でしたが、203回は前日の1.90%から1.94%へ下げたものの少しは落ち着いたようです。国債の乱発はいつかはインフレ・高金利をもたらすだろうと思ってはいましたが、現下のデフレ状況では、金利は低空飛行のままだと思っていたので、暴落するとうろたえてしまいます。

金利が上昇したとはいえ、1.9%の利回りでは、日本国債を購入するのは日本人・日本の金融機関や企業しかないわけですが、国債がだぶつくことが目に見えており、デフレ下であっても金利は急騰することを知ってしまったのですから、今後の金利はますます上昇するものと考えておかねばなりません。

日債銀の国有化でショックを受け、今回の国債暴落でショックを受け、S&Pが大和銀行などの格付けを引き下げるなど、銀行株にはマイナス材料が相次いで出たため、東京三菱以外の銀行株は75日線を割り込んでしまいました。75日線の上にあればこそ、第3段目の上昇が期待できたのですが、ここにいたっては銀行株はしばらくは下落と考えねばなりません。ということは年末の株価上昇の目はなくなったということです。

日経平均のグラフは、売り人気に偏り過ぎなので、1〜2日の目先ではわずかな戻りがあるようですが、75日線を割り込んでまだ2日目ですから、なお下げ基調は続きそうです。


(98.12.25) 13797 (+91) 2.2億株


金利が反発したため、銀行株をはじめとして幅広い銘柄が上昇しました。値上がり銘柄数は820銘柄、値下がりは302銘柄です。しかし出来高は前場1.1億株・後場1.1億株と今年ワースト3位の出来高だそうです。

一時200円ほど高くなり14000円へ迫る13918円まで戻りましたが、この出来高ではしかたがなく、大引けにかけて値を下げてしまいました。2日で440円の下げの反動としては、この反発は小さすぎます。

金融監督庁は、大手19行の98年3月末の問題債権は57兆円であると発表しました。銀行の自己審査では50兆円であったので7兆円ほど脹らみました。

ただ第3分類以下の不良債権は3兆円の増加であり、うち長銀・日債銀の増加分が1.6兆円あったので、これ以外の17行の銀行分は1.4兆円です。平均して増加が1000億円というのであれば、ほとんど気にする数字ではないようです。


57兆円の問題債権の額は銀行株にとっては材料となりませんでした。今の材料はいうまでもなく金利に絞られています。図は国債先物のグラフです。(データは大阪有線から受信したもの)

条件No.2「日経平均用‘96」は日経平均やTOPIXばかりでなく金利にも有効です。11月からの下げは12月に入って暴落となりましたが、逆張りの買いマークが2日間連続してつき、反動高となりました。これを受けての今日の株価反発です。

当分は株価は金利の動向が最大の材料になりますが、グラフからは金利が反発して133.50円に戻るのは非常に厳しいようです。


(98.12.28) 13709 (−88) 1.9億株


指標銘柄の203回国債利回りは1.685%とさらに低下しましたが、相場には影響を与えませんでした。

国債の増発は来月1月からであり、消化の具合をみてからというところでしょう。としても、スピードが早いか遅いかの違いだけであり、金利は上昇することとは確かです。

国債の保有高を積み上げていた第一勧銀は、これを嫌気されて売られたそうですから、金利高は来年まで尾を引くマイナス材料です。

12月には銀行が公的資金の導入の上乗せを発表するのではないかと期待していましたが、この動きは出ませんでした。来年1月後半から2月へかけて公的資金の導入を要請するまでは銀行株をリード役とする反発はなさそうです。

したがって年末にわざわざ株式を抱えることはない、と市場の判断で、今日の出来高は1.9億株と総見送りとなりました。今日がこの調子では明日も大納会も閑散な商いになるのでしょう。

日経平均は11月に、大勢のトレンドを表す200日線まで戻って、これを上抜くことができませんでした。また定点観測している7銘柄はすべての銘柄も200日線を下回っていますが、東証1部の銘柄のうち、20%近い銘柄は200日線を上回っており、株式は全部が全滅というわけではありません。この休みはこれら銘柄を吟味してみましょう。


(98.12.29) 13846 (+137) 2.2億株


国債指標銘柄の203回利回りは1.870%(+0.185)と上昇。しかし金利のことは来年の国債利回りを見てからと、今日の相場には材料視されませんでした。

長期金利の上昇に伴って住宅ローン金利も来年早々からアップすると報じられました。10年の固定金利は3.2〜3.25%あたりから3.80〜4.05%へ上げるそうですからかなりのものです。国債は2.5%あたりに上昇するのではないかと素人考えながら思っていますが、もしそうなればローン金利も4.5%を超え、99年度に実施される住宅減税の効果がなくなってしまいます。

いまの日経平均は12月22日に大陰線(高値14185円・安値13722円)で75日線を下抜いてから5日目です。この大陰線は当然に重要ポイントであり、14185円を上回って初めて、小勢の上昇トレンドへの転換と認められます。しかし反発力があるのであれば、75日線を割り来んで2〜3日以内に75線を抜きかえしてくるのが普通であり、すでに今日で5日が経過しながら75日線の下位にあるのは、なお下げが残っていると判断しています。

出来高累計を見ると、11月中旬から75日線を上回り、12月中旬にこれを下回ったのですが、株価が75日線より上にあるときの出来高累計は86億株あります。これらはシコリ玉となりました。75日線の下になってから今日までの出来高累計は29億株なので、まだ57億株が解消されていません。このままいけば解消するのは1月下旬になります。


(98.12.30) 13842 (−4) 1.2億株


98年の大納会となりました。出来高は1.2億株と薄く、来年を先取りして買う・売るという動きはでませんでした。わずかに100円巾の値動きで98年が終りました。

国債指標銘柄の203回利回りは2.010%(+0.125)と2%を上回ってきました。1.9%で銀行の債券の含み益はなくなるそうですから、来年から少しずつ含み損が発生します。当然に早めの売却の動きがでるでしょうから、年初も金利上昇は続きます。

来年の株式はどうなるのでしょうか。いつものことながら、株価の要因である@企業業績、A金利裁定、B株式の需給、C投資マインド、の4要素が来年はどうなるかを考えます。

@ 東洋経済の予想によると、経常増益率は98年3月期 -6.0%→99年3月期 -21.3%→2000年 3月期+11.9%と企業業績はボトムを打つようです。99年3月期は、巨額の株式評価損を出し、リストラ費用を出したために大幅なマイナスとなりますが、この期を超えれば今年ほどの株式評価損はでず、その分だけプラスになります。ある程度の業績アップによる株価の上昇が期待できます。

A 一方金利は12月に国債が暴落し、長期金利の上昇トレンドが明らかになりました。長期金利との比較で利回りが重視される東京電力は3000円をつけましたが、金利上昇にともなって下落し始めています。金利上昇は株式にはマイナスです。

B 株式の需給はよくありません。持ち合い株式の売却はどんどん進められていきます。三井信託が持ち合い株式を半減すると発表したとたんに、持ち合いの相手が三井信託株を売却することが嫌気され、三井信託株は下落しました。来るべき新会計基準の時価評価の実施にそなえるために、持ち合い解消はやらねばならないことですが、当座は持ち合い解消が自社の株価を下げる要因になります。

C 投資マインドはいまのところまったく冷え込んでいます。ただ景気回復のコースは、企業のリストラ→1株当たりの企業収益の増加がまずあります。日本がバブルのころ米国は大胆なリストラをし、失業率が高まるなかで収益を向上させました。このときには米国は企業は儲かっても、国民は報われない社会だと非難されましたが、企業の利益がでるようになってから、米国経済全体が活性化しました。日本も同じコースをたどります。したがってリストラが完了した銘柄から株価は買われ、時間がたつほどに買われる銘柄数は多くなっていくと思います。

企業がリストラを急ぎ進めざるをえないのは、2000年以降のタイムスケジュールが決まっているからです。大きなものは、銀行に関係する2001年4月1日からのペイオフの実施です。銀行は2001年3月決算で淘汰されます。銀行に残された時間は少なく、来年1〜2月の公的資金導入とリストラ計画がその第一歩です。

一般企業にとっては、新会計基準の実施が大問題になります。タイムスケジュールは2000年3月期に連結決算と連結キャッシュフロー計算書の開示が始まります。連結子会社は持ち株比率ではなく実質支配基準が導入されますから、これまでのように損失の飛ばしができなくなります。銀行・ゼネコンはここへ向かって最終処理をせねばなりません。

2001年3月期には、持ち合い株式を除く金融商品の時価評価と企業年金の時価評価が始まります。特に企業年金の積み立て不足額は40兆円ともいわれますから、まだ制度化されていない401K(確定拠出)型の年金制度への移行かたがた、株式市場には大きな影響がでます。

2002年3月期には、持ち合い株式の時価評価が実施され、新会計基準の時価主義の仕上げになります。

新会計基準の実施は、企業経営の大きな見直しと改革を迫り、先延ばしはできません。来年からは企業の大変化が次々に現れことでしょう。来年はマクロの経済は悪かろうと、ミクロの企業レベルでは大いなる投資のチャンスが生れてくる年だと思っています。


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