日経平均をどう見たか・判断したか (98年10月)

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(98.10.1) 13197円 (−209) 6.0億株


下期入りしました。昨日以上に売り物が出て、先物は一時12980円をつけ、12000円台への抵抗感をなくしました。出来高が増加して下げるのはよいことです。

今日の日本証券新聞によれば、日経平均が13000円になると、東京三菱でさえ株式の含み損が発生し、19行が全部含み損をかかえるそうです。富士銀行は都銀で初めて、灰色債権の自己査定結果を発表しましたが、いかんせん3月末の株式含み損2500億が、半年後の9月末に6900億へと脹らんでは、評価はされません。今日は259円(-16)と下げました。

銀行株の下落→企業の持ち合い株式の評価損の発生→企業の株価の下落→銀行の保有株式の評価損の発生→銀行株の下落、と悪魔の連鎖となってきました。この悪循環を断ち切るには、公的年金資金での株価買い支えという無理な手段ではなく、かつて協同証券・株式保有組合でやったように、公的機関による株式の買い入れしかありません。

銀行が株式をかかえている限り、この悪魔の連鎖は続きますから、株式買い取り機構を30兆円規模(時価総額の10%)で設立し、時価で銀行が保有する全株式を買い取り、向こう5年間は凍結(保有)する。売却損がでた銀行には、その分の公的資金を投入する。銀行は今後株式の保有は認めない。といったような思い切った手を打たねばなりません。まともな企業が銀行のために沈没するなどとんだ迷惑です。

グラフからは、明日安ければ「日経平均用'96」は買いマークを出します。


(98.10.2) 13223円 (+26) 5.1億株


前場はザラバ安値12973円をつけ、13000円は死守しようという意志はないことがわかりました。とはいいながら12000円台に入れば、何らかの手だてが打たれるだろうということで、カサにかかって売るのは躊躇されました。

現に小手先ながら今日は「空売り規制を前倒し」するの報道があって、商社などに買い戻しがはいったようでした。注目の日商岩井は+14円の94円。伊藤忠は180円(+12)、丸紅は168円(+8)。空売りの規制は今年1月初めに大蔵省が打ち出したはずですが、 (98年 1月分の「日足でみる日経平均」の1月6日を参照)、ここへきて再び同じ事を言っているのは?です。なにをトロトロしていることか。

グラフは「日経平均用‘96」が日経平均とTOPIXについて同時に買いマークを出しましたから、当座(2〜5日)は反発が見込めます。このとき政府がどのような政策を打ち出すかです。早期健全化スキームであり、G7の声明であり、景気対策ですが、ビックリするような策を打ち出して欲しいものです。出しようによっては、小反発が2000円高へつながるのですが。

ご存知のとおり、私は特別の情報はもっておらず、新聞・テレビ・インターネットで状況を知るだけですから、一般の個人投資家と同じか、逆に情報収集の熱意は劣っているのですが、1つだけ有利なことがあります。それは《カナル2》の売れ行きです。皆さんは現下の株式市場を見ていれば、誰も株式ソフトを買う人間はいないだろうと思われるかも知れません。しかし9月中旬からの売れ行きは悪くありません。

昨年12月と今年の1月の相場は惨澹たるものでしたが、この間の《カナル2》の売れ行きは非常によく、なぜ売れるのか?と不審でしたが、1月16日からの大反発となりました。世の中は全部が同じ考えで行動しているわけではありません。リスクを取ろうという方もいます。いまは昨年の12月に近い状態です。総悲観のなかで楽観の芽が生れてきています。


(98.10.5) 12948円 (−275) 3.6億株


とうとう12000円台に突入です。TOPIXは1000ポイントを割り込み996.69ポイント、単純平均は500円割れの494.57円とそろって台替りになりました。

早期健全化スキームで、自民党は自己資本比率が8%以上の銀行へも資本注入する、民主党は資本注入はしない、と対立しています。根本には自民党・大蔵省のやってきたことが、信頼性を失っていることにあります。信用を失墜した政党が何をいってもまとまりません。長銀の次にもう1つ銀行が破綻するまでは与野党の意見はまとまらないのではないかと悲観的になります。

7月には、小渕首相となれば1000円安かと思いましたが、とんでもない楽観でした。小渕内閣成立以来日経平均は3400円安です。わずか2か月で20%下げ、時価総額を50兆円も減らせば、まともな企業であっても、まいってしまいます。このままずるずるいくよりも解散総選挙で国の進むべき道を決めてはどうでしょうか。国民の判断が間違っていたとしても、それは自らが決めたことで、その結果には甘んじればよいだけです。

グラフでは、日経平均・TOPIXともに先週末に続いて買いマークをだしています。日経平均の下値のメド12554円までは、あと400円、TOPIXは今日996ポイントとなりましたが、これは下値のメドと同じ水準です。反発してよいところですが、これを支援する材料がでてこなければ、綾戻しで終ります。


(98.10.6) 13021円 (+73) 4.0億株


経済企画庁は98年度の成長率を当初の1.9%から−1.8%へ下方修正しました。-1.9%は前年の-0.7%を上回る戦後最大のマイナス成長であり、戦後初めての2年連続マイナスとなります。-1.9%は最近の民間の予想とほぼ同じものであり、この厳しい現実を直視して、年内にも真水で10兆円、事業規模では20兆〜30兆の経済対策を打出すと報道されました。

加えて「早期健全化法案」も平和と社民(久しぶりに聞く)の協力がえられそうなので、今国会で成立できそうの報道もありました。このため内需・銀行が反発し、朝方は+268円高くなりましたが、国際優良株の売りはなお続き、全般も次第にジリ貧となりました。

経済対策の件は、今日のところ相場にはたいして響きませんでした。この4月に16兆円の経済対策が打出されましたが、その真水部分は5兆円弱であったので、景気の下支えすらできませんでした。8月に小渕内閣が発足した直後、10兆円の補正予算と6〜7兆円の減税を発表しましたが、1月に入ってから国会で審議するというもので、鬼が笑う来年の話でした。こういったことから、いま一つ政府がぶち上げる経済対策はいつも水膨れしており実効性に乏しい、というこれまでの経験から相場に響かなかったのでしょう。

しかし今日の報道では、この10兆円の補正と7兆の減税を上積みして2〜3倍の規模にするそうですから、悪い話ではありません。20兆〜30兆円というのは、現在のデフレギャップが、このくらいであると政府はみているのでしょうが、最低30兆円はあるというのが民間の見方です。今後、経済対策がどの位の規模になるのかの基準は30兆円になり、これより少なければ失望売り、多ければその分だけ強材料になるのだろうと思います。


(98.10.7) 13825円 (+803) 6.3億株


昨日報道された追加経済対策と早期健全化法の今国会の通過の見込みが、今日になってにわかに効いてきました。前場は+341円高(2.4億株)でしたが、後場に入ってからは出来高も3.9億株に脹らみ、+803円高の高値引けとなりました。

なんといっても今日の主役は銀行株で、ストップ高になったのは、東京三菱960円(+11.6%)、富士銀362円(+28.4%)、住友銀1040円(+10.6%)、三和銀775円(14.8%)の4行。さくら銀240円は+19.4%の上昇率でした。

大物ではNTT(94.8万円)がストップ高になり、しまいは買い気配であったようです。三菱地所もS高。売り込まれていた銘柄は買い戻しによって軒並み10%〜20%の上昇になりました。昨日の材料が今日に持ち越されたのは、いまの自民党政府がいかに信用を失っているかの証拠です。また市場が自信の理論や原則に自信を失っており、いかに他人の動きに依存して決定をしているかの現れです。市場は付和雷同型になっています。ともかく今日の銀行株の上げようは、まだまだ買い戻しが続くことをうかがわせます。

最近で大陽線が立ったのは、図の○の位置ですが、9月の大陽線は期末を目前にして、逆裁定の解消によるものでした。(98年 9月分の「日足でみる日経平均」 を参照して下さい。)6月18日の大陽線は何だったのでしょうか。人はすぐに、この背景を忘れてしまします。グラフを見るときはつい、陰線だ・陽線だ・大幅だ・小幅だ・連続している・などだけに目をとられがちですが、これでは単にパターン(ないし模様)を見ているに過ぎません。大きく動いたときは、その日の背景を思い出し、いまの材料と比べてみることは重要です。6月18日の陽線は円相場への日米の協調介入でした。(98年 6月分の「日足でみる日経平均」を参照)。

今日の上げの背景は9月の内部要因によるものでも、6月の持続しない円相場への介入でもありません。金融の連鎖倒産からまぬがれることができそうだ。景気のてこ入れが真剣に実行されるのでは、と前向きの材料ですから、2つの例よりも反発の巾は大きくなると思います。

デンドラによる日経平均でも書きましたが、14205円を超える上昇をするならば、先の12948円の安値を下抜く確率はわずかに16%になりますが、今日の上昇の様子では14205円を上回る可能性は非常に高くなったと思います。


(98.10.8) 13026円 (−799) 5.2億株


みごとなくらいに昨日の正反対のことが起こりました。日経平均は昨日の+803円高に対して今日の-799円安。出来高は6.3億に対して5.2億株。先物は+870円に対して-820円。昨日の大幅高は一瞬のうちに消えてしまいました。昨日のNY円相場は一時118.80円と急伸しました。東京市場も月曜日に135.06円であったものが今日は122.35円と10%の円高です。

@ 内需のマイナスを外需のプラスで経済成長率のマイナス巾をささえていましたが、この夏には輸出単価が下がって、円安メリットは思ったほどでていない、ということで国際優良株は大幅下げになっていました。ここへ予想もつかなかった急速な円高になり、国際優良株はさらに売られることになりました。金融不安がやや遠のいたとして買われた円でしたが、輸出企業には大きなダメージを与えました。本田技研・富士写・シチズンはストップ安。ソニーも一時S安。

A 外人は昨日の大幅上昇にも3000万株の売り越しであったそうで、外人は換金売りを必要としていましたが、今日の円高によって、ドル建て日経平均は6日に95.9ドルであったものが、昨日は106.3ドルと1日で10%以上の上昇しましたから、絶好の売り場を提供したことになります。今日の株価の下げにもかかわらず、円高がこれをカバーして、$建て日経平均は106.0ドルと前日からほとんど下げていません。明日も外国人は売り越しでしょう。

Bドルベースによる外国人売りは、昨日は気にとめていませんでしたが、もう一つ軽視したものがありました。それは9月末の日経平均13406円です。昨日はなんなくこの水準を突破したので、特に考えなかったのですが、低価法で評価替えした企業にとっては、昨日でプラス評価になり、持ち合い解消売りを出せることになりました。金融機関は絶好のヘッジ売りのチャンスとばかりに、先物への売りを出しました。

@Aについては、円安にバックすれば、売りは減少しますが、Bについては、今後この水準は一気にスパーンとクリアしない限り、なかなかやっかいな水準であることがわかりました。

いいいよ早急な内需拡大策が打出されねばなりません。今度の経済対策は30兆円を超えることになるだろうと思いますが、今日の新聞では、自民党は旧公明の「商品券減税」を検討するという馬鹿なことをいいだしました。第2次補正予算に商品券減税を組み込んで30兆円というのでは、せっかくの経済対策も空振りに終るのではと懸念されます。

なお今日はかけませんでしたが、デンドラの4%波動は今日で下方転換しましたから、先のピーク14205円は上抜けず、かえって先の安値12910円を下抜く確率は59%を意識せねばならなくなりました。


(98.10.9) 12879円 (−146) 5.8億株


円相場は異常な動きとなりました。ロンドンでは一時111円→NY115円→日本115円台と、8月から30円の円高になりました。円高の原因は、@ヘッジファンドの買い、A国内金融機関のドルから円へのシフトがいわれています。

ヘッジファンドの買いについては、ドル安の思惑であるといい、あるいは低金利で借りた円の返済のためであるといいます。どちらにせよタイ・バーツを売り崩し、アジア全体を混乱させたヘッジファンドも、ロシアで大敗してしまいました。この尻拭いが円高の主な原因であるとするなら、いつまでも円高は続かないのではないか。

いまのソニー・本田技など国際優良株は、いわば「理想売り」をされているわけで、この後かなり(下げ幅の半値戻し以上)をした後に「現実売り」となるのではないか。現実売りでは今の理想売りでだす下値を下回るような安値はださないだろう、と思っています。


一昨日の800円高の材料と、昨日の800円安の材料が綱引きになりましたが、トレンドが下を向いている分だけマイナスで引けました。

グラフからこの先を考えると、3月から6月安値までは69日間の下げをしましたが、今回の7月をピークとする下げは今日で59日目になります。立ち会い日数では10月23日が69日目になります。この近辺は売り飽き気分がでてくるのではないか。

訪問者があって、《デンドラ》で日経平均をみたところ、12%波動での上限・下限値がでていたので参考までに掲載します。通常は12%波動は日経平均にとっては波動のスケールが大きすぎて、上限・下限がでることは珍しいことです。(いつも書いている「デンドラで見る日経平均の波動」は4%波動を使っています。)

12%波動によると、3月高値(a)も7月高値(c)も上限値で頭打ちになっています。6月(b) 安値や8月安値も下限値で止まっており、なかなかのものでした。今の下限値は13217円(赤線)と12214円(青線)ですが、13217円はすでに下回っていますから、12214円が抵抗水準です。


(98.10.12) 13555円 (+675) 5.7億株


金融再生法が成立し、金融健全化法案では、民主党が50兆円の枠をいいだしたことから自民党案も30兆円へ拡大する動きがでて、銀行株の買い戻しが始まりました。一方の景気対策は、厚生年金保険料の値上げ(3兆円)を見送る。住宅公庫融資を1000万円増額する。などが報道され、住宅・不動産が買われました。国際優良株はNYが+167ドル高したのを受けて本田技・ブリヂなどはS高。ただし日立・三菱電は新安値。

この4日間は5億株以上の出来高で、売り買いが激しくなっています。銀行株の買い戻しは7日の800円高の日から始まりましたが、買い戻しはまだまだ本格的ではありません。本格的な買い戻しになれば、終値から翌日の始値がとぶ「マドあけ」が連続してつくことになります。

今日の上昇にもかかわらず、まだグラフからは好転の確認はできていません。先週末に新安値をつけたばかりであるし、今日の高値は800円高の日の高値に及びません。デンドラの項で述べているように、現状では先の安値12879円を下抜く確率は67%あり、先の高値13825円を上抜く確率は21%しかありません。しかし、13825円を上抜けば状況は一変します。先の安値12879円を下抜く確率は16%になります。ということは12879円は当面の底値になる可能性が非常に高くなります。あと300円ほどです。


(98.10.13) 13242円 (−312) 5.0億株



金融機能早期健全化法が衆院を通過。早期健全化勘定が25兆円、金融再生勘定が18兆円、預金者保護の17兆円の合計60兆円のサイズになりました。銀行の不良債権が100兆円あったとしても、25兆円を投入することで、25%の引当てをすることができます。厳しいとされた民主党案でも第2分類の引当ては20%でしたから、数字上は十分です。

銀行は公的資金を導入すれば、手かせ足かせをはめられ、事によれば経営責任を追及されるので、どの銀行も申請をしないだろうと、早期健全化法が機能するかどうかが疑問視されています。このため、昨日の野中官房長官に続いて、今日は経済戦略会議の樋口議長が「公的資金の強制注入」をすべきだと発表しました。この期に及んで、銀行がわがままを言っても通りません。

9月末の13406円を超えると、持ち合い解消の売りがでてきて、一気に上伸力がなくなります。今日は300円高をして、25日線を突破。先の高値13825円を上抜き。を期待していましたが、さすがにデンドラの上抜き確率が21%です。わずか300円高ができません。

ただ円は落ち着いてきたし、NYも8000ドルを回復するなど、弱材料はしぼんできました。その結果が昨日の+675円高に対して今日の-312円安で、半値下げとはなりませんでしたから、明日の切り返しに期待。今日も外人は売り越しのようですが、LTCMの件以来ヘッジファンドも暴れすぎれば墓穴を掘る、ということがわかったので、いままでのように外人売りへのチョーチンがつくとは限りません。


(98.10.14) 13070円 (−172) 3.5億株


早期健全化法が成立の見込みの一方で9月の金融機関の貸出残高は前年比-2.7%(金額では-15兆円)となった、との日銀の発表がありました。将来を楽観できなくなっている市場は悪い方の材料を気にして続落となりました。ザラバ高値は13454円がありましたが、13405円を超えると売り物がでてきます。

去年の12月に10兆円の公的資金を投入して銀行の資本を充実させてはどうか、と宮沢元首相が提言し、銀行へ公的資金をいれるのはやむなしの道がひらけました。翌1月には預金者保護に17兆円、金融安定化の13兆円の合計30兆円の案にふくらみ、これを契機として1月16日から大量の買い戻しが始まりました。日経平均は1月16日の14664円を底値にして、立ち会日数9日目の1月26日には17073円へ2400円の上昇をしました。

1月12日から1月27日の10日間をみても、銀行株はさくら銀が331円から558円へ68%高、富士銀は541円から858円へ58%高、長銀は185円から310円へ67%高となりました。直近の安値からは、株価が2〜3倍になったものが続出しました。30兆円の公的資金は相当なインパクトを与えました。

今回は60兆円と倍増したにもかかわらず、いまのところ銀行株が安値から20%〜40%上昇しただけです。市場はいかに悲観的になっているかを物語るものですが、公的資金の10兆円が60兆円になったように、相場が崩れれば、これは80兆円になり100兆円にどんどん増額されます。

いまの状況をそのまま将来へスライドさせて予想していると間違います。悪くなればなるほど現状を打破しようとする政治の意志は強くなります。経済対策の規模も橋本内閣時に史上最大の16兆円を打ちだしましたが、小渕内閣は30兆円の追加予算をいいだしました。相場に響かなければ、たぶん40兆円になり50兆円になります。(これはどこかで行き過ぎた財政出動になり、インフレの種をまくことになるのではないかと懸念しますが、)持ち合い解消で株価がさげている現在は、あとから振り返れば大チャンスであったと気づくことになるのでしょう。


(98.10.15) 12995円 (−75) 4.0億株


ソニーは下げ止まりが見えず、野村がS安寸前まで売られ、NTTも大幅安をするなど、弱気支配が続きます。外人売りは投信の解約に対する換金売りのようでなかなか止まりません。今や買い主体は個人の現金部門だけになりました。

7月高値16731円(終値ベース)から今日まで63日間下げ続けてきましたが、過日いったように、当面は69日目の10月23日あたりが日柄から注目できるところです。この間の波動について振り返ってみます。

図は4%波動のピーク・ボトムです。波動のピークにはデンドラによる、直前高値を上抜く確率を記入しています。例えばkには45%とありますが、これはkからjへ下落し、ここから4%波動が上向いたとき、kの高値を上抜く確率が45%であったということを意味します。

ご覧のようにjでは直前の高値kを上抜く確率は45%あったものが、hでは37%になり、fでは18%になりました。細かな波動では、j、h、fで3段下げなのですが、gを上抜く確率が18%というのでは、さらに4段目への下げはしかたがないとことでした。

dへ下げた後は30%の確率になりました。このときは800円高をしましたから、この30%の確率に打ち勝ってeを上抜くのではないかと期待しましたが、かなわず、5段目のbへと下げます。bからの反発は675円高でしたが、上抜き確率は21%であり、上抜けずに今日のaへと下げています。

aの確率が記入してありませんが、これは@先のボトムb(12879円)を下抜いてから反発したときは、上抜き確率は23%だが、Ab(12879円)を下抜かずに反発したならば、上抜き確率は66%になる。という2つのコースがあるためです。今日のところは12879円まであと110円ほど上で止まっています。これを下回るのと踏みとどまるのとでは、その後が大違いになるという急所です。


(98.10.16) 13280円 (+285) 4.6億株


米FRBは公定歩合を5.0%から4.75%へ引き下げました。NYは+330ドル高の8299ドル。最近はNYダウが8000ドルに対して日経平均は13000円と、NYの1.6倍が日経平均の目安になっていますから、NYが330ドル高いのであれば、1.6倍の530円高になるところです。

しかし日本株の伸びは悪く、+285円高で終りました。出来高は4.6億と増加しましたが、このうち長銀が投げ売りで62000万株できていますから、実質は4億株強であり、出来高面の盛り上がりもありませんでした。

金融機能早期健全化法は晴れて成立しましたが、銀行の申請が見込めず、日銀総裁は18行に上限で1兆円の投入をしたいので、一斉に申請してほしいと発表。韓国のように、政権が代われば思い切ったことができますが、こういう状況に導いた自民党が何事かをしようとしても、誰もなかなかいうことを聞きません。

ともかくも自民党が追いつめられれば追いつめられるほど、経済対策は予想外に大型のものになると期待していますが、大幅減税を練り上げる党税調はこの12日から審議を始める予定だったものが、どうも月末まで開けそうにないとか、11月に臨時国会を開き、大型補正予算を通そうといっていたものが、11月の臨時国会が召集されるのか?の話もでてきています。まあこのテイタラクが自民党を窮鼠と化するわけですから、相場にとってはいいような悪いような。

日産自は有価証券の評価損が760億でて、-330億の赤字になると発表しました。経常益を株式の評価損が吹き飛ばしてしまうというのは、尋常ではありません。評価損の多くは銀行株によるものでしょうが、銀行株の値下がりはだいたい終りましたから、いま評価損をだした企業は、3月期は株式の評価では楽になると思います。

グラフからは、高値は切り下がっており、先の650円高の13555円を上抜くまでは、予断を許しません。ただ今度反発するときは、急発進となりそうなので、相場の転換を見てからでは遅いのではないかの懸念もあります。


(98.10.19) 13569円 (+286) 4.7億株


NYは+117ドル高の8416ドルと続伸しました。先週末の日本株はNYの上昇に比べて上昇率は劣っていましたが、今日はこれを取り返すべく結構な上昇になりました。後場に入って一時は500円高がありましたが、期末株価を超えてくると売り物がでてきます。200円ほど後退して引けました。

今日の上昇によって細かな波動(4%波動)は上昇転換しました。直前の波動のピークは13555円でしたが、今日はこれを超えて引け、波動のボトムは12879円→12995円と切り上がりました。同時に25日線を上回ったのは7月末以来のことです。


デンドラで述べているように、今日の上げによって、先の安値12995円を下抜く確率は33%になりましたから、先の12879円はここ1か月くらいの底値になりそうです。もっと確固とした上昇トレンド入りの確認は、10月8日の大陰線(高値13749円・安値12987円)を上回り、その前日の大陽線(高値13825円・安値13095円)を上回ることです。

11月に入れば中間決算と下期の予想発表で、株価は再び萎えることがあるでしょうが、一方では銀行の5〜6行が早期健全化法の適用の申請をすることになれば、銀行株はほとんど買い戻しはされていないようですから、かなりの上昇(1000円〜1500円)も考えられます。ここへ小渕内閣はすかさず、11月下旬か12月初旬に再度の臨時国会を召集し、減税と超大型経済対策を決めれば、12787円は少なくとも年内の底値になるのですが、そうも期待できませんか。


(98.10.20) 13808円 (+240) 4.2億株


前場は+15円高と小幅な動きで、出来高も1.9億と全般は様子見でした。後場は野村証がまた売られたことからマイナスになっていましたが、先物から切り返し、3連続陽線になりました。10月8日の大陰線の高値13749円を上回り、その前日の大陽線の高値13825円まで、あと17円です。

今日の3連続陽線で、小勢(1か月程度)のトレンドは上昇転換したようです。この小勢の波動の上値目標ですが、75日線は14877円にありますから、これは大きなメドになります。

別の見方では、9月30日から今日まで15日間の底もみをしたのですが、この間の高値13825円と安値12787円の振幅は1038円ありました。この値幅が上にスライドすると予想するなら、13825+1038=14863円が上値のメドになります。

どちらにせよ、だいたい14800円あたりが頭を打つ水準です。この後14000円くらいへ下げてから切り返し、75日線を上抜き、9月高値の15294円を目指す。ということにならないか、(まだ13000円台であるのに)期待しています。


(98.10.21) 14216円 (+408) 8.6億株


興銀が公的資金の注入を考えているの報道があったので、銀行株には買いが殺到しました。さくら銀は3800万株(286円+36)、富士銀は2900万株(455円+57)、東京三菱は1400万株(1080円+49)、住友信は1400万株(338円+28)、興銀も1400万株(592円+92)と銀行株は大商いです。

長銀は最後の日が近づき、1億1700万株できて2円になりました。市場の出来高は8.6億株となり、長銀の分を割り引いた7.5億株は、この6月の安値14614円から7月の高値16756円へ2100円上げる途中の8.7億株・9.2億株に見合うものです。1月安値14546円から同じ1月高値17352円へ2800円上昇した途中では、9.6億株・9.4億株・10億株と3日連続で大商いになりましたが、今度も出来高が9億株・10億株と増加していくのかどうかが焦点です。

この上昇はドコモ上場の側面支援だとかの話もありますが、そのような力は誰も持っていません。ここはすなおに金融不安が解消しつつあるとみるべきです。いまなお疑心暗鬼の向きが多く、銀行株の買い戻しは1月時の買い戻しに比べて半分もすんでいないように思われます。ましてやカラ売り規制が前倒しで始まりますから、下手をすれば銀行株の買い戻しは、いまが最後のチャンスになる可能性が強くなりました。1月を上回る怒涛の買い戻しになるかもしれません。

9月18日に「なんであのときさくら銀の200円を買えなかったのか、富士銀の300円を買えなかったのか、80円のNKKを買えなかったのか、(株価はまだその値段になってはいないが)、一生ものの後悔をすることになるでしょう。」(98年 9月分の「日足でみる日経平均」)と書きましたが、さくら銀は165円、富士銀は252円まで下げました。この値段はどうやら我々の世代ではもう見られない株価になりました。


(98.10.22) 14295円 (+79) 8.6億株


興銀に続いて、東海銀・富士銀・大和銀が公的資金の注入を検討していると報道され、昨日と同様に銀行株の買い戻しが急になりました。前場はNTTドコモの上場(売り出し390万円)もあって、市場は活況となり、一時は+526円高の14742円をつけました。

しかしNTTドコモが460万円で寄ってからは、逆にNTTが下げ始め、日経平均は後場にかけて値を消してしまいました。今日のザラバ高値14742円は思っていた14800円に接近するもので、ほぼ妥当な水準までの戻りをみせましたから、3〜5日は反落してもしかたないところです。

銀行株は多くの銘柄が、窓をあけて寄り付き、少し上値を追ったもののその後は下げて陰線になりました。「窓あけ陰線」は買うべきものは買ってしまったということを表していますから、第一段の買い戻しは今日で終った感じです。今日買い戻しをせずに、なお粘っている売り方がかなりあると思いますが、一度銀行株が小幅に押して、どうも下げないとわかったときから第二段の買い戻しが始まります。

中勢の波動(期間2月〜1年) ですが、《カナル》のグラフには、「主な株価」の機能があり、図のように小波動を検出してザラバ高値・安値を表示します。図の赤枠が検出された小波動の高値、青枠が安値です。中勢波動が上昇トレンドになったと確認できるためには、@このまま先の高値15294円を上回るか、A一度反落して小波動のボトムを出し、再上昇してから今日の高値14742円を上回る、ことが必要です。たぶんAのコースをとるのだろうと思います。


(98.10.23) 14144円 (−150) 4.6億株


ドコモは445万円と安くなりました。NTTも1200億円の自社株消却をするとか、ドコモ上場を記念して今期は通常配当5000円に、5000円をプラスして、年10000円配当にするとかが報道されましたが、23千円安の974千円。ドコモの時価総額は8.9兆円だそうですから、NTTは膨大な含み益を抱えました。このあたりはまるで評価されていません。このことはいつか大きな買い材料になるのではないか。

長銀は特別公的管理を申請し、政府は長銀を破綻銀行と認定しました。これによって株価は0円になり、取引きは停止し、即座に上場廃止となりました。来週中に新経営陣を指名するそうです。なんというか、実にあっけない幕切れとなりました。海外も特に材料とはせず、円は119.12とやや円安になっただけでした。

グラフは5連続陽線となった後の利食い売りで反落しましたが、意外であったのは、この上げの中心である銀行株が強かったことです。大手11行のうち今日安かったのは、富士銀・三和銀・あさひ銀の3行だけでした。あさひは別にして、富士銀・三和銀は値上がり率が87%、50%と値上がり率1位と3位(2位はさくら銀の72%)ですから反落は当然ですが、その他銀行株は昨日の窓あけ陰線にもかかわらず、高くなっています。銀行株の買い戻しは、なし崩し的に持続するような感じです。

となると日経平均の押し巾は浅く、12787円→14742円(1955円巾)の1/3押しが限度になる可能性が高くなりました。ザラバの値幅での1/3押し水準は14090円です。これはすでに今日のザラバ安値14042円でだしました。終値ベースでは、12879円→14295円(1416円巾)の1/3押し水準は13823円なので、13800〜14090円の間で押し目をつけてしまうのではないかと思います。


(98.10.26) 13843円 (−301) 3.1億株


長銀の騒動も、ドコモの上場も一段落ついて、市場は見送りになりました。NY安もあって安く寄り付き、じりじりと安くなりました。出来高は3.1億株と薄く、持ち合いの解消売りに押されたようです。

大和銀は海外業務から撤退。第二地銀の近畿銀と提携し、関西圏を中心にした国内銀行に変身すると報道されました。関西にはバブルで傷ついた銀行が多く、これら地銀の受け皿銀行になれば、関西でのシェアを広げることができます。よい選択だろうと思います。

日債銀はすでに海外業務から撤退し、株価は他の銀行株が値を下げるなかで逆行高をしていましたが、いまは縮小均衡させる銀行だけが市場から評価されます。

当面、買いの材料はなくなりましたが、今後の強材料としては、@経団連が先日発表した、「持ち合い株式をプールして、5年以内に自社株消却する」という構想、A大和総研が提案している、「銀行が保有する株式を公的機関で買い取る」構想、など株式の需給を引き締めようとする動きが次第に現実味をおびてくること、B銀行が実際に健全化法による公的資本の受入をすること、C減税と経済対策の規模と内容が明らかになること、などがあります。世の中は株価を上げようとする動きになっています。


(98.10.27) 13820円 (−22) 3.5億株


「第3次補正予算で1兆円の上積み」と報道されました。あれっ?よく読むと、真水は4兆円であり、ここへ別枠で1兆円を追加するとあります。事業規模は10兆円とのこと。

橋本内閣のとき16兆円(真水が4.6兆円)の第1次経済対策を打出しましたが、これが実行されたのかどうかいまだによくわからないしろもので、事業規模が過去最大の16兆円とはいっても、ほとんど経済効果はでていません。

当然にこれを上回る経済対策が打たれるべきで、先般よりいわれている今回の経済対策は、真水が10兆円、減税が7兆円と理解していました。しかしどうもそういうことではないようです。

経済再生内閣の現下の経済状態に対する認識は、この程度であるならば、これはダメダと思っていたら、夕刊では例の「商品券について自公が協議」と報道されています。かつて竹下内閣の「ふるさと創生資金」では、自治体に1億円ずつばらまきました。もらったほうも、金の延べ棒を購入して評価損をだしたり、温泉を掘って赤字のもとを作ったりと、馬鹿な税金の使い方をしてあきれさせましたが、さすがに竹下直系の小渕内閣です。もう自民党は消えるべきです。

グラフからは、押し目は終ってよいところですが、支援する材料がでてくるかどうか。材料は昨日いった4つのどれかです。


(98.10.28) 13516円 (−304) 3.0億株


11月16日までに経済対策をまとめるそうです。これは相場にとってはとても長いことです。20日先に10兆円規模の経済対策では、発表したとたんに下げ材料になってしまいます。今たたみかけて対策をだせば、インパクトもそこそこあるのですが、せっかくの反発であるのにもったいないことです。

この政府は、市場にせっつかれて、現実悪を見て、泥縄式に対策をだして、出したときには現実はさらに悪化していて、対策は役に立たず、さらに後追いして対策を練る、ということの繰り返しを何年続ける気なのか。

と思っていたら日経朝刊に小さな記事で、自民党は党独自のシンクタンクを設立するそうです。こんなものは政党助成金をもらいだしたときにすぐさま作っておくべきですが、野党にはこの考えもなく、商品券という思いつきを政策とする党よりは、エライというべきでしょう。

5連続陽線の後は4連続陰線になってしまいました。今日は25線をわずかに下回り、当初考えていた押し巾よりも深くなりました。ここからのことですが、基本的というか初歩的なことを書きます。まず、相場が強いときは、ある期間の上げ巾の合計が、その前の同じ期間の下げ巾の合計より大きくなります。相場が弱いときは、反対に、ある期間の下げ巾の合計が、その前の同じ期間の上げ巾の合計より大きくなります。当たり前のことです。(実際には上げ巾・下げ巾を比較して、相場の強弱を判断します。)

図のa→bは高値を切り下げる3連続陰線で、bの翌日から陽線になりましたが、2本目の陽線で早くもaの高値を上回りました。3日間の陰線を2日間の陽線で上抜いたのですから、この日に相場つきは変わったとわかります。翌日cの日も陽線になり、下値を切り上げる3連続陽線になりました。a→bの3連続陰線とbの翌日→cの3連続陽線を比べれば、陽線の勢力が大きく、目先は上昇トレンドに入ったことが確認できます。

さてdで上ヒゲになりましたが、これは行き支えを表します。この日を中心にして、前の3連続陽線と、後の3連続陰線を比べれば、3連続陽線の上げ巾のほうが勝っており、この日までの下げでは、下降トレンド入りはしていないとわかります。同様に、今日で4連続陰線になりましたが、dより前の4連続陽線を打ち消すにはいたっておらず、なお下降トレンドになったとは認められません。


(98.10.29) 13668円 (+152) 2.9億株


閑散となりました。前場出来高は1.2億株。後場は1.7億株。中間決算を発表したソニーが下げ、NTTが90万円を割り込むなど代表的な株が弱いので、日経平均は上昇したものの上げた気がしません。

NTTについては、今度の経済対策は通信が主役になるはずであるし、ドコモ株の放出で現金は入ったし、ドコモ株の含みで資産は厚くなったし、と最近の企業にしては珍しいほどよい材料がそろっているように思われますが、売り手が多いのはなぜでしょうか。

銀行株の動きは悪くありません。国内業務にしぼった日債銀と大和銀は波動を切り上げています。富士銀を筆頭にして、他の都銀も買い戻し一巡後の下げ巾は浅く、崩れる様子はありません。買い戻していない向きが焦ってくるようだと、再度の踏み上げへ発展します。次の上昇も銀行株が起爆剤になるのでしょう。きっかけは公的資金の申請ですが、より大きなインパクトを与えるには強制注入です。


(98.10.30) 13564円 (−104) 3.6億株


低調な1週間でした。今日の出来高3.6億株が最高の出来高です。大和銀に続いて三井信託が海外から撤退と報道され、+16円高の152円。ソニーは連日の新安値を更新しています。連結PERは15倍にまで下がっていますが、買いが入りません。

ディスカバリーを打ち上げる米国は夢があってうらやましいことです。いまは苦しくても先に夢があれば耐えていけますが、この先は年金がどうのと暗いイメージしかありません。世界一の長寿国が、世界一の老齢化社会に入ります。

司馬遼太郎の対談集を読んでいたら、「こういう時代を迎えて、政治も、保険制度も、医療体制も、あらゆる面で日本は世界のモデルになる。この問題は創造的に考えれば、21世紀の世界に大変にグローバルな貢献をすることができる。」といったふうな対談(相手は上智大のデーニケン氏)をしていました。

まったくそのとおりで、世界で最も進んでいる長寿国が、こういう社会であれば安心である、というモデルを示すことができる大チャンスです。問題を否定的に考えずに肯定的に、創造的に考えねばなりません。株式とて同じです。悪くなればなるほど、智恵をだして大逆転をせねばなりません。

《ウェーブ3》Ver3.0が出来上がりました。うんと使いやすく洗練されたものに仕上がったと、自身では大きな満足感を覚えています。ご覧下さい。


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