日経平均をどう見たか・判断したか (98年9月)

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(98.9.1) 14369円 (+261) 4.4億株


昨日日経平均はプラスになり、これを受けて世界同時株安の歯止めとはいかなくとも、NYの続落は避けられるのではないかと思っていました。ところが香港は-7.1%の下落→ドイツは-3.2%と下げ、最後に回ったNYは史上第二位の下げ幅の-512ドルの大幅続落(-6.4%)となりました。

日経平均が6%下げるなら-840円安。先物は13200円あたりまで、売り気配で寄り付かないのだろうと思っていたところ、意外にも13590円(−480円安)で寄り付きました。おおっこれはと見ていると次第にもどり、前引けは-178円。大引け前には急上昇し+261円高となりました。ザラバ安値13664円からは700円高です。

先物に大量の買い戻しがはいったようです。ここ5日間の先物の出来高は32000枚(14850円)、52000枚(14440円)、47000枚(13740円)、35000枚(14040円)、ときて今日が50000枚(14410円)です。日経平均が6月安値を割り込んだ日には52000枚の大量の商いがありましたが、この分の買い戻しが今日の上げの原動力のようです。

NYに引き摺られなかったのは、@一昨日の単純平均は546円とバブル崩壊後の最安値529円を割り込んでいないように、多くの銘柄は1株純資産以下になるなど、すでに割安の水準にきていること、A今回の下げの主役の1つは国際優良株であり、国際優良株には買いが入りやすく、どこまでもズルズル下げないこと、Bもう1つの下げの主役の銀行株は、昨日のさくら銀の自助努力(自らの力でなんとかしよう)の決意がでてきたこと、がその原因だろうと思います。

今夜のNYがどの程度まで反発するのかがみものですが、NYの当面の下値は7355ドルがめどであり、この水準を持ちこたえれば、いまは8500ドルあたりにある200日線への反発も期待ができます。日本株は今日の反発で、一方的にNYと連動することはなくなったことを表しました。明日は、この反発の殊勲者であるさくら銀の動きに期待したいところです。


(98.9.2) 14376円 (+6) 4.8億株


NYは7400ドルまで下げた後、急反発して+288ドル高の7827ドルとなり、連鎖安が止まりました。日本は昨日、ザラバ安値から700円の急上昇をしていただけに、寄り付きには戻り待ちの売り物がでて小安くなっていましたが、野党の一部から「銀行に対して破綻前に公的資金を投入する」仕組みの提案があったため、銀行株は全面高となりました。

ザラバ高値14589円は、直近の下げ波動(15445円→13664円)の1781円に対する半値戻し水準の14554円をわずかに上抜けました。しかしここは9日線の水準でもあり、これをすんなり突き抜けることは難しく、大引けにかけて値を下げ、半値戻しは明日に持ち越されました。

ザラバ安値13664円が当面の底値であるとするには、まず終値で半値戻しの14554円になることですが、その後、先の波動のボトムである14655円に達し、さらには75日平均線まで戻るということになると、当面の底値から、年内の底値になってきます。


銀行・建設・商社・不動産や財テクに失敗した企業を除けば、多くの銘柄はまったくの割安な株価になっています。図はPBRをメインにした割安株の検索の条件表です。

2行目はPBRが1.2倍以下
3行目は1株利益が20円以上
4行目は額面が50円
5行目は1株純資産が300円以上

ここれによって検索された銘柄のうち、借入金が少ないものまたは金融収支がプラスのものを選べばよいでしょう。


(98.9.3) 14261円 (−115) 3.7億株


昨日はマレーシア・香港の株式の売り規制でアジア株は反発し、ロンドン+3.3%、ドイツ+4.6%と上昇の連鎖が続きましたが、トリのNYが-45ドルとへたり、不安感が残りました。

今日の市場は、一方では銀行の破綻前の処理について与野党間で協議ができそうの明るい材料はあったものの、日立の大幅赤字予想やトーアスチールの清算など弱材料が相次ぎました。

トーアスチールは2600億の負債をかかえ、先の三田工業以上の大型破綻です。親会社のNKKや関連先の丸紅・富士銀の株価が値を下げました。最近破綻する企業は先の大倉商事といい芙蓉グループが目に付きます。そういえばサッポロも販売不振で1000人のリストラの報道も今日ありました。


企業の業績は予想以上に悪くなっています。日立の99年3月期予想は、当初経常利益で300億円、純利益で200億円でしたが、今日の発表では経常利益は-1000億の赤字、純利益は-2600億になるそうです。91年月期には経常利益2050億円、純利益1200億円でしたから悪化ぶりはひどいものです。日立の自己資本は16000億円ですから、今度の赤字によって約15%ほど自己資本が減り、したがって1株純資産も481円から409円へ減少します。

それにしても特別損失を1700億円ほど出すというのも尋常ではありません。銀行株の評価損も何100億の単位で発生しているのではないのでしょうか。今度の中間決算は、銀行はもちろんとして、銀行株の評価損で一般事業の決算も相当悪くなるようです。

このことを思えば、今日の日経平均がわずかに-115円安で終ったのは、相場に下値抵抗力がでてきたと判断すべきか、まだ中間決算を織り込んでいないと判断すべきか。たぶんまだ織り込んでいないのでしょう。


(98.9.4) 14042円 (−218) 4.4億株


中間決算を今月末にひかえて、業績の下方修正があいつぎます。昨日のトーアSに続いて、今日は川鉄が川鉄リースの債権放棄などで、1000億円の特損を出すと発表。川鉄は-14円安(195円)となりました。昨日の悪役の日立は-67円(639円)、NECは-54円(949円)と大幅な続落です。

8月の投資主体別の売買動向が発表されました。外人は7月に買い越したのが、よもや1か月で売り越しに転じるとは思いませんでした。それはともかく注目すべきは、個人の現金部門が1000億円と大きな買い越しになったことです。

いつもいうことですが、個人の現金部門の買いは、あまりに株価が安いので、当面は上がろうと下がろうとお構いなしで、5年10年先に何倍かになっていればよいという長期投資のものです。買ったから何か月で利食いたいという焦った性格の資金ではありません。

こういうゆったりした気分の買いは、往々にして短期で利が乗ることが多いのです。個人の現金部門が買い越したのは、昨年11月12月でしたが、年が明けた1月半ばから株価が大反発したことを思い出して下さい。

例えば、今日のNKKは100円割れをしましたが、この株の20年間の安値は90円であり、100円〜250円のレンジで動くことを見ると、いつか2倍になって報われるはずです。


右のような条件表を設定しました。

今年になって、過去20年間の最安値をつけた銘柄を検索すると148銘柄ありました。建設株はもちろん多いのですが、製造業もそれ以上にあります。テイカ・ダイセル・旭有機・洋インキの化学、今日売られた冶金工・日金工・日本製鋼・リョービ・横河ブ・東京綱などの金属、ゼクセル・津田駒・クボタの機械、などなど20年に一度級の買い場にきているものが続出しています。こういったことが、個人の現金部門の大幅な買い越しになっています。


(98.9.7) 14790円 (+747) 5.0億株


寄り付きは先週末の企業業績の予想外の悪化を嫌気して、下落して始まりました。一時13000円台に入ったものの、ここからジリジリと買われ、前場は+387円。出来高は2.1億株です。円が前週末より3円以上高くなり、円高メリットがある銘柄が買われる一方で、売り裁定の解消が現物株を上昇させます。

後場にはいると、香港株が大幅上昇になったこともあって、先物の買い戻しや、売り裁定の解消がスケールアップし、あれよあれよというまに日経平均は上昇。結局+747円高の14790円。後場の出来高は2.9億株と膨らみました。今年第2位の上げ幅だそうです。

1日で747円高するのであれば、250円高を3日続けてくれるほうがよほどよいのですが、今日の上げの主な要因は、売り裁定(逆裁定)の解消であるだけに、一気に解消がでて上昇したのはしかたありません。先物9月限はこの10日が売買最終日であり、同時に9月は中間決算の月ですから、売り裁定(現物を売り、先物を買う裁定)をしていたなら、この4日間のうちに、現物を買い戻さねばなりません。

通常は買い裁定のほうが圧倒的に多いのですが、8月は先物が安い日が多かったため、売り裁定の残が買い裁定の残高よりも大きくなったと報道されていたように、解消すべき残高はふくれており、今日の747円高になったようです。

上昇の原因がなんであれ、8月19日の15406円(終値)から最安値の13915円の半値戻しの水準14660円(ザラバの基準なら15445円→13664円の14554円)を上抜きました。これで先の安値13664円は10日〜2週間のうちには破られないだろうということになります。年内は大丈夫となるためには、8月19日の15445円を上抜かねばなりませんが、今の状況ではちょっと荷が重いようです。


(98.9.8) 14913円 (+123) 4.9億株


先物の買い戻しは出切ったようです。前場は+504円高の15294円までありましたが、この後は値を下げ、前引けの+342円高から大引けは+123円にしぼみました。前場出来高は2.9億から後場になると2.0億へ減衰しました。

380円巾の上ヒゲになったのは、今日で内部要因を動機とした反発は終ったことをうかがわせます。先の高値15446円までは伸びませんでしたが、「デンドラで見る日経平均の波動」に書いたように、この高値を上抜く確率は37%であるので、やむを得ないところでしょう。

明日以降反落したときは、最安値13915円を下抜く確率は54%ありますから、しばらくはまたヒヤヒヤせねばなりません。

7月に75日線を超えていた日の出来高累計は126億株でしたが、75日線を割り込んでからの出来高累計は今日で87億株になりました。あと40億株ですから、立ち会いで10日ほどかかります。となると、今月の彼岸あたりまでは本格的な反発は望めません。今はプラスになっている9日順位相関が下方に曲がって、-80以下になるのが、このころでしょうか。


(98.9.9) 14755円 (−157) 4.1億株


NYは史上最大の上げ幅となる+380ドル高をして8000ドルを回復しました。ロシア危機はなおメドがたちませんが、米国の銀行や証券は今回被った損失を確定し発表していますから、どうやらロシアの問題での下げは終ったようです。

これを受けて日本株式は上昇か?となるとそうはいかず、前場で15099円までありましたが、昨日のザラバ高値にはおよびません。富士銀がデリバティブで巨額の損失をだしたとかの噂で、富士銀がザラバで320円となるなど、銀行株が軟調となり、日経平均はマイナスで終りました。

やはり昨日の大きな上ヒゲで、当面の戻り限界を見てしまったようです。明日は先物9月限の売買最終日なので、内部要因で上下の波乱があるかもしれませんが、短期の指標では売りマークが出始めました。

ここからの下げですが、当然に一昨日の+747円高をした大陽線(高値14790円・安値13912円)は重要ポイントですから、13912円を下回るのかどうかが焦点になります。富士銀の件についてはグループの安田信託が下げていないので、これは昨年末のトーメンのように、ためにする噂であろうと思いますが、ザラバ安値320円から9円ほどしか戻らなかったのは不気味です。


(98.9.10) 14666円 (−89) 3.6億株


日銀が3年ぶりの金融緩和を発表しましたが、すでに有史以来最低の国債金利であるこの水準で「緩和」といってもインパクトはありません。前場はやや高くなったものの、ジリ貧となりマイナスで終りました。明日のSQを控えて全般は模様ながめでしたが、先物にヘッジ売りがでて安くなったそうで、市場はSQ明けは悲観的なようです。

短期金利は日銀の目指す通りに0.25%に下がり、国債金利も0.8%台になりましたが、実に簡単に金利は下がるものです。日銀が短期国債をこの金利になるように高く買えばよいだけのことでした。

気分を暗くさせるのは、邦銀はもはや世界で通用せずローカル銀行でしかないとしても、電気・自動車などの製造業だけは日本が世界をリードするものだという自信が一般にはあったのですが、三菱電気が沈没し、日立が今度の大赤字を出すにいたりました。円安が利益を上積みするだろうの予想でしたが、ソニー・松下・TDK・パイオニアと軒並み減益予想になりました。世界を相手に競争に打ち勝ってきたはずの製造業も利益がでない体質になっているのだ、ということをつきつけられ、さらに自信を喪失の体です。

グラフからもいまは八方ふさがりの位置にあります。デンドラによれば、先の高値15406円(終値)をすぐに上抜く確率は37%しかなく、先の安値13915円(終値)を下抜く確率は54%になっています。まずここからの反発はできず、13915円へ大接近というのが予想されるコースです。

このコースは現状ではベターなコースです。ベストのコースはもちろん、ここから上昇して15406円を上抜くことですが、もし変にここから上昇して15100円を越えるが15406円に達せずに反落を始めると、13915円を下抜く確率は70%になってしまいます。このまま14000円に下げてから反発というコースがベターであるというのが、気分を萎えさせてしまいます。


(98.9.11) 13916円 (−749) 12.5億株


NYが-249ドル安となったこと、先物・オプションのSQであったことから先物は前日比-240円安からはじまり、あれよあれよというまに値を崩していきました。後場は一時-940円安の13725円と先のザラバ安値13664円に肉薄し、ここから200円かた戻して13916円で引けました。先の終値での安値13915円を上回ることわずか1円です。

今日は円相場も乱高下し、一時は128円台まであって、引けは130.76円の+4.93円高です。NY相場が崩れればくずれるほど、円高になります。今日の日経平均の大幅下げよりもNYのほうが恐いということでしょう。

先のザラバ安値13664円はいまや風前の灯火となりましたが、ここから下の値段のめどは、まず13340円、その次は12554円です。今日の出来高はSQがあって12.5億株と膨れましたが、SQに関係する分は6.3億株ということですから、実質の出来高は6.2億株です。ようやくにして下げ過程で出来高が膨らんできました。投げがでだしたのは、底が近づき始めたということです。 ここからの下げは、それこそ20年30年に一度の安い株価を出すわけで、あとから振り返れば捨て値に近い株価水準であったということになるのでは。


(98.9.14) 14227円 (+310) 3.6億株


NYが+179ドル高(7795)となったこと以外には買い材料はなく、一方で企業収益の下方修正、期末の持ち合い解消が、買い意欲を減退させます。それでも今日は310円の上昇でしたが、出来高は3.6億株と少なく、株価の持続的な上昇は期待できません。

富士銀行はさくら銀に続いて、2000億円の緊急増資を発表しました。自助努力が好感されて、今日は+36円高の372円。これに引っ張られて銀行株は概ね上昇しましたが、まだ25日線を超える銘柄はごくわずかであり、銀行株はまだまだ底打ちとはいえません。本店の売却、経営陣の大幅な入れ替え、支店の閉鎖、大規模なリストラなどが発表されるまでは、大きな反発ないでしょう。

一方で長銀は減資せざるを得ないのムードになって、長銀は一時ストップ安の19円になりました。引けは38円。昨年11月に、山一証は安値ザラバ安値が60円、その後102円まで戻したところで破綻となったと記憶していますが、19円でもなんとか命脈を保つのは、銀行の看板があるがゆえです。

自民党は金融再生法案の第3次の修正案を提示したそうですが、あいかわらずの小出し、様子見、弥縫策です。しかし今日の譲歩が上げ材料となったのですから、株式市場も結構無定見なところがあります。月末の24日あたりまでは上げる要素はないと思っています。


(98.9.16) 14197円 (−29) 3.8億株


NYが+79ドル高(8024)と続伸したことで、円は134.90円(+2.33)と円安にぶれました。株式市場は膠着状態になり、先物出来高はわずかに22000枚。現物は3.8億株できたものの、このうち長銀が約4000万株出来ているので、実質は薄商いです。

長銀は、自民党が13兆円の公的資金を使って、破綻前のてこ入れはしない方針に転換し、新しいスキームで公的資金を入れることにしましたが、これも野党に蹴られてしまい、野党案の丸呑みしかなくなってきました。よくて減資後の資本注入、悪ければ破綻して清算、のコースです。それでも25円まで下げれば買い物が入り、4000万株弱できるのですから、まだ50%減資で済むと思っている投資家があるわけです。もはや政府・自民党には50%減資で食い止める力はありません。


日立はとうとう終値で600円を割り込みました。今日のザラバ安値は578円、終値は589円です。この水準は82年3月の安値500円以来のものですが、この時代は経常益1400億円、純利益660億円、1株利益24.2円、1株純資産250円でした。

利益基準からすれば、今期は赤字決算ですから500円を割り込む可能性は十分にあります。株主資本に目を向けると、82年当時は1株純資産の2倍で安値を出しています。(PBRが2)これを当てはめると、今期末の予想1株純資産は410円ですから、2倍の820円が底値となりますが、この水準はとっくに割り込んでいます。

株主資本(純資産)については、最近報道されている企業年金の積み立て不足を考慮しなければなりません。東洋経済8月29日号に、米国FAS87基準による年金データが掲載されています。日立はデータを開示していませんが、東芝の積み立て不足額は7700億円で、自己資本の64%に相当。三菱電気は6760億円で、自己資本を上回る108%の積み立て不足です。NECは3300億円で、31%の隠れ債務がある、となっています。

日立の年金の積み立て不足が自己資本の50%あると仮定すれば、1株純資産は410円どころか、実態はその半分の200円になるわけで、このあたりを市場が重要視するようになると、正味200円の1株純資産の2倍の400円が妥当となります。日立の株価は400円台に突入してようやく落ち着くのではないかの考えは一理あります。企業年金の問題はかなり深刻です。


(98.9.17) 13859円 (−338) 4.1億株


金融再生関連法案は、与野党の党首会談で修正協議に決着がつくそうです。大蔵省は金融についての一切の権限を失いますが、これまでやってきた経過からやむなしでしょう。

これによって破綻しそうな銀行は、手をあげれば発行株式を国家が買い取り、あるいは減資後に資本を注入して、解体されることになり、国の信用で連鎖的な金融不安を食い止めることができるようになります。

金融はなんとかなりそうですが、ただいまの株価下落の要因は、@世界的なデフレ傾向のなかで、国際優良株の収益力が大幅にダウンしてきていること、A消費の極端なシュリンクによって国内企業の売り上げ減少ははなはだしく、不採算部門の切り捨て、さらなるリストラが必要になっていること、B9月中間決算では、主として銀行株の下落による株式の評価損が巨額になり、持ち合い解消の売りに加えて益出しのための株式売却が大量にでていること、などがそびえ立っており、株価の反発はあや戻し程度しか期待できません。


「あや戻し」の話になりますが、明日安ければ、「日経平均用'96」条件表は買いマークをだしますが、これはあらかじめ知ることができます。

  1. グラフメニューの「条件」→「条件合否」をクリックすると、「条件合否」の画面が現れます。

  2. スクロールバーを操作すると、グラフ上に紺色の縦線が表示され、左右に移動できます。

  3. 紺色の縦線が示す日の、各チャートの数値(計算値)が表示され、この数値に「買い」(「売り」)の条件が設定してあるとき、条件に合致していれば「買い」、合致していなければ「XB」の表示がでます。
「日経平均用'96」条件表には買いの条件が7つ設定してありますが、今日現在では6つまでが買いの条件に合致しており、「買い」と表示されています。

合致していない「XB」がでているのは、「5日順位相関」で、-90以下が条件ですが、今日は-70なので合致していません。しかし明日安ければ、5日順位相関は-90になりますから、7つの買い条件がすべて満足され、「買いマーク」がでることになります。


(98.9.18) 13983円 (+123) 4.5億株


昨夜のうちに与野党の党首会談で、金融再生法案の修正協議ができるのかの報道でしたが、かなわず、ようやく今夕から党首会談のようです。

今度のことで自民党の理念のなさや方向性もやり口も全面的に否定されましたから、自民党は社民党や新党さきがけがその先例となったように、少数党への転落が始まるようです。誰も頼みにしてくれない、誰も信用しない政党は存在の価値がありません。

当面の金融パニックの怖れがなんとかやりくりできそうになっているのに、株価は反応せず、国債利回りは0.64%と世界史上最低の水準を更新していきます。金の現物の買いは急増しているようだし、減価しないことが買いの最大の動機になっています。

いまや株価は20年来、30年来の安値水準にあります。25年をひと世代とすれば、現在の40歳台50歳台の投資家は、初めて経験する株価水準です。60歳台の方でも昭和40年の日経平均1020円、山一証や大井証の日銀特融をかろうじて記憶している程度です。

いまの株価は、いわば生涯に1度か2度しか経験できない水準です。なんであのときさくら銀の200円を買えなかったのか、富士銀の300円を買えなかったのか、80円のNKKを買えなかったのか、(株価はまだその値段になってはいないが)、一生ものの後悔をすることになるでしょう。来年の3月末までが、おそらくそういうチャンスだろうと思います。


(98.9.21) 13597円 (−385) 3.8億株


先週末に金融再生法案の修正協議が合意できた、の発表があった後、すぐに自民党は長銀への破綻前の公的資金ができるといい、野党はそんなことは合意していないといい、国民はみんな呆れ返りました。株価は当然の大幅下落で、新安値です。

参院選が終ってから70日、小渕政権ができてから50日、金融再生法案の審議が始まってから40日がたちましたが、この修正協議の結果は振り出しに戻るです。どころか互いの不信感が大きくなったぶんだけ状況は悪化しました。政治的空白は、眼下の経済にはよろしくないとのことでしたが、これでは解散・総選挙をしたほうが早く決着がつきました。

株価は、先週末は陽線となって目先の底入れをしそこないました。今日は新安値ですから、13344円はまもなく実現します。よくないのは今日の出来高は3.8億株と薄商いで下げていることで、これでは13344円になったところで底入れとはなりません。5〜6億株できて、500円〜800円巾の下げが2〜3日続いて12554円となれば、かなりの反発が期待できますが、ズルズルと薄商いで下げていくようであれば、9月末が明けて10月にはいったとたんに大幅下げとなり12554円も危ういことになると考えています。


(98.9.22) 13789円 (+192) 5.1億株


24日は月内の受け渡しの最終日で、ここまでは中間決算からみの売り物がでます。市場には25日からは期末株価の維持ないし底上げが計られるのではないかの希望的観測があります。今日は大引け前に先物にまとまった買いが入り、先物から反発しましたが、どうもPKOではないかの話です。

日経平均は+192円高でしたが、TOPIXはわずかに+2ポイントの上昇でしかありません。出来高上位の銘柄を見ると、さくら銀は2200万株できましたが、年初来安値。新日鉄もザラバで2月来の180円割れ。長銀は21円で変わらず。野村証はザラバ1000円割れ。NKKは年初来安値の83円とよいものはありません。(日セメはどうしたのでしょうか、-66円安の230円と暴落です。)日経平均が上げた割りには、出来高のできた銘柄は全滅しています。

9月中間決算は株価の下落で評価損が脹らみ、そうとうにひどい内容になるようです。興銀は9月期から低価法をやめて原価法に変更すると発表しましたが、いまの株価では辛い決算になることが伺えます。

というわけで今日から株価のてこ入れが始まったようですが、問題は10月に入ってからです。


図はここ6年間の日経平均の月足です。10月は赤丸で囲ってあります。6年間で10月が陽線であったのは94年だけであり、年末にかけて上昇したのは95年だけです。

特に93年・94年・96年・97年は10月以降は大幅な下落にみまわれています。9月末に先物出来高が増えて、逆ザヤで推移するようだと、10月入りしたとたんに大幅下落となりかねません。(ここからがめったに遭遇できない、歴史的な株価水準になるのだろうと思います。)


(98.9.24) 14205円 (+415) 4.6億株


グリーンスパンFRB議長が米国金融を緩和するとの発言で、NYは+257ドル高の8154ドルへ大幅上昇しました。NYに連動する国際優良株が買われ、ソニーは+740円高になるなど日経平均も一時は500円高に反発しました。

今日の上げは、@NY高への連動に加えて、A今日は月内の受け渡しの売買最終日であり、借株して売っていた向きが最後の買い戻しをしたこと、B決算対策のための株式売りがなくなったこと、C小渕・クリントン会談で、追加の景気刺激策をとる発言があったこと、などが材料となりました。

9月期末株価をなんとかせねばならない時期にあったところですから、9月末まではなんとか今日の水準は保ちそうです。3月・9月の決算期前は株価は素直でなくなります。去年の9月末はどうであったのかを思い出すには、97年 9月分の「日足でみる日経平均」をご覧下さい。いまの状況は1年前と少しも変わっていません。

日産自が銀座の本社ビル(新館)を売却するの報道がありましたが、日産自は+2円高の400円と評価されませんでした。


(98.9.25) 13723円 (−481) 3.6億株


NYは-152ドル安と早くも反落し、日経平均も昨日の上昇幅に配当落ちの50円を加えた分だけ下落しました。先物の出来高は27000枚、現物は3.6億株と薄商いでの大幅下げは、先に希望が見出せません。

長銀問題については、自民党の理念のなさが致命的です。昨日までは、13兆円枠は存続させ、破綻前に公的資金を投入をするといっていたと思ったら、今日は野中官房長官が、「日本リースなどノンバンク3社向けの債権放棄は認めない」といっています。これはどうも自民党は最後の凄みをみせた様子です。

ノンバンク3社の負債は2兆7000億あるそうです。長銀はこのうち5200億円を債権放棄し、ノンバンクの清算をしないで済むように、というのがそのそもの長銀への公的資金注入の要請でした。今日は、野党が文句をいうなら、ノンバンクは清算しよう。長銀を始めとして融資している銀行は貸し倒れ損失を計上すればよい。その結果銀行がどのようなことになっても知らぬぞ。とゲタを野党に放り投げたといったところです。

自民党がかんしゃくを起こして、政権を放り出す可能性もでてきました。解散総選挙ということになると、日経平均で2000円安くらいのショックになるのではないかと思います。選挙では自民党は2度と立ち上がれないほど大敗するのでしょうが、選挙結果がでれば+2000円高か。政治が最悪になったときのことも頭の隅においておきましょう。

日商岩井は1500億円の特別損失を計上し、今期は無配に。第一勧銀は1000億円の土地建物を売却し、500億の特別利益をだして決算するそうです。来週もこの手の話が続々と出そうです。


(98.9.28) 13909円 (+185) 3.7億株


先週末野中官房長官が、長銀関連ノンバンクへの債権放棄は認めないと発言した結果、日本リースは日曜日の夜半に会社更正法を申請しました。負債総額は2兆2000億円で、戦後最大規模の倒産になりました。(山一証は3兆2000億円でしたが、自主廃業)。

まとまりそうでまとまらなかった与野党の修正協議は、日本リース破綻を契機として一気に最終決着がつきました。しかし「金融再生関連法案」とはいうものの、その中身は破綻処理についてがメインであり、@一時国有化、A整理清算、Bブリッジバンク、の3コースのいずれかを選択するというものです。破綻前処理については、「早期健全化スキーム」をこれから作成しするそうで、13兆円の資金枠とはどうちがうのか、よく分かりません。

今日は、日本リースの破綻が株価にどれほど影響するのかがみどころでした。日本リースに貸し込んでいる銀行は期末ギリギリでの損失処理となるため、株価は大幅下落したのは当然でした。長銀(2550億)は14円(-10)、住友信託(1500億)は280円(-23)、三菱信託(1450億)は577円(-79)、東京三菱(850億)は958円(-19)。ノンバンクが整理されるたびに、同じ事が起こります。

期末株価のPKOがあるとはいえ、直接損失をこうむる銀行以外には響かず、逆に早期健全化スキームに期待感がでて、前場は一時400円近い上昇になりました。また長銀はハードランディングで処理ということになりましたが、長銀からの借り入れの多い企業の株価もたいして下げませんでした。1500億の借り入れがあるそごうは150円(-19)と急落したものの、1680億の借り入れがある日本信販は200円(+2)、1000億のエルカクエイは63円(+3)、1000億の熊谷組は83円(+1)と却って高く引けました。日本リース=長銀の件は市場はうんざりしており、この悪材料ほとんど折り込まれているようです。


(98.9.29) 13821円 (−87) 3.9億株


日本リースの倒産の影響が残り、前場は先のザラバ安値13521円へ迫りましたが、後場は公的資金が国際優良株を買ってささえました。期末の株価維持のPKOを考えて、売りも警戒感があります。すべては10月に入ってからです。

早期健全化スキームの自民党案が発表されました。私は、非常によい印象を持ちました。公的資金の投入は3段階に分けています。

@ 自己資本比率が8%を割った銀行は、不良債権を日本版RTCへ売却する→この損失額を限度として資本を注入する。このとき経営責任を追及し、出された経営改善計画は常時監督庁が監視する。

A 自己資本比率が4%を割った銀行は、@の処理に加えて、減資をした後、国が普通株式を50%以上取得して再建する。経営陣は更迭する。

B 自己資本比率が2%を割った銀行は、今度与野党で合意した金融再生関連法案で、一時的国有化によって処理する。

なお自己資本比率の計算は厳密に行い、株式の低価法での評価はしない。第2分類債権を細分化し引当て基準を決める。引当率を公表する。情報開示には監査法人の連帯責任を問う。など基準をはっきり設けて、あいまいさを排除しようとしています。

先の金融再生関連法案の与野党(自民・民主・旧公明だけですが)の合意で、野党も金融再生については共同責任が生れていますから、この自民案は基本的に受け入れられるのではないかと思います。

銀行のゴタゴタの道筋ができたならば、いよいよ景気対策です。橋本内閣時の16兆円の経済対策の効果は少しもでてきません。小渕内閣が発足したときぶち上げた10兆円の補正も言い放ったままです。10月はどのような景気対策が打たれるのかが焦点になります。

今や日商岩井は91円、NKKは69円、と歴史的な株価水準になっています。 まともな経済対策が出ておればこの水準であるはずがありません。


(98.9.30) 13406円 (−415) 5.6億株



9月期末でしたが、後場に入っても株価押し上げの動きがでてこず、大引け前にかけて失望売りがでて日経平均は新安値になりました。12000円台に向かっての下げが開始したところです。

この下げの原因は、@長銀の整理に伴い借り手企業の信用不安、A日本リースの倒産による貸し手銀行に巨額損失の発生、B早期健全化スキームが銀行にとって命取りになる可能性、C銀行株の下落による評価損の発生、です。

@ 日本リースが破綻する前の週末株価からこの3日間の下落率の大きいものを見ると、1位は石川製の-53%ですが、2位に長銀から巨額融資を受けているLカクエイが-45%、5位にそごうが-31%とワースト10に入っています。またA日本リースへの貸し付けが大きかった東洋信託は-31%で6位、三菱信託は-26%で11位となっています。

B昨年12月に大蔵省が株式評価を原価法に変更してもよいとインチキをしましたが、自民党案の早期健全化スキームでは、低価法を採用することになっています。株式の含み損がある銀行は軒並みに新安値をつけ、さくら銀は200円、富士銀は275円、まともな銀行でも東京三菱は875円、住友銀950円と1000円台の銀行はなくなりました。

C銀行株を大量にかかえている企業は大変です。株式の評価損を処理して300億の赤字をだす丸紅は-25円安の161円です。銀行と2人3脚で成長した企業は、今度は銀行と手に手をとりあって没落していきます。

株式を保有するのはコリゴリだ、となり、投げものから今日の出来高は5.6億株できましたが、株式を売却する流れはまだまだ続きます。株式は損の発生源だ、の考えが支配的になってきていればこその、歴史的な株価が現れ始めています。幕末から明治初期に、日本の伝統的な美術品は価値がないとして海外に二束三文の値段で売却されましたが、落ち着いてみれば、かけがえのないものを売り渡してしまったことがわかりました。同じようなことが今起こっています。


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