日経平均をどう見たか・判断したか (98年7月)

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(98.7.1) 16362円 (+532) 8.7億株


昨日は漠然とした上げでしたから、今日は小反落するものと思っていました。前場は-3円と伸び悩んでいましたが、後場に入り次第高となり、最後は買い物が殺到して急伸しました。前場出来高は3.5億株、後場は5.2億株の合計8.7億株の厚さです。

出来高上位10社は新日鉄の5400万株をはじめとして、NKK・住金・神戸鋼・川鉄の鉄鋼5社、長銀・さくら銀・東京三菱・安田信託の銀行4社、それに三菱重工で、いずれも1000万株以上の出来高となりました。

大型株の鉄鋼・造船が買われたのは、恒久減税による景気回復も期待されていますが、円が一時137円台になるなど当面円安が反転しているところから、為替差益狙いの外国証券の買いが大きいようです。銀行・建設・商社・不動産が買われたのは明日の受け皿銀行構想の発表をひかえて、売り込みの買い戻しによるものでしょう。

グラフを見ても鉄鋼は年初来高値を更新しているものが多く、これらは上昇トレンドを持続していますが、銀行・建設・商社は75日線の下位にあって基本は反動高です。

日経平均は75日線でつかえるどころか、先の波動のピーク15884円(終値)15972円(ザラバ)を上抜き、中勢の上昇トレンド入りを決めました。さらに今日は200日線に達しましたが、200線を上抜いたのは97年5月以来のことです。中勢が上昇トレンドになったのですから、今後の目標は3月高値の17352円になります。


(98.7.2) 16471円 (+108) 9.2億株


上昇の第1ラウンドの最後の上げをしたようです。朝方は一時+380円高の16743円までありましたが、大引けにかけて利食い売りに押されました。この結果高値圏でのトウバ足になり。ここからは戻り売り圧力が強くなることを示しました。16400円〜17200円の800円巾はこの2月3月に2か月以上高値もみをした水準ですから、これを一気に上抜くことはできません。

条件表No.2の「日経平均用'96」は逆張りの売買マークをだし、かなり的確なものがありますが、今日は日経平均とTOPIXで同時に売りマークをだしましたから、しばらくは反落するようです。すでに中勢では上昇トレンドに入っていますから、この反落は押し目です。 下値のめどは、
  1. ザラバで安値14614円→16743円の上げ巾2129円の1/3押しが16033円。
  2. 終値ベースでは、安値14715円→16471円の上げ巾1756円の1/3押しが15885円。
  3. 75日平均線が今日は15749円。
  4. 直前の波動のピーク(5月)のザラバ高値が15972円。終値ベースは15884円
となり、15800円〜16000円の間にフシが集中しています。これが押しの目安です。


(98.7.3) 16511円 (+39) 5.8億株


当然一服の場面で、-181円安まで押していましたが、後場首相が恒久減税の検討を始めるの報道があり、反転急上昇しました。しかしさすがに相場は休みたがっており、昨日の高値は抜けませんでした。反動高の銀行株は安くなったのは当然としても、上昇トレンドにある新日鉄は前場は-8円安でしたが、恒久減税の報道から+14円上昇し、前日比+6円高の新高値になりました。

石川製作・YUASA・蛇の目など取り組みで買われている銘柄は今日も急上昇していますが、そろそろ高値波乱圏にはいったようです。

6月の投資主体別売買動向が発表されました。6月は外国人は5000億円の売り越しで、売り越しは4か月連続となりましたが、6月末からの上昇では新日鉄をはじめとする大型株を大量買いするなど、大幅な買い越しに転じていますから、少なくとも7月8月までは買い越しになりそうです。

日経平均のボリンジャーバンドは昨日、3σ(シグマ)に達しました。相場が立ち上がった初期に3σになったときは、この後の上昇はかなり大きいことが予想されます。1年前の97年4月にもボリンジャーバンドは今と同じような形でした。


(98.7.6) 16350円 (−160) 5.3億株


首相の恒久減税はどうもネットで1000億〜2000億の減税を恒久化することらしく、市場が期待していたものとは違っていたようです。意外にも-160円と下げ巾が小さかったのは、小型株が値をとばしたためです。

蛇の目・石川製・YUASAのトリオに加えて、今日はストップ高銘柄が10銘柄を超えました。そこで飛び出したばかりの銘柄を検索する条件表を作ってみました。これを参考により緻密な条件を加えて下さい。

手本にしたのはシルバ精です。赤丸の日に買いマークを出すには、
  1. 株価が75日線を超えた
  2. 75日線は下げている
  3. 25日線は上げている
  4. 25日線は75日線より下位にある
などが手がかりになりそうです。
このほかにも、
@ 25日線が75日線とデッドクロスしてから、一定の期間が経過している
A 株価が75日線を上抜くときに、出来高が増加している
なども条件に加えてもよいでしょう。


NO.109に条件を設定しました。

No.2線は25日線を計算し、No.3線は上向いて1日以上経過
No.4線は75日線を計算し、No.5線は下向いて1日以上経過
No.6線は25日線が75日線より下位にある
No.7線は株価が75日線を上抜いて1日目または2日目


上記の条件表を使って、昨日・今日に飛び出した銘柄を検索すると、図のように82銘柄ありました。低位株の中には、最も重要な75日線を上抜き、そのまま急上昇する候補が多くあります。

優良株に依存する日経平均や銀行株の比重が高いTOPIXが下落しても、一方で低位株の大幅な水準訂正がされるので、単純平均は9連騰となっています。


(98.7.7) 16416円 (+65) 5.4億株


低位のゲリラ株は高値波乱圏に入りました。蛇の目・石川製・YUASAのトリオは前場は急伸していましたが、次第に売り物が増加し、ついには急落です。

蛇の目は-42円安の203円。今日は上ヒゲの75円巾の大陰線となりましたから、当面のピークを出した様子です。YUASAも100円巾の大陰線で前日の陽線をつつみ下げ428円(-52円安)ですから、これも当面のピークはでたようです。ただ石川製は今日の下落-17円ではまだピークを出したとはいえません。買い方の腰がしっかりしているようです。

日産ディはM&A報道で急伸し、300円をはさんで2か月の高値保合いをしていましたが、ダイムラーへ小型ディーゼルエンジンを供給の材料がでて、1000万株の出来高を伴ってストップ高になりました。いよいよM&Aが現実化してきました。

この2か月間の出来高累計は6億3000万株あり、今日の上昇で6.3億株の買い方は一気に2割の利益を出し、売り方は2割の損失を出しました。最近の蛇の目・石川製・YUASAの上げっぷりを見ているだけに、今日の2割の上昇ですぐに利食いの売りがでてくるとは思えませんから、当分は買い戻しを原動力に続伸するのではないかと思います。

日経平均は75日線を超えたところで、高値保合いになっています。15800円〜16000円へ下げれば押し目が完了だろうと思っていますが、なかなかこの水準まで下げません。先週は低位大型株→低位小型株、今日はゲリラ株→国際優良株へと物色がうまく循環しているためです。ただ今日の優良株は短期に大きな上昇はできませんから、そろそろ手詰まり感がでて、ようやく押し目を作りにいきそうです。


(98.7.8) 16530円 (+114) 5.1億株


参院選の予想を新聞各紙が報道し、自民党は現状維持の見方が強くなってきました。首相の恒久減税と恒久的税制改革のなまくら発言があって、いよいよ自民は苦しくなり、恒久減税の発表をせざるを得ないとの市場の判断で、買い先行となりました。円相場も138円〜139円と高くなり、鉄鋼・造船の大型株が買われたのは外人が強気したのでしょう。

一方で昨日から崩れかけた低位小型株は今日も大幅安となりました。蛇の目は-38円安の170円、YUASAは-62円安の366円、昨日の段階では強かった石川製も-100円安の700円となり、同じく当面の高値をだしました。日産ディは朝方は+28円の404円をつけましたが、利食い急ぎになり-26円安の346円で終りました。意外でした。


高値から2週間(13日)の間に15%以上下げたときは「急落現象」で、当面の高値を出したと判断しますが、問題はこの後の対処のしかたです。すぐに売り払うのがよいのか、戻りを待って売るのか、迷うところです。急落のときは次のようなルールで対処するとよいと思います。

  1. ザラバ高値から13日以内に15%以上下げて引けた日に「急落」と判定する。

  2. 急落とわかった日の終値を、戻り売りの水準とする。

  3. 急落後、大陽線か連続陽線で、戻り売りの水準を超えた日の翌日売却する。

図のYUASAを例にすれば、昨日はザラバ高値520円をつけて、その日の終値が428円であったので、-17.7%の下落であり、「急落」です。したがって終値428円が今後の戻り売りの水準になります。今日も続落し366円になっていますが、このように急伸したものは波乱を描くことが多く、今後、大陽線か連続陽線の終値が428円を上抜いたら、翌日に売却する。という方針になります。


(98.7.9) 16446円 (−84) 3.9億株



参院選の結果待ちとなりました。久しぶりに出来高は3億株台になり、一日の値動きも120円と小さなものでした。

選挙の結果待ちとなると、市場は何を期待しているのでしょうか。私は自民党が改選議席の半分の64議席をとったら株価は500円の下げ、現状維持の61議席なら200円の下げ、2〜3議席を減らすようなら500円高、と思っています。

投資主体別の売買ですが、最大の買い手の公的年金資金はソニーを代表とする国際優良株を、個人は昨今の石川製・蛇の目・YUASAなどの低位小型株を、外国人は新日鉄・NTTを代表とする大型株を、証券自己は目先動くものはなんでも、に物色の対象を絞っています。

今日はソニーの国際優良株は上昇し、新日鉄の大型株は下落し、小型株のYUASA・蛇の目は反動高だが石川製はストップ安売り気配となりました。値上がり銘柄は353銘柄に対して、値下がり銘柄は786銘柄であり、内容はよくなかったのですが、日経平均は国際優良株の上げが寄与して、たいした下げにはなっていません。

低位小型は昨日で急落現象をみせたものが多く、すぐに持ち直すことは困難です。

また大型株のなかでも川鉄はもっとも値動きがよいものでしたが、図に見るように7月3日にザラバ高値295円をつけた後の経過は悪くなっています。

この日は高値295円〜安値260円の35円巾の大陽線となりました。これはこの上昇過程で最大の陽線であり、当然に重要ポイントです。翌日は小幅な陰線になり、長大陽線にはらまれましたが、長大陽線(重要ポイント)は前日の陰線を包みあげており、長大陽線の両サイドは共に長大陽線の範囲内の動きとなっています。この足は「両はらみ」と呼ばれ、安値圏にでれば底、高値圏にでれば天井となることが多いのです。

さらに今日の終値は259円と重要ポイントの260円を下回ってきましたから、大型株も当分は一服となります。残るはソニーなど国際優良株ですが、これがへたれば15800円〜16000円への反落となるのでしょう。


(98.7.10) 16090円 (−356) 5.9億株


オプションのSQに関連する売買は8000〜9000万株のようで、今日の正味の出来高は5億株です。

反落して当然の局面とこの1週間思いながらも株価は下げず、意外に相場は強いのではと思いかけたとたんに、2時から急落しました。所得税減税は4兆円以上の自民党からの発言を聞いてすぐに200円下げたというのですから、まるで信用されていない与党です。

低位小型株の急落、大型株のピーク打ちに対して優良株代表のソニーは年初の高値12700円にあと100円とせまりましたが、これを抜けず-100円安の12300円へ後退しました。3つの柱によいところがなければ、銀行・建設の下落を補うことはできません。まだソニーの高値挑戦の目はありますが、低位小型株は最低1か月は無理、大型株もこの円安相場では上昇はできないので、16000円〜15800円で押しの値固めが必要です。

減税の発表を聞いて急落するというのは変な話です。今日の下げは当然あるべき押し目がこれまでになく、いつ調整するかのきっかけ待ちへ、「自民はまた、その場しのぎのいい加減なことを言っている」と市場が怒ったといったところでしょう。

NT倍率は、日経平均÷TOPIXで計算され、日経平均がTOPIXに比べて割高か割安かを測るものです。テレビを見ていたら、「NT倍率が13倍を超えていたので、日経平均の割高感がでて、日経先物への売りが集中した」と言っていました。カナル2は条件を設定しさえすれば、NT倍率をグラフにすることができます。

条件表の設定例を掲げます。

No.1線は、いつもの通りで、日経平均を選択して描画すれば、日経平均の陰陽足を描画します。

No.2線はC1002を元データにします。C1002はTOPIXのコードです。これは「共通銘柄」でC1002の指定をしておきます。

No.3線で、日経平均÷TOPIXの計算をしています。この行がNT倍率です。

NT倍率は12.0〜13.0と動きの巾が狭いので、描画しても顕著な動きは見えません。

そこでNo.4線でNT倍率を100倍して、これを描画させています。


(98.7.13) 16360円 (+270) 3.9億株


自民党は参院選で惨敗です。自民が現状維持なら-200円安、50議席台なら+500円高、55議席なら思わぬ急騰と思っていました。昨日午後8時から選挙速報が始まりましたが、最初に見た毎日放送の自民47議席の予想には驚きました。テレビ朝日を見ると自民40議席とさらに過激で、さらに驚かされました。

いよいよ首相退陣で、明日の株価は+1000円高もあるかと期待していましたが、前場は-285円安と意外な市場の判断でした。しかしザラバ15804円まで下げた後は反発し、+270円高の16360円で終りました。予想外の自民惨敗に為替市場は一時3円円以上安い144.50円になっていましたが、米国の評価は悪くないようだの判断で142.40円までもどりました。

このたびの選挙で、自民党の経済政策は否定されました。21日の自民党両院協議会で、次期総裁を決めるそうですが、自民党内の事情で首班を決めたり、橋本内閣の政策を継続するなどと言っていては、衆院選の大敗も必至となるだけに、自民党も必死でしょう。

気になるのは金融システム再生プランの行く末です。報道では「破綻した銀行の第2分類の不良債権は預金保険機構が贈与する。合併の場合は合併銀行にこの分だけ資本注入する」ということが決まったとありました。このやりかたが通用するものかどうか。参議院では当分は自民党と組む政党はないでしょうから、金融システム安定化のための法案がすんなり通過するとも思われません。 民主党は銀行の経営責任を追及し、共産党は公的資金の投入なぞとんでもないの主張ですから、今度の首相はよほど大胆でなければ立ち往生しかねません。

チャートは15800円のフシから急激に戻ったので、これで押しの下値は出したようです。この後の上伸の程度は、次の首相に誰がなるかにかかってきますが、21日まではあれこれの予想で200日線を中心にした上下動が続きそうです。


(98.7.14) 16488円 (+128) 4.0億株


政局の流動化で、金融システム・景気対策が遅れるという懸念よりも、新しい自民党総裁への期待のほうが大きく、相場は16500円水準に復帰してきました。ここは大ナタを振るえるリーダーが登場できるかどうかが相場を動かす最大の要因ですが、小泉厚相で1000円高、梶山元官房長官なら500円〜1000円高、小渕外相なら500円〜1000円安は、私の感じです。

昨日・今日と陽線が連続しましたが、出来高は3億〜4億株と増加はしません。総裁が誰になるかで上下1000円〜2000円の差がでそうなので、積極的に売り買いは仕掛けられません。政治家が相場に口先介入した3月のときにちょっと似てきました。

振り返れば今年の相場は、1月2月の信用リスクで売られていた銀行株・建設株の買い戻しないし踏み上げによる上げ、と最近の低位小型株の暴騰が目を引きました。このどちらも内部要因による上げですから、上げのスピードも早いが、下げに転ずると急落してしまう、という難しい動きをしました。

皆が株式で儲かった時代は、目先の株価にバタバタせずにゆったりと買い持続するのがベストの投資方法でした。1年くらいは買い持ちできる銘柄があれば個人投資家も株式市場に参入しやすいのですが、欠陥があって売られた株のリバウンド狙いで買うとか、腕力にまかせて買い上がっている株を買わないと儲からないというのでは、なかなか個人投資家のでる幕はありません。ちゃんとした業績の見通しがあって、チャートもきちんとした動きの銘柄が欲しいところです。

ビクターはその2つを兼ね備えているのではないかと、参考までに掲げておきます。

このHPでは「波動のモデル」のコーナーに、日経平均はいまモデルのどの局面にあるのかを適宜述べていますが、個別銘柄ももちろん波動のモデルに当てはめることが大事です。波動のモデルは大底Aから始まって、B→C→D→E→F→G→Hへと発展しピークを打ち、この後下げ波動に入るのですが、ビクターはA→B→Cまでの動きはモデル波動のとおりで、いまからD点をだそうとしています。D点から75日線のE点まで押した後は、D点を上回るF点に上昇するはずです。しばらくは見守っていこうと思います。


(98.7.15) 16614円 (+125) 4.7億株


NYは新高値となりました。これを支援材料に国際優良株が変われ、ソニーは史上最高値の12900円をつけ、松下も年初来の高値を連日更新です。日経平均は、7月2日のザラバ高値16743円にはまだ届きませんが、終値ベースでは戻り高値となりました。

日経平均の新値3本足は先週末陰転しましたが、陰線1本をつけただけで、今日再び陽線になり、先の陰線はダマシであることを表明しました。陰転したものがすぐに否定されるのは、やはりこの相場は強いのだと思わねばなりません。

この頁の下側に「今、市場が注目している銘柄」として8銘柄を取り上げていますが、これら銘柄のチャートはよくなってきました。新高値をとっているものがソニー、最も大切な75日線が上向いてものは、住友鉱・ビクター・富士通・新日鉄・NTT、75日線は下向きだが25日線が上向いているものは、鹿島建・富士銀。鹿島建や富士銀でさえ、あとわずかで75日線の上に出そうな状況になってきました。


小渕派は小渕外相を総裁候補に推すようです。それなら梶山元官房長官は蔵相か。となると小渕総裁となっても相場にはプラスだと受け止められ、結局誰であっても、橋本内閣時代よりはましになるだろうとの市場のムードです。


(98.7.16) 16731円 (+117) 4.4億株



自民党総裁は小渕外相でまとまる動きとあって、前場は小安く推移していましたが、梶山元官房長官が小渕派へ会派の退会届けを出し、総裁選へ立候補かの報道で高く終りました。ただし総裁選は21日から24日へ延期されたので、新総裁が決定して、土日で閣僚メンバーがとりざたされ、27日から臨時国会・首相指名・組閣・金融再生関係の諸法案の審議というあわただしいスケジュールになるようです。

日経平均は先のザラバ高値16743円を上抜き、ザラバ高値16756円をつけ、4日続騰となりました。いよいよ第2段上げに入ったのですが、この2段目の上げのスケールは、次期首相が金融再生に向けてどのような方向づけをするのか、どのような経済対策を打ち出してくるのかにかかっています。

今回の上昇第1段は、6月16日のザラバ安値14614円から7月2日のザラバ高値16743円への2129円巾でした。(終値ベースでは、14715円→16530円へ1815円巾)先週末のザラバ安値15804から2129円高は17933円ですから、これが標準の次の高値の目標です。(終値ベースでは16090円に1815円上乗せした17905円)

なるほどと思う方針が出されたならば、17900円台を目指し、案外であるということになれば、前回波動(3月高値)のピークである17352円で、ダメダとなれば17352円までいかないというところでしょう。いまの様子では17352円狙いのような気がします。


(98.7.17) 16570円 (−161) 3.9億株


3連休を前に手仕舞い売りがでて安くなりました。総裁選へは小泉厚相も立候補の意向とかで、いよいよ3すくみです。3候補者による公開討論会でもすれば、政策もはっきりし、相場にとってもよいのですが。

終ったからいいますが、参院選の各党の政策には失望しました。政策というよりも思い付きに近く、各党は政党助成金をもらっているのだから、政見ビラや活動費にするまえに、シンクタンクと契約して、各党がきちっとした政策をだすべきでしょう。

特に某政党の、消費を喚起するために4万円の商品券を配るというのには、笑ってしまいました。消費を喚起するのに4万円を配るという発想はどこからでてくるのでしょうか。4万円もらってアイスクリームやピザを食べても景気をよくするような消費は伸びません。300万円の車を買えば、15万円の消費税がつき、3000万円のマンションを買えば150万円の消費税がつきます。商品券で消費が伸びるわけはありません。

相場は来週は基調としては下げ歩調になりそうです。


(98.7.21) 16556円 (−14) 3.6億株


日曜日には、朝といわず夜といわず、テレビ各局へ総裁選3候補者がそろって出演しました。いつもこれくらいの発表があれば、政府が何をしようとしているのかわかりやすくなります。

加藤幹事長の属する宮沢派や山崎政調会長グループが推す小渕外相が有利との報道ですが、橋本内閣の政策を担当した両氏が、その責任もあいまいなままで、小渕支持にまわるだけでも、小渕首相には期待はできません。

とはいえ金融再生に向けて、いけない銀行には厳しい対応がされるとの見通しで、長銀は一時額面割れをして-2円安の50円。これを救済する住友信託は-14円安の495円。安田信託は-11安の94円となりました。

銀行株と建設株はもうしようがないの認識で一致していますから、全般には波及しません。むしろ銀行株が下がれば、それに反比例して他の株はあがるようです。それも内外の年金資金の買いで、ソニー・NTTが新高値を更新しているからですが、これら銘柄はそろそろピークをだしつつあります。

《デンドラ》によれば、ソニーの当面の高値は13700円〜13800円であり、今日の高値13490円からは、あと200〜300円に迫っています。同じくNTTの上値限界は130万円〜131万円であり、今日はザラバ高値128万円ですから、からもうひと上昇で達する位置にきました。


(98.7.22) 16293円 (−263) 3.9億株


国際優良株だけが頼りの相場ですが、NYは-105$安となったので、NYに連動するソニーは頭づかえとなり相場を牽引できません。銀行株は昨日に引き続き、不安な銀行を中心にして持ち合い解消の売りがでて値を下げます。出来高トップのさくら銀327円(-27)は1月ザラバ安値325円を切って323円までありました。どうしても200円台にならねば収まらないようです。

2位の長銀49円(-1)は額面割れです。金融監督庁の検査が疑心暗鬼を呼んでいますが、救済合併する住友信託の株価475円(-20)が連日10円20円と新安値を更新しているのを見れば、まずほとんど債務超過に近いものと思われます。


持ち合いに支えられてきた銀行株でしたが、成長力を失った今では、向かうところは、並みの株価になります。

富士銀行の株価は15年前の4年間は500円でした。その前は200円〜300円で、値動きはなく、銀行株は電力株と同じ資産株としての位置づけでした。値幅を抜くための株式投資の投資対象ではありませんでした。それが84年から急騰し、10倍の株価になり、大量の時価発行をして、ピークを打ち、10年かけて500円、300円へ戻ろうとしています。

株価は元に戻っても、銀行に対する信用は失墜し、また10倍になるぞという可能性はどうみてもありません。


(98.7.23) 16188円 (−105) 4.2億株



NYは-61$と続落し、ソニーなど国際優良株はさえません。昨日と同じく新日鉄など大型株は安く、銀行株も低位のものは下げなかったものの、東京三菱が-62円安と下がり、下げ始めとなったようです。

石川製などゲリラ株は朝方は調子よく戻っていましたが、浅川組が会社更生法の申請とかで、メインバンクの紀陽銀とともに急速に値を崩しました。

今日は明日につながるよい話はなく、値上がり銘柄数は346、値下がりは785と内容は日経平均の下げ巾-105円以上に悪いものでした。

明日は自民党の総裁選ですが、小渕外相で決まれば、今日の悪い内容が一気に姿を現し、500円安もありえます。そうなれば、先の安値15804円を割り込むことになり、重要ポイントの7月1日の長大陽線(高値16362円・安値15739円)に迫ってきます。15739円はまず割り込むことはないと思いますが、16700円どころに大きなシコリが残ることになりますから、上昇第2段は相当先にずれ込むことになります。

今朝の読売新聞の調査では、自民党の支持率は過去最悪の20%、民主党は最高の18%。次回の衆院選で小選挙区で投票したい政党は、民主党が23%と21%の自民党を上回るという結果であったそうです。いまのままでは衆院でも自民党は大敗し、政権を失いそうな雲行きですが、自民党議員は明日どのような決断をするのでしょうか。

少し望みがあるのは、総裁選で2・3位が連合し、小泉首相・梶山蔵相となることですが、こうなれば、厚い壁である16700円〜17300円を突破する格好の原動力になります。


(98.7.24) 16361円 (+173) 4.0億株


自民党の総裁選は小渕外相で決まりました。411票中、小渕225票・梶山102票・小泉84票でした。1回目投票で過半数が取れるかとされていた小渕候補でしたが、態度を留保していた向きは、最後は強きにつこうという考えに傾いたようです。小泉票84は意外でした。三塚派の票しかなかったも同然です。

思い出せば、宮沢総理は最後の将軍と呼ばれ、自民党は政権を失いましたが、その後村山社会党と連立して復活。村山首相が住専問題で内閣を投げ出してからは、橋本首相となったのですが、やはり宮沢総理は最後の将軍ではなかったのか。

保守反動とはよく言ったもので、チャートでいえば、75日線をズバンと割り込んだのが宮沢内閣のときで、その後新進党政権時代が最大のマイナスカイリになりました。自民党が復活したかに見えた橋本内閣は反動高であって、75日線まで戻るか戻らないかの位置にあり、今度の小渕総裁で反動高は終ったという感じです。

自民党党首が誰になろうとも橋本内閣時代よりはましだ、という見切り発車で、株価は反発し、下落後の「つつみ足」になり、押し目は完了という感じですが、引け後の総裁選の小渕圧勝を見て、来週の市場はどう判断するのでしょうか。シャッポはだれでもよく、蔵相が問題ともいわれますが、橋本内閣を支えた幹事長・政調会長が責任をとるどころか入閣となれば、そうは期待をするわけにはいかないと思います。


(98.7.27) 15944円 (−417) 3.7億株


先週末の見切り発車は裏目にでました。小渕総裁の件は先週の下げで織り込んだとの市場の判断でしたが、まだ下げ足りないと今日の下げです。

今日の下げで、先週末の反発は下落の中間点であることを表しました。終値で高値であった7月17日の16731円から先週金曜日の16188円の下げ巾は543円でした。先週末の終値16361円から543円下げは15818円です。金曜日の16188円から543円下げは15645円です。15650円〜15800円は下値の目安の1つです。


次に先の安値15804円と重要ポイントの7月1日の長大陽線(高値16362円・安値15739円)がありますから、15800円どころは意識される水準です。これらのことを考えると小渕不人気での下げの値段はだいたいよいところまできたのではないかと思っています。

あと2〜3日下げれば9日順位相関も-80%以下になりますから、今週は15800円を大きく割り込むことはなく、2日〜3日は小幅続落か、上下動を繰り返して、7月30日の組閣を待つといった感じででしょう。


(98.7.28) 16114円 (+170) 3.4億株


誰が蔵相になるのかが市場の関心になっています。宮沢元総理が蔵相就任かの話で、株価は一時200円を超す上げになりましたが、たぶん宮沢蔵相とはならないのではないか。

組閣を控えて手がかりがなく、出来高は3.4億株では、今日の反発はあてになりません。

住友銀と大和証券が提携し、大和証券は持ち株会社に移行するの報道で、住友銀は1335円(+14)、大和証は613円(+27)と上昇しましたが、ともに売り物に押されダレてしまいました。

8月は2回目の所得税の特別減税の月です。一般には8月25日の給料日に、手取り金額が増えたなと実感することになります。2兆円特別減税や先の16兆円経済対策の話は、新首相や金融再生プランの話題で、今や影が薄くなっていますが、現下の景気にプラスになることは確実ですから、この先はそう悲観すべきではないと思っています。(銀行の中間決算という大問題もありますが、連結での不良資産の額がはっきりすれば、かえってすっきりするのではと、期待しています。)


(98.7.29) 16158円 (+48) 3.4億株


明日の組閣を前に、見送りとなりました。日経先物の出来高も18000枚と非常に薄くなりました。組閣を材料にするのであれば、すぐに売りヘッジするほどのことでもなく、買いの場合は、小渕内閣ができ、臨時国会の雲行きをみてからでも、十分に間に合う。ということでしょう。経済は待ったなしですが、政治が方向を変えるインパクトを与える雰囲気ではありません。

NYは-96$安(一時は-200$安)でしたが、日本には響きませんでした。日経平均の基調は強いと思ったほうが素直でしょう。

日経夕刊によれば、6月の在庫指数は5月に比べて3.1%低下し、これで2か月連続で在庫調整が進んだそうです。在庫調整は生産拡大の前の段階ですが、この2月をピークにして、明らかに在庫指数は低下傾向を見せています。ここへ昨日いった所得税減税で幾分か消費が伸び、暑い夏が家電の在庫を減らし、16兆円の経済対策の実効が出始めるとなると、そうも悲観することはないと思います。

5月20日に出した《カナル2》Ver3.0はお陰さまで好評でした。これに対応した《Qエンジン》Ver3.0を8月10日からリリースします。

近頃は年齢のせいか、複雑なものよりも端正なものが好みになってきています。今度の《Qエンジン》は、あと2〜3年は手を加えることはないと思うほどの機能を追加しましたが、元からある機能や追加した機能同士が互いにリンクし合って、融通無碍でありながらも、わかりやすいスッキリしたシステムになりました。


(98.7.30) 16201円 (+43) 3.6億株


小渕内閣の顔ぶれが決まりました。目玉は宮沢蔵相と堺屋経企庁長官ですが、大蔵政務次官に谷垣前科学技術庁長官、外務政務次官に町村前文相の元閣僚を持ってきたところが、小渕内閣の意気込みでしょう。

宮沢蔵相については市場は評価していませんが、橋本内閣が拓銀・山一破綻で当事者能力を失っているときに、公的資金を導入を進言して金融安定化の方向づけをし、このたびのブリッジバンクで金融再生の道筋を提示したわけですから、いまの自民党の人材ではベストといわねばなりません。

小渕・宮沢会談では、銀行はソフトランディングの方針であると報道されたため、銀行株は買い戻しで一時上昇しましたが、トレンドが変るほどの勢いはありませんでした。所詮は反動の戻りでしかありません。

日経平均は3連続陽線とはいえ、その動きは小幅であり、3日かかっても417円安の大陰線を上回ることができませんが、個別の銘柄のグラフはそう悪くはありません。HPで取り上げている銘柄では、@ビクターは25日線より上にあって上昇中、ANTTは上昇トレンドにあり、25日線まで押したものの切り返して新高値奪回の動き、Bソニーは上昇トレンドにあるが、今日25日線を割り込み当面は調整入り、C新日鉄も上昇トレンドにあるが、25日線を割り込んで75日線まで調整を続けそう、D住友鉱は75日線から反発するころ、といずれも株価は75日線より上位にあって、75日線は上昇しています。75日線を限度とする押し目買いです。

構造的によくない2業種ですが、E鹿島建は下降トレンドだが、75日線.25日線が十分に低下しており2番底を固める動き、F富士銀は下降トレンドで、つい最近に新安値をとったばかりなので、反動高しか期待できない。とこれはしかたがない動きですが、鹿島がどうやら2番底をだすような感じです。

いずれは、このような個別銘柄の派手ではないが着実な動きが日経平均にも反映されていくだろうと思います。


(98.7.31) 16378円 (+177) 3.8億株


小渕内閣が発足しました。宮沢蔵相は、「株式や為替は市場にまかせる」と発言しましたが、これでソフトランディングができるのか?やはり遅れてきたケインジアンと呼ばれるだけのことはあるようです。

一方、堺屋経企庁長官は今年度の政府見通しの経済成長率1.9%を下方修正する意向で、「うそをつかないことが行政のつとめだ」と新鮮でした。どうも堺屋長官と経済戦略会議に期待するしかなさそうです。

週刊誌をみていたら、小渕首相はクラシック音楽のグリーグのピアノ曲が好きだとか、ちょと見直しました。

出来高は3億台ながら、日経平均は4連続陽線となり、先の417円安の大陰線を上回りました。大陰線は、小渕総裁の決定を受けてのものでしたから、これまで不人気の小渕総裁でしたが、相場は思った以上に新内閣に期待をかけています。

このたよりない4連続陽線では1本の大陰線で帳消しになりかねません。来週初は安い感じですが、小幅下落でふんばって欲しいところです。ただし上昇トレンドにある個別株が押し目を完了し、再上昇に入ろうとしているものが多いので、小渕人気と同じく、じわじわと日経平均にもよい影響を与えるのではないかと思います。8月は結構強気になっています。


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