日経平均をどう見たか・判断したか (98年5月)

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(98.5.1) 15601円 (−40) 3.0億株


三井埠頭が不渡りの話で、信用リスクのあるフジタ・長谷工が出来高を膨らませましたが、そう大きな下げ幅にもなりませんでした。NYは+111ドル高の9063$と復活しましたが、強いドル弱い円がうきぼりになり、円相場は1円安の133円です。しかし、4連休を前にこれら材料の評価はなされず、総じて閑散でした。

日経平均は上から順に200日線・75日線・25日線・9日線・日々株価の位置関係にあり、最悪期ですが、底値は最悪期につけるのですから、底値らしい兆候を待っているところです。

図はTOPIXの月足ですが、92年安値から95年安値までは35か月かかりました。95年安値から35か月目は、この4月でした。日経平均では少し違っていて、92年安値から95年安値までは36か月です。この4月は34か月目ですから、あと2か月後の6月が36か月目にあたります。

月足で35〜36か月かかって安値を出したというのは景気循環のサイクルが35〜36か月であったということです。今回の景気のピークは昨年の5〜6月であったろうと言われていますが、株価的には景気のピークに先んずること1年前にピークを出していました。

今回の不況は今年一杯はどうやら立ち直れないようですが、景気のボトムより株価のボトムは先行することが多いのですから、そろそろ株価のボトムがつきそうな時期にやってきているのではないかと思っています。


(98.5.6) 15243円 (−357) 3.4億株


「恒久減税はない」とか「将来的に大手銀行が淘汰される可能性がある」とか、幹事長の米国での発言に、連休あけは大幅下げになりました。恒久減税で問題が解決するわけではないし、銀行が淘汰されるのは自然であり、特にいまさら悲観するような材料とも思えませんが、先物から値を崩し、前場は-470円安。後場一時は戻しかけましたが、結局は-357円安でした。

重要ポイントである1月16日の安値15193円は、大引けでは下回りませんでしたし、前日1月14日の高値15148円と1月16日の安値15193円との間に45円巾の窓があいていましたが、今日のザラバでこの窓を埋めました。値段的にはよいところまできました。

今日のザラバ安値からもう少し(250円位)戻って、タクリ足になっておれば、だいたい安値に届いたとしてもよかったのですが、戻りは鈍く、前場出来高の1.8億株に対し、後場は1.6億株と出来高は少なくなったため、下値を出した感触ではありません。しかしあと2日くらいで、逆張りの条件「日経平均用''96」は買いマークをだし、当面の底値になるのではないかと思っています。


(98.5.7) 15143円 (−100) 3.6億株


先物の出来高は30000枚と、今日も先物主導で下げました。先物は一時14970円と15000円を割り込みましたが、これを契機として下げが拡大とはならず、逆に180円ほど戻して15150円で引けました。現物の安値は15020円と15000円は維持しました。

今日で重要ポイントの15193円を引値で下回りました。1月〜2月の上昇過程で最も自信をもって買っていった水準が破られたのですから、心おだやかではありませんが、どうも先物の売りは無理があるような気がします。


4月一杯の下げで、業績の悪化はかなり織り込んでいるはずだし、インドネシアの暴動も、大きな悪材料であるのなら、今日の100円安ではすまないところです。

今は強気をいう者はなく、悲観人気が支配しています。事実買う材料はなにもありませんが、こういった総悲観での売り込みが、1月14日からの反騰の原動力になったことは忘れてはいけません。


(98.5.8) 15149円 (+5) 4.4億株


様子見気分が強く、110円巾のなかでの小動きでした。オプションSQでしたが、これに関係する出来高は1.3億株だそうですから、今日の出来高は実質3.1億株と薄くなりました。

ソニーの連結利益は前期比59%増の過去最高益でしたが、今期は減益になるとかで、株価は値下がりしました。一方川崎汽は15年ぶりに復配の予定とかで、株価は堅調。コマツは今期の連結益は好転の予想で大幅高になるなど、業績に応じた株価の変化がありました。なにもかもひっくるめて売られるということがなくなってきたのはよいことです。

日経平均のグラフは昨日の小幅な陰線に、さらに小幅な陽線がはらまれました。コツンという感じではありませんが、下げ渋っています。よい材料を探して買う動きがでてくればよいのですが。


(98.5.11) 15381円 (+232) 2.7億株


Dベンツはクライスラーと合併の発表をしたばかりであるのに、「日産ディへの資本参加」の報道がされました。日産ディは買い気配で始まり、50円ストップ高の210円でも値がつきません。ひさびさのM&Aの言葉がよみがえってきました。親会社の日産自も日産ディの再建に手を焼いていたようですが、 Dベンツにとっては日産ディは重要であるのでしょう。

日本では日産ディは160円の値打ちしかないと評価されていますが、今日のストップ高は実は日本人が思っているほど価値がないわけではないことを示しました。このため他の自動車関連株も大幅高となり、日産自が434円(+39)、三菱自が376円(+30)、マツダ390円(+20)、ダイハツ469円(+19)、富士重599円(+18)。

実は値打ちのある企業であるのに、株価が安いためにM&Aされるのでは、の思いを抱いた経営者も多いのではないでしょうか。企業が外資系になったからといって、消費者にとってはいまさら何の感想もありません。すでに外国資本が席巻している産業は多くあります。なにもかもが国産である必要はないのですが、外国資本がはいることがいやなら、経営者は株価を上げるよう努力をするほかはありません。

自社株の買い入れ償却はその第一歩です。自社株買いをしない企業は、経営に自信がないか、償却する力がないかで、衰退かM&Aかになるのでしょう。

日経平均はまだ25日線を上抜くまでには達していないし、出来高も2.7億と薄いので、チャートはまだまだよくなったとはいえませんが、よい材料には株価が反応するようになってきました。明日の日産ディがさらに気配を切り上げるようだと、日本株の見直しがでてくる期待も持てます。


(98.5.12) 15322円 (−59) 3.6億株


日産ディは今日も買い気配値をあげて290円の80円ストップ高です。出来高は比例配分して71万株できました。これによって下降していた75日線は急に上向き、株価は75日線のはるか上に位置すると同時に200日線も大きく上回りました。昨年の5月には450円〜490円していたのですが、当面の目標値は360円。これをクリアすれば480円が、過去のチャート上のフシです。

日産自も1910万株の大出来高で、23円高の457円になりました。これまで連結益がどうの、ROEがこうのと、経営指標ではまだまだ日本株は割高に見え、株価は下げにさげてきました。ところがこのたびの日産ディのM&Aの話は、いまの経営では営々と蓄積してきた技術力をなかなか生かせなかったのに、経営主体が変われば、日本の技術力は実に価値があることを示しました。現在のPERやROEでは測れない技術力にスポットライトが当たり始めたわけです。

自社株買いを発表した三菱マテリアルと資生堂は大幅高をするなど、M&Aと自社株買いが目下の材料ですが、株価が下がれば下がるほどこの2つの動きはいよいよ本格化し、株価の大反騰につながることになるのでしょう。


(98.5.13) 15343円 (+21) 3.8億株



日産ディは295円で寄り付いた後は、大量の出来高となりましたが、260円まで下落。昨年末には125円、今年4月は145円であっただけに、売り物がどっと出てきたのですが、これからが日産ディの評価がなされます。株主資本が627億円、1株純資産が265円の企業です。日産が持つ9400万株(39%)のうち8000万株を300円で買収しても、240億円です。400円で買収しても320億円です。

日産自の年間の設備投資額は1100億円、トヨタは3200億円です。200億や300億円で生産設備・生産技術・販売拠点が支配できるのなら安いものです。

日経夕刊では興銀と野村証が部分的に提携し、将来は全面提携になる可能性もあると報じました。 野村や興銀ですら、耐え忍んで嵐が過ぎるのを待っていては死に絶えてしまうと判断し、どうすれば勝てるか、負けないかを考えています。そして株価はこれを評価してきています。株式はなにもかもがダメなわけではありません。全体の9割の株は下がっても1割の株は上がります。

グラフは底値圏で陽線を3本だしましたが、これが5本6本に固まってくれば、先行きは明るくなります。なお昨年12月29日のザラバ安値14488円から、PKOによってつけた3月9日のザラバ高値17352円までの上昇の日柄は46日間でしたが、この高値からの下げの日数は今日で45日目であり、明日は上昇日数分だけ下落した日になります。


(98.5.14) 15307円 (−36) 3.7億株


日産ディは昨日は大陰線で263円引けでしたが、今日は273円と高寄りし、出来高を伴って(1397万株)322円まで上昇し、引けは310円。市場は日産ディの値打ちはどれほどなのかを探っています。昨日の売りは290円の値打ちはないと思い、今日は320円以上の値打ちはあると判断していますが、これが500円にでもなれば、日本の企業は見捨てたものではない、と自信回復につながります。それだけに300円や400円程度の捨て値で買収されたくなく、応援しています。

1か月前の4月14日と15日に、株価が60月平均線を超えている銘柄について書きましたが、やはり株価が上昇する銘柄は、この中からしかでないようです。60月線を超えているのは、全体の約1割の123銘柄ですが、伸びる1割、沈む9割です。


(98.5.15) 15242円 (−64) 4.0億株


円が134円台にはいったことやインドネシアの暴動・商社の格付けの引き下げなどで、引け前には下げました。値動き巾が200円に満たない日が、今日で4日連続しています。

値動きが小さくなると、とたんに株式欄から遠ざかることになりがちですが、ここは注目する銘柄を決める時期です。

例えば「市場が注目している銘柄」で取り上げている住友鉱は、いつ再騰するかをジッと見つめているベテランの方も多いでしょう。

動かないようでも、ここ半年の新高値をだしている銘柄はけっこうあります。図は最近10日間のうちに半年ぶりの新高値を出した銘柄のリストです。

住友鉱はまだ新高値銘柄ではありません。(600円をつけると新高値銘柄になります。)

これら銘柄がいつ前の波動のピークを超えてきたのか、今後どのような押しをいれるのか、あるいは大下げしてピークを出すのか、この土曜日・日曜日はグラフを見て検討されてはどうでしょうか。

検索の条件表はきわめて簡単です。

No.2行に、株価の125日最大日数を設定すれば、125日間のうちで最高値をとった日から、現在が何日目であるかを計算します。

今日が高値の日なら0、高値から10日目なら9なので、買い条件には0以上 9以下と設定します。(買い条件を0以上 20以下とすれば、押し目を作ったタイミングのよい銘柄も含まれるでしょう。)


(98.5.18) 15384円 (+141) 3.2億株


サミットはなにもなかったので、寄り付きから安くなり、一時15069円と下げました。円も135円台に入っていましたが、後場の引け前には急反発となり、安値から+300円上げた15384円で引けました。現物の出来高は3.2億株と薄いのですが、先物が48000枚も出来ているのは何があったのでしょうか。日産ディに端を発したM&Aですが、今日はマツダ株をフォードが買い増しの話で、マツダは30円高の433円です。

忙しくて見落としていましたが、相場の現況は、すでにモデル波動のA点あたりにあります。「波動のモデル」をご覧下さい。下げ波動の最終局面にあると思われますから、ここからの下げがあってもそれは底を取りにいくわけですから、悲観することはありません。



日産ディは小安くなりましたが、まだまだこれから評価が決まるところです。

買収ということになると、株価チャートを見ていてもあまり役にたちません。株券が欲しければ、値段はかまわず、ということもあります。かといって過去の値段がまったく参考にならないわけではありません。

日産ディは昨年12月に125円の安値をつけましたが、これが最低の評価です。ここから今年3月に250円になりましたが、M&Aの話がでる前の、日産ディ株を「受益証券」として評価した最大の評価です。M&Aが出てきたからには、日産ディ株を「支配証券」として評価せねばなりません。当然に250円よりは高く評価されます。

なんであれ、どうしても欲しいと思うものは、時価の20%や30%は高くなるもので、50%高になることもオークションではよくあることです。最後の必要な株数を手にいれるためには、100%増しになることもありえます。したがって日産ディの株価は250円を基準にして、20%増しなら300円、30%増しなら325円、50%増しなら375円、100%増しなら500円、と目安をつけておきましょう。


(98.5.19) 15551円 (+167) 3.4億株



インドネシア問題から円が136円台になり、日経先物は小甘くなっていましたが、現物はなかなかしぶとく、逆サヤで推移していました。後場2時ころから、先物が急に買われ、ザラバ安値15280円から410円上昇した15690円まであって、先物の引けは15660円。現物も裁定買いによって、上昇しましたが、時間が足らずに15551円引けと100円の順サヤで終りました。

昨日のタクリの陽線に続く連続陽線となって、GW明けの400円巾陰線の高値を上回りました。目先は上昇トレンドに入ったようです。ついで、現在の25日平均線は15655円ですが、これを上回れば、5月前半で底値が固まったと見てよいでしょう。

次のメドは4月24日に25日線まで戻して頭打ちした16200円。その次は4月以来の下げ波動の中で、最大の陰線であった4月16日の重要ポイント(高値16416円・安値15875円)の16416円ですが、これを上抜けば中勢の上昇トレンド入りです。しかしながら現在の75日線が16356円であるので、戻っても当面は75日線で頭を押さえられ、すぐに重要ポイントを奪回することは難しいようです。75日線まで戻るかどうかが焦点です。

発送株数が2億8000万株のカシオが7250万株の自社株買いを発表し、10%高の1305円と急伸しました。つれてキリンは9日連続陽線の新高値を更新。新日鉄も75日線を上抜いて再上昇の体勢になり、住友鉱はついに高値保合いを上っ放れて34円高の605円になるなど、いよいよ自社株買いは今年の大きな買い材料になってきました。ここへM&Aが加わるわけです。しだいに弱気は苦しくなります。


(98.5.20) 15652円 (+101) 4.3億株


円は136円50銭をつけました。ひところは円と株式は完全なリンクをしていましたが、最近は6年ぶりの円安水準であるのに、株式は下がりません。円安→日本のファンダメンタルズの悪化→株安は基本ではあるでしょうが、すべての企業がおしなべて悪くなるのではない、ということがわかってきたからです。どんな逆境下にあっても伸びる企業はあるのであり、伸びる企業に投資すればよいのだと、当たり前の理屈が通用するようになってきました。

世界第1位の鉄鋼メーカーの新日鉄が、世界第2位の韓国浦項製鉄と資本提携か、の話がでて、昨日株価は75日線を超え、今日は10円高と大幅続伸しました。出来高も3300万株の大商いです。一時はウオンの大幅下落で、新日鉄の価格競争力が低下するとされましたが、逆に資本提携でプライスリーダーの位置を不動のものにしようとしています。250円を超えてくれば、市況産業株にもよい影響を与えます。

日経平均は3連続陽線となりました。25日線をわずかに上抜きましたから、15000円台は固まったようです。当面は25日線へ戻った目標達成感(低い目標ですが)がでて、2〜3日は押され気味になるかもしれませんが、この3連続陽線をだいじに守っていれば、次は16200円です。TOPIXは今日で6連続陽線となりました。これは昨年4月の1311から6月の1579へと270ポイント(上昇率20%)ほど駆け上がったとき以来のことですから、馬鹿にしているととんでもないことになります。


(98.5.21) 15845円 (+192) 4.6億株


昨日は25日線を奪回したので、あるいは目先の目標達成感がでるかと思っていましたが、スハルト大統領が辞任の報道で、さらに上伸しました。出来高も増加して4.6億株です。

日経平均は4連続陽線、TOPIXは7連続陽線となり、当面は16000を超え、16200円に達するかですが、最も重要な値段は4月14日の重要ポイント(高値16416円・安値15875円)の16416円です。ついで4月9日のザラバ高値16623円(終値16536円)です。重要ポイントを上抜かない限り、まだ先の安値15020円は盤石な底値とはいえません。

デンドラでみる日経平均の波動では、4月9日の終値16536円を上まわれば、相当に楽観できるのですが、しかし5月初旬の総弱気のなかから、株価は立ち上がってきたのですから、当面はよしとせねばなりません。


(98.5.22) 15801円 (−43) 4.0億株



400社の決算発表があったとか。日経平均は、小動きになりましたが、安値から12日目が経過し、9日順位相関も+80を超えてきたところですから、来週2日程度の押しはあって当然です。ただ25日線をクリアしているだけに、押せば買われるということになりそうです。

外国人は5月2週まで、10週連続の売り越しであったようですが、今週は買い越しになっているでしょう。年金資金が6兆円、自社株買いで3兆円の買い需要があるそうですから、いくら外国人でもこれに売り向かうことはできません。


(98.5.25) 15783円 (−18) 2.9億株



円はとうとう137円13銭と91年以来の円安です。その割には株価は下げません。銀行・商社は為替とともに下げましたが、銀行ばかりが株式ではありません。この会社の株をもっていれば安定的に報われるという銘柄は下がりません。ひところの円安=日本売りではなく、円安であっても強い企業は買うという判断がでてきています。

普通なら、これほどの円安になれば、新日鉄もリンクして下がるはずですが、今日は1600万株を集めて4円高となったのは、外国人も新日鉄は売れないと判断したのでしょう。ひとくくりでは売らず、選別して売っています。

HP「今市場が注目している銘柄」においても、住友鉱は600円台へ伸びて高値もみにあり、新日鉄も先の高値251円を覗う動きです。富士通は9日線を下限として押しをいれることなく上昇中です。

長く75日線をはさんで保合っていたソニーも、8連続陽線(1日は同事足)をつけて、完全に75日線に乗ってきました。NTTはソニーよりやや遅れた動きですが、75日線を数日間上回れば、新高値に挑戦の動きとなるでしょう。

いけないのは規制に守られてきた鹿島建と富士銀ですが、しだいに市場から見放されることになるのでしょう。これらの業種・銘柄の投資基準は利回り採算しかありません。いずれ東京電力よりやや低い利回りになる株価水準へ落ち着くことになるのではないかと思っています。


(98.5.26) 15884円 (+101) 2.7億株


円はさらに安くなり137円45銭。大手18銀行は前期で10兆円の償却をしましたが、SEC基準による不良債権額はなお21.7兆円あると報道されました。しかし相場には響きません。すでに銀行の問題(国内の不良債権とアジア向けの新たな不良債権)は当座の相場には折り込みずみのようです。というよりも、相場は銀行および銀行によって運命が左右される企業はほっておいて、独力でなんとかしようという企業をしか相手にしなくなってきました。

東京三菱のSEC基準の不良債権は2.2兆円で、従来基準の1.3兆円より60%増加しました。これまで東京三菱は不良債権の引当て率は114.2%と十分であるとされていましたが、今回のSEC基準では一気に70.5%に低下し、住友銀・第一勧銀・さくら銀より劣ることになりました。基準次第でごろっと変わるところが銀行の恐いところです。

としても銀行はすごい(というか優遇されている)と思うのは、東京三菱の前期の業務純益は3400億円あり、SEC基準の2.2兆円の不良債権の償却に業務純益だけをあてても、6年〜7年ですんでしまいます。富士銀は5年ほど、三和銀なら3年もかかりません。財テク失敗で1000億の赤字を出したヤクルトの最近5年間の平均的な経常利益が130億程度ですから、ヤクルトは8年かかります。これほど巨額の不良債権があっても3年〜6年でけりがつくのですから、なにぶんメーカーとは一桁違います。

ただ今の業務純益は、なお保護された状況のもとで出したもので、同様の水準の利益がこの先確保できるとも思われません。しだいにメーカー並みに評価され、株価はそれに応じて長期低落を続けると思います。


(98.5.27) 15664円 (−220) 3.2億株


NYは休みあけに150$安の8963$。韓国のストなど海外情勢を気にして、先物から売り先行となりました。ただ先物の出来高は26000枚と大きく膨らんだわけではなく、この下げは16000円まで回復した後の調整と考えるほうがよいと思います。

株価は一時−330円安となっていました。不安心理から売ったのであれば、株価は戻ることなく安値引けになったでしょう。ザラバ−330円安の株価はちょうど25日平均線の水準であり、ここへ達したあと引けにかけて戻ったのは、今日の下げは自律的な動き(押し)であるとしてよいでしょう。TOPIXも同様の動きで、25日線まで下げた後は戻り、タクリ足になりました。今日の下げを見て、かさにかかって売ってくることにはならないでしょう。

いまは、さしてよい材料はありませんから将来を暗く予想してしまいます。円が138円になると、この先150円になるかもと、この傾向を延長してしまします。今日の日経朝刊で米国の98年の経常赤字は2000億〜2400億$。99年は3000億$の予想もでていました。経常赤字を拡大しながらドルが高くなり続けると考えるのも変な話です。


(98.5.28) 15796円 (+132) 3.1億株



NYは一時-175$安になり、8800$を割りましたが、引け1時間前から急速に戻り足になって、結局は-27$安の8937$でした。シカゴのGlobexが暴落状況であっただけに、どうなるかと心配されましたが、結果は下値の固さを証明しただけでした。

円相場が137円台前半に落ち着いてきたことから、日経平均もおおむね高く、一時は227円高。引けは+132円高でした。昨日の220円安で調整は終ったようです。ここから先のザラバ高値15972円を上抜いて16000円台に上昇の構えです。出来高4億株で16200円を上抜けば、16500円も期待できます。値段はゆっくりの上昇でよく、欲しいのは出来高です。

石川製作は1052万株の出来高第一位となりました。3月のザラバ高値305円をつける近辺の最高出来高は370万株程度でしたから、今日の出来高は異常な出来高です。12月にはザラバ安値49円の株価でしたから、ひさびさの大仕手株の登場です。むろん多くの投資家にとっては縁がありませんが、このように株価が5倍10倍になる銘柄がでてくれば、個人投資家も株式市場に目を向けるようになります。

もうひとつ。売り上げ高が米国ダウ・ケミカルの20分の1しかない日本ゼオンが、合成ゴム分野で提携すると報道されました。ゼオンが技術を供与し、ダウ・ケミカルが生産するというのですから、日本の技術力の高さがあらためて評価され、ゼオンは33円高の379円。日本に対する総悲観の反省が、次々に出てきています。いまさら弱気をいってもしょうがなく、短所を見て悲観するよりも長所を見つけようというのが市場の空気です。


(98.5.29) 15670円 (−125) 3.4億株


パキスタンが核実験をしたとの報道で、有事のドル買いとなりました。ここへ4月の失業率が最悪の4.1%、男性は米国の4.0%を上回る4.2%の統計が発表されたため、午前中に円は139円20銭と前日比2円近くも安くなりました。これを受けて株価は下落。ただ先物の出来高は20000枚と薄く、売り崩そうという動きではありません。

株価はザラバ安値で-191円安がありましたが、結局は-125円安です。値上がり銘柄数は545銘柄に対して値下がりは504銘柄で、単純平均は+1.40円の上昇でした。今週は首相の銀行は淘汰されるの発言・NYの瞬間の大下げ・円相場の安値更新と、これまでであれば、この1つで500円や600円下げてもおかしくない材料にも反応しませんでした。

4月の失業率が最悪となったのは予想されていたことです。今日財政改革法の改正や減税関連法案が、参院で可決し、これからようやくにして16兆円が動いてくるのですから、7月8月までは悪い統計数値がでるのはしかたありません。遅れて出てくるいちいちの統計数値に驚くことはありません。

今日の下げがずるずる拡大しなかったのは、売っても取れない、売建て玉は処分しなければ、と弱気の向きに動揺を与えたのではないかと思います。


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