日経平均をどう見たか・判断したか (98年2月)

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(98.2.2) 16776円 (+148) 4.5億株


先週末に、自民党内から「98年度の予算が国会を通過したら、直ちに6兆円規模も補正予算を組むべきだ」の声があがりました。最近は、日曜のフジテレビ「報道2001」は欠かさず見るようにしていますが、加藤幹事長もリチャード・クーさんに対して、「あなたが8月以来言ってきたことは間違いではなかった。政府は判断が遅れてしまった。」と発言していましたが、照れるクー氏、元気のない幹事長が印象的でした。過ちを認めた政府(執行部)は株価を上げるためには何でもやります。

今日の出来高上位10社のほとんどはマイナスで、上昇したのはNECだけでした。全般は見送り気味での調整です。このたびの株価反騰で、多くの銘柄は75日線を瞬間上抜き、そこから反落をしていますが、75日線まで達したことは、流れが変わったものと思ってよく、この反落の第一のメドは75日線より下位にある25日線になります。HPの「今、市場が注目している銘柄」では、富士銀・新日鉄が75日線と25日線との中間にあり、鹿島建が75日線上にあります。大反発した銘柄の反落はあと少しで押し目のメドに近づきます。 日経平均の新値10本足は、現在は陰線12本目ですが、10月23日の17151円を終値で上抜けば陽転します。あと380円ほど。


(98.2.3) 17022円 (+246) 4.6億株


昨日のアジア株高をうけて、アジアの通貨・金融不安はこれ以上は悪化しないだろうの予想で、NYは201$高の8107$と2か月ぶりに8000ドル台を回復しました。S&Pは新高値です。日経平均先物も買い気配で始まりましたが、先物の売りは多いらしく、上伸は押さえられました。

6兆円の補正予算の件も、株価を引っ張るほどの材料視はされていませんが、いったんタガが外れれば、10兆円規模の金融システム対策をいつのまにか30兆円に膨らませた政府ですから、6兆円で不足なら10兆円へも15兆円にも増額することや、公共投資を増加させることには抵抗がないでしょう。

25日騰落レシオが140を超えて、過熱圏にはいっているそうですが、14488円からの反発は政府があいついで打ち出した金融対策によるもので、相場が自律的に反発したのではありません。同様に、ここからの強弱を決める大きな要因は政府の景気対策であり、市場の過熱感とかは小さな要因でしょう。先の高値17352円を超えてくれば、まだ持ちこたえている売り方は、総踏み上げになります。


(98.2.4) 16882円 (−140) 3.9億株


NYは521$高の8160$と続伸。S&Pは新高値を更新。円相場は125円台。経営を不安視されていた東邦生命は米国GEキャピタル社の傘下入り。など外部環境はよいことばかりですが、日経平均は売り物がちでの小動きでした。

心配する向きは、大蔵汚職と銀行の贈賄が、金融システム安定化法の成立をずらし、景気対策もまたずれるのではないか、の考えです。一方補正予算は10兆円規模にすべきだの声も自民党内から上がり、下手に売り込んでは、景気対策の追加で逆転される懸念もあって、結局は様子見になっています。

1月13日の十字足(安値14546円)から9日奔騰して1月26日には高値17352円をつけましたが、この日から今日で8日目です。明日・明後日あたりから動いてもよいところです。先日、当面の調整は1/3押しなら16450円、半値押しなら16000円がメドといいました。いかにも目先は弱そうな気分がでていますが、この高値圏での動きは1/3押しの16450円にさえ届いていません。調整が1/2押しであっても相場は強く、調整が1/3押しで終るのなら、相場は非常に強いと思わなければなりません。


(98.2.5) 167003円 (+120) 5.0億株


海外市場が小反落したため、日経平均は朝方は安く210円安がありましたが、しだいにジリ高となってプラスで終りました。先物の出来高も少なく、あいかわらず方向感がない小動きです。

住友銀が海外で10億$程度の優先株を発行するそうですが、この金利が10%というのは驚きます。優先株を発行し、既存の株主の株式価値を低めた上、10%の金利のかかる資金を12%、13%に回せるのか?と思うと、これは好い材料とは考えにくいのですが、今日の株価は40円高の1540円です。市場は歓迎したようですが、なぜだかよくわかりません。

円相場は123円台に入ってきました。この1か月で10円の円高です。以前にも述べましたが、今の円は日本のファンダメンタルの強弱を表しており、円相場と日経平均は見事に連動しています。円相場をみていると、国内では、どうなるか不安視されている景気対策ですが、海外では大丈夫という判断です。

日経平均が戻り高値をとった1月26日の円は125円台でしたが、今日は123円台と円は高値を更新しています。日経平均もこれに連動して、いずれは高値更新となるのでしょう。


(98.2.6) 17040円 (+36) 6.1億株


午前中は先物は安いが現物は高いという逆サヤで推移していましたが、後場に入っては先物がリードする展開になりました。鉄鋼・建設の内需株買いの国際優良株売りの流れは変わっていません。

いまの焦点は20日のG7までにどのような景気対策が打ち出されるのかですが、自社株消却や不動産の再評価はより重要です。戦後50年以上企業は量的拡大を目指し、資本金も水脹れになりましたが、いまや効率性が求められる時代になっており、50年ぶりの方向転換が自社株消却です。

また資産の再評価は戦後すぐにあったきりで、この50年間企業で多大な含みをかかえた貸借対照表を見ても、企業の資産状態はわかりかねるようになっています。どちらも50年ぶりのことで、われわれ世代はもう2度とお目にかかることができないことが起ころうとしています。

外国人の1月の日本株買いは10年ぶりに28億株となったそうです。ただし低位株の買いが多く、買い付け代金は2兆6千億で、97年5月の3兆7千億には届いていません。一方で値嵩株は売ったようで、買い越し金額は3486億円にとどまりましたが、これは5か月ぶりの買い越しです。日本株への回帰が始まりました。

昨年、株価の下落が始まるとともに、金融部門は買い越しに転じましたが、この多くは公的年金資金の買いで、7月〜12月にかけて3兆円を買い越しました。12月あたりにはもう買う資金が乏しいのではないかと思われましたが、この1月は1274億円を売り越し、現金を回収したので、3月に再び買い越す余裕ができたようです。


(98.2.9) 17205円 (+164) 5.8億株


NYは8月高値8259$(ザラバ高値は8299$)にあと70$と迫る上昇をみせました。大蔵汚職で成立が危ぶまれた金融システム安定化関連法案が衆議院を通過し、日本の金融不安は最悪期を脱したの判断で、寄り付きは高く始まりました。先物は高く寄ったあと、下げ歩調になっていましたが、銀行株や新日鉄が上伸し、逆サヤのまま現物が先物を引きあげるという最近のパターンでした。現物主導であることが相場の力強さを感じさせます。

日経平均はとうとう終値で17151円を上抜き、10本新値足が陽転しました。陽転するとどのようなことが期待できるかというと、例えば92年8月18日の安値(終値)14310円をボトムとして、8月21日に16220円をつけて10本新値足は陽転しましたが、陽転したのはボトムから約2000円上昇してからでした。この後9月10日の18910円まで快調に新値本数を積み上げ、9本目で当面のピークを出しています。陽転してから、さらに1700円の上昇がありました。

この後は長期間の反落をしましたが、新値10本足は陰転することなく、再び上昇に入り、1年後の93年9月3日に高値21120円へ達しました。新値で20本目、16220円で陽転してから4900円の上昇があったわけです。

いよいよ当面の目標である19000円〜20000円手前の水準へ上昇する態勢がととのいました。不動産の再評価の徹底と自社株消却の規模によっては昨年6月の20900円を抜くことも考えられます。


(98.2.10) 17205円 (+0) 8.0億株


日経朝刊は「公的資金、土地にも」の見出しで、第4次景気対策について報道をしました。にわかには信じられないことですが、土地流動化のために、@土地買い上げの機関を創設し、A公的資金を使って、B金融機関が保有する担保不動産を買い上げる、Cまた不動産を証券化した商品を購入する、という構想だということです。金融システム安定化のための30兆円につづく公的資金の導入ですが、銀行が抱える100兆円の不良債権の20%が担保の時価とするなら、20兆円は必要です。簡単に国民のコンセンサスが得られるものかどうかわかりませんが、いまの自民党執行部なら本気かも、と思ったりします。今の日本のシュリンクの最大の原因は不動産です。ようやく根本の病巣をなんとかしようという方向に動きだしました。

土地へ公的資金を導入することになれば、日経平均で2000円や3000円高のインパクトがあると思いが、今日の市場は「本当か?」と疑心暗鬼です。不動産・銀行・建設株が上昇しましたが、それほど熱狂的な上げではありませんでした。

25日騰落レシオが160%にあり、高値の警戒感があります。95年の14295円から始まる上昇相場のグラフを掲げます。現在の株価と同じような位置だと思われるところに○印をつけました。

今日、日経平均の25日線と75日線はゴールデンクロスをしましたが、図の○印でもクロスしています。また日経平均は75日線を一気に上抜いた後、今日で12日間の高値保合いをしていますが、これも○印と同じです。25日騰落レシオは160%になりましたが、図でも150%以上をつけています。(ここから100%へ落ち着いた後に再騰しています。)


(98.2.12) 17174円 (−30) 7.3億株


10日のNYは8月6日の高値8259$を上抜き、8295$の史上最高値になりました。11日も続伸し8314$と8300$台乗せです。日経平均はかなり上昇するかと思っていましたが、小幅高で寄り付いたあとは安くなり、前場は−49円安、大引けも−30円安でした。値上がり銘柄数は703銘柄、値下がりは472銘柄。出来高も7.3億株と出来ていますが、今日も低位株に商いは集中し、200円台の鉄鋼株(新日鉄・NKK・川鉄)・100円台の建設株(青木建・フジタ・熊谷組)が少々値上がりしても日経平均にはあまり影響を与えません。

いまの株価の値持ちは、低位売り込み株の取り組み妙味によるものが最大の原因です。例えばフジタは、8月第3週(90円)の売残は1171万株・買残は1308万株でしたが、12月第3週(55円)には売残は2214万株・買い残は2134万株へ倍増しました。1月第4週(123円)になっても売残は2504万株・買い残は2470万株と取り組みは厚くなるばかりです。8月から12月にかけて積み上がった売り方は株価が2倍から3倍になってもなお粘っている状況です。いずれは踏み上げとなるのでしょう。このような銘柄は多くあり、日経平均を支える大きな要因になっています。


(98.2.13) 16791円 (−383) 6.4億株


NYは3日連続して高値を更新し8369$となりました。日本はオプションのSQでしたが、小幅安で寄り付き、次第に下落巾を拡大。前場は−326円安でしたが、後場寄りすぐに−463円安があって、−383円と最近では大幅な下落でした。

金融安定化関連2法案は月曜日16日に成立の予定。土地流動化のために郵便貯金や簡易保険の運用資金を使って、担保不動産の証券化商品を購入する方針。など金融機関の保護についてはどんどんものごとが決まっていきます。土地流動化のためにいくら公的資金を使うのかは、大きな材料になると思いますが、そのほかの金融関連の対策は相場に折り込みずみです。

いま市場が注目しているのは補正予算の成立時期とその規模です。自民党内での声は6兆円・10兆円と金額はしだいに大きくなっていきますが、どうも4月の成立は難しく、夏以降にずれ込むのではないかの観測で、やや失望感がでたようです。しかし株安が、政府に12月以来政策を次々に打ち出させたように、失望感が相場を下落させるのであれば、10兆15兆の補正を打ち出すことは十分に考えられます。いくら弱気であっても、ここからさらに売り崩すことには躊躇するでしょう。

何度かいいましたが、チャートからの調整は1/3押しなら16450円、半値押しなら16000円がメドです。今日の下げでは1/3押しの16450円にさえ届いていません。調整が1/2押しであっても相場は強く、調整が1/3押しで終るのなら、相場は非常に強いと思わなければなりません。


(98.2.16) 16775円 (−15) 3.7億株


NYは4日連騰の8370$の新高値ですが、日本には響きません。小巾安で寄り付き、-200円安がありましたが、ソニー・本田の国際優良株の上昇によって戻り足となり、−15円安のタクリ足になりました。上昇銘柄は292銘柄、下落は885銘柄と内容は弱いものでした。鉄鋼・建設の内需株は下落しましたが、引けにかけては陽線となるものが多く、押しのめどを探るような動きになりました。しかし出来高は細っており、なお2〜3日は調整のようです。

金融安定化関連2法案が成立し、緊急の法案を通した首相は施政方針演説をしました。すでに昨年12月に財政再建から景気対策への転換をしていましたが、今回「弾力的な景気対策」を強調し、これを認めました。一方山崎政調会長は、「この3月期末の株価は昨年3月末の18003円を超えるように英知を絞りたい。」「節分天井の彼岸底とならないよう、このジンクスを必ず破る」(日経朝刊)と発言し、株価の引き上げに懸命です。NHKは加藤幹事長が「公的資金で株価の買い入れも」と発言したと報じましたが、今日は話題にならなかったのは、まだ思い付きの段階なのでしょうか。思い付きが今回の金融2法になり、土地の再評価になるわけですから思い付きだからといって軽視できません。40年不況の協同証券・保有組合を思っているのでしょうか。ともかく、まだ出せる奥の手があることがわかりました。


(98.2.17) 16790円 (+15) 3.4億株

,br> 2月16日はワシントンの生誕の日でNYは休み。昨日と同じように、小安く寄り付いた後、-187円まで下げたものの大引け前に戻し、+15円高でした。引け前の戻りは先物が先導していましたから、公的資金の買い支えのようでした。ソニーの100円高とキャノンの50円高で、ちょうど日経平均の+15円高です。日経平均はプラスでしたが、単純平均・TOPIXは小安く、出来高は薄く、材料待ちです。

その材料ですが、98年度予算は4月中旬にしか成立しない見込みだそうです。となると昨日の山崎政調会長ではないですが、どうやって3月末まで株価を維持させるのか。2月の減税の効果を見てから手を打っていては遅すぎますから、今月のうちにも市場が明るくなるような材料を出さねばなりません。15兆円の補正予算を打ち出すとか。自社株買いを経団連で申し合わせるとか、上場企業は全社土地の再評価をするとか、20〜30兆円規模で担保不動産の買い取りをするとか。奥の手の公的資金で株式を買い取る機構をつくるとか。なんらかの対策がでるのでは。

いまのチャート上のフシを整理しておきます。14488円からの上昇の間の最大の陽線はA1月16日の869円巾の大陽線(高値16062・安値15193円)ですから、これは文句なしの重要ポイントです。この大陽線は、@東食が倒産した12月9日の大陰線(高値16104円・安値15170円)とまったく対峙するもので、@Aは合わせて「やぐら」と呼ばれる底打ちの足型ですから、重要ポイントの15193円までの下落は考えられません。上昇過程で次に大きな陽線は、B1月23日の397円巾の陽線(高値16797円・安値16402円)で、これが当面の重要ポイントです。これは1/3押しの16450円と同じ水準であり、相当に下値の抵抗をする水準であると思っています。


(98.2.18) 16613円 (−176) 4.1億株


NYは5連騰で新高値の8398$。円は126円台。三菱重工が4年ぶりの減収減益の下方修正を発表したため、日経平均は前場は小幅高がありましたが、実態悪に次第に目が向いて下落しました。出来高1位は三菱重工の2600万株(-38円安の488円)、2位は新日鉄の2000万株(-8円安の212円)と売られました。単純平均は624円(-1円)、TOPIXは1260円(-10)と全部の指数がマイナスでした。

とはいえ先物の出来高も少なく、ここから売り込もうという勢力はありません。12月の個人消費支出がオイルショック以来の−5%減になったことは、やってきた経済政策が大失敗であったことの証明であり、このことを現政府は十分に認識しています。東洋経済やダイヤモンド誌を読むと、最近必ずでてくる言葉が「なんでもありの政府」です。「なんでもあり」は今や橋本政権の枕詞になっており、政策の整合性もなんのその、銀行保護=株価を維持するために何をしでかすかもわからない、の思いがあるので、積極的に売るわけにはいきません。

それにしても銀行の株価水準は高すぎます。いまは銀行株の買い戻しと期末株価の維持のためにある程度の値がついていますが、時間がたつにつれて銀行株は電力株と同じように配当利回りでしか買えなくなるのではないかと思っています。日経朝刊で、三菱重工の減益発表の記事の横に、同社の運転資金を銀行が貸すことが出来ないため、1000億の社債を発行するという記事がありましたが、資金を貸せない銀行は存在意義がありません。中小企業は中小企業金融公庫や国民金融公庫が借り入れの主力になっており、今度景気がよくなっても銀行とはつき合わないぞと思っていることでしょう。個人が銀行に預金口座を持つ多くの理由は、銀行の決済機能(振り込み・引き落とし)があるからですが、電子マネーが普及すれば、個人を引き止めておく魅力はなくなります。利ざやでしか稼げない銀行は衰退するだけです。成長しない業種の投資の判断は配当利回りしかありません。


(98.2.19) 16616円 (+2) 4.2億株


アジアの経済混乱の影響は米国にとっては軽微であるとして、NYは6連騰で新高値の8451$です。日経平均は昨日と同じ水準で寄り付きましたが、先物が買われ、一時252円高となりました。しかし後場に入っては、明日の自民党の経済対策は新規のものはないの予想で売り物がまさり、前場の上げ幅は帳消しになりました。

明日決定する追加景気対策の目玉の1つの「自社株買い」は、これまで報道されたものと変わりはないのですが、2000年3月31日までの時限立法ですから、この2年間に各企業がどれだけ真剣に株式を消却するかです。特例で、法施行後最初の株主総会までは、取締役会の決議だけでできますから、企業のやる気だけの問題です。ここそこで消却を決定する動きがでれば、いまはたいして評価していませんが、向こう2年間の強材料です。

もう1つの目玉の「土地再評価」ですが、目的が金融機関のバランスシートの改善ですから、相場全体にはインパクトがありません。してもよいしなくてもよいというのでなく、すべての上場企業が再評価するのであれば、大きな材料になったでしょうに、惜しいことです。

3つ目の目玉になるはずの、10日ほど前に報道された「公的資金を使って土地や証券化した商品を購入する」という案はどうなったのでしょうか。明日の景気対策には入らないのでしょうか。株価をみながら決めるのでしょうか。「自社株買い」と中途半端な「土地再評価」では3月末の株価はもたないと思いますが。


(98.2.20) 16756円 (+139) 4.2億株


NYはさすがに6連騰の後は一服となり、75$安の8451$です。日経平均はやや安く、ザラバ安値16501円がありましたが、大引け前に、先物に公的資金とみられる買いものが断続的に入ったとかで、16799円まで約300円の急上昇をみせましたが、少し売り戻されて+139円高でした。先物を買って株価水準を維持しようというくらいですから、なかなか相場の方向は決まりません。出来高は4.2億と薄く、見送り状態が続いています。

東食の再建を豊田通商が支援するの報道で、昨日2円であった東食が5800万株の商いになりました。高値8円があって6円となりました。豊田通商は1円高です。倒産すれば株価は1円2円ですが、8円をつけたことは、東食は銀行の貸し付け金の引き揚げがなければ、生き延びることができたのに、の世間の評価でしょう。東食と山一の出来高は7000万株ありましたから、今日の正味の出来高は3.5億株です。

第4次の経済対策がまとまりました。@土地の再評価、A自社株の消却に加えて、B土地流動化のために公的資金の活用の検討、C日本版401Kの検討がでてきました。@Aは相場に織り込まれており、BCは決まればかなりの好材料だと思いますが、これから「検討する」ということですから、当座の材料にはなりません。むしろ21日のG7において、諸外国から「景気回復のために積極的に財政出動するように」強く迫られるのではないかの期待のほうが、今日の小反発の材料になったようです。


(98.2.23) 16609円 (−146) 3.2億株


G7で「日本は@金融システムを強化し、A規制緩和が必要で、B財政による景気刺激をしなければならない。」という共同声明をだしましたが、山崎政調会長は「日本の経済政策は日本で主体的におこないたい」という態度であり、榊原財務官は「財政出動を伴う景気対策は約束していない」と発言したため、政府の優先順位は98年予算の成立が第一で、その後に補正予算の審議のスケジュールは変わらないの判断で、相場は閑散となりました。出来高は東食・山一を除けば2.8億株でしかありません。

円相場は一時129円と再び円安にぶれています。海外の目は厳しくなり、外国人も1月の買い越しから、2月になって売り越しになる週もでてきました。いまや補正予算の内容がどうなるかが材料になっていますが、経済の実勢悪を証明する統計が続々と発表される中、これら悪材料に抗して、4月下旬といわれる補正予算まで、株価は維持できるのか心配になってきました。この様子では、株価が16000円割れになるまでは、新たな景気対策はでそうにありません。株安を見ない限り決断できない政府だということを円安は語っています。


(98.2.24) 16198円 (−411) 3.7億株


橋本内閣が成立させた財政改革法にのっとって、97年度に比べて規模を縮小した98年度予算の成立に固執する政府は、@98年度予算をともかく成立させ、A財政改革は放棄していないのだということを示し、それから98年度予算を有名無実なものにするB補正予算を組もうとしています。せっかく実質は路線を転換し、株価が反騰したのに、現執行部の意地や保身から、やるべき時期を先に繰り延べてしまうので、市場は失望し始めました。(日経朝刊の「政府、二枚舌作戦ほころび」はよい見出しでした。)

新たな景気対策がでないとなると、連日の業績予想の下方修正だけが響きます。ダイエーは71年上場来始めて単独・連結経常益が赤字になり、-108円ストップ安の559円になりました。加えてムーディーズが格付けを引き下げるとかで、富士銀も-39円安の880円となり市場のムードを一層暗くしました。日経平均は後場に入って下げを加速し、1/3押し水準の16450円を突き抜けて16198円の引け。出るぞ出るぞと期待したものが、3月中旬まで何もないのだということがはっきりしましたから、当面上昇する材料はありません。

チャートからは、今日の16198円はちょうど75日線の水準ですが、当面の重要ポイントの16402円を下回り、失望感が形になってでたばかりですから、まずこの水準は下抜けるものと思わねばなりません。次のフシはザラバ値段での1/2押しである15920円、終値ベースでの1/2押しである15934円です。なお「デンドラでみる日経平均の波動」に書きましたが、15602円を下抜くようだと、先の高値17205円を取り戻すことは難しくなりますから、15600円までで止まって欲しいものです。


(98.2.25) 16360円 (+162) 4.3億株


日経平均は前場15932円まで下落しましたが、ここは半値押しの水準であり、16000円台を割り込んだなら政府は何か言って来るかも知れない、の思いがあるのでこれ以上は売り込めません。案の定、小杉政調会長代理が「思い切った景気対策を考えたい」と発言したとアナウンスがあり、ここから戻り歩調になりました。

この結果、半値押し水準に達し、75日線をまたいだタクリ足になりました。グラフは、ここから反発して絵に描いたような押し目を完了するのか、あるいは2/3押しの15442円あたりまで再下落をするのかの分岐点になりました。

今日の小杉政調会長代理の発言ですが、その具体的な内容はなく、私は小杉政調会長代理がいるということすら知らなかったくらいですから、まともに受け取るのもどうでしょうか。今の様子では98年度予算の成立にめどがつかない限り、大胆な第5次対策はぶち上げられないように思われます。今日のところは、@半値押し水準に達した、A16000円を割り込んだ、ことで売り方が自重して買い戻した様子であり、押し目が完了したとは言えません。このまま小物のリップサービスばかりが続くようだと、さらに失望が深まることになりかねません。


(98.2.26) 16501円 (+141) 4.0億株


NYは8457$と新高値更新。円は128円半ばで、海外の日本に対する評価は低下気味です。今日も三菱自の連結純益が前期116億円の黒字から、今期は600億円の赤字の予想が報じられました。ほかにビクターも連結で46億の黒字から50億の赤字へ、HOYAは連結純益は−22%減など、当初予想から急速な業績悪化が顕在化しています。

したがって新日鉄・三菱重など内需株は安く、高いのは日ドライ・太平洋工・長崎屋の仕手株と公的資金の導入を決めた銀行、補正予算を期待した建設株、円安メリットのソニー・トヨタといったところですが、いずれも相場が長続きするほどのものではありません。

首相は4月上旬をめどに追加対策を出すと発言したそうですが、オオカミ少年と同じで、一国のトップの発言ながら何の重みも信頼もありません。16500円以上で買い上がって17200円へ上昇させた買いものは、今度は戻り売りのマイナス勢力になっています。17000円台のときに景気対策を出しておけば楽に18000円になったものを、「証文の出し忘れ」によって、17000円に復活することさえ容易ではない状況にしてしまいました。

夕刊で3人の社長が誘い合って自殺したと報じていました。ビールで最後の乾杯をした後、同じように縊死するというのも哀れです。景気悪化はここまで人を追いつめています。とはいえ相場にはよいも悪いもなく、12月以来《カナル》の発売本数は好調です。特にここ2年間は希であった証券マンが目立って購入しています。景気はどんどん悪化しているが、相場は買い時代に入ったのではなかろうか、と見る向きが増えてきている証拠です。


(98.2.27) 16831円 (+329) 5.0億株


所得税の最高税率を引き下げるなど税制を99年度に抜本改革と報じられましたが、来年の話であり、これはすぐの材料にはなりません。もう1つは財政出動を柱とする新たな景気対策を3月中に打ち出すことが決まったそうで、これは相場に響き3日連騰になりました。

思い出せば2月13日に補正予算は夏頃にしか成立しないのではないかの予想で380円巾の大陰線をつけ、このたびの調整に入ったのでした。

さらにG7後「財政出動を伴う景気対策はG7では約束していない」の発言があって、2月24日には400円安となり、翌日16000円をザラバで割り込むということになったのですが、今の相場は完全に政府の景気対策いかんに左右されています。

いまの景気後退は第1次オイルショック以来のもので、20年ぶり25年ぶりのものなのですから、政府の言動が国会対策用であったり、政権維持のためであったりするのは困ります。

ユニチカが一般企業としては初めて土地の再評価に踏み切るとの報道があり、ユニチカは27円高の150円へと急伸しました。再評価によって1株純資産は60円から176円に向上するそうです。今日は公共事業費を上積みするのアナウンスがあり、新日鉄や建設株が上昇しましたが、これら株はまだ1月につけた戻り高値を上抜けていません。ユニチカは土地の再評価の話で、ただの1日で1月高値154円を上抜く156円をつけましたから、全上場企業に再評価をするよう要請すれば日経平均で2000円3000円のインパクトはあったと思われます。

今日の3連続陽線は、目先上昇トレンドになったことを示していますが、@崩れ始めた2月13日の出来高は6億株、前日は7億株、その前は8億株と6兆円あるいは10兆円の補正予算を期待した大量の買い物があった水準です。

Aようやく補正予算の時期のめどがつきましたが、これまで政府の言動に振り回されていますから、今日の出来高は5億株であるように、安心して乗っていけない気持ちがあります。

当面17000円では戻り売りがでて、このまますんなりと2月13日の水準はクリアできるとは思われません。昨年6月高値から75日線まで調整し、ここから3連続陽線をつけて反発した局面が今回の例となるでしょう。かなりもたついています。


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