日経平均をどう見たか・判断したか (97年8月)

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(97.8.1) 19804円 (−527) 4.5億株


前場が終わった段階で、日経平均は20367円。これに対して先物は20200円で、167円の逆サヤでした。「なんだこれは!」と思っていましたら、証券会社から連絡があって、現物のシステムがダウンして、前場は150銘柄の立ち会い銘柄だけの売買しかできなかったことを知りました。

後場からシステムは回復しましたが、なにしろ167円の逆サヤがあります。一気に裁定解消の現物売りがでて、日経平均は下落。先物の買いもたいして入らなかったようで、先物も下げ、これを追って現物も下げるという、かつての米国のブラックマンデーを思い出すような悪循環の下落でした。下落幅はたいしたことはありませんが、今日の下げの原因はシステムの欠陥が引き起こしたと言えます。システムがダウンしたのなら、先物・オプションの売買もストップできなかったのでしょうか。

値上がり銘柄数は184銘柄、値下がりは944銘柄でしたが、出来高1位の日立(1400万株)、2位の東芝(1200万株)、3位の富士通(1200万株)、4位の野村証(1200万株)は上昇ないし変わらずであったし、ソニー・NTTは新高値であっただけに、システムダウンは悔しく思います。

今日の値幅は、高値20339円・安値19797円で542円幅があります。この長大陰線は当然に重要ポイントになり、せっかくの昨日のタクリ足でしたが、水泡に帰してしまいました。 システムダウンが引き起こした大陰線であれば、そう尾を引く影響はないと思いますが、気分の問題もありますから、来週月曜日の様子を見たいところです。


(97.8.4) 19668円 (−136) 3.4億株


東証のシステムダウンはテレビのニュースにもなり、一般紙にも大きく報じられました。今朝は先週の下げはシステムが原因と考えた押し目買いが入り、10時頃には120円ほど高くなったものの、トヨタ・ホンダ・ソニーの国際優良株の値が崩れ、一時は逆に、-348円安の19456円と19500円を割りました。ここから引けにかけて約200円戻し、19668円で終りましたが、この値段は先のボトムである7月9日の終値19697円を下回っています。

5月6日の長大陽線(安値19616円・高値20222円)の重要ポイントを下回るかどうかの3度目の危機になっていますが、安値を切り下げた今日では、この水準を維持できるかどうかは、実に風前の灯火のようです。もしこれを下抜くことになると、18800円あたりへの下げは考えておかねばなりません。


(97.8.5) 19514円 (−153) 4.3億株


とうとう19600円を割り込みました。これによって6月26日のザラバ高値20910円が1番天井、7月29日の戻り高値20698円が2番天井と決まりました。大引け前には19500円を意識した買い物が入り、一時300円安が−153円安まで戻しましたが、中勢の下降トレンドに入った今では、大きな方向は下向きであり、反発があってもあや戻しであると考えねばなりません。1番天井から2番天井まで約1か月をかけましたから、1か月は下げると予定しておかねばなりません。

200日線も割り込みました。5月初めの19600円にのせてから3か月の高値保合いで出来た玉が、これからは重く重くのしかかってきます。この高値保合い水準を突破することは容易なことではありません。高値保合いの幅は終値ベースでは高値20681円・安値19697円の約1000円幅でしたから、この下げが1ゾーン分の下げであるなら、次のゾーンの下限は19697円より1000円安い18700円です。当面の下値の目標になります。ザラバベースで見ると高値は20910円・安値は19495円の約1500円幅なので、ここからの下値目標は18080円になります。


(97.8.6) 19702円 (+187) 3.9億株


朝は売り物に押され一時281円安の19233円がありましたが、前場は前日比変わらずで引け、後場には銀行・証券が引っ張って上昇に転じ、高くなりました。今日の最安値から約470円の上昇であり、結構波乱の一日でした。テクニカルな指標からは、25日騰落レシオが8月1日から70%割れであったこと、9日順位相関が−80以下になったこと、から反発したのでしょうが、短期の反動高にしか過ぎないの認識です。

25日平均線は明日にでも75日平均線とデッドクロスしそうです。また25日順位相関は下向きになっており、これが−60%〜−80%あたりまで下降しないと本当の反発にはならないと思っています。今後は、8月1日の大陰線(高値20399円・安値19797円)は戻りの重要なポイントとして記憶しなければなりません。この水準を超えるのは並大抵のことではなく、それまでは弱気です。


(97.8.7) 19475円 (−226) 3.7億株


これまでは株価が押し目をつけては上昇してきていたので、下げ初めでは「この下げは押しである」と考える向きも多く、小反発します。しかし次第に下げ幅が拡大してくると、「これは押しではなく下降波動である」の考えが増えて、本格的な下げになります。皆が弱気になって「これはもういかん」と思う頃に上昇転換がやってくるのが相場です。

昨日は反発しましたが、出来高は少なく、はたして今日は昨日の上げ幅以上に下げました。今日の出来高はさらに少なく3.7億株。値上がり銘柄は228銘柄、値下がりは869銘柄です。パソコンの出荷台数も前年比+4%と伸び悩み、地価も下げ止まりが見られなかったようで、景気は不透明さを増しています。今日は25日平均線と75日平均線がデッドクロスし、下げ相場を確認しました。当分は面白くない相場が続きます。


(97.8.8) 19604円 (+128) 4.9億株


オプションのSQでした。前場は昨日の逆ザヤを受けて売られ、前引けでは19259円の−216円安。出来高は2.4億株。その後は大引け30分前から反発し、プラスで終りました。 昨日ボロボロになるまで売られた建設が突っ込み警戒からか反発したことや、NTTに大量の買い物が入ったので、やや明るい気分がでたようです。

後場の出来高は2.5億株と増加しましたが、今日の出来高上位の銘柄は、新日鉄−11円安・三井物−10円安・野村証+30円高・山一証−9円安・NKK−4円安・NEC−50円安となっており、野村証以外は売り物優勢の出来高でした。

今日の反発もそうでしたが、今後の上げの要因としては、売り込まれた銘柄の突っ込みからの反発しか思いつきません。自律反発では上昇トレンドはつくれませんから、本格的な上昇はまだまだ先のことです。


(97.8.11) 18824円 (−780) 3.5億株


先週末のNY市場が一時8000$割れと下げた(終値は8031$)ことや、円相場が115円への円高になったことから、寄り付きから安く、後場は大幅下落となりました。−780円安は1月10日の−770円安を抜いて今年最大の下げ幅です。NYの−156$安自体はこれまでにも何度か経験した下げ幅ですが、下降トレンドに入っている日本市場にはこたえました。

値上がり銘柄数は120銘柄、値下がりは1015銘柄でしたが、値上がり銘柄のうち30銘柄は売るに売られた建設株です。繊維株が10銘柄、化学・薬品が10銘柄、商社・流通が19銘柄上昇しています。この上昇相場で見捨てられていた銘柄です。この下げが終ったあとは、銘柄が変わってきそうです。
今日の下げで、第1段の下値のめどとしていた18700円に接近しましたが、次の下値のめどとして18080円があります。


(97.8.14) 19222円 (+214) 3.7億株


前場は出来高1.7億株の19024円でしたが、後場に公的年金の買いが幅広く入ったとかで、19222円へ上昇しました。後場の出来高はしかし2.0億とたいして増えていません。三井建は+45円高の215円になりましたが、陰線となりました。

前日比5%以上上昇した銘柄を検索すると、62銘柄ありました。建設が10銘柄、繊維が5銘柄、電気が9銘柄などの業種ですが、このうち日経225銘柄のものはわずかに7銘柄です。225以外の銘柄が水準訂正をしようとしています。

今日TOPIXは8月11日の大幅下げの陰線を上回りました。この上には8月1日の長大陰線が待っていますが、225以外の雑株はだいたい底値を出したとみてよいでしょう。日経平均はなかなか切り返せないと思いますが、これまで売られてきた非日経225の銘柄は買い場狙いです。


(97.8.15) 19326円 (+103) 4.2億株



1.5円の円安になったことから、窓をあけて寄り付き、そのまま続伸し、前場は243円高の19466円でした。かねてより言っている直近の重要ポイント(高値19462円・安値18824円)を上回っており、後場のさらなる続伸があるのかと期待半分で見ていました。現物が先物を100円かた高くリードしていたのですが、しだいに裁定解消の売りに押され、結局は100円高でおわりました。

ポンと高く飛びついたあと、上ヒゲをだして小幅高で終ったのは、この水準はやはり売り物が出やすいことを表しています。HPで追跡している長谷工・トヨタ・富士通・NTTはいずれも高寄りのあと陰線で引けました。

藤和不がアブナイ。フジタも一蓮托生。と各820万株・1370万株の売り物で、共に100円を切りました。今日の出来高4.2億のうち0.2億株はこの2つの出来高です。ただ建設株もこの水準まで売られると(ソニーの100分の1の株価)相場の強弱にはほとんど影響しなくなっているので、もはやニュースにはなりません。


(97.8.18) 19041円 (−284) 3.6億株



NYが247$安の急落と土曜日に伝えられましたが、土曜・日曜の2日間の冷却期間があったので、今日は安いなりにも案外に落ち着いていました。NYの下落率は3.1%でしたから、日経平均では500〜600円安が予想されましたが、ザラバ安値でも−490円が最大で、引けは逆ザヤながら−284円安で終りました。

値上がり銘柄数は314銘柄、値下がりは776銘柄と、売り一色ではありません。NYに連動するソニーなどハイテク値嵩株は下落しましたが、再建策がでたフジタは1200万株の買い物で+16円高の106円でした。

NYの247$安の半分しか日本には響きませんでしたが、出来高が薄かったのは、今日のNYが続落するのか、これまでのように急落の翌日は反発するのか、を見極めたいと様子見であったからです。今日NYは続落すれば、響かなかった分だけ日本株は下落すると思われます。


(97.8.19) 18961円 (−80) 3.4億株


NYは反発しましたが、−247$安に対して+108$の上昇であり、半値戻しには達しませんでした。これではNYの下げは止まったとは言い難く、どうかなと思っていましたが、日経平均先物は買い気配で始まり意外でした。一時は+237円高までありましたが、後場は売られ、逆に−237円安の18803円と先の18801円ギリギリのところまで下げた後、やや戻して終りました。ソニー・キャノンは売られましたが、値上がり銘柄は566銘柄、値下がりは482銘柄と悪くありません。しかし出来高はさらに減少し3.4億株と閑散です。

18801円近くまで下げること、今日で2度目です。一見18801円は堅そうですが、すでに相場は2番天井がでており、200日線を割り込んでから7日たつのに復帰出来ず、25日は75日線とデッドクロスしたばかりであるし、などなどを思うと強気にはなれません。半値戻りができなかったNYが今日はどうなるのか、注目です。

引け後で、大都工が1592億の負債をかかえて、会社更正法の申請をしたの報道がされました。東海興・多田建に続き3社目の倒産です。3社目ともなるとインパクトは弱まるはずですが、建設株は戻り歩調であっただけに、カウンターパンチとなり、明日は多田建のときよりも影響は大きそうです。


(97.8.20) 19252円 (+291) 3.6億株


NYは続伸しました。昨日の+108$を上回る+114$高で、先の急落の下げ分をほぼ埋めましたから、NYの大崩れはなくなりました。しばらくはNYの下げを気にしなくてすみます。

日経平均はNY高と118円台の円安をささえに、上昇しました。後場は一時マイナスになりましたが、大引けにかけて裁定の買いが入り、久しぶりに300円近い上昇です。値上がり銘柄数は686銘柄、値下がりは405銘柄と昨日に引き続き値上がり銘柄数は増加しています。

前日比+2%以上上昇した銘柄は75銘柄ありましたが、値段の分布をみると1000円以上が7銘柄、1000〜800円が3銘柄、800〜600円が11銘柄、600〜400円が18銘柄、400〜200円が32銘柄、200円以下が4銘柄です。300円台の銘柄が水準訂正をしています。ハイテク値嵩株が主力であったときは見向きもされませんでしたが、ようやく低位銘柄に目がいき始めました。

ただこれら銘柄から相場をリードするものがでるとは期待できません。相場のトレンドを変えるほどの力はないと思います。


(97.8.21) 19157円 (−95) 3.8億株


NYは3日目も103$の上昇で、再び8000$に乗せました。これを見て朝方は買い物がはいりましたが、売り物も結構でて小康状態になり、後場は売り物に押され、小幅安になりました。昨日の反発が上から押さえつけられた格好です。前場の出来高は2.1億ありましたが、後場は1.7億株とジリ貧でした。

8月中旬から、非日経平均の銘柄が動意づいています。今日は大同板から日東化・ダイワ紡・北川鉄・OM製などの細かな銘柄が長い陽線を立てています。神鋼電はストップ高でした。ほかにも大型の繊維株(帝人・東レ・旭化成)も大きな動きをしています。長らく個人投資家が買える銘柄はカヤの外でしたが、かっての仕手株を手始めに買ってみようというところです。大方は国際優良株はあきあきしているので、うさんくさい銘柄でもフレッシュに感じます。当面はゲリラ的な動きで下値を固めていくのでしょうか。


(97.8.22) 18650円 (−506) 4.2億株


8月11日の長大陰線(高値19462円・安値18824円)は重要ポイントであり、19462円を上抜くまでは弱気の態度でしたが、これはクリアできず、かえって今日は安値の18824円を大幅に割り込みました。今回の下げ波動の下値は第1段が18700円で、第2段が18080円と想定していました。今日の終値18650は第1段の18700円に近いのですが、8日間の下値保合いから下放れたばかりですから、来週は18080円を目指すことになりそうです。

来週の後半は下げの日柄がやってきますから、反発しやすくなります。また9月上旬には、やはり反発してもよい時期になるので、悲観することなく、ここからは反発の転換点をさがすことに なります。


(97.8.25) 18656円 (+6) 3.2億株


出来高は極端に薄く、値動きも上下90円幅で固まった状態です。下値が固いのならよいのですが、ザラバでは18550円の新安値まであるので、本気で買いが入っている様子でもありません。今日の小幅陰線は下げ途中の気迷いの踊り場とみたほうが素直です。

18100円近辺は注目すべき水準です。1つは、3か月にわたった高値保合い(高値20910円・安値19495円)の値幅1415円が、下方にこの値幅だけスライドしたときの下限が18080円です。(19495円−1415円=18080円)これはすでに何度かいいました。

また次図の日経平均(ここ2か月の動き)にあるように、1月13日の安値17019円と4月11日の安値17447円を結んだ、下値傾向線の現在の水準がだいたい18100円あたりにあります。(「週足でみる日経平均」も参照して下さい)

この注目すべき水準近辺がおそらく当面の下値になりそうで、その時期も今週後半から9月初旬のあいだになるだろうと思っています。そう悲観はしていません。


(97.8.26) 18814円 (+158) 3.3億株


出来高はあいかわらず薄いのですが、値嵩優良株はこの1か月の調整で、75日平均線近辺まで下落したものが多く、この水準からの反発を期待した押し目買いがはいったようです。日経平均は高く引けました。75日線はなんといっても大きな下値支持の線ですが、値嵩優良株については75日線で下値を確認できるかどうかは疑問に思っています。

6月末の1番天井と7月末の2番天井まで23日間の日柄でしたが、明後日28日は、2番天井から23日目にあたります。多くはこのあたりで反発するかどうかを注目していると思われます。


(97.8.27) 18441円 (−373) 3.3億株


昨日の反発を待ってましたとばかりに、売り込まれました。出来高は昨日と変わらず3.3億株で、とうてい投げ出したとは言えません。当面の底を出すためには4億から4.5億くらいの出来高ができて、タクリの陰線がでなくてはだめでしょう。明日は、日柄から注目すべき日です。このような現象になるのか見守りたいとおもいます。

ただ反発したとしても、当面は、重要ポイントの19462円までが最大限の戻りですから、たいした戻り幅は期待していません。一度重要ポイント近辺に戻ってから、その後の反落がどのようになるのかで、底入れとなるかどうかを見たいのですが、これはやや先走り過ぎです。当面は明日から来週にかけて、先の現象がでるかだけを注視。

(97.8.28) 18451円 (+9) 3.1億株

まず出来高が薄く、これだけでも底うちにはほど遠い状況です。今日もザラバで新安値をとりました。今日で5日連続の新値とりですが、グズグズとなかなか投げないのでいつまでたっても底が入りません。

この頁では「今、市場が注目している銘柄」をいくつか掲示しています。トヨタは2番天井を早くから出し、もはやグラフを掲げる意味がないので、なにか薬品株で追跡するようなものはないかと探してみました。しかし薬品株も2番天井を出したばかりのものが多く、富士通・長谷工と下げ波動ばかりの例になってもつまらないので、新しい銘柄の採用は今日のところは断念しました。ゲリラ的な銘柄しかないような状況になってきました。


(97.8.29) 18229円 (−222) 3.9億株


NY安、アジア株が年初来の安値更新で、日経先物は売り気配から始まりました。前場ザラバでは17973円と18000円を割り込みましたが、後場はそれ以上の下げはなく、最安値から250円方戻して終りました。これによって今日の足型は、窓あけの陰線のタクリ足になりました。

出来高は3.9億株で、もう少し出来ておればよかったのですが、下値の目安としていた18080円に届いたし、日柄的にも下げ止まってよいところなので、まず今日で目先は下げ止まったと思います。ただ、ここからの反発は重要ポイントの19462円が上限ですから、たいした戻りは期待できません。

また相場は下げ止まりかというだけで、上昇トレンドに乗ったわけではないので、正攻法で買うわけにはいきません。ゲリラ的な銘柄が目先は踊るのではないかと思います。今日の下げにも関わらず5%以上上昇した銘柄は26銘柄ありますが、一例を上げると、佐藤工・大末建・日産建・ナカノ・大日土などの建設株、帝繊維・日東網・ダイニックなどの繊維株、ダイジェット・豊和工・OKK・レオンなどの機械株などなど小型で、常には出来高が薄い銘柄です。


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