1390《カナル24》操作事典
 [1390] 売買ルールの設定例D 長期投資(60日)

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売買ルールの設定の例として次の5例を掲げておきます。いずれも条件表No.13を使っての検証をしています。
  1. 1386 @寄引売買(1日)  デイトレ。始値で仕掛け、当日の終値で決済する
  2. 1387 A目先投資(5日)  5日後に決済する。利食い・損切りはしない。
  3. 1388 B短期投資(10日)  10日後に決済する。利食いA・損切りZをする)
  4. 1389 C中期投資(30日)  30日後に決済する。利食いA・損切りZをする
  5. 1390 D長期投資(60日)  時間切れなし。利食いA・損切りZ・決済Kをする

長期投資(時間切れ60日間)

長期投資とは、普通は現物株を何年かかけて保有するときに使いますが、ここでは信用の建て玉をするので、3か月(60日)を長期投資とします。 1387 売買ルールの設定例A目先投資(5日)で使った条件表No.13「75日線売買@(20日以上)」で長期投資をしたときにはどのような成績になるのかを調べます。

1812「鹿島建」は
  1. の日に買いマークを出しています。(a)の翌日の始値で買い仕掛けをすると、300円です。

  2. の日は仕掛けて5日目です。(目先投資)この日の終値は306円なので+6円の評価益が出ています。

  3. の日は仕掛けて10 日目です。(短期投資)この日の終値は309円なので+9円の評価益が出ています。

  4. の日は仕掛けて30 日目です。(中期投資)この日の終値は388円なので+83円の評価益が出ています。

  5. の日は仕掛けて60 日目です。(長期投資)この日の終値は366円なので+66円の評価益が出ています。

建て玉期間(時間切れ期間)が短いと利益額(リターン)は小さいが、損失(リスク)も小さくなります。建て玉期間を長くするほどリターンは大きくなり、リスクも大きくなります。リスクが大きくなる可能性があれば、リスクを限定させるために「損切り」をすることを考えねばなりません。ただ小幅な損切りをすると勝率はかなり低下します。

長期投資の場合は、大きな損失を出さないために、仕掛けて10日経っても利益が出ないときには早めに手仕舞いしておくのがよいでしょう。

@長期投資の売買ルール(1)利食い・損切りなし

長期投資の成績の50%は、仕掛けのタイミングで決まると思っています。残りは利食いのしかたや損切りのしかたに依存します。
まずは、仕掛けて60日目に利益がでているのか、損失がでているのかを調べることが大事です。利食いや損切りをすると、仕掛けのタイミングがよかったのか悪かったのかの判断ができません。

売買ルールを次のように設定してください。
  1. 「翌日の始値」で仕掛ける

  2. (60日)が経過したら「翌日の始値」で手仕舞う

  3. 利食いAはしない(チェック欄は空白)

  4. 損切りZはしない(チェック欄は空白)
2001年1月〜2013年12月の13年間の検証をすると、次のような成績になりました。

1)売買成績

( )内は中期投資の数字
  1. トレード数は、307件 (313件)

  2. 累計利益%は、874% (1561%)

  3. 平均利益%は、2.85% (4.99%)

  4. 勝率は、59.6% (63.9%)

  5. PFは、1.38倍 (2.07倍)
建て玉期間30日の中期投資に比べて60日の長期投資の成績はすべて劣っています。この理由は、株価のトレンドが持続するのは30日くらいが限度で、60日まで持続する例は少ない。ということでしょう。30日を超えて建て玉を保持しても時間の無駄になることが多いようです。

細かく数字を検討すると、勝ちトレードの平均利益率は17.21%(中期投資は15.12%)であるのに、負けトレードの平均損失率は-18.35%(中期投資は-12.94%)と、負けトレードの損失率が勝ちトレードの利益率よりも大きくなっています。条件表No.13を使って長期投資をした場合、リターンが大きくなる以上にリスクが大きくなっています。

2)損益経過

「損益経過の指示」では、@理論金額(千M)で仕掛ける、A片道手数料は1株当たり0.050%(往復0.1%)、B同一日に複数の銘柄に売買マークがでたときは、株価の最も高い1銘柄を仕掛ける。としています。

売買成績では売買マークを出したとき、すべての銘柄を仕掛けるとしていますが、損益経過では同じ日の仕掛けは1銘柄に限るとしています。
( )内は中期投資の数字。

  1. トレード数は、191件 (194件)
  2. 累計利益%は、7493.9M(=749.3%) (7662.2M(=766.2%))
  3. 平均利益%は、39.2M(=3.92%) (39.5M(=3.95%))
  4. 勝率は、59.7% (59.8%)
  5. PFは、1.53倍 (1.81倍)
  6. 6連敗 (4連敗)
  7. ドローダウンは、-2410.0M (-1210.0M)
  8. PD倍率は、3.11倍 (6.33倍)
中期投資と比べて、@累計利益%、A平均利益%、B勝率 はわずかに低い程度ですが、Cドローダウンが-2410Mと倍増しています。この結果DPFやEPD倍率の数字が悪化し、F6連敗しています。負けトレードの平均損失率を小さくして、ドローダウンを少なくすることが必要です。

ただし勝率59.7%は合格基準の55%を超えているし、PFの1.53倍も合格基準の1.50倍を超えているので、条件表No.13を長期投資に使った場合の成績は合格です。

A長期投資の売買ルール(2)利食いなし・損切り-35%

中期投資では損切り-35%がよいという結果になっていました。長期投資でも-35%で損切りをして見ます。

売買ルールを次のように設定してください。
  1. 「翌日の始値」で仕掛ける

  2. (60日)が経過したら「翌日の始値」で手仕舞う

  3. 利食いはしない

  4. ザラバで(-35%)以上の損失がでたら損切りZをする

次のような成績になりました。( )内は(利食い・損切りなし)の数字

1)売買成績

  1. トレード数は、307件 (307件)

  2. 累計利益%は、1153% (874%)

  3. 平均利益%は、3.76% (2.85%)

  4. 勝率は、59.3% (59.6%)

  5. PFは、1.58倍 (1.38倍)
-35%で損切りをすると勝率以外はすべてよくなります。特に負けトレードの平均損失率が-18.35%から-15.81%になり、勝ちトレードの平均利益率+17.20%より小さくなっているのは、損切りによってリスクに歯止めがかかったということです。

2)損益経過

( )内は(利食い・損切りなし)の数字。
  1. トレード数は、191件 (191件)
  2. 累計利益%は、8678.4M(=867.8%) (7493.9M(=749.3%))
  3. 平均利益%は、45.4M(=4.54%) (9.2M(=3.92%))
  4. 勝率は、59.2% (59.7%)
  5. PFは、1.68倍 (1.53倍)
  6. 6連敗 (6連敗)
  7. ドローダウンは、-1241.6M (-2410.0M)
  8. PD倍率は、6.99倍 (3.11倍)
損益経過の数字も、勝率を除いてすべてよくなっています。 またドローダウンは-2410Mから-1241Mへ半減しており、リスクを抑えています。勝率59.2%は合格基準の55%を超えているし、PFの1.68倍も合格基準の1.50倍を超えています。(利食いなし・損切り-35%)の売買ルールによる長期投資の成績は合格です。

B長期投資の売買ルール(3)
利食いA+45%・利食いB30日+15%・損切りZ-35%・損切りX30日-5%

中期投資(30日)では利食いA-45%・損切りZ-35%がよいという結果になっていました。(前章 のC中期投資のまとめの表の「I」を参照) 仕掛けて30日まではこの売買ルールが適当なのです。30日目以降の売買ルールをどのようにすれば、もっと成績がよくなるのか、あるいは成績はよくならないのかを調べます。

売買ルールを次のように設定してください。
  1. 「翌日の始値」で仕掛ける

  2. (60日)が経過したら「翌日の始値」で手仕舞う

  3. ザラバで+45%の利益が出たら利食いAをする

  4. 仕掛けて30日が経過していて、ザラバで+15%以上の利益が出たら利食いBをする

  5. ザラバで(-35%)以上の損失がでたら損切りZをする

  6. 仕掛けて30日が経過していて、ザラバで-5%以上の損失が出たら損切りXをする
利食いについては、30日が経過して+45%の利食いAができていないとき、+15%以上の利益が出るなら、今後60日目までに+45%の利益は出ないだろうから早めに利食いBをします。損切りについては30日が経過してなお-5%の損失が出るなら、今後60日目までに+45%の利益は出ないだろうから早めに損切りBをします。
次のような成績になりました。

1)売買成績

( )内は(利食い・損切りなし)の数字
  1. トレード数は、313件 (307件)

  2. 累計利益%は、1752% (1153%)

  3. 平均利益%は、5.60% (3.76%)

  4. 勝率は、52.4% (59.3%)

  5. PFは、2.17倍 (1.58倍)

(30日が経過して-5%以上の損失がでたときは損切りする)ので、損切りする件数が大きくなり、勝率は低下しますが、勝率以外の数字はすべてよくなります。特に負けトレードの平均損失率は-10.07%と小さく、勝ちトレードの平均利益率+19.83%の約半分になっているのは、損切りXによってリスクを小さく抑えたことがわかります。

2)損益経過

( )内は(利食い・損切りなし)の数字。
  1. トレード数は、194件 (191件)
  2. 累計利益%は、8798.1M(=879.8%) (8678.4M(=867.8%))
  3. 平均利益%は、48.5M(=4.58%)   (45.4M(=4.54%))
  4. 勝率は、48.5% (59.2%)
  5. PFは、1.89倍 (1.68倍)
  6. 6連敗 (6連敗)
  7. ドローダウンは、-940.7M(-1241.6M)
  8. PD倍率は、9.35倍 (6.99倍)
損益経過の数字も、勝率を除いてすべてよくなっています。 またドローダウン-940.7Mは、中期投資よりも小さくリスクが十分にを抑えられていることがわかります。損切りXを設定したことで勝率は必然的に48.5%と低くなりますが、累計利益8798Mや平均利益45.4Mは中期投資の数字よりも勝っています。またドローダウンが-940Mもリスクが抑えられています。(利食いA+45%/利食いB+15%・損切りZ-35%/損切りX)の売買ルールによる長期投資の成績は合格としてよいでしょう。

C長期投資の検証のまとめ

売買ルールの利食い・損切りのしかたによって、中期投資の成績がどう変わったかを表にまとめました。成績は「損益経過」の数字で、同一日に複数の銘柄が売買マークを出しているときは1銘柄だけを仕掛けます。

(2001年〜2013年の13年間 単位(M)手数料は往復1M=0.1%)
No. ルール トレード数 累計損益 平均利益 ドローダウン 勝率 Pファクタ 連敗
A 利食い・損切りなし

191回 7493M 39.2M -2410M *59.7% 1.53倍 6連敗
B 利食いなし・損切りZ-35%

191回 *8678M *45.4M -1241M *59.2 % 1.68倍 *6連敗
C 利食いなし・損切りZ-20%・損切りX30日後-5% 194回 8245M 43.2M *-855M 44.0% 1.80倍 8連敗
D 利食A+45%・損切りZ-35%/損切りX30日-5% 191回 *8988M *47.1 M *-907M 44.0% *1.89倍 8連敗
E 利食A+45%/利食いB30日+20%・損切りZ-35%/損切りX30日-5% 194回 *8895M *45.9M -1175M 46.4% *1.88倍 7連敗
F 利食A+45%/利食いB30日+15%・損切りZ-35%/損切りX30日-5% 194回 *8798M *45.4M *-940M 48.5 % *1.89倍 *6連敗
G 利食A+45%/利食いB30日+10%・損切りZ-35%/損切りX30日-5% 194回 8217M 42.4M *-867M *52.6 % *1.87倍 *6連敗
H 利食A+40%/利食いB30日+20%・損切りZ-35%/損切りX30日-5% 194回 *8692M *44.8M -1175M 46.4% *1.86倍 7連敗
I 利食A+40%/利食いB30日+15%・損切りZ-35%/損切りX30日-5% 194回 8611M 44.4M *-940M 48.5% 1.87倍 *6連敗
J 利食A+40%/利食いB30日+10%・損切りZ-35%/損切りX30日-5% 194回 8030M 41.4M *-867M *52.6% *1.85倍 *6連敗
K 利食A+35%/利食いB30日+20%・損切りZ-35%/損切りX30日-5% 194回 8424M 43.4M -1440M 43.4% 1.83倍 7連敗
L 利食A+35%/利食いB30日+15%・損切りZ-35%/損切りX30日-5% 194回 8347M 43.0M -1180M 48.5% 1.84倍 *6連敗
M 利食A+35%/利食いB30日+10%・損切りZ-35%/損切りX30日-5% 194回 7767M 40.0M -1132M *52.6% 1.82 *6連敗

上表には13通りの売買ルールによる成績を掲げました。このうち数字のよいベスト5に「*」印をつけています。最も多く*がついているのは、@(利食いA+45%/30日後利食いB+15%・損切りZ-35%/30日後損切りX-5%)です。

次いでよいのがA(利食いなし・損切りZ-35%)とB(利食いA+45%・損切りZ-35%/30日後損切りX-5%)、C(利食いA+45%/30日後利食いB+10%・損切りZ-35%/30日後損切りX-5%)です。
  1. 利食いAは+40%以上がよい
  2. 損切りZは-35%以下がよい
  3. 利食いBはしないか30日後+15%以上がよい
  4. 損切りXは30日後-5%以下がよい
といえます。大幅な利食いをする、損切りは-35%まで我慢する、というのがよい成績をあげる基本です。


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